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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018404
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ヘアアイロン
(51)【国際特許分類】
   A45D 7/02 20060101AFI20250130BHJP
   A45D 1/00 20060101ALI20250130BHJP
   A45D 1/04 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A45D7/02 F
A45D1/00 505E
A45D1/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122083
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】301000239
【氏名又は名称】テスコム電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】中島 広雅
(72)【発明者】
【氏名】吉下 祐策
(72)【発明者】
【氏名】大賀 智子
(57)【要約】
【課題】一対の挟持加熱部による毛髪の挟み力を調整しやすくすることができるヘアアイロンを提供する。
【解決手段】本実施形態のヘアアイロンは、毛髪を挟持して加熱する一対の挟持加熱部と、前記一対の挟持加熱部による前記毛髪の挟持度合いを検出する検出部と、前記検出部が検出した前記毛髪の挟持度合いに基づいた報知・警告を行う報知・警告部と、を有する。前記検出部は、前記一対の挟持加熱部による前記毛髪の挟持荷重値を検出し、前記報知・警告部は、前記毛髪の挟持荷重値が下限閾値に到達した後、前記毛髪の挟持荷重値が上限閾値を上回ったとき、及び/又は、前記毛髪の挟持荷重値が前記下限閾値を下回ったときに報知・警告を行ってもよい。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を挟持して加熱する一対の挟持加熱部と、
前記一対の挟持加熱部による前記毛髪の挟持度合いを検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記毛髪の挟持度合いに基づいた報知・警告を行う報知・警告部と、
を有することを特徴とするヘアアイロン。
【請求項2】
前記検出部は、前記一対の挟持加熱部による前記毛髪の挟持荷重値を検出し、
前記報知・警告部は、前記毛髪の挟持荷重値が下限閾値に到達した後、前記毛髪の挟持荷重値が上限閾値を上回ったとき、及び/又は、前記毛髪の挟持荷重値が前記下限閾値を下回ったときに報知・警告を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアアイロン。
【請求項3】
前記報知・警告部は、前記毛髪の挟持荷重値が前記上限閾値を上回ったときの報知・警告の態様と、前記毛髪の挟持荷重値が前記下限閾値を下回ったときの報知・警告の態様とを異ならせる、
ことを特徴とする請求項2に記載のヘアアイロン。
【請求項4】
前記検出部が前記毛髪の挟持荷重値を所定時間に亘って検出しないとき、又は、前記毛髪の挟持荷重値が所定時間に亘って変化しないときに、前記一対の挟持加熱部による前記毛髪の加熱温度を低下させる加熱制御部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のヘアアイロン。
【請求項5】
過去の毛髪処理において使用した前記上限閾値と前記下限閾値を示す履歴情報、及び/又は、過去の毛髪処理における前記毛髪の挟持荷重値の推移を示す履歴情報を取得する履歴情報取得部と、
前記履歴情報に基づいて、現在の毛髪処理において使用する前記上限閾値と前記下限閾値の少なくとも一方を更新する更新部と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のヘアアイロン。
【請求項6】
前記毛髪の状態を示す毛髪状態情報を取得する毛髪状態情報取得部と、
前記毛髪状態情報に基づいて、前記上限閾値と前記下限閾値の少なくとも一方を更新する更新部と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のヘアアイロン。
【請求項7】
前記一対の挟持加熱部の少なくとも一方は、
プレート、ヒータ、並びに、前記プレート及び前記ヒータを支持するホルダで構成されるプレートアッシと、
前記プレートアッシを収容するボディと、
前記プレートアッシと前記ボディの間に位置して、前記ボディにおける前記プレートアッシの変位を保証する弾性体と、
を有し、
前記検出部は、前記プレートアッシと前記弾性体の間、前記ボディと前記弾性体の間、及び、前記プレートアッシと前記ボディの間の少なくとも一箇所に設けられた圧力センサからなる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘアアイロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアアイロンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いにヒンジ結合された一対の本体と、一対の本体に設置された一対の熱板とを有するヘアアイロンが記載されている。このヘアアイロンでは、一対の熱板の上部面の間に髪の毛を位置させて圧力を加えることにより、一対の熱板から発生する熱を用いて髪の毛を成形する。
【0003】
特許文献2には、第1ヒータを有する第1プレートと、第2ヒータを有する第2プレートとを備えるヘアカーラーが記載されている。このヘアカーラーでは、第1プレートと第2プレートが閉じられた状況にあるとき、第1ヒータと第2ヒータの間に0.06mmから0.12mmの確保された空間が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5663103号公報
【特許文献2】実用新案登録第3201456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者の鋭意研究によると、特許文献1のヘアアイロンは、一対の本体による髪の毛の挟み力を使用者が調整する必要があるところ、調整が上手く行かずに不具合が発生するおそれがある。同様に、特許文献2のヘアカーラーは、第1プレートと第2プレートによる髪の毛の挟み力を使用者が調整する必要があるところ、調整が上手く行かずに不具合が発生するおそれがある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、一対の挟持加熱部による毛髪の挟み力を調整しやすくすることができるヘアアイロンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態のヘアアイロンは、毛髪を挟持して加熱する一対の挟持加熱部と、前記一対の挟持加熱部による前記毛髪の挟持度合いを検出する検出部と、前記検出部が検出した前記毛髪の挟持度合いに基づいた報知・警告を行う報知・警告部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一対の挟持加熱部による毛髪の挟み力を調整しやすくすることができるヘアアイロンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一対の挟持加熱部を閉じた状態のヘアアイロンの構成を示す側面図である。
図2】一対の挟持加熱部を開いた状態のヘアアイロンの構成を示す側面図である。
図3】ヘアアイロンの構成を示す背面図である。
図4】ヘアアイロンの構成を示す下面図である。
図5図4のV-V線に沿う断面図である。
図6】圧力センサの設置態様の一例を示す図である。
図7】ヘアアイロンの構成を示すブロック図である。
図8】報知・警告部による報知・警告の処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本実施形態のヘアアイロンについて詳細に説明する。本実施形態のヘアアイロンは、毛髪を挟持して加熱する一対の挟持加熱部を有しており、一対の挟持加熱部による毛髪の挟み力を最適化させた形で調整するための手段(例えば、毛髪の癖付けに必要な最低限の挟み力を上回り、毛髪のダメージが危惧されるようなネガティブな挟み力を下回るような最適範囲に調整するための手段)を具備したものである。
【0011】
図1は、一対の挟持加熱部を閉じた状態のヘアアイロンの一例を示す側面図である。図2は、一対の挟持加熱部を開いた状態のヘアアイロンの一例を示す側面図である。図3は、ヘアアイロンの構成を示す背面図である。図4は、ヘアアイロンの構成を示す下面図である。
【0012】
ヘアアイロン1は、当該ヘアアイロン1の使用対象者の毛髪を挟持して加熱する一対の挟持加熱部10、20を有している。一対の挟持加熱部10、20は、ヒンジ軸30を中心として、互いに回動自在に連結されている。ヒンジ軸30を中心として一対の挟持加熱部10、20が接近するように回動させた閉状態が図1であり、ヒンジ軸30を中心として一対の挟持加熱部10、20が離間するように回動させた開状態が図2である。一対の挟持加熱部10、20の内部構造については、後に詳細に説明する。ここで、ヘアアイロン1の使用者は、ヘアアイロン1を使用して自らの毛髪を処理(スタイリング)する場合の当該使用者であってもよいし、ヘアアイロン1を使用して他人の毛髪を処理(スタイリング)する場合の当該使用者であってもよい。
【0013】
ヒンジ軸30は、一対の挟持加熱部10、20の長手方向における一端(基端)側(図1図2の右端側)を連結している。一対の挟持加熱部10、20は、ヒンジ軸30を回転中心として相対的に回転を行って、一対の挟持加熱部10、20の間隔を変化させる。つまり、ヒンジ軸30を中心として一対の挟持加熱部10、20の間の開度(開き角度)が変化する。ヒンジ軸30を中心とする一対の挟持加熱部10、20の回転動作の方向を開閉方向とし、開閉方向のうち、一対の挟持加熱部10、20の間隔を小さくする方向を閉じ方向、一対の挟持加熱部10、20の間隔を大きくする方向を開き方向とする。
【0014】
図示は省略しているが、ヒンジ軸30の近傍には、一対の挟持加熱部10、20を開き方向に付勢する付勢手段が設けられている。付勢手段の一例として、トーションバネやコイルバネ等を用いることができるが、これ以外の付勢手段を用いてもよい。ヘアアイロン1を使用する際には、一対の挟持加熱部10、20とヒンジ軸30とを接続する一端(基端)側の部分に設けられた把持部10X、20Xを使用者が把持して、付勢手段の付勢力に抗して閉じ方向への力を付与することにより、一対の挟持加熱部10、20を所望の開度まで閉じさせる。この一対の挟持加熱部10、20の開度位置は、使用者による把持部10X、20Xの把持力(グリップ力、握り力)に応じて変動するものであり、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合いを示す指標となる。
【0015】
把持部20Xの内側には操作部40が設けられている。操作部40の側面には、電源スイッチ41と、温度調整ボタン42とが設けられている。その他、図示は省略しているが、操作部40の側面に、温度表示部や液晶ディスプレイ等が設けられていてもよい。また、操作部40の内部には、ヘアアイロン1を統括的に制御する制御部が設けられている。制御部の内部構成及び具体的制御については、後に詳細に説明する。
【0016】
ヘアアイロン1のうち、ヒンジ軸30が設けられている把持部10X、20Xの基端側には、円筒状の支持スリーブ50が設けられている。支持スリーブ50は、ヒンジ軸30を挟んで、2つのボディ(挟持加熱部10、20と把持部10X、20Xを含む)の反対側に向けて突出している。また、ヘアアイロン1に電力供給するための電源コード51が、支持スリーブ50の内側を通って操作部40の内部の電源回路に接続している。電源コード51の基端部分は、コードブッシュ52で覆われて保護されている。
【0017】
ヘアアイロン1の電源がオフの状態で、使用者が電源スイッチ41を操作(押下、長押し)すると、電源オン信号が制御部に入力され、制御部は、ヒータへの通電を開始して一対の挟持加熱部10、20への加熱を開始させる。一対の挟持加熱部10、20の温度が温度センサ(図示略)で検知され、設定された所定の温度(設定温度)に達すると、制御部はヒータへの通電を制御して設定温度を維持する。使用者が温度調整ボタン42を操作して設定温度を選択(変更)することが可能である。ヘアアイロン1の電源がオンの状態で、使用者が電源スイッチ41を操作(押下、長押し)すると、電源オフ信号が制御部に入力されて、制御部は、ヒータへの通電を終了してヘアアイロン1を電源オフ状態にする。
【0018】
なお、ヘアアイロン1においては、一対の挟持加熱部10、20での加熱処理だけではなく、毛髪に対して蒸気の状態で水分を供給するスチーム機能等を備えていてもよい。この場合、操作部40の内部に貯水部等を設けてもよい。
【0019】
このように、ヘアアイロン1は、2つのボディ(挟持加熱部10、20と把持部10X、20Xを含む)がヒンジ軸30で固定されていて、先端側のアイロン部分(一対の挟持加熱部10、20)で毛髪を挟んで加熱することで癖付けを行う。ヘアアイロン1は、バネ等の付勢手段で開閉される構造となっており、一対の挟持加熱部10、20を開いた状態で両者の間に毛髪を差し込み、把持部10X、20Xを手で握り込んで一対の挟持加熱部10、20を閉じることにより、毛髪を挟み込む構造となっている。
【0020】
ここで、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)は、使用者が把持部10X、20Xを握る力に依存していて、強く握るとその分、一対の挟持加熱部10、20の開度が小さくなって毛髪の挟持度合い(挟持力)が強くなり、弱く握るとその分、一対の挟持加熱部10、20の開度が大きくなって毛髪の挟持度合い(挟持力)が弱くなる。
【0021】
一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)は、スタイリングの仕上りに影響があり、挟持度合い(挟持力)が弱すぎると、毛髪への熱伝達ひいては癖付けが不十分となるおそれが高い。反対に挟持度合い(挟持力)が強すぎると、不自然な仕上がりになってしまったり、毛髪に伝わる熱が大きすぎて傷やダメージが進行してしまったりするおそれが高い。
【0022】
このように、ヘアアイロン1を使用する場合、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)は、毛髪の癖付けによる好適なヘアスタイル(スタイリング)の仕上がり、及び、毛髪の傷やダメージの軽減の両立に影響を与える重要な指標(要素)である。
【0023】
しかし、本発明者の鋭意研究によると、実際には、使用者の特性や癖によって、一対の挟持加熱部の握り方や力のかけ具合が個人毎にバラバラに異なるのが普通であり、一対の挟持加熱部による毛髪の挟持度合い(挟持力)を意識してヘアアイロンを使用しているユーザは、一部の美容師等に限られる。つまり、特許文献1、2を含む従来品においては、一対の挟持加熱部による毛髪の挟み力を調整して、毛髪の癖付けによる好適なヘアスタイル(スタイリング)の仕上がり、及び、毛髪の傷やダメージの軽減の両立を図るという観点において、改良の余地があった(挟み力の指標となるものがないためコントロールが難しい要素となっていた)。
【0024】
そこで、本実施形態は、上記の問題点を重要な技術課題として捉えて、ヘアアイロン1の使用時に、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)が適切であるかどうか(適切な範囲内にあるかどうか)を使用者に注意喚起することにより、毛髪の癖付けによる好適なヘアスタイル(スタイリング)の仕上がり、及び、毛髪の傷やダメージの軽減の両立を図ることに成功している。具体的に、ヘアアイロン1の使用時に、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を検出(モニタリング)して、その検出(モニタリング)の結果に基づいた報知・警告を行うことで、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を適切に(適切な範囲内に)調整することが可能になる。以下、当該構成要件の具体的な態様について詳細に説明する。
【0025】
図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。図5は、一対の挟持加熱部10、20のうち、下面側に位置する挟持加熱部20の内部構造を示しているが、上面側に位置する挟持加熱部10についても、基本的に、下面側に位置する挟持加熱部20と同様の内部構造を有していてもよい。
【0026】
図5に示すように、挟持加熱部20は、プレート21、ヒータ22、並びに、プレート21及びヒータ22を支持するホルダ23で構成されるプレートアッシ24を有している。すなわち、ヘアアイロン1の使用対象者の毛髪を挟むプレート21の背面にヒータ22が格納されており、これらがホルダ23と一体になってプレートアッシ24を構成している。また、挟持加熱部20は、プレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)を収容するボディ25を有している。すなわち、挟持加熱部20は、プレート21及びヒータ22をホルダ23で支持して構成されるプレートアッシ24と、プレートアッシ24を収容するボディ25とを有している。
【0027】
また、挟持加熱部20は、プレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)とボディ25の間に位置して、ボディ25におけるプレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)の変位を保証するシリコン緩衝材(弾性体)26を有している。図5の例では、挟持加熱部20の軸方向に離間した2つのシリコン緩衝材26を描いているが、シリコン緩衝材26の数や配置には自由度があり、種々の設計変更が可能である。プレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)は、2つのシリコン緩衝材26に支えられて、ボディ25の内部に配置(収容)されている。一対の挟持加熱部10、20によって毛髪を挟み込むと、荷重を受けたプレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)がボディ25の内部で沈み込んで、2つのシリコン緩衝材26が荷重を受けて変位(弾性変形)する。
【0028】
同様に、上面側に位置する挟持加熱部10も、プレート11、ヒータ12、並びに、プレート11及びヒータ12を支持するホルダ13で構成されるプレートアッシ14と、プレートアッシ14(プレート11、ヒータ12、ホルダ13)を収容するボディ15と、プレートアッシ14(プレート11、ヒータ12、ホルダ13)とボディ15の間に位置して、ボディ15におけるプレートアッシ14(プレート11、ヒータ12、ホルダ13)の変位を保証するシリコン緩衝材(弾性体)16とを有していてもよい。図1図2では、挟持加熱部10のプレート11とボディ15とに符号を付して描いている。なお、上面側に位置する挟持加熱部10は、下面側に位置する挟持加熱部20の一部の構成要素のみを具備していてもよい。例えば、上面側に位置する挟持加熱部10は、プレートアッシ14(プレート11、ヒータ12、ホルダ13)とボディ15を有し、シリコン緩衝材16を有しなくてもよい。
【0029】
本実施形態では、下面側に位置する挟持加熱部20の内部に、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を検出する圧力センサ(検出部)60を設置している。この圧力センサ(検出部)60は、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を示す指標としての挟持荷重値(単位は、例えば、荷重値であればN、圧力値であればN/m)を検出する。なお、圧力センサ60が検出する挟持荷重値の単位やスケールには自由度があり、種々の設計変更が可能である。圧力センサ60の種類には自由度があり、種々の設計変更が可能であるが、例えば、感圧素子と信号処理ユニットで構成された抵抗膜方式、静電容量方式、圧電素子方式、光学方式、МEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式を適用することができる。
【0030】
図6A図6B図6Cは、圧力センサ(検出部)60の設置態様の第1、第2、第3の例を示す図である。
【0031】
図6Aの例では、圧力センサ60を、ボディ25と2つのシリコン緩衝材26の間(両者の境界部)、すなわちシリコン緩衝材26の下面に2つ設置している。プレートアッシ24(ホルダ23)とボディ25が図中の上下方向に変位する(沈み込んだり浮き上がったりする)ことにより、圧力センサ60が、シリコン緩衝材26が受ける荷重値、ひいては、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値を検出する。
【0032】
図6Bの例では、圧力センサ60を、プレートアッシ24(ホルダ23)と2つのシリコン緩衝材26の間(両者の境界部)、すなわちシリコン緩衝材26の上面に2つ設置している。プレートアッシ24(ホルダ23)とボディ25が図中の上下方向に変位する(沈み込んだり浮き上がったりする)ことにより、圧力センサ60が、シリコン緩衝材26が受ける荷重値、ひいては、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値を検出する。
【0033】
図6Cの例では、圧力センサ60を、プレートアッシ24(ホルダ23)とボディ25の間(両者の境界部)に2つ設置している。ホルダ23とボディ25は、挟持加熱部20の長手方向の一端側と他端側において、両者の相対変位方向(図中の上下方向)に対向する対向壁23Xと対向壁25Xを有しており、対向壁23Xと対向壁25Xの間に圧力センサ60を設置している。圧力センサ60は、対向壁23Xと対向壁25Xの接離に伴う荷重値、ひいては、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値を検出する。
【0034】
図6A図6Cに示すように、圧力センサ60は、プレートアッシ24(ホルダ23)とシリコン緩衝材(弾性体)26の間、ボディ25とシリコン緩衝材(弾性体)26の間、及び、プレートアッシ24(ホルダ23)とボディ25の間の少なくとも一箇所に設けることができる。
【0035】
ここで、毛髪を挟むアイロンプレート(プレート21、ヒータ22)の表面の最高温度は、例えば、200℃に到達し、アイロンプレート(プレート21、ヒータ22)の周囲(ボディ23)の温度も、例えば、100°を超えることがある。従って、耐熱性のスペックが不足する標準品の圧力センサをプレートアッシ24の内部(例えば、プレート21、ヒータ22に直接的に触れる部分)に配置することは困難である。耐熱性のスペックを具備した圧力センサを用意することも可能ではあるが、高価であるため、実際的ではない(障壁がある)。
【0036】
この点、図6A図6Cに示すように、圧力センサ60を、プレートアッシ24(ホルダ23)とシリコン緩衝材(弾性体)26の間、ボディ25とシリコン緩衝材(弾性体)26の間、及び、プレートアッシ24(ホルダ23)とボディ25の間の少なくとも一箇所に設けることにより、最も高温となるプレート21、ヒータ22に直接的に触れる部分を避けることができるので、耐熱性のスペックが不足する標準品の圧力センサであっても使用可能となる。とりわけ、図6Aに示すように、プレートアッシ24から離れたボディ25とシリコン緩衝材(弾性体)26の間に圧力センサ60を設置することで、圧力センサ60に要求される耐熱性の制約を最小化することが可能になる。
【0037】
図6A図6Cに示すように、圧力センサ60を追加するだけで良いので、ヘアアイロン1の現行サイズへの影響を少なくすることができる(大幅な設計変更が不要である)。また、圧力センサ60を使用することにより、一対の挟持加熱部10、20に加わる挟持荷重を常時確認することができる。また、一対の挟持加熱部10、20に毛髪が挟まれたタイミングを検知することもできる。さらに、圧力センサ60の検出結果はソフトで調整可能であるため、購入後にも変更が可能で汎用性が高い。
【0038】
なお、プレートアッシ14(プレート11、ヒータ12、ホルダ13)とボディ15との間に位置する弾性体として、シリコン緩衝材以外の弾性体を用いることも可能ではあるが、圧力センサ60に加わる過剰な負荷を軽減させるためにはシリコン等の柔らかい材料が好ましく、圧力センサ60への熱の影響を軽減させるためにはシリコン等の熱伝導率の低い材料が好ましい。
【0039】
図7は、ヘアアイロン1の構成を示すブロック図である。図7に示すように、ヘアアイロン1は、スピーカ70と、振動部80と、表示部90と、報知・警告部100と、加熱制御部110と、履歴情報取得部120と、毛髪状態情報取得部130と、更新部140とを有している。報知・警告部100と加熱制御部110と履歴情報取得部120と毛髪状態情報取得部130と更新部140とは、例えば、操作部40に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)の機能構成要素として実現されてもよい。
【0040】
スピーカ70は、音声を出力する音声出力部として機能する。スピーカ70は、例えば、ヘアアイロン1の操作部40に設けられて、ヘアアイロン1の操作ガイドに関する音声を出力したり、後述する報知・警告部100による報知・警告情報としての音声を出力したりする。
【0041】
振動部80は、振動を出力する振動出力部として機能する。振動部70は、例えば、ヘアアイロン1の把持部10X、20Xに内蔵されて、把持部10X、20Xを把持した使用者の手に振動を伝達する。この振動伝達は、後述する報知・警告部100による報知・警告情報として機能する。
【0042】
表示部90は、画像を週力する画像出力部として機能する。表示部70は、例えば、ヘアアイロン1の操作部40に設けられて、ヘアアイロン1の操作ガイドに関する画像を出力したり、後述する報知・警告部100による報知・警告情報としての画像を出力したりする。
【0043】
報知・警告部100は、上述した圧力センサ(検出部)60(図6A図6C)が検出した一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)に基づいた報知・警告を行う。ここで、「報知・警告」とは、「報知及び警告」、「報知又は警告」、「報知及び/又は警告」、「報知と警告の少なくとも一方」を意味する。報知・警告部100による報知・警告は、例えば、スピーカ70による音声出力、振動部80による振動伝達、表示部90による画像出力のいずれか、又は、これらの組み合わせにより実行される。
【0044】
より具体的に、報知・警告部100は、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminに到達した後、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ったとき、及び/又は、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ったときに報知・警告を行う。
【0045】
下限閾値Nminは、例えば、毛髪への熱伝達ひいては癖付けを好適に行うための最低限度の挟持度合い(挟持力)に基づいて設定される。上限閾値Nmaxは、例えば、毛髪の傷やダメージの軽減を図る観点で超えてはならない臨界値としての挟持度合い(挟持力)に基づいて設定される。下限閾値Nmin及び上限閾値Nmaxは、使用者が操作部40を操作するなどして任意に設定してもよいし、後述する更新部140による自動的な更新が行われてもよい。一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ると、毛髪への熱伝達ひいては癖付けが不十分となるおそれが高い。一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ると、不自然な仕上がりになってしまったり、毛髪に伝わる熱が大きすぎて傷やダメージが進行してしまったりするおそれが高い。
【0046】
図8A図8B図8Cは、報知・警告部100による報知・警告の処理の一例を示す図である。
【0047】
ヘアアイロン1の使用時に、一対の挟持加熱部10、20の間に毛髪を挟み込んで、把持部10X、20Xを握り込んでいくと、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nが徐々に上がり始めて、やがて、挟持荷重値Nが下限閾値Nminに到達する。その後、図8Aに示すように、挟持荷重値Nが下限閾値Nmin以上かつ上限閾値Nmax以内(Nmin≦N≦Nmax)の範囲内で推移すれば、挟持荷重値Nが好適な範囲内に収まっていることを意味しており、毛髪の癖付けによる好適なヘアスタイル(スタイリング)の仕上がり、及び、毛髪の傷やダメージの軽減の両立を図ることができる。このため、報知・警告部100による報知・警告は行われない。
【0048】
これに対して、図8Bに示すように、挟持荷重値Nが下限閾値Nminに到達した後、把持部10X、20Xを握り込む力が強くなりすぎて、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ると(N>Nmax)、不自然な仕上がりになってしまったり、毛髪に伝わる熱が大きすぎて傷やダメージが進行してしまったりするおそれが高いため、報知・警告部100による報知・警告を行う。
【0049】
一方、図8Cに示すように、挟持荷重値Nが下限閾値Nminに到達した後、把持部10X、20Xを握り込む力が弱くなりすぎて、再び、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ると(N<Nmin)、毛髪への熱伝達ひいては癖付けが不十分となるおそれが高いため、報知・警告部100による報知・警告を行う。
【0050】
報知・警告部100は、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ったとき(N>Nmax)の報知・警告の態様と、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ったとき(N<Nmin)の報知・警告の態様とを異ならせることができる。
【0051】
例えば、スピーカ70による報知・警告の場合、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ったときには、「ヘアアイロンの握り力が強すぎます。握り力を弱めて下さい。」との音声ガイドを出力し、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ったときには、「ヘアアイロンの握り力が弱すぎます。握り力を強めて下さい。」との音声ガイドを出力してもよい。
【0052】
また、振動部80による報知・警告の場合、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ったときには、第1の振動パターン(例えば、ブーッ、ブーッ)による報知・警告を行い、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ったときには、第2の振動パターン(例えば、ブッ、ブッ、ブッ、ブッ)による報知・警告を行ってもよい。
【0053】
また、表示部90による報知・警告の場合、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ったときには、「ヘアアイロンの握り力が強すぎます。握り力を弱めて下さい。」との画像表示ガイドを出力し、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ったときには、「ヘアアイロンの握り力が弱すぎます。握り力を強めて下さい。」との画像表示ガイドを出力してもよい。
【0054】
さらに、スピーカ70と振動部80と表示部90による報知・警告を組み合わせて、毛髪の挟持荷重値Nが上限閾値Nmaxを上回ったときには、スピーカ70と振動部80と表示部90の第1の組み合わせ(いずれか1つの場合を含む)による報知・警告を行い、毛髪の挟持荷重値Nが下限閾値Nminを下回ったときには、スピーカ70と振動部80と表示部90の第2の組み合わせ(いずれか1つの場合を含む)による報知・警告を行ってもよい。第1、第2の組み合わせは互いに異なっており、例えば、第1の組み合わせがスピーカ70と振動部80であり、第2の組み合わせがスピーカ70と表示部90であってもよい。あるいは、第1の組み合わせがスピーカ70と振動部80と表示部90の全てであり、第2の組み合わせがスピーカ70と振動部80と表示部90のいずれか1つであってもよい。
【0055】
加熱制御部110は、圧力センサ60が一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nを所定時間に亘って検出しないとき、又は、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nが所定時間に亘って変化しないときに、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の加熱温度を低下させる。この加熱温度の低下は、一対の挟持加熱部10、20の各ヒータ12、22への通電の停止又は減少により実行される。つまり、一対の挟持加熱部10、20による加熱を完全に停止する場合と、一対の挟持加熱部10、20を火事や火傷の危険性がない程度まで十分に温度低下させる場合の双方を含み得る。圧力センサ60が一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nを所定時間に亘って検出しないとき、又は、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nが所定時間に亘って変化しないときに、一対の挟持加熱部10、20の高温状態でヘアアイロン1が使用されずに放置されていると判断し、安全性に配慮して一対の挟持加熱部10、20の温度を自動的に下げるように制御する。
【0056】
履歴情報取得部120は、過去の毛髪処理において使用した上限閾値Nmaxと下限閾値Nminを示す履歴情報、及び/又は、過去の毛髪処理における毛髪の挟持荷重値Nの推移を示す履歴情報を取得する。例えば、過去の施術時における挟持荷重値、並びに、上限閾値及び下限閾値の少なくとも1つをメモリに記憶しておき、これを任意で出力して確認できるようにすることができる。また、過去の施術時における挟持荷重値、並びに、上限閾値及び下限閾値の少なくとも1つをスマートフォン等の携帯端末に転送(例えば無線送信)して、これを任意で出力して確認できるようにすることができる。これらの蓄積データは、現在及び未来の毛髪処理で使用する挟持荷重値、並びに、上限閾値及び下限閾値に反映・有効利用することができる。なお、履歴情報取得部120は、履歴情報として、一対の挟持加熱部10、20(ヒータ12、22)の温度推移やヘアアイロン1の使用時間の推移を取得してもよい。また、履歴情報として、ヘアアイロン1の使用時間と一対の挟持加熱部10、20の温度と挟持荷重(圧力)をグラフ化することで、使用者が一括管理できるようにしてもよい。
【0057】
更新部140は、履歴情報取得部120が取得した履歴情報に基づいて、現在の毛髪処理において使用する上限閾値Nmaxと下限閾値Nminの少なくとも一方を更新する。これに連動して、更新後の上限閾値Nmaxと下限閾値Nminに従って、現在の毛髪処理における一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nも制御されることになる(報知・警告部100による報知・警告に従って、適用される挟持荷重値Nが誘導されるためである)。例えば、履歴情報として、自ら施術して満足度の高い仕上がりになったときの上限閾値Nmaxと下限閾値Nminや挟持荷重値Nの推移、美容師等のプロに施術して貰った時の上限閾値Nmaxと下限閾値Nminや挟持荷重値Nの推移を取得(記憶)しておき、これに基づいて、現在の毛髪処理において使用する上限閾値Nmaxと下限閾値Nminの少なくとも一方を更新することで、ヘアアイロン1の有効な使用方法(一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nの好適な範囲)を体感しながら習得することができる(理想的な挟持荷重値と一致しているのか乖離があるのかを確認することができる)。
【0058】
毛髪状態情報取得部130は、ヘアアイロン1の使用対象者の毛髪の状態を示す毛髪状態情報を取得する。毛髪状態情報は、例えば、毛髪の量、毛髪の密度、毛髪の長さ、毛髪の太さ、毛髪の湿度、毛髪のダメージ度合い、毛髪の質(ストレートなのか癖毛なのか)等を含んでいる。毛髪状態情報は、例えば、ヘアアイロン1の使用対象者あるいは施術者が外部機器に入力してこれを転送したものであってもよいし、ヘアアイロン1が施術前のキャリブレーション動作として毛髪状態情報を取得(計測)する機能を具備していてもよい。
【0059】
更新部140は、毛髪状態情報取得部130が取得した毛髪状態情報に基づいて、毛髪処理において使用する上限閾値Nmaxと下限閾値Nminの少なくとも一方を更新する。更新後の上限閾値Nmaxと下限閾値Nminは、いわばヘアアイロン1の使用対象者のそれぞれの毛髪の状態に合わせて最適化されたものであり、ヘアアイロン1の使用対象者の毛髪に応じた最適な使用方法(一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持荷重値Nの好適な範囲)を設定することができる。例えば、毛髪が太い人に対しては上限閾値Nmaxと下限閾値Nminを高めに設定して癖付けを確実に行えるように配慮してもよいし、毛髪のダメージが進んでいる人に対しては上限閾値Nmaxと下限閾値Nminを低めに設定してこれ以上のダメージ進行を防止することを重視してもよい。
【0060】
ここで、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を示す指標としての挟持荷重値を検出する「検出部」は、上述の圧力センサ60に限定されず、種々の設計変更が可能である。
【0061】
例えば、挟持荷重が掛かったときに相対変位するプレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)とボディ25の間に、プレートアッシ24の沈み込み量を取得(測定)するホール素子や距離センサ等の電気的センサを配置して「検出部」としてもよい。
【0062】
あるいは、プレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)とボディ25の間に位置して、ボディ25におけるプレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)の変位に応じて接触・非接触が切り替わることにより、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を検出する検出機構を設けてもよい。例えば、図5を参照して、検出機構は、プレートアッシ24の側に設けられたプレートアッシ側電極27Xと、ボディ25の側に設けられたボディ側電極27Yと、プレートアッシ24とボディ25の間を仲介するコイルバネ(仲介弾性体)28と、コイルバネ(仲介弾性体)28に取り付けられたコネクトボタン(導通補助体)29とを有していてもよい。ボディ側電極27Yとコイルバネ28とコネクトボタン29のセットは、挟持加熱部20の軸方向に離間した3セットが設けられており、プレートアッシ側電極27Xは、3セットのボディ側電極27Yとコイルバネ28とコネクトボタン29に共通に設けられている。この検出機構は、ボディ25においてプレートアッシ24(プレート21、ヒータ22、ホルダ23)が沈み込んでコイルバネ28が変位し、コネクトボタン29を介してプレートアッシ側電極27Xとボディ側電極27Yが非導通から導通に切り替わったことを以って、一対の挟持加熱部10、20による毛髪の挟持度合い(挟持力)を検出する。
【0063】
以上のように、本実施形態のヘアアイロンは、毛髪を挟持して加熱する一対の挟持加熱部と、一対の挟持加熱部による毛髪の挟持度合いを検出する検出部と、検出部が検出した毛髪の挟持度合いに基づいた報知・警告を行う報知・警告部とを有しているので、一対の挟持加熱部による毛髪の挟み力を調整しやすくすることができる。
【0064】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【符号の説明】
【0065】
1 ヘアアイロン
10 挟持加熱部(一対の挟持加熱部)
10X 把持部
11 プレート
12 ヒータ
13 ホルダ
14 プレートアッシ
15 ボディ
16 シリコン緩衝材(弾性体)
20 挟持加熱部(一対の挟持加熱部)
20X 把持部
21 プレート
22 ヒータ
23 ホルダ
23X 対向壁
24 プレートアッシ
25 ボディ
25X 対向壁
26 シリコン緩衝材(弾性体)
27X プレートアッシ側電極
27Y ボディ側電極
28 コイルバネ(仲介弾性体)
29 コネクトボタン(導通補助体)
30 ヒンジ軸
40 操作部
41 電源スイッチ
42 温度調整ボタン
50 支持スリーブ
51 電源コード
52 コードブッシュ
60 圧力センサ(検出部)
70 スピーカ
80 振動部
90 表示部
100 報知・警告部
110 加熱制御部
120 履歴情報取得部
130 毛髪状態情報取得部
140 更新部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8