(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001796
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】排泄補助具
(51)【国際特許分類】
A47K 11/06 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A47K11/06
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101484
(22)【出願日】2023-06-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】523237567
【氏名又は名称】合同会社BOUKEN
(74)【代理人】
【識別番号】100134533
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 夏香
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 明子
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036HA54
2D036HA82
(57)【要約】
【課題】再利用可能で、安価で、コンパクトで、女性が立って簡単に排泄でき、携帯しやすく、水道設備が不要で、しゃがむスペースを必要とせず、簡単に使用できる排泄補助具を提供する。
【解決手段】
折目線9を対称軸として平面視略V形又は略U形の左右対称形状に形成されるシート2を有し、シート2が、折目線9の左側に配置され、第1ないし第3切欠6、12、13を備える矩形状の左側端部3と、折目線9の右側に配置され、第1ないし第3切欠6、12、13と同等の間隔で形成される第4ないし第6切欠を備える矩形状の右側端部4と、くの字状の内周縁とくの字状又はC字状の外周縁とを有し左側端部3と右側端部4とを連結する本体部5とにより構成する排泄補助具1とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折目線を対称軸として平面視略V形又は略U形の左右対称形状に形成されるシートを有し、
前記シートが、
当該折目線の左側に配置され、第1ないし第3切欠を備える矩形状の左側端部と、
当該折目線の右側に配置され、前記第1ないし第3切欠と同等の間隔で形成される第4ないし第6切欠を備える矩形状の右側端部と、
くの字状の内周縁と、くの字状又はC字状の外周縁とを有し、前記左側端部と前記右側端部とを連結する本体部と、
により構成され、
前記折目線が、前記本体部において前記内周縁の中央と前記外周縁の中央とを結ぶ線上に設けてあり、
前記第1及び第2切欠のそれぞれが、前記左側端部の内周縁側に、前記左側端部の幅寸法の半分以上の長さで、前記内周縁に対し直角に設けてあり、
前記第3切欠が、前記左側端部の外周縁側に、前記第1及び第2切欠と同等の長さで、前記第1及び第2切欠の中間位置に、前記第1及び第2切欠に対して平行に設けてあり、
前記第4及び第5切欠のそれぞれが、前記右側端部の外周縁側に、前記右側端部の幅寸法の半分以上の長さで、前記外周縁に対し直角に設けてあり、
前記第6切欠が、前記右側端部の内周縁側に、前記第4及び第5切欠と同等の長さで、前記第4及び第5切欠の中間位置に、前記第4及び第5切欠に対して平行に設けてあることを特徴とすることを特徴とする排泄補助具。
【請求項2】
前記シートが、耐アルコール性樹脂製シートであって、前記折目線で折り畳んだ状態でA4サイズ以内であることを特徴とする請求項1記載の排泄補助具。
【請求項3】
前記折目線に沿って設けてある凹状切欠である折目線側フック部と、
前記左側端部の端縁側に設けてあるL字状切欠である左側フック部と、
前記右側端部の端縁側に設けてあるL字状切欠である右側フック部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の排泄補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時等に利用可能な排泄補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
災害時には通常生活では生じない様々な不便が発生する。なかでもトイレに関する不便は女性にとって深刻な問題となり得る。水道が止まったら水洗トイレは使えなくなる。避難所の簡易トイレも不衛生になる。また、例えばエレベータ内で何時間も閉じ込められた場合に、排泄できないことは精神的肉体的に大きな負担となる。避難所においてトイレが不足しても、女性は男性のように物陰で排泄することに抵抗があり、しかし、人がいない場所で排泄すると性的被害の発生リスクが生じる。座って腹圧をかけた方が排泄しやすいものの、水が止まった公園のトイレで汚物によって不衛生になって座ることができないときや、あるいはスペースが狭くて座ることができないときは、立って排泄するより他ないが、女性は立って排泄すると脚に付着してしまうため困難であった。
【0003】
このような要因から、女性は排泄回数を極力減らすために水分を取ることを控える行動を取りやすい。かかる行動は脱水リスクを生じ、また、高齢の場合は特に、喉を使わないことによる嚥下機能の衰えと口腔内雑菌の増加から誤嚥性肺炎リスクも生じる。平成28年に発生した熊本地震の災害関連死の原因としては、肺炎等の呼吸器系疾患が最も多かった。
【0004】
トイレ問題から生じるかかる悲劇を防ぐためにも、災害時に女性も気軽に排泄できる環境が必要となっていた。
【0005】
従来、使い捨ての災害用トイレがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1記載の従来の災害用トイレは使い捨てであり、女性が立って排泄できないという問題があった。大災害が発生すると必要な物資が届くまでに3、4日かかることもある。使い捨てでは3、4日持たないため、大量にストックしなければならないという問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、再利用可能で、安価で、コンパクトで、女性が立って簡単に排泄でき、携帯しやすく、水道設備が不要で、しゃがむスペースを必要とせず、簡単に使用できる排泄補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、折目線を対称軸として平面視略V形又は略U形の左右対称形状に形成されるシートを有し、
前記シートが、
当該折目線の左側に配置され、第1ないし第3切欠を備える矩形状の左側端部と、
当該折目線の右側に配置され、前記第1ないし第3切欠と同等の間隔で形成される第4ないし第6切欠を備える矩形状の右側端部と、
くの字状の内周縁と、くの字状又はC字状の外周縁とを有し、前記左側端部と前記右側端部とを連結する本体部と、
により構成され、
前記折目線が、前記本体部において前記内周縁の中央と前記外周縁の中央とを結ぶ線上に設けてあり、
前記第1及び第2切欠のそれぞれが、前記左側端部の内周縁側に、前記左側端部の幅寸法の半分以上の長さで、前記内周縁に対し直角に設けてあり、
前記第3切欠が、前記左側端部の外周縁側に、前記第1及び第2切欠と同等の長さで、前記第1及び第2切欠の中間位置に、前記第1及び第2切欠に対して平行に設けてあり、
前記第4及び第5切欠のそれぞれが、前記右側端部の外周縁側に、前記右側端部の幅寸法の半分以上の長さで、前記外周縁に対し直角に設けてあり、
前記第6切欠が、前記右側端部の内周縁側に、前記第4及び第5切欠と同等の長さで、前記第4及び第5切欠の中間位置に、前記第4及び第5切欠に対して平行に設けてあることを特徴とすることを特徴とする排泄補助具を提供する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、再利用可能で、安価で、コンパクトで、女性が立って簡単に排泄でき、携帯しやすく、水道設備が不要で、しゃがむスペースを必要とせず、簡単に使用できる。
【0011】
さらに、前記シートが、耐アルコール性樹脂製シートであって、前記折目線で折り畳んだ状態でA4サイズ以内であることが好ましい。
【0012】
使用後、アルコールで拭き取って除菌でき、また書類等と一緒に持ち運べるので、繰り返しの使用に適し、かつ携帯性に優れ、災害用グッズとして適する。
【0013】
また、前記折目線に沿って設けてある凹状切欠である折目線側フック部と、
前記左側端部の端縁側に設けてあるL字状切欠である左側フック部と、
前記右側端部の端縁側に設けてあるL字状切欠である右側フック部と、
を有することが好ましい。
【0014】
袋を引っかけることができるので、排泄物を入れた状態でも袋を排泄補助具内に保持でき、立位での排泄でも袋が落ちる心配がない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、再利用可能で、安価で、コンパクトで、女性が立って簡単に排泄でき、携帯しやすく、水道設備が不要で、しゃがむスペースを必要とせず、簡単に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例1の排泄補助具の組立前の状態を示す平面図である。
【
図2】
図1に示すシートを排泄補助具に組立てる手順を示す図である。
【
図3】
図2に示す手順により組み立てた状態の本発明の実施例1の排泄補助具を示す斜視図である。
【
図4】ビニール袋を取付けた状態の本発明の実施例1の排泄補助具を側面から示した使用方法説明図である。
【
図5】本発明の実施例2の排泄補助具の組立前の状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の実施例3の排泄補助具の組立前の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の排泄補助具について、添付図面を参照して実施例を用いて本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例0018】
{構成}
図1は、本発明の実施例1の排泄補助具の組立前の状態を示す平面図である。
図1に示した排泄補助具1は、女性用の排泄補助具であり、組み立てて袋を装着して、立ったまま股に挟んで排泄物を受けるための道具である。しゃがんだ状態でも使用することができる。
【0019】
排泄補助具1は、折目線9を対称軸として平面視略V形又は略U形の左右対称形状に形成される、耐アルコール性のある樹脂製のシート2よりなり、組立前は2つ折りにした平板状であるが、組立後は、底側が開口した把持部付きのカップ状の形状となる。シートの材質はポリプロピレン(PP)が好ましいが、ポリエチレン(PE)、硬質塩化ビニル樹脂(PVC)であってもよい。排泄補助具1は、折目線9で折り畳んだ状態でA4サイズ以内である。
【0020】
排泄補助具1は、折目線9の左側に配置され第1ないし第3切欠6、12、13を備える矩形状の左側端部3と、折目線9の右側に配置され、第1ないし第3切欠6、12、13と同等の間隔で形成される第4ないし第6切欠を備える矩形状の右側端部4と、くの字状の内周縁とくの字状又はC字状の外周縁とを有し左側端部3と右側端部4とを連結する本体部5とにより構成する。折目線9が、本体部5において内周縁の中央と外周縁の中央とを結ぶ線上に設けてある。第1及び第2切欠6、12が、左側端部3の内周縁側に、左側端部3の幅寸法の半分以上の長さで、内周縁に対し直角に設けてある。第3切欠13が、左側端部3の外周縁側に、第1及び第2切欠6、12と同等の長さで、第1及び第2切欠6、12の中間位置に、第1及び第2切欠6、12に対して平行に設けてある。第4及び第5切欠8、14が、右側端部4の外周縁側に、右側端部4の幅寸法の半分以上の長さで、外周縁に対し直角に設けてある。第6切欠15が、右側端部4の内周縁側に、第4及び第5切欠8、14と同等の長さで、第4及び第5切欠8、14の中間位置に、第4及び第5切欠8、14に対して平行に設けてある。
【0021】
排泄補助具1は、折目線9に沿って設けてある凹状切欠である折目線側フック部16と、左側端部3の端縁側に設けてあるL字状切欠である左側フック部17と、右側端部4の端縁側に設けてあるL字状切欠である右側フック部18とを有する。
【0022】
詳細には、
図1に示す実施例は略U形のシート2であり、矩形状の左側端部3と、矩形状の右側端部4と、C字状に湾曲して左側端部3と右側端部4とを連結する本体部5と、により構成される。左側端部3は、折目線9の左側に配置され、第1ないし第3切欠6、12、13を備える。右側端部4は、折目線9の右側に配置され、第1ないし第3切欠6、12、13と同等の間隔で形成される第4ないし第6切欠8,14、15を備える。シート2は、組み立てたときの底辺から上辺までの距離が、尿や便の排泄物を受けられるように、十分深い長さとする。
【0023】
シート2の厚みは、材質にもよるが、強度上0.4mm以上が好ましく、また折り畳んでクリアホルダーに入れられる厚みである0.8mm以下が好ましく、さらに好適には、0.5mm厚が好ましい。例えば、シート2には、クリアファイル等に使われている素材を用いることでき、厚みもクリアファイル程度であるため安価である。折り畳んでA4サイズのクリアファイルに入れることができるので、流通時・販売時・保管時においてはコンパクトにし、使用時は広げて組み立てて使うことができる。使用後は消毒用アルコールで拭くことができ、また折り畳んで持ち歩くことができる。
【0024】
本体部5は、その内周縁側がくの字状に形成され、折目線9が設けられる。内周縁で左右のなす角は60度~130度であることが好ましく、本実施例では100度である。本実施例において、折目線9の長さは106mmである。1回の尿は通常150~300cc、便は200g程度であるが、折目線9の長さは、十分な尿や便を受けるために100mm以上あることが好ましい。本体部5の外周縁がC字状に湾曲して形成されることにより、その外周縁側はアーチ状である。外周縁のアーチは、本実施例ではr=290mmであるが、カーブがない直線状でもよく、r=320mm程度の緩いアーチであってもよい。内周縁側をくの字状に形成することにより、シート2を組立てたときに排泄補助具1の底側開口部が側面視で平らとなる。また、外周縁側をアーチ状に形成することにより、シート2を組立てたときに排泄補助具1の上側開口部が側面視で緩やかに湾曲する。したがって、本実施例によれば、股の間に差し込みやすく、折目線の角に体が当たる心配がなく、便や尿が外に飛び出しにくく尿の飛び散り等を防止できる。
【0025】
内周縁側とは、
図1に示すように、排泄補助具1を平面視で見たとき、シート2の内周部分を構成する部分である。シート2は、平面視で、略U形又は略V形に形成され、外側に配置される外周部分と、内側に配置される内周部分とを備える。後述する組立後の状態において、外周縁側の部分(外周部分)は上方に開口し、排泄物の受け口となり、内周縁側の部分(内周部分)は下方に開口し、排泄物の流出側、すなわち排泄物を受けるビニル袋の底側となり、しゃがんで使用するときは床や地面に載置することができる。
【0026】
シート2は、図示するように、折目線9を基準軸として、左右対称(線対称)形状に形成される。これにより、後述する組立後の形態が対称的となり、ビニール袋をバランス良く保持できる。左側端部3及び右側端部4は矩形状であり、その内周縁側及び外周縁側は図示するように直線的である。各側端部は、長すぎると組み立てにくく、短すぎると把持部としての役割を果たさないため、100~120mmであることが好ましく、本実施例では120mmである。本実施例においては、左側端部3及び右側端部4に、穴3a、4aを設けてある。穴の半径は本実施例では13mmであるが、強度を保ちかつ女性の指が十分入る大きさ、すなわち、半径10~15mmが好ましい。穴は設けなくてもよいが、把持し易いように、設けることが好ましい。
【0027】
左側端部3には、第1切欠6、第2切欠12、及び、第3切欠13が、同等の長さ及び間隔で、それぞれ平行に形成される。本実施例では、各切欠は、折目線9と直角の方向となる。第1切欠6及び第2切欠12のそれぞれは、左側端部3の内周縁側から、左側端部3の幅寸法の半分以上の長さ(好ましくは半分をやや超える長さ)で、直角に切り込むことにより形成される。第3切欠13は、左側端部3の外周縁側から、第1及び第2切欠6、12と同等の長さで、第1及び第2切欠6、12の中間位置に、第1及び第2切欠6、12に対して平行に形成される。本実施例では、第1切欠6と第3切欠13の間と、第2切欠12と第3切欠13の間は、ともに20mmである。
【0028】
右側端部4には、第4及切欠8、第5切欠14、及び、第6切欠15が、同等の長さ及び間隔で、それぞれ平行に形成される。第4切欠8及び第5切欠14のそれぞれは、右側端部4の外周縁側から、右側端部4の幅寸法の半分以上の長さ(好ましくは半分をやや超える長さ)で、直角に切り込むことにより形成される。第6切欠15は、右側端部4の内周縁側から、第4及び第5切欠8、14と同等の長さで、第4及び第5切欠8、14の中間位置に、第4及び第5切欠8、14に対して平行に形成される。これにより、組立時において互いに対応する切欠に差し込んで連結することが可能となる。
【0029】
本実施例においては、シート2は、折目線9に沿って凹状切欠を設けることにより形成された3つの折目線側フック部16と、左側端部4の端縁側をL字状に切り込むことにより形成された左側フック部17と、右側端部5の端縁側をL字状に切り込むことにより形成された右側フック部18と、を有する。折目線側フック部16も左側フック部17も右側フック部18も、排泄補助具1を組み立ててビニール製のゴミ袋などの袋の縁を各フック部に引っ掛けてセットした状態で、袋に荷重がかかっても滑り落ちにくいように設けてある。なお、これらフック部16、17、18の形状は一例に過ぎない。本実施例においては、折目線側フック部16が上下に任意の間隔で3か所形成され、左側フック部17及び右側フック部18が1か所ずつ形成されるが、これらの個数も任意に設定される。
【0030】
{組立手順}
次に、シート2を組立てて排泄補助具1として使用するための、シート2の組立手順について説明する。
図2は、
図1に示すシートを排泄補助具に組立てる手順を示す図である。
図2は、特に、側端部3、4を上に、本体部5を下にして、側端部を手に持って組み立てている状態で、シート2の両端部を内側(谷折り面側)から示す。
図3は、
図2に示す手順により組み立てた状態の本発明の実施例1の排泄補助具を示す斜視図である。
図3は折目線9を手前側として描いている。先ず、折目線9に沿ってシート2を谷折りに折り曲げる。次に、
図2に(A)、(B)、(C)、(D)で示す順序で、左側端部3及び右側端部4のそれぞれを互いに連結する。具体的には、同(A)に示すように、先ず、左側端部3及び右側端部4がいずれもシート2の谷折り面(カップ状に組立てられた状態において内周面を構成する側の面)側に配置されるように、第3切欠13及び第6切欠15を互いに差し込む(同(B)は各切込み13、15を差し込んだ後の状態を示す)。
【0031】
次いで、同(B)に矢印で示すように、左側端部3を持ち上げて、本体部5の外面側(山折り面側)に左側端部3が配置されるようにして、第1の切込み6及び第5の切込み14を互いに差し込む(同(C)は各切込み6、14を差し込んだ後の状態を示す)。
【0032】
最後に、同(C)に矢印で示すように、右側端部4を持ち上げて、本体部5の外面側(山折り面側)に右側端部4が配置されるようにして、第4の切込み8及び第2の切込み12を互いに差し込む(同(D)は各切込み8、12を差し込んだ後の状態を示す)。
【0033】
上記手順により、排泄補助具1に組み立てる。組立後の状態において、左側端部3及び右側端部4は、相互に連結されており、かつ、それぞれが本体部5の外面側に配置される(
図3参照)。なお、上記組立手順は一例であり、例えば、第1の切込み6及び第5の切込み14を互いに差し込む(同(B))前に、第4の切込み8及び第2の切込み12を互いに差し込むようにしても良く、いずれを先にするかは任意である。
【0034】
次に、排泄補助具1の使用方法について説明する。
図4は、ビニール袋を取付けた状態の本発明の実施例1の排泄補助具を側面から示した使用方法説明図である。特に、ビニール袋を取付けた状態を示す。排泄補助具1は、ビニール袋Bを取り付けて使用する。ビニール袋は任意に選択可能であり、例えば、買い物時に提供される袋を使用しても良い。
【0035】
上記手順で組立てられた排泄補助具1は、漏斗状のビニール袋保持部と、指先で摘まめる把持部(フラップ)とを備える。把持部は側端部3、4からなる。ビニール袋保持部は上下に開口しており、上方の開口部が排泄物の受け口となり、下方開口部が排泄物の流出口となる。ビニール袋Bは、その底部が下側に配置されるように、上下いずれかの開口部(好ましくは上側の開口部)から挿入される。ビニール袋Bの一部は、フック部16、17、18に引っ掛けられる。
【0036】
{効果}
本実施例の排泄補助具1によれば、再利用可能で、安価で、コンパクトで、女性が立って簡単に排泄でき、携帯しやすく、水道設備が不要で、しゃがむスペースを必要とせず、簡単に使用できる排泄補助具を提供することができる。
【0037】
排泄補助具1によれば、ビニール袋を着脱自在に取り付けて、手を汚すことなく、排泄を行うことができる簡易なキットを提供することができる。また、組み立てと分解が容易であるため、袋を替えて再利用可能である。また、A4サイズで薄いので持ち運びが容易である。
【0038】
排泄補助具1によれば、ビニール袋を着脱自在に取り付けて、手を汚すことなく、排泄を行うことができる簡易なキットを提供することができる。また、組み立てと分解が容易であるため、袋を替えて再利用可能である。また、A4サイズで折り畳んだ状態でも厚みが1mmと薄いし全体が書類鞄に容易に入る大きさで持ち運びが容易で携帯することができる。
【0039】
ビニール袋は交換式であり、排泄後に本補助具から取り外して、廃棄する。耐アルコール性のある樹脂製シートであるので、消毒用アルコールで拭くだけで再利用が可能である。コロナ禍をきっかけに、消毒用アルコールや除菌シート等を持ち歩く社会になり、災害時において避難所に置いてある消毒用アルコールや携帯していた除菌シート等で拭くだけで繰り返し使用できることは利便性が高い。
【0040】
本実施例の排泄補助具は、A4サイズのA4サイズの厚手のクリアファイルにより作成してもよい。折り畳んだ状態では、A4サイズ以下であるので、チラシ等の書類用のラックに陳列することができる。コンパクトであるため、エレベータ内の非常用椅子の中に入れておくこともできる。組み立てた状態で穴3a、4aに指を入れて、前方から股の間に差し込むだけなので、練習なしで女性が立ったまま簡単に排泄することができる。なお、男性でも使用が可能である。
【0041】
また、本実施例の排泄補助具は、組立前のシートの状態において平板状であり、スペースをとらないため収容しやすい。道具を用いることなく組み立てることができ、災害のような緊急時でも使用しやすい。また、排泄補助具は、組み立て状態において、持ち手部分のある底側が開口するカップ状となり、上側に配置される外周縁側が広く開口し、下側に配置される内周縁側が狭くなる。したがって、排泄物を広く受けやすく、また、ビニール袋内に回収しやすい。使用時には、フラップを把持することにより、衛生的に使用できる。使用時には、フック用切欠にビニール袋の一部を引っ掛けることにより、ビニール袋の重さに抗して、安定してビニール袋を保持することができる。排泄補助具はプラスチック製のプレートをプレス加工等により切り抜くことにより、容易に生産することができる。
【0042】
組み立ててカップ状にした状態で、片手で持てるので、壁に手をついて立位を確保しながら、中腰でも安定して排泄することができる。長いフレアスカートや腰巻きをすれば、中を隠した状態で排泄することができる。
【0043】
したがって、本実施例によれば、災害時のトイレ問題から解放され、女性の健康を守ることができる。
排泄補助具21は、折目線29を対称軸として平面視略V形の左右対称形状に形成されるシート22より成り、シート22が、折目線29の左側に配置され、第1ないし第3切欠26、32、33を備える矩形状の左側端部23と、折目線29の右側に配置され、第1ないし第3切欠26、32、33と同等の間隔で形成される第4ないし第6切欠28、34、35を備える矩形状の右側端部24と、くの字状に屈曲して左側端部23と右側端部24とを連結し、内周縁側がくの字状に形成され、折目線29が設けられる本体部25と、により構成される。
第1及び第2切欠26、32のそれぞれが、左側端部23の内周縁側から、左側端部23の幅寸法の半分以上の長さで、直角に切り込むことにより形成される。第3切欠33が、左側端部23の外周縁側から、第1及び第2切欠26、32と同等の長さで、第1及び第2切欠26、32の中間位置に、第1及び第2切欠26、32に対して平行に形成される。また、第4及び第5切欠28、34のそれぞれが、右側端部24の外周縁側から、右側端部24の幅寸法の半分以上の長さで、直角に切り込むことにより形成され、第6切欠35が、右側端部24の内周縁側から、第4及び第5切欠28、34と同等の長さで、第4及び第5切欠28、34の中間位置に、第4及び第5切欠28、34に対して平行に形成される。