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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018015
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】二層型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/03 20060101AFI20250130BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20250130BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250130BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61K8/03
A61K8/81
A61K8/44
A61Q19/00
A61Q1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121390
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】520176980
【氏名又は名称】株式会社みらい中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194973
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 祐朗
(72)【発明者】
【氏名】李 娟娟
(72)【発明者】
【氏名】石渡 正昭
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC441
4C083AC532
4C083AC581
4C083AC582
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD212
4C083BB04
4C083BB11
4C083CC03
4C083DD05
4C083EE03
4C083EE05
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、混合後の分離時間が適度な二層型化粧料を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明の(a)0.001~1.0重量%のポリクオタニウム、(b)0.001~5重量%のジヒドロキシプロピルアルギニン又はその塩、(c)0.001~1.0重量%のHBL7以下の非イオン性界面活性剤、(d)0.1~60重量%の油性成分、を含む、二層型化粧料によって解決することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.001~1.0重量%のポリクオタニウム、
(b)0.001~5重量%のジヒドロキシプロピルアルギニン又はその塩、
(c)0.001~1.0重量%のHBL7以下の非イオン性界面活性剤、
(d)0.1~60重量%の油性成分、
を含む、二層型化粧料。
【請求項2】
前記ポリクオタニウムが、ポリクオタニウム-51、ポリクオタニウム-61、ポリクオタニウム-64、及びポリクオタニウム-65からなる群から選択される、請求項1に記載の二層型化粧料。
【請求項3】
HBL7以下の非イオン性界面活性剤が、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-15水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-10水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-3グリセリル、イソステアリン酸ソルビタン又はセスキイソステアリン酸ソルビタンからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の二層型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二層型化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
二層分離している二層型化粧料は、使用時に振とうして、混合して用いるものであり、化粧水、美容液、又はメーク落としなどがある。例えば、二層型化粧料は特許文献1及び2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-112451号公報
【特許文献2】特開2016-124817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、混合した後の二層への分離時間が早すぎることがあり、使い勝手がわるいことがあった。従って、本発明の目的は、混合後の分離時間が適度な二層型化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、混合後の分離時間が適度な二層型化粧料について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、(a)ポリクオタニウム、(b)ジヒドロキシプロピルアルギニン又はその塩、(c)HBL7以下の非イオン性界面活性剤、及び(d)油性成分を含むことにより、適度な分離速度の二層型化粧料が得られることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](a)0.001~1.0重量%のポリクオタニウム、(b)0.001~5重量%のジヒドロキシプロピルアルギニン又はその塩、(c)0.001~1.0重量%のHBL7以下の非イオン性界面活性剤、(d)0.1~60重量%の油性成分、
を含む、二層型化粧料、
[2]前記ポリクオタニウムが、ポリクオタニウム-51、ポリクオタニウム-61、ポリクオタニウム-64、及びポリクオタニウム-65からなる群から選択される、[1]に記載の二層型化粧料、及び
[3]HBL7以下の非イオン性界面活性剤が、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-15水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-10水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-3グリセリル、イソステアリン酸ソルビタン又はセスキイソステアリン酸ソルビタンからなる群から選択される、[1]又は[2]に記載の二層型化粧料、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の二層型化粧料によれば、混合後の分離速度が適度であり、使い勝手のよい二層型化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
《ポリクオタニウム;成分a》
本発明の二層型化粧料は、0.001~1.0重量%のポリクオタニウム(以下、成分aと称することがある)を含む。
ポリクオタニウムは、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含むポリマーであり、界面活性作用を示す。
ポリクオタニウムとしては、下記式(1):
【化1】
(式中、mは50~3000であり、nは100~6000である)
で表されるポリクオタニウム-51が挙げられる。
前記mの下限は、ある態様では40以上であり、ある態様では50以上であり、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上である。mの上限は、ある態様では4500以下であり、ある態様では4000以下であり、ある態様では3500以下であり、ある態様では3000以下であり、ある態様では2000以下である。前記nの下限は、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上であり、ある態様では1000以上であり、ある態様では2000以上であり、ある態様では5000以上である。nの上限は、ある態様では9000以下であり、ある態様では8000以下であり、ある態様では7000以下であり、ある態様では6000以下であり、ある態様では5000以下である。前記上限と下限とは、任意に組み合わせて、m又はnの範囲とすることができる。
【0008】
別のポリクオタニウムとしては、下記式(2):
【化2】
(式中、mは30~5000であり、nは50~10000であり、oは50~10000である)
で表されるポリクオタニウム-65が挙げられる。
前記mの下限は、ある態様では40以上であり、ある態様では50以上であり、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上である。mの上限は、ある態様では4500以下であり、ある態様では4000以下であり、ある態様では3500以下であり、ある態様では3000以下であり、ある態様では2000以下である。前記nの下限は、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上であり、ある態様では1000以上であり、ある態様では2000以上であり、ある態様では5000以上である。nの上限は、ある態様では9000以下であり、ある態様では8000以下であり、ある態様では7000以下であり、ある態様では6000以下であり、ある態様では5000以下である。前記oの下限は、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上であり、ある態様では1000以上であり、ある態様では2000以上であり、ある態様では5000以上である。oの上限は、ある態様では9000以下であり、ある態様では8000以下であり、ある態様では7000以下であり、ある態様では6000以下であり、ある態様では5000以下である。前記上限と下限とは、任意に組み合わせて、m、n、又はoの範囲とすることができる。
【0009】
別のポリクオタニウムとしては、下記式(3):
【化3】
(式中、mは30~5000であり、nは50~10000である)
で表されるポリクオタニウム-64が挙げられる。
前記mの下限は、ある態様では40以上であり、ある態様では50以上であり、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上である。mの上限は、ある態様では4500以下であり、ある態様では4000以下であり、ある態様では3500以下であり、ある態様では3000以下であり、ある態様では2000以下である。前記nの下限は、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上であり、ある態様では1000以上であり、ある態様では2000以上であり、ある態様では5000以上である。nの上限は、ある態様では9000以下であり、ある態様では8000以下であり、ある態様では7000以下であり、ある態様では6000以下であり、ある態様では5000以下である。前記上限と下限とは、任意に組み合わせて、m又はnの範囲とすることができる。
【0010】
別のポリクオタニウムとしては、下記式(4):
【化4】
(式中、mは30~5000であり、nは50~6000である)
で表されるポリクオタニウム-61が挙げられる。
前記mの下限は、ある態様では40以上であり、ある態様では50以上であり、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上である。mの上限は、ある態様では4500以下であり、ある態様では4000以下であり、ある態様では3500以下であり、ある態様では3000以下であり、ある態様では2000以下である。前記nの下限は、ある態様では100以上であり、ある態様では500以上であり、ある態様では1000以上であり、ある態様では2000以上であり、ある態様では5000以上である。nの上限は、ある態様では9000以下であり、ある態様では8000以下であり、ある態様では7000以下であり、ある態様では6000以下であり、ある態様では5000以下である。前記上限と下限とは、任意に組み合わせて、m又はnの範囲とすることができる。
ポリクオタニウムは、前記2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含む繰り返し単位に加えて、好ましくは他の繰り返し単位を含む。他の繰り返し単位としては、前記ポリクオタニウム-51、ポリクオタニウム-65、ポリクオタニウム-64、又はポリクオタニウム-61に含まれる繰り返し単位が挙げられる。
【0011】
前記成分aの二層型化粧料における含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、下限は例えば、0.001重量%以上であり、より好ましくは0.0015重量%以上であり、更に好ましくは0.002重量%以上であり、更に好ましくは0.005重量%以上であり、更に好ましくは0.010重量%以上である。上限は、例えば1.0重量%以下であり、0.5重量%以下であり、好ましくは0.5重量%未満であり、更に好ましくは0.45重量%以下であり、更に好ましくは0.40重量%以下である。前記範囲であることによって、油性成分を乳化することができ、皮膚への刺激性を減少させることができる。また、前記範囲の下限と上限とは、組み合わせて成分aの含有量の範囲とすることができる。
【0012】
前記成分aの二層型化粧料における油性成分に対する含有比率は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、油性成分100重量部に対して、例えば0.25重量以上であり、好ましくは0.30重量部以上であり、より好ましくは0.35重量部以上であり、更に好ましくは、0.40重量部以上であり、更に好ましくは0.50重量部以上である。前記含有比率の上限は、限定されないが油性成分100重量部に対して、100重量部以下であり、ある態様では50重量部以下であり、ある態様では10重量部以下であり、ある態様では5重量部以下である。
【0013】
《ジヒドロキシプロピルアルギニン:成分b》
本発明の二層型化粧料は、0.001~5重量%のジヒドロキシプロピルアルギニン(以下、成分bと称することがある)を含む。
ジヒドロキシプロピルアルギニンは、下記式(5):
【化5】
で表される化合物である。
ジヒドロキシプロピルアルギニンとして、その塩を用いてもよい。ジヒドロキシプロピルアルギニンの塩としては、酸との塩であって、化粧料として許容される塩であれば限定されない。
また、具体的な酸との塩としては、無機酸、又は有機酸との塩が挙げられる。塩を形成しうる無機酸及び有機酸としては、酢酸、硫酸、リン酸、又は塩酸が挙げられ、好ましくは塩酸である。
例えば、ジヒドロキシプロピルアルギニンHCLは、下記式(6):
【化6】
で表される化合物である。
【0014】
前記成分bの二層型化粧料における含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、下限は例えば、0.001重量%以上であり、より好ましくは0.002重量%以上であり、更に好ましくは0.003重量%以上であり、更に好ましくは0.005重量%以上であり、更に好ましくは0.010重量%以上である。上限は、例えば5重量%以下であり、好ましくは4重量%未満であり、更に好ましくは3重量%以下であり、更に好ましくは2.7重量%以下である。前記範囲であることによって、油性成分を乳化することができる。また、前記範囲の下限と上限とは、組み合わせて成分bの含有量の範囲とすることができる。
【0015】
前記成分aの二層型化粧料における油性成分に対する含有比率は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、油性成分100重量部に対して、例えば0.30重量以上であり、好ましくは0.40重量部以上であり、より好ましくは0.50重量部以上であり、更に好ましくは、0.60重量部以上である。前記含有比率の上限は、限定されないが油性成分100重量部に対して、100重量部以下であり、ある態様では50重量部以下であり、ある態様では10重量部以下であり、ある態様では5重量部以下である。
【0016】
《HLB値が7以下の非イオン性界面活性剤:成分c》
本発明の二層型化粧料はHLB値が7以下である非イオン性界面活性剤を0.1~5重量%含む。特に限定されるものではないが、常温で液状又はペースト状の非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0017】
本発明の二層型化粧料に用いる非イオン性界面活性剤のHLBは7以下であれば限定されるものではない。HLBが7以下であることによって、二層への分離の開始時間を遅らせることができる。非イオン性界面活性剤のHLBの計算方法としては、グリフィン法、ディビス法、アトラス法、又は川上法などがあるが、本明細書におけるHLBはグリフィン法により計算されてものを用いる。グリフィン法によるHLBは以下の式によって、計算することができる。
HLB=20×(親水部分の分子量/全体の分子量)
グリフィン法以外に、標準試料にHLBを決定したい非イオン性界面活性剤を添加して、乳化し実験的に決定する方法を用いてもよい。
【0018】
本発明の二層型化粧料に用いる非イオン性界面活性剤は、前記の物性を有する限り限定されるものではないが、例えば、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB:4.0)、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30(HLB:5.5)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(HLB:4.1)、モノイソステアリン酸グリセリド(HLB:4.0)、POE(7)硬化ヒマシ油(HLB:5.9)、モノオレイン酸ソルビタン(HLB:4.3)、トリイソステアリン酸POE(10)グリセリン(HLB:5.1)、トリイソステアリン酸POE(10)硬化ヒマシ油(HLB:3.6)、ラウロイルグルタミン酸POE(2)オクチルドデシルエーテルジエステル(HLB:4.0)、ジイソステアリン酸グリセリド,ジオレイン酸グリセリド、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸プロピレングリコール、ジイソステアリンジグリセリン、ペンタオレイン酸デカグリセリン、デカオレイン酸デカグリセリン、(ステアリン酸/リンゴ酸)グリセリド、イソステアリン酸POE(3)ソルビット、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-15水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-10水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-3グリセリル、又はイソステアリン酸ソルビタン、を挙げることができる。特には、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-15水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸PEG-10水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-3グリセリル、イソステアリン酸ソルビタン又はセスキイソステアリン酸ソルビタンが好ましい。
【0019】
本発明の二層型化粧料に含まれる非イオン性界面活性剤の含有量は、0.001~1.0重量%であれば特に限定されるものではないが、好ましくは0.002~0.8重量%であり、より好ましくは0.003~0.5重量%であり、最も好ましくは0.005~0.3重量%である。非イオン性界面活性剤の含有量が0.001重量%未満であるとさらさら感やしなやかさが得られないことがあり、含有量が1.0重量%を超えると油性成分が分離し、安定性の問題が生じることがある。
【0020】
《油性成分:成分d》
本発明の二層型化粧料は、0.1~60重量%の油性成分(以下、成分dと称することがある)、を含む。油性成分は、特に限定されるものではなく、エステル油、炭化水素油、動植物油、脂肪族アルコール、高級脂肪酸、シリコーン又はシリコーン誘導体を挙げることができる。本発明の二層型化粧料は、これらの油性成分に含まれるものを1種又は2種以上混合して用いることができる。
【0021】
前記エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リシノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸2-オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリ2-エチルヘキシル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリ2-オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、又は12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル、等を挙げることができる。
【0022】
前記炭化水素油としては、オゾケライト、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワレン、プリスタン、ワセリン、又はマイクロクリスタリンワックスを挙げることができる。
【0023】
前記動植物油としては、例えばアボガド油、トウモロコシ油、月見草油、パーシック油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、シナモン油、アーモンド油、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、ミッドオレイックひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、卵黄油、ミンク油、牛脂、豚脂、ラード、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ油、及び藻類油、並びにそれらの分別油、硬化油、及びエステル交換油を挙げることができる。
【0024】
前記脂肪族アルコールとしては、直鎖状の飽和アルコール(例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、又はベヘニルアルコール)、分岐状の飽和アルコール(例えば、イソステアリルアルコール、又はオクチルドデカノール)、又は不飽和アルコール(例えば、オレイルアルコール)などの炭素数が12~22のアルコール(いわゆる高級アルコール)を挙げることができる。
【0025】
前記高級脂肪酸としては、直鎖状の飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸)、分岐状の飽和脂肪酸(例えば、イソステアリン酸)、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ウンデシレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸)、トール酸、ラノリン酸などを挙げることができる。
【0026】
前記シリコーン又はシリコーン誘導体としては、メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルアミノプロピルシロキサン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン、シリコーンゴム、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルポリシロキサン、又はメチル(アミノプロピル)シロキサンを挙げることができる。
【0027】
前記油性成分の含有量は、0.1~60重量%である限り、特に限定されるものではないが、下限は好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは1重量%以上であり、更に好ましくは2重量%以上であり、更に好ましくは3重量%以上である。上限も特に限定されるものではないが、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下であり、更に好ましくは20重量%以下である。前記範囲であることによって、最適な二層型化粧料を作製することができる。また、前記範囲の下限と上限とは、組み合わせて成分dの含有量の範囲とすることができる。
【0028】
《水》
本発明の二層型化粧料は、水(例えば、イオン交換水)を含む。二層型化粧料における水の含有量は、二層構造が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば5~70重量%含むことができ、好ましくは8~65重量%であり、より好ましくは10~60重量%であり、最も好ましくは14~56重量%である。水は、二層のうちの1つの層を形成する主要な成分であり、他の層との比率を勘案して、前記の任意の範囲で適宜使用することができる。
【0029】
本発明の二層型化粧料は、数十分から数時間で分離する乳化化粧料であり、乳液、クレンジング、パック、マッサージ料、洗浄剤、脱臭剤、スキンケア化粧料、メイクアップ下地、ファンデーション、メイクアップ化粧料、リンス、トリートメント、及びセット剤等の頭髪化粧料、制汗剤化粧料、並びに、サンスクリーン、日焼け止め乳液等の紫外線防止化粧料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の二層型化粧料は、上記必須成分の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料に配合されるその他の成分を適宜配合することができる。その他の成分としては、保湿剤(例えば、トリメチルグリシン、濃グリセリン、ソルビット、キシリトール、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、セラミド類、加水分解ケラチン)、着色剤(例えば、顔料、又は色素)、粘度調整剤(例えば、メチルセルロース、ポリエチレングリコール)、乳化剤(例えば、モノステアリン酸グリセリン)、パール光沢付与剤(例えば、ジステアリン酸グリコール、又はジステアリン酸エチレングリコール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム)、植物エキス類、防腐剤、ビタミン剤、香料、紫外線吸収剤、抗酸化剤、湿潤剤、キレート剤、pH調整剤(例えば、クエン酸、又は酒石酸)、及び水が挙げられる。
【実施例0031】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0032】
《比較例1~4》
本比較例では、成分cを含まない二層型化粧料を調製した。すなわち、成分a、成分b、成分d、水性成分、などを表1の組成で混合し、二層化粧料を調製した。得られた二層化粧料を振って混合し、分離開始までの時間を計測したところ、5~20秒で分離を開始した(表1)。
【0033】
《実施例1~6》
本実施例では、成分a、成分b、成分c、成分d、及び水性成分などを表1の組成で混合し、二層化粧料を調製した。得られた二層化粧料を振って混合し、分離開始までの時間を計測したところ、40~60秒で分離を開始した(表1)。実施例では適度な混合後の分離時間が得られ、使い勝手がよいと考えられた。
【0034】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の二層型化粧料は、混合後の分離速度が適度であり、使い勝手のよい二層型化粧料を提供することができる。