(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018173
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/45 20140101AFI20250130BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/98 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/5375 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20250130BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/211
A63F13/428
A63F13/98
A63F13/5375
A63F13/795
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121660
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】阿部 悟郎
(57)【要約】
【課題】所定の問題が自然に累積することが想定されるゲームを含む複数のゲームを連続実行する場合に、当該問題の累積を抑制できるゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法を提供すること。
【解決手段】複数種類のゲームを連続で実行させるゲームプログラムであって、コンピュータに、複数種類のゲームのうち、連続で実行される複数のゲームの中で登場するゲームを順に決定させ、当該決定された登場するゲームを連続的にそれぞれ実行させ、かつ、第1の種類のゲームが登場してその後に第2の種類のゲームが登場しない場合において第1の種類のゲームが登場する頻度が下がるように、登場するゲームを決定させる。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームプログラムであって、前記コンピュータに、
前記複数種類のゲームのうち、連続で実行される複数のゲームの中で登場するゲームを順に決定させ、当該決定された登場するゲームを連続的にそれぞれ実行させ、かつ、第1の種類のゲームが登場してその後に第2の種類のゲームが登場しない場合において前記第1の種類のゲームが登場する頻度が下がるように、前記登場するゲームを決定させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームが登場した場合、その後に前記第2の種類のゲームが登場するまで前記第1の種類のゲームが登場しないよう、前記登場するゲームを決定させる、請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
複数種類のゲームを連続で実行させるゲームモードのうち、前記第2の種類のゲームが登場しない所定のモードにおいて、第1の種類のゲームが所定回数を超えて登場しないよう、前記登場するゲームを決定させる、請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えたコントローラから取得される操作データに基づいて、当該動作に応じた前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行させる、請求項1から3のいずれか記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コントローラはストラップを有し、
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームにおいて、前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示させる、請求項4記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着して前記コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示させる、請求項5記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着し、前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示させ、更にゲーム中の所定のタイミングにおいて、前記コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示させる、請求項5記載のゲームプログラム。
【請求項8】
プロセッサを備え、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームシステムであって、
前記プロセッサは、
前記複数種類のゲームのうち、連続で実行される複数のゲームの中で登場するゲームを順に決定し、当該決定された登場するゲームを連続的にそれぞれ実行し、かつ、第1の種類のゲームが登場してその後に第2の種類のゲームが登場しない場合において前記第1の種類のゲームが登場する頻度が下がるように、前記登場するゲームを決定する、
ゲームシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第1の種類のゲームが登場した場合、その後に前記第2の種類のゲームが登場するまで前記第1の種類のゲームが登場しないよう、前記登場するゲームを決定する、請求項8記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
複数種類のゲームを連続で実行させるゲームモードのうち、前記第2の種類のゲームが登場しない所定のモードにおいて、第1の種類のゲームが所定回数を超えて登場しないよう、前記登場するゲームを決定する、請求項8記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記プロセッサに、
前記ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えたコントローラから取得される操作データに基づいて、当該動作に応じた前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行する、請求項8から10のいずれか記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記コントローラはストラップを有し、
前記プロセッサは、
前記第1の種類のゲームにおいて、前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示する、請求項11記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着して前記コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示する、請求項12記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着して前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示し、更にゲーム中の所定のタイミングにおいて、前記コントローラを把持した状態から把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示する、請求項12記載のゲームシステム。
【請求項15】
プロセッサを備え、複数種類のゲームを連続で実行させるゲーム装置であって、
前記プロセッサは、
前記複数種類のゲームのうち、連続で実行される複数のゲームの中で登場するゲームを順に決定し、当該決定された登場するゲームを連続的にそれぞれ実行し、かつ、第1の種類のゲームが登場してその後に第2の種類のゲームが登場しない場合において前記第1の種類のゲームが登場する頻度が下がるように、前記登場するゲームを決定する、
ゲーム装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記第1の種類のゲームが登場した場合、その後に前記第2の種類のゲームが登場するまで前記第1の種類のゲームが登場しないよう、前記登場するゲームを決定する、請求項15記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
複数種類のゲームを連続で実行させるゲームモードのうち、前記第2の種類のゲームが登場しない所定のモードにおいて、第1の種類のゲームが所定回数を超えて登場しないよう、前記登場するゲームを決定する、請求項15記載のゲーム装置。
【請求項18】
前記プロセッサに、
前記ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えたコントローラから取得される操作データに基づいて、当該動作に応じた前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行する、請求項15から17のいずれか記載のゲーム装置。
【請求項19】
前記コントローラはストラップを有し、
前記プロセッサは、
前記第1の種類のゲームにおいて、前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示する、請求項18記載のゲーム装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着して前記コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示する、請求項19記載のゲーム装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着して前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示し、更にゲーム中の所定のタイミングにおいて、前記コントローラを把持した状態から把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示する、請求項19記載のゲーム装置。
【請求項22】
情報処理装置のコンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
前記複数種類のゲームのうち、連続で実行される複数のゲームの中で登場するゲームを順に決定させ、当該決定された登場するゲームを連続的にそれぞれ実行させ、かつ、第1の種類のゲームが登場してその後に第2の種類のゲームが登場しない場合において前記第1の種類のゲームが登場する頻度が下がるように、前記登場するゲームを決定させる、
ゲーム処理方法。
【請求項23】
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームが登場した場合、その後に前記第2の種類のゲームが登場するまで前記第1の種類のゲームが登場しないよう、前記登場するゲームを決定させる、請求項22記載のゲーム処理方法。
【請求項24】
前記コンピュータに、
複数種類のゲームを連続で実行させるゲームモードのうち、前記第2の種類のゲームが登場しない所定のモードにおいて、第1の種類のゲームが所定回数を超えて登場しないよう、前記登場するゲームを決定させる、請求項22記載のゲーム処理方法。
【請求項25】
前記コンピュータに、
前記ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えたコントローラから取得される操作データに基づいて、当該動作に応じた前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行させる、請求項22から24のいずれか記載のゲーム処理方法。
【請求項26】
前記コントローラはストラップを有し、
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームにおいて、前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示させる、請求項25記載のゲーム処理方法。
【請求項27】
前記コンピュータに、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着して前記コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示させる、請求項26記載のゲーム処理方法。
【請求項28】
前記コンピュータに、
前記第2の種類のゲームにおいて、前記ストラップを手首に装着し、前記コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す前記動作指示を表示させ、更にゲーム中の所定のタイミングにおいて、前記コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す前記動作指示を表示させる、請求項26記載のゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数種類のゲームを連続して実行するゲーム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、慣性センサを備えた、ストラップ付きのコントローラを動かしてプレイするゲームが知られている。また、このようなゲームにおいて、1プレイが数秒程度で終わるミニゲームを連続してクリアしていくゲームも知られている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】任天堂株式会社、”おどる メイド イン ワリオ”、[online]、[令和5年7月7日検索]、インターネット(URL:https://www.nintendo.co.jp/wii/rodj/soft_info/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいて、ミニゲームのプレイ中にストラップがねじれ、ミニゲームを連続でクリアしていく過程で、ねじれが累積していくことがあり得る。換言すれば、ミニゲームの中には、ストラップのねじれのような、所定の問題が自然に累積することが想定されるゲームが含まれることが考えられる。この点について、このような問題の累積を抑制するための改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑みて、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0006】
(構成1)
構成1は、情報処理装置のコンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームプログラムであって、コンピュータに、複数種類のゲームのうち、連続で実行される複数のゲームの中で登場するゲームを順に決定させ、当該決定された登場するゲームを連続的にそれぞれ実行させ、かつ、第1の種類のゲームが登場してその後に第2の種類のゲームが登場しない場合において第1の種類のゲームが登場する頻度が下がるように、登場するゲームを決定させる。
【0007】
上記構成によれば、何らかの問題が自然に累積することが想定される種類のゲームと当該問題が自然に解消することが想定されるゲームとが混在するゲームにおいて、各種類のゲームの出現頻度を出現状況に応じて設定できる。これにより、当該問題が累積することを抑制できる。
【0008】
(構成2)
構成2は、上記構成1において、ゲームプログラムは、コンピュータに、第1の種類のゲームが登場した場合、その後に第2の種類のゲームが登場するまで第1の種類のゲームが登場しないよう、上記登場するゲームを決定させてもよい。
【0009】
上記構成によれば、問題が累積すること抑制しつつ、問題が解消する機会を提供できる。
【0010】
(構成3)
構成3は、上記構成1または2において、ゲームプログラムは、コンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームモードのうち、第2の種類のゲームが登場しない所定のモードにおいて、第1の種類のゲームが所定回数を超えて登場しないよう、登場するゲームを決定させてもよい。
【0011】
上記構成によれば、自然に累積することが想定される何らかの問題について、その累積をある程度までに抑制できる。
【0012】
(構成4)
構成4は、上記構成1~3のいずれかにおいて、ゲームプログラムは、コンピュータに、上記ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えたコントローラから取得される操作データに基づいて、当該動作に応じたコントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行させてもよい。
【0013】
上記構成によれば、コントローラ自体を動かして遊ぶという楽しみ方を有するゲームを提供できる。また、このようなゲームにおいて、何らかの問題が累積して、操作性が低下する状況の発生を抑制できる。
【0014】
(構成5)
構成5は、上記構成4において、コントローラはストラップを有していてもよい。そして、ゲームプログラムは、コンピュータに、第1の種類のゲームにおいて、コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す動作指示を表示させてもよい。
【0015】
上記構成によれば、第1の種類のゲームとして、例えば載置したコントローラを裏返すような動作を評価して進行し得るゲームを提供できる。
【0016】
(構成6)
構成6は、上記構成5において、ゲームプログラムは、コンピュータに、第2の種類のゲームにおいて、ストラップを手首に装着してコントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す動作指示を表示させてもよい。
【0017】
上記構成によれば、第2の種類のゲームとして、ストラップに生じたねじれが解消できるような動作を評価して進行し得るゲームを提供できる。また、何らかの問題が自然に累積していた場合、この問題の解消のための特定の動作をプレイヤに意識させることなく、ゲームプレイを進める上での自然な流れの中で当該問題を解消でき、問題が累積することも抑制できる。
【0018】
(構成7)
構成7は、上記構成5において、ゲームプログラムは、コンピュータに、第2の種類のゲームにおいて、ストラップを手首に装着し、コントローラを把持せずに載置した状態において回転させる動作を示す動作指示を表示させ、更にゲーム中の所定のタイミングにおいて、コントローラを把持した状態から、把持する手を離す動作を示す動作指示を表示させてもよい。
【0019】
上記構成によれば、コントローラの様々な動かし方を用いたゲームが提供できる。また、ゲームに応じた様々な動作をゲーム進行のために行う過程において、何らかの問題が累積していく状況を自然に解消することができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、何らかの問題が自然に累積することが想定される種類のゲームと当該問題が自然に解消することが想定されるゲームとが混在するゲームにおいて、各種類のゲームの出現頻度を出現状況に応じて設定して当該、問題が累積することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図
【
図2】本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図
【
図6】本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図
【
図7】本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図
【
図8】ストラップユニット150の一例を示す斜視図
【
図9】ストラップユニット150の一例を示す斜視図
【
図10】ストラップユニット150の装着について説明するための図
【
図11】ストラップユニット150の装着について説明するための図
【
図19】DRAM85に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図20】本実施形態に係るゲーム処理の詳細を示すフローチャート
【
図21】オーダー決定処理の詳細を示すフローチャート
【
図22】ステージプレイ処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、一実施形態について説明する。
【0023】
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(
図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0024】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。
図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、プレイヤが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0025】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。
図1および
図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0026】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。
図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0027】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0028】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0029】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0030】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、
図6に示すスピーカ88)を備えている。
図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0031】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0032】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0033】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0034】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。
図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、
図4における上下方向(
図4に示すz軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0035】
左コントローラ3は、方向入力デバイスの一例である左アナログスティック(以下、左スティックと呼ぶ)32を備える。
図4に示すように、左スティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。左スティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。プレイヤは、左スティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、左スティック32を押下する入力が可能である。
【0036】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。更に、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0037】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0038】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。
図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、
図5における上下方向(
図5に示すz軸方向)に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0039】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部として右アナログスティック(以下、右スティックと呼ぶ)52を備える。本実施形態においては、右スティック52は、左コントローラ3の左スティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。更に、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0040】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0041】
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、
図3に示す構成の他、
図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0042】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0043】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0044】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0045】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0046】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0047】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0048】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0049】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のプレイヤは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1プレイヤが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2プレイヤが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0050】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0051】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0052】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0053】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0054】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0055】
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、
図6で示しているため
図7では省略している。
【0056】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。
図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0057】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0058】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、左スティック32を備える。各ボタン103および左スティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0059】
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
【0060】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、左スティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0061】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103および左スティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
【0062】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0063】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0064】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、右スティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0065】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0066】
また、上記左コントローラ3および右コントローラ4にはそれぞれ、ストラップユニットが装着可能である。
図8および
図9は、右コントローラ4用のストラップユニット150の斜視図である。
図8はストラップユニット150の左側面および背面側から見た斜視図であり、
図9は、ストラップユニット150の正面および右側面側から見た斜視図である。ストラップユニット150は、ユニット部151と、ストッパーを有する紐部152とを備える。そして、ストラップユニット150は、
図10および
図11に示すように、右コントローラ4の左側面側に着脱可能なように構成されている。具体的には、右コントローラ4の左側面に設けられているレール部に沿ってスライドさせるようにして、着脱可能な構成となっている。そして、
図11のようにストラップユニット150が右コントローラ4に装着された状態で、プレイヤは、右手首を紐部152に通し、手首から抜けないようにストッパー位置を調節できる。このように手首にストラップの紐を固定した状態で、プレイヤは右コントローラ4を把持して、ゲームのプレイが可能である。なお、
図10および
図11は右コントローラ4の例であるが、左コントローラ3についても、左右が逆となる点を除いて同様の構成の左コントローラ3用のストラップユニット(図示は省略)が着脱可能となっている。
【0067】
以下の説明では、単に左コントローラ3および右コントローラ4と呼称する場合は、上記
図11のようなストラップユニット150を装着した状態のコントローラであるとする。また、上記ストラップユニット150を装着した左コントローラ3および右コントローラ4のことを総称して、単にコントローラと呼ぶこともある。
【0068】
[本実施形態におけるゲーム処理の概要]
次に、本実施形態に係るゲームシステム1で実行されるゲーム処理の動作概要を説明する。まず、本ゲームは、上記のようにストラップユニット150を装着したコントローラを用いて遊ぶゲームであり、手首にストラップを固定してプレイすることを前提としたゲームである。また、本ゲームは、上記慣性センサに基づき検出されるコントローラの動き(換言すれば、プレイヤが行う動作内容)を評価し、その評価に基づいて進行されるゲームである。また、本ゲームは、複数種類のゲームが連続して実行され得るゲームでもある。
【0069】
本ゲームの進行の大まかな流れについて説明する。本ゲームが開始されると、まず、
図12に示すようなステージ選択画面が表示される。当該ステージ選択画面は、仮想空間を俯瞰したような画面となっている。当該画面上には、プレイヤキャラクタオブジェクト201と、複数のステージオブジェクト204とが表示されている。プレイヤは、プレイヤキャラクタオブジェクト201をいずれかのステージオブジェクト204上に移動させて、ステージプレイの開始操作を行うことで、そのステージオブジェクト204に対応するステージをプレイできる。そして、プレイヤは、複数のステージを順に攻略していくことでゲームを先に進めていくことができる。
【0070】
本ゲームでは、1つのステージは、所定数のミニゲームで構成されている。当該ミニゲームのそれぞれは、1プレイが数秒~数十秒程度で終わるようなゲームである。また、当該ミニゲームは、上述したコントローラの動きを評価して進行するゲームとなっている。そして、本ゲームは、当該所定数のミニゲームが連続で実行される。つまり、当該ミニゲームを連続で次々にクリアしていく、という遊び方がプレイヤに提供されることになる。
【0071】
本例では、上記所定数の一例として、1つのステージが10のミニゲームで構成されている場合を例に説明する。なお、ミニゲームの数はステージ毎に異なっていてもよい。プレイヤが所定のステージのプレイを開始すると、例えば200種類のミニゲームの中から10種類のミニゲームが抽選で選択される。当該抽選は、1回で1つのミニゲームが抽選される。そのため、合計10回の抽選が行われることになる。そして、当該抽選された10種類のミニゲームが、抽選された順番で連続して実行される。なお、同じステージ内では、同じミニゲームは2つ以上選ばれないものとする。そして、10番目のミニゲームをクリアすることで、そのステージをクリアしたことになる。いわば、10番目に登場するミニゲームが、いわゆる「ステージボス」のような役割を有する。また、途中でゲームオーバーとなった場合は、ステージのクリアに失敗したものとして扱われ、上記ステージ選択画面に戻る。ステージをクリアできれば、上記ステージ選択画面に戻り、次のステージに進めるようになる。また、1度クリアしたステージについては、「エンドレスモード」が解放される。エンドレスモードでは、ゲームオーバーになるまで、ミニゲームを連続でプレイできるゲームモードである。エンドレスモードにおいては、同じミニゲームが選ばれる場合がある。
【0072】
上記のようなゲームの進行の流れについて、
図13を用いてより具体的に説明する。
図13は、所定のステージをプレイする場合の画面の遷移を模式的に示した図である。ステージ選択画面においてプレイする(未クリアの)ステージの選択操作が行われると、まず、上記のように、そのステージを構成する10のミニゲームが抽選される。その後、1番目に実行されるミニゲームの「動作デモ画面」が表示される。動作デモ画面では、これから実行するミニゲームにおける、プレイヤに行わせる動作(コントローラの動かし方)を示す動作指示が表示される。いわば、実際のミニゲームの開始に先立って、当該ミニゲームにおける操作(動作)方法が示される。動作デモ画面が所定時間表示された後、自動的に1番目のミニゲームが開始し、ゲームプレイ画面が表示される。そして、当該1番目のミニゲームがクリアされれば、ゲームクリアを示す終了演出が表示される。その後、自動的に、2番目のミニゲームが開始される。2番目のミニゲームにおいても、そのプレイの開始に先立って、2番目のミニゲームに応じた動作デモ画面が表示される。その後、2番目のミニゲームのゲームプレイ画面が表示され、クリアされれば、2番目のミニゲームに係る終了演出が表示される。この後、3番目以降のミニゲームについても順次、動作デモ画面、ゲームプレイ画面、終了演出、という画面の遷移でゲームが進行していく。そして、10番目のミニゲームがクリアされれば、ステージ選択画面に遷移する。また、途中でゲームオーバーになった場合は、ゲームオーバー演出画面が表示された後、ステージ選択画面に遷移する。
【0073】
次に、上記ミニゲームに関してより具体的に説明する。本ゲームでは、一例として200種類(200個)のミニゲームが用意されているとする。そして、各ステージのプレイ開始に際して、その都度、10種類のミニゲームが抽選される。そのため、同じステージをプレイする場合でも、実行される10種類のミニゲームはプレイする度に異なり得る。
【0074】
ここで、本実施形態では、上記200種類のミニゲームについて、大きく以下の3種類のゲームに分類される。
(1)第1種ゲーム:「返しアクション」が要求されるミニゲーム
(2)第2種ゲーム:「手放しアクション」が要求されるミニゲーム
(3)第3種ゲーム:「返しアクション」も「手放しアクション」も要求されないミニゲーム
以下、各種類のゲームについて説明する。
【0075】
[第1種ゲームについて]
上記第1種ゲームは、概念的には、上記ストラップユニット150の紐部152のねじれが発生するような動作を要求するミニゲームである。本例では、その一例として、
図14および
図15に示すように、机等に載置したコントローラをひっくり返す(表裏が逆になるように、
図4および
図5のy軸周りに回転させる)動作を要求するミニゲームを想定する。
図14は、コントローラが載置された机を俯瞰してみた場合の模式図あり、
図15は、同じ状況をプレイヤの右側から見た場合の模式図である。プレイヤは、
図15のような体勢から、所定のタイミングで左右の手でそれぞれコントローラをつまんでひっくり返すような動作を行う。この動作により、例えば
図16に示すように紐部152にねじれが発生することになる。本例では、このような動作のことを「返しアクション」と呼ぶ。第1種ゲームの例としては、例えば、コントローラを仮想世界内の「カード」に見立てて、タイミングに合わせてカードをめくらせるようなミニゲームがある。また、第1種ゲームに係る上記動作デモ画面では、当該返しアクションの動きを示すような動作指示が表示される。
【0076】
[第2種ゲームについて]
次に、第2種ゲームは、概念的には、上記紐部152がねじれていた場合、そのねじれが解消するような動作を要求するミニゲームである。本実施形態では、その一例として、
図17に示すように、プレイヤがコントローラを把持している状態から、
図18に示すように、コントローラから手を離す動作を要求するミニゲームであるとする。本例では、この動作のことを「手放しアクション」と呼ぶ。なお、
図17および
図18は、左手における「手放しアクション」を示しているが、ミニゲームの内容次第で、両手でそれぞれ「手放しアクション」を行うものもある。もし紐部152にねじれが発生していた場合、このようにして手放されたコントローラに対して、ねじれに対する復元力が働いて、ねじれた状態が解消できるという効果が見込める。第2種ゲームの一例としては、例えば、コントローラを仮想空間内におけるボールに見立て、タイミングに合わせて、掴んでいるボールを手放して落下させるようなミニゲームである。また、第2種ゲームに係る上記動作デモ画面では、当該手放しアクションの動きを示すような動作指示が表示される。
【0077】
[第3種ゲームについて]
次に、第3種ゲームは、上記「返しアクション」も「手放しアクション」も要求されないミニゲームである。第3種ゲームは、例えば、コントローラを把持したまま手を振る動作や、所定の軌跡を描くように手を動かす動作や、後方から前方に向けて突き出すような動作等を要求するミニゲームである。つまり、上記「返しアクション」および「手放しアクション」に該当しないような各種の動作を要求するミニゲームである。また、第3種ゲームに係る上記動作デモ画面では、そのミニゲームで要求される動作を示す動作指示が表示される。
【0078】
[ミニゲームで要求される動作の種類について]
なお、各ミニゲームにおいてプレイヤに要求される動作の種類については、1種類の動作だけを要求するミニゲームもあれば、複数種類の動作を要求するミニゲームもある。そして、複数種類の動作が要求されるミニゲームについては、少なくとも「手放しアクション」が要求されるミニゲームは「第2種ゲーム」として扱う。また、「手放しアクション」は要求されないが、「返しアクション」が少なくとも要求されるミニゲームは「第1種ゲーム」として扱う。そのため、上記「返しアクション」と「手放しアクション」の双方が要求されるミニゲームの場合は、「第2種ゲーム」として扱われる。また、複数種類の動作が要求されるミニゲームの場合であって、当該複数種類の動作を一連の動作として行わせる場合は、上記動作指示の内容も、複数種類の動作を一連の動作として行わせるような動作指示が表示されてもよい。
【0079】
[ミニゲームの抽選の制御について]
ところで、上述のように、第1種ゲームのプレイにおいて「返しアクション」が行われると、上記紐部152にねじれが発生する。そのため、例えば、1番目のミニゲームが第1種ゲームであった場合は、2番目のゲームを開始する際、ストラップの紐部152がねじれている状態でコントローラを把持して、2番目のゲームで要求される所定の動作を行うことになる。この際、ねじれの発生具合によっては、手首に固定しているストッパーの位置からストラップユニット側の紐部152の付け根の位置までの直線距離が、ねじれが発生していないときよりも短くなることが考えられる。そのため、人によっては、手首が引っ張られるような窮屈感等を感じ、それが気になってゲームのプレイに集中できなくなるという可能性もある。また、当該直線距離が短くなることで、例えばコントローラを把持し直したりする際にコントローラを動かせる範囲が少し狭くなり、人によっては、持ち直しのしにくさを感じたりする可能性もある。その結果、ミニゲームの内容によっては、操作性の低下に繋がる可能性もある。
【0080】
その一方で、上記第2種ゲームでは、上述のようにコントローラを手放すという動作が行われるため、紐部152がねじれていた場合に、その状態を解消できるという効果が見込める。つまり、第1種ゲームは「ねじれを発生させるゲーム」であり、第2種ゲームは「ねじれを解消するゲーム」であるといえる。そのため、第1種ゲームが実行された後に、第2種ゲームが実行されることで、上記ねじれの解消が期待できる。これにより、操作性が低下したままプレイを継続するという状況の発生を抑制できる。
【0081】
ここで、例えば、上記10のミニゲームを抽選する際に、第1種ゲームが当選した場合は、その次の順番となるミニゲームが必ず第2種ゲームとなるような制御を行うことも考えられる。しかし、このようにすると、次にどのようなミニゲームが登場するのかわからないということ(ランダム性)によるゲームの興趣性が低下する可能性がある。すなわち、何度も本ゲームをプレイしているうちに、プレイヤは第1種ゲームをプレイすれば、次に第2種ゲームが来る、ということが予測できてしまい、次に登場するゲームが何になるのかわからない、という楽しさを低下させる可能性がある。
【0082】
そこで、本実施形態では、上記ステージのプレイに際して10のミニゲームを抽選する際に、次のような制御を行う。すなわち、抽選の結果、第1種ゲームが当選した場合、その後の抽選において、第2種ゲームが当選するまでは、第1種ゲームが当選しにくくなるような制御を行う。換言すれば、第1種ゲームが登場した後、第2種ゲームが登場しない場合において、当該第1種ゲームが登場する頻度が下がるような制御を行う。一例として、200のミニゲームの内訳として、第1種ゲームが20個、第2種ゲームが20個、第3種ゲームが160個ある場合を想定する。また、各ゲームの当選率が0.5%として設定されている第1の抽選テーブルが設定されているとする。そして、1番目のゲームの抽選において、第1の抽選テーブルを用いて抽選が行われ、その結果、第1種ゲームが当選したとする。この場合、2番目のゲームを抽選する際は、第1種ゲームの当選率を低下させた第2の抽選テーブルを用いて抽選が行われる。例えば、第1種ゲームの当選率がそれぞれ0.05%に設定された抽選テーブルである。このように当選率が下がっていることで、第1種ゲームの登場頻度が低下することになる。そして、当該抽選の結果、もし2番目のゲームとして第2種ゲームが当選した場合は、3番目のゲームの抽選に用いる当選テーブルを第1の抽選テーブルに戻す。つまり、第1種ゲームの登場頻度を元に戻す。一方、2番目のゲームとして第2種ゲームが当選しなかった場合は、それ以降、第2種ゲームが当選するまでは、引き続き、第2の抽選テーブルを用いた抽選が行われる。換言すれば、第2種ゲームが当選しない場合は、第1種ゲームと第3種ゲームの中からいずれかのミニゲームが選ばれることになるが、このような場合において第1種ゲームが登場する頻度が下がるような制御が行われると言える。このように、通常は第1の抽選テーブルを用いた抽選を行いつつ、一旦第1種ゲームが当選すれば、その後に第2種ゲームが当選するまでは、第2の抽選テーブルを用いることで、第1種ゲームの当選率を下げて抽選を行う。そして、第2種ゲームが当選すれば、第1の抽選テーブルに戻す、という制御を行う。
【0083】
なお、上記のような抽選テーブル、特に、第2の抽選テーブルにおける具体的な当選率の値については、ステージ毎に異なっていてもよい。つまり、第1種ゲームが当選しにくいように調整されていれば、どのような値の当選テーブルを用いてもよい。また、上記のような抽選テーブルを用いた抽選手法の他、例えば、第1種ゲーム、第2種ゲーム、第3種ゲームのいずれかの種類を抽選するための種類抽選用テーブルを用いてミニゲームの「種類」を抽選してから、各種類に応じたミニゲームの抽選用テーブルを用いてミニゲームを抽選してもよい。この場合は、上記種類抽選用テーブルについて、上記のような第1の抽選テーブルと第2の抽選テーブルを用意すればよい。
【0084】
また、第1種ゲームが当選しにくくなる制御手法、すなわち、登場頻度を下げる制御手法としては、上記の他、例えば次のような手法でもよい。まず、上記第2の抽選テーブルにおいて、第1種ゲームの当選率を全て0%に設定するという手法でもよい。上記の手法の場合は、確率は低いものの、第2種ゲームが当選するまでに(異なる内容の)第1種ゲームが2つ以上当選する可能性はある。そのため、上記のようなねじれが累積していき、より操作性の低下に繋がる可能性がある。この点、このように当選率を0%にしてしまうことで、1度第1種ゲームが当選すれば、その後第2種ゲームが当選しない限りは、第1種ゲームは当選しないようにできるため、ねじれがそれ以上累積することを抑制できる。
【0085】
また、別の手法として、例えば、第2種ゲームが登場しないように設定されているステージをプレイする場合において、第1種ゲームが当選した回数が所定回数に到達した場合に第1種ゲームの当選率を0%にしてもよい。また、例えば、第1種ゲームも第2種ゲームを登場し得るステージにおいて、第2種ゲームが当選しないまま第1種ゲームが当選した回数が所定回数になった場合は、それ以降は第2種ゲームが当選するまで第1種ゲームの当選率を0%にするという手法でもよい。例えば、上記第1の抽選テーブルを用いた抽選で、第2種ゲームに当選しないまま第1種ゲームが3回当選した場合、それ以降の抽選においては、第1種ゲームの当選率を0%にして抽選を行ってもよい。これにより、上記200種類のミニゲームの出現のランダム性と、上記ねじれの(許容可能な)累積とのバランスを考慮したゲームが提供できる。
【0086】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図19~
図22を参照して、本実施形態におけるゲーム処理についてより詳細に説明する。
【0087】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。
図19は、本体装置2のDRAM85に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。本体装置2のDRAM85には、全体制御用プログラム301、ミニゲームプログラム群302、第1抽選テーブル303、第2抽選テーブル304、登場順序データ305、操作データ306、調整フラグ307、等が記憶されている。
【0088】
全体制御用プログラム301は、本実施形態におけるゲーム処理を全体的に制御するためのプログラムである。より具体的には、後述の
図20のフローチャートで示される処理を実行するプログラムである。
【0089】
ミニゲームプログラム群302は、上述したミニゲームそれぞれに対応するゲームプログラムの集合である。
【0090】
第1抽選テーブル303は、第1種ゲームの当選率の調整をしていない内容の抽選テーブルである。第2抽選テーブル304は、第1種ゲームが当選しにくいように調整されている抽選テーブルである。すなわち、第1抽選テーブル303における第1種ゲームの当選率よりも、第2抽選テーブル304における第1種ゲームの当選率のほうが低く設定されている。例えば、第2抽選テーブル304では、上記のように、第1種ゲームの当選率が0%として設定されている。
【0091】
登場順序データ305は、上記ステージのプレイに際して行われる10のミニゲームの抽選結果および実行順序を示すデータである。登場順序データ305には、例えば、抽選された順に、当選したミニゲームを特定する情報が含まれている。また、当選した順がミニゲームの登場(実行)順序となる。
【0092】
操作データ306は、上記コントローラから得られるデータである。具体的には、操作データ306には、右慣性センサデータと、左慣性センサデータとが少なくとも含まれている。右慣性センサデータは、右コントローラ4の加速度センサ114や角速度センサ115の慣性センサの検出結果を示すデータである。具体的には、3軸の加速度データや3軸の角速度データが含まれる。左慣性センサデータは、左コントローラ3の加速度センサ104や角速度センサ105の慣性センサの検出結果を示すデータである。その他、図示は省略するが、各種ボタンの押下状態等を示すデータも操作データ306に含まれる。
【0093】
調整フラグ307は、上記ミニゲームの抽選を行うに際して、第1種ゲームの当選率を調整した状態で抽選を行うか否かを示すためのフラグである。
【0094】
その他、ゲーム処理に必要な各種データも適宜生成され、DRAM85に格納される。
【0095】
[プロセッサ81が実行する処理の詳細]
次に、本実施形態におけるゲーム処理の詳細を説明する。ここでは主に、上記のようなミニゲームの抽選に関する制御について説明し、その他の各種ゲーム処理については詳細な説明は割愛する。また、以下に示すフローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0096】
図20は、本実施形態に係るゲーム処理の詳細を示すフローチャートである。
図20において、まず、ステップS1で、プロセッサ81は、上記
図12で示したようなステージ選択画面を表示する。次に、ステップS2で、プロセッサ81は、所定のステージのプレイを選択する操作(ステージ選択操作)が行われたか否かを操作データ306に基づいて判定する。当該判定の結果、ステージ選択操作が行われた場合は(ステップS2でYES)、ステップS3で、プロセッサ81は、ミニゲーム決定処理を実行する。これは、選択されたステージで実行するミニゲーム群を抽選で決定するための処理である。
【0097】
図21は、上記ミニゲーム決定処理の詳細を示すフローチャートである。
図21のステップS11で、プロセッサ81は、調整フラグ307がオフか否かを判定する。当該判定の結果、オフの場合は(ステップS11でYES)、ステップS12で、プロセッサ81は、上記第1の抽選テーブルを用いて、ミニゲームを1つ抽選する。一方、調整フラグ307がオンの場合は(ステップS12でNO)、ステップS13で、プロセッサ81は、上記第2抽選テーブル304を用いて、ミニゲームを1つ抽選する。すなわち、上記第1種ゲームの当選率が下げられた抽選テーブルを用いた抽選が行われる。なお、ここでは、上記第2抽選テーブル304の内容として、第1種ゲームの当選率が0%に定義されているものとする。
【0098】
次に、ステップS14で、プロセッサ81は、上記ステップS12またはステップS13の抽選の結果、当選したゲームが、第1種ゲームであるか否かを判定する。当該判定の結果、第1種ゲームの場合は(ステップS14でYES)、ステップS15で、プロセッサ81は、調整フラグ307がオフか否かを判定する。当該判定の結果、オフの場合は(ステップS15でYES)、ステップS16で、プロセッサ81は、調整フラグ307にオンを設定する。その後、後述のステップS17に処理が進められる。
【0099】
なお、ここでは、プレイするステージが、第1種ゲームと第2種ゲームの双方が登場し得るステージであることを想定して説明している。この点、プレイするステージが、例えば、第2種ゲームが登場しないように設定されているステージの場合は、第1種ゲームの当選回数をカウントしておき、当選回数が所定回数に達したときに、調整フラグ307にオンを設定してもよい。つまり、第2種ゲームが登場しないステージについては、第1種ゲームが所定回数を越えて出現しないような制御としてもよい。
【0100】
また、上記ステップS15の判定の結果、調整フラグ307がオンの場合は(ステップS15でNO)、後述のステップS17に処理が進められる。
【0101】
一方、上記ステップS14の判定の結果、当選したゲームが第1種ゲームではない場合は(ステップS14でNO)、ステップS19で、プロセッサ81は、当選したゲームが、第2種ゲームであるか否かを判定する。当該判定の結果、第2種ゲームの場合は(ステップS19でYES)、ステップS20で、プロセッサ81は、調整フラグ307がオンか否かを判定する。当該判定の結果、オンの場合は(ステップS20でYES)、ステップS21で、プロセッサ81は、調整フラグ307にオフを設定する。その後、後述のステップS17に処理が進められる。また、上記判定の結果、オフの場合も(ステップS20でNO)、後述のステップS17に処理が進められる。
【0102】
次に、ステップS17で、プロセッサ81は、上記当選したミニゲームを登場順序データ305に登録する。
【0103】
次に、ステップS18で、プロセッサ81は、1ステージ分となる既定数のミニゲーム(本例では10個)の抽選が終わったか否かを判定する。当該判定の結果、まだ終わってない場合は(ステップS18でNO)、上記ステップS11に戻り、処理が繰り返される。規定数のミニゲームの抽選が終わっていれば(ステップS18でYES)、ミニゲーム決定処理は終了する。
【0104】
図20に戻り、次に、ステップS4で、プロセッサ81は、ステージプレイ処理を実行する。
図22は、当該ステージプレイ処理の詳細を示すフローチャートである。図xにおいて、まず、ステップS31で、プロセッサ81は、登場順序データ305に基づいて、次に実行するミニゲームに係るミニゲームプログラムをDRAM85に読み込む。
【0105】
次に、ステップS32で、プロセッサ81は、上記読み込んだミニゲームを実行する。ミニゲームの処理においては、上記のように、まず、動作デモ画面が表示され、その後自動的にミニゲームのプレイが開始される。その後、ミニゲームのクリアまたはゲームオーバーになることで終了演出が表示されて、ミニゲームの実行が終了する。
【0106】
次に、ステップS33で、プロセッサ81は、上記ミニゲームが、ゲームオーバーによって終了したか否かを判定する。当該判定の結果、ゲームオーバーで終了した場合は(ステップS33でYES)、プロセッサ81は、ステージプレイ処理を終了する。一方、ゲームオーバーによる終了ではない場合は(ステップS33でNO)、ミニゲームのクリアによる終了と考えられる。この場合は、次に、ステップS34で、プロセッサ81は、ステージクリアの条件を満たしたか否かを判定する。本例では、10番目のミニゲームをクリアしたか否かが判定される。当該判定の結果、まだステージクリアの条件を満たしていない場合は(ステップS34でNO)、上記ステップS31に戻り、処理が繰り返される。すなわち、次の順番のミニゲームを続けて実行することになる。一方、ステージクリア条件を満たした場合は(ステップS34でYES)、プロセッサ81は、ステージプレイ処理を終了する。この際、所定のステージクリア演出が表示されてもよい。また、当該ステージの初回クリアの場合は、上述したエンドレスモードが利用できるように設定が行われる。
【0107】
図20に戻り、ステージプレイ処理が終われば、上記ステップS1に戻り処理が繰り返される。ここで、上記調整フラグ307の内容は、ステージがクリアされた場合でも、リセットされずに、その後に行われるミニゲームの抽選処理に引き継がれる。例えば、第1ステージの9番目のミニゲームが第1種ゲームであり、10番目のゲームが第3種ゲームだった場合を想定する。そして、第1ステージをクリアして、第2ステージのプレイを開始した場合、この際に行われるミニゲームの抽選においては、調整フラグ307がオンの状態で、1番目のミニゲームの抽選が行われることになる。別の実施形態においては、ステージがクリアされた場合に、調整フラグ307の内容をリセットするようにしてもよい。
【0108】
一方、上記ステップS2の判定の結果、ステージ選択操作が行われていない場合は(ステップS2でNO)、ステップS5で、プロセッサ81は、ゲームを終了する操作が行われたか否かを判定する。終了する操作が行われていない場合は(ステップS5でNO)、上記ステップS1に戻り、処理が繰り返される。終了する操作が行われた場合は(ステップS5でYES)、プロセッサ81は、当該ゲーム処理を終了する。
【0109】
上記のように、ストラップ付のコントローラを動かしてプレイする複数種類のゲームを行う場合に、ストラップがねじれる可能性のあるゲームと、当該ねじれが解消するゲームが混在していることが考えられる。そして、本実施形態では、ストラップがねじれる可能性のあるゲームの出現頻度を、その出現状況に応じて設定している。これにより、ゲームのプレイを自然に進めていく中で、ストラップのねじれが発生した後、このようなねじれが累積することを抑制できる。また、累積する前に当該ねじれが解消できる機会を増やすこともできる。
【0110】
[変形例]
なお、上記実施形態では、ステージのプレイを開始する際に、そのステージを構成する所定数のミニゲームを抽選していた。この点、他の実施形態では、1ゲームが終わる毎に、次のミニゲームを抽選するようにしてもよい。この場合でも、上記のように当選率を調整する制御が行われたうえで、各回の抽選が行われる。また、例えば、上記説明で言及した「エンドレスモード」において、1ゲームが終わる毎に、次のミニゲームを抽選するようにしてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、第2抽選テーブル304は予め定義されたものを用いる例を示した。他の実施形態では、上記第2抽選テーブル304に相当する内容を、上記第1種ゲームの当選状況に応じて動的に生成または設定するようにしてもよい。例えば、第1種ゲームが当選したとき、第1種ゲームの当選率が低下するような所定の係数を用いて、第1種ゲームに係る当選率を再計算してもよい。また、その後第2種ゲームが当選しないまま第1種ゲームの当選回数が増えるにつれて、第1種ゲームの当選率が徐々に低下するように当選率を再計算してもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示の表示タイミングとして、ミニゲームのプレイが開始する前の動作デモ画面で表示する例を挙げた。この他、動作表示については、ゲームプレイ中の所定のタイミングに表示するようにしてもよい。そして、プレイヤは当該動作指示が表示されたタイミングに合わせるようにして、その指示に沿った動作を行うようにしてもよい。例えば、上記「返しアクション」と「手放しアクション」の双方が要求されるミニゲームを想定する。この場合、動作デモ画面では「返しアクション」の動作指示が表示され、ミニゲームのプレイ中における所定のタイミングにおいて、「手放しアクション」を示す動作指示が表示されてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、ストラップにねじれが生じ得る第1種ゲームと、ねじれが解消され得る第2種ゲームという例を用いて説明した。上述したような出現頻度の調整する処理は、ストラップのねじれに限らず、(操作性の低下に繋がる)何らかの問題が発生および累積し得るような動作を要求するゲームと、その問題が自然に解消し得る動作を含むゲームとが混在するゲーム群から、連続してプレイするゲームを選ぶ場合に適用可能である。
【0114】
また、上記実施形態においては、ゲーム処理に係る一連の処理を単一の本体装置2で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、本体装置2は、プレイヤの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声として本体装置2にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 ゲームシステム
2 本体装置
3 左コントローラ
4 右コントローラ
81 プロセッサ
84 フラッシュメモリ
85 DRAM