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特開2025-18303液体処理装置、制御装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018303
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】液体処理装置、制御装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20250130BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
B41J2/175
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121893
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】324006865
【氏名又は名称】理想テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲哉
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA26
2C056EB16
2C056EB17
2C056EB29
2C056EB34
2C056EB50
2C056EC15
2C056EC16
2C056EC26
2C056EC29
2C056EC32
2C056KA02
2C056KA04
2C056KA05
2C056KB04
2C056KB08
2C056KB14
2C056KB16
2C056KB26
2C056KB37
2C056KC02
2C056KC16
(57)【要約】
【課題】印刷効率を向上できる液体循環装置、制御装置、及びプログラムを提供することである。
【解決手段】一形態にかかる液体循環装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる循環路と、前記循環路の圧力が正常範囲外である場合に、前記液体を循環させる循環動作を停止する制御部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる流路と、
前記流路の圧力が正常範囲外である場合に、前記液体を流す動作を停止する制御部と、を備える、液体処理装置。
【請求項2】
前記正常範囲は、目標圧力に基づいて設定され、
前記制御部は、前記流路の圧力値が正常範囲外である場合に、所定時間が経過するまで、あるいは所定の条件を満たすまで、待機した後、前記動作の停止処理を行う、請求項1に記載の液体処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記圧力が前記正常範囲外である場合に、報知処理を行う、請求項1に記載の液体処理装置。
【請求項4】
液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる流路の圧力が正常範囲外である場合に、前記液体を流す動作を停止する制御部を備える、制御装置。
【請求項5】
液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる流路を有する液体処理装置に用いられるコンピュータに、
前記流路の圧力値が正常範囲でない場合に、前記液体を流す動作を停止する機能を実現させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液体処理装置、制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドを含む循環路において液体を循環させる液体循環装置などの液体処理装置と、を備える液体吐出装置が知られている。このような液体吐出装置において、循環路の圧力を検出してノズルのメニスカスを保つための圧力調整を行っている。
【0003】
このような液体処理装置において、圧力制御の不具合が発生すると、接続している液体吐出ヘッドの適切な吐出印字が行えず、画像不良が発生し、印刷効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-188864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、印刷効率を向上できる液体処理装置、制御装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る液体処理装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる流路と、前記流路の圧力が正常範囲外である場合に、前記液体を流す動作を停止する制御部と、を備える。
【0007】
他の実施形態に係る制御装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる流路の圧力が正常範囲外である場合に、前記液体を流す動作を停止する制御部を備える。
【0008】
他の実施形態に係るプログラムは、液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通するとともに液体が流れる流路を有する液体処理装置に用いられるコンピュータに、前記流路の圧力値が正常範囲でない場合に、前記液体を流す動作を停止する機能を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態にかかるインクジェット記録装置の構成を示す説明図。
図2】同インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図。
図3】同インクジェット記録装置の制御方法を示すフローチャート。
図4】同インクジェット記録装置の表示装置の画面の一部の表示例を示す説明図。
図5】同インクジェット記録装置の表示装置の画面の一部の表示例を示す説明図。
図6】他の実施形態にかかるインクジェット記録装置の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態にかかる印刷装置としてのインクジェット記録装置1及び液体循環装置(液体処理装置)としての液体吐出装置10について、図1乃至図5を参照して説明する。各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。図1はインクジェット記録装置1の構成を示す説明図である。図2はインクジェット記録装置1の制御部の構成を示すブロック図である。図3はインクジェット記録装置1の制御方法を示すフローチャート、図4及び図5はインクジェット記録装置1の表示装置16の表示画面の表示例を示す説明図である。
【0011】
図1に示すインクジェット記録装置1は、液体吐出装置10と、液体吐出装置10に接続されるホスト制御部13(制御装置)と、電源14と、入力装置15と、表示装置16と、ブザー17と、を備える。また、インクジェット記録装置1は、液体吐出装置10を移動可能に支持するヘッド支持機構や、記録媒体Sを移動可能に支持する媒体支持機構を備える。
【0012】
液体吐出装置10は、液体吐出ヘッド20及び液体処理装置としての循環装置30を備える。液体吐出装置10は、液体として例えばインクIを液体吐出ヘッド20から吐出することで、対向して配される記録媒体Sに所望の画像を形成する。
【0013】
例えば液体吐出装置10は単数または複数設けられる。一例として同じ構成の液体吐出装置が複数設けられる。複数の液体吐出装置10は、例えばシアンインク、マゼンダインク、イエロインク、ブラックインク、ホワイトインクなどの異なる色のインクをそれぞれ媒体Sに吐出して、所望の画像を形成する。なお、使用するインクの色あるいは特性は限定されない。
【0014】
液体吐出ヘッド20は、複数のノズル21と、複数のノズル21に連通する複数のインク圧力室を有する所定のインク流路を形成するマニフォルド22と、を備えるインクジェットヘッドである。複数のインク圧力室には、駆動回路に接続されるアクチュエータが設けられる。液体吐出ヘッド20は、アクチュエータが電圧に応じて変形することで、対応するノズル21から液体を吐出させる。
【0015】
循環装置30は、液体吐出ヘッド20を通り液体が循環可能に構成された所定のインク経路である循環路31と、この循環路31に順に設けられた、カートリッジ32と、第1ポンプ33と、第1タンク34と、バイパスタンク35と、第2タンク36と、第2ポンプ37と、モジュール制御部38(制御装置)と、を備える。例えば循環装置30は、ケース301内に、第1ポンプ33、第1タンク34、バイパスタンク35、第2タンク36、第2ポンプ37及びモジュール制御部38が収容されるとともに内部に循環流路を構成する循環ヘッド300に、カートリッジ32が接続されて構成される。
【0016】
循環路31は、液体吐出ヘッド20に連通するとともに液体が流れる流路である。循環路31は、例えば金属または樹脂材料で構成されるパイプや、パイプの外面を覆うチューブによって構成され、内部に所定の流路を形成する。循環路31は、カートリッジ32から上流の第1タンク34を通って液体吐出ヘッド20の供給口201に至る上流側の第1流路311と、液体吐出ヘッド20の回収口202から第2タンク36を通ってカートリッジ32に至る下流側の第2流路312と、第1流路311及び第2流路312を接続するバイパス流路313と、を有する。
【0017】
バイパス流路313は、第1流路311と、第2流路312と、を接続する流路である。バイパス流路313は循環路31における液体吐出ヘッド20の一次側と液体吐出ヘッド20の二次側とを、液体吐出ヘッド20を通さずに短絡的に接続する。バイパス流路313にはバイパスタンク35が接続されている。すなわち、バイパス流路313は、バイパスタンク35と第1流路311とを接続する第1バイパス流路3131と、バイパスタンク35と第2流路312とを接続する第2バイパス流路3132と、を備える。
【0018】
カートリッジ32は、インクIを保有可能に構成される。カートリッジ32の内部に形成される空気室は大気開放されている。カートリッジ32は、第1ポンプ33が設けられる第1流路311を介して第1タンク34に接続される。
【0019】
第1ポンプ33は、カートリッジ32と第1タンク34との間の流路である第1流路311に設けられ、カートリッジ32に保有されたインクIを第1タンク34に向けて送液する。
【0020】
第1タンク34は、液体を貯留可能に構成されている。第1タンク34は、循環路31によって液体吐出ヘッド20の一次側に接続される。例えば第1タンク34には、第1タンク34内の液面位置を検出する液位センサ54が設けられている。液位センサ54は、第1タンク34内のインク量を検出し、検出したデータをモジュール制御部38へ送る。
【0021】
バイパスタンク35は、バイパス流路313に設けられる。バイパスタンク35はバイパス流路313の流路断面積よりも大きい流路断面積を有し、液体を貯留可能に構成されている。バイパスタンク35は例えば上壁、下壁、後壁、前壁、及び左右一対の側壁を有し、内部に液体を貯留する収容室を形成する矩形の箱状に構成されている。バイパスタンク35の一対の側壁に、それぞれバイパス流路313が接続されている。
【0022】
バイパスタンク35内の収容室の下部領域にはバイパス流路313を流れるインクが配され、収容室の上部領域には空気室が形成される。バイパスタンク35は、所定量の液体及び空気を貯留可能である。本実施形態において、例えば流入側の第1バイパス流路3131のバイパスタンク35への接続位置と流出側の第2バイパス流路3132のバイパスタンク35への接続位置は、同じ高さに設定される。
【0023】
バイパスタンク35の空気室には大気開放可能に構成された開閉バルブ41が接続されている。すなわち、バイパスタンク35の上壁に、上方に延出する接続管355が設けられ、この接続管355の他端部に接続管355内の流路を開閉する開閉バルブ41が設けられている。
【0024】
一例として、本実施形態において、バイパス流路313の中間地点にバイパスタンク35が設けられ、第1バイパス流路3131と第2バイパス流路3132とは管長と管径が同じである。また、循環路31において、第1流路311のバイパス流路313が分岐する分岐点から液体吐出ヘッド20の供給口201までの距離は、液体吐出ヘッド20の回収口202から第2流路312の第2バイパス流路3132との合流点までの距離と同じである。循環路31における圧力は、液体吐出ヘッド20の抵抗による圧力損失により、液体吐出ヘッド20の一次側すなわち流入側が、液体吐出ヘッド20の二次側すなわち流出側よりも、高い圧力になっている。したがって、循環路31及びバイパス流路313において、液体は、圧力の高い一次側から圧力の低い二次側へ向かって流れる。
【0025】
第2タンク36は、液体を貯留可能に構成されている。第2タンク36は、循環路31によって液体吐出ヘッド20の二次側に接続される。例えば第2タンク36には、第2タンク36内の液面位置を検出する液位センサ55が設けられている。液位センサ55は、第2タンク36内のインク量を検出し、検出したデータをモジュール制御部38へ送る。
【0026】
第2ポンプ37は、第2流路312に設けられ、液体をカートリッジ32側に送液する回収ポンプである。
【0027】
第2ポンプ37は、循環路31の第2流路312に設けられている。第2ポンプ37は、第2タンク36からカートリッジ32に向けて液体を送る。
【0028】
第2ポンプ37及び第1ポンプ33は、例えば圧電ポンプで構成されている。なお、第2ポンプ37及び第1ポンプ33として、例えばチューブポンプ、ダイヤフラムポンプ、或いはピストンポンプ等を利用しても良い。例えば第1ポンプ33及び第2ポンプ37は、循環路31の圧力を調整し、ノズル21のインク圧力を調整する圧力調整機構となる。
【0029】
圧力センサ39は、循環路31の圧力を検出する圧力検出部(圧力検出器)である。例えば圧力センサ39は循環路31のいずれかに設けられ、循環路31における圧力を検出する。例えば本実施形態において圧力センサ39は、バイパスタンク35に設けられ、バイパスタンク35内の空気室(気室)の圧力を検出する。なお、圧力センサ39は循環路31の、他の部分の圧力を検出してもよく、例えば循環路31の各部、例えばカートリッジを含む各種タンクや、流路、あるいは液体吐出ヘッド20内において圧力を検出するものであってもよい。圧力センサ39は、例えば半導体ピエゾ抵抗圧力センサを利用して圧力を電気信号として出力する。半導体ピエゾ抵抗圧力センサは、外部からの圧力を受けるダイヤフラムと、このダイヤフラムの表面に形成された半導体歪ゲージとを備える。半導体ピエゾ抵抗圧力センサは、外部からの圧力によるダイヤフラムの変形に伴い歪ゲージに生じるピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化を電気信号に変換して圧力を検出し、検出したデータをモジュール制御部38へ送る。
【0030】
開閉バルブ41は、バイパスタンク35の空気室を大気に対して開閉可能に構成される。開閉バルブ41は、バイパスタンク35に接続された圧力センサ39を校正する場合に開けられる。
【0031】
入力装置15は、例えば電源キー、用紙フィードキー、エラー解除キー等のファンクションキーを備える入力装置である。例えば入力装置15は、ホスト制御部13を有するコンピュータ端末に設けられたキーボード及びタッチパネルである。
【0032】
表示装置16は、画像印刷装置の各種情報を表示する表示器を有する。表示装置16はホスト制御部13を有するコンピュータ端末に設けられたディスプレイである。
【0033】
ブザー17は、音を発生させる。ブザー17は、例えばモジュール制御部38の制御基板に搭載され、電圧印加により音を発生させる圧電ブザーである。
【0034】
また、循環装置30において、循環路31の所定箇所には、インクIの不純物を取り除くフィルタが設けられている。また、循環装置30の循環路31の所定箇所には、インクIの温度を調整するヒータ装置43が設けられている。
【0035】
なお、循環装置30はさらに、調整機構として、第1タンク34及び第2タンク36内の空気室を大気に対して開閉する開閉機構や、第1タンク34及び第2タンク36の加圧及び減圧を行う調整機構を備えていてもよい。調整機構は、ホスト制御部13やモジュール制御部38の制御によって、第1タンク34及び第2タンク36の大気開放や第2タンク36の加圧及び減圧をすることで、循環路31の圧力を調整し、ノズル21のインク圧力を調整する。
【0036】
次に図2を参照して、インクジェット記録装置1の動作を制御する制御系について説明する。本実施形態にかかるインクジェット記録装置1の制御系は、ホスト制御部13(制御装置)と、モジュール制御部38(制御装置)と、を備える。
【0037】
インクジェット記録装置1のホスト制御部13は、電源14、入力装置15、及び表示装置16に、接続されている。ホスト制御部13は、例えば表示装置16や入力装置15を備えるコンピュータ端末(コンピュータ)130に設けられる。
【0038】
ホスト制御部13は、CPU131(制御部)と、各要素を駆動する駆動回路と各種データを記憶する記憶部132と、通信用の通信部133と、を備える。
【0039】
CPU131は、ホスト制御部13の中枢部分に相当する。CPU131は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを含む各種プログラムに従って、液体吐出装置の各種の機能を実現するべく、各部を制御する処理回路を有する。CPU131は、入力装置15に指示入力された入力情報を検出する。
【0040】
CPU131は、ユーザによって入力装置15に入力指示され、あるいは予め記憶部132記憶された各種動作条件や各種プログラムに従って、モジュール制御部38に動作条件を送信することで、モジュール制御部38に制御プログラムや動作条件を指示する。
【0041】
すなわち、制御プログラムに基づく制御処理をプロセッサが実行することによって、プロセッサを中枢部分とするホスト制御部13は、印字動作、移動動作、表示動作、及び指示動作、圧力調整動作を制御する印字手段、移動手段、表示手段、及び指示手段、圧力調整手段として機能する。
【0042】
記憶部132は、例えばプログラムメモリやRAMを備える。記憶部132には、アプリケーションプログラムや各種の設定値が記憶されている。記憶部132には、例えば圧力制御に用いられる制御データとして、ノズル21のインク圧力を算出する算出式や、目標圧力値、正常範囲、圧力異常値、各ポンプの調整最大値などの各種設定値が記憶されている。
【0043】
例えば記憶部132に記憶されるプログラムの1つとして、コンピュータに、循環路31の圧力値が正常範囲でない場合に液体を循環させる循環動作を停止する機能を実現させる、プログラムが含まれる。循環動作とは、液体を流す動作である。
【0044】
通信部133は、USBケーブル等の信号線を介して、あるいは無線LANを介して、モジュール制御部38とデータ通信を行う。通信部133は、データ通信を行うための通信インターフェースを有する。例えば通信インターフェースはネットワークインターフェースである。
【0045】
モジュール制御部38は、循環装置30に搭載された制御基板70と、CPU71(制御部)と、各要素を駆動する駆動回路と各種データを記憶する記憶部72と、外部に設けられるホスト制御部13との通信用の通信部73と、を備える。記憶部72は例えばプログラムメモリ及びRAMを備えて構成される。また、モジュール制御部38の制御基板70には、ブザー17が搭載される。
【0046】
モジュール制御部38は、通信部73によってホスト制御部13と接続された状態で、ホスト制御部13と通信することにより、動作条件等の各種情報を受信する。
【0047】
ユーザの入力操作やインクジェット記録装置1のホスト制御部13からの指示は、通信部73によって、モジュール制御部38のCPU71に送信される。また、モジュール制御部38が取得する各種情報は、通信部73経由でPCアプリケーションまたはインクジェット記録装置1のホスト制御部13に送られる。
【0048】
CPU71は、モジュール制御部38の中枢部分に相当する。CPU71は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、液体吐出装置の各種の機能を実現するべく、各部を制御する処理回路を有する。
【0049】
CPU71には、循環装置30の第1ポンプ33、第2ポンプ37、及び開閉バルブ41の、駆動回路751、752、753、754や、圧力センサ39、液体吐出ヘッド20の駆動回路755、ブザー17の駆動回路756、が接続されている。
【0050】
例えばCPU71は、ホスト制御部13からの指令に基づき、第1ポンプ33及び第2ポンプ37の動作を制御することで、インクを循環させる循環手段としての機能を有する。
【0051】
また、CPU71は、ホスト制御部13からの指令に基づき、第1ポンプ33、第2ポンプ37の動作を制御することで、カートリッジ32からインクを循環路31に補給する補給手段としての機能を有する。
【0052】
さらにCPU71は、圧力センサ39にて検知した情報に基づき、あるいはホスト制御部13からの指令に基づき、各ポンプ33、37の動作を制御することで、ノズル21のインクの圧力を調整する圧力調整手段としての機能を有する。
【0053】
記憶部72は、例えばプログラムメモリやRAMを備える。記憶部72には、各種プログラムや各種の設定値が記憶されている。記憶部72には、例えば圧力制御に用いられる制御データとして、ノズル21のインク圧力を算出する算出式や、目標圧力値、正常範囲、異常圧力値、各ポンプの調整最大値などの各種設定値が記憶されている。
【0054】
通信部73は、USBケーブル等の信号線を介して、あるいは無線LANを介して、ホスト制御部13とデータ通信を行う。通信部73は、データ通信を行うための通信インターフェースを有する。例えば通信インターフェースはネットワークインターフェースである。
【0055】
以下本実施形態にかかる液体吐出装置10の制御処理及び制御プログラムについて、図3のフローチャートを参照して説明する。例えば制御装置としてのホスト制御部13やモジュール制御部38は、記憶部132に記憶された各種プログラムに従って、動作することで、端末の制御処理を実行する。例えばインクジェット記録装置1は、循環装置30におけるインク循環動作、液体吐出ヘッド20における液体吐出動作、及び媒体の搬送動作、を含む液体吐出処理を行う。
【0056】
例えば記憶部132、72に記憶された各種プログラムの1つとして、循環路31の圧力が正常範囲外である場合に循環装置30において循環動作の停止処理及び報知処理を行わせる制御プログラムが含まれる。
【0057】
例えば本実施形態において、一例として、ホスト制御部13とモジュール制御部38の両方を有し、循環装置30の外部に設けられるホスト制御部13から循環装置30のモジュール制御部38へ送られる信号に基づいてモジュール制御部38が制御する例を示すが、これに限られるものではなく、どちらか一方のみで循環装置30を制御する構成としてもよい。
【0058】
CPU131は、Act1において循環開始の指示を検知すると(Act1のYes)循環処理を開始する(Act2)。具体例として、表示装置16の表示画面の一部である第1表示部161に、印刷開始ボタンが表示され、ユーザは第1表示部161を視認しながら入力装置15の操作として印刷開始を入力する。そしてCPU131は、ユーザが印刷開始の指示を入力したことを検知すると(Act1のYes)、循環装置30におけるインク循環動作、液体吐出ヘッド20における液体吐出動作、及び媒体の搬送動作、を含む液体吐出処理を開始する。具体的にはCPU131がモジュール制御部38へ、インク循環動作、液体吐出動作、及び媒体の搬送動作を含む液体吐出処理を開始する指令を送る。
【0059】
CPU71は、CPU131から指令を受けると、第1ポンプ33や第2ポンプ37を駆動し、循環路31におけるインク循環動作を開始する。また、CPU71は、画像データに応じた画像信号を液体吐出ヘッド20の駆動回路755に送り、液体吐出ヘッド20のアクチュエータを選択的に駆動して、ノズル21から記録媒体Sにインク滴を吐出する。また、CPU71は、記録媒体Sの搬送方向に対して直交する方向に液体吐出装置10を往復移動させながら、インクの吐出動作を行うことにより記録媒体Sに画像を形成する印字動作を行う。
【0060】
ここで、第1流路311のインクIは、バイパス流路313やバイパスタンク35の管路抵抗に応じた配分で、液体吐出ヘッド20に流れる液体と、バイパス流路313を通じてバイパスタンク35流れる液体とに、分配される。すなわち、インクIの一部は、第1タンク34から、第1流路311を通って液体吐出ヘッド20に至り、第2流路312を通って第2タンク36に至り、再び第1タンク34に流入するように循環する。またインクIの残りの一部は、第1流路311からバイパス流路313及びバイパスタンク35内を通って、液体吐出ヘッド20を通らずに、第2流路312に送られ、第2タンク36を通って再び第1タンク34に流入する。この循環動作によりインクIに含まれる不純物は循環路31に設けられたフィルタによって除去される。
【0061】
CPU131は、印字動作中、ノズル21のインク圧力Pnを適正値になるように、ポンプ33,37やその他の圧力調整機構を駆動することで、液体吐出ヘッド20のノズル21からインクIが漏れず、且つノズル21から気泡を吸引しない程度の負圧を維持し、メニスカスを維持する。
【0062】
なお、CPU131、71は、循環処理中に、液面調整を行ってもよい。例えば、CPU131、71は、液位センサ54,55の検知結果に基づき、第1ポンプ33や第2ポンプ37を制御することで、カートリッジ32からのインク補給を行い、液面位置を適正範囲に調整する。また、CPU131,71は、循環処理中に、ヒータ装置43を制御することで、温度調整を行ってもよい。
【0063】
循環中、CPU131は、所定のタイミングで、圧力センサ39からの検出値に基づき、ノズル21のインク圧力を検出する(Act3)。具体的には、圧力センサ39から送信されるバイパスタンク35の圧力データに基づいて、所定の演算式を用いて、ノズル21のインク圧力を算出する。
【0064】
例えば、バイパスタンク35で検出される圧力は第1流路311のインクの圧力値Phと第2流路312のインクの圧力値Plの平均値であるため、このバイパスタンク35の圧力値に、圧力測定ポイントの高さとノズル面高さの水頭差によって発生する圧力ρghを足すことでノズル21のインク圧力Pnを得ることができる。ここで、ρはインクの密度、gは重力加速度、hは圧力測定ポイントとノズル面の高さ方向の距離、とする。
【0065】
例えばCPU131は、制御プログラムを実行することにより、算出されたノズル21のインク圧力Pnの異常判定を行う。例えばCPU131は、圧力値から算出されたノズル21の圧力値が、予め定められあるいは設定された正常範囲内であるか否かを判定する(Act4)。そして、圧力値が、予め設定された正常範囲を外れた、異常値である場合に(Act4のYes)、ポンプ33、37、開閉バルブ41等を制御することで、循環動作の停止(Act6)及び報知処理(Act7)を行う。
【0066】
例えばCPU131は、Act5として、所定時間あるいは所定条件を満たすまで、待機してから、停止制御及び報知処理を行う。すなわち、例えば循環開始後あるいは目標圧力が変更された際に、所定時間経過するまで、あるいは目標圧力値が変更された際に圧力が目標圧力値に近い値、例えば目標±0.01kPaに到達するまで、待機する。そして、所定時間経過後に、圧力が安定した状態において、Act6の停止制御やAct7の報知処理の制御を行う。すなわち、循環開始後の所定時間、あるいは目標圧力が変更された後の所定時間は停止制御や報知処理を行わない。
【0067】
例えば圧力異常値は、目標圧力値によって、定められる。図4は、表示装置16の画面の一例である。図4に示すように、表示装置16の設定画面を有する第1表示部161には、単数または複数の液体吐出装置10の各種条件、操作用のボタン、ステイタス等が表示される。例えば第1表示部161には、目標圧力と同じ画面に、圧力センサ39の実測値や、実測値から算出されたノズル21の圧力などの各種情報を表示する。例えばユーザは、表示装置16の第1表示部161を視認しながら、入力装置15を操作することにより、各種動作の指示の入力、目標圧力や各種条件の入力し、設定する。そして、CPU131は、入力に応じて各種制御を行う。例えば予め目標圧力に対するレンジが設定されており、例えばCPU131は、入力設定された目標値に基づき、予め設定されたレンジに基づき、圧力制御の正常範囲を定め、正常範囲外の圧力を、異常圧力値としてエラー対象とする。例えばCPU131は、目標値との差が所定値以内である範囲を正常範囲とし、この正常範囲外の圧力値を、圧力制御に何らかの異常が発生している異常圧力値として設定する。具体例として、図4に示すように目標圧力が-1.00kPa設定された場合、例えばプラスマイナス0.1kPaのレンジが設定されている場合には、-1.1kPa~-0.9Paまでの範囲が正常範囲であり、-1.1kPa未満、あるいは-0.9kPaより大きい値の場合には、圧力異常値と判定する。
【0068】
例えば圧力制御の不具合として、不完全なインク充填でインク循環を開始した場合、インクを消費してカートリッジが空になった場合、目標圧力を極端な過負圧に設定してノズル21から空気が流入した場合、循環路31のどこかでインクが詰まった場合、循環路31のどこかでインクがリークした場合、等には、圧力値が異常値となる。したがって、CPU131は、インク循環中の圧力値が異常値となった場合には、圧力制御に不具合が発生しているとして、自動でインク循環を停止させるとともに報知処理を行う。
【0069】
すなわち、CPU131は、目標圧力から一定の範囲内を正常圧力値とし、目標圧力との差が所定値より大きくなる範囲を圧力異常値とし、実測により算出されたノズルの圧力値が正常範囲から外れ、異常値となった場合に(Act4のYes)、循環動作を停止し(Act6)、装置を待機状態とする。
【0070】
Act6の循環停止処理として、CPU131は、モジュール制御部38へ、第1ポンプ33及び第2ポンプ37を停止し、開閉バルブ41をオフ(クローズ)する指令を出力する。そして、モジュール制御部38のCPU71は、ホスト制御部13からの循環停止指令を受けたら、循環処理を停止する。例えば、循環停止制御は、循環指示を取り下げる指令が来るまで無限ループとする。言い換えるとCPU71は、ホスト制御部13からの循環指示の取り下げ指令まで循環を停止する。
【0071】
さらに、CPU131は、循環停止の無限ループ中に報知処理を行う(Act7)。例えば報知処理として、モジュール制御部38へ、報知処理を行う指令を出力する。
【0072】
CPU71は、報知処理の指令を受けると、ブザー17に電圧を印加してブザー音を発生させるとともに、表示装置16へメッセージを表示し、視覚的及び聴覚的に、ユーザへ報知することで、メンテナンスなどの処置を促す。
【0073】
CPU71における報知処理の制御例として、例えばブザータスクはスリープせず、500usまたは100ms周期で回り続け、ホスト制御部13からブザーオンの指令を受けたら、500μs待機してから、ブザーポート出力を反転させてブザーを鳴らす。このとき、例えば周波数は耳障りではない心地よい音色となるように設定する。一方、ホスト制御部13からブザーオンの指示が来ていない場合は、100ms周期で指示を待つ。
【0074】
また、CPU71は、報知処理における表示処理として、例えば図5に示すように、表示画面の一部である第2表示部162に、ユーザへのメッセージを含むメッセージボックスを表示する。例えばCPU71は、メッセージボックスに、図5の「Ink1」のような、異常が発生している液体吐出装置10の識別も表示する。例えば、CPU71は、メッセージボックスに、「異常を検出したので、循環を停止しました。」というメッセージおよび「OK」ボタンを表示する。
【0075】
以降、CPU71は、報知処理の終了指令を検出するまで(Act8)、報知処理を継続する。例えばユーザは、入力装置15の操作によりユーザが表示画面の第2表示部162のメッセージボックスの「OK」ボタンをクリックする等により、報知終了指令を入力する。CPU131は、報知処理終了の指示を検出すると、モジュール制御部38へ報知終了の指令を出力する(Act9)。そして、CPU71は報知処理終了の指令を受けると、ブザー17を停止し、表示ボックス151の表示を終了することで、報知処理を終了する。
【0076】
以降、CPU131は、循環終了指令を検出するまで、Act2~Act9のフィードバック制御を行う。そして、CPU131は、循環終了の指示を検出すると処理を終了する指令をモジュール制御部38へ出力し、モジュール制御部38はホスト制御部13からの指令により、循環動作を終了する。
【0077】
以上の様に構成された液体吐出装置10は、安全性を確保すると共に、印字効率を向上ることができる。すなわち、インク循環装置において、圧力制御の不具合が発生すると、接続している液体吐出ヘッドの適切な吐出印字が行えず、画像不良が発生するが、圧力値が所定のエラー範囲である場合にメッセージボックスとブザー音、視覚と聴覚で注意を促すことができる。したがって、メンテナンスを促すことで、安全性を確保できる。
【0078】
また、圧力制御に異常があることをユーザに通知し、メンテナンスなどの処置を促す、メッセージボックスを表示し、且つブザー音を発生させる機能を設ける。
また、圧力制御に不具合がある場合に、印字を続けると特に大きなメディアでは素材および印字に費やした時間が無駄になるが、圧力制御の不具合に早期に気付き、印字の継続を停止することで、印字効率を向上できる。
【0079】
また、上記実施形態の液体吐出装置10は、圧力異常の判定において、所定時間経過してから判断することで、圧力が安定しない状態で誤検出を行うことを抑制できるとともに、ユーザが目標圧力を頻繁に変更して停止制御を阻止する操作を回避できる。例えば循環開始後の所定時間、あるいは目標圧力が変更された場合に圧力が目標±0.01kPaに到達するまで、あるいは、所定時間(例えば10秒)経過してから、圧力異常の判定をすることにより、圧力が安定していない状態での誤検出を防止できる。
【0080】
また、上記実施形態において、循環装置30におけるブザー17で音を発生し、あるいは表示装置16で表示するなどにより、各種の報知処理を行うことで、ユーザが循環装置30から離れた場所にいても、報知することができる。
【0081】
以上説明した実施形態の液体循環装置及び液体吐出装置の構成は限定されない。例えば上記第1実施形態として、第1流路311及び第2流路312に、第1タンク34及び第2タンク36を備える構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば他の実施形態として図6に示すインクジェット記録装置2のように、液体吐出装置101はバイパス流路313及びバイパスタンク35を備えない構成であってもよい。液体吐出装置101は、第1流路311に圧力センサ44を備え、第2流路312に圧力センサ45を備えており、CPU131は複数の圧力センサ44、45の検出値からノズル21の圧力を算出する。例えば圧力センサ44で検出した第1流路311の圧力値と圧力センサ45で検出した第2流路312の圧力値の平均値をノズル21の圧力として、算出する。このような液体吐出装置101においても上記第1実施形態にかかる液体吐出装置10と同様の効果が得られる。
【0082】
また、上記第1実施形態及び他の実施形態において、圧力値に基づく異常判定を行ったが、異常判定のプロセスは上記実施形態に限られるものではなく、例えば、圧力値に基づく異常判定に加えて、さらに、エラーの要因を判定する制御を行ってもよい。例えばCPU131は、エラー要因判定として、圧力、周波数、パルス幅、出力値、出力回数、温度の少なくともいずれか含む条件に基づき、エラーの要因を判定する。
【0083】
例えばCPU131は、上記Act4でエラーとなった場合に、さらにプッシュポンプである第1ポンプ33やプルポンプである第2ポンプ37の出力に基づいて、不具合の要因を判断する。例えば、一定時間内のプッシュポンプである第1ポンプ33のパルス幅の最低値に基づき、液体吐出ヘッド20の中のインクが無くなりノズル引きが始まったときの調整不能、または下流側のインク詰まりによる調整不能で出現する不具合を第1のエラー要因として判定する。一例として、CPU131は、100msの間に5回以上、第1ポンプ33のパルス幅が最低値(例えば200)になった場合に、第1のエラー要因が発生していると判定する。この場合、通常動作では起きにくく、仮にインク加温用のヒータを設けている場合には空炊きとならないように、すぐに循環停止処理を行う。
【0084】
また、CPU131は、一定時間内における、プルポンプである第2ポンプ37のパルス幅の出力から、インクを消費し、インクボトルが空になった場合など、上流インク詰まりによる不具合を第2のエラー要因として判定する。例えばCPU131は、1000msの間に800回以上プルポンプのパルス幅が400以下になった場合に、第2のエラー要因が発生したと判断する。ここで、パルス幅について、第2のエラー要因は、上流インク詰まりを想定しているが、上流インク詰まり発生時は、プルポンプである第2ポンプ37が小さなパルス幅でノズル面圧力を合わせ込もうとすることを考慮した閾値である。
【0085】
この場合、大液滴吐出ヘッドを使用の場合と似た現象であることから、大液滴吐出と間違えないよう、所定時間(例えば1000ms)経過するまで待機してから循環処理を停止めるように制御する。この実施形態によれば、ポンプ33,37の出力に基づき、エラー要因を判定することで、ここの要因を特定して、より適切な対処を促すことができる。また、上記第1のエラー要因、第2のエラー要因だけでなく、目標圧力を極端な過負圧に設定してノズル21から空気が流入した場合、循環路31のどこかでインクが詰まった場合、循環路31のどこかでインクがリークした場合、等の他の要因を特定するようにしてもよい。
【0086】
また、上記各実施形態においては、ホスト制御部13の端末に設けられた表示装置16にメッセージを有する第2表示部162を表示し、モジュール制御部38のブザー17に音を発生させる例を示したがこれに限られるものではない。例えばさらに有線あるいは無線で接続された他の外部端末に、報知処理を行わせてもよい。
また、上記実施形態においては、液体が流れる流路に液体を流す液体処理装置の一例として、循環路で液体を循環させる液体循環装置30において循環動作の停止処理及び報知処理を行わせる例を示したが、これに限られるものではない。例えば循環式に限らず非循環タイプのインクジェットヘッドにおいて、流路の圧力が正常範囲外である場合に、液体を流す動作を停止し、あるいは報知するものであってもよい。非循環タイプは、液体を貯留するタンクから流路を介して液体吐出ヘッドへ液体を流し、流路に設けられた圧力センサによって流路の圧力を検出する。
【0087】
例えば液体吐出装置10において吐出する液体はインクに限られるものではなく、インク以外の液体を吐出することもできる。インク以外を吐出する液体吐出装置としては、例えばプリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出する装置等であっても良い。
【0088】
なお、第2ポンプ37及び第1ポンプ33として、圧電ポンプに代えて例えばチューブポンプ、ダイヤフラムポンプ、或いはピストンポンプ等を利用しても良い。
【0089】
インクが複数系等である例を示したが、液体吐出装置10を1つのみ備える構成としてもよい。
【0090】
液体吐出ヘッド20は、上記の他、例えば静電気で振動板を変形してインク滴を吐出する構造、あるいはヒータ等の熱エネルギーを利用してノズル21からインク滴を吐出する構造等でもよい。
【0091】
また、制御系の構成も適宜変更して実施可能である。例えば上記実施形態では、ホスト制御部13からモジュール制御部38に指令を出力し、モジュール制御部38において実行する例を示したが、これに限られるものではない。例えばホスト制御部13からモジュール制御部38に指令を出力するだけでなく、モジュール制御部38側からホスト制御部13へ信号を出力し、ホスト制御部13がモジュール制御部38からの指令に基づいて循環装置30を制御することとしてもよい。例えば報知処理とは循環装置30において各部を駆動してメッセージの表示や警告音を発生させるほか、これらの処理を行わせる指令を出力することも含む。
【0092】
例えばホスト制御部13またはモジュール制御部38で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、各種コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
また、ホスト制御部13またはモジュール制御部38で実行される制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータに格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるように構成されていてもよい。また、実施形態のプログラムはインターネット等のネットワーク経由で提供または配布されるように構成してもよい。また、ホスト制御部13またはモジュール制御部38で実行される制御プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。例えば上記実施形態の制御方法は、ホスト制御部13のアプリケーションプログラムとして行い、モジュール制御部38へ指令を送る例を示したが、これに限られるものではない。例えばモジュール制御部38に、循環制御やポンプ動作停止制御の回路を搭載し、モジュール制御部38において上記制御処理を行ってもよい。
【0093】
また、上記各実施形態においては制御部、制御装置として、CPUを備え、CPUが所定のプログラムを実行することによって、各部の機能を実現する例を示したが、これに限られるものではない。例えばLSI(Large Scale Integration),ASIC(Application Specific Integrated Circuit),FPGA(Field-Programable Gate Array)、GPU(
Graphics Processing Unit)、あるいはその他のハードウェアを用いて、上述の各処理を行うことも可能であるし、ソフトウェアとハードウェアの協働により、上述した各処理を行うことも可能である。
【0094】
また、上記実施形態においては液体吐出装置はインクジェット記録装置1に用いられる例を示したが、これに限られるものではなく、例えば3Dプリンタ、産業用の製造機械、医療用途にも用いることが可能であり、小型軽量化及び低コスト化が可能である。
【0095】
この発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1…インクジェット記録装置、2…インクジェット記録装置、10…液体吐出装置、13…ホスト制御部、14…電源、15…入力装置、16…表示装置、17…ブザー、20…液体吐出ヘッド、21…ノズル、22…マニフォルド、30…循環装置、31…循環路、32…カートリッジ、33…ポンプ、34…タンク、35…バイパスタンク、36…タンク、37…ポンプ、38…モジュール制御部、39…圧力センサ、41…開閉バルブ、43…ヒータ装置、44…圧力センサ、45…圧力センサ、54…液位センサ、55…液位センサ、70…制御基板、71…CPU、72…記憶部、73…通信部、101…液体吐出装置、130…コンピュータ端末、131…CPU、132…記憶部、133…通信部、151…表示ボックス、161…表示部、162…表示部、201…供給口、202…回収口、300…循環ヘッド、301…ケース、311…第1流路、312…第2流路、313…バイパス流路、355…接続管、751~756…駆動回路、3131…第1バイパス流路、3132…第2バイパス流路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6