(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018353
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】レイアウト編集システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250130BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121970
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】593008391
【氏名又は名称】東洋ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149320
【弁理士】
【氏名又は名称】井川 浩文
(74)【代理人】
【識別番号】240000235
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人柴田・中川法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】馬 鈞
(72)【発明者】
【氏名】高木 乙彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 専門的な知識を要することなく、特定個室等の混雑状況や使用状況を表示するための表示画面のレイアウトを編集し得るシステムを提供する。
【解決手段】 表示させるべき任意の情報を表示レイアウトとして生成する表示画面生成手段103と、事前に設定される固定情報および変動情報を格納するデータベース400と、データベースから取得される情報を表示レイアウトに反映させるための取得情報処理手段500とを備える。取得情報処理手段は、基本レイアウトの任意の位置に視認可能な1以上のアイコンを生成するアイコン生成手段502と、変動情報を変換処理する変動情報反映手段504とを備える。アイコン生成手段は、固有属性を有し、表示データを保持するアイコンを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた1以上の特定エリアにおいて、一つの前記特定エリアに設置される複数の特定個室の集合体を特定個室群として、該特定エリアに配置される該特定個室または特定個室群の配置および使用状況を、該特定個室群または前記特定エリアを単位として表示させるための表示画面のレイアウトを編集するためのシステムであって、
表示させるべき単位における前記個室群または前記特定エリアにおける任意の情報を表示レイアウトとして生成する表示画面生成手段と、前記特定個室に関して事前に設定される固定情報および該特定個室に関して逐次変動する変動情報を格納するデータベースと、前記データベースから取得される情報を前記表示レイアウトに反映させるための取得情報処理手段とを備え、
前記表示レイアウトは、予め作成される基本レイアウトに対し、所望の情報を追加表示するものであり、
前記データベースに格納される変動情報は、適宜間隔で更新されるものであり、
前記取得情報処理手段は、前記基本レイアウトの任意の位置に視認可能な1以上のアイコンを生成するアイコン生成手段と、前記変動情報を該アイコン内の所定領域に表示させるための表示データに変換処理する変動情報反映手段とを備えるものであり、
前記アイコン生成手段は、前記固定情報によって個別に特定される固有属性を有し、前記所定領域に表示される前記表示データを保持するアイコンを生成するものであり、
前記表示画面生成手段によって、前記基本レイアウトの所望の位置に前記アイコンを配置することにより表示レイアウトが構築されるものであることを特徴とするレイアウト編集システム。
【請求項2】
前記データベースに格納される固定情報は、前記特定エリアの建物情報および位置情報、前記特定個室群を特定する情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の数に関する情報、ならびに、前記特定個室群に属する前記特定個室の順位に関する情報から選択される1以上の情報であり、
前記データベースに格納される変動情報は、前記特定エリアの気温その他の環境情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の占有状態に関する情報、および、前記特定個室の使用可否に関する情報の中から選択される1以上の情報である
請求項1に記載のレイアウト編集システム。
【請求項3】
前記基本レイアウトは、前記特定エリアまたは前記特定個室群における前記特定個室の配置を線図による見取図として予め作成されるものである請求項2に記載のレイアウト編集システム。
【請求項4】
前記基本レイアウトは、前記特定個室の位置ごとに、予め前記アイコンを配置するためのブランク領域が形成されるものであり、
前記取得情報処理手段は、前記基本レイアウトに表示される前記ブランク領域の位置に前記アイコンを配置することにより、該アイコンに属する表示データを該基本レイアウトと重畳的に表示させるように処理するものである請求項3に記載のレイアウト編集システム。
【請求項5】
前記特定エリアは洗面所であり、前記特定個室はトイレブースであり、前記データベースに格納される変動情報のうちの前記特定個室の使用可否に関する情報は、空き状態、使用状態、長時間使用状態、および清掃その他の非利用状態の中から選択される単一の情報である請求項2~4のいずれかに記載のレイアウト編集システム。
【請求項6】
前記アイコンは、予め用意された数種類のレイアウトの中から選択可能であり、前記取得情報処理手段は、前記固有属性ごとに1つのアイコンを生成するものである請求項5に記載のレイアウト編集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイアウト編集システムに関し、特に、特定個室の利用状況を特定エリアまたは特定個室群を単位としてレイアウト表示する際の編集システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、公共施設等に設置される洗面所のように、複数のトイレブースの使用状況を検知し、その使用状況に応じて当該洗面所の混雑状態を表示画面に表示させる装置が開発されてきた(特許文献1参照)。また、本願の出願人においても特定個室の使用状況を公開し得るシステムを開発した(特願2022-189449)。これらの技術は、予め用意された表示装置に対して、変動する使用状況を反映させるための装置であり、その表示画面のレイアウトは別途構築されることを前提としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前掲の特許文献1および本願の出願人が開発した装置は、いずれも表示装置に対する変動情報の処理に関するものであり、これらは当該情報の処理装置として開発されたものであった。しかしながら、各種の情報を処理して公開する際のレイアウト画面は、別途構築することから、専門業者に依頼する必要があり、表示装置または公開装置として使用する場合には、高額の費用を要することとなっていた。
【0005】
この種の装置は、大型ショッピングセンタや高速道路等に設置されるサービスエリアなど、多数の利用客が使用する洗面所では、表示画面も大型となり、多数の利用客が視覚的に確認し得る必要性から、専門業者による表示装置等の構築は妥当なものであるが、例えば、小規模の公衆洗面所や単一建物内の洗面所のように、利用客が比較的少数または限定的でありながら、混雑状況の公表が必要となる場合には、専門業者に高額な表示装置を製作依頼するほどの予算を有しないことがあり、専門業者によらずに表示レイアウトを構築できることが切望されていた。
【0006】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、専門的な知識を要することなく、特定個室等の混雑状況や使用状況を表示するための表示画面のレイアウトを編集し得るシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、予め定めた1以上の特定エリアにおいて、一つの前記特定エリアに設置される複数の特定個室の集合体を特定個室群として、該特定エリアに配置される該特定個室または特定個室群の配置および使用状況を、該特定個室群または前記特定エリアを単位として表示させるための表示画面のレイアウトを編集するためのシステムであって、表示させるべき単位における前記個室群または前記特定エリアにおける任意の情報を表示レイアウトとして生成する表示画面生成手段と、前記特定個室に関して事前に設定される固定情報および該特定個室に関して逐次変動する変動情報を格納するデータベースと、前記データベースから取得される情報を前記表示レイアウトに反映させるための取得情報処理手段とを備え、前記表示レイアウトは、予め作成される基本レイアウトに対し、所望の情報を追加表示するものであり、前記データベースに格納される変動情報は、適宜間隔で更新されるものであり、前記取得情報処理手段は、前記基本レイアウトの任意の位置に視認可能な1以上のアイコンを生成するアイコン生成手段と、前記変動情報を該アイコン内の所定領域に表示させるための表示データに変換処理する変動情報反映手段とを備えるものであり、前記アイコン生成手段は、前記固定情報によって個別に特定される固有属性を有し、前記所定領域に表示される前記表示データを保持するアイコンを生成するものであり、前記表示画面生成手段によって、前記基本レイアウトの所望の位置に前記アイコンを配置することにより表示レイアウトが構築されるものであることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、取得情報処理手段は、特定個室に関する固定情報と変動情報が格納されるデータベースから取得される各情報を変換し、基本レイアウト上に表示可能なアイコンを生成することにより、アイコンを基本レイアウト上の適当な位置に表示させることによって、特定個室の情報を表示させるためのレイアウト編集が可能となる。アイコンを表示させるべき位置は、予め作成される基本レイアウト上の任意な位置であるが、この基本レイアウトは、特定個室や特定エリアの形状等の簡易なものであり、比較的簡易に作成できるもので十分となる。基本レイアウトは、表示すべき特定個室群または特定エリアごとに作成されるものであり、これらの基本レイアウトに表示させるアイコンは、特定の基本レイアウトが有する属性(特定個室群などの場所情報など)と共通の属性(固有属性)を有し、かつ、個々のアイコンが示すべき変動情報(表示データ)を一体として保持するものであり、これらの情報の中から表示すべき情報が選択されてアイコンとして生成される。なお、基本レイアウトおよびアイコンにおいて、固有属性を反映するためには、例えば、ピクトグラム等の象徴的な図形を表示させることにより、表示される固定情報および変動情報を視覚的に覚知させることが可能となる。また、アイコンに表示されるべき変動情報は、データベースに格納される情報の更新に応じて適宜修正されるものであり、データベースの情報更新のタイミングおよびアイコンへの変換のタイミングを調整することにより、表示すべき情報の変化に応じた所望の頻度による変更情報の表示が可能となる。
【0009】
上記構成の発明において、前記データベースに格納される固定情報は、前記特定エリアの建物情報および位置情報、前記特定個室群を特定する情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の数に関する情報、ならびに、前記特定個室群に属する前記特定個室の順位に関する情報から選択される1以上の情報であり、前記データベースに格納される変動情報は、前記特定エリアの気温その他の環境情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の占有状態に関する情報、および、前記特定個室の使用可否に関する情報の中から選択される1以上の情報であるものとすることができる。
【0010】
上記構成によれば、複数の顧客等が集中しやすい場所の混雑状況を表示画面によって掲示するような場合に、そのレイアウトを任意な項目により、簡易に編集することができる。すなわち、固定情報は、表示させるべきアイコンの固有属性に反映することができる情報であることから、同時に複数の情報を選択することにより設置されている特定個室の詳細な固有属性を有するアイコンを生成させることができ、一方で、変動情報は、表示させるべき情報を選択すれば、アイコン内の表示領域に1以上の情報を表示させることが可能となり、表示画面によって所望の情報を提供することができる。
【0011】
上記構成の発明において、前記基本レイアウトは、前記特定エリアにおける前記特定個室の位置を見取図として予め作成されるものとすることができる。この場合、見取図としては、例えば建物内の洗面所であれば、洗面所全体の形状、出入り口の位置およびトイレブース位置などを表示すればよいことから、全体的には直線のみで表示することができ、市販のソフトウエアを使用して簡易に作成することができる。この場合、トイレや洗面ボールなどのイラストを用意し、各イラストデータを追加させるようにすれば、当該情報を含む基本レイアウトを作成することも可能となる。
【0012】
さらに、上記構成の発明において、前記基本レイアウトは、前記特定個室の位置ごとに、予め前記アイコンを配置するためのブランク領域が形成されるものであり、前記取得情報処理手段は、前記基本レイアウトに表示される前記ブランク領域の位置に前記アイコンを配置することにより、該アイコンに属する表示データを該基本レイアウトと重畳的に表示させるように処理するものとすることができる。
【0013】
上記構成によれば、基本レイアウト上に予めブランク領域を設けることにより、当該ブランク領域ごとにアイコンを移動させれば、レイアウト編集を完成させることができる。ここで、ブランク領域とは、アイコンを配置すべき場所を示すものであり、外形線のみで表示するほか、全くの空白領域を意味し、基本レイアウトとして作成されたレイアウト図を構成する線図以外の領域をブランク領域とすることもできる。「重畳的に表示させる」とは、基本レイアウト(画面ファイル等に記憶されるデータ等)と、アイコンを構成している(アイコンに属する)表示データとは、異なる内容のデータに基づくものであることから、両者を排他的に表示させるのではなく、双方を同じ表示画面上に表示させることを意味する。従って、予めブランク領域を決定しておくことにより、重畳的に表示させた際に異なるデータによる表示が重複表示されるのを防ぐことができるものとなる。なお、ブランク領域は、基本レイアウトの作成時において、ピクトグラム等の象徴的な図形のサンプルデータに含まれる構成とし、これをオプションデータとして付与するように構築してもよい。この場合、当該ピクトグラム等を適宜配置することによって、ピクトグラム等に含まれるブランク領域が必然的に形成されるものとなる。
【0014】
上記構成のうち特定個室の使用可否に関する情報を変動情報に含める構成の発明において、前記特定エリアは洗面所であり、前記特定個室はトイレブースであり、前記データベースに格納される変動情報のうちの前記特定個室の使用可否に関する情報は、空き状態、使用状態、長時間使用状態、および清掃その他の非利用状態の中から選択される単一の情報であるものとすることができる。
【0015】
上記構成によれば、多数が利用する洗面所における混雑状況を表示するための表示画面のレイアウト編集に利用することができる。特に、特定個室がトイレブースであることから、同じ特定エリア内に設置される複数のトイレブースにおける使用状況を示すための表示レイアウトを容易に編集できることとなり、公共施設に限らず、特定建物内における各階に設置されるような特定管理者の管理下にある洗面所についても、その混雑状況など掲示するための表示レイアウトの編集にも利用できることとなる。
【0016】
上記構成の発明において、前記アイコンは、予め用意された数種類のレイアウトの中から選択可能であり、前記取得情報処理手段は、前記固有属性ごとに1つのアイコンを生成するものとすることができる。
【0017】
上記構成によれば、レイアウト編集に際して生成すべきレイアウトは、予め用意されたもののなから選択することができるものとなり、その選択されたアイコンは、固有属性ごとに生成されるものとなるから、所望のアイコンを選択することにより、同じ固有属性を有する複数のアイコンが生成されることがないため、重複するアイコン表示を排除することができる。例えば、複数のトイレブースを順番に表示させる場合にあっては、トイレブースを表示するためのピクトグラム等を有するアイコンを選択することにより、当該トイレブースに設定される固有属性ごとにアイコンが生成されることから、表示画面上の異なる位置に重複した固有属性を有する複数のアイコンは生成されないため、極めて簡易にレイアウト編集を実行し得ることとなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、例えば、市販のソフトウエアを使用して簡易に基本レイアウトを作成し、特定個室の詳細な固有属性を有するアイコンを生成させ、アイコン内の表示領域に表示させるべき情報を選択することにより、レイアウトを編集し得ることから、専門的な知識を要する者でなくても感覚的にレイアウト編集ができるシステムとなり得る。そして、アイコン内の表示領域に変動情報を表示させる構成であるため、データベースに格納される変動情報が更新されれば、当該表示領域内の表示内容も変更されることとなり、特定個室等の混雑状況や使用状況を表示するための表示レイアウトを構築でき、表示画面のレイアウトを容易に編集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態の概要を示す説明図である。
【
図2】レイアウト編集後の表示画面を例示する説明図である。
【
図3】基本レイアウトの構成を例示する説明図である。
【
図5】データベース構築における階層例を示す説明図である。
【
図6】データベースの内容を例示する説明図である。
【
図7】他のデータベースの内容を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施形態の概要>
本発明のレイアウト編集システムに係る実施形態の概要を説明する。
図1は、本システムの概要を構成図として示したものである。本実施形態は、
図1に示すように、記憶装置、CPU、メモリおよびその他の情報処理に必要な機能を有する処理装置100を使用するものであり、編集されたレイアウト画像を表示装置200に表示させるためのレイアウトを編集するシステムである。
【0021】
処理装置100には、入出力装置として機能させるPC(パーソナルコンピュータ)300が有線または無線により接続されるものであり、このPC300を操作することにより、処理装置100の基本レイアウト作成部101によって表示画面の全体像となるべき基本レイアウトを構築し、その情報(画像データに変換された情報など)を基本レイアウト情報記憶部102に保存できるものとしている。
【0022】
また、処理装置100には、データベース400が設けられており、このデータベース400には、上記基本レイアウトの編集に使用される特定個室等の情報が格納されるものである。また、このデータベース400の情報を使用し、または変換して使用するために、当該データベース400の情報を取得して処理するための取得情報処理部(取得情報処理手段)500が設けられるものである。
【0023】
上記データベース400には、固定情報および変動情報が格納されるものであり、固定情報は、予め設定された特定個室、特定個室群または特定エリア等(以下、まとめて「特定個室等」をいう場合がある)に関する情報であり、変動情報は、上記特定個室等に設置される各種のセンサ類401によって取得される検出データが、送信モジュール402から送信されるため、受信モジュール403を介して当該検出データが入力され、データベース400に格納されるものである。この変動情報は、所定の時間的間隔を有して定期的に送信され、逐次更新されるものである。また、データベース400に格納される情報のうち、センサ類401から送信され、格納または更新される情報については、情報解析部404によって適宜解析され、特定個室等の使用状況等が判定される。データベース400は、上記判定結果についても格納されるものである。
【0024】
データベース400に格納される情報は、取得情報処理部500の情報取得部501によって読み出され、アイコン生成部(アイコン生成手段)502によってアイコンを生成する際に反映される。アイコン生成部502に対する必要な操作は、前記PC300を入力装置として使用することによって行うことができる。詳細は後述するが、生成されるべきアイコンは、表示画面に表示されるための表示データを視認可能な(文字化または図形化等に変換した)状態とするものであり、固定情報によって特定される固有属性ごとに生成され、また、このアイコンには、表示すべき変動情報を一体的に表示するための領域(所定領域)が形成され、この所定領域に変動情報を変換した表示データを反映させることによって、アイコン全体が特定の状況を表示するレイアウト要素として機能させることができるものとなる。
【0025】
アイコン生成部502によって生成されたアイコンの情報(固有属性および表示データ)は、所定領域に表示させるべき構成としてデータ化された状態(領域データ)として、領域データ記憶部503に保存され、保存される情報は、上記基本レイアウト情報記憶部102の基本レイアウトの情報とともに、表示画面生成部(表示画面生成手段)103によって表示画面データが構成されるものである。表示画面生成部103によって構成される表示画面データは、基本レイアウトに一体化させた状態で構成したものでもよいが、基本レイアウトとアイコンとを個別の情報として構成し、基本レイアウトに対してアイコンを重畳的表示させるようにしてもよい。両者を個別に構成する場合には、基本レイアウトの情報を管理する表示画面管理手段を設け、生成されたアイコンを表示させる領域(ブランク領域)の形状および大きさに関する情報と、アイコンを配置したときの位置情報とを取得しておき、基本レイアウトにアイコンを重畳的に表示するときの表示状態を管理させることが望ましい。例えば、デジタルサイネージプレーヤを使用して表示させる場合には、予めデジタルサイネージプレーヤに基本レイアウトのみを保持させておき、デジタルサイネージプレーヤの情報をデジタルサイネージ(表示装置200)に表示させたうえで、領域データを取得して重畳的に表示させる構成とすることができる。このときの基本レイアウトの情報を管理する表示画面管理手段を処理装置100に設けることにより、重畳的な表示状態を管理することができるものとなる。
【0026】
いずれの構成により表示画面データを構成させる場合においても、当該表示画面データは、そのまま表示装置200に出力して表示させてもよいが、ここでは、一時的に表示画面データ記憶部104に保存し、出力モジュール105を介して記憶データを外部に出力可能としている。
【0027】
なお、表示画面データを表示画面データ記憶部104に保存することにより、出力モジュール105に有線または無線によって接続される表示装置200において表示させることが可能となり、複数の表示装置200を接続すれば、個々の表示装置200に対して同一の表示画像を表示させることができる。従って、入出力装置として使用するPC300を接続すれば、当該PC300のモニタに表示させることも可能となり、前述の表示画面生成部103によって生成された(編集された)表示画面の状態をPC300のモニタによって確認し、基本レイアウト作成部101またはアイコン生成部502を適宜操作して、編集作業を行うことができる。
【0028】
取得情報処理部500の情報取得部501は、データベース400に格納される固定情報と変動情報を同時または個別に取得するものであり、固定情報は、アイコン生成部502において、アイコンごとに紐付けさせるための情報(固有属性)として使用され、また、変動情報は、アイコン生成部502において、アイコンに反映させるべき情報として使用される。すなわち、生成されるアイコンには、固定情報によって個別に特定される固有属性が有するものとなり、一部は領域データに含まれることもあるが、専ら非表示のデータとして属性のみが保持される。また、アイコンの表示領域を形成する所定領域には、表示データを表示すべき領域が設定されており、所定の表示データを表示させるための領域が確保されるものである。
【0029】
そして、この取得情報処理部500には、変動情報反映部(変動情報反映手段)504が設けられており、変動情報をアイコンの表示領域(所定領域)に反映させることができる。この変動情報反映部504によって変換処理されるデータは、表示データの全部または一部を構成するものであるが、前述のアイコン生成部502によって生成されるアイコンに対して直接反映されるものではなく(従って、表示データ記憶部503に保存されるデータではなく)、前述の表示画面生成部103が生成する表示画面のアイコン内(表示領域内)に表示データとして反映されるものである。アイコンには、固定情報(固有属性)が一体的に保持されていることから、固有属性ごとに異なるアイコンの表示データが反映されるものとなるのである。
【0030】
<表示画面の例示>
図2に表示画面の一例を示す。なお、
図2(a)は、特定個室群(洗面所)を単位として表示させる状態の一例であり、
図2(b)は、特定エリア(建物1棟分)を単位として表示させる状態の一例である。この例では、専らトイレブースの利用状況(混雑状況)を表示するものとして例示している。会議室や自習室等の特定個室の利用状況を表示する場合も同様に表示させることができるものである。
【0031】
特定個室群(洗面所)を単位として表示させる場合の表示画面10は、
図2(a)に示しているように、特定個室群(洗面所)が設置されている場所を示す場所表示領域11と、特定個室群に設置される特定個室(トイレブース)の配置状態を見取図として示す配置情報表示領域12と、任意情報を表示する任意情報領域13と、表示場所の環境情報を示す環境表示領域14とに区分された構成としている。この構成は、適宜変更可能であり、少なくとも場所表示領域11と配置情報表示領域12が表示される構成であれば、特定個室群(洗面所)の利用状況を利用者に視覚的に覚知させることができるものとなる。
【0032】
ここで、配置情報表示領域12には、トイレブースであることを示すトイレのピクトグラム等による図形表示12Aaとともに、「満」、「空」、「清掃」および「滞留」等の文字によって利用状況を表示させる利用状況領域12Abを一組の個別領域12Aとして構成しており、図形表示12Aaは基本レイアウトに属するものであるのに対し、利用状況領域12Abは、表示データに属するものである。この利用状況領域12Abが、アイコンによって表示されるものであり、表示データの基礎となる変動情報を変換して視認可能な状態として更新されつつ表示可能となるものである。
【0033】
また、場所表示領域11および環境情報表示領域14は、特定個室(トイレブース)が設置されている特定個室群(洗面所)の全体に共通する内容であるが、この領域11,14に表示される内容もアイコンによって表示されるものであり、個々の既述や数値については、特定個室(トイレブース)が設置されている場所に紐付けされる(固有属性が保持される)特定個室群(洗面所)の情報が選択され、表示データとして変動情報を直接または変換した状態で反映されるものとしている。
【0034】
なお、任意情報領域13は、表示画面の注釈として凡例を掲載し、また、空白部分を自由欄として任意の情報(画像や文字等による広告などを含む)を基本レイアウトとして予め作成しておくものである。自由欄には、特定のURLやQRコード(登録商標)などを記載してもよい。
【0035】
他方、特定エリア(建物)を単位として、特定個室(トイレブース)の利用状況を表示させる場合の表示画面20は、
図2(b)に示しているように、特定個室群(洗面所)が設置されている場所を示す場所表示領域21と、各階における特定個室群を表示する各階表示領域25,26,27と、固定情報を表示する固定情報領域23とに区分された構成としている。この構成についても、適宜変更可能であり、各階表示領域25~27には、表示可能であれば、見取図を表示させる構成としてもよい。
【0036】
場所表示領域21と固定情報領域23とは、特定個室群(洗面所)を単位として表示させる場合の表示画面10(
図2(a)参照)と同様に、予め基本レイアウトに属する構成(固定情報領域23)または特定個室が設置されている特定エリアの全体に共通する内容を特定個室に紐付けされる(固有属性として保持される)情報として反映される構成(場所表示領域21)となっている。
【0037】
各階表示領域25~27は、基本レイアウトに属する情報と、表示データとが混在したものであるが、「空」、「満」および「混」の表記は、利用状態(混雑状態)を視覚的に容易に覚知できるように、変動情報を変換したものであり、アイコンによって表示されるものである。そのほか、空室の数や温度等の環境情報は、当該階の特定個室設置場所(これが特定個室群となる)に共通の情報を、変動情報から変換して表示させるものとしている。
【0038】
なお、階番号や男性用・女性用を示すピクトグラム等は、変更させる情報ではないことから、基本レイアウトに属するものとしている。温度等の単位についても同様である。
【0039】
<基本レイアウトの例示>
表示画面については、上記に例示したものがあり、これを構成するための基本レイアウトの例示について説明する。
図3は、基本レイアウトの一例を示すものであり、上述の画面表示に使用する場合の例示としての基本レイアウトを示している。
【0040】
図3(a)に示すように、特定個室群(洗面所)を単位として表示させる場合の基本レイアウト30は、変動情報を表示すべき領域を除いた固定情報および見取図(特定個室の配置図)が含まれるものとなっている。ここで、変動情報が反映されるべき領域には、表示すべき外枠が基本レイアウトとして作成される場合のほか、非表示の外枠等は表示されない状態となっている。そして、これらの変動情報が反映されるべき領域がブランク領域であり、図中の一点鎖線で表示される領域である。ブランク領域は、表示画面として生成される際には非表示であるが、反映させるべき変動情報を漏れなく表示させるためには、レイアウト画面上においては視認できるものとしておくことが好ましい。
【0041】
上記のような基本レイアウト30の作成段階において、場所表示領域となるべき領域31、配置情報表示領域となるべき領域32、任意情報領域となるべき領域33、および、環境表示領域となるべき領域34が区分されるものである。個々の領域31~34には、変動情報を反映させるべき領域が存在するため、反映後の状態を考慮しつつ各領域の大きさを区切るように作成しておくものとなる。例えば、配置情報表示領域となるべき領域32には、特定個室(トイレブース)が設置される概略の位置を特定する外枠32Aを線描し、その内部にピクトグラム等の図形32Aaと、変動情報が反映されるべき場所にブランク領域32Abを指定するのである。
【0042】
このように、予め個々の領域31~34とブランク領域を指定しておくことにより、アイコン作成後に、所定のアイコンを配置することで、変動情報を指定場所に反映させることが可能となるのである。
【0043】
他方、特定エリア(建物)を単位として、特定個室(トイレブース)の利用状況を表示させる場合の基本レイアウト40は、
図3(b)に示しているように、基本的には特定個室群を単位とする場合と同様であり、変動情報を表示すべき領域を除いた固定情報によって構成されるものである。この場合においても個々の領域41,43,45~47を区分させておくこととなる。ブランク領域についても、アイコンを配置すべき場所に指定しておくことにより、アイコンの配置を簡便にすることができる。
【0044】
<アイコンの例示>
図4にアイコンの例示を示す。ここで示すアイコン1およびアイコン2は、
図3に示した基本レイアウトを使用して、
図2に示す表示画面とする場合に使用されるアイコンを例示したものである。従って、特定個室はトイレブースであり、特定個室群は洗面所(お手洗い)を示している。なお、アイコンの構成は、任意に作成することも可能であるが、予め複数のモデルから選択可能としてもよい。
【0045】
図4(a)に示すアイコン1は、特定個室群に属する1個の特定個室の状況を示すためのものである。アイコン1そのものは、矩形の枠の中に大きい文字表示により、「空」や「満」などを表示できる領域(表示領域)が形成された構成となっている。このときの表示に態様については、視覚的覚知を向上させるために色彩的な変更情報を与え、色分けした状態としてよく、文字情報と色彩情報を同時に与える態様としてもよい。図では、色彩による情報を例示するため、網掛け表示で代替した状態を示している。
【0046】
このアイコン1には、固定情報(非表示)として、設置場所情報および特定個室群内の順位の情報が紐付けられている(固有属性を保持させている)。設置場情報とは、特定個室群の場所に関する情報であり、「○○会社 △△ビル」(特定エリア)および「1F男性用お手洗い」(特定個室群)のような情報である。また、特定個室群内の順位に関する情報とは、設置場所(特定個室群)に設置される複数の同種の特定個室(トイレブース)の中における単一の個室(トイレブース)を同定するための順位として第1~第9を示す数字「1,2,・・・9」などである。このように構成されるアイコン1は、1個の特定個室(トイレブース)ごとに各1個設けることにより、個々のアイコン1が個別の特定個室(トイレブース)の使用状況を1対1で表示させるものである。上記固定情報は、非表示とされるものであるが、基本レイアウトに設定する際の目印として使用される。
【0047】
他方、アイコン1の変動情報としては、個々の特定個室(トイレブース)に関するものとして、センサ類が検知する各種の情報(データベースに格納された情報)であり、例えば、人の検出、扉の開閉検知、時間(使用時間)検出および操作(管理者による操作による)信号検出などがある。これらの変動情報は、前述の取得情報処理部によって処理され、変動情報反映部によって変換処理されるものである。その結果、変換された情報としては、「空室」、「使用中」、「長時間使用中」または「外部メンテナンス操作」などが挙げられ、センサ類から取得される変動情報がデータベースの情報を更新し、その情報が変換処理される。さらに、これらの変換処理された情報は、さらにアイコン1に反映させるための表示データとして「空」、「満」、「滞留」または「清掃」などの簡易な表示に変換されて反映される。変換前の情報はアイコン1が有する情報であり、変換後の情報が表示データとしてアイコン1に反映されるものである。
【0048】
図4(b)に示すアイコン2は、特定個室群の全体に関する状況を示すためのものである。このアイコン2についても固定情報は紐付けされる(固有属性が保持される)ものであり、固定情報としては設置場所情報としての特定個室群の特定情報である。また、変動情報としては、センサ類からの情報に基づき、特定個室の使用数がある。具体的には、上記アイコン1の場合と同じ情報に基づくものであるが、センサ類から集約できる特定個室の総数と、使用中(空室以外の状態)となっている特定個室の数が集計された情報である。さらに、これらの情報から、使用率(使用個数/総数)についての任意の特定割合(例えば70%や80%など)を閾値として、それ以上が混雑状態、それ未満は閑散状態として、「混雑中」に変換された表示データを表示し、または変換することなく非表示とするものとしている。なお、使用率が100%の場合には「満室」と表示させる選択肢を設けてもよい。
【0049】
このように、アイコン1,2は、固定情報と変動情報とが一体的に保持されるものであるが、固定情報は固有属性として、原則的には非表示とされ、変動情報のうち表示させるべき状態に変換された反映情報を表示データとして表示させるものである。この表示データが固有属性ごとにアイコン1,2によって表示されることにより、表示画面上における視覚的な覚知を容易にするものとなっている。
【0050】
<データベースの例示>
ここで、上記アイコン1,2に属する情報および反映させる情報を格納するデータベースの一例を説明する。データベースの構築には、特定エリアを設定し、個々の特定個室が割り当てられる。そして、特定エリアに属する一群の特定個室群における個々の個室の使用状態を集約することにより、特定個室群ごとの使用状況として管理することが可能となる。この場合、所定の一群をもって管理するために、データベースには複数の階層が設けられる。
【0051】
その階層例を
図5に示す。この
図5に示される「グループ1」~「グループ4」が特定個室群を特定するための階層である。グループ1が最も大きい範囲を示し、グループ4が個別の個室を示している。一般的な管理エリアにあっては、この4グループで特定領域を特定することができる。
【0052】
各階層は、まず、上位において、「管理者」層が設けられ、システム全体の管理者を単位としている。次順位には「ユーザ」層が設けられ、具体的に使用する管理ユーザごとに区分されるようになっている。なお、システムを一社のみで管理・運営する場合は、「管理者」=「運営者」であるため、特に設定する必要はないこととなる。これらは、管理者を特定するためのものであり、直接的にはレイアウトに関係するものではないが、データベースにおいて個別に管理するための層である。
【0053】
これらの下位の層には、「グループ1」~「グループ4」の階層が設けられ、広い範囲(グループ1)から具体的な特定個室(グループ4)が限定されるまで順次限定される情報を指定できるようになっている。例えば、図示のように「グループ1」はビル名などによって特定の建物を指定し、「グループ2」では、その中の特定フロア(○階や△△フロアなど)を指定する。そして、その特定フロアの中における特定領域を「グループ3」において指定し、当該特定領域内の全ての管理される特定個室を「グループ4」で指定するのである。
【0054】
このような限定方法により、特定エリア(建物全体)は「グループ1」によって特定され、特定個室群は「グループ3」によって特定し得ることとなる。こられの特定個室群に属する個々の特定個室は、「グループ4」によって特定し、使用状況を表示させるべき特定個室(トイレブース)ごとに特定されることとなる。
【0055】
上記の階層を基準として、構築されるデータベースの内容を表に示した状態を
図6に例示する。この
図6に示されるように、データベース内には各種の情報が格納され、更新情報が反映されるものである。表中の最左欄の「テナント名」から「グループ4」までが特定個室に関する設定項目(固定情報)である。なお、「テナント名」とは、管理ユーザの名称であり、本例示では、同じ管理者名としている。また、表中の「グループ1」~「グループ4」は、上述の階層に従って設定された固定情報の内容であり、個々の個室(グループ4)が設置されている場所に関する情報が「グループ1」~「グループ3」で特定できるようになっている。
【0056】
表中の「グループ4」により個別の特定個室の場所が特定され、当該特定個室の使用の状態は「使用状況」として反映されている。この「使用状況」として蓄積される情報は、センサ類から送信される情報に基づき、情報解析部によって解析(判定)された判定結果が格納されるものである。具体的には、「空室」、「使用中」、「長時間使用中」または「メンテナンス中」の種別ごとに判定された内容が適宜更新されて格納されるものである。
【0057】
上記に示した表のうち1行に示される情報の全体を総合することによって、個々の特定個室(トイレブース)の設置場所における使用状況が確定することから、特定個室ごとに、変動情報(使用状況)が固定情報(グループ1~4)と一体的に格納させることができるものである。従って、特定個室に係るアイコン(アイコン1)は、「グループ4」についての情報を指定すれば、特定個室の使用状況が反映させることができ、特定個室群に係るアイコン(アイコン2)は、「グループ3」についての情報を指定すれば、特定個室群として共通する場所が指定される複数行の情報を総合して反映させることができる。なお、アイコンに反映させる場合には、データベース内の情報に基づいて情報の変換処理がされた状態で反映させることができるものとなる。
【0058】
また、
図7に他のデータベースの内容を表に示した状態の一例を示す。この図は、特定個室群を単位とするデータベースの内容であり、専ら、環境情報と使用率のみを特定個室群ごとにデータベース化したものである。従って、「グループ4」を排除し、「グループ3」までの固定情報に対する環境情報と、特定個室の数に対する使用数の割合を集合させたものである。
【0059】
表中の「テナント名」から「グループ3」までは、固定情報であり、「温度」から「使用状況」までが変動情報である。なお、「温度」、「湿度」および「CO2」はセンサ類から検出されるデータであり、「不快指数」および「体感」は「温度」および「湿度」から算出される情報(情報解析部による解析結果)であり、「使用可能数」は、前述の特定個室の使用状態から全数に対する空き数の割合のみが算出される情報(情報解析部による解析結果)であり、「使用状況」は、「使用可能数」の割合から算出される特定割合(70%および100%)を閾値とする「空」、「混」、「満」を区分する判定がなされた結果である。
【0060】
このようなデータベースを構築することにより、特定個室群の全体において共通する情報を1行ごとにまとめることができる。従って、「グループ3」についての情報を指定すれば、当該特定個室群に限定された共通の情報を反映させることができるものとなる。
【0061】
なお、データベースに格納すべき固定情報は、表示させるべき情報によって適宜追加変更することができるものであり、特定エリアの建物情報および位置情報、特定個室群を特定する情報、特定個室群に属する特定個室の数に関する情報、ならびに、特定個室群に属する特定個室の順位に関する情報から選択される1以上の情報とすることができる。
【0062】
また、データベースに格納すべき変動情報は、検出すべき特定個室の状況(センサ類の種類等)によって、適宜追加変更することができるものであり、特定エリアの気温その他の環境情報、特定個室群に属する特定個室の占有状態に関する情報、および、特定個室の使用可否に関する情報の中から選択される1以上の情報とすることができる。
【0063】
<レイアウトの編集手順>
レイアウト編集システムに係る本実施形態の構成は上記のとおりであるから、レイアウトを編集する場合の手順は次のとおりとなる。
【0064】
1.予め基本レイアウトを作成する。
基本レイアウトは、
図3(a)に例示されているように、特定個室(トイレブース)の配置を示す領域(配置情報表示領域となるべき領域)32を線図で作成することが中心となる。凡例などを示す領域(任意情報領域となるべき領域)33は、デフォルト画像から任意に選択する方法でもよく、自由欄に広告情報を貼り付けることで広告欄を作成してもよい。その他のピクトグラム等は予め用意された図形等を貼り付けることで完成させることができる。なお、必要に応じて、文字情報を各領域31~34に入力することができる。なお、この基本レイアウトには、ブランク領域として、データベース内の情報(変動情報)を表示させるべき位置を特定させておくことが望ましいが、ブランク領域が表示されていなくてもよい。
【0065】
2.アイコンを生成する。
固定情報または変動情報のうち、表示させたい情報を選択し、特定のアイコンを生成する。アイコンは、予め表示すべき情報ごとにデフォルトとして、表示領域の形状および固有属性を保持するものを用意することによって、デフォルト設定されたアイコンから適宜選択することにより、所定の固有属性を有する所定形状の表示領域を備えたアイコンを自動生成させることができる。本例示はデフォルト設定されたアイコンを選択することを前提としている。このとき、選択に際しては、設置場所の選択から行う。すなわち、レイアウトがどの場所に関するものであるか、または、どの特定個室群に関するものであるか、等を特定するところから始めることにより、固定情報(固有属性)が特定されたアイコンを生成するのである。
【0066】
従って、データベース1(
図6)内に区分されている「グループ1」を表示させ、その中から特定の建物を選択し、次に「グループ2」を表示させ、階数を選択し、続けて「グループ3」を表示させ、その中から特定個室の属する場所(特定個室群)を選択することにより、レイアウトの場所が決定する。この場所の決定により、レイアウト画面が特定の場所に対するものであることが確定し、後述の特定個室に関するアイコン生成は当該場所に関するものに制限されることとなる。そして、これらの選択が完了すると、
図3(a)のブランク領域(場所表示領域となるべき領域)31に表示すべきアイコンが自動生成されるのである。生成されたアイコンは、デフォルト設定により、基本レイアウトを表示させたレイアウト画面の中央に表示されるものとし、このアイコンを所定の位置(ブランク領域)まで移動させれば、当該ブランク領域に所定のアイコンを配置することができるものとなる。なお、ここで作成されるアイコンは、設置場所に関する情報を表示するためのものであるから、表示される情報は固定情報に限定されたものとなる。
【0067】
上記に続けて、特定個室に関するアイコンを生成する場合には、データベース内で区分されている「グループ4」を表示させ、特定個室の順位を選択する。この選択により、当該順位の特定個室に紐付けされた情報を有するアイコンがデフォルト設定による形状で生成される。デフォルト設定されるアイコンは、個々の特定個室の使用状況が大きく表示されるものである。そして、生成されたアイコンは画面中央に表示されることから、このアイコンを指定した順位の特定個室を表示している領域に移動することで、当該順位の特定個室の配置されている位置における特定個室の状態を表示できることとなる。ここで生成されるアイコンは、上述(
図2)のように、特定個室の使用状況が反映されるものであり、専ら変動情報が表示されるものとなる。上記の操作を、特定個室の数だけ繰り返すことにより、全ての特定個室に係るアイコンの生成が完了する。
【0068】
なお、特定エリアごとの使用状況を表示する基本レイアウトに、使用状況を表示させるアイコンを生成する場合には、「グループ3」を表示させ、特定個室群を選択することによるものとなる。この場合においても「グループ3」の項目を選択した場合のアイコンがデフォルト設定により自動生成され、特定個室群に紐付けされた情報が表示される。このときのアイコンは、選択した特定個室群の使用状況が大きく表示され、また使用可能数なども表示されるものであり、いずれか一方または双方を選択することにより、表示情報を調整することができるものである。この場合においても、表示させるべき特定個室群が複数あれば、その数だけ同様の操作を繰り返すこととなる。
【0069】
3.その他の情報を追加する。
特定個室群に共通する情報を表示させるためのアイコンを作成することにより、上記以外の情報を追加表示させることができる。例えば、データベース2(
図7)内に区分されている「グループ3」を選択すれば、レイアウトの対象となっている特定個室群に共通する情報を選択することができるものとなり、「温度」、「湿度」および「CO
2」などの計測値を表示させることも、または評価情報である「使用状況」を表示させることもできる。このような表示は、特定個室群を対象とするレイアウト(
図2(a))の場合は、画面に共通する情報として表示させるものであるほかに、特定エリアを対象とするレイアウト(
図2(b))を編集する際には、特定個室の表示を削除して、各特定個室群における情報を表示させる場合として利用できる。
【0070】
編集完了後のレイアウト
編集されたレイアウトの表示画面は、
図2において示したように、基本レイアウトにアイコンが重畳的に表示される状態となり、基本レイアウトそのものは変化することなく固定的に表示される。また、「グループ3」または「グループ4」を単位として変動する情報(変動情報)が、データベース内に更新され、その更新データに基づいてアイコンの表記が適宜変更することとなることから、編集後のレイアウトの表示によって、特定エリアまたは特定個室群における特定個室の利用状況を反映させ得る表示画面を構築し得る。
【0071】
<まとめ>
本発明の実施の形態は上記のとおりであるから、簡易な基本レイアウトを作成し、この基本レイアウトに対して一体的または重畳的に表示できるアイコンを生成し、当該アイコンを基本レイアウトの所定の領域に反映させることにより、所望の表示レイアウトに編集することが可能となる。この基本レイアウトは、市販のソフトウエアを使用すれば、簡易に作成することができ、予めデフォルト設定されたアイコンを選択することによって自動生成させる場合には、専門的な知識を要する者でなくても感覚的にレイアウト編集ができるものとなる。
【0072】
なお、上記の実施形態は、本発明の一例であり、本発明が上記の実施形態に限定される趣旨ではない。従って、上述の実施形態に他の要素を追加し、または変更するものであってもよい。例えば、実施形態は、特定個室群として洗面所を例示し、特定個室をトイレブースとして説明したが、これらは、特定個室を会議室とし、特定個室群を会議フロアとすることも可能である。
【0073】
また、実施形態として例示した内容は、比較的少数の特定個室を表示させるものとしているが、大型のショッピングセンタやサービスエリア等の大型施設における多数の特定個室(トイレブース)の混雑状況を表示させるレイアウトにおいても同様に利用可能である。これらは、大型の表示装置によってレイアウト表示する場合のほか、スマートフォン等によるレイアウト表示を同時に行う場合があり、複数の表示装置に同一のレイアウトを表示させる場合には極めて好適なものとなる。
【符号の説明】
【0074】
1 アイコン1
2 アイコン2
10 表示画面(特定個室群を単位として表示させる場合)
11 場所表示領域
12 配置情報表示領域
12A 一組の個別領域
12Aa 図形表示
12Ab 利用状況領域
13 任意情報領域
14 環境表示領域
20 表示画面(特定エリアを単位として表示させる場合)
21 場所表示領域
23 固定情報領域
25,26,27 各階表示領域
30 基本レイアウト(特定個室群を単位として表示させる場合)
31 場所表示領域となるべき領域
32 配置情報表示領域となるべき領域
32A 外枠
32Aa 図形
32Ab ブランク領域
33 任意情報領域となるべき領域
34 環境表示領域となるべき領域
40 基本レイアウト(特定エリアを単位として表示させる場合)
41 場所表示領域となるべき領域
43 固定情報領域となるべき領域
45,46,47 各階表示領域となるべき領域
100 処理装置
101 基本レイアウト作成部
102 基本レイアウト情報記憶部
103 表示画面生成部(表示画面生成手段)
104 表示画面データ記憶部
105 出力モジュール
200 表示装置
300 PC(パーソナルコンピュータ)
400 データベース
401 センサ類
402 送信モジュール
403 受信モジュール
404 情報解析部
500 取得情報処理部(取得情報処理手段)
501 情報取得部
502 アイコン生成部(アイコン生成手段)
503 領域データ記憶部
504 変動情報反映部(変動情報反映手段)