(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018354
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】レイアウト表示システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20250130BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250130BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121971
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】593008391
【氏名又は名称】東洋ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149320
【弁理士】
【氏名又は名称】井川 浩文
(74)【代理人】
【識別番号】240000235
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人柴田・中川法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】馬 鈞
(72)【発明者】
【氏名】高木 乙彦
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA28
5E555AA58
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC14
5E555CB73
5E555CC22
5E555DB18
5E555DB53
5E555DC30
5E555DD03
5E555EA09
5E555FA00
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 汎用性のある表示装置に表示でき、また携帯端末により閲覧可能なレイアウト表示システムを提供する。
【解決手段】 所望の特定個室群または特定エリアを単位とするレイアウトを保存する保存手段(レイアウト情報記憶部)104と、特定個室に関して事前に設定される固定情報および該特定個室に関して逐次変動する変動情報を格納するデータベース400と、データベースから取得される情報をレイアウトに反映させる取得情報反映手段(取得情報反映部)504とを備える。取得情報反映手段は、データベースに格納される固定情報によって個別に特定される固有属性ごとに、データベースに格納される変動情報の更新内容を表示手段(表示装置または携帯端末)200によるレイアウトに反映可能に加工するするものであり、保存手段は、取得情報反映手段により反映される更新内容とともに、所定の形式によって表示可能なレイアウト情報として保存する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた1以上の特定エリアにおいて、一つの前記特定エリアに設置される複数の特定個室の集合体を特定個室群として、該特定エリアに配置される該特定個室または特定個室群の配置および使用状況を、該特定個室群または前記特定エリアを単位としてレイアウト表示させるためのレイアウト表示システムであって、
所望の前記特定個室群または前記特定エリアを単位とするレイアウトを保存する保存手段と、前記特定個室に関して事前に設定される固定情報および該特定個室に関して逐次変動する変動情報を格納するデータベースと、前記データベースから取得される情報を前記レイアウトに反映させる取得情報反映手段とを備え、
前記取得情報反映手段は、前記データベースに格納される前記固定情報によって個別に特定される固有属性ごとに、前記データベースに格納される前記変動情報の更新内容を前記表示手段によるレイアウトに反映可能に加工するものであり、
前記保存手段は、前記取得情報反映手段により反映される更新内容とともに、所定の形式によって表示可能なレイアウト情報として保存するものであることを特徴とするレイアウト表示システム。
【請求項2】
前記データベースに格納される固定情報は、前記特定エリアの建物情報および位置情報、前記特定個室群を特定する情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の数に関する情報、ならびに、前記特定個室群に属する前記特定個室の順位に関する情報から選択される1以上の情報であり、
前記データベースに格納される変動情報は、前記特定エリアの気温その他の環境情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の占有状態に関する情報、および、前記特定個室の使用可否に関する情報の中から選択される1以上の情報である
請求項1に記載のレイアウト表示システム。
【請求項3】
前記レイアウト情報は、前記特定個室群または前記特定エリアを単位として、特定個室の設置場所の配置を図示する基本レイアウトと、前記基本レイアウトに反映させるべき前記更新内容とを重畳させたものである請求項2に記載のレイアウト表示システム。
【請求項4】
前記レイアウト情報は、ブラウザによって表示された状態でサーバに保存されており、前記サーバに接続するクライアントサーバは、ブラウザによって表示されたレイアウトを閲覧可能としている請求項1~3のいずれかに記載のレイアウト表示システム。
【請求項5】
前記特定エリアは洗面所であり、前記特定個室はトイレブースである請求項4に記載のレイアウト表示システム。
【請求項6】
前記レイアウト情報は、特定のアプリケーションソフトによって表示可能な情報としてサーバに保存されており、前記サーバに接続するクライアントサーバは、前記サーバからリアルタイムに前記レイアウト情報を取得しつつ、前記特定のアプリケーションソフトによってレイアウト表示するものである請求項1~3のいずれかに記載のレイアウト表示システム。
【請求項7】
前記特定エリアは洗面所であり、前記特定個室はトイレブースである請求項6に記載のレイアウト表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイアウト表示システムに関し、特に、特定個室の利用状況を特定エリアまたは特定個室群を単位としてレイアウト表示する際の表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、公共施設等に設置される洗面所のように、複数のトイレブースの使用状況を検知し、その使用状況に応じて当該洗面所の混雑状態を表示画面に表示させる装置が開発されてきた(特許文献1参照)。また、本願の出願人においても特定個室の使用状況を公開し得るシステムを開発した(特願2022-189449)。これらの技術は、予め用意された表示装置に対して、変動する使用状況を反映させるための装置であり、その表示装置は特別に構築されたものが使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前掲の特許文献1および本願の出願人が開発した装置は、いずれも表示装置に対する変動情報の処理に関するものであり、これらは当該情報の処理装置として開発されたものであった。しかしながら、各種の情報を処理して公開する際のレイアウト画面は、特別に構築することから、専門業者に依頼するなどにより、高額な表示装置を必要とするものであった。
【0005】
特別に構築される表示装置は、専ら大型ショッピングセンタや高速道路等に設置されるサービスエリアなど、多数の利用客が使用する洗面所に採用されており、多数の利用客が視覚的に確認し得る必要性から、専門業者による表示装置の構築は妥当なものであるが、近年では、スマートフォンやタブレット等の携帯端末での閲覧を希望するユーザも増加しており、大型の表示装置に加えて携帯端末による閲覧を可能にする必要性が生じていた。また、例えば、小規模の公衆洗面所や単一建物内の洗面所のように、利用客が比較的少数または限定的でありながら、混雑状況の公表が必要となる場合には、高額な表示装置は不向きであり、比較的簡易な方法により表示できるシステムが切望されていた。
【0006】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、汎用性のある表示装置に表示でき、また携帯端末により閲覧可能なレイアウト表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、予め定めた1以上の特定エリアにおいて、一つの前記特定エリアに設置される複数の特定個室の集合体を特定個室群として、該特定エリアに配置される該特定個室または特定個室群の配置および使用状況を、該特定個室群または前記特定エリアを単位としてレイアウト表示させるためのレイアウト表示システムであって、 所望の前記特定個室群または前記特定エリアを単位とするレイアウトを保存する保存手段と、前記特定個室に関して事前に設定される固定情報および該特定個室に関して逐次変動する変動情報を格納するデータベースと、前記データベースから取得される情報を前記レイアウトに反映させる取得情報反映手段とを備え、前記取得情報反映手段は、前記データベースに格納される前記固定情報によって個別に特定される固有属性ごとに、前記データベースに格納される前記変動情報の更新内容を前記表示手段によるレイアウトに反映可能に加工するものであり、前記保存手段は、前記取得情報反映手段により反映される更新内容とともに、所定の形式によって表示可能なレイアウト情報として保存するものであることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、データベースには固定情報と変動情報とが格納されることから、固定情報によって個別に特定される特定個室の固有属性を有する変動情報を、固有属性ごとに更新内容とすることがで、これをレイアウトに反映させることができる。すなわち、取得情報反映手段は、変動情報が固定情報に紐付けされた状態で反映可能な更新内容を生成させることとなり、データベースの情報が更新されれば、その更新された内容が特定の固定情報に紐付けされた特定の更新内容のみを変更させることができる。そして、レイアウト全体がレイアウト情報として保存されるものであるから、この保存情報を取得することにより、最新の状態を閲覧することが可能となるのである。
【0009】
上記構成の発明において、前記データベースに格納される固定情報は、前記特定エリアの建物情報および位置情報、前記特定個室群を特定する情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の数に関する情報、ならびに、前記特定個室群に属する前記特定個室の順位に関する情報から選択される1以上の情報であり、前記データベースに格納される変動情報は、前記特定エリアの気温その他の環境情報、前記特定個室群に属する前記特定個室の占有状態に関する情報、および、前記特定個室の使用可否に関する情報の中から選択される1以上の情報であるものとすることができる。
【0010】
上記構成によれば、複数の顧客等が集中しやすい場所の混雑状況を表示するような場合に、顧客の要求が予測できる項目を選択することにより、必要な情報を表示させることができる。すなわち、固定情報は、表示させるべき固有属性として使用されることから、詳細な情報から広範な情報まで適宜選択することができ、一方で、変動情報は、刻々と変化する情報であることから、固定情報によって特定される固有属性における1以上の情報を表示させることが可能となり、表示画面を通じて顧客が所望する情報を選択的に表示することができる。
【0011】
上記構成の発明において、前記レイアウト情報は、前記特定個室群または前記特定エリアを単位として、特定個室の設置場所の配置を図示する基本レイアウトと、前記基本レイアウトに反映させるべき前記更新内容とを重畳させたものとすることができる。
【0012】
上記構成によれば、表示されるレイアウトは、変更されることのない基本レイアウトと、適宜更新される更新内容(反映される情報)との二種類が重畳的に表示されるものであるから、レイアウト表示の変更部分を限定的なものとすることができる。ここで、更新内容となるべき変動情報は、固定情報に紐付けされた状態(固有属性が保持された状態)であることから、更新される変動情報は、固定情報によって特定され、反映すべき情報のみがレイアウト表示上に反映されることとなる。
【0013】
ここで、上記各構成の発明において、前記レイアウト情報は、ブラウザによって表示された状態でサーバに保存されており、前記サーバに接続するクライアントサーバは、ブラウザによって表示されたレイアウトを閲覧可能とする構成とすることができる。
【0014】
上記構成によれば、レイアウト情報をサーバに保存し、その保存される情報がブラウザによって表示された状態とされることから、例えば、携帯端末をクライアントサーバとして使用する際に、携帯端末のブラウザを利用する必要がない。この場合、サーバ上では一種の画像として表示させることができ、携帯端末から直接的に当該画像を閲覧することにより端末画面に表示させることができるものとなる。これにより、使用する携帯端末が異なる場合であっても同様の画像を閲覧することができ、また、特定のURLを付与することにより、インターネット回線を経由して直接当該URLに接続すればよいものとなる。
【0015】
また、同様に上記各項性の発明において、前記レイアウト情報は、特定のアプリケーションソフトによって表示可能な情報としてサーバに保存されており、前記サーバに接続するクライアントサーバは、前記サーバからリアルタイムに前記レイアウト情報を取得しつつ、前記特定のアプリケーションソフトによってレイアウト表示するものとすることができる。
【0016】
上記構成の場合には、ブラウザを有しない表示装置においてレイアウト表示させることも可能となる。すなわち、特定のアプリケーションソフトにより表示されるものとしていることから、そもそもブラウザが利用できる環境でなくても利用できることとなる。サーバの情報はインターネット回線を使用する場合においても、Webサイトを閲覧するものではないことから、ブラウザを使用せずに表示させることが可能となる。
【0017】
なお、上記に示す発明において、前記特定エリアが洗面所であり、前記特定個室がトイレブースであるときは、多数の顧客が利用する洗面所の混雑状況を表示させるために利用することができるものとなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、保存手段に保存されるレイアウト情報を取得することにより、そのレイアウト情報を表示させることが可能となることから、汎用される表示装置を用いて表示させることができる。この場合、特定のアプリケーションソフトによって表示可能とすることとなり、特定のアプリケーションソフトが汎用されるものであれば、当該アプリケーションソフトを別途製作する必要もなく簡易に表示させることができる。
【0019】
また、保存手段に保存されるレイアウト情報が、一種の画像化された表示画面の情報である場合には、携帯端末によりブラウザを使用せずに閲覧可能となる。この場合、保存手段に保存されるレイアウト情報が、すでにブラウザによって表示させた状態とするものであるが、当該レイアウト情報には、変動情報が適宜更新されることとなるから、閲覧する一種の画像として情報も更新されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態の概要を示す説明図である。
【
図2】データベース構築における階層例を示す説明図である。
【
図3】データベースの内容を例示する説明図である。
【
図4】他のデータベースの内容を例示する説明図である。
【
図5】レイアウト編集後の表示画面を例示する説明図である。
【
図6】基本レイアウトの構成を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施形態の概要>
本発明のレイアウト表示システムに係る実施形態の概要を説明する。
図1は、本システムの概要を構成図として示したものである。本実施形態は、
図1に示すように、記憶装置、CPU、メモリおよびその他の情報処理に必要な機能を有するサーバ(処理装置)100を使用するものであり、レイアウト情報を表示手段(表示装置または携帯端末装置等)200に出力するためのレイアウト表示システムである。
【0022】
サーバ(処理装置)100には、入出力装置として機能させるPC(パーソナルコンピュータ)300が有線または無線により接続されるものであり、このPC300を操作することにより、サーバ(処理装置)100の基本レイアウト作成部101によって表示画面の全体像となるべき基本レイアウトを構築し、その情報(画像データに変換された情報など)を基本レイアウト情報記憶部102に保存できるものとしている。
【0023】
また、サーバ(処理装置)100には、データベース400が設けられており、このデータベース400には、上記基本レイアウトの編集に使用される特定個室等の情報が格納されるものである。また、このデータベース400の情報を使用し、または変換して使用するために、当該データベース400の情報を取得して処理するための取得情報処理部500が設けられるものである。
【0024】
さらに、サーバ(処理装置)100には、レイアウト情報生成部103が設けられており、上記基本レイアウト記憶部102に保存される基本レイアウトと、取得情報処理部500によって処理された取得情報とに基づいて、レイアウト表示のためのレイアウト情報を生成させることができる。また、このレイアウト情報生成部103で生成されたレイアウト情報は、レイアウト情報記憶部(保存手段)104に保存され、出力モジュール(ゲートウエイ等)105を介して外部に出力可能となっている。なお、図示のサーバ100は単一によって構成したものを例示しているが、データベース400を格納するものと、レイアウトに関する情報を記憶する記憶部102,104を格納するものとを、異なるサーバによって構築するものとする構成でもよい。また、表示手段200は、インターネット回線等のネットワークを介して、適宜サーバ100に接続可能となっており、レイアウト情報記憶部104に保存されるレイアウト情報を取得可能となるものである。この場合、固定型の表示装置(例えば、デジタルサイネージなど)のほかに、携帯端末装置(例えば、タブレット端末やスマートフォンなど)を使用して、複数の表示手段によって適宜かつ同時にレイアウト情報を取得することを可能としている。また、表示装置200がデジタルサイネージである場合には、予めデジタルサイネージプレーヤに基本レイアウトのみを保持させておき、その情報をデジタルサイネージ(表示装置200)に表示させたうえで、データベース400から取得した情報のみ(後述のアイコン等)をレイアウト情報記憶部104から取得して重畳的に表示させる構成としてもよい。
【0025】
上記データベース400には、固定情報および変動情報が格納されるものであり、固定情報は、予め設定された特定個室、特定個室群または特定エリア等(以下、まとめて「特定個室等」をいう場合がある)に関する情報であり、変動情報は、上記特定個室等に設置される各種のセンサ類401によって取得される検出データが、送信モジュール402から送信されるため、受信モジュール403を介して当該検出データが入力され、データベース400に格納されるものである。この変動情報は、所定の時間的間隔を有して定期的に送信され、逐次更新されるものである。また、データベース400に格納される情報のうち、センサ類401から送信され、格納または更新される情報については、情報解析部404によって適宜解析され、特定個室等の使用状況等が判定される。データベース400は、上記判定結果についても格納されるものである。
【0026】
データベース400に格納される情報は、取得情報処理部500の情報取得部501によって読み出され、取得情報反映部504によって更新内容がレイアウトに反映される。本実施形態では、反映させる方法として、レイアウト上に表示させることができるアイコン(詳細は後述する)を生成し、このアイコンによってレイアウトにデータベースに格納される情報を表示させるものとしている。すなわち、ここで使用するアイコンとは、レイアウトに重畳的に表示させるために視認可能な状態(文字化または図形化等)に変換したものを意味し、個々のアイコンには、固定情報によって特定される固有属性を保有し、当該固有属性(固定情報)に紐付けされた変動情報を変更内容としてレイアウトに反映させることができるものである。
【0027】
上記のアイコンは、アイコン生成部502によって生成され、生成されたアイコンは、アイコン情報記憶部503に保存される。レイアウト情報生成部103は、アイコン情報記憶部503に保存されるアイコン情報に基づいて、レイアウト情報を生成するものとなる。アイコン情報記憶部503に記憶されるアイコン情報の中には、具体的な変動情報を含んでおらず、変動情報を表示させるべき領域のみが設定されるものであり、取得情報反映部504が所定の領域(固有属性を保有する変動情報の表示領域)に当該固有属性に紐付けられた変動情報を反映させることにより、結果的に、更新内容がレイアウトに反映されるものとなる。なお、アイコン生成部502に対する必要な操作は、前記PC300を入力装置として使用することによって行うことができる。
【0028】
基本レイアウトに対してアイコンを重畳的に表示させる場合、アイコンには基本レイアウト上の位置を特定する情報を保有させることができる。基本レイアウトは、固定化された情報とし、その全体における特定領域にアイコンを表示させるのである。アイコンによって表示させる変動情報は、取得情報反映部504によって変換された更新内容として、情報の変更(更新)するタイミングで更新表示されるものとし、所定に位置に配置されるアイコンによって表示される内容が変更することにより、更新内容が常時反映されるものとなる。
【0029】
<データベースの例示>
ここで、基本レイアウトに重畳的に表示させるために格納されるデータベース400の情報に関する一例を説明する。データベースに格納される情報は、上述のように、各種のセンサ類401によってセンシングされる情報(変動情報)と、当該センサ類401が設置される場所等に関する情報(固定情報)に区分される。従って、データベース400の構築には、固定情報を明確にするために、特定エリアを設定し、個々の特定個室が割り当てられる。そして、特定エリアに属する一群の特定個室群における個々の個室の使用状態を集約することにより、特定個室群ごとの使用状況として管理することが可能となる。この場合、所定の一群をもって管理するために、データベースには複数の階層が設けられる。
【0030】
その階層例を
図2に示す。この
図2に示される「グループ1」~「グループ4」が特定個室群を特定するための階層である。グループ1が最も大きい範囲を示し、グループ4が個別の個室を示している。一般的な特定エリアにあっては、この4グループを指定することで特定することができる。
【0031】
各階層は、まず、上位において、「管理者」層が設けられ、システム全体の管理者を単位としている。次順位には「ユーザ」層が設けられ、具体的に使用する管理ユーザごとに区分されるようになっている。なお、システムを一社のみで管理・運営する場合は、「管理者」=「運営者」であるため、特に設定する必要はないこととなる。これらは、管理者を特定するためのものであり、直接的にはレイアウトに関係するものではないが、データベースにおいて個別に管理するための層である。
【0032】
これらの下位の層には、「グループ1」~「グループ4」の階層が設けられ、広い範囲(グループ1)から具体的な特定個室(グループ4)が限定されるまで順次限定される情報を指定できるようになっている。例えば、図示のように「グループ1」はビル名などによって特定の建物を指定し、場合によっては特定のサービスエリア名やショッピングセンタ名などを指定する。「グループ2」では、その中の特定区域として、建物の場合にはフロア(○階や△△フロアなど)を指定し、サービスエリアでは上り車線や下り車線などを指定してもよい。そして、その特定区域の中に複数の区分に分かれる場所があれば、その区別を「グループ3」において指定する。複数の区分がない場合には、それが「男子用」の洗面所か、「女子用」の洗面所かの種類を指定することとなる。洗面所でない場合(会議室等)の場合には、その名称でもよい。これにより特定個室群が特定されることとなる。上記「グループ3」までにより特定される特定個室群において、管理されるべき特定個室を「グループ4」によって指定するのである。
【0033】
このような限定方法により、特定エリア(例えば、建物全体)は「グループ1」によって特定され、特定個室群(例えば、洗面所)は「グループ3」によって特定し得ることとなる。こられの特定個室群に属する個々の特定個室(例えば、トイレブース)は、「グループ4」によって特定し、使用状況を表示させるべき特定個室(例えば、トイレブース)ごとに決定できるものとなる。
【0034】
上記の階層を基準として、構築されるデータベースの内容を表に示した状態を
図3に例示する。この
図3に示されるように、第1データベースには各種の情報が格納され、更新情報が反映されるものである。表中の最左欄の「テナント名」から「グループ4」までが特定個室に関する設定項目(固定情報)である。なお、「テナント名」とは、管理ユーザの名称であり、本例示では、同じ管理者名としている。また、表中の「グループ1」~「グループ4」は、上述の階層に従って設定された固定情報の内容であり、個々の個室(グループ4)が設置されている場所に関する情報が「グループ1」~「グループ3」で特定できるようになっている。
【0035】
各種のセンサ類401(
図1)によって検出されるセンシングデータが特定個室ごとのデータである場合には、図示のように、それぞれの特定個室(トイレブース1,トイレブース2,・・・)ごとに検出結果が更新されつつ格納される。すなわち、個室内における人の検出結果として「人検出」の有無(図は○および×で表記)、扉の開状態か閉状態かの検知結果として「扉開閉検知」の有無(図は○および×で表記)が更新される。両者が同時に検出・検知される(両者が○となる)状態において使用開始と判定され、使用時間が計測され、その結果は「使用時間検出」に分秒で更新され、外部操作(管理者による意図的な操作)によって利用停止とする信号は「操作信号」の有無として更新される。
【0036】
上述の「人検知」および「扉開閉検出」が同時に検出・検知されたことにより「使用中」であることの判定は、情報解析部404(
図1)によってなされ、上記「使用時間検出」の結果を更新させることとなり、その累積時間の評価についても情報解析部404(
図1)によってなされる。この累積時間が想定を超える場合は、「時間評価」の判定結果を「時間超過」として情報が格納されることとなる。「使用状況(判定結果)」として格納される判定は、上記のセンシングデータを総合して判定されるものである。
【0037】
すなわち、表中の「グループ4」により特定される個々の特定個室における使用の状態は「使用状況」として最終的に評価される。具体的には、「空室」、「使用中」、「時間超過使用中」または「メンテナンス中」の種別ごとに判定され、これらが、「空」、「満」、「滞留」および「清掃」として適宜更新されて格納されるものである。なお、「滞留」(時間超過使用中)とは、常識的な範囲を超えて長時間の使用であることを意味するものであり、個室内での異常事態の発生を意味するものであり、非常事態の迅速な対応を促すために特別に設けられる判定結果であって、利用者の利便性に関するものではないが、管理者に報知すべき重要事項である。
【0038】
上記に示した表のうち横一列に示される情報の全体を総合することによって、個々の特定個室(トイレブース)の設置場所における使用状況が確定することから、特定個室ごとに、変動情報(最終的な「使用状況」の結論部分)が固定情報(グループ1~4から特定される場所の情報)と一体的に格納させることができるものである。従って、特定個室に係るアイコンの生成は、「グループ4」についての情報を指定すればよく、特定個室群に係るアイコンの生成は、「グループ3」の情報が共通する特定個室群を指定すればよいものとなる。
【0039】
また、
図4に他のデータベース(第2データベース)の内容を表に示した状態の一例を示す。この図は、特定個室群を単位とするデータベースの内容であり、特定個室群に共通する(単一のセンサ類による)センシングデータ(専ら、環境情報)と、特定個室の「使用状況」(
図3)から特定個室群全体に関する情報(専ら、使用率)を特定個室群ごとにデータベースの内容とするものである。従って、「グループ4」による特定は、グループ3の内容が共通する範囲で同一内容となるため、「グループ4」の内容は簡略化しており、「グループ3」の固定情報に対する環境および使用率に関する情報をまとめた内容となっている。
【0040】
表中の「テナント名」から「グループ3」までは、固定情報であり、「温度」から「使用状況」までが変動情報である。なお、「温度」、「湿度」および「CO
2」はセンサ類から検出されるデータであり、その他は情報解析部404(
図1)によって解析(判定)された情報である。なお、「不快指数」および「体感」は、「温度」および「湿度」から算出され、「使用可能数」は、前述の特定個室の使用状態から全数に対する空き数の割合のみが算出され、「使用状況」は、「使用可能数」の割合から算出される特定割合(70%および100%)を閾値として、空き室がある(「空」)、空き室が少ない(「混」)および空き室がない(「満」)の判定がなされ、これらの結果をそれぞれ格納されるものである。
【0041】
このような第2データベースを構築することにより、特定個室群の全体において共通する情報を横一列ごとにまとめることができる。従って、この第2データベースの内容に基づき、「グループ3」の中から所望の特定個室群を指定すれば、所望の特定個室群に限定された共通の情報を反映させることができるものとなる。
【0042】
なお、上記の第1データベース(
図3)は特定個室をトイレブース、第2データベース(
図4)は特定個室群を洗面所とする場合の各例示であるが、データベースに格納すべき固定情報は、管理する(レイアウト表示させる)対象に応じて必然的に異なることから、表示させるべき内容に応じて適宜追加変更することができる。そのため、特定エリアの建物情報および位置情報、特定個室群を特定する情報、特定個室群に属する特定個室の数に関する情報、ならびに、特定個室群に属する特定個室の順位に関する情報から選択される1以上の情報とすることができる。
【0043】
また、データベースに格納すべき変動情報についても同様であり、検出すべき特定個室の状況(センサ類の種類等)に応じて、適宜追加・変更することができるものであり、特定エリアの気温その他の環境情報、特定個室群に属する特定個室の占有状態に関する情報、および、特定個室の使用可否に関する情報の中から選択される1以上の情報とすることができる。
【0044】
<レイアウト表示の例示>
図5および
図6にレイアウト表示の一例を示す。なお、
図5は、特定個室群(洗面所)を単位として表示させる状態の一例であり、
図6は、特定エリア(建物1棟分)を単位として表示させる状態の一例である。この例では、専らトイレブースの利用状況(混雑状況)を表示するものとして例示しているが、トイレブースに限定されるものではなく、例えば、会議室や自習室等の特定個室の利用状況を表示する場合も同様に表示させることができるものである。なお、
図5(a)および
図6(a)は、基本レイアウトを示し、
図5(b)および
図6(b)は、レイアウト表示(最終的なレイアウト情報に基づく表示状態)を示すものである。
【0045】
特定個室群(洗面所)を単位として特定個室(トイレブース)表示させる場合の基本レイアウト10は、
図5(a)に示しているように、大別すると、特定個室群(第1データベース内の「グループ3」に該当)が設置されている場所を示すための場所表示領域11と、特定個室群に設置される特定個室(第1データベース内の「グループ4」に該当)の配置状態を見取図として示すための配置情報表示領域12と、任意情報を表示するための任意情報領域13と、表示すべき場所(特定個室群)の環境情報(第2データベースの評価結果)を示すための環境表示領域14に区分することができる。
【0046】
それぞれの領域11~14のうち、固定情報の内容を表示すべき領域および変動情報に基づいて更新される情報が表示される領域を除く部分が、基本レイアウト10として、予め作成されるものである。本例示の場合には、トイレブースの配置状態(見取図)を表示する配置情報表示領域12と、任意情報を表示する任意情報領域13を中心に基本レイアウト10が作成されている。その他、環境表示領域14についても表示させるべき事項については予め基本レイアウト10に含めている。また、上記の作成に際しては、変動情報(更新内容)を表示させる部分が、重畳表示させるべき領域(領域のみ)として特定可能な状態(非表示としつつ目視可能な状態)作成される。これは、個々の評価の結果を後述するアイコンとして配置するときの目安とするためであり、配置場所が明確である場合は特に表示させなくてもよい。
【0047】
なお、変動情報のほかに、固定情報に属する情報のうち、レイアウト表示させるべき特定エリアまたは特定個室群の場所等の情報(グループ1~グループ3の情報)は固有属性に基づいて反映させることが可能であるため、場所表示領域11の特定エリア表示領域11Aおよび特定個室群表示領域11Bについても、領域のみを表示させるものとしている。さらに、変動情報のうち、特定個室群全体に関する変動情報(第2データベースの評価結果)は、空室率表示領域12B、混雑時警告表示領域12C、温度情報表示領域14A、湿度情報表示領域14B、不快指数等表示領域14Cおよび二酸化炭素濃度等表示領域14Dとして、領域のみを表示させるものとすることができる。これらの領域について、図では、一点鎖線によって例示している。
【0048】
また、任意情報領域13には、凡例となる表示上の注釈を事前に記載することができるほか、図中の自由欄と示されている空白部分は、敢えて設けることにより、ユーザまたは他社の広告を掲載させる領域として使用することができる。この種の任意情報は基本レイアウト10を作成する際に適宜選択すればよく、全体の配置バランスについても任意に変更すればよいものである。
【0049】
いずれにしても、上記のように、基本レイアウト10を作成することにより、表示させたい変更情報を、レイアウト上のどこの位置に配置するかを予め準備することができ、レイアウト表示の構成と全体のバランスを確認することができる。なお、この基本レイアウト10の全体構成は、上述のような各領域11~14に区分して選択可能に用意しておき、バランスのみを選択するようにしてもよい。この場合、トイレブースの配置を用にするため、例えば、トイレブースを示すピクトグラム等の図形12Aaと、変動情報を表示すべき領域12Abとを一体化したトイレブース領域12Aを事前に用意し、ユーザにおいてトイレブース領域12Aを適宜配置させるようにすることが好ましい。そのほか、ユーザが自身で作成するようにしてもよい。
【0050】
上記のように作成された基本レイアウト10を基準として、重畳的に表示させるべき内容は、後述のアイコンを基本レイアウト10に反映させることによってレイアウト表示を構成することができる。なお、アイコンとして形成するまでもなく、データベースの内容を直接反映させる場合は、当該反映させるべき情報の保存先を指定する方法によることも可能である。
【0051】
ここで、
図5(b)にレイアウト表示の一例を示す。この例示におけるレイアウト表示20は、前記の基本レイアウト10における重畳表示させる領域に所定のアイコン等を配置した状態である。具体的には、例えば、基本レイアウト10において用意されたトイレブース領域12Aの内部に形成されている領域12Abに「空」や「満」などの空き情報を表示させるアイコン22Abを配置するのである。アイコン22Abが図形22Aaとともにトイレブース領域22Aを構成し、ピクトグラム等によって視認されるトイレブースの空き情報を得ることができる状態となるのである。
【0052】
アイコン22Abを配置するときには、当該アイコンが固有属性を有しているため、選択されるアイコンの固有属性として、固定情報に属する場所の情報が紐付けされており、当該紐付けされる場所に関する情報が、基本レイアウト10の場所表示領域11(11A,11B)に表示されることとなる。これは、アイコン作成時にデータベース内の変動情報を指定する際に、固有属性を保有した状態となるためであり、換言すれば、アイコン作成のためには固有属性を保有する変動情報を指定することとなるため、アイコン作成の時点で既に場所に関する情報が特定されるようになっているのである。
【0053】
また、その他の変動情報を表示させる領域として、空室率表示領域12B、混雑時警告表示領域12C、および温度情報等の各種情報の表示領域14A~14Dについても、アイコンとして表示内容を特定したうえで、所定の位置(基本レイアウトで予定された位置)に配置すれば、適宜反映された状態となる。これらの情報についても固有属性を保有することから、固定情報(場所情報)に紐付けされて、当該指定した特定エリアの特定個室群に関する変更情報が反映されるものとなる。
【0054】
他方、特定エリア(建物)を単位として、特定個室(トイレブース)の利用状況を表示させる場合の基本レイアウト30は、
図6(a)に示すように、大別すると、場所表示領域31と、各階における特定個室群を表示する各階表示領域35,36,37と、任意情報領域33とに区分することができる。この構成についても、適宜変更可能であり、各階表示領域35~37には、表示可能であれば、見取図を表示させる構成としてもよい。また、例示のレイアウトは3階分を示すものであるが、その階数は増減することができる。
【0055】
この種の基本レイアウト30の場合には、表示させることができる面積的な都合上、および単一建物(特定エリア)を単位として表示させることを目的とする関係上、個々の特定個室群(各階)におけるトイレブースの配置を表示させないものとしている。従って、トイレブースの配置を示す見取図は作成せず、各階の混雑情報のみが表示できるような構成として作成されたものとしている。すなわち、専ら混雑状況に関する情報や環境情報などを表示させるための領域(図中一点鎖線部分)が設定されたレイアウトとして作成されるものとなる。なお、複数階を同時に表示させていることを視覚上明確にするために、各階を区分するために仕切表示(図は区切り線)を含むように作成されている。
【0056】
上記基本レイアウト30に変動情報を反映させたレイアウト表示の例示を
図6(b)に示す。この
図6(b)に示されているように、変動情報が反映される(重畳的に表示される)ことによって、各階の状況が個別に表示されるものとなる。
【0057】
ここで重要な要素は、各階表示領域45,46,47のアイコン45A,46A,47Aである。このアイコン45A,46A,47Aには、十分な空室があることを意味する「空」、空室がないことを意味する「満」、および空室の割合が極めて低くて混雑していることを意味する「混」の中から、現状に応じた状況に更新しつつ表示させるための変動情報を表示するものである。これらは予め基本レイアウト30の作成時に表示させる位置を表示領域35A,36A,37A(
図6(a)参照)として設定したところに配置されるものである。
【0058】
このアイコン45A,46A,47Aを配置するときには、前述の特定個室群を表示する場合(
図5)と同様に、当該アイコン45A,46A,47Aが固有属性を有しているため、その属性に応じた場所の情報が、基本レイアウト30の場所表示領域31に表示されることとなる。また、同様に、階数を表示すべき領域35B,36B,37Bについてもアイコン45A,46A,47Aの固有属性に合致した階数が表示されることとなる。
【0059】
さらに、その他の変動情報を表示させる領域として、空室率表示領域、および温度情報等の各種情報の表示領域についても、アイコンとして表示内容を特定したうえで、所定の位置(基本レイアウトで予定された位置)に配置すれば、個々の情報が適宜反映された状態となるものである。これらの情報についても固有属性を保有することから、所定の階ごとの固有属性に限定された所定の変更情報が反映されるものとなる。
【0060】
<アイコンの例示>
ここで、代表的なアイコンの例示を
図7に示す。
図7に示されるアイコン1,2は、
図5に示した基本レイアウト10に変動情報を反映させたレイアウト表示20を表示する場合の例示であって、特定個室はトイレブースであり、特定個室群は洗面所(お手洗い)を示している。なお、アイコンの構成は、任意に作成することも可能であるが、予め複数のモデルから選択可能としてもよい。
【0061】
図7(a)に示すアイコン1は、特定個室群に属する1個の特定個室の状況を示すためのものである。アイコン1そのものは、矩形の枠の中に大きい文字表示により、「空」や「満」などを表示する構成となっている。このときの表示に態様については、視覚的覚知を向上させるために色彩的な変更情報を与え、色分けした状態としてよく、文字情報と色彩情報を同時に与える態様としてもよい。図では、色彩による情報を例示するため、網掛け表示で代替した状態を示している。
【0062】
このアイコン1には、固定情報(非表示)として、設置場所情報および特定個室群内の順位の情報が紐付けられている(固有属性を保持させている)。設置場情報とは、特定個室群の場所に関する情報であり、「○○会社 △△ビル」(第1データベースの「テナント名」および「グループ1」で特定される特定エリア)および「1F男性用お手洗い」(第1データベースの「グループ2」および「グループ3」で特定される特定個室群)のような情報である。また、特定個室群内の順位に関する情報とは、設置場所(特定個室群)に設置される複数の同種の特定個室(トイレブース)の中における単一の個室(トイレブース)を同定するための順位(第1データベースの「グループ4」で特定されるトイレブースの1~トイレブースの任意の数)として、
図5のような場合にはトイレブース1~トイレブース9を示す数字「1,2,・・・9」などである。このように構成されるアイコン1は、1個の特定個室(トイレブース)ごとに各1個設けることにより、個々のアイコン1が個別の特定個室(トイレブース)の使用状況を1対1で表示させるものである。上記固定情報は、非表示とされるものであるが、基本レイアウトに設定する際の目印として使用される。
【0063】
他方、アイコン1の変動情報として表示させるべき情報は、個々の特定個室(トイレブース)に関するものとして、第1データベースの「使用状況(判定結果)」である。判定結果としては、「空室」、「使用中」、「長時間使用中」または「外部メンテナンス操作」などであるが、これらを意味する表示内容として「空」、「満」、「滞留」または「清掃」などの簡易な表示に変換されて反映される。
【0064】
図7(b)に示すアイコン2は、特定個室群の全体に関する状況を示すためのものである。このアイコン2についても固定情報は紐付けされる(固有属性が保持される)ものであり、固定情報としては設置場所情報としての特定個室群の特定情報である。また、変動情報としては、第2データベースに格納させれている判定結果の一種の「使用状況」である。具体的には、当初予定している特定個室の総数と、データベース(第1のデータベース)に格納されている使用中(空室以外の状態)の特定個室の数が集計された情報から閾値によって判定された情報である。なお、第2データベース内では、「空」、「満」および「混」としているが、「空」場合は非表示とし、「混」の場合は「混雑中」の文字に変換し、「満」の場合は「満室」と表示させるようにすることができる。
【0065】
このように、アイコン1,2は、固定情報と変動情報とが一体的に保持されるものであるが、固定情報は固有属性として、原則的には非表示とされ、変動情報のうち表示させるべき状態に変換された情報を更新内容として重畳的に表示させ、基本レイアウトに反映させるのである。
【0066】
<レイアウトの表示手順>
レイアウト表示システムに係る本実施形態の構成は上記のとおりであるから、レイアウトを表示させる場合の手順は次のとおりとなる。
【0067】
1.予め基本レイアウトを作成する。
基本レイアウトは、
図6(a)または
図7(a)に例示されているように、全体の構成を線図等によって作成する。なお、特定個室(トイレブース)の配置を示す領域(配置情報表示領域)12の見取図は、表示させるべき特定個室群(洗面所)における実際の特定個室(トイレブース)の数・配置に合致させるように記載する。また、凡例などを示す任意情報領域13は、デフォルト画像から任意に選択する方法でもよく、自由欄に広告情報を貼り付けることで広告欄を作成してもよい。その他のピクトグラム等は予め用意された図形等を貼り付けることで完成させることができる。必要に応じて、文字情報を各領域11~14,31,33,35~37に入力することができる。作成される基本レイアウトには、データベース内の情報(変動情報)を表示させるべき位置を特定させる目印を設けておくことが望ましい。
【0068】
2.重畳表示させる情報を貼り付ける。
固定情報または変動情報のうち、表示させたい情報を基礎レイアウトに貼り付けて、基本レイアウトに重畳的に表示させる情報を確定させることとなる。この表示させたい情報の貼り付けは、データベース内に格納される特定情報を指定することによって行うことができるが、その際、アイコンとして貼り付けることができる。アイコンは、前述のとおり、固有属性を保有しつつ特定の変動情報のみを表示させるためのものであり、変動情報に紐付けられている固有属性(固定情報)に応じた更新内容を表示させるものである。これらのアイコン(表示させたい情報)の貼り付けとは、基本レイアウト内のどの位置に配置するかを決定することを意味し、基本レイアウトの全体の構成中の配置の情報(位置情報)をアイコンに指定することにより、配置すべき位置が確定するものである。
【0069】
なお、アイコンの生成は、予め表示すべき情報ごとにデフォルトとして、表示領域の形状および固有属性を保持するものを用意することによって、デフォルト設定されたアイコンから適宜選択することにより、所定の固有属性を有する所定形状の表示領域を備えたアイコンを自動生成させることができる。本例示はデフォルト設定されたアイコンを選択することを前提としている。このとき、アイコンを選択する際には、まず、基本レイアウトの場所情報の確定から行うこととなる。すなわち、固定情報のうちの場所に関する情報を基本レイアウトに付与し、どの特定個室等に関するレイアウトであるかを特定するのである。アイコンを貼り付けるべき基本レイアウトが固定情報(固有属性)によって決定することにより、所望の場所における基本レイアウトと変動情報を重畳させることができるのである。
【0070】
従って、第1データベース1(
図3)内に区分されている「グループ1」の中から特定の建物を選択し、次に「グループ2」の中から階数を選択し、続けて「グループ3」の中から特定個室の属する場所(特定個室群)を選択することにより、レイアウト表示させるべき場所が決定することとなる。さらに、「グループ4」の中から特定個室を選択すると、当該特定個室(トイレブース)を決定することができる。上記は情報の確定方法であるが、第1データベース(
図3)の横一列を指定可能とする場合には、当該一列を指定することにより、所望の特定個室(特定のトイレブース)を一度に決定させることができる。また、特定エリアを単位とする場合は、第2データベース(
図4)の横一列を指定可能とすれば、同様に一度の所望の特定個室群を決定させることができる。
【0071】
このように、基本レイアウトに貼り付ける(重畳的に表示させる)べき所望の変動情報が決定することにより、必然的に、基本レイアウトの属性(表示対象)が確定し、無関係なアイコン等を含めることができないように制限することが可能となる。この場合、アイコン生成は当該場所に関するものに限定されることとなり、アイコンの表示形態(
図7)を決定(選択)すると、基礎レイアウトに所望のアイコンが生成される。生成されたアイコンは、デフォルト設定により、基本レイアウトの所定の位置に表示され、そのアイコンを所定の位置まで移動させれば、基本レイアウト中の位置情報がアイコン情報の一部として蓄積され、重畳表示の際の位置が確定することとなる。
【0072】
複数の特定個室にアイコンを表示させる場合には、上記に続けて、第1データベース内の「グループ4」から次順位の特定個室を選択する。この選択により、当該順位の特定個室に紐付けされた情報を有するアイコンがデフォルト設定による形状で生成される。そして、生成されたアイコンは画面中央に表示されることから、このアイコンを指定した順位の特定個室を表示している領域に移動することで、当該順位の特定個室の配置されている位置における特定個室の状態を表示できることとなる。上記の操作を、特定個室の数だけ繰り返すことにより、全ての特定個室に係るアイコンの生成が完了する。
【0073】
なお、特定エリアごとの使用状況を表示する基本レイアウトに、使用状況を表示させるアイコンを生成する場合には、「グループ3」の中から所望の特定個室群を選択することによるものとなる。この場合においても第2データベース(
図4)の横一列を指定可能としてもよい。特定個室群を指定した場合も、所望のアイコンがデフォルト設定により自動生成可能とすることができ、特定個室群に紐付けされた情報を表示させることができる。この場合においても、表示させるべき特定個室群が複数あれば、その数だけ同様の操作を繰り返すこととなる。
【0074】
3.その他の情報を追加する。
特定個室群に共通する情報を表示させるためのアイコンを作成することにより、上記以外の情報を追加表示させることができる。例えば、第2データベース(
図4)内に区分されている「グループ3」を指定する場合には、レイアウトの対象となっている特定個室群に共通する情報を選択することができるものとなり、「温度」、「湿度」および「CO
2」などの計測値を表示させることも、または評価情報である「使用状況」を表示させることもできる。このような表示は、特定個室群を対象とするレイアウト(
図5)の場合は、画面に共通する情報として表示させるものであるほかに、特定エリアを対象とするレイアウト(
図6)を対象とする場合には、各特定個室群における情報の指定に利用できる。
【0075】
4.レイアウトの保存と表示
最終的なレイアウトは、基本レイアウトとアイコン等の表示情報とが重畳的に表示される状態(
図5および
図6)により、一種の画像情報として保存される。一種の画像情報とは、固定化された画像としての情報ではなく、例えば、ブラウザがコンテンツに応じて構文解析した結果に基づいて指定されたレイアウトを表示させるような状態を示すものである。すなわち、保存される情報は、HTMLや画像などのコンテンツに応じた構文解析によりレイアウト表示される状態であり、コンテンツの情報が更新されればレイアウト中の表示も更新されるものである。また、コンテンツそのものをブラウザで取得しつつクライアント側で表示させるのではなく、表示された状態(画面に表示された映像のようなもの)として保存され、保存されるレイアウト(画面に表示された映像のようなもの)は、情報が変更されるたびに更新されるものとしている。
【0076】
従って、ユーザ(クライアント側)が保存されるレイアウト(画面に表示された映像のようなもの)を閲覧することにより、ブラウザを介さずにレイアウトをクライアントサーバに表示させることができる。この場合、当該保存場所をURLによって特定し、外部から当該URL(またはQRコード(登録商標))に接続することにより、クライアント側において閲覧可能な状態となる。閲覧する情報はレイアウトであるから、ブラウザを使用する必要がないこととなる。また、同様に、特定のアプリケーションソフトにより表示可能な情報として保存しておき、同ソフトを使用するクライアントがURLに接続することにより、保存情報を当該アプリケーションソフトによって画像化させて表示させるものとしてもよい。デジタルサイネージプレーヤに予め基本レイアウトを保持させる場合には、アイコン等の表示情報についてのみネットワーク回線を介して取得するものとしてもよい。
【0077】
いずれの場合においても、保存される情報は、固定化された画像情報とは異なり、変化があるたびに更新された情報が反映される最新情報を画像化された状態で取得できるものとなる。そして、表示させるべきレイアウトは、基本レイアウトに変動情報を重畳的に表示させた状態となるため、位置ずれや情報ずれなどが生じないものとなる。
【0078】
<まとめ>
本発明の実施の形態は上記のとおりであるから、
本発明によれば、レイアウト情報記憶部(保存手段)104に保存されるレイアウト情報(画像情報)を外部から取得し、または直接閲覧することにより、クライアント側において当該レイアウト情報を表示させることが可能となる。これにより、汎用される携帯端末その他の表示装置を用いてレイアウトを表示させることが可能となる。なお、レイアウト情報記憶部(保存手段)104に保存されるレイアウト情報が、一種の画像化された表示画面の情報を閲覧する場合には、携帯端末によりブラウザを使用せずに表示させることができる。この場合、当該レイアウト情報には、変動情報が適宜更新されることとなるから、リアルタイムに配信される一種の動画を閲覧した状態に近似するものとなる。
【0079】
なお、上記の実施形態は、本発明の一例であり、本発明が上記の実施形態に限定される趣旨ではない。従って、上述の実施形態に他の要素を追加し、または変更するものであってもよい。例えば、実施形態は、特定個室群として洗面所を例示し、特定個室をトイレブースとして説明したが、これらは、特定個室を会議室とし、特定個室群を会議フロアとすることも可能である。
【0080】
また、実施形態として例示した内容は、比較的少数の特定個室を表示させるものとしているが、大型のショッピングセンタやサービスエリア等の大型施設における多数の特定個室(トイレブース)の混雑状況を表示させるレイアウトにおいても同様に利用可能である。これらは、大型の表示装置によってレイアウト表示する場合のほか、スマートフォン等によるレイアウト表示を同時に行う場合があり、複数の表示装置に同一のレイアウトを表示させる場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 アイコン1
2 アイコン2
10 基本レイアウト(特定個室群を単位として表示させる場合)
11,21,31,41 場所表示領域
12,22 配置情報表示領域
12A,22A 一組の個別領域
12Aa,22Aa 図形表示
12Ab,22Ab 利用状況領域
13,23,33,43 任意情報領域
14,24 環境表示領域
20 レイアウト表示(特定個室群を単位として表示させる場合)
30 基本レイアウト(特定エリアを単位として表示させる場合)
35,36,37,45,46,47 各階表示領域
40 表示画面(特定エリアを単位として表示させる場合)
100 処理装置
101 基本レイアウト作成部
102 基本レイアウト情報記憶部
103 レイアウト情報生成部
104 レイアウト情報記憶部(保存手段)
105 出力モジュール
200 表示装置
300 PC(パーソナルコンピュータ)
400 データベース
401 センサ類
402 送信モジュール
403 受信モジュール
404 情報解析部
500 取得情報処理部(取得情報処理手段)
501 情報取得部
502 アイコン生成部(アイコン生成手段)
503 領域データ記憶部
504 変動情報反映部(変動情報反映手段)