(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017886
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】頻尿改善用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7024 20060101AFI20250130BHJP
A61P 13/10 20060101ALI20250130BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20250130BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20250130BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61K31/7024
A61P13/10
A23L33/105
A23L33/10
A23L2/52
A23L2/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121224
(22)【出願日】2023-07-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名:応用薬理研究会,刊行物名:応用薬理,104巻,3/4号,第55~60頁,発行年月日:2023年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】白川 未築
(72)【発明者】
【氏名】田中 夏子
(72)【発明者】
【氏名】本岡 香奈
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 咲良
(72)【発明者】
【氏名】友澤 寛
(72)【発明者】
【氏名】尾上 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 慎一郎
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB03
4B018LB07
4B018LB08
4B018MD08
4B018ME14
4B018MF01
4B117LC04
4B117LG24
4B117LK06
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4B117LP01
4B117LP17
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA03
4C086GA17
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA81
(57)【要約】
【課題】
頻尿改善が可能な組成物を提供すること。
【解決手段】
エノテインBを有効成分とする組成物である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エノテインBを有効成分とする頻尿改善用組成物。
【請求項2】
エノテインBを有効成分とする過活動膀胱改善用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エノテインBを有効成分とする頻尿改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
頻尿とは、1日あたりの排尿回数が増える症状である。頻尿の原因としては、過活動膀胱、残尿、多尿、尿路感染、腫瘍、心因性などが挙げられる。特に過活動膀胱は、尿意切迫感、切迫性尿失禁の排尿障害を呈する疾患であり、過活動膀胱の症状は日常生活に支障をきたし生活の質を低下させることから、近年の高齢化社会に伴って注目が集まっている。
【0003】
現在、過活動膀胱の薬物治療には、抗コリン薬が用いられている。抗コリン薬は、膀胱の排尿筋の収縮を促進するアセチルコリンの作用を阻害する。しかし、抗コリン薬は、副作用として口渇や便秘等の症状を呈する等、問題点も多く、より効果的な予防・改善方法の開発が試みられている。例えば、イソラムネチン、カテキン、ヘスペレチン、ケルセチン、ルテオリン、フィセチン、クリシン、ゲニステイン及びそれらの配糖体から選ばれるフラボノイド類を有効成分とする過活動膀胱の予防又は改善剤や(特許文献1)、グルコサミン、ピルビン酸及びこれらの塩からなる群より少なくとも1種を有効成分とする頻尿の予防又は改善剤が知られている(特許文献2)。しかしながら、これまで開発された組成物は必ずしも効果が十分とは言えないため、頻尿改善効果に優れた新たな組成物の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-024809号公報
【特許文献2】特開2016-153384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、頻尿改善が可能な組成物を提供することにある。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を積み重ねた結果、驚くべきことに、エノテインBが過活動膀胱を改善し、頻尿を改善することを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
【0007】
本発明の概要は、以下の通りである。
[1]エノテインBを有効成分とする頻尿改善用組成物。
[2]エノテインBを有効成分とする過活動膀胱改善用組成物。
[3]エノテインBがヤナギラン由来であることを特徴とする[1]に記載の頻尿改善用組成物。
[4]エノテインBがヤナギラン由来であることを特徴とする[2]に記載の過活動膀胱改善用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の組成物は、過活動膀胱改善効果を有することから、優れた頻尿改善効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施例及び比較例におけるUPK2遺伝子発現量の相対値を示す図である。
【
図2】
図2は、実施例及び比較例におけるUPK3A遺伝子発現量の相対値を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例及び比較例におけるROS産生量の相対値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
本発明の組成物は、エノテインBを有効成分とすることを特徴とする。エノテインBとは、加水分解性タンニンの一種であり、下記式(1)で表される化合物である。エノテインBは、オエノテインB、オノテインBとも称される。
【0012】
【0013】
本発明に用いられるエノテインBとしては、飲食品の分野において通常使用されているものであれば特に限定されず、当業者に通常知られる方法により合成された合成物や、エノテインBを含有する植物、該植物の処理物などが挙げられる。経口摂取における安全性の観点から、エノテインBを含有する植物及び該植物の処理物を使用することが好ましい。
【0014】
本発明に用いられるエノテインBを含有する植物としては、例えば、ヤナギラン、ユーカリ、ザクロなどが挙げられる。エノテインBを豊富に含有する点から、ヤナギラン又はユーカリを使用することが好ましく、頻尿改善作用の観点から、ヤナギランを使用することが特に好ましい。
【0015】
エノテインBを含有する植物の処理物としては、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物などが挙げられるが、エノテインBを豊富に含有する点から、抽出物が好ましい。抽出に用いる溶媒は、極性溶媒、非極性溶媒のいずれでもよく、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、n-ヘキサン等およびそれらの混合液を使用することができるが、エノテインBを効率的に抽出する点から、水、含水エタノール、エタノールを使用することが好ましい。抽出方法は、通常植物成分を抽出するのに際して許容される方法であれば、特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などの固液抽出法が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。ペースト状や乾燥粉末とする場合は、そのもののみを用いて製造しても良いし、賦形剤と共に加工しても良い。また、得られた処理物は、さらに化学処理、酵素処理、精製処理を行っても良い。
【0016】
本発明の組成物におけるエノテインBの含有量は、例えばHPLCによって測定することができる。例えば、紫外部吸収検出器付きHPLC分析装置により測定することができ、分析カラムは株式会社大阪ソーダ製のCAPCELLPAK C18 UG120 5μm(4.6×250mm)を用い、移動相の液媒として、0.05%リン酸水溶液(移動相A)、アセトニトリル溶液(移動相B)を用い、カラム温度は40℃、流量1.0mL/分とすることができる。グラジエント条件は以下の通りとすることができる。
【0017】
【0018】
本発明の組成物には、エノテインB以外に、必要に応じてその他の成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば、賦形剤、滑沢剤、水溶性食物繊維や不溶性食物繊維等の食物繊維、タンパク質、各種ビタミン類やミネラル類、藻類、酵母等の微生物等を配合することができる。更に、必要に応じて、通常食品分野で用いられる、甘味料、酸味料、栄養補助剤、安定剤、結合剤、光沢剤、増粘剤、着色料、希釈剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。これらその他の成分の含有量は、本発明の組成物の形態等に応じて適宜選択することができる。
【0019】
本発明の組成物は、後述する実施例に記載の通り、ウロプラキン遺伝子発現促進効果、及びROS産生抑制効果を有することから、過活動膀胱を改善し、頻尿を改善することができる。本発明において、頻尿改善には、昼間頻尿の改善と、夜間頻尿の改善の両方が含まれる。なお、本明細書において「夜間」とは睡眠時と同義であり、「昼間」とは睡眠時以外を指す。本発明の組成物は、夜間頻尿を改善することもできることから、就寝中の頻尿回数を低減することにより、中途覚醒を低減して睡眠の質を高めることが期待できる。また、本発明において、「改善」とは、予防および治療(軽快、治癒を含む)を包含する意味で用いられる。
【0020】
本発明の組成物は、頻尿改善効果を奏することから、頻尿改善用組成物として用いられる。
【0021】
本発明の組成物は、頻尿改善作用に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに頻尿改善作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、飼料等を挙げることができる。また、一般的な食品であっても、頻尿改善の用途を示唆して製造販売されるものは、本発明の頻尿改善用組成物の範囲に含まれる。
【0022】
具体的に、頻尿改善用組成物において、例えば、「排尿に行くわずらわしさをやわらげる」、「排尿に行くわずらわしさを緩和する」、「頻尿にお困りの方へ」、「過活動膀胱を予防する」、「夜間頻尿を改善する」、「夜、トイレに行きたくて目が覚める不快感を減らす」、「夜のトイレの回数を減らす」等の文言による広告・宣伝が可能であり、これらの広告・宣伝は本発明の実施とみなすことができる。
【0023】
本発明の組成物は、経口的な使用に適した形態であれば特に限定されず、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、服用しやすさの観点から、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤がより好ましい。錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤として用いられる経口用組成物の例としては、サプリメント、食品添加剤、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料、水(湯)、牛乳、果汁等に溶解して飲むための粉末飲料等を例示することができる。
【0024】
本発明の組成物におけるエノテインBの含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。頻尿改善作用の観点から、固形分中、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が特に好ましい。また、日常生活において継続的に経口摂取しやすい観点から、エノテインBを80質量%以下含有させることが好ましく、60質量%以下含有させることがより好ましく、40質量%以下含有させることがよりさらに好ましく、20質量%以下含有させることが特に好ましい。
【0025】
本発明における組成物の摂取量としては特に制限はないが、頻尿改善作用の観点から、エノテインBの摂取量が、1日当たり0.01mg以上となるように摂取することが好ましく、0.1mg以上となるように摂取することがより好ましく、1mg以上となるように摂取することがよりさらに好ましく、10mg以上となるように摂取することが特に好ましい。また、日常生活において継続的に経口摂取しやすい観点から、エノテインBの摂取量が、1日当たり1000mg以下となるように摂取することが好ましく、500mg以下となるように摂取することがより好ましく、200mg以下となるように摂取することが特に好ましい。
【0026】
本発明の組成物は、エノテインBの1日の摂取量が上記摂取量となるように適宜設計すればよく、1回で上記摂取量を摂取する態様であってもよいし、複数回に分けて上記摂取量を摂取する態様であってもよい。すなわち、例えば、1つの容器に、又は2~4の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0027】
本発明の組成物の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
【実施例0028】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
【0029】
<試験 ウロプラキン遺伝子発現促進作用の評価>
本発明の組成物が、過活動膀胱改善による頻尿改善効果を有することを検証するため、尿管や膀胱などの尿路上皮に発現するタンパク質であるウロプラキン(uroplakin、以下「UPK」と略記する)遺伝子の発現促進作用を評価した。
【0030】
[被験物質]
実施例には、エノテインB(SIGMA製)を使用した。また、比較対象には、ケルセチン(SIGMA製)、ケンフェロール(富士フイルム和光純薬製)、没食子酸(SIGMA製)、エラグ酸(富士フイルム和光純薬製)を使用した。
【0031】
[細胞培養]
膀胱上皮細胞のモデル細胞として、膀胱移行上皮癌由来細胞であるT24(JCRB製)を使用し、10%FBS-MEM培地で培養した。96ウェルプレートに前記の細胞を8000cells/wellとなるように100μL/wellで播種し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、24時間前培養した。各wellより培地を除去後、被験物質含有培地を100μL/well添加し、24時間培養した。培地は0.5%DMSO-10%FBS-MEM培地を用いた。被験物質の培地中の濃度は表1に記載の通りとした。
【0032】
【0033】
[UPK遺伝子発現量の測定]
各wellより培地を除去後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、One Step TB Green PrimeScript RT-PCR Kit II(Perfect Real Time)(Takara製)により定量リアルタイムPCRを行った。UPK2のプライマー(QIAGEN製)とUPK3Aのプライマー(ユーロフィンジェノミクス製)を用いて、UPK2、UPK3Aの遺伝子発現量を測定した。また内在性コントロールとして、ACTBのプライマー(QIAGEN製)を用いて、ACTBの遺伝子発現量を測定した。
【0034】
[UPK遺伝子発現量の評価]
UPK2、UPK3Aの遺伝子発現量について、コントロール群(比較例1)の値を1としたときの相対値を算出した。結果を
図1及び
図2に示す。
【0035】
[結果]
図1及び
図2に示すように、エノテインB(実施例1)を投与した群は、コントロール群(比較例1)に比して、UPK2及びUPK3Aの遺伝子発現量が増加した。また、エノテインB(実施例1)を投与した群は、ケルセチン(参考例1)、ケンフェロール(参考例2)、没食子酸(参考例3)、エラグ酸(参考例4)を投与した群に比して、UPK2及びUPK3Aの遺伝子発現量が増加した。したがって、本発明の組成物は、優れたウロプラキン遺伝子発現促進効果を示すことから、過活動膀胱改善効果による頻尿改善効果が期待できる。
【0036】
<試験 ROS産生抑制作用の評価>
本発明の組成物が、過活動膀胱改善による頻尿改善効果を有すること検証するため、ROS産生抑制作用を評価した。
【0037】
[被験物質]
実施例には、エノテインBとして、エノテインB(SIGMA製)及び、エノテインBを含有するヤナギランの含水エタノール抽出物を使用した。ヤナギランの含水エタノール抽出物中のエノテインBの含有量はHPLCにより測定した。
【0038】
[細胞培養]
膀胱上皮細胞のモデル細胞として、膀胱移行上皮癌由来細胞であるT24(JCRB製)を使用し、10%FBS-MEM培地で培養した。96ウェルプレートに前記の細胞を10000cells/wellとなるように100μL/wellで播種し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、18時間前培養した。各wellより培地を除去後、被験物質含有培地を100μL/well添加し、24時間培養した。培地は0.5%DMSO-10%FBS-MEM培地を用いた。被験物質の培地中の終濃度は表2に記載の通りとした。
【0039】
【0040】
[ROS産生量の測定]
各wellより培地を除去後、細胞をPBSで2回洗浄し、培地にて調製した50mM H2O2を添加し、酸化ストレスを与えた。ノーマル群(比較例3)は、培地にて調製した50mM H2O2の代わりに、培地を添加し、酸化ストレスを与えなかった。37℃、5容量%CO2インキュベーター内で3時間培養した。各wellより培地を除去後、細胞をPBSで1回洗浄し、10μM DCFH-DA試薬(SIGMA製)を添加し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で30分間培養した。各wellより培地を除去後、細胞をPBSで2回洗浄し、プレートリーダー(Molecular Devices製)を用いて、DCF由来の蛍光強度(励起波長485nm、蛍光波長530nm)を測定することで、ROS産生量を測定した。
【0041】
[ROS産生量の評価]
ROS産生量について、コントロール群(比較例2)の値を100としたときの相対値を算出した。結果を
図3に示す。
【0042】
[結果]
図3に示すように、エノテインB(実施例2)を投与した群、及び、ヤナギランの含水エタノール抽出物(実施例3)を投与した群は、コントロール群(比較例2)に比して、ROS産生量の抑制が認められた。また、エノテインB(実施例2)を投与した群とヤナギランの含水エタノール抽出物(実施例3)を投与した群とは、ROS産生量抑制の効果は同程度であった。エノテインB(実施例2)を投与した群とヤナギランの含水エタノール抽出物(実施例3)を投与した群とは、エノテインBとしての投与量が同じであることから、ヤナギランの含水エタノール抽出物に含まれる成分の内、エノテインBがROS産生量抑制効果の有効成分であると考えられる。したがって、本発明の組成物は、優れたROS産生量抑制効果を示すことから、過活動膀胱改善効果による頻尿改善効果が期待できる。
【0043】
<製造例>
実施例の結果に基づいて、以下に本発明の製造例を示す。
【0044】
[製造例1-4:顆粒剤]
表3の配合の通り、エノテインBと他の原料を混合後、造粒機を用いて流動層造粒を行い、製造例1-4に記載の顆粒剤を製造した。製造例1-4に記載の顆粒剤は、1日あたり3gを100mlの水などに溶かして摂取してもよく、溶かさずにそのまま摂取してもよい。製造例1-4のいずれの顆粒剤も過活動膀胱を改善することができ、頻尿改善に有効である。
【0045】
【0046】
[製造例5-8:錠剤]
表4の配合の通り、エノテインBと他の原料を混合後、ロータリー打錠機を用いて打錠を行い、製造例5-8の錠剤(250mg)を製造した。製造例5-8に記載の錠剤は1日あたり1~2粒を水などと共に摂取すればよい。製造例5-8のいずれの錠剤も過活動膀胱を改善することができ、頻尿改善に有効である。
【0047】
【0048】
[製造例9-12:ハードカプセル]
表5の配合の通り、エノテインBと他の原料を混合し、ゼラチン又はヒドロキシプロピルセルロースを含む被膜で被包することで、ハードカプセル(内容量:300mg)を製造した。1日あたり1~2粒、水などと共に摂取すればよい。製造例9-12のいずれのハードカプセルも過活動膀胱を改善することができ、頻尿改善に有効である。
【0049】
【0050】
[製造例13-16:PET飲料]
表6の配合の通り、エノテインBと他の原料を混合した液剤をPET容器に詰め、PET飲料(500ml)を製造した。1日あたり1本摂取すればよい。製造例13-16のいずれのPET飲料も過活動膀胱を改善することができ、頻尿改善に有効である。
【0051】