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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001797
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ヘッドホンカバー
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
H04R1/10 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101485
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】519229806
【氏名又は名称】横田 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】横田 修司
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA00
(57)【要約】
【課題】製造が容易なヘッドホンカバーを提供することである。
【解決手段】ヘッドホン105のイヤーパッド101部分を覆うヘッドホンカバー1であって、イヤーパッド101の内部位置でイヤーパッドと係合可能で、中心に貫通穴部2を有する内側端部41と、イヤーパット101の外部位置でイヤーパットに固定可能な、外側端部31と、内側端部41と外側端部31との間の布部11とを有し、内側端部41に弾性体部61が接着されていることにより、内側端部41が弾性変形することによりイヤーパットに係合する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドホンのイヤーパッド部分を覆うヘッドホンカバーであって、
イヤーパッドの内部位置でイヤーパッドと係合可能で、中心に貫通穴部を有する内側端部と、
イヤーパットの外部位置でイヤーパットに固定可能な、外側端部と、
前記内側端部と前記外側端部との間の布部とを有し、
前記内側端部に弾性体部が接合されていることにより、前記内側端部が弾性変形することによりイヤーパットに係合する
ヘッドホンカバー。
【請求項2】
前記内側端部は中央に貫通穴部を有する円板状の内側端部素材を有し、
前記弾性体部は、前記内側端部素材に接合されている
請求項1に記載のヘッドホンカバー。
【請求項3】
前記内側端部素材の貫通穴側の端部は、前記布部と結合している
請求項2に記載のヘッドホンカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉型ヘッドホンのイヤーパッドと耳との間に用いられるヘッドホンカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドホンのイヤーパッドを被覆するヘッドホンカバーが知られている。ヘッドホンカバーは、通常、音を通し易くするために薄い生地で形成されているため、日々の使用に伴う摩擦によって生地が劣化し、特に開口周縁部の生地が破れ易いという問題があった。このような問題を解決するために、特許文献1には、開口周縁部を摩擦に強い平ゴムで形成することで、開口周縁部が破れるのを防ぐヘッドホンカバーが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ヘッドホンカバーは、イヤーパッドの一側の通音箇所に開口部を有し、他側に向けて、少なくとも前記一側から90度折り返し可能な生地と、開口部の周縁を周回する芯部とを備え、芯部は、延伸方向の圧縮降伏応力が、0.0587MPa以上である技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-191345号公報
【特許文献2】特開2021―002812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の方法においては、製造が困難であるという不利益があった。
【0006】
本発明は、製造が容易なヘッドホンカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点におけるヘッドホンカバーは、ヘッドホンのイヤーパッド部分を覆うヘッドホンカバーであって、イヤーパッドの内部位置でイヤーパッドと係合可能で、中心に貫通穴部を有する内側端部と、 イヤーパットの外部位置でイヤーパットに固定可能な、外側端部と、前記内側端部と前記外側端部との間の布部とを有し、前記内側端部に弾性体部が接合されていることにより、前記内側端部が弾性変形することによりイヤーパットに係合する。
【0008】
好適には、前記内側端部は中央に貫通穴部を有する円板状の内側端部素材を有し、前記弾性体部は、前記内側端部素材に接合されている。
【0009】
好適には、前記内側端部素材の貫通穴側の端部は、前記布部と結合している。
【発明の効果】
【0010】
本発明におけるヘッドホンカバー1によって、製造が容易なヘッドホンカバーを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係るヘッドホンカバーを示す説明図である。
図2】ヘッドホンカバーの構造の詳細な説明図である。
図3】ヘッドホンカバーをヘッドホンに取り付ける説明図である。
図4】ヘッドホンカバーをヘッドホンに取り付けた状態の説明図である。
図5】変形例の説明図である
図6】他の変形例の説明図である。
図7】さらに他の変形例(弾性部)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るヘッドホンカバー1を示す説明図である。
【0014】
図1(a)は、ヘッドホンカバー1の上方(図1(b)でのA方向)からの説明図である。
図1(b)は、ヘッドホンカバー1の側面からの説明図である。
図1(c)は、ヘッドホンカバー1の上方(図1(b)でのC方向)からの説明図である。
図1(a)のように、ヘッドホンカバー1は、上方から見ると円形を有している。
そして、その中央に貫通穴部2が形成されている。
図1(b)のように、ヘッドホンカバー1は、内側端部41と、外側端部31とを有している(図2も参照)。
内側端部41には、弾性体部61が固定(接合、固定、接着、連結、縫付)されている。この実施形態では、塗布されている。接着されている。
また、外側端部31には伸縮部51が固定(接合、固定、接着、連結、縫付)されている。
内側端部41と外側端部31は、少なくとも、その間の主要な部分が伸縮可能な布部11となっている。
布部11は、肌触りが良い素材で形成される。
また、布部11は、図3で説明するようにイヤーパット101を包み込んで、かつ、ある程度イヤーパットと密着するような伸縮性が高い材質で形成する必要がある。
また、布部11は、図1図4も参照のこと)のようにタック縫製Sを入れている。
このタック縫製SによりS字部分(くびれ)(図2、及び、図2でのS字部分の説明を参照のこと)を形成している。このS字部分(くびれ)により、側面全体が連続した滑らかな仕上がりになるように形成が可能となる。
このタック縫製Sは、フィット感を改善(際立たせ)ている。
また、このタック縫製により、音質の維持に貢献している。
より説明すると、このS字形状(くびれ)によりカバー生地の余分なシワを解消してパッドとの密着性を高め、音質劣化を軽減することができる。
言い換えると、パッドと生地の間に生地シワができると、空間が生じてその空間が音響回路を生成して、音質を変化させてしまう効果が発生する。その効果を解消するために、カバーとパッドの密着性を 高めた滑らかな立体形状を構成するために、このような連続した滑らかなS字部分(くびれ)が必要である。
なお、図1においては、このタック縫製Sしているのは4本であり、図1(a)から見て90°毎に形成しているが、これに限らない。
例えば、2本にして180°毎にすることも、3本にして120°毎、5本、6本とすることも可能である。
また、必ずしも、タック縫製S間の角度は全て同じ間隔にする必要はなく、例えば、4本でも、180°、60°、60°、60°との間隔にすることも可能である。
【0015】
図2は、ヘッドホンカバー1の構造の詳細な説明図である。
図2は、図1(b)の拡大した断面の説明図である。
【0016】
図2のように、内側端部41と、外側端部31の間には、前述のように布部11が形成されている。
この布部11は、図11のように、内側端部41に形成された内側端部素材21と、接合面33において固定(固定、接合、連結、縫付)されている。
この実施形態では、縫い合わせられている。
この内側端部素材21は、布部11と同じ素材で形成することも可能である。この場合には、内側端部素材21は布部11の一部を構成することになる。
内側端部素材21は、図2のように、円形の円板状で、内部にこの円板と同心の貫通穴部2が形成されている形状をしている。
次に、布部11は、内側端部素材21の貫通穴部2から延びる円筒に近い形状の第3布部11cと、貫通穴部2の1.5~2倍程度の穴を有する円筒に近い形状の第1布部11aと、この第3布部11cと第1布部11aとをつなぐ断面が図2のようなS字を描く第2布部11bとを有している。
また、内側端部素材21(内側端部41にも該当)の軸方向の内側(外側端部31側)に、弾性体部61がドーナツ状(断面が半月状)に一周形成されている。
このS字を描く部分の「くびれ」部分について、糸から織り編むことで布部11を成形することができる。この場合には、タック縫製Sは無くてもよい。
他方、外側端部31(布部11の第1布部11a)位置には、伸縮部51が、円筒形状の外周側に形成されている。
伸縮部51は、ゴムなどの素材によって形成されている。
伸縮部51は、布部11の第1布部11aに縫い付けけることができる。
なお、伸縮部51は、弾性体部61に比べて伸縮性が高いことが求められるため(図3参照)、弾性体部とは別の素材で形成されるのが通常であるが、同一の素材とすることも可能である。
【0017】
布部11と内側端部素材21とを、縫い付け(接合、接着)のように形成すること、及び、内側端部素材21が、単なる円版状の形状であることから、製造が簡単になっている。
そのため、従来よりも安いコストで、技術力が低い製造工場であっても製造が可能となっている。
また、内側端部素材21に弾性体部61を接着するだけとなっていることも、製造を容易にさせている。
なお、弾性体部61を作って、それを内側端部素材21に接着するという構造も可能であるが、それよりも、内側端部素材21に弾性体部61を構成する材料を塗り付ける、印刷のようにするなどの方法の方がより製造が容易なことも言うまでもない。
【0018】
また、弾性体部61は、一定の可撓性を有していて、弾性変形させてヘッドホン内の窪み102などに挿入してその後もとに近い形状に戻って、係合状態となるものであれば良い。
【0019】
図3は、ヘッドホンカバー1をヘッドホン105に取り付ける説明図である。
【0020】
ヘッドホン105は、イヤーパット101と、イヤーパット101の内側の奥に載置されるスピーカ104との間に設置されるイヤーパット膜103とを一般に有している。
また、イヤーパット101とイヤーパット膜103との間には、図3のように、空隙部102があることが一般的である。
この空隙部102に内側端部素材21(内側端部41、弾性体部61)を弾性変形して挿入する(図3(a))。
これによって、ヘッドホンカバー1は係合(掛かり止め)されることになる。
その状態で、外側端部31部分(布部11)を引き延ばして、イヤーパット101の外周部分に回り込ませる。
その結果、図3(b)のような状態にすることによって、ヘッドホンカバー1はイヤーパット101(ヘッドホン105)に固定されることになる。
【0021】
図4は、ヘッドホンカバー1をヘッドホン105に取り付けた状態の説明図である。
【0022】
図4のように、一定のたるみなどは許容されるものの、ヘッドホンカバー1はヘッドホン105にある程度密着されて固定されることになる。
【0023】
図5は、変形例の説明図である。
【0024】
より詳細には、図5は内側端部素材21の変形例の説明図である。
内側端部素材21は円だけでなく図5のように楕円形状であってもよい。
さらに、内側端部素材21に固定される弾性体部61の厚みなども、さまざまなバリエーションがあってよい。
図5に示される、具体例の一つでは、図5(a)のように、かなりの幅を持っていてもよい。
逆に、図5(b)のように、厚みが極めて薄くてもよい。
【0025】
図6は、他の変形例の説明図である。
【0026】
内側端部素材21は円、楕円だけでなく図6(a)のように長方形形状であってもよい。
さらに、その他の形状、5角形、6角形、それ以上の多角形状、卵型などであって良い。
さらに、図6(b)のように、内側端部素材21に単に弾性体部61が固定されていれば足りるのであり、どの位置に固定されていてもよい。
必ずしも、内側端部素材21の形状又は、貫通穴部2の形状と相似である必要はない。
【0027】
図7は、さらに他の変形例(弾性体部61)の説明図である。
【0028】
図7(a)に示したように、弾性体部61の形状(断面)の形状は、どのような形状であってもよい。
円、楕円、四角などであってもよい。
また、図7(b)に示したように、弾性体部61の固定されている位置は、内側端部素材21の布部11とは逆側の位置でも、内側の端部、外側の端部のいずれの位置であってもよい。
【0029】
<発展的な実施形態>
さらに、布部11のイヤーパッド101にふれる面に滑り止めのシリコン印刷を施す方法を行ってもよい。
これにより、よりイヤーパット101との位置ずれがなくなり、より、ユーザの使用感が向上する。
【0030】
<実施形態の構成及び効果>
ヘッドホン105のイヤーパッド101部分を覆うヘッドホンカバー1であって、イヤーパッド101の内部位置でイヤーパッドと係合可能で、中心に貫通穴部2を有する内側端部41と、イヤーパット101の外部位置でイヤーパットに固定可能な、外側端部31と、内側端部41と外側端部31との間の布部11とを有し、内側端部41に弾性体部61が接合されていることにより、内側端部41が弾性変形することによりイヤーパットに係合する。
このような構成によって、製造が容易なヘッドホンカバー1を提供することが可能となった。
【0031】
内側端部41は中央に貫通穴部2を有する円板状の内側端部素材21を有し、弾性体部61は、内側端部素材21に接合されている。
このような構成によって、より製造が容易なヘッドホンカバー1を提供することが可能となった。
【0032】
内側端部素材21の貫通穴2側の端部は、布部11と結合している。
このような構成によって、より製造が容易なヘッドホンカバー1を提供することが可能となった。
【0033】
本発明の接合とは、接着、塗布、縫い付け、圧着、その他、接してかつ固定(一時的なものを含む)されるものすべてを含む。
本発明の、構造、材料、各部材の連結、化学物質、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
材質も自由に選択することが可能である。
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
また、上記実施形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態の1つにすぎない。
【符号の説明】
【0034】
1 ヘッドホンカバー
2 貫通穴部
11 布部
11a 第1布部
11b 第2布部
11c 第3布部
21 内側端部素材
31 外側端部
41 内側端部
51 伸縮部
61 弾性体部
101 イヤーパット
102 空隙部
103 イヤーパット膜
104 スピーカ
105 ヘッドホン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7