(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018388
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】塗布装置
(51)【国際特許分類】
B05B 12/34 20180101AFI20250130BHJP
B05B 17/00 20060101ALI20250130BHJP
B05B 16/80 20180101ALI20250130BHJP
【FI】
B05B12/34
B05B17/00 101
B05B16/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122052
(22)【出願日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】514075714
【氏名又は名称】株式会社ウレタンメンテナンスサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(74)【代理人】
【識別番号】100228038
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠一朗
【テーマコード(参考)】
4D073
4D074
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB03
4D073CA30
4D073CB03
4D073CB16
4D073DB04
4D073DB18
4D073DB29
4D073DD04
4D074AA01
4D074BB02
4D074CC07
4D074CC55
4D074CC60
(57)【要約】
【課題】塗布装置の飛散防止カバーを折り畳めるようにすることで、運搬時や保管時に嵩張ることがない塗布装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車輪4を備えて走行可能な台車2と、台車2に設けられるスプレーガン8と、スプレーガン8の動作範囲に被せられ、スプレーガン8から吐出される塗料の飛散を防止する飛散防止カバー10と、枠組み20の形状を保持する保持部と、を備え、保持部を取り外すことで枠組みが折り畳めるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を備えて走行可能な台車と、
前記台車に設けられるスプレーガンと、
枠組みを備えて前記スプレーガンの動作範囲に被せられ、前記スプレーガンから吐出される塗料の飛散を防止する飛散防止カバーと、
前記枠組みの形状を保持する保持部と、を備え、
前記保持部を取り外すことで前記枠組みが折り畳めるように構成されることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記枠組みが、
左右方向に渡され前上部に設けられる前上部枠と、
左右方向に渡され後上部に設けられる後上部枠と、
前後方向に渡され左右上部に設けられる一対の左右上部枠と、
左右方向に渡され前下部に設けられる前下部枠と、
左右方向に渡され後下部に設けられる後下部枠と、
前後方向に渡され左右下部に設けられる一対の左右下部枠と、
上下方向に渡され前部に設けられる一対の前部支柱と、
上下方向に渡され後部に設けられる一対の後部支柱と、
前記前上部枠の端部と前記左右上部枠の前側端部と前記前部支柱の上側端部とを連結する一対の前上連結部と、
前記後上部枠の端部と前記左右上部枠の後側端部と前記後部支柱の上側端部とを連結する一対の後上連結部と、
前記前下部枠の端部と前記左右下部枠の前側端部と前記前部支柱の下側端部とを連結する一対の前下連結部と、
前記後下部枠の端部と前記左右下部枠の後側端部と前記後部支柱の下側端部とを連結する一対の後下連結部と、を備え、
前記保持部を取り外すことで前記前上連結部、前記後上連結部、前記前下連結部、及び前記後下連結部が屈曲又は伸展して前記枠組みが折り畳めるように構成される請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記保持部を取り外した状態で、平面視、側面視、又は背面視で前記枠組みの一方の対角にある2つの角が屈曲され、他方の対角にある2つの角が伸展されて畳めるように構成される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記保持部が、
前記前上部枠と前記後上部枠、又は一対の前記左右上部枠同士を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する上保持部、
前記前部支柱と前記後部支柱を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する横保持部、
前記前上部枠と前記前下部枠、前記後上部枠と前記後下部枠のうち1つ以上を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する前後保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前上部枠と前記左右上部枠、前記後上部枠と前記左右上部枠、前記前下部枠と前記左右下部枠、前記後下部枠と前記左右下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する横隅保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前部支柱と前記左右上部枠、前記前部支柱と前記左右下部枠、前記後部支柱と前記左右上部枠、前記後部支柱と前記左右下部枠のうち1つ以上、又は前記前部支柱と前記前上部枠、前記前部支柱と前記前下部枠、前記後部支柱と前記後上部枠、前記後部支柱と前記後下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する縦隅保持部、
前記枠組みの上面、側面、前面、背面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記左右上部枠と前記左右下部枠の長さ方向の中間部に折れ曲がり可能な左右屈曲部を備え、
前記保持部を取り外すことで前記左右上部枠と前記左右下部枠が水平方向に屈曲され、前記枠組みの前後方向の寸法が圧縮されて折り畳めるように構成される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記保持部が、
前記左右屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記前上部枠と前記後上部枠、又は一対の前記左右上部枠同士を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する上保持部、
前記前部支柱と前記後部支柱を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する横保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前上部枠と前記左右上部枠、前記後上部枠と前記左右上部枠、前記前下部枠と前記左右下部枠、前記後下部枠と前記左右下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する横隅保持部、
前記枠組みの上面、側面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である請求項5に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記左右屈曲部の前後に位置する屈曲端部において、前記左右上部枠と前記左右下部枠とに渡って設けられる縦中間支柱を備える請求項5又は6に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記左右上部枠と前記左右下部枠の長さ方向の中間部に折れ曲がり可能な上下屈曲部を備え、
前記保持部を取り外すことで前記左右上部枠と前記左右下部枠が上下方向に屈曲され、前記枠組みの前後方向の寸法が圧縮されて折り畳めるように構成される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記保持部が、
前記上下屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記前部支柱と前記後部支柱を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する横保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前部支柱と前記左右上部枠、前記前部支柱と前記左右下部枠、前記後部支柱と前記左右上部枠、前記後部支柱と前記左右下部枠の角度を固定して前記枠組みのうち1つ以上の形状を保持する縦隅保持部、
前記枠組みの上面、側面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である請求項8に記載の塗布装置。
【請求項10】
前記前部支柱と前記後部支柱の長さ方向の中間部に折れ曲がり可能な支柱屈曲部を備え、
前記保持部を取り外すことで前記前部支柱と前記後部支柱が左右方向に屈曲され、前記枠組みの上下方向の寸法が圧縮されて折り畳めるように構成される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項11】
前記保持部が、
前記前上部枠と前記前下部枠、前記後上部枠と前記後下部枠のうち1つ以上を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する前後保持部、
前記支柱屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前部支柱と前記前上部枠、前記前部支柱と前記前下部枠、前記後部支柱と前記後上部枠、前記後部支柱と前記後下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する縦隅保持部、
前記枠組みの側面、前面、背面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である請求項10に記載の塗布装置。
【請求項12】
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の一方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を該中間部で切り離し可能な切り離し部と、
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の他方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を、前記切り離し部が離れる方向に屈曲可能な前後屈曲部と、を備え、
前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が水平方向に伸展されるように構成され、
前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が屈曲されるように構成され、
前記切り離し部を切り離し、前記前後屈曲部を屈曲させつつ、前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を伸展させ、前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を屈曲させて前記枠組みが折り畳み可能に構成される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項13】
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の一方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を該中間部で切り離し可能な切り離し部と、
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の他方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を、前記切り離し部が離れる方向に屈曲可能な前後屈曲部と、を備え、
前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が水平方向に屈曲されるように構成され、
前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が伸展されるように構成され、
前記切り離し部を切り離し、前記前後屈曲部を屈曲させつつ、前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を屈曲させ、前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を伸展させて前記枠組みが折り畳み可能に構成される請求項2に記載の塗布装置。
【請求項14】
前記保持部が、
前記切り離し部の切り離しを規制する繋ぎ止め保持部、
前記前後屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記前上部枠と前記後上部枠、又は一対の前記左右上部枠同士を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する上保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前上部枠と前記左右上部枠、前記後上部枠と前記左右上部枠、前記前下部枠と前記左右下部枠、前記後下部枠と前記左右下部枠ののうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する横隅保持部、
前記枠組みの上面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である請求項12又は13に記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床、路面、屋根、屋上等に防水材や塗料等を塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面等を塗布する装置として、例えば特開2004-202354号公報に開示されている防水施工ロボットがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている防水施工ロボットでは、装置が大型かするにつれ塗料の飛散防止カバーも大きくなる。このため、運搬時にトラックの荷台のかなりの部分を占めることになる。また、倉庫等に保管するときも大きな面積を必要とする。仮に飛散防止カバーを取外しても、取外したそのままの形状で運搬や保管をする必要があり同様の課題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、塗布装置の飛散防止カバーを折り畳めるようにすることで、運搬時や保管時に嵩張ることがない塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の塗布装置は、
車輪を備えて走行可能な台車と、
前記台車に設けられるスプレーガンと、
枠組みを備えて前記スプレーガンの動作範囲に被せられ、前記スプレーガンから吐出される塗料の飛散を防止する飛散防止カバーと、
前記枠組みの形状を保持する保持部と、を備え、
前記保持部を取り外すことで前記枠組みが折り畳めるように構成されることを特徴とする。
【0007】
本発明の塗布装置の好ましい例は、
前記枠組みが、
左右方向に渡され前上部に設けられる前上部枠と、
左右方向に渡され後上部に設けられる後上部枠と、
前後方向に渡され左右上部に設けられる一対の左右上部枠と、
左右方向に渡され前下部に設けられる前下部枠と、
左右方向に渡され後下部に設けられる後下部枠と、
前後方向に渡され左右下部に設けられる一対の左右下部枠と、
上下方向に渡され前部に設けられる一対の前部支柱と、
上下方向に渡され後部に設けられる一対の後部支柱と、
前記前上部枠の端部と前記左右上部枠の前側端部と前記前部支柱の上側端部とを連結する一対の前上連結部と、
前記後上部枠の端部と前記左右上部枠の後側端部と前記後部支柱の上側端部とを連結する一対の後上連結部と、
前記前下部枠の端部と前記左右下部枠の前側端部と前記前部支柱の下側端部とを連結する一対の前下連結部と、
前記後下部枠の端部と前記左右下部枠の後側端部と前記後部支柱の下側端部とを連結する一対の後下連結部と、を備え、
前記保持部を取り外すことで前記前上連結部、前記後上連結部、前記前下連結部、及び前記後下連結部が屈曲又は伸展して前記枠組みが折り畳めるように構成される。
【0008】
これらの本発明の塗布装置によれば、保持部を取り外すことで飛散防止カバーの枠組みが折り畳めるように構成される。このため、塗布装置の運搬時や保管時等において、小さくまとめることができ場所の節約ができる。
【0009】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記保持部を取り外した状態で、平面視、側面視、又は背面視で前記枠組みの一方の対角にある2つの角が屈曲され、他方の対角にある2つの角が伸展されて畳めるように構成される。
【0010】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記保持部が、
前記前上部枠と前記後上部枠、又は一対の前記左右上部枠同士を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する上保持部、
前記前部支柱と前記後部支柱を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する横保持部、
前記前上部枠と前記前下部枠、前記後上部枠と前記後下部枠のうち1つ以上を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する前後保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前上部枠と前記左右上部枠、前記後上部枠と前記左右上部枠、前記前下部枠と前記左右下部枠、前記後下部枠と前記左右下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する横隅保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前部支柱と前記左右上部枠、前記前部支柱と前記左右下部枠、前記後部支柱と前記左右上部枠、前記後部支柱と前記左右下部枠のうち1つ以上、又は前記前部支柱と前記前上部枠、前記前部支柱と前記前下部枠、前記後部支柱と前記後上部枠、前記後部支柱と前記後下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する縦隅保持部、
前記枠組みの上面、側面、前面、背面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である。
【0011】
これらの本発明の塗布装置の好ましい例によれば、枠組みが略菱形状に折り畳めるように構成されるため、枠組みの構成を簡素なものとすることができる。
【0012】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記左右上部枠と前記左右下部枠の長さ方向の中間部に折れ曲がり可能な左右屈曲部を備え、
前記保持部を取り外すことで前記左右上部枠と前記左右下部枠が水平方向に屈曲され、前記枠組みの前後方向の寸法が圧縮されて折り畳めるように構成される。
【0013】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記保持部が、
前記左右屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記前上部枠と前記後上部枠、又は一対の前記左右上部枠同士を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する上保持部、
前記前部支柱と前記後部支柱を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する横保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前上部枠と前記左右上部枠、前記後上部枠と前記左右上部枠、前記前下部枠と前記左右下部枠、前記後下部枠と前記左右下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する横隅保持部、
前記枠組みの上面、側面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である。
【0014】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記左右屈曲部の前後に位置する屈曲端部において、前記左右上部枠と前記左右下部枠とに渡って設けられる縦中間支柱を備える。
【0015】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記左右上部枠と前記左右下部枠の長さ方向の中間部に折れ曲がり可能な上下屈曲部を備え、
前記保持部を取り外すことで前記左右上部枠と前記左右下部枠が上下方向に屈曲され、前記枠組みの前後方向の寸法が圧縮されて折り畳めるように構成される。
【0016】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記保持部が、
前記上下屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記前部支柱と前記後部支柱を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する横保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前部支柱と前記左右上部枠、前記前部支柱と前記左右下部枠、前記後部支柱と前記左右上部枠、前記後部支柱と前記左右下部枠ののうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する縦隅保持部、
前記枠組みの上面、側面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である。
【0017】
これらの本発明の塗布装置の好ましい例によれば、左右屈曲部を屈曲させて枠組みを折り畳むため、枠組みがその前後方向に圧縮される。
【0018】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記前部支柱と前記後部支柱の長さ方向の中間部に折れ曲がり可能な支柱屈曲部を備え、
前記保持部を取り外すことで前記前部支柱と前記後部支柱が左右方向に屈曲され、前記枠組みの上下方向の寸法が圧縮されて折り畳めるように構成される。
【0019】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記保持部が、
前記前上部枠と前記前下部枠、前記後上部枠と前記後下部枠のうち1つ以上を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する前後保持部、
前記支柱屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前部支柱と前記前上部枠、前記前部支柱と前記前下部枠、前記後部支柱と前記後上部枠、前記後部支柱と前記後下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する縦隅保持部、
前記枠組みの側面、前面、背面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である。
【0020】
これらの本発明の塗布装置の好ましい例によれば、前部支柱と後部支柱とを屈曲させて枠組みを折り畳むため、枠組みがその上下方向に圧縮される。
【0021】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の一方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を該中間部で切り離し可能な切り離し部と、
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の他方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を、前記切り離し部が離れる方向に屈曲可能な前後屈曲部と、を備え、
前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が水平方向に伸展されるように構成され、
前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が屈曲されるように構成され、
前記切り離し部を切り離し、前記前後屈曲部を屈曲させつつ、前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を伸展させ、前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を屈曲させて前記枠組みが折り畳み可能に構成される。
【0022】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の一方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を該中間部で切り離し可能な切り離し部と、
前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠の他方の中間部に、前記前上部枠と前記前下部枠、又は前記後上部枠と前記後下部枠を、前記切り離し部が離れる方向に屈曲可能な前後屈曲部と、を備え、
前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が水平方向に屈曲されるように構成され、
前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部が伸展されるように構成され、
前記切り離し部を切り離し、前記前後屈曲部を屈曲させつつ、前記切り離し部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を屈曲させ、前記前後屈曲部の側の前記前上連結部と前記前下連結部、又は前記後上連結部と前記後下連結部を伸展させて前記枠組みが折り畳み可能に構成される。
【0023】
本発明の塗布装置の好ましい例によれば、
前記保持部が、
前記切り離し部の切り離しを規制する繋ぎ止め保持部、
前記前後屈曲部の屈曲を規制する屈曲保持部、
前記前上部枠と前記後上部枠、又は一対の前記左右上部枠同士を繋ぐことで固定して前記枠組みの形状を保持する上保持部、
前記枠組みの角において隣接する前記前上部枠と前記左右上部枠、前記後上部枠と前記左右上部枠、前記前下部枠と前記左右下部枠、前記後下部枠と前記左右下部枠のうち1つ以上の角度を固定して前記枠組みの形状を保持する横隅保持部、
前記枠組みの上面に対角線状に設けられるブレース、
のうち1つ以上である。
【0024】
これらの本発明の塗布装置の好ましい例によれば、切り離し部と前後屈曲部により、枠体が平面視で例えば「山」字状になった後に、さらに折り畳まれる。このため、枠組みをより小さく折り畳むことができる。
【発明の効果】
【0025】
上述したように、本発明の塗布装置によれば、飛散防止カバーを折り畳むことができるため、塗布装置の運搬時や保管時に嵩張ることがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係る塗布装置の平面図である。
【
図4】平面視で略菱形状に折り畳み可能な枠組みを説明する図である。
【
図8】
図4に示す枠組みの折り畳み状態を説明する図である。
【
図9】前後方向の寸法が圧縮されて折り畳み可能な枠組みを説明する図である。
【
図11】
図9に示す枠組みの折り畳み状態を説明する図である。
【
図12】前後方向の寸法が圧縮されて折り畳み可能な他の枠組みを説明する図である。
【
図14】
図12に示す枠組みの折り畳み状態を説明する図である。
【
図15】上下方向の寸法が圧縮されて折り畳み可能な枠組みを説明する図である。
【
図16】切り離し部と前後屈曲部を備える枠組みを説明する図である。
【
図17】
図16に示す枠組みの折り畳み状態を説明する図である。
【
図18】
図16に示す枠組みの折り畳み状態及び他の枠組みの例を説明する図である。
【
図19】切り離し部と前後屈曲部を備える枠組みの他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る塗布装置1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。先ずは、
図1から
図3を参照して塗布装置1の全体を説明する。
【0028】
本実施形態の塗布装置1は、台車2と、左右往復機構5と、スプレーガン8と、飛散防止カバー10と、保持部(
図4(A)符号50a,50b,55等)とを備える。台車2は、モータ3等を備える駆動部及び車輪4を備えて、塗布装置1を床、路面、屋根、屋上等での走行を可能にするものである。左右往復機構5は、スライダ部6を
図1の矢印aに示すように左右方向に往復させるものである。左右往復機構5には図示しないアクチュエータが備えられ、アクチュエータによりスライダ部6をスライドレール7の動作端まで、又は任意の位置まで往復させる。スプレーガン8は、スライダ部6に装着されてスライダ部6とともに左右方向に往復運動される。また、スプレーガン8は、液配管9を通じて図示しない圧送装置から送られてくる液剤又は塗料を、その先端から吐出して対象物である床、路面、屋根、屋上等に吹き付ける。なお、左右往復機構5、及びスライダ部6は必須の構成ではなく、スプレーガン8を固定する、又はスプレーガン8を決まった場所で振り子のように揺動させてもよい。
【0029】
飛散防止カバー10は、スプレーガン8の動作範囲に被せられ、スプレーガン8から吐出される液剤又は塗料の飛散を防止するものである。飛散防止カバー10は、台車2等に図示しないブラケットやボルト等の部材で着脱可能に構成される。飛散防止カバー10の構成としては、枠組み20と、枠組み20に貼着されるシート部材11とを備える。シート部材11としては、例えば不織布、ビニールシート、目の細かい網材等が用いられる。他にもシート部材11として板状部材を用いてもよい。なお、後述する枠組み20の折り畳みでは、枠組み20を塗布装置1に取付けた状態で折り畳んでもよいし、塗布装置1から取外した状態で折り畳んでもよい。また、枠組み20にシート部材10を貼着させた状態で折り畳んでもよいし、シート部材10を取外した状態で折り畳んでもよい。
【0030】
枠組み20は、飛散防止カバー10の骨格を構成するものであり、枠材と連結部材とを備える。枠材は、前上部枠30、後上部枠31、左右上部枠32、前下部枠33、後下部枠34、左右下部枠35、前部支柱36、及び後部支柱37を備える。前上部枠30は、枠組み20のうち左右方向に渡され前上部に設けられる枠材である。後上部枠31は、枠組み20のうち左右方向に渡され後上部に設けられる枠材である。左右上部枠32は、枠組み20のうち前後方向に渡され左右上部に設けられる一対の枠材である。前下部枠33は、枠組み20のうち左右方向に渡され前下部に設けられる枠材である。後下部枠34は、枠組み20のうち左右方向に渡され後下部に設けられる枠材である。左右下部枠35は、枠組み20のうち前後方向に渡され左右下部に設けられる一対の枠材である。前部支柱36は、枠組み20のうち上下方向に渡され前部に設けられる一対の枠材である。後部支柱37は、枠組み20のうち上下方向に渡され後部に設けられる一対の枠材である。
【0031】
連結部材は、枠材同士を連結するとともに、連結部材が設けられる箇所が関節のように屈曲又は伸展する構成となっており、例えば蝶番44等の部材が用いられる(
図7の拡大図参照)。この連結部材として前上連結部40、後上連結部41、前下連結部42、後下連結部43を備える。前上連結部40は、前上部枠30の左右の端部と左右上部枠32の前側端部と前部支柱36の上側端部とを連結する一対の連結部材である。後上連結部41は、後上部枠31の左右の端部と左右上部枠32の後側端部と後部支柱37の上側端部とを連結する一対の連結部材である。前下連結部42は、前下部枠33の左右の端部と左右下部枠35の前側端部と前部支柱36の下側端部とを連結する一対の連結部材である。後下連結部43は、後下部枠34の左右の端部と左右下部枠35の後側端部と後部支柱37の下側端部とを連結する一対の連結部材である。これらの連結部材は、その屈曲又は伸展される方向によって、一部の枠材同士は溶接等の方法で固定され、一部の枠材同士のみが屈曲又は伸展可能となる場合がある。また、連結部材が屈曲又は伸展される方向によって、取付けられる蝶番44の位置や向きが異なる。
【0032】
保持部は、枠組み20の形状を保持する部材である。すなわち、保持部を枠組み20に取付けたときは枠組み20が所定の形状に保持され、保持部を取り外すことで枠組み20が折りたたみ可能な状態となる。本実施形態では、枠組み20の所定形状として略直方体としているが、枠組み20の展開と折り畳みができればこれに限られない。例えば、枠組み20を平面視、側面視、又は背面視で略台形状とすることもできる。また、枠材が直線状である必要もなく、湾曲又は折れ曲がっていても構わないし、分割構造であっても構わない。
【0033】
[第1実施形態]
図4から
図8を参照して、実施例としての枠組み20aと保持部を説明する。本実施形態では、枠組み20aを平面視で略菱形状に折り畳む構成となっている。
図4(A)は枠組み20aの平面図、
図4(B)は枠組み20aの背面図、
図4(C)は枠組み20aの側面図である。
【0034】
図4(A)~(C)に示すように、枠組み20aが略直方体に組立てられているとき、枠組み20aの形状が崩れないように、保持部によって枠材が保持されている。本実施形態では、保持部として上保持部50a,50b、横隅保持部55、ブレース90を用いている。もっとも、上保持部50a,50b、横隅保持部55、ブレース90の全てを使用する必要はなく、枠組み20aの形状が保持できるならば、これらのうち1つ以上を使用すればよい。さらに、横隅保持部55に代えて、
図13に示す縦隅保持部70の向きを変えて装着し、枠組み20aの形状を保持させることもできる。またさらに、横隅保持部55及び縦隅保持部70は、枠組み20aの全ての角に設ける必要はなく、枠組み20aの形状が保てるならば、最小限の数とすることができる(他の実施形態においても同様)。
【0035】
上保持部50a,50bは、前上部枠30と後上部枠31、又は一対の左右上部枠32同士を繋ぐことで固定して枠組み20aの形状を保持するものである。
図4(A)~(C)においては、前上部枠30と後上部枠31を繋ぐ上保持部50aを実線で、一対の左右上部枠32同士を繋ぐ上保持部50bを破線で示している。これら2つの上保持部50a,50bはその一方のみの使用でもよいし、両方を使用してもよい。また両方の上保持部50a,50bを用いるときは、これらの上保持部50a,50bを平面視略十字状にして一体的に組み合わせることもできる。
【0036】
図5(A)(B)を参照して、上保持部50aの詳細を説明する。
図5(A)に示す上保持部50aは、前上部枠30と後上部枠31(上保持部50bにおいては一対の左右上部枠32)に嵌められる断面略コ字状の一対の枠材嵌装部51aと、枠材嵌装部51a同士を繋ぎ合わせる架渡し材53aとを備え、平面視で略I字状をなしている。これらの枠材嵌装部51aと架渡し材53aとによって、枠材が固定され枠組み20aの形状が保持される。さらに、
図5(B)に示すような上保持部50cとすることもできる。この上保持部50cでは、枠材嵌装部51cの上面に架渡し材53cが設けられており、さらに枠材嵌装部51cをローレットノブ80等によって枠材に固定することができる。また、
図5(A)(B)に示す架渡し材53a,53cは、シート部材11又は板状部材を枠組み20aに貼設するときの枠の役割も果たすことができる。
【0037】
次に、
図6(A)を参照して、上保持部50dの他の例を説明する。この上保持部50dは、前上部枠30と後上部枠31(上保持部50bにおいては一対の左右上部枠32)に溶接、ボルト留め等の方法で設けられる断面略コ字状の架渡し嵌装部52と、架渡し嵌装部52に嵌められる架渡し材53dとを備える。また、
図6(B)に示す上保持部50eは、断面略コ字状の枠材嵌装部51eを4つ備え、これらの枠材嵌装部51eを交差した2本の架渡し材53eで繋ぎ合わせている。これにより、上保持部50eは平面視で略X字状をなす。これらの上保持部50d,50eにおいても、架渡し材53d,53eが、シート部材11又は板状部材を枠組み20aに貼設するときの枠の役割も果たすことができる。
【0038】
図4(A)~(C)に戻り、横隅保持部55は、枠組み20aの角において隣接する前上部枠30と左右上部枠32、後上部枠31と左右上部枠32、前下部枠33と左右下部枠35、後下部枠34と左右下部枠35の角度を固定して枠組み20aの形状を保持するものである。
【0039】
図7を参照して、横隅保持部55の詳細を説明する。この横隅保持部55は、2つの断面略コ字状の枠材嵌装部56が平面視で互いに90度向きを変えて略L字状に接合されたものである。本実施形態では2つの枠材嵌装部56の接合の補強をする補強リブ57を備える。これら2つの枠材嵌装部56が、枠組み20aの角である連結部材の近傍の枠材に嵌められる。そして、枠材同士の角度を本実施形態では90度に保ち、枠組み20aの形状を保持している。この横隅保持部55の変形例として、隣接する枠材嵌装部56同士の距離を離して、補強リブ57を大きくする又は補強リブ57に代えて棒状部材や帯板を用いる等することができる。係る場合、変形例の横隅保持部は、スプレーガン8から吐出される塗料等の塗布を邪魔しないように、枠組み20aの底面以外の場所に使用することが好ましい。なお、図中の拡大図は、連結部材としての例である蝶番44を表わしており、その他の図では蝶番44の記載を省略している。
【0040】
また、横隅保持部55は、枠組みの形態によっては、向きを変えて枠組みに装着して、前部支柱36と後部支柱37に連結される前上部枠30、後上部枠31、左右上部枠32、前下部枠33、後下部枠34、左右下部枠35との角度を固定して枠組みの形状を保持させることもできる。係る場合、ローレットノブ80等で横隅保持部55が脱落しないよう固定することが好ましい。
【0041】
図4(A)~(C)に戻り、ブレース90の説明をする。本図ではブレース90を破線で表わしている。このブレース90は、前上部枠30と後上部枠31と左右上部枠32とで四角状に構成される枠材の角近傍に、対角線状に設けられる補強材である。本実施形態のブレース90は枠組み20aの上面に設けられ、対角にある前部支柱36と後部支柱37、又は前上連結部40と後上連結部41を繋いでいる。
図4(A)に示す形態では、ブレース90の両端部をローレットノブ80で枠組み20aに留めている。また、ブレース90は、図示しないが、実施形態によっては枠組み20aの側面、前面、背面に設けることもできる。なお、ここでの上面、側面、前面、背面とは、各枠材の表面という意味ではなく、枠組み20全体としての面を意図する。
【0042】
ブレース90が側面に設けられるとき、ブレース90は左右上部枠32、左右下部枠35、前部支柱36、及び後部支柱37で四角状に構成される枠材に対角線状に設けられる。ブレース90が前面に設けられるとき、ブレース90は前上部枠30、前下部枠33、及び一対の前部支柱36で四角状に構成される枠材に対角線状に設けられる。ブレース90が背面に設けられるとき、ブレース90は後上部枠31、後下部枠34、及び一対の後部支柱37で四角状に構成される枠材に対角線状に設けられる。このブレース90は、他の実施形態においても同様に用いられる。
【0043】
次に、
図8を参照して、本実施形態の枠組み20aの折り畳み方を説明する。
図8(A)は枠組み20aを折り畳む前の平面図、
図8(B)は枠組み20aを折り畳んでいる途中の平面図、
図8(C)は枠組み20aを折り畳んだ状態の平面図である。先ず、
図4(A)~(C)に示す、枠組み20aに上保持部50a,50bと横隅保持部55を取付けた状態から、上保持部50a,50bと横隅保持部55を外して
図8(A)に示す状態にする。次に、
図8(B)に示すように、枠組み20aが平面視で略菱形状になるように、一方の対角にある2つの角を屈曲させ、他方の対角にある2つの角を伸展させる。具体的には、図の右上と左下の連結部材40,41を伸展させつつ、図の左上と右下にある連結部材40,41を屈曲させる(図では見えない連結部材42,43も伸展又は屈曲させる。他の実施形態においても同様。)。そして、
図8(C)になるように折り畳めば作業完了である。なお、保持部や連結部材の態様によっては、
図8(C)のように完全には折り畳むことができず、
図8(B)と
図8(C)の中間のような状態になる場合がある(他の実施形態においても同様)。
【0044】
また、上述した実施形態では、枠組み20aを平面視で略菱形状になるように折り畳んだが、枠組み20aを側面視又は背面視で略菱形状になるように折り畳み可能な構成とすることもできる。係る場合、保持部としては、横保持部64(
図9(B)参照)、前後保持部65(
図15(A)参照)、縦隅保持部70(
図13参照)、ブレース90のうち1つ以上を用いることができる。横保持部64(
図9(B)参照)は、前部支柱36と後部支柱37を繋ぐことで固定して枠組みの形状を保持するものである。前後保持部65(
図15(A)参照)は、前上部枠30と前下部枠33、後上部枠31と後下部枠34のうち1つ以上を繋ぐことで固定して枠組み20aの形状を保持するものである。縦隅保持部70(
図13参照)は、枠組み20aの角において前部支柱36と連結される左右上部枠32、左右下部枠35、前上部枠30、前下部枠33との角度、及び後部支柱37と連結される左右上部枠32、左右下部枠35、後上部枠31、後下部枠34との角度を固定して枠組みの形状を保持するものである。ブレース90は既に説明しているので、説明を省略する。
【0045】
[第2実施形態]
図9から
図11を参照して、他の実施例である枠組み20bと保持部を説明する。本実施形態では、枠材のうち左右上部枠32と左右下部枠35が、その中間部で水平方向かつ枠組み20bの内側方向に屈曲され、枠組み20bの前後方向の寸法が圧縮されて折り畳まれる構成となっている。
図9(A)は枠組み20bの平面図、
図9(B)は枠組み20bの側面図である。
図9(A)(B)においては、図を見やすくするために保持部60a,64を破線で表わしている。
【0046】
本実施形態の枠組み20bでは、左右屈曲部21と、縦中間支柱22とを備える。左右屈曲部21は、左右上部枠32と左右下部枠35の長さ方向の中間部に設けられる折れ曲がり可能な箇所である。この左右屈曲部21は、左右上部枠32と左右下部枠35がその中間部で分割されて、蝶番等の部材で連結されたものであり、水平方向かつ枠組み20bの内側方向に屈曲可能に構成される。縦中間支柱22は、左右屈曲部21の前後に位置する屈曲端部28bにおいて、左右上部枠32と左右下部枠35とに渡って設けられる支柱である。この縦中間支柱22は必須の構成ではないが、設けられた場合には枠組み20bの補強ができるとともに、枠組み20bにシート部材11等を貼設するときに枠として使用することができる。
【0047】
本実施形態の保持部としては、屈曲保持部60a、横保持部64、及び図示しない上保持部50a,50b,50c,50d、横隅保持部55、ブレース90を備えている。屈曲保持部60aは、左右屈曲部21の屈曲を規制するものである。横保持部64は、前部支柱36と後部支柱37を繋ぐことで固定して枠組み20bの形状を保持するものであり、
図5(B)に示す上保持部50cの向きを変えて取付けたものである。上保持部50a,50b,50c,50dと横隅保持部55とブレース90は、第1実施形態で説明したものと同じである。なお、本実施形態の枠組み20bでは、ブレース90は枠組み20bの上面、側面のうち1つ以上の面に設けられる。もっとも、これらの保持部を全て使用する必要はなく、枠組み20bの形状を保持することができれば、これらの保持部のうち1つ以上の使用で済ませることができる(他の実施形態においても同様)。
【0048】
図10(A)(B)を参照して、屈曲保持部60aの詳細を説明する。
図10(A)は、左右屈曲部21が自由な状態であり、
図10(B)は左右屈曲部21の屈曲(又は伸展)が規制されている状態である。本実施形態の屈曲保持部60aは、断面略コ字状の部材であり、その上面に長穴61が設けられている。また、左右屈曲部21近傍には雌ねじ穴(図示せず)が1つ設けられている。長穴61を貫通したローレットノブ80が該雌ねじ穴に螺合されて、屈曲保持部60aが左右上部枠32と左右下部枠35に取付けられている。
【0049】
この屈曲保持部60aの使用方法を説明する。
図10(A)に示す状態では、屈曲保持部60aが左右屈曲部21を覆っておらず、左右屈曲部21は自由に屈曲できる。この状態からローレットノブ80を緩め、屈曲保持部60aを矢印方向にスライドさせ
図10(B)に示す状態にする。すると、屈曲保持部60aが左右屈曲部21を覆って左右屈曲部21の動きが規制されている状態となり屈曲できなくなる。この状態でローレットノブ80を締付ければ、屈曲保持部60aが固定される。
【0050】
次に、
図10(C)を参照して、他の実施形態に係る屈曲保持部60bを説明する。本実施形態の屈曲保持部60bは、断面略コ字状の部材であり、その上面に穴63が2つ設けられている。また、左右上部枠32と左右下部枠35においても、左右屈曲部21を挟んで屈曲保持部60bの穴63に対応する雌ねじ穴62が2つ設けられている。左右屈曲部21を規制状態にするには、左右屈曲部21を真っ直ぐにした状態で屈曲保持部60bを被せ、屈曲保持部60bの穴63と雌ねじ穴62とを重ねる。次に、2つのローレットノブ80を屈曲保持部60bの上から雌ねじ穴62に螺合して締付ければよい。
【0051】
次に、
図11を参照して、本実施形態の枠組み20bの折り畳み方を説明する。
図11(A)は枠組み20bを折り畳む前の平面図、
図11(B)は枠組み20bを折り畳んでいる途中の平面図、
図11(C)は枠組み20bを折り畳んだ状態の平面図である。先ず、
図9(A)(B)に示す状態から、屈曲保持部60aと横保持部64(又は図示しない上保持部50a,50b、横隅保持部55)を外して
図11(A)に示す状態にする。次に、
図11(B)に示すように、枠組み20bの前後方向の寸法が圧縮されるように、左右屈曲部21を水平方向かつ内側方向に屈曲させつつ、図の四隅の連結部材40,41を屈曲させる。そして、
図11(C)になるように折り畳めば作業完了である。
【0052】
[第3実施形態]
図12から
図14を参照して、他の実施例である枠組み20cと保持部を説明する。本実施形態では、枠材のうち左右上部枠32がその中間部で下方向に屈曲され、左右下部枠35がその中間部で上方向に屈曲され、枠組み20cの前後方向の寸法が圧縮されて折り畳まれる構成となっている。
図12(A)は枠組み20cの平面図、
図12(B)は枠組み20cの側面図である。
図12(A)(B)においては、図を見やすくするために保持部60b,70を破線で表わしている。
【0053】
本実施形態の枠組み20cでは、上下屈曲部23と、横中間支柱24とを備える。上下屈曲部23は、左右上部枠32と左右下部枠35の長さ方向の中間部に設けられる折れ曲がり可能な箇所である。この上下屈曲部23は、左右上部枠32と左右下部枠35がその中間部で分割されて、蝶番等の部材で連結されたものである。左右上部枠32は下方向に屈曲可能に構成され、左右下部枠35は上方向に屈曲可能に構成される。横中間支柱24は、左右上部枠32に設けられる上下屈曲部23の前後に位置する屈曲端部28cにおいて、一対の左右上部枠32に渡って設けられる支柱である。この横中間支柱24は必須の構成ではないが、設けられたときには枠組み20cの補強となるとともに、枠組み20cにシート部材11等を貼設するときに枠として使用することができる。
【0054】
本実施形態の保持部としては、屈曲保持部60b、縦隅保持部70、及び図示しない横保持部64、ブレース90を備えている。屈曲保持部60bは、上下屈曲部23の屈曲を規制するものであり、
図10(C)に示すものを横向きにして上下屈曲部23の側面に取付けている。縦隅保持部70は、枠組み20cの角において枠材同士の角度を固定するものである。横保持部64とブレース90は、第2実施形態と第1実施形態で説明したものと同じである。ここでもブレース90は、枠組み20cの上面、側面のうち1つ以上の面に設けられる。また、第1実施形態で説明した上保持部50a.50b,50cを使用することもできる。なお、縦隅保持部70の代わりに、
図7に示す横隅保持部55の向きを変えて装着して、枠組み20cの形状を保持させることもできる。
【0055】
図13を参照して、縦隅保持部70の詳細を説明する。縦隅保持部70は、側面視で略L字状に折曲げられた帯板状の角当て部71と、角当て部71を補強する側面リブ72とを備える。また、角当て部71のそれぞれの面には穴73が設けられており、その穴73をローレットノブ80が貫通する。さらに、枠材には角当て部71の穴73に対応する位置に雌ねじ穴62が設けられている。ローレットノブ80が雌ねじ穴62に螺合されることで縦隅保持部70が固定され、隣接する枠材同士の角度が固定される。
【0056】
図13における縦隅保持部70では、枠組みの角において隣接する前部支柱36の上端と左右上部枠32、前部支柱36の下端と左右下部枠35、後部支柱37の上端と左右上部枠32、後部支柱37の下端と左右下部枠35の角度を固定して前記枠組みの形状を保持している。もっとも、枠組みの形態によっては縦隅保持部70の向きを変えて、前部支柱36の上端と前上部枠30、前部支柱36の下端と前下部枠33、後部支柱37の上端と後上部枠31、後部支柱37の下端と後下部枠34の角度を固定してもよい。さらに縦隅保持部70の向きを変えて、
図7に示す横隅保持部55の代わりとして用いてもよい。
【0057】
次に、
図14(A)~(C)を参照して、本実施形態の枠組み20cの折り畳み方を説明する。
図14(A)は枠組み20cを折り畳む前の側面図、
図14(B)は枠組み20cを折り畳んでいる途中の側面図、
図14(C)は枠組み20cを折り畳んだ状態の側面図である。先ず、
図12(A)(B)に示す状態から、屈曲保持部60bと縦隅保持部70(又は図示しない横保持部64等)を外して、
図14(A)に示す状態にする。次に、
図14(B)に示すように、枠組み20cの前後方向の寸法が圧縮されるように、上下屈曲部23を屈曲させつつ、図の四隅の連結部材40,41,42,43を屈曲させる。そして、
図14(C)になるように折り畳めば作業完了である。また、
図14(C)に示すように、枠組み20cの底部にキャスタ83を設け、枠組み20cを塗布装置1から取外した状態での折畳み作業を楽にすることもできる(他の実施形態においても同様)。
【0058】
[第4実施形態]
図15を参照して、他の実施例である枠組み20dと保持部を説明する。本実施形態では、枠材のうち前部支柱36と後部支柱37とがその中間部で枠組み20dの内側方向かつ左右方向に屈曲され、枠組み20dの上下方向の寸法が圧縮されて折り畳まれる構成となっている。
図15(A)~(C)はいずれも枠組み20dの背面図である。
図15(A)においては保持部60b,65,70を破線で表わし、
図15(B)(C)においては保持部を省略している。
【0059】
本実施形態の枠組み20dでは、支柱屈曲部25を備える。支柱屈曲部25は、前部支柱36と後部支柱37の長さ方向の中間部に設けられる折れ曲がり可能な箇所である。この支柱屈曲部25は、前部支柱36と後部支柱37がその中間部で分割されて、蝶番等の部材で連結されたものであり、前部支柱36と後部支柱37ともには枠組み20dの内側方向かつ左右方向に屈曲可能に構成される。なお、本実施形態の枠組み20dにおいても、第2実施形態で説明した縦中間支柱22を水平方向に向きを変えた中間支柱を、支柱屈曲部25の近傍に設けることができる。係る場合、該中間支柱は、前部支柱36と後部支柱37とに渡って設けられる。
【0060】
本実施形態の保持部としては、前後保持部65、屈曲保持部60b、縦隅保持部70、及び図示しないブレース90を備えている。前後保持部65は、前上部枠30と前下部枠33、後上部枠31と後下部枠34のうち1つ以上を繋ぐことで固定して枠組み20dの形状を保持するものである。前後保持部65の構成は、第1実施形態で説明した上保持部50a,50c、第2実施形態で説明した横保持部64と同じであり、これらの保持部の向きを上下方向にして前上部枠30と前下部枠33、及び後上部枠31と後下部枠34に取付けている。また、ローレットノブ80を適宜追加等して枠組み20dからの脱落を防止している。屈曲保持部60bと縦隅保持部70は、第3実施形態で説明したものと同じである。ブレース90は、第1実施形態で説明したものと同じである。本実施形態の枠組み20dでは、ブレース90は枠組み20dの側面、前面、背面のうち1つ以上の面に対角線状に設けられる。
【0061】
次に、
図15(A)~(C)を参照して、本実施形態の枠組み20dの折り畳み方を説明する。
図15(A)は枠組み20dを折り畳む前の背面図、
図15(B)は枠組み20dを折り畳んでいる途中の背面図、
図15(C)は枠組み20dを折り畳んだ状態の背面図である。先ず、
図15(A)に示す状態から、前後保持部65、屈曲保持部60b、縦隅保持部70を取外す。次に、
図15(B)に示すように、枠組み20dの上下方向の寸法が圧縮されるように、支柱屈曲部25を屈曲させつつ、図の四隅の連結部材41,43を屈曲させる。そして、
図15(C)に示す状態になるように折り畳めば作業完了である。
【0062】
[第5実施形態]
図16~
図18を参照して、他の実施例である枠組み20eと保持部を説明する。本実施形態では、枠材の一部を切り離し、枠組み20eをより小さく折り畳める構成としている。
図16(A)(B)は枠組み20eの平面図である。また、
図16(A)においては保持部50a,50b,55,60bを破線で表わし、その他の図では保持部を省略している。
【0063】
本実施形態の枠組み20eは、切り離し部26と前後屈曲部27を備える。切り離し部26は、前上部枠30と前下部枠33、又は後上部枠31と後下部枠34の一方の長さ方向の中間部に、前上部枠30と前下部枠33、又は後上部枠31と後下部枠34を該中間部で切り離し可能にするものである。前後屈曲部27は、前上部枠30と前下部枠33、又は後上部枠31と後下部枠34の他方の長さ方向の中間部に、前上部枠30と前下部枠33、又は後上部枠31と後下部枠34を、切り離し部26が離れる方向に屈曲可能にするものである。本実施形態では、切り離し部26を前上部枠30と前下部枠33に設け、前後屈曲部27を後上部枠31と後下部枠34に設けている。
【0064】
また、切り離し部26の側の前上連結部40と前下連結部42、又は後上連結部41と後下連結部43が水平方向に伸展されるように構成される。本実施形態では、切り離し部26が設けられる側である前上連結部40と前下連結部42が伸展可能に構成される。さらに、前後屈曲部27の側の前上連結部40と前下連結部42、又は後上連結部41と後下連結部43が屈曲されるように構成される。本実施形態では、前後屈曲部27が設けられる側である後上連結部41と後下連結部43が屈曲可能に構成される。なお、前下連結部42と後下連結部43の位置については、例えば
図12(B)等を参照されたい。
【0065】
本実施形態の保持部としては、繋ぎ止め保持部60b、屈曲保持部60b、上保持部50a,50b、横隅保持部55、及び図示しないブレース90を備える。繋ぎ止め保持部60bは、切り離し部26の切り離しを規制するものであり、例えば、
図10(C)に示す屈曲保持部60bを用いることができる。この繋ぎ止め保持部60bを装着している状態では切り離し部26は固定され、繋ぎ止め保持部60bを外すことで切り離し可能となる。屈曲保持部60bは、前後屈曲部27の屈曲を規制するもので、例えば、
図10(A)~(C)に示す屈曲保持部を用いることができる。ここでは、
図10(C)に示す屈曲保持部60bを使用している。上保持部50a,50bと横隅保持部55は、第1実施形態で説明したものと同じである。ブレース90は、第1実施形態で説明したものと同じである。この枠組み20eでは、枠組み20eの上面にブレース90が設けられる。もっとも、これらの保持部を全て使用する必要はなく、枠組み20eの形状を保持することができれば、これらの保持部のうち1つ以上の使用で済ませることができる。
【0066】
次に、
図16(A)(B)、
図17(A)(B)、
図18(A)を参照して、本実施形態の枠組み20eの折り畳み方を説明する。
図16(A)は枠組み20eを折り畳む前の平面図、
図16(B)~
図17(A)(B)は枠組み20eを折り畳んでいる途中の平面図、
図18(A)は枠組み20eを折り畳んだ状態の平面図である。先ず、
図16(A)に示す状態から、繋ぎ止め保持部60b、屈曲保持部60b、上保持部50a,50b、横隅保持部55を取外す。次に、
図16(B)に示すように、切り離し部26が離れる方向に前後屈曲部27を屈曲させ、
図17(A)に示すような、平面視略山字状になるまで前後屈曲部27を屈曲させる。
【0067】
次に、
図17(B)に示すように、切り離し部26の側の連結部材である前上連結部40と前下連結部42を、水平方向に伸展させる。同時に、前後屈曲部27の側の連結部材である後上連結部41と後下連結部43を、水平方向に屈曲させる。そして、
図18(A)に示す状態になるまで枠組み20eを折り畳む。なお、これらの説明は分かりやすく動作を分割したものであり、前後屈曲部27の屈曲と連結部材の伸展又は屈曲を同時に行なってもよいし、先に各連結部材の伸展又は屈曲を行なってもよい。
【0068】
また、
図18(B)は、連結部材における蝶番の位置を変えた枠組み20fである。このように、蝶番の位置を変えることで折り畳み状態の枠組み20fの形状に若干の差が生じるが、これらの形態も本実施形態に含まれることは明らかである(他の実施形態においても同様)。
【0069】
[第6実施形態]
図19(A)(B)を参照して、他の実施例である枠組み20gと保持部を説明する。
図19(A)は枠組み20gを折り畳んでいる途中の平面図、
図19(B)は枠組み20gを折り畳んだ状態の平面図である。
【0070】
本実施形態の枠組み20gの構成は、基本的には第5実施形態で説明した枠組み20eと同じであるため、相違点のみを説明する。本実施形態では、切り離し部26が設けられる側である前上連結部40と前下連結部42が屈曲可能に構成される。また、前後屈曲部27が設けられる側である後上連結部41と後下連結部43が伸展可能に構成される。
【0071】
このため、枠組み20gの折畳み方として、
図16(A)(B)~
図17(A)までは同じである。そこから、
図19(A)に示すように、切り離し部26の側の連結部材である前上連結部40と前下連結部42を、水平方向に屈曲させる。同時に、前後屈曲部27の側の連結部材である後上連結部41と後下連結部43を、水平方向に伸展させる。そして、
図19(B)に示す状態になるまで枠組み20gを折り畳む。
【0072】
また、第5実施形態及び第6実施形態では、
図2の破線で示す吊り下げ部81によって前後屈曲部27近傍を吊り下げることによって、枠組み20を塗布装置1に取付けた状態においても小さく折り畳むことができる。係る場合、
図18(A)(B)、
図19(B)に示す状態から、吊り下げ部81と枠組み20との接続箇所82を軸に水平方向に90度回動させることで、塗布装置1をより小さくすることができる。
【0073】
以上、説明したように、本実施形態の塗布装置によれば、飛散防止カバーの枠組みを折り畳むことができるため、塗布装置の運搬時や保管時において場所の節約をすることができる。第1実施形態に示す枠組みでは、略菱形状に枠組みを折り畳むため、構成を簡素なものにでき、折り畳んだ後の枠組みの厚さ寸法も抑えることができる。また、第2実施形態と第3実施形態に示す枠組みでは、左右上部枠と左右下部枠を折り畳んで、枠組みの前後寸法を圧縮して折り畳むため、折畳み後の寸法が枠組みの正面図又は背面図の大きさに収まる。また、枠組みを折り畳む又は展開するときに、前上部枠、前下部枠、後上部枠、後下部枠を水平方向に移動させればよく、仮に枠組みが重たい場合であっても折り畳みと展開の作業が比較的楽に行える。特に、枠組みの底部にキャスターを設けた場合には、折り畳みと展開の作業がより容易になる。また、第4実施形態に示す枠組みでは、前部支柱と後部支柱を折り畳んで、枠組みの上下寸法を圧縮して折り畳むため、折畳み後の寸法が枠組みの平面図又は底面図の大きさに収まる。また、第5実施形態と第6実施形態に示す枠組みでは、枠材の一部を切り離すため、枠組みを最も小さく折り畳むことができる。
【0074】
なお、上述した塗布装置は本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。例えば、第2実施形態の枠組み20bでは、
図11(B)に示すように、左右屈曲部21を枠組み20bの内側方向に屈曲させて「Σ」を2つ向き合わせたような形状にして折り畳んでいるが、左右屈曲部21を枠組み20dの外側方向に屈曲させて枠組み20bを略六角形状にして折り畳むこともできる(第3実施形態の
図14(B)、第4実施形態の
図15(B)においても同様)。このような折り畳み方をすることで、枠組みを台車2等に取付けたまま折り畳むときに、左右往復機構5やスプレーガン8等と枠組みとの干渉を低減させることができる。
【符号の説明】
【0075】
1・・塗布装置、2・・台車、3・・モータ、4・・車輪、5・・左右往復機構、6・・スライダ部、7・・スライドレール、8・・スプレーガン、9・・液配管、
10・・飛散防止カバー、11・・シート部材、
20,20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g・・枠組み、21・・左右屈曲部、22・・縦中間支柱、23・・上下屈曲部、24・・横中間支柱、25・・支柱屈曲部、26・・切り離し部、27・・前後屈曲部、28b,28c・・屈曲端部、
30・・前上部枠、31・・後上部枠、32・・左右上部枠、33・・前下部枠、34・・後下部枠、35・・左右下部枠、36・・前部支柱、37・・後部支柱、
40・・前上連結部、41・・後上連結部、42・・前下連結部、43・・後下連結部、44・・蝶番、
50a,50b,50c,50d,50e・・上保持部、51a,51c,51e・・枠材嵌装部(上保持部)、52・・架渡し嵌装部、53a,53c,53d,53e・・架渡し材、54・・穴(枠材嵌装部),55・・横隅保持部、56・・枠材嵌装部(横隅保持部)、57・・補強リブ、
60a,60b・・屈曲保持部(繋ぎ止め保持部)、61・・長穴、62・・雌ねじ穴、63・・上面の穴、64・・横保持部、65・・前後保持部、
70・・縦隅保持部、71・・角当て部、72・・側面リブ、73・・角当て部の穴、
80・・ローレットノブ、81・・釣り下げ部、82・・接続箇所、83・・キャスタ、