(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001789
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】磁気パッド
(51)【国際特許分類】
A61N 2/08 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A61N2/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101468
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】523233433
【氏名又は名称】グローバルワン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523237512
【氏名又は名称】合同会社IDM
(74)【代理人】
【識別番号】110003155
【氏名又は名称】弁理士法人バリュープラス
(72)【発明者】
【氏名】川村 登
(72)【発明者】
【氏名】河合 邦親
【テーマコード(参考)】
4C106
【Fターム(参考)】
4C106AA01
4C106BB02
4C106CC02
4C106DD01
4C106FF05
(57)【要約】
【課題】ユーザーの肌面との密着性を高めると共に、経穴に関する知識が乏しいユーザーであっても簡易かつ確実に、複数の経穴に対しても同時に、ピンポイントで磁力の作用を及ぼすことが可能な磁気パッドを実現する。
【解決手段】人体の対象部位に接触させるようにして用いられる磁気パッド5である。軟質性樹脂により形成された母材部10と、母材部10に埋設された可撓性を有する磁性体30とを備える。母材部10に、磁性体30を収納する収納空間を有する埋設部20が形成されている。埋設部20は、第1埋設部21L,21R、第2埋設部22L,22R、第3埋設部23L,23Rからなり、腰に存在する複数の経穴を同時に刺激することが可能な位置に設けられている。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の対象部位に接触させるようにして用いられる磁気パッドであって、
軟質性樹脂により形成された母材部と、前記母材部に埋設された可撓性を有する磁性体とを備えた、磁気パッド。
【請求項2】
前記母材部に、前記磁性体を収納する収納空間を有する埋設部が形成されており、前記埋設部は、複数の経穴を同時に刺激することが可能な位置にそれぞれ設けられている、請求項1に記載の磁気パッド。
【請求項3】
前記埋設部は、腰の志室、腎兪、大腸兪を同時に刺激することが可能な位置に形成されている、請求項2に記載の磁気パッド。
【請求項4】
前記磁性体は、片面多極着磁されたものである、請求項1又は2に記載の磁気パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁力の作用によって血行を良くし、筋肉のコリや痛みを直す磁気パッドに関する。本発明は特に、腰痛などの治療や、腰などに存在する特定の経穴(ツボ)を刺激するツボ治療を目的とする磁気パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、救急絆創膏のような態様で、人体の皮膚表面の痛みを有する部位などに接触させて使用し、主として肩こり、腰痛、筋肉痛等の治療を目的とした磁気治療器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、段落0002において、直径約20mmの接着基材の貼着面の中央部に、80乃至180ミリテスラの磁場の強さを有し、かつ直径約5mm、厚さ約2.5mmの円板状のフェライト磁石を接着するとともに、接着基材の貼着面に剥離紙を貼着した磁気治療器が、従来技術の一例として説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の磁気治療器1は、
図10Aに示すように、硬質の磁石2と、磁石2の上面2aの上部を覆うと共に肌面Sに接着して磁石2を所定の位置に固定する貼着シート3を備えている。市販されている磁気治療器1は、磁石2の肌面Sに接触する側の面である下面2bの中央部2baは下向きに若干突出した形状になっていることが多い。この場合、下面2bの周縁部2bbにおいては、肌面Sとの間に上下方向の距離rを有した隙間Dが存在することになる。
【0006】
しかし、磁界に関するクーロンの法則によると、磁極の強さをm
1、m
2(Wb)、2つの磁極間の距離をr(m)、真空の透磁率をμ
0とすると、働く力の大きさF(N)は、F=(1/4πμ
0)・(m
1・m
2/r
2)で表され、m
2=1(Wb)の時に働く力が磁界の強さHとなる(
図11を参照)。よって、下記式(1)に表されるように、磁界の強さHは、距離rの2乗に反比例することになり、肌面Sが磁石2の下面2bから離れるほど急激に磁界の強さHも小さくなる。
【0007】
【数1】
式(1)中、Hは磁界の強さ、mは磁荷(Wb)、rは距離(m)、μ
0は真空の透磁率である。
【0008】
また、磁束密度Bと磁界の強さHは、透磁率μを用いると、B=μHの式で表される。磁束密度Bと磁界の強さHは、単純な比例関係ではないが、磁界の強さHが小さくなればヒステリシス曲線の関係に従って磁束密度Bも変化し、磁束密度Bは小さくなる。
【0009】
また、
図10Aでは、磁石2の下面2bの中央部2baが下向きに突出した形状の磁気治療器1を例に挙げて説明したが、仮に、磁石2の下面2bがフラットな形状の磁気治療器1であっても、上記と同様の課題がある。すなわち、従来の磁気治療器1は、硬質の磁石2を用いているため、
図10Bに示すように、日常生活においてユーザーが身体を動かしたときに筋肉の収縮や弛緩に伴って肌面2に起伏が生じると、それに追従して磁石2が肌面2と密着した状態を続けることは困難となる。つまり、この場合も、例えば磁石2bの周縁部2bbにおいて肌面Sとの間に距離rの隙間Dが生じて、磁界の強さH及び磁束密度Bは小さくなる。
【0010】
また、従来から、ユーザーは、磁気治療器1を特定の経穴(ツボ)の位置に貼り付けて東洋医学の考えに基づいたツボ治療の効果を得たいと考える場合がある。東洋医学では、身体の気血の通り道を経絡と呼び、経絡の要所を経穴と呼ぶ。人の身体は経絡に何らかの支障をきたすと、気血の流れが悪くなり、身体に悪影響を及ぼすと考えられている。これを改善するのがツボ治療であり、東洋医学では、経絡の要所である経穴に刺激を与えることで、気血の流れを改善することができると考えられている。
【0011】
ただし、経穴は経絡の要所に点在するため、ツボ治療においては経穴の位置を正確に捉えて刺激を与えることが必要となる。例えばマッサージの現場では、あん摩マッサージ指圧師が専門知識に基づいて経穴を取穴した後に物理的な刺激を加えている。経穴に磁力による刺激を与える場合についても同じことが言え、経穴を的確に捉えずに経穴の周囲を含む広範囲に刺激を与えると、ツボ治療の効果は低減してしまう。経穴の周囲を含めた不適切な刺激を過剰に行うと、むしろ身体に悪い影響を及ぼす場合もある。
【0012】
ところが、多くのユーザーは、経穴に関して正確な知識は有していない。そのため、従来の磁気治療器1を用いた場合、大半のユーザーは、経穴の正確な位置に磁石2を貼着することは困難であり、それ故にツボ治療の効果を手軽に得ることができない。
【0013】
本願発明者は、筋肉のコリや痛みを直す磁気パッドにおいて、磁束密度Bをより高めるためには、日常生活においてユーザーが動作したときでも常に肌面との密着性を保ち得る構成が有効であることを見出した。加えて、本願発明者は、ユーザーが手軽にツボ治療の効果を享受するためには、磁気パッドを所要の位置に着用するだけで、経穴に対してピンポイントで磁力の作用を及ぼし得る構成が有効であることを見出した。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーの肌面との密着性を高めると共に、経穴に関する知識が乏しいユーザーであっても簡易かつ確実に、複数の経穴に対しても同時に、ピンポイントで磁力の作用を及ぼすことが可能な磁気パッドを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の磁気パッドは、
人体の対象部位に接触させるようにして用いられる磁気パッドであって、
軟質性樹脂により形成された母材部と、母材部に埋設された可撓性を有する磁性体とを備えている。
【0016】
本発明は、母材部に、磁性体を収納する収納空間を有する埋設部が形成されており、埋設部は、複数の経穴を同時に刺激することが可能な位置にそれぞれ設けられている構成でもよい。
【0017】
上記の場合、埋設部は、腰の志室、腎兪、大腸兪を同時に刺激することが可能な位置に形成されており、各埋設部に磁性体が挿入されて取り付けられている構成でもよい。
【0018】
本発明では、磁性体は、片面多極着磁されたものを用いてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の磁気パッドは、人体の対象部位に接触させるようにして用いられる。対象部位とは、例えばユーザーが筋肉のコリや痛みを感じる部位や、ツボ治療を目的とする場合はユーザーが磁力の作用を及ぼしたいと考える経穴が存在する部位である。本発明の磁気パッドは、軟質性樹脂により形成され柔軟性に富む母材部と、この母材部に埋設された可撓性を有する磁性体とを備えている。磁性体は力が加わると容易に撓むことができる。
【0020】
本発明では、ユーザーが動作したときに筋肉の収縮や弛緩に伴って肌面に起伏が生じても、軟質性樹脂により形成された母材部は、肌面の隆起に追従して自在に変形することができる。加えて、母材部に埋設されている磁性体も可撓性を有しているから、母材部と共に自在に変形し、母材部の変形を妨げることがない。これにより本発明の磁気パッドは、ユーザーが動作しても磁力の作用面は常にユーザーの肌面と密着した状態を維持することができる。
【0021】
本発明では、母材部に、磁性体を収納する収納空間を有する埋設部を設けてもよい。母材部にあらかじめ埋設部を設けておくことで、磁性体を簡便な製造方法で埋設することが可能となる。また、本発明では、腰に存在する複数の経穴を同時に刺激することが可能な位置に、埋設部をそれぞれ設けてもよい。
【0022】
これにより、本発明では、経穴に関する知識が乏しいユーザーであってもワンタッチで簡易かつ確実に、ターゲットとする経穴に磁力の作用を及ぼすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係る磁気パッドに用いる母材部を平置きにした状態を上方から見た図である。
【
図2】
図2(a)は、実施形態に係る磁気パッドに用いる磁性体を平置きにした状態を上方から見た図、
図2(b)は、同磁性体が撓んだ状態を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、実施形態に係る磁気パッドを平置きにした状態を上方から見た図である。
【
図3C】
図3C(a)は、ベルト通しを設けた変形例に係る磁気パッドを平置きにした状態を上方から見た図であり、
図3C(b)は、ベルト通しの部分の拡大した斜視図である。
【
図3D】
図3Dは、ベルト通しを設けた変形例の使用状態を示す図である。
【
図4】
図4(a)は、人体の腰に存在する経穴(ツボ)のうち大腸兪の位置を示す図、
図4(b)は同じく腎兪の位置を示す図、
図4(c)は同じく志室の位置を示す図である。
【
図5】
図5(a)は、本実施形態の磁気パッドがターゲットとする大腸兪、腎兪、志室の位置を示す図、
図5(b)は、ユーザーの腰に磁気パッドを装着した状態を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本実施形態の磁気パッドの磁性体が埋設された部分の断面図である。
【
図6B】
図6Bは、第1変形例に係る磁気パッドの磁性体が埋設された部分の断面図である。
【
図7】
図7は、第2変形例に係る磁気パッドを平置きにした状態を上方から見た図である。
【
図8】
図8は、第3変形例に係る磁気パッドの使用状態を斜め方向から見た斜視図である。
【
図9】
図9(a)は、本実施形態の磁気パッドにおける中心からの距離と磁束密度Bの関係を理論的に示すグラフであり、
図9(b)は、従来の磁気治療器における中心からの距離と磁束密度Bの関係を理論的に示すグラフである。
【
図11】
図11は、クーロンの法則の説明に用いる模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0025】
本明細書において、「上」、「上側」とは、腰用パッド5を装着したユーザーの頭部方向を、「下」、「下側」とはユーザーの足元方向を意味する場合がある。また、「左」、「左側」とは、腰用パッド5を装着したユーザーの左手方向を、「右」、「右側」とはユーザーの右手方向を意味する場合がある。
【0026】
本実施形態は、腰の筋肉のコリや腰痛などの治療、並びに腰に存在する経穴を刺激するツボ治療を目的とする磁気パッド5である。腰用パッド5は、軟質性樹脂により形成されたシート状の母材部10の所要位置に、可撓性を有するシート状の磁性体30が複数埋設された構造となっている。腰用パッド5は磁気パッドに相当する。
【0027】
[母材部10の構成]
図1Aに示されるように、腰用パッド5を構成するベース部材となる母材部10は、第1ベルト部11と第2ベルト部20と接続部13とを備えている。第1ベルト部11は左右幅が133mm程度、上下幅が30mm程度の長方形に形成されており、第2ベルト部12は左右幅が195mm程度、上下幅が30mm程度の長方形に形成されている。母材部10は、厚みが例えば2mm程度の薄いシート状の部材である。第1ベルト部11と第2ベルト部12は、長手方向が左右方向となるように平行に配置し、各中心線を揃えて上下方向に50mm程度の間隔を空けて配置している。第1ベルト部11の左右方向中央部と第2ベルト部12の左右方向中央部は、接続部13によって連続している。接続部13の左右幅は45mm程度、上下の長さは50mm程度である。
【0028】
本実施形態では、母材部10を構成する軟質性樹脂としては、適度な柔軟性、弾力性、可撓性を有するシリコーンゴムを用いる。シリコーンゴム(シリコーン系ポリマー)は、ケイ素と酸素からなるシロキサン結合を骨格とし、骨格のケイ素にメチル基を主体とする有機基が結合したポリマーの総称である。母材部10は、例えばシリコーンポリマーのコンパウンドにシリコーンオイルを配合し、硫黄や過酸化物などの加硫剤、架橋剤を配合して金型内で架橋処理を行うことによって製造することができる。シリコーンゴムは、有機ゴムに比べて耐熱性・耐寒性に優れており、適度な柔軟性、弾力性、可撓性を有し、無色透明で無臭という有利な性質を備えている。
【0029】
また、シリコーンゴムは、人体に無害であると共に、貼着した部位の皮膚にかゆみ、かぶれなどが生じる虞も低い。さらに汚れた場合は、水洗いなどで簡単に汚れを落とすことができる上に、化学的に安定しているため、上述した性質が使用期間中殆ど変わらず、繰り返し使用することができる。
【0030】
[埋設部20の構成]
本実施形態では、
図1Aに示すように、母材部10の磁性体30を埋設する箇所には、計6個のポケット状の埋設部20が設けられている。埋設部20は、左右対称の位置に3個ずつ設けられている。具体的に、本実施形態の埋設部20は、第1埋設部21L,21R、第2埋設部22L,22R、第3埋設部23L,23Rからなる。
【0031】
第1埋設部21L,21Rは、第1ベルト部11上に存在し、左右方向の中心線を基準線として、基準線から左右方向にそれぞれ30cm程度外側の位置に設けられている。第1埋設部21L,21は、
図3Aに示されるように磁性体31L,31Rが埋設される部分であり、磁性体31L,31Rを挿入するための第1開口21L2,21R2を備えている。第1埋設部21L,21Rのサイズは、左右幅が15mm程度、上下幅が15mm程度であり、平面視した場合の形状はほぼ正方形を呈している。
【0032】
具体的に、第1埋設部21Rは、
図1Bに示すように、前壁部21R1と後壁部21R4とを備えている。前壁部21R1及び後壁部21R4の厚みはいずれも0.5mm程度である。前壁部21R1の上部に、第1開口21R2が開口している。前壁部21R1と後壁部21R4の間には、幅が1mm程度の収納空間21R3が形成されている。
図2に示すほぼ正方形を呈するシート状で可撓性を有し厚みが1mmよりも少し厚い磁性体31Rは、腰用パッド5の製造段階で第1開口21R2から挿入され、収納空間21R3に組み入れられ、容易に抜け落ちないように固定されている。
【0033】
ここで、磁性体31R1の抜け落ちを防止する手段として接着剤を用いてもよいが、接着剤を使用すると磁束密度Bを損失する原因となる。このため、本実施形態では、収納空間21R3と磁性体31R1を精緻に製作し、収納空間21R3の幅よりも磁性体31R1の厚みをやや厚くすることで、磁性体31R1を一旦挿入した後は容易に抜け落ちないようにしている。なお、左側の第1埋設部21Lについても、第1埋設部21Rと同じ構成を有している。
【0034】
ポケット状の第2埋設部22L,22Rと同じくポケット状の第3埋設部23L,23Rは、第2ベルト部12上に存在する。第2埋設部22L,22Rは、上記基準線から左右方向にそれぞれ30cm程度外側の位置に、また第3埋設部23L,23Rは同基準線から左右方向にそれぞれ60mm程度外側の位置に設けられている。
【0035】
第2埋設部22L,22Rと第3埋設部23L,23Rの構造は、
図1Bに示した第1埋設部21Rと同じである。それらのサイズは左右幅が15mm程度、上下幅が15mm程度であり、平面視した場合の形状はほぼ正方形を呈している。
図3Aに示されるように第2埋設部22L,22Rは、磁性体32L,32Rを挿入して埋設可能な第2開口22L2,22R2を備えており、同様に第3埋設部23L,23Rは、磁性体33L,33Rを挿入して埋設可能な第3開口23L2,23R2を備えている。
【0036】
[磁性体30の構成]
母材部10の各埋設部20には、磁性体30がそれぞれ埋設されている。具体的に、本実施形態では、第1埋設部21L,21Rには大腸兪用のマグネットとして機能する第1磁性体31L,31Rが、第2埋設部22L,22Rには腎兪用のマグネットとして機能する第2磁性体32L,32Rが、第3埋設部23L,23Rには志室用のマグネットとして機能する第3磁性体33L,33Rが埋設されている。
【0037】
本実施形態では、磁性体30としては、適度な柔軟性と共に可撓性を有するゴム磁石を用いる。ゴム磁石は、粉状の磁性材を、例えば熱可塑性樹脂、ゴム系バインダー、塩素化ポリエチレン系バインダー等と混合して押出成形する方法により製造され、一般にマグネットゴム、ラバーマグネットとも呼ばれている素材である。ゴム磁石の原料となる磁性粉としては、例えばバリウム・フェライトもしくはストロンチウム・フェライト等のフェライト系磁石粉末や、ネオジウム・鉄・ボロン系磁性粉等を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0038】
本実施形態の磁性体31Rは、
図2(a)に示すように、左右幅が15mm程度、上下幅が15mm程度、厚さが1mmよりも少し厚いほぼ正方形を呈するシート状のゴム磁石である。磁性体31R1は、腰用パッド5を製造する段階で収納空間21R3に挿入されて、
図6Aに示されるように、一方の面31R1が前壁部21R1に、他方の面31R2が後壁部21R4にそれぞれ接した状態で固定される。磁性体31Rは、ユーザーの身体の動きによって肌面に起伏が生じても、
図2(b)に示すように、肌面の起伏に追従して自在に撓むことができる。また、ゴム磁石は柔軟性に富むため、磁性体31Rは撓んだときに割れる虞がない。
【0039】
また、磁性体30のサイズおよび形状は、一辺が10mm~20mmの方形状、あるいは、直径が10mm~20mmの円形状であることが好ましい。一般に経穴の大きさは概ね直径10mm程度と考えられる。経穴の大きさと装着時の若干のずれを考慮すると、磁性体30のサイズ及び形状を上述の範囲とすることで、個体差によるばらつきを考慮に入れても磁性体30を経穴の位置にピンポイントで接触させることができる。
【0040】
磁性体30の着磁パターンは、特に限定されるものではないが、本実施形態では、磁性体30の片面側に数mmピッチごとにN極とS極が交互に並んで配置されている片面多極着磁された磁性体30を用いる。磁性体30を片面多極着磁された構成とすることで、両面単極着磁される場合や両面多極着磁される場合と比較すると、人体の皮膚に接触する側の磁束密度Bをより高くすることができる。一方、人体の皮膚に接触する側とは反対側の面の磁束密度Bは小さくなるので、磁場を印加させる効率性を高めることができる。
【0041】
なお、腰用パッド5を製造する際には、日本人の平均的な体格を基準に各埋設部20の位置を設計すればよい。あるいは、必要に応じて、男性用、女性用、子供用、もしくは、Lサイズ、Mサイズ、Sサイズ等のサイズバリエーションを設けることで、個体差の影響を小さくすることができる。
【0042】
図3Bは、本実施形態の腰用パッド5の使用状態における斜視図であって、ユーザーの腰に貼着した状態を示している。ユーザーの腰部は背中の筋肉の形状に従って湾曲しており、ユーザーの身体の動きに伴い肌面に起伏が生じる。しかし、本実施形態の腰用パッド5は、このような湾曲している部位や身体の動きに伴って起伏が生じる部位に対しても、シリコーンゴムからなる母材部10の柔軟性と磁性体30の可撓性によって、肌面との間に隙間を生じることはなく、肌面にしっかりと密着した状態を維持できる。
【0043】
[経穴(ツボ)の位置]
人体の腰部61に存在しており、本実施形態の腰用パッド5の磁性体30がターゲットとする経穴について説明する。
【0044】
大腸兪51L,51R(読み方は「だいちょうゆ」)は、
図4(a)に示すように、第4腰椎棘突起の直下から左側および右側に指2本分外方の位置にある経穴である。大腸兪51L,51Rを刺激することで例えば下痢、便秘を治す効果があり、また大腸の疾患に対する効果がある。
【0045】
腎兪52L,52R(読み方は「じんゆ」)は、
図4(b)に示すように、背中62の下部にあるウエストライン上で背骨のライン63から左側および右側に指2本分外方の位置にある経穴である。腎兪52L,52Rを刺激することで、例えば自律神経のバランスを整える効果がある。
【0046】
志室53L,53R(読み方は「ししつ」)は、
図4(c)に示すように、背中62の下部にあるウエストライン上で背骨のライン63から左側および右側に指4本分外方の位置にある経穴である。志室53L,53Rを刺激することで、例えば代謝が良くなる効果があり、また足のむくみが解消される効果がある。
【0047】
[本実施形態の効果等]
本実施形態の腰用パッド5は、磁力の作用を及ぼしたい経穴が存在する部位に接触させるようにして用いられる。腰用パッド5は、軟質性樹脂であるシリコーンにより形成され柔軟性に富む母材部10と、母材部10の所要位置に埋設された磁性体30とを備えている。磁性体30は、ゴム磁石により形成されたもので、可撓性に富み容易に撓むことができる。
【0048】
本実施形態では、ユーザーが動作したときに筋肉の収縮や弛緩に伴って肌面に起伏が生じても、シリコーンにより形成された母材部10は、肌面の隆起に追従して自在に変形することができる。加えて、母材部10に埋設されている磁性体30も可撓性を有しているから、母材部10と共に自在に変形し、母材部10の変形を妨げることがない。これにより、本実施形態の腰用パッド5は、ユーザーが動作しても磁力の作用面は常にユーザーの肌面と密着した状態を維持することができる。
【0049】
本実施形態では、母材部10には、大腸兪51L,51R、腎兪52L,52R、志室53L,53Rをそれぞれターゲットとする第1埋設部21L,21R、第2埋設部22L,22R、第3埋設部23L,23Rが独立して設けられている。母材部10にあらかじめ埋設部を設けておくことで、磁性体30を簡便な製造方法で埋設することが可能となり、製造コストを低く抑えることができる。加えて、母材部10の内部の所定位置に複数の磁性体30をしっかりと保持することが可能となり、耐久性の点でも優れている。
【0050】
また、各埋設部20には第1磁性体31L,31R、第2磁性体32L,32R、第3磁性体33L,33Rがそれぞれ埋設されて取り付けられているので、腰用パッド5は、
図5(a)及び
図5(b)に示されるように、大腸兪51L,51R、腎兪52L,52R、志室53L,53Rを同時に刺激することが可能となる。
【0051】
つまり、従来の磁気治療器1では、例えば大腸兪51L,51Rをターゲットにする場合は、ユーザーが左右の腸骨稜を結んだ線が腰椎と交わる第4腰椎下の位置を見付け、その二横指外方を目安に大腸兪51L,51Rを取穴した上で、その位置に磁気治療器1を貼着しなければならず、正しい知識が必要である上に手間を要した。この点は、腎兪52L,52Rや志室53L,53Rについても同様である。
【0052】
これに対し、本実施形態では、経穴に関する知識が乏しいユーザーであっても、腰部61に接続部13を合わせるようにして腰用パッド5を貼着するだけで、ワンタッチで簡易かつ確実に、ターゲットとする経穴に対してピンポイントで磁力の作用を及ぼすことが可能となる。本実施形態の腰用パッド5を用いれば、ツボ治療を行うための最適条件を満たすことになって、ユーザーは経穴の周囲を含めた不適切な刺激を行うことがなくなり、簡易かつ確実にツボ治療の効果を享受できる。
【0053】
図6Aを参照しながら説明を補足すると、腰用パッド5を用いた場合は、磁性体31Rと肌面Sとの間の距離rは、後壁部21R4の厚みに相当する約0.5mmの距離に等しく、磁性体31Rの全域に亘って距離rは一定であり、ユーザーが動作しても磁力の作用面(後壁部31R4が肌面Sと接触する面)はユーザーの肌面Sの起伏に追従して常に密着した状態を維持する。したがって、
図9A及び
図9Bで説明した硬質の磁石2を使用する従来の磁気治療器1のように、肌面Sとの間に隙間Dが生じることがなく、磁性体31R1の端部付近でも磁束密度Bが低下しない。
【0054】
このため、本実施形態の腰用パッド5の中心位置c1及び端部位置c2,c3における磁束密度Bを理論的に示すグラフ(
図9(a))と、従来の磁気治療器1の中心位置c1及び端部位置c2,c3における磁束密度Bを理論的に示すグラフ(
図9(b))を比較すると、腰用パッド5を用いた場合は、端部位置c2、c3においても磁束密度Bが高いことが顕著である。
【0055】
また、本実施形態の腰用パッド5は、母材部10が肌への刺激が少ないシリコーンゴムで形成されている。母材部10のシリコーンゴムは軟質で適度な弾力性を有すると共に、一定程度の粘着性も備えている。そのため、従来の磁気治療器1の粘着シート3のように接着剤を使用しなくても、ユーザーの腰部61に貼着することができる。
【0056】
従来の磁気治療器1は、貼着シート3に接着剤が用いられているため、皮膚の弱い人の場合は、肌かぶれ、かゆみ等を生じる可能性があった。これに対し、本実施形態の腰用パッド5は、肌面Sへの貼着に接着剤を使用しないため、皮膚の弱い人でも肌かぶれ、かゆみ等を生じることはないし、接着剤によって磁力を損失することもない。なお、装着に際して必要であれば、腰用パッド5の外側を覆うように伸縮性素材からなるサポーターを補助的に使用してもよい。
【0057】
また、従来の磁気治療器1は、粘着シートの粘着作用が失われると廃棄するしかなく、磁石2を再利用することは困難であったが、本実施形態の腰用パッド5は、繰り返し使用できるし、汚れた場合は水洗いすることもできる。
【0058】
本実施形態の腰用パッド5は、複数の経穴を同時に刺激する効果と相俟って、血行の促進、筋肉のコリの解消などの効果も得られる。腰用パッド5は、磁気の曝磁によって筋肉内の血行を良好にし、筋肉の緊張、疲労物質の蓄積といったコリの悪循環を断ち切り、硬くなった筋肉をほぐす効果を有する。加えて、腰用パッド5は、血行促進による保温効果も得られる。
【0059】
[効果確認試験]
実施形態に係る腰用パッド5を装着する前後でユーザーの皮膚表面温度にどのような変化が現れるかを試験した。試験方法は下記のとおりである。
【0060】
健康状態が良好な38歳~83歳までの成人14名(男性7名、女性7名)を被験者とし、実施形態に係る腰用パッド5を被験者の腰に1時間装着した。装着前後の皮膚の表面温度は赤外線サーモグラフィにより測定した。試験対象部は、
図4に示した腰の経穴(大腸兪51L,51R、腎兪52L,52R、志室53L,53R)が存在する範囲とし、この試験対象部における温度分布を計測し平均値を求めた。試験は2023年6月7日~18日の間に行い、試験当日の外気温、湿度は平年並みで、室温は25℃であった。試験結果を表1に示す。
【0061】
【0062】
表1に示されるように、試験対象部の体温(平均皮膚温度)は、実施形態に係る腰用パッド5を装着した場合、装着後1時間を経過した時点でいずれも高くなる傾向が認められた。上昇体温は高い人では0.5℃、低い人では0.1℃であった。以上の結果は、腰用パッド5の装着により被験者の血行が促進されたことを意味する。従って、本発明は、健康増進や疲労回復の効果を発揮すると考えられる。
【0063】
[実施形態の第1変形例]
上述の実施形態で説明したように、母材部10は、磁性体30が挿入される開口(例えば第1埋設部21Rであれば第1開口21R2)を有する第1の面と、ユーザーの肌面と接触して磁性体30の磁力が作用する作用面となる平滑な第2の面とを備えている。本変形例は、
図6Bに示すように、第1の面の側に、磁力線を遮蔽する磁気シールド層14をコーティングした構成である。
【0064】
本変形例では、磁性体30から第1の面方向に進む無駄な磁力線が磁気シールド層14によって遮蔽され反射される。そのため、磁気シールド層14を設けない場合と比較すると、磁性体30から第2の面方向に進む大腸兪51L,51R、腎兪52L,52R、志室53L,53Rに作用させる磁力線を、より高めることが可能となる。
【0065】
[実施形態の第2変形例]
本変形例は、
図7に示すように、母材部10の所要位置に、通気性を高めるための貫通孔15を設けた構成である。
【0066】
貫通孔15は、第1ベルト部11に計4箇所、第2ベルト部12に計4箇所、接続部13に計2箇所、埋設部20以外の必要位置に設けられている。貫通孔15を設けることでユーザーの体温を逃がして、腰用パッド5の内側に熱がこもらないようにすることができる。なお、貫通孔15の形状は円形に限らず、三角形、四角形などでもよい。
【0067】
[実施形態の第3変形例]
本変形例は、
図8に示すように、母材部10の中央に位置する接続部13の厚みを3~4mm程度の肉厚とし、第1ベルト部11及び第2ベルト部12の縁部になるに従って断面テーパ状にその肉厚が徐々に薄くなるようにした構成である。
【0068】
本変形例では、上述した実施形態の母材部10と比較すると、接続部13の強度が増す一方、第1接続部11や第2接続部12の重量を軽くすることができる。このため、腰用パッド5の使用中に、第2接続部12の自重によって接続部13が中央で折れ曲がってしまうリスクを低減することができる。
【0069】
[その他の変形例]
上述の実施形態において、第1開口21L2,21R2、第2開口22L2,22R2及び第3開口23L2,23R2は、磁性体30を挿入できる形状であればよく、例えば上下方向の幅が細いスリット状でもよい。
【0070】
上述の実施形態において、埋設部20の設ける数は、
図1Aに示された6個に限らず、例えば1~5個、または7~9個であってもよい。また、10個以上の埋設部20を設けてもよい。
【0071】
上述の実施形態において、磁性体30の形状は、正方形に限らず、略長方形、
図3Cに示すような略円形、略楕円形などでもよい。
【0072】
上述の実施形態において、母材部10の第1ベルト部11の両端に、
図3Cに一例を示すように、ベルトBを挿通可能な挿通孔16を有するベルト通し部17を設けてもよい。挿通孔16はスリット状でありその開孔幅、開孔高さはベルトBの幅、厚みよりも僅かに長い。ベルト通し部17は、
図3C(b)に示すように、第1開口21L2,21R2、第2開口22L2,22R2及び第3開口23L2,23R2が設けられている面側に高さを有するように設ける。本変形例の場合、ユーザーは、
図3Dに示すように、ベルト通し部17の挿通孔16にベルトBを挿通後、ベルトBを腰の周囲に巻き付けることで、腰用パッド5を腰に容易に固定することが可能となる。
【0073】
上述の実施形態において、磁性体30はポケット状に形成された埋設部20に対して挿脱自在とする構成としてもよい。この場合、必要に応じて磁性体30を母材部10から取り外すことが可能となる。
【0074】
上述の実施形態において、ユーザーが腰用パッド5の表面と裏面、あるいは、上側と下側を取り間違えることがないように、母材部10の肌面Sと接触する側の面の任意の位置に、ユーザーに対して腰用パッド5の向きを示す注意表記を設けてもよい。注意表記は、例えば「上」「下」「左」「右」などでもよい。このような注意表記を設けることで、ユーザーが腰用パッド5の着用方向を誤る確率を低減できる。
【0075】
上述の実施形態では、母材部10に埋設部20を予め設けておく例を開示したが、磁性体30を母材部10に埋設する手段はこれに限らない。例えば、母材部10を平面視同一形状の第1母材シートと第2母材シートで構成してもよい。この場合、第1母材シートを作業台の上に平置きにし、その上に磁性体30を所要位置に配置した後、その上に第2母材シートを覆い被せて接着することで、母材部10を形成すると共に、その内部に磁性体30を埋設する。
【0076】
本変形例では、第1母材シートと第2母材シートは、いずれもシリコーンゴムで形成してもよい。この場合、第1母材シートと第2母材シートを接着させる手段として接着剤を用いてもよいが、接着剤を使用すると磁束密度Bを損失する。そこで、両母材シートを重ね合わせた状態で圧力を加え、両母材シートを圧着させてもよい。
【0077】
上述の実施形態では、腰に存在する大腸兪51L,51R、腎兪52L,52R、志室53L,53Rを刺激するための埋設部20を設ける例を開示したが、例えば背中など腰以外の経穴に対応するように母材部10を設計してもよい。本発明の磁気パッドは、母材部10の形状や埋設部20を設ける数や位置については適宜変更してもよい。
【0078】
[付記]
以上に説明した実施形態及び変形例の構成を、請求項に記載した構成以外の構成も含めて、以下に付記しておく。
【0079】
(付記1)
人体の対象部位に接触させるようにして用いられる磁気パッドであって、
軟質性樹脂により形成された母材部と、前記母材部に埋設された可撓性を有する磁性体とを備えた、磁気パッド。
【0080】
(付記2)
前記母材部に、前記磁性体を収納する収納空間を有する埋設部が形成されており、前記埋設部は、複数の経穴を同時に刺激することが可能な位置にそれぞれ設けられている、付記1に記載の磁気パッド。
【0081】
(付記3)
前記埋設部は、腰の志室、腎兪、大腸兪を同時に刺激することが可能な位置に形成されている、付記2に記載の磁気パッド。
【0082】
(付記4)
前記磁性体は、片面多極着磁されたものである、付記1又は2に記載の磁気パッド。
【0083】
(付記5)
前記磁性体は、接着剤を用いることなく、前記埋設部の収納空間に密着して固定されている、付記2に記載の磁気パッド。
【0084】
(付記6)
前記母材部は、前記磁性体が挿入される開口を有する第1の面と、ユーザーの肌面と接触し磁力の作用面となる平滑な第2の面とを備えている、付記1に記載の磁気パッド。
【0085】
(付記7)
前記第1の面に磁気シールド層が設けられている、付記5に記載の磁気パッド。
【0086】
(付記8)
前記母材部に、通気性を高めるための貫通孔が設けられている、付記1に記載の磁気パッド。
【0087】
(付記9)
前記母材部は、略平行に配置された第1ベルト部及び第2ベルト部と、これらのベルト部の中央部を接続する接続部からなる、付記1に記載の磁気パッド。
【0088】
(付記10)
前記接続部の厚みよりも、前記第1ベルト部及び前記第2ベルト部の各両縁部の厚みが薄い、付記9に記載の磁気パッド。
【0089】
(付記11)
前記第1ベルト部の両端に、ベルトを挿通可能な挿通孔を有するベルト通し部が設けられている、付記9に記載の磁気パッド。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、磁気健康具などに適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
5 腰用パッド(磁気パッド)
10 母材部
11 第1ベルト部
12 第2ベルト部
13 接続部
14 磁気シールド層
15 貫通孔
16 挿通孔
17 ベルト通し部
20 埋設部
21L, 21R 第1埋設部
21R1 前壁部
21L2,21R2 第1開口
21R3 収納空間
21R4 後壁部
22L, 22R 第2埋設部
22L2,22R2 第2開口
23L, 23R 第3埋設部
23L2,23R2 第3開口
30 磁性体
31L,31R 第1磁性体(大腸兪用マグネット)
32L,32R 第2磁性体(腎兪用マグネット)
33L,33R 第3磁性体(志室用マグネット)
51L,51R 大腸兪
52L,52R 腎兪
53L,53R 志室