(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018335
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20250130BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/525 20140101ALI20250130BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20250130BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/211
A63F13/428
A63F13/525
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121939
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】阿部 悟郎
(72)【発明者】
【氏名】新木 英明
(72)【発明者】
【氏名】岡本 雅
(72)【発明者】
【氏名】川前 宏樹
(57)【要約】
【課題】プレイヤが向きを把握し易い持ち方画像の表示を行うことができること。
【解決手段】ゲーム開始前の待機期間中において、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトが、ゲームの種類に応じて予め設定されたポーズをする手本映像を表示し、手本オブジェクトの正面が表示される向きから、背面の少なくとも一部が表示される向きまで回転するアニメーションとして手本映像を表示させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
連続で実行されるそれぞれの前記ゲームについて、
当該ゲーム開始前の待機期間中において、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトが、当該ゲームの種類に応じて予め設定されたポーズをする手本映像を表示させ、かつ、第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、背面の少なくとも一部が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示させ、
前記待機期間後に前記ゲームを開始させ、当該ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えた前記コントローラから取得される操作データに基づいて、前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記待機期間において、左右の手でそれぞれコントローラを把持したプレイヤを模した前記手本オブジェクトによる前記手本映像を表示させ、
前記ゲームにおいて、第1のコントローラから取得される第1の操作データと第2のコントローラから取得される第2の操作データに基づいて前記評価を行わせる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1の種類のゲームには、前記手本オブジェクトに対して左右非対称となる前記ポーズが設定されたゲームである第2の種類のゲームが含まれる、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記複数種類のゲームを連続で実行させる前の所定の場面において、プレイヤの左右の手のいずれを利き手とするかを設定させ、
前記第2の種類のゲームについて、設定された前記利き手に応じて、
前記手本映像の表示において、前記手本オブジェクトに、第1のポーズまたは当該第1のポーズに対して左右が反転した第2のポーズをさせ、
前記ゲームにおいて、前記評価に用いられる前記第1の操作データと前記第2の操作データを入れ替えて前記評価を行わせる、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームに含まれる第3の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、斜め後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示させ、
前記第1の種類のゲームに含まれる第4の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示させる、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第3の種類のゲームは、前記手本オブジェクトの前方に前記左右の手が位置する前記ポーズが設定されたゲームである、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記手本オブジェクトに対して左右対称となる前記ポーズが設定されたゲームであり、前記第1の種類のゲームに含まれない第5の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面または背面が表示される向きのままのアニメーションとして前記手本映像を表示させる、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
仮想空間内の前記手本オブジェクトを仮想カメラに基づいて描画させることで前記手本映像を表示させ、
前記第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの前方が前記仮想カメラを向く位置関係から、前記手本オブジェクトの後方または斜め後方が前記仮想カメラを向く位置関係まで、前記手本オブジェクトまたは前記仮想カメラを回転させて前記手本映像を表示させる、請求項1から7のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームについて、前記手本映像において、前記手本オブジェクトまたは前記仮想カメラを回転させながら、前記手本オブジェクトに前記ポーズをするアニメーションを行わせ、前記手本映像を表示させる、請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
プロセッサを備え、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームシステムであって、
前記プロセッサは、
連続で実行されるそれぞれの前記ゲームについて、
当該ゲーム開始前の待機期間中において、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトが、当該ゲームの種類に応じて予め設定されたポーズをする手本映像を表示し、かつ、第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、背面の少なくとも一部が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示し、
前記待機期間後に前記ゲームを開始し、当該ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示するとともに、慣性センサを備えた前記コントローラから取得される操作データに基づいて、前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行する、ゲームシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記待機期間において、左右の手でそれぞれコントローラを把持したプレイヤを模した前記手本オブジェクトによる前記手本映像を表示し、
前記ゲームにおいて、第1のコントローラから取得される第1の操作データと第2のコントローラから取得される第2の操作データに基づいて前記評価を行う、請求項10に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記第1の種類のゲームには、前記手本オブジェクトに対して左右非対称となる前記ポーズが設定されたゲームである第2の種類のゲームが含まれる、請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記複数種類のゲームを連続で実行させる前の所定の場面において、プレイヤの左右の手のいずれを利き手とするかを設定し、
前記第2の種類のゲームについて、設定した前記利き手に応じて、
前記手本映像の表示において、前記手本オブジェクトに、第1のポーズまたは当該第1のポーズに対して左右が反転した第2のポーズをさせ、
前記ゲームにおいて、前記評価に用いられる前記第1の操作データと前記第2の操作データを入れ替えて前記評価を行う、請求項12に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第1の種類のゲームに含まれる第3の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、斜め後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示し、
前記第1の種類のゲームに含まれる第4の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示する、請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項15】
前記第3の種類のゲームは、前記手本オブジェクトの前方に前記左右の手が位置する前記ポーズが設定されたゲームである、請求項14に記載のゲームシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記手本オブジェクトに対して左右対称となる前記ポーズが設定されたゲームであり、前記第1の種類のゲームに含まれない第5の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面または背面が表示される向きのままのアニメーションとして前記手本映像を表示する、請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、
仮想空間内の前記手本オブジェクトを仮想カメラに基づいて描画させることで前記手本映像を表示し、
前記第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの前方が前記仮想カメラを向く位置関係から、前記手本オブジェクトの後方または斜め後方が前記仮想カメラを向く位置関係まで、前記手本オブジェクトまたは前記仮想カメラを回転させて前記手本映像を表示する、請求項10から16のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記第1の種類のゲームについて、前記手本映像において、前記手本オブジェクトまたは前記仮想カメラを回転させながら、前記手本オブジェクトに前記ポーズをするアニメーションを行わせ、前記手本映像を表示する、請求項17に記載のゲームシステム。
【請求項19】
プロセッサを備え、複数種類のゲームを連続で実行させるゲーム装置であって、
前記プロセッサは、
連続で実行されるそれぞれの前記ゲームについて、
当該ゲーム開始前の待機期間中において、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトが、当該ゲームの種類に応じて予め設定されたポーズをする手本映像を表示し、かつ、第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、背面の少なくとも一部が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示し、
前記待機期間後に前記ゲームを開始し、当該ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示するとともに、慣性センサを備えた前記コントローラから取得される操作データに基づいて、前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行する、ゲーム装置。
【請求項20】
情報処理装置のコンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
連続で実行されるそれぞれの前記ゲームについて、
当該ゲーム開始前の待機期間中において、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトが、当該ゲームの種類に応じて予め設定されたポーズをする手本映像を表示させ、かつ、第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、背面の少なくとも一部が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示させ、
前記待機期間後に前記ゲームを開始させ、当該ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えた前記コントローラから取得される操作データに基づいて、前記コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行させる、ゲーム処理方法。
【請求項21】
前記コンピュータに、
前記待機期間において、左右の手でそれぞれコントローラを把持したプレイヤを模した前記手本オブジェクトによる前記手本映像を表示させ、
前記ゲームにおいて、第1のコントローラから取得される第1の操作データと第2のコントローラから取得される第2の操作データに基づいて前記評価を行わせる、請求項20に記載のゲーム処理方法。
【請求項22】
前記第1の種類のゲームには、前記手本オブジェクトに対して左右非対称となる前記ポーズが設定されたゲームである第2の種類のゲームが含まれる、請求項21に記載のゲーム処理方法。
【請求項23】
前記コンピュータに、
前記複数種類のゲームを連続で実行させる前の所定の場面において、プレイヤの左右の手のいずれを利き手とするかを設定させ、
前記第2の種類のゲームについて、設定された前記利き手に応じて、
前記手本映像の表示において、前記手本オブジェクトに、第1のポーズまたは当該第1のポーズに対して左右が反転した第2のポーズをさせ、
前記ゲームにおいて、前記評価に用いられる前記第1の操作データと前記第2の操作データを入れ替えて前記評価を行わせる、請求項22に記載のゲーム処理方法。
【請求項24】
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームに含まれる第3の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、斜め後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示させ、
前記第1の種類のゲームに含まれる第4の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面が表示される向きから、後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして前記手本映像を表示させる、請求項21に記載のゲーム処理方法。
【請求項25】
前記第3の種類のゲームは、前記手本オブジェクトの前方に前記左右の手が位置する前記ポーズが設定されたゲームである、請求項24に記載のゲーム処理方法。
【請求項26】
前記コンピュータに、
前記手本オブジェクトに対して左右対称となる前記ポーズが設定されたゲームであり、前記第1の種類のゲームに含まれない第5の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの正面または背面が表示される向きのままのアニメーションとして前記手本映像を表示させる、請求項21に記載のゲーム処理方法。
【請求項27】
前記コンピュータに、
仮想空間内の前記手本オブジェクトを仮想カメラに基づいて描画させることで前記手本映像を表示させ、
前記第1の種類のゲームについて、前記手本オブジェクトの前方が前記仮想カメラを向く位置関係から、前記手本オブジェクトの後方または斜め後方が前記仮想カメラを向く位置関係まで、前記手本オブジェクトまたは前記仮想カメラを回転させて前記手本映像を表示させる、請求項20から26のいずれかに記載のゲーム処理方法。
【請求項28】
前記コンピュータに、
前記第1の種類のゲームについて、前記手本映像において、前記手本オブジェクトまたは前記仮想カメラを回転させながら、前記手本オブジェクトに前記ポーズをするアニメーションを行わせ、前記手本映像を表示させる、請求項27に記載のゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーム等の情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム開始前にコントローラの持ち方を示す画像が表示されるゲームがあった(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】任天堂株式会社、”おどるメイドインワリオ”、[online]、[令和5年7月11日検索]、インターネット(URL:https://www.nintendo.co.jp/wii/rodj/soft_info/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コントローラを左右の手にそれぞれ持つ場合には、持ち方を示す画像について、左右反転させた画像(つまり、鏡に映ったように表示する画像)なのか、左右反転させた画像ではないのかをプレイヤが瞬時に判断できないことが考えられる。特に、左右非対称な構え(コントローラの持ち方)を要する場合、プレイヤがコントローラの持ち方を間違えた場合に操作ミスとなる可能性がある。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、プレイヤが向きを把握し易い持ち方画像の表示を行うことができるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
第1の構成例は、情報処理装置のコンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させるゲームプログラムであって、コンピュータに、連続で実行されるそれぞれのゲームについて、当該ゲーム開始前の待機期間中において、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトが、当該ゲームの種類に応じて予め設定されたポーズをする手本映像を表示させ、かつ、第1の種類のゲームについて、手本オブジェクトの正面が表示される向きから、背面の少なくとも一部が表示される向きまで回転するアニメーションとして手本映像を表示させ、待機期間後にゲームを開始させ、当該ゲームにおいて、プレイヤに行わせる動作を示す動作指示を少なくとも表示させるとともに、慣性センサを備えたコントローラから取得される操作データに基づいて、コントローラの動きの評価を行い、当該評価に基づいてゲームを進行させる。
【0008】
上記した第1の構成例によれば、手本オブジェクトを回転させることにより、鏡に映ったように左右反転で手本オブジェクトが表示されているのではないことが分かり易くなり、連続的にゲームを行う場合において、プレイヤがゲームの準備に間に合わなくなることを抑制できる。
【0009】
第2の構成例は、第1の構成例において、コンピュータに、待機期間において、左右の手でそれぞれコントローラを把持したプレイヤを模した手本オブジェクトによる手本映像を表示させ、ゲームにおいて、第1のコントローラから取得される第1の操作データと第2のコントローラから取得される第2の操作データに基づいて評価を行わせる。
【0010】
上記した第2の構成例によれば、両手でそれぞれコントローラを持ってゲームを行う場合において、手本オブジェクトが左右反転で表示されているのか否かについて紛らわしくなくなる。
【0011】
第3の構成例は、第2の構成例において、第1の種類のゲームには、手本オブジェクトに対して左右非対称となるポーズが設定されたゲームである第2の種類のゲームが含まれる。
【0012】
上記した第3の構成例によれば、左右非対称な構えをするゲームでは、手本オブジェクトが左右反転で表示されているか否かが特に問題となるが、この問題を顕著に解消することができる。
【0013】
第4の構成例は、第3の構成例において、コンピュータに、複数種類のゲームを連続で実行させる前の所定の場面において、プレイヤの左右の手のいずれを利き手とするかを設定させ、第2の種類のゲームについて、設定された利き手に応じて、手本映像の表示において、手本オブジェクトに、第1のポーズまたは当該第1のポーズに対して左右が反転した第2のポーズをさせ、ゲームにおいて、評価に用いられる第1の操作データと第2の操作データを入れ替えて前記評価を行わせる。
【0014】
上記した第4の構成例によれば、 利き手を設定することによって、左右非対称な構えをするゲームにおいて、操作対象のオブジェクト等の表示を反転させてゲームを行うことができる。
【0015】
第5の構成例は、第2の構成例において、コンピュータに、第1の種類のゲームに含まれる第3の種類のゲームについて、手本オブジェクトの正面が表示される向きから、斜め後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして手本映像を表示させ、第1の種類のゲームに含まれる第4の種類のゲームについて、手本オブジェクトの正面が表示される向きから、後方部分が表示される向きまで回転するアニメーションとして手本映像を表示させる。
【0016】
第6の構成例は、第5の構成例において、第3の種類のゲームは、手本オブジェクトの前方に左右の手が位置するポーズが設定されたゲームである。
【0017】
上記した第6の構成例によれば、手本オブジェクトのコントローラを把持する手の部分が胴体に隠れることを防ぐことができる。
【0018】
第7の構成例は、第2の構成例において、コンピュータに、手本オブジェクトに対して左右対称となるポーズが設定されたゲームであり、第1の種類のゲームに含まれない第5の種類のゲームについて、手本オブジェクトの正面または背面が表示される向きのままのアニメーションとして手本映像を表示させる。
【0019】
上記した第7の構成例によれば、操作対象のオブジェクトが左右対称である一部のゲームについては左右反転の有無が問題にならないので、手本オブジェクトが正面のまま又は背面のまま表示されるアニメーションにすることができる。
【0020】
第8の構成例は、第1~7のいずれかの構成例において、コンピュータに、仮想空間内の手本オブジェクトを仮想カメラに基づいて描画させることで手本映像を表示させ、第1の種類のゲームについて、手本オブジェクトの前方が仮想カメラを向く位置関係から、手本オブジェクトの後方または斜め後方が仮想カメラを向く位置関係まで、手本オブジェクトまたは仮想カメラを回転させて手本映像を表示させる。
【0021】
第9の構成例は、第8の構成例において、コンピュータに、第1の種類のゲームについて、手本映像において、手本オブジェクトまたは仮想カメラを回転させながら、手本オブジェクトにポーズをするアニメーションを行わせ、手本映像を表示させる。
【0022】
上記した第9の構成例によれば、アニメーションを用いて手本オブジェクトがポーズを行うことで、分かり易くすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本実施形態によれば、プレイヤが向きを把握し易い持ち方画像の表示を行うことができるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図
【
図2】本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図
【
図6】本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図
【
図7】本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図
【
図8】紐が装着された左コントローラ3および右コントローラ4の一例を示す図
【
図9】コントローラを持った手本オブジェクトがポーズをする手本映像の一例を説明するための図
【
図11】コントローラを持った手本オブジェクトがポーズをする手本映像の一例を説明するための図
【
図13】コントローラを持った手本オブジェクトがポーズをする手本映像の一例を説明するための図
【
図15】コントローラを持った手本オブジェクトがポーズをする手本映像の一例を説明するための図
【
図17】DRAM85に記憶される各種データの例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、一実施形態について説明する。
【0026】
[情報処理システムのハードウェア構成]
【0027】
以下、本実施形態の一例に係る情報処理システム(ゲームシステム)について説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(
図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0028】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。
図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0029】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。
図1および
図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0030】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。
図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0031】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0032】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0033】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0034】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、
図6に示すスピーカ88)を備えている。
図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0035】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0036】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0037】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0038】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。
図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、
図4における上下方向(
図4に示すz軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0039】
左コントローラ3は、方向入力デバイスの一例である左アナログスティック(以下、左スティックと呼ぶ)32を備える。
図4に示すように、左スティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。左スティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、左スティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、左スティック32を押下する入力が可能である。
【0040】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。更に、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0041】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0042】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。
図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、
図5における上下方向(
図5に示すz軸方向)に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0043】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部として右アナログスティック(以下、右スティックと呼ぶ)52を備える。本実施形態においては、右スティック52は、左コントローラ3の左スティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。更に、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0044】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0045】
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、
図3に示す構成の他、
図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0046】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central
Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0047】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0048】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0049】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0050】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、例えばWi-Fiの規格に準拠した方式により無線LANに接続して、外部装置(他の本体装置2)とインターネット通信等を行う。また、ネットワーク通信部82は、他の本体装置2と近距離無線通信(例えば、赤外線通信)を行うこともできる。
【0051】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0052】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0053】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0054】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0055】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0056】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0057】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0058】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0059】
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、
図6で示しているため
図7では省略している。
【0060】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。
図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0061】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0062】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、左スティック32を備える。各ボタン103および左スティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0063】
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
【0064】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、左スティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0065】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103および左スティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
【0066】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0067】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0068】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、右スティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0069】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0070】
図8は、左コントローラ3および右コントローラ4に、それぞれ、プレイヤの手首を通す紐を取り付けた場合の一例を示す図である。
図8に示すように、左コントローラ3における本体装置2に装着される部分(
図1、
図4参照)には、紐取り付け部材200が装着されて固定される。紐取り付け部材200の端部には、紐202の両端が固定されている。また、紐202には、プレイヤの左手首を通す輪の部分の大きさを調整する調整部材204が到着されている。同様に、
図8に示すように、右コントローラ4における本体装置2に装着される部分(
図1、
図4参照)には、紐取り付け部材201が装着されて固定される。紐取り付け部材201の端部には、紐203の両端が固定されている。また、紐203には、プレイヤの右手首を通す輪の部分の大きさを調整する調整部材205が到着されている。プレイヤは、紐202の輪の部分に左手首を通して左コントローラ3を把持し、紐203の輪の部分に右手首を通して右コントローラ4を把持して、ゲーム等を行うことができる。
【0071】
[本実施形態で想定するゲームについて]
次に、本実施形態にかかるゲームシステム1で実行されるゲーム処理(情報処理の一例)の概要を説明する。本実施形態で想定するゲームは、複数のショートゲームを連続してプレイするゲームであり、ショートゲームをクリアすると次のショートゲームが開始されるゲームである。そして、ショートゲームのクリアに失敗するとゲームが終了し、再度ゲームを行う場合、例えばクリアに失敗したショートゲームからゲームを再開できる。
【0072】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
本ゲーム処理では、それぞれのショートゲームの開始前の待機期間に、コントローラの持ち方をプレイヤ(ユーザ)に示す手本映像を表示してから、ショートゲームが行われる。手本映像は、仮想空間(ゲーム空間)に配置された手本オブジェクトを仮想カメラで撮影した映像であり、左手に左コントローラ3を持ち右手に右コントローラ4を持ったプレイヤを模した手本オブジェクトがポーズ(手本映像が表示された後に実行されるショートゲームに応じて予め設定されたポーズ)をする映像である。そして、プレイヤは、手本映像で示されたポーズ(手本オブジェクトのポーズと同じようにコントローラを持ったポーズ)からショートゲームにおける操作を開始する。以下、手本映像およびショートゲームについて、具体的に説明する。
【0073】
図9は、望遠鏡でヒコーキを見つけるショートゲームの開始前に、コントローラの持ち方をプレイヤに示す手本映像(アニメーション;「手本映像1」という場合がある)の一例を説明するための図である。
図10は、望遠鏡でヒコーキを見つけるショートゲームの一例を説明するための図である。
【0074】
手本映像1は、
図9(1)に示すように、手本オブジェクト310が、正面を向いて(仮想カメラの方向を向いて)、右コントローラ4を示す右コントローラ画像4Cを右手で親指が上側になるように把持し、左コントローラ3を示す左コントローラ画像3Cを左手で親指が上側になるように把持し、左右の肘を約90度に曲げて左右の手が胴体よりも前方に位置する状態から開始される。そして、
図9(2)に示すように、手本オブジェクト310が左回転しながら、左右の手を前方に突き出して左右の腕を伸ばしていく。そして、
図9(3)に示すように、手本オブジェクト310が更に左回転しながら、更に左右の手を前方に突き出して左右の腕を伸ばしていきながら、右コントローラ画像4Cを持った右手を、左コントローラ画像3Cを持った左手の上の位置に移動させていく。そして、
図9(4)に示すように、手本オブジェクト310が更に左回転して右斜め後方(右斜め後方部分)を仮想カメラが映す位置まで回転して、親指が上側になるように右コントローラ画像4Cを持った右手が、親指が上側になるように左コントローラ画像3Cを持った左手の上側に重なる位置になるポーズ(左右非対称のポーズ)となって所定時間(例えば0.5秒)停止して、手本映像1のアニメーションが終了する。
【0075】
このように、手本映像1において、手本オブジェクト310が、回転しながらコントローラを持つ両手を動かして、最終的に右斜め後方から見たポーズ(斜め後方部分が表示されるポーズ)であって腕や手の状態が見えるポーズをとる。このことから、プレイヤは、手本オブジェクト310が鏡に映ったように左右反転して表示されているのではないことが直感的に分かり、又、
図10を用いて後述するショートゲームの開始時にとるべきポーズ(両手にコントローラを持った状態でとるべきポーズ)を素早く直感的に理解できる。
【0076】
手本映像1の表示が終了すると、
図10の望遠鏡でヒコーキを見つけるショートゲームが開始する。まず、
図10(1)に示すように、左右の手で望遠鏡を持った人のオブジェクトが海の方向を向いた画像が表示される。この望遠鏡を持った人のポーズは、手本映像1で示されたポーズと同一又は類似であり、向きも同一又は類似である(
図9(4)参照)。また、
図10(1)に示すように、望遠鏡の上側に動作指示「かまえろ!」が表示されて、両手にコントローラを持ったプレイヤに対して、両腕を動かして望遠鏡をかまえるように指示される。その後、
図10(2)に示すように、望遠鏡を覗いた状態を表す画像が表示され、動作指示「ヒコーキをみつけろ!」が表示される。この動作指示は、ヒコーキを見つけるようにプレイヤに望遠鏡(コントローラを持った左右の手)を動かすことを求める指示である。
【0077】
その後、プレイヤが左右の手を動かすことに応じた左右のコントローラの動きに基づいて、仮想空間において望遠鏡の向きが変わる。
図10(3)では、仮想空間内において望遠鏡の向きが変わってヒコーキの尾翼が見えている。そして、ショートゲームが開始してから所定時間(例えば10秒)内に、
図10(4)に示すように、プレイヤが左右の手を動かしてヒコーキの全体が望遠鏡で見える状態にできたら、ショートゲームクリアとなる。一方、ショートゲームが開始してから所定時間(例えば10秒)内に、ヒコーキの全体が望遠鏡で見える状態にできなかったら、ショートゲームクリアに失敗となる。
【0078】
ここで、上記では、プレイヤの右手が利き手であることがショートゲーム開始前に予め設定されている場合について説明した。右手が利き手である場合、一般的に、望遠鏡を持つ場合に利き手である右手が上側となる方が操作し易い。このことから、
図9(4)の手本オブジェクト310のポーズ(第1のポーズ)では、右手が左手の上側になっている。また、
図10(1)の望遠鏡を持った人も、右手が左手の上側になっている。
【0079】
一方、プレイヤの左手が利き手であることがショートゲーム開始前に予め設定されていた場合には、
図9の手本映像1は、左右が反転した映像となる。具体的には、
図9において、手本オブジェクト310は、右回りに回転しながら左手が右手の上側になるように移動し、最終的に左斜め後方から見たポーズ(第2のポーズ)をとる。また、
図10(1)の望遠鏡を持つ人も、左右が反転した映像となる。また、プレイヤの左手が利き手であることが予め設定されていた場合には、左コントローラ3から出力される操作データ(左操作データ)と右コントローラ4から出力される操作データ(右操作データ)とが入れ替えられて、動作判定(コントローラの動きの評価)に使用される。このようにすることで、右手が利き手の設定であっても左手が利き手の設定であっても、右操作データを望遠鏡の上側(かまえた時に目に近い側の望遠鏡の部分)に対応させ、左操作データを望遠鏡の下側(かまえた時に目から遠い側の望遠鏡の部分)に対応させて、望遠鏡の動きを制御できる。
【0080】
図11は、洗濯したシャツのシワを延ばすショートゲームの開始前に、コントローラの持ち方をプレイヤに示す手本映像(アニメーション;「手本映像2」という場合がある)の一例を説明するための図である。
図11は、洗濯したシャツのシワを延ばすショートゲームの一例を説明するための図である。
【0081】
手本映像2は、
図11(1)に示すように、
図9(1)と同じ手本オブジェクト310の状態から開始される。そして、
図11(2)に示すように、手本オブジェクト310が左回転しながら、左右の手を胴体よりも前方に突き出して左右の腕を伸ばしていく。そして、
図11(3)に示すように、手本オブジェクト310が更に左回転しながら、手の甲を上側にしながら更に左右の手を前方に突き出して左右の腕を伸ばしていく。そして、
図11(4)に示すように、手本オブジェクト310が更に左回転して右斜め後方(右斜め後方部分)を仮想カメラが映す位置まで回転して、手の甲を上側にして左右の手を前方に伸ばしたポーズ(左右対称のポーズ)となって所定時間(例えば0.5秒)停止して、手本映像2のアニメーションが終了する。
【0082】
このように、手本映像2において、手本オブジェクト310が、回転しながらコントローラを持つ両手を動かして、最終的に右斜め後方から見たポーズ(斜め後方部分が表示されるポーズ)であって腕や手の状態が見えるポーズをとる。このことから、プレイヤは、手本オブジェクト310が鏡に映ったように左右反転して表示されているのではないことが直感的に分かり、又、
図12を用いて後述するショートゲームの開始時にとるべきポーズ(両手にコントローラを持った状態でとるべきポーズ)を素早く直感的に理解できる。
【0083】
手本映像2の表示が終了すると、
図12の洗濯されたシャツのシワを延ばすショートゲームが開始する。まず、
図12(1)に示すように、沢山シワのある状態の洗濯されたシャツを、左手オブジェクト353と右手オブジェクト352で掴んだ画像が表示される。このシャツをつかんだ左手オブジェクト353と右手オブジェクト352の位置関係は、手本映像2で示されたポーズの両手の位置関係と同一又は類似である(
図11(4)参照)。また、
図12(1)に示すように、シャツの上側に動作指示「シワをのばせ!」が表示されて、両手にコントローラを持ったプレイヤに対して、両手を動かしてシャツを上下に振ってシワを延ばすように指示される。その後、
図12(2)に示すように、プレイヤが左右の手を上下に振ることに応じた左右のコントローラの動きに基づいて仮想空間で左手オブジェクト353と右手オブジェクト352を動かしてシャツを上下に振ってシワが徐々に延びていく。そして、ショートゲームが開始してから所定時間(例えば4秒程度、ゲーム進行に応じてさらに短くなってもよい)内に、
図12(3)に示すように、シャツのシワが全部延びた状態にできたら、ショートゲームクリアとなる。一方、ショートゲームが開始してから所定時間(例えば4秒程度、ゲーム進行に応じてさらに短くなってもよい)内に、シャツのシワが全部延びた状態にできなかったら、ショートゲームクリアに失敗となる。
【0084】
図13は、敵オブジェクトをひっくり返すショートゲームの開始前に、コントローラの持ち方をプレイヤに示す手本映像(アニメーション;「手本映像3」という場合がある)の一例を説明するための図である。
図14は、敵オブジェクトをひっくり返すショートゲームの一例を説明するための図である。
【0085】
手本映像3は、
図13(1)に示すように、
図9(1)と同じ手本オブジェクト310の状態から開始される。そして、
図13(2)に示すように、手本オブジェクト310が左回転しながら、左手を下げながら右手を上げていく。そして、
図13(3)に示すように、手本オブジェクト310が更に左回転しながら、更に左手を下げながら右手を上げていく。そして、
図13(4)に示すように、手本オブジェクト310が更に左回転して真後ろ(後方部分)を仮想カメラが映す位置まで回転して、右手が右耳の横の位置になり、左手が腰の横の位置になるポーズ(左右非対称のポーズ)となって所定時間(例えば0.5秒)停止して、手本映像3のアニメーションが終了する。
【0086】
このように、手本映像3において、手本オブジェクト310が、回転しながらコントローラを持つ両手を動かして、最終的に真後ろから見たポーズ(後方部分が表示されるポーズ)であって腕や手の状態が見えるポーズをとる。このことから、プレイヤは、手本オブジェクト310が鏡に映ったように左右反転して表示されているのではないことが直感的に分かり、又、
図14を用いて後述するショートゲームの開始時にとるべきポーズ(両手にコントローラを持った状態でとるべきポーズ)を素早く直感的に理解できる。
【0087】
手本映像3の表示が終了すると、
図14の敵オブジェクトをひっくり返すショートゲームが開始する。まず、
図14(1)に示すように、プレイヤが操作するプレイヤオブジェクト356の上側に配置された複数のブロック上を、敵オブジェクト355が移動している画像が表示される。プレイヤオブジェクト356のポーズは、手本映像3で示されたポーズと同一又は類似である(
図9(4)参照)。また、
図14(1)に示すように、プレイヤオブジェクト356の上側に動作指示「ひっくりかえせ!」が表示されて、両手にコントローラを持ったプレイヤに対して、ジャンプして右手を突き上げて敵オブジェクト355をひっくり返すよう指示される。
【0088】
その後、プレイヤオブジェクト356の真上に敵オブジェクト355が来るタイミングで、プレイヤがジャンプして右手を突き上げる動作に応じた左右のコントローラの動きに基づいて、プレイヤオブジェクト356がジャンプして右手を突き上げて上部のブロックを突き上げると(
図14(2))、敵オブジェクト355がひっくり返ってショートゲームクリアとなる(
図14(3))。一方、プレイヤオブジェクト356の真上に敵オブジェクト355が来るタイミングとは異なるタイミングでプレイヤがジャンプして右手を突き上げると、敵オブジェクト355はひっくり返らず、ショートゲームクリアに失敗する。
【0089】
ここで、上記では、プレイヤの右手が利き手であることがショートゲーム開始前に予め設定されていた場合について説明した。右手が利き手である場合、一般的に、ジャンプして右手を突き上げる動作をうまくできる。
【0090】
一方、プレイヤの左手が利き手であることがショートゲーム開始前に予め設定されていた場合には、
図13の手本映像3は、左右が反転した映像となる。具体的には、
図13において、手本オブジェクト310は、右回りに回転しながら左手が左耳の横に来て右手が腰に来る位置に移動し、最終的に真後ろから見たポーズをとる。
図14のプレイヤオブジェクト356は左右反転してもよいし、左右反転せずにそのままの映像であってもよい。また、プレイヤの左手が利き手であることが予め設定されていた場合には、左コントローラ3から出力される操作データと右コントローラ4から出力される操作データとが入れ替えられて、動作判定(コントローラの動きの評価)に使用される。このようにすることで、プレイヤの左手が利き手の設定の場合において、プレイヤがジャンプして左手を突き上げる動作をした場合には、プレイヤオブジェクト356がジャンプして右手を突き上げて上部のブロックを突き上げる(
図14(2)参照)。このことから、ジャンプして右手を突き上げる動作をうまくできない左手が利き手のプレイヤも、右手が利き手のプレイヤと同様に、
図14ショートゲームを楽しむことができる。なお、
図14のショートゲームにおいては、プレイヤがとるべきポーズをしている状態でプレイヤオブジェクト356が突き上げる動作をできればよいので、突き上げる方の手は、必ずしも手本映像3およびプレイヤのとるべきポーズに揃っていなくともよく、所定のグラフィックを用いる必要がある場合等には、手本映像3に関わらず予め決まった方の手を挙げるようにしてもよい。
【0091】
図15は、ロケットをかかえて抜くショートゲームの開始前に、コントローラの持ち方をプレイヤに示す手本映像(アニメーション;「手本映像4」という場合がある)の一例を説明するための図である。
図15は、ロケットをかかえて抜くショートゲームの一例を説明するための図である。
【0092】
手本映像4は、
図15(1)に示すように、
図9(1)と同じ手本オブジェクト310の状態から開始される。そして、
図15(2)に示すように、手本オブジェクト310が正面をむいたまま、左右の手の間隔を離していく。そして、
図13(3)に示すように、手本オブジェクト310が正面をむいたまま、手のひらが正面を向くようにして両腕をまっすぐに左右方向に伸ばしたポーズ(左右対称のポーズ)となって所定時間(例えば0.5秒)停止して、手本映像4のアニメーションが終了する。
【0093】
このように、手本映像4において、手本オブジェクト310が、正面(仮想カメラの方向)を向いたまま、コントローラを持つ両手を動かして、最終的に正面から見たポーズであって腕や手の状態が見えるポーズをとる。このことから、プレイヤは、
図16を用いて後述するショートゲームの開始時にとるべきポーズ(両手にコントローラを持った状態でとるべきポーズ)を素早く直感的に理解できる。ここで、
図15(3)のポーズは左右対称のポーズであり、又、後述するロケットをかかえて抜くショートゲームは左右対称に操作するゲームなので、手本オブジェクト310が鏡に映ったように左右反転して表示されているのか否かは問題にならない。このため、手本映像4では、手本オブジェクト310を回転させることによって、左右反転して表示されていないことを示す必要がないので、手本オブジェクト310は正面を向いたままポーズをとる動きをしている。
【0094】
なお、
図15では手本オブジェクト310が正面を向いたままポーズをとる構成としたが、手本オブジェクト310が背面を向いたままポーズをとる構成としてもよい。このようにしても、同様に、プレイヤは直感的にコントローラを持つポーズを理解できる。
【0095】
手本映像4の表示が終了すると、
図16のロケットをかかえて抜くショートゲームが開始する。まず、
図16(1)に示すように、プレイヤが操作するプレイヤオブジェクト359が両腕を左右に広げて、地面に刺さったロケット358に向き合っている画像が表示される。また、
図16(1)に示すように、ロケットの上側に動作指示「かかえて ぬけ!」が表示されて、両手にコントローラを持ったプレイヤに対して、左右の手(腕)でロケットを抱えてから上方向に持ち上げて抜くように指示される。その後、
図16(2)に示すように、プレイヤが左右の手(腕)で抱えるような動作に応じた左右のコントローラの動きに基づいて、仮想空間でプレイヤオブジェクト359が左右の手(腕)でロケットを抱える。そして、
図16(3)に示すように、プレイヤが左右の手(腕)を上方向に移動させる動作に応じた左右のコントローラの動きに基づいて、仮想空間でプレイヤオブジェクト359が左右の手(腕)でロケットを引き抜くと、ショートゲームクリアとなる。一方、ショートゲームが開始してから所定時間(例えば12秒)内に、ロケットを引き抜くことができなかったら、ショートゲームクリアに失敗となる。
【0096】
[本実施形態の情報処理の詳細]
次に、
図17~
図18を参照して、本実施形態の情報処理について詳細に説明する。
【0097】
[使用データについて]
本ゲーム処理において用いられる各種データに関して説明する。
図17は、ゲームシステム1のDRAM85に記憶されるデータの一例を示している。
図17示すように、DRAM85には、少なくともプログラム記憶領域301とデータ記憶領域302が設けられる。プログラム記憶領域301には、ゲームプログラム401が格納される。データ記憶領域302には、ゲーム制御用データ402、画像データ408、仮想カメラ制御用データ409、操作データ410、送信用データ411、および受信データ412等が格納される。ゲーム制御用データ402には、オブジェクトデータ403が含まれる。
【0098】
ゲームプログラム401は、本ゲーム処理を実行するためのゲームプログラムである。
【0099】
オブジェクトデータ403は、仮想空間に配置されるオブジェクトのデータであり、プレイヤオブジェクト、敵オブジェクト、アイテム、地面、ブロック等のオブジェクトのデータである。また、オブジェクトデータ403には、オブジェクトの座標(位置)、向き、姿勢、状態等のデータが含まれる。
【0100】
画像データ408は、背景やバーチャルエフェクト等の画像データである。
【0101】
仮想カメラ制御用データ409は、仮想空間に配置される仮想カメラの動きを制御するためのデータである。具体的には、仮想カメラの位置、姿勢、画角、撮像方向等を指定するデータである。
【0102】
操作データ410は、左コントローラ3および右コントローラ4に対して行われた操作の内容を示すデータである。例えば、左コントローラ3および右コントローラ4の動きや姿勢変化、各種ボタンに対する押下状態等に対する入力状態を示すデータが含まれる。当該操作データの内容は、左コントローラ3および右コントローラ4からの信号に基づき、所定の周期で更新される。
【0103】
送信用データ411は、他のゲームシステム1に送信するためのデータであり、少なくとも、送信元を特定するための情報と、操作データ410の内容を含むデータである。送信用データ411には、マルチプレイ相手の他のゲームシステム1に送信する自プレイヤキャラクタに関するデータ(座標(位置)、姿勢、状態等を示すデータ)等が含まれる。
【0104】
受信データ412は、他のゲームシステム1から受信した送信用データを、当該他のゲームシステム1毎に(つまり、送信元が)識別可能なように記憶したデータである。受信データ412には、マルチプレイ相手の他のゲームシステム1(又はサーバ)から受信した他プレイヤ系キャラクタに関するデータ(座標(位置)、姿勢、状態等を示すデータ)等が含まれる。
【0105】
その他、DRAM85には、ゲーム処理で用いられる各種のデータが必要に応じて記憶される。
【0106】
[ゲーム処理の詳細について]
次に、フローチャートを参照して、本実施形態に係るゲーム処理の詳細を説明する。
図18は、本実施形態に係るゲーム処理の詳細を示すフローチャートの一例である。
【0107】
まず、
図18に示すように、ゲーム処理がスタートすると、ステップS100において、プロセッサ81は、ゲームプログラム401等を用いて利き手入力処理を実行する。具体的には、プロセッサ81は、利き手を入力する画像(図示なし)を表示し、利き手が右手か左手かをプレイヤに入力させる。その後、処理はステップS101に移る。
【0108】
ステップS101において、プロセッサ81は、ステップS100で利き手が左手と入力されたか否かを判定する。ステップS101での判定がYESの場合、処理はステップS102に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS103に移る。
【0109】
ステップS102において、プロセッサ81は、手本映像の表示を左右反転し、左右のコントローラから取得される操作データを入れ替える設定を行う。具体的には、プロセッサ81は、
図9および
図10を用いたショートゲーム、及び、
図13および
図14を用いたショートゲームの説明で述べたように、左コントローラ3から出力される操作データと右コントローラ4から出力される操作データとを入れ替えて、後述するステップS105の処理において動作判定(コントローラの動きの評価)を行ってショートゲームを進行させる設定を行う。その後、処理は、ステップS103に移る。
【0110】
なお、ステップS100~S102の利き手を設定する処理は、上記のようにゲームを開始する際に毎回実行されるのではなく、プレイヤが任意のタイミングで所定の設定操作を行うことで実行されてもよい。
【0111】
ステップS103において、プロセッサ81は、実行するショートゲームを決定する。実行されるショートゲームの順序は、本ゲーム処理の開始時に決定される。なお、実行されるショートゲームの順序は、予め決定されていてもよい。その後、処理は、ステップS104に移る。
【0112】
ステップS104において、プロセッサ81は、ステップS103で実行が決定されたショートゲームに対応する手本映像を表示する。例えば、プロセッサ81は、
図12を用いて説明したショートゲームの実行が決定された場合には、
図11を用いて説明した手本映像2を表示する。また、例えば、プロセッサ81は、
図14を用いて説明したショートゲームの実行が決定された場合には、
図13を用いて説明した手本映像3を表示する。その後、処理は、ステップS105に移る。
【0113】
ステップS105において、プロセッサ81は、ステップS103で実行を決定したショートゲームを実行する。その後、処理は、ステップS106に移る。
【0114】
ステップS106において、プロセッサ81は、ゲーム終了条件を満たしたか否かを判定する。ゲーム終了条件は、ショートゲームのクリアに失敗したという条件である。なお、ゲーム終了条件は、これには限られず、例えば、所定回数(例えば5回)ショートゲームのクリアに失敗したという条件であってもよい。ステップS106での判定がYESの場合、ゲームが終了して処理は終了し、この判定がNOの場合、処理はステップS103に戻って次に実行されるショートゲームが決定される。
【0115】
以上に説明したように、本実施形態によれば、ショートゲームの開始前に、コントローラを持ったプレイヤを模した手本オブジェクトがポーズをするアニメーションの手本映像を表示する(
図9~
図16参照)。このことから、プレイヤは、ショートゲーム開始時のコントローラの構え方(持ち方)を直感的に理解できる。また、本実施形態によれば、手本オブジェクトが両手の状態が分かるポーズをするアニメーションの手本映像を表示する(
図9、
図11、
図13、
図15参照)。更には、手本オブジェクトの体の前側に手が位置するポーズの場合には、手本オブジェクトを斜め後方から見た表示を行うことで両手の状態が分かるようにする(
図9、
図11参照)。このことから、プレイヤは、ショートゲーム開始時のコントローラの構え方(持ち方)を正確に理解できる。また、本実施形態によれば、手本オブジェクトが回転して左右非対称のポーズをするアニメーションの手本映像を表示する(
図9、
図13参照)。このことから、左右非対称のポーズであっても、プレイヤは、手本映像が鏡に映ったように左右反転して表示されているのではないことを直感的に理解できる。
【0116】
[変形例]
なお、上記した本実施形態では、仮想空間において手本オブジェクト310が回転することで手本映像において手本オブジェクト310が回転するように見える構成とした(
図9等参照)。しかし、これには限られず、仮想空間において仮想カメラが手本オブジェクト310を中心に回り込むように回転移動することで手本映像において手本オブジェクト310が回転するように見える構成としてもよい。
【0117】
また、上記した本実施形態では、手本映像は、仮想空間を仮想カメラで撮影した3次元の映像とした(
図9等参照)。しかし、これには限られず、手本映像は、2次元の画像であってもよい。
【0118】
また、上記した本実施形態では、コントローラの慣性センサによってプレイヤの手の動きを検出した。しかし、これには限られず、例えば、正面からプレイヤを撮影して、撮影したプレイヤの画像に基づいて、プレイヤの手の動きを検出してもよい。
【0119】
また、上記した本実施形態では、コントローラから取得される操作データに基づいて、ショートゲームにおいて、成功又は失敗を判定する評価を行った。しかし、これには限られず、コントローラから取得される操作データに基づいて、ショートゲームにおいて、スコアを付ける評価を行ってもよい。
【0120】
また、上記した本実施形態においては、ゲーム処理にかかる一連の処理が単一のゲーム装置で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【0121】
以上、本実施形態および変形例について説明したが、これらの説明はあらゆる点において例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。また、本実施形態および変形例について、種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0122】
1 ゲームシステム
3、4 コントローラ
3C、4C コントローラ画像
12 ディスプレイ
81 プロセッサ
85 DRAM
310 手本オブジェクト