(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001807
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】雌端子金具
(51)【国際特許分類】
H01R 13/11 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
H01R13/11 A
H01R13/11 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101507
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郎 鵬飛
(57)【要約】
【課題】雌端子金具の材料ロスを低減できる。
【解決手段】雌端子金具10は、筒状の本体部20を構成する支持板部21に支持されて、本体部20の内部へ片持ち状に延出した形状の弾性接触片30を備えている。支持板部21は、切欠部41と、切欠部41以外の残存部42と、を有している。弾性接触片30は、支持板部21から離隔する方向に凸となるように曲がった形状であり、切欠部41の開口縁43に連なる第1支点部P1と、延出端側に位置する第2支点部P2と、第1支点部P1と第2支点部P2との間に設けられ、第2支点部P2よりも幅が狭い幅狭部32と、を有している。弾性接触片30は、支持板部21の板面と平行に延ばした状態において切欠部41内に収まる形状である。残存部42のうち、弾性接触片30を支持板部21の板面と平行に延ばした状態において幅狭部32を挟む領域は、第2支点部P2を支える一対の支持部47として機能する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の本体部と、
前記本体部を構成する支持板部に支持されて、前記本体部の内部へ片持ち状に延出した形状の弾性接触片と、
を備え、
前記支持板部は、切欠部と、前記切欠部以外の残存部と、を有し、
前記弾性接触片は、
前記支持板部から離隔する方向に凸となるように曲がった形状であり、
前記切欠部の開口縁に連なる第1支点部と、
延出端側に位置する第2支点部と、
前記第1支点部と前記第2支点部との間に設けられ、前記第2支点部よりも幅が狭い幅狭部と、
を有し、
前記弾性接触片は、前記支持板部の板面と平行に延ばした状態において前記切欠部内に収まる形状であり、
前記残存部のうち、前記弾性接触片を前記支持板部の板面と平行に延ばした状態において前記幅狭部を挟む領域は、前記第2支点部を支える一対の支持部として機能する雌端子金具。
【請求項2】
前記第2支点部は、前記弾性接触片の前記延出端に設けられ、
前記幅狭部は、前記第2支点部に対して前記第1支点部側に隣接して設けられている請求項1に記載の雌端子金具。
【請求項3】
前記弾性接触片の前記延出端は、前記幅狭部に対して幅方向両側に突出する棒状であり、
前記幅狭部は、前記第2支点部側に向かうにつれて幅狭となる形状である請求項2に記載の雌端子金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、雌端子金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オス端子の挿入を受け入れる中空筒状のボックス部と、ボックス部の内部にオス端子が挿入された際にこの雄端子と接触する弾性接触片とを備えた、メス端子金具が開示されている。弾性接触片は、ボックス部に対して2つの支点を有する。弾性接触片は、雌端子金具を展開状態にした金属板材において、ボックス部に相当する部分の縁からW字形状に延出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなメス端子金具では、展開状態で弾性接触片が延出しているため、展開状態の雌端子金具を打ち抜き等により形成する際に、材料ロスが大きくなってしまう。
本開示の雌端子金具は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、材料ロスを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の雌端子金具は、
筒状の本体部と、
前記本体部を構成する支持板部に支持されて、前記本体部の内部へ片持ち状に延出した形状の弾性接触片と、
を備え、
前記支持板部は、切欠部と、前記切欠部以外の残存部と、を有し、
前記弾性接触片は、
前記支持板部から離隔する方向に凸となるように曲がった形状であり、
前記切欠部の開口縁に連なる第1支点部と、
延出端側に位置する第2支点部と、
前記第1支点部と前記第2支点部との間に設けられ、前記第2支点部よりも幅が狭い幅狭部と、
を有し、
前記弾性接触片は、前記支持板部の板面と平行に延ばした状態において前記切欠部内に収まる形状であり、
前記残存部のうち、前記弾性接触片を前記支持板部の板面と平行に延ばした状態において前記幅狭部を挟む領域は、前記第2支点部を支える一対の支持部として機能する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、雌端子金具の材料ロスを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施例1の雌端子金具の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1において本体部の一部を省略した図である。
【
図5】
図5は、弾性接触片が展開状態のときの雌端子金具の平断面図である。
【
図6】
図6は、実施例2の雌端子金具の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
〔1〕筒状の本体部と、
前記本体部を構成する支持板部に支持されて、前記本体部の内部へ片持ち状に延出した形状の弾性接触片と、
を備え、
前記支持板部は、切欠部と、前記切欠部以外の残存部と、を有し、
前記弾性接触片は、
前記支持板部から離隔する方向に凸となるように曲がった形状であり、
前記切欠部の開口縁に連なる第1支点部と、
延出端側に位置する第2支点部と、
前記第1支点部と前記第2支点部との間に設けられ、前記第2支点部よりも幅が狭い幅狭部と、
を有し、
前記弾性接触片は、前記支持板部の板面と平行に延ばした状態において前記切欠部内に収まる形状であり、
前記残存部のうち、前記弾性接触片を前記支持板部の板面と平行に延ばした状態において前記幅狭部を挟む領域は、前記第2支点部を支える一対の支持部として機能する雌端子金具。
【0009】
上記〔1〕の構成によれば、弾性接触片の幅狭部は、第1支点部と第2支点部との間に設けられ、第2支点部よりも幅が狭い構成である。この構成により、弾性接触片が支持板部から離隔する方向に凸となるように曲がった形状で、残存部のうち幅狭部を挟む領域である一対の支持部が第2支点部を支持することができる。これにより、弾性接触片は、支持板部によって2つの支点部(第1支点部及び第2支点部)によって支持される構成となる。その上で、弾性接触片は、支持板部の切欠部内に収まる部分によって構成される。この構成により、従来の構成(展開状態の板材において外側に延出する部分を折り曲げて弾性接触片を形成する構成)に比べて、展開状態の板材を打ち抜き等によって形成する際に、材料ロスを低減できる。
【0010】
〔2〕前記第2支点部は、前記弾性接触片の前記延出端に設けられ、
前記幅狭部は、前記第2支点部に対して前記第1支点部側に隣接して設けられている〔1〕に記載の雌端子金具。
【0011】
上記〔2〕の構成によれば、幅狭部が第2支点部よりも離れた位置にある構成に比べて、支持部と第2支点部との距離が近い構成となり、弾性接触片の曲がりの程度を比較的に小さくできる。そのため、雌端子金具を低背化(小型化)できる。
【0012】
〔3〕前記弾性接触片の前記延出端は、前記幅狭部に対して幅方向両側に突出する棒状であり、
前記幅狭部は、前記第2支点部側に向かうにつれて幅狭となる形状である〔2〕に記載の雌端子金具。
【0013】
上記〔3〕の構成によれば、弾性接触片において応力が集中し易い部分(凸となるように曲がった形状の部分の先端)に生じる応力を、第2支点部と幅狭部とのつなぎ部分に分散させて緩和できる。
【0014】
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示を具体化した実施例1の雌端子金具を、
図1~
図5を参照して説明する。
図1は、本実施例1の雌端子金具10を示している。本実施例1において、前後の方向については、
図1におけるX軸の正方向を前方と定義する。左右の方向については、Y軸の正方向を右方と定義する。上下の方向については、Z軸の正方向を上方と定義する。
【0015】
図1に示す雌端子金具10は、導電性の金属板を曲げ加工等して一体に成形される。雌端子金具10は、相手側の雄端子金具(図示略)に接続可能である。
図1に示すように、雌端子金具10は、本体部20と、弾性接触片30と、電線接続部50と、を備えている。
【0016】
本体部20は、四角筒状である。本体部20は、雄端子金具のタブ(図示略)が前方から挿入される。本体部20は、支持板部21と、右側板22と、左側板23と、天板24と、を有している。支持板部21は、弾性接触片30を支持している。支持板部21は、本体部20の底壁を構成している。支持板部21は、前後方向に長い帯板状である。
【0017】
図2~
図4に示すように、支持板部21は、切欠部41と、切欠部41以外の残存部42と、を具備している。切欠部41は、支持板部21において板厚方向に貫通する部分である。残存部42は、切欠部41の周りを囲む部分である。切欠部41は、弾性接触片30を切り起こす際に形成され部分である。
【0018】
右側板22は、支持板部21の右両端から立ち上がっている。左側板23は、支持板部21の左端から立ち上がっている。
【0019】
天板24は、右天板部24Aと、左天板部24Bと、を具備している。右天板部24Aは、右側板22の立ち上がり上端から支持板部21と平行に左側板23側へ延出している。左天板部24Bは、左側板23の立ち上がり上端から支持板部21と平行に右側板22側へ延出している。右天板部24Aの延出端部と、左天板部24Bの延出端部とが突き合わされている。
【0020】
天板24は、受け部24C,24Dを具備している。受け部24Cは、右天板部24Aの中央部分を下方へ叩き出すことによって形成されている。受け部24Dは、左天板部24Bの中央部分を下方へ叩き出すことによって形成されている。本体部20に挿入された雄端子金具のタブは、受け部24C,24Dに接触する。
【0021】
電線接続部50は、ワイヤバレル部51と、インシュレーションバレル部52と、を有している。ワイヤバレル部51は、電線の芯線に圧着によって接続される。インシュレーションバレル部52は、電線の被覆に圧着によって接続される。
図1に示すように、ワイヤバレル部51、インシュレーションバレル部52の順に前側から後側に並んで配置されている。
【0022】
図2に示すように、弾性接触片30は、本体部20内に収容されている。弾性接触片30は、本体部20に挿入された雄端子金具のタブに接触する。弾性接触片30は、本体部20の内部へ延出している。弾性接触片30は、支持板部21から後方へ片持ち状に延出している。弾性接触片30は、支持板部21から離隔する方向(上方)に凸となるように曲がった形状である。
【0023】
図3、
図4に示すように、弾性接触片30は、基端部31と、幅狭部32と、棒状部33と、を有している。基端部31は、切欠部41の開口縁43に連なっている。開口縁43は、後述する第1開口44の前側の縁である。基端部31は、四角板状である。基端部31は、
図4に示すように、開口縁43から斜め上後方へ延出している。
【0024】
幅狭部32は、基端部31の後端に連なっている。幅狭部32は、基端部31及び棒状部33よりも幅が狭い(左右方向のサイズが小さい)。幅狭部32は、台形板状である。幅狭部32は、後方に向かうにつれて幅狭となる形状である。幅狭部32は、基端部31の後端から斜め下後方へ延出している。弾性接触片30は、基端部31と幅狭部32の境界よりもわずかに基端部31側寄りの位置において、左右方向に延びる折れ線が生じるように、上方に凸となるように曲がっている。
【0025】
棒状部33は、幅狭部32の先端に連なっている。棒状部33は、幅狭部32に対して幅方向(左右方向)両側に突出する棒状である。棒状部33は、幅方向(左右方向)に延びる折れ線が生じるように、帯板状の部分を下方に凸となるように屈曲させた形状である。
【0026】
図4に示すように、弾性接触片30は、第1支点部P1と、第2支点部P2と、を有している。第1支点部P1は、開口縁43に連なっている。第1支点部P1は、開口縁43に対する基端部31の付け根部分である。第2支点部P2は、弾性接触片30の延出端側(より具体的には、延出端である棒状部33)に位置している。第2支点部P2は、棒状部33の凸形状部分の下端である。幅狭部32は、第1支点部P1と第2支点部P2との間に設けられている。幅狭部32は、第2支点部P2(棒状部33)よりも幅が狭い(左右方向のサイズが小さい)。
【0027】
図5に示すように、弾性接触片30は、支持板部21の板面と平行に延ばした状態(展開状態)において切欠部41内に収まる形状である。展開状態において、弾性接触片30の上側板面及び下側板面は、それぞれ支持板部21の上側板面及び下側板面と面一である。切欠部41は、展開状態において、支持板部21の板厚方向から見て、弾性接触片30と同形状である。弾性接触片30は、支持板部21の基となる板状部分を切り起こして形成されている。例えば、
図5に示すように、支持板部21の基となる板状部分に、弾性接触片30の外形に沿う形のスリットSを設け、上方に切り起こすことで弾性接触片30が形成される。
【0028】
図5に示すように、切欠部41は、第1開口44と、第2開口45と、第3開口46と、を含んでいる。第1開口44は、切欠部41の後端側部分を構成している。第1開口44は、支持板部21の板厚方向から見て、展開状態の基端部31と同形状(四角形状)である。第2開口45は、第1開口44に対して後方に連なっている。第2開口45は、支持板部21の板厚方向から見て、展開状態の幅狭部32と同形状(台形状)である。第3開口46は、第2開口45に対して後方に連なっている。第3開口46は、支持板部21の板厚方向から見て、展開状態の棒状部33と同形状(左右方向に長い長方形状)である。
【0029】
図5に示すように、残存部42のうち、弾性接触片30を支持板部21の板面と平行に延ばした状態において幅狭部32を挟む領域は、第2支点部P2を支える一対の支持部47として機能する。一対の支持部47は、展開状態の基端部31と棒状部33との間に配される部分である。一対の支持部47において、展開状態の幅狭部32に沿う縁部は、後方に向かうにつれて近づく形状である。
【0030】
上述したように、弾性接触片30の幅狭部32が第1支点部P1と第2支点部P2との間に設けられるため、
図3、
図4に示すように弾性接触片30を凸となるように曲げることで、展開形状のときよりも第2支点部P2が幅狭部32寄り(前方)の位置となる。そして、幅狭部32が第2支点部P2(棒状部33)よりも幅が狭い構成であるため、残存部42のうち幅狭部32を挟む領域である一対の支持部47によって、第2支点部P2を支持できる。これにより、弾性接触片30は、支持板部21によって2つの支点部(第1支点部P1及び第2支点部P2)によって支持される構成となる。
【0031】
上述したように、
図5に示すように弾性接触片30が支持板部21の切欠部41内に収まる部分によって構成されるため、従来の構成(展開状態の板材において外側に延出する部分を折り曲げて弾性接触片を形成する構成)に比べて、展開状態の板材を打ち抜き等によって形成する際に、材料ロスを低減できる。
【0032】
幅狭部32は、第2支点部P2(棒状部33)に対して第1支点部P1側に隣接して設けられている。この構成によれば、幅狭部32が第2支点部P2(棒状部33)よりも離れた位置(例えば前方に離間した位置)にある構成に比べて、支持部47と第2支点部P2との距離が近い構成となり、弾性接触片30の曲がりの程度を比較的に小さくできる。そのため、雌端子金具10を低背化(小型化)できる。
【0033】
幅狭部32は、第2支点部P2側(後方側)に向かうにつれて幅狭となる形状である。この構成によれば、弾性接触片30において応力が集中し易い部分(凸となるように曲がった形状の部分の先端)に生じる応力を、第2支点部P2と幅狭部32とのつなぎ部分(くさび状に凹んだ部分)に分散させて緩和できる。
【0034】
[実施例2]
図6は、実施例2の雌端子金具210を説明する図面である。実施例2は、弾性接触片の幅狭部、及び支持板部の支持部の形状が実施例1と異なっている。それ以外の構成は、実施例1と同じであり、詳しい説明を省略する。
【0035】
図6に示すように、雌端子金具210は、本体部20(
図1参照)と、弾性接触片230と、電線接続部50(
図1参照)と、を備えている。
【0036】
本体部20は支持板部221を有している。支持板部221は、弾性接触片230を支持している。支持板部221は、切欠部241と、切欠部241以外の残存部242と、を具備している。
【0037】
弾性接触片230は、支持板部221とは反対側(上方側)に凸となるように曲がった形状である。弾性接触片230は、基端部231と、幅狭部232と、棒状部33と、を有している。基端部231は、切欠部241の開口縁243に連なっている。開口縁243は、後述する第1開口244の前側の縁である。基端部231は、四角板状である。基端部231は、開口縁43から一旦斜め上後方へ延出し、途中で斜め下後方へ延出している。幅狭部232は、基端部231及び棒状部33よりも幅が狭い(左右方向のサイズが小さい)。幅狭部232は、四角板状である。幅狭部232は、基端部31の後端から斜め下後方へ延出している。弾性接触片230は、基端部231の前後方向の中央付近で左右方向に延びる折れ線が生じるように、上方に凸となるように曲がっている。
【0038】
第1支点部P1は、開口縁243に連なっている。第1支点部P1は、開口縁243に対する基端部231の付け根部分である。第2支点部P2は、弾性接触片230の延出端側(より具体的には、延出端である棒状部33)に位置している。
【0039】
弾性接触片230は、支持板部221の板面と平行に延ばした状態(展開状態)において切欠部241内に収まる形状である。切欠部241は、展開状態において、支持板部221の板厚方向から見て、弾性接触片230と同形状である。弾性接触片230は、支持板部221の基となる板状部分を切り起こして形成されている。
【0040】
切欠部241は、第1開口244と、第2開口245と、第3開口46と、を含んでいる。第1開口244は、切欠部241の後端側部分を構成している。第1開口244は、支持板部221の板厚方向から見て、展開状態の基端部231と同形状(四角形状)である。第2開口245は、第1開口244に対して後方に連なっている。第2開口245は、支持板部21の板厚方向から見て、展開状態の幅狭部232と同形状(四角形状)である。
【0041】
残存部242のうち、弾性接触片230を支持板部221の板面と平行に延ばした状態において幅狭部232を挟む領域は、第2支点部P2を支える一対の支持部247となっている。一対の支持部247は、展開状態の基端部231と棒状部233との間に配される部分である。一対の支持部247において、展開状態の幅狭部232に沿う縁部は、前後方向に沿っている。
【0042】
上述したように、弾性接触片230が支持板部221の切欠部241内に収まる部分によって構成されるため、従来の構成(展開状態の板材において外側に延出する部分を折り曲げて弾性接触片を形成する構成)に比べて、展開状態の板材を打ち抜き等によって形成する際に、材料ロスを低減できる。
【0043】
幅狭部232は、第2支点部P2(棒状部33)に対して第1支点部P1側に隣接して設けられている。この構成によれば、幅狭部232が第2支点部P2(棒状部33)よりも離れた位置(例えば前方に離間した位置)にある構成に比べて、支持部247と第2支点部P2との距離が近い構成となり、弾性接触片230の曲がりの程度を比較的に小さくできる。そのため、雌端子金具210を低背化(小型化)できる。
【0044】
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記の実施形態も含まれる。
【0045】
上記実施例1において、幅狭部32は、第2支点部P2(棒状部33)に対して第1支点部P1側に隣接して設けられていたが、第2支点部P2(棒状部33)よりも離れた位置(例えば前方に離間した位置)に設けられていてもよい。上記実施例2についても同様である。
【0046】
上記実施例1において、弾性接触片30は、支持板部21から後方へ片持ち状に延出していたが、支持板部21から前方へ片持ち状に延出していてもよい。上記実施例2についても同様である。
【0047】
上記実施例1において、支持板部21の左右方向両側に支持部47が設けられていたが、一方側のみに設けられていてもよい。上記実施例2についても同様である。
【0048】
上記実施例1において、弾性接触片30は、展開形状で、切欠部41と同じ形状であったが、切欠部41よりもサイズの小さい形状であってもよい。弾性接触片30において、展開形状で切欠部41との間の隙間が縁に沿って均一でなくてもよい。上記実施例2についても同様である。
【0049】
上記実施例1において、弾性接触片30は、基端部31と幅狭部32の境界よりもわずかに基端部31側寄りの位置において、左右方向に延びる折れ線が生じるように、上方に凸となるように曲がっていたが、その他の部分に折れ線が生じるように曲がっていてもよい。上記実施例2についても同様であり、折れ曲がりの折れ線の位置は特に限定されない。
【0050】
上記実施例1において、基端部31と幅狭部32の連なり部分は滑らかに湾曲していてもよい。幅狭部32と棒状部33の連なり部分は滑らかに湾曲していてもよい。上記実施例2についても同様である。
【0051】
上記実施例1において、弾性接触片30の第2支点部P2は、雄端子金具が弾性接触片30に接触する前に一対の支持部47に接触していてもよく、雄端子金具が弾性接触片30に接触してから一対の支持部47に接触してもよい。上記実施例2についても同様である。
【符号の説明】
【0052】
10: 雌端子金具
20: 本体部
21: 支持板部
22: 右側板
23: 左側板
24: 天板
24A: 右天板部
24B: 左天板部
24C,24D: 受け部
30: 弾性接触片
31: 基端部
32: 幅狭部
33: 棒状部
41: 切欠部
42: 残存部
43: 開口縁
44: 第1開口
45: 第2開口
46: 第3開口
47: 支持部
50: 電線接続部
51: ワイヤバレル部
52: インシュレーションバレル部
210: 雌端子金具
221: 支持板部
230: 弾性接触片
231: 基端部
232: 幅狭部
233: 棒状部
241: 切欠部
242: 残存部
243: 開口縁
244: 第1開口
245: 第2開口
247: 支持部
P1: 第1支点部
P2: 第2支点部
S: スリット