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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018407
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】インジケータ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20250130BHJP
   B60Q 3/14 20170101ALI20250130BHJP
【FI】
G09F13/04 D
B60Q3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122089
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有馬 和博
【テーマコード(参考)】
3K040
5C096
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040HA01
3K040HA02
3K040HB03
5C096AA22
5C096BA01
5C096BB23
5C096BB31
5C096CB01
5C096CC06
5C096FA03
5C096FA11
5C096FA12
5C096FA16
5C096FA17
(57)【要約】
【課題】小型化が可能なインジケータ装置を提供する。
【解決手段】インジケータ装置は、光源が実装された基板と、基板を収容する第1ケース20と、光源が発する光を受けて点灯するインジケータを有するパネルと、前記第1ケース20と組み合わされる第2ケースと、を備える。第1ケース20は、光源を囲む筒状のライトボックス26aと、第2ケースとの固定部分であるボスBbを含むボス形成部21bと、を有する。光源は複数あり、ライトボックス26aも光源の数に対応して複数ある。複数のライトボックス26aは、ボス形成部21bと対応する対応ボックス26a1,26a2を含む。対応ボックス26a1,26a2には、ボス形成部21bの外周形状に沿って欠落した欠落部M1,M2が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が実装された基板と、
前記基板を収容する第1ケースと、
前記光源が発する光を受けて点灯するインジケータを有し、前記第1ケースに固定されるパネルと、
前記第1ケースと組み合わされる第2ケースと、を備え、
前記第1ケースは、
前記基板と前記パネルの間に位置し、前記光源を囲む筒状のライトボックスと、
前記第2ケースとの固定部分であるボスを含み、前記ライトボックスよりも前記第2ケースの近くに位置するボス形成部と、を有し、
前記光源は複数あり、前記ライトボックスも前記光源の数に対応して複数あり、
複数の前記ライトボックスは、前記ボス形成部と対応する対応ボックスを含み、
前記対応ボックスには、前記ボス形成部の外周形状に沿って欠落した欠落部が設けられている、
インジケータ装置。
【請求項2】
前記欠落部は、前記基板の板厚方向において、前記ボス形成部と重ならない、
請求項1に記載のインジケータ装置。
【請求項3】
前記対応ボックスは、隣り合って2つあり、
前記欠落部は、隣り合う前記対応ボックスに亘っている、
請求項1又は2に記載のインジケータ装置。
【請求項4】
前記ボス形成部は、前記第1ケースと前記第2ケースによって挟まれるパッキンが嵌められる溝部をさらに含む、
請求項1又は2に記載のインジケータ装置。
【請求項5】
前記溝部は、前記ボス形成部のうち、前記ボスを避けた位置に設けられている、
請求項4に記載のインジケータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インジケータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、パネルに形成された表示意匠(インジケータ)を、互いに組み合わされる一対のケースの一部に形成された筒部(ライトボックス)に囲まれた光源によって発光表示させるインジケータ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-133657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一対のケースには、両者を固定するためのボスが設けられることが一般的である。こういったボスを何の対策も施さずにインジケータの外側に設けるとケースの外形が必要以上に大きくなり、装置の大型化を招く虞がある。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、小型化が可能なインジケータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るインジケータ装置は、
光源が実装された基板と、
前記基板を収容する第1ケースと、
前記光源が発する光を受けて点灯するインジケータを有し、前記第1ケースに固定されるパネルと、
前記第1ケースと組み合わされる第2ケースと、を備え、
前記第1ケースは、
前記基板と前記パネルの間に位置し、前記光源を囲む筒状のライトボックスと、
前記第2ケースとの固定部分であるボスを含み、前記ライトボックスよりも前記第2ケースの近くに位置するボス形成部と、を有し、
前記光源は複数あり、前記ライトボックスも前記光源の数に対応して複数あり、
複数の前記ライトボックスは、前記ボス形成部と対応する対応ボックスを含み、
前記対応ボックスには、前記ボス形成部の外周形状に沿って欠落した欠落部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、小型化が可能なインジケータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係るインジケータ装置の第2ケースを外した状態での裏側斜視図。
図2】同上実施形態に係る第1ケースの裏側斜視図。
図3】同上実施形態に係る基板の裏側平面図。
図4】同上実施形態に係る第1ケースに基板を収めるステップを説明するための図。
図5】同上実施形態に係る第1ケースの裏側平面図であって、ボス形成部及び対応ボックスを示す図。
図6】同上実施形態に係る第1ケースと基板に実装された光源の表側平面図。
図7図6に対応し、同上実施形態に係る両面テープを説明するための図。
図8】同上実施形態に係るインジケータ装置の図7に示すB-B線での概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
インジケータ装置1は、図1図8の適宜の図に示すように、基板10と、基板10を収容する第1ケース20と、第1ケース20に固定されるパネル30と、第1ケースと組み合わされる第2ケース40(図8参照)と、を備える。
【0011】
以下では、図中に記したX、Y、Z軸を用いて各構成を説明する場合がある。X及びY軸は、基板10の主面(図1で視認される面)と平行であり、互いに直交する。Z軸は、基板10の主面の法線方向(つまり、基板10の板厚方向)に延び、X及びY軸と直交する。また、X、Y、Z軸の各軸を示す矢印が向く方向を、各軸の+(プラス)方向、その反対方向を-(マイナス)方向とする。
【0012】
インジケータ装置1は、建設機械、車両などの乗り物の運転席付近に搭載される表示装置の一部を構成する。第1ケース20は、表示装置の表側ケース(ユーザ側のケース)を構成し、その裏側にある第2ケース40と組み合わされて表示装置の筐体を構成する。つまり、Z方向は表示装置の表裏方向に対応し、図1は第1ケース20及び基板10を表示装置の裏側から見た斜視図である。以下で用いることがある表側、裏側という用語は、表示装置の表側、裏側に対応する。前述のZ軸を用いて説明すれば、表示装置の表側は「-Z側」であり、裏側は「+Z側」である。また、表示装置の上下方向はY方向に対応し、左右方向がX方向に対応する。図1の右方は、表示装置の上方に相当する。つまり、インジケータ装置1は、表示装置の上部に位置する。表示装置において、インジケータ装置1よりも下方(図1の左方に相当)の部分には、図示しない液晶表示パネル等の表示器が実装される。
【0013】
基板10は、図1及び図3に示すコネクタ11、図4に示す光源12などが実装されたPCB(Printed Circuit Board)である。光源12は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)である。基板10は、Y方向よりもX方向に長尺であり、概ね矩形状に形成されている。図6図7に示すように、光源12は、X方向に沿って複数配列されている。
基板10の詳細構造は後に述べる。
【0014】
第1ケース20は、主に図2に示すように、第1壁部21と、第2壁部22と、第3壁部23と、第4壁部24と、開口部25と、基板収容部26と、主板部27と、を備える。主板部27は、Z方向において第1ケース20を開口部25から覗いた場合に見える底の部分に相当する。例えば、第1ケース20は、周知の樹脂材によって形成される。
【0015】
第1~第4壁部21~24は、各々が第1ケース20の主板部27から立設され、図1に示すように、協働して基板10を四方から取り囲む、囲み壁状に形成されている。
【0016】
第1壁部21及び第2壁部22は、基板10の長手方向(X方向)に延び、基板10の短手方向(Y方向)において間隔を空けて対向する。
【0017】
第3壁部23及び第4壁部24は、基板10の短手方向(Y方向)に延び、基板10の長手方向(X方向)において間隔を空けて対向する。第1壁部21は、第2壁部22よりも図1における右方に位置する。第3壁部23は、第4壁部24よりも図1における上方に位置する。
【0018】
開口部25は、第1壁部21と第2壁部22の間に位置するとともに、第3壁部23と第4壁部24の間に位置する。具体的に、開口部25は、協働して囲み壁状をなす第1~第4壁部21~24における、主板部27とは反対の端部によって囲まれる部分である。
【0019】
第1壁部21における開口部25の側の端部には、ボスBa,Bbが形成されたボス形成部21a,21bが設けられている。ボスBa,Bbは、第2ケース40を第1ケース20に固定するための構成である。ボス形成部21aとボス形成部21bは、X方向に互いに間隔を空けて設けられている。
【0020】
ボス形成部21a,21bは、第2壁部22に向かって突出する突出部の一例である。ボス形成部21a,21b(突出部)は、Z方向において、基板収容部26に収容された基板10と重なる位置にある。
【0021】
図4に、基板収容部26に収容された基板10を二点鎖線で示す。図4を参照すると、ボス形成部21a(突出部)は、Z方向において、基板収容部26に収容された基板10と重なる位置にあることが分かる。図4は、図3に示すA-A線での第1ケース20の概略断面図を示すとともに、後述のように、第1ケース20に基板10の収めるステップを説明するための図である。以下では、ボス形成部21a及びボス形成部21bの双方、又は、いずれか一方を、単に「突出部」と呼ぶ場合がある。
【0022】
第1壁部21には、第2壁部22に向かって突起すると共に、Z方向に延びるリブ21cが設けられる。そして、基板10におけるリブ21cに対応する部分には、切り欠き10aが形成されている。図1に示すように、基板10が基板収容部26に収容された状態では、リブ21cが切り欠き10aの中に位置する。リブ21cは、図2に示すように、基板収容部26が備える台26bの上方(開口部25の開口方向)に設けられている。切り欠き10aは、基板10の長手方向(X方向)における中央部に位置する。なお、当該中央部は、基板10の長手方向における完全な中央も含むが、完全な中央からずれた部分であってもよい。切り欠き10a、リブ21c及び台26bの役割については後述する。
【0023】
第2壁部22には、傾斜部22aが設けられている。図4に示すように、傾斜部22aは、Z方向において基板収容部26に収容された基板10と重ならない位置にあり、Y方向において第1壁部21に近い部分ほど、Z方向における位置が基板収容部26に近くなるように傾斜する。
【0024】
本実施形態では、傾斜部22aは、X方向に間隔を空けて配置された複数の傾斜リブから構成されている。複数の傾斜リブは、それぞれ同様に傾斜している。なお、傾斜部22aは、第2壁部22に形成された単一又は複数の傾斜面によって構成されてもよい。
【0025】
基板収容部26は、開口部25から挿入された基板10を収容する部分である。基板収容部26は、第1~第4壁部21~24に囲まれる部分であって、第1ケース20において開口部25が開口する側の反対側に位置する。
【0026】
基板収容部26は、図2に示すように、基板10を固定するための固定ボスB1~B4と、ピンP1,P2と、ライトボックス26aと、前述の台26bと、を備える。
【0027】
固定ボスB1~B4は、第1ケース20の主板部27から開口部25に向かって突起して設けられ、基板収容部26に収容された基板10と接触する。固定ボスB1~B4は、X方向に間隔を空けて配置されている。X方向において、固定ボスB1は主板部27の一端部に設けられ、固定ボスB2は他端部に設けられている。固定ボスB3,B4は、固定ボスB1と固定ボスB2の間に設けられている。図2における方向を用いて説明すると、上から下に向かって、固定ボスB1、固定ボスB3、固定ボスB4、固定ボスB2の順でそれぞれが位置する。
【0028】
図3に示すように、基板10には、固定ボスB1に対応するネジ孔H1、固定ボスB2に対応するネジ孔H2、固定ボスB3に対応するネジ孔H3、及び、固定ボスB4に対応するネジ孔H4が形成されている。基板10は、図1に示すように、ネジS1~S4によって基板収容部26に固定される。具体的に、ネジS1はネジ孔H1を通って固定ボスB1に螺合され、ネジS2はネジ孔H2を通って固定ボスB2に螺合され、ネジS3はネジ孔H3を通って固定ボスB3に螺合され、ネジS4はネジ孔H4を通って固定ボスB4に螺合される。
【0029】
ピンP1,P2は、第1ケース20に対する基板10の位置を決めるための構成である。ピンP1は、第1ケース20の主板部27から開口部25に向かって突起して設けられ、固定ボスB1よりも高く形成されている。ピンP1は、その強度を確保すべく、固定ボスB1に隣接して形成されている。同様に、ピンP2は、第1ケース20の主板部27から開口部25に向かって突起して設けられ、固定ボスB2よりも高く形成されている。ピンP2は、その強度を確保すべく、固定ボスB2に隣接して形成されている。
【0030】
図3に示すように、基板10には、ピンP1が挿入される孔O1と、ピンP2が挿入される孔O2が形成されている。孔O1の口径はピンP1の外径よりも若干大きく、孔O2の口径はピンP2の外径よりも若干大きい。特に、孔O2は、X方向に拡径した長孔状に形成されている。ここで、孔O1,O2は、ピンP1,P2と協働して、第1ケース20に対する基板10の位置を決めるための構成であるが、両者の完全な相対位置を決定するためではなく、後述の本固定の全段階の仮止めのために用いられる。孔O1,O2が前述のように形成されることにより、製造誤差や熱変位が生じたとしても、安定して、第1ケース20に対して基板10を仮止めすることができる。
【0031】
なお、図3での方向を用いて説明すると、本実施形態では、ネジ孔H2及び孔O2は、基板10の下方に位置するコネクタ11よりも下方に位置する。図3での方向で言えば、ネジ孔H2及び孔O2は基板10の下端部に位置する一方で、ネジ孔H1及び孔O1は基板10の上端部に位置する。
【0032】
ライトボックス26aは、光源12からパネル30に向かって拡径する筒状をなし、光源12を囲む。ライトボックス26aは、主板部27と一体に形成され、主板部27の裏側(+Z側)に向かって凹むように設けられている。ライトボックス26aは、後述の各インジケータに対応する照明室であり、X方向に並んで複数設けられている。図6図7に示すように、基板10には、複数のライトボックス26aの各々に対応する光源12が複数設けられている。図4に示すように、第1ケース20には、Z方向においてライトボックス26aと対向する位置に、パネル30が設けられる。ライトボックス26aは、基板10とパネル30の間に位置する。また、前述のボス形成部21a,21bは、ライトボックス26aよりも第2ケース40の近く(つまり、ライトボックス26aよりも+Z方向)に位置する。
【0033】
パネル30は、前記の表示装置の表側に位置し、具体的には第1ケース20に固定される。パネル30は、有機又は無機ガラスからなるガラス板に印刷等により加飾が施された構成である。パネル30は、光源12が発する光を受けて発光表示するインジケータを有する。インジケータは、インジケータ装置1が搭載される乗り物の状態を示すアイコン、意匠などであり、少なくとも一部が透光性を有する。一のインジケータは、パネル30における一のライトボックス26aと対向する部分に形成されている。つまり、インジケータは、複数の光源12及び複数のライトボックス26aに対応して複数ある。これにより、ある光源12が発光すると、その光源12と対向するインジケータが点灯して所定のインジケータ表示が行われる。
【0034】
ここで図2図5に示すように、複数のライトボックス26aは、ボス形成部21bと対応する対応ボックス26a1,26a2を含む。対応ボックス26a1,26a2は、ボス形成部21bと概ねY方向において隣り合う位置に設けられていることで、ボス形成部21bと対応関係にある。また、2つの対応ボックス26a1,26a2は、X方向において隣り合う。
【0035】
ボス形成部21bのうち、2つの対応ボックス26a1,26a2に向く部分の外周形状(外縁)は、概ね円弧状をなす。そして、図5に示すように、対応ボックス26a1には、ボス形成部21bの外周形状に沿って欠落した欠落部M1が設けられている。また、対応ボックス26a2には、ボス形成部21bの外周形状に沿って欠落した欠落部M2が設けられている。
【0036】
具体的に、第1ケース20におけるボス形成部21bの表側(-Z側)には、ボス形成部21bに対応した形状で、且つ、ボス形成部21bより若干大きい切り欠きNが形成されている。図5に示すように、第1ケース20を裏側から見た場合、切り欠きNは、ボス形成部21bと対応ボックス26a1,26a2の間に形成される隙間(ハッチング部分を参照)として視認される。切り欠きNは、主板部27及び対応ボックス26a1,26a2に亘って形成される。
【0037】
ここで、対応ボックス26a1の欠落部M1とは、対応ボックス26a1のうち、切り欠きNとの境界部分を言う。また、対応ボックス26a2の欠落部M2とは、対応ボックス26a2のうち、切り欠きNとの境界部分を言う。したがって、欠落部M1,M2は、Z方向(基板10の板厚方向)において、ボス形成部21bと重ならない。また、欠落部M1,M2は、隣り合う対応ボックス26a1,26a2に亘っている。
【0038】
以上のように、対応ボックス26a1,26a2には、ボス形成部21bの外周形状に沿って欠落した欠落部M1,M2が設けられている。これにより、ボス形成部21bをライトボックス26a(対応ボックス26a1,26a2)の側により近づけて配置することが可能となるため、その分だけ第1ケース20の外形寸法を小さくすることができ、インジケータ装置1の小型化を実現可能である。
【0039】
また、欠落部M1,M2は、Z方向(基板10の板厚方向)において、ボス形成部21bと重ならない。これにより、第1ケース20を射出成形によって製造するための金型構造がシンプルとなり、第1ケース20を製造し易く、結果として、製造コストの低減が可能である。
【0040】
なお、図6図7は、第1ケース20に基板10が収容された状態での第1ケース20の表側平面図である。当該状態は、ボス形成部21bと切り欠きNの間に基板10の一部が位置するため、切り欠きNから基板10の一部が覗いている状態である。
【0041】
ここで、図6に示すように、第1ケース20を表側における対応ボックス26a1,26a2の形状を説明する。対応ボックス26a2は、対応ボックス26a1よりも図6での上方(-X方向)に位置する。対応ボックス26a2のうち、切り欠きNに隣接する外縁部分には、隔壁部E2が形成されている。これにより、対応ボックス26a2の中に位置する光源12からの光が切り欠きNに漏れることが防止される。一方、対応ボックス26a1のうち、切り欠きNに隣接する外縁部分は、隔壁部E2とは異なり、切り欠きNと連通する連通部E1が形成されている。したがって、対応ボックス26a1の中に位置する光源12からの光は、切り欠きNの方向にも漏れ出すことになるが、隔壁部E2があることによって対応ボックス26a2の中には混入しない。なお、隔壁部E2を有する対応ボックス26a2の中に位置する光源12によって点灯するインジケータは、隔壁部E2と対向する位置が透光性を有さないようにデザインされることが好ましい。当該インジケータにおいて、隔壁部E2と対向する位置が透光性を有していると、隔壁部E2がパネル30から透けてユーザに視認され、外観上好ましくないためである。
【0042】
図8は、インジケータ装置1の図7に示すB-B線での概略断面図である。図8においては、断面が視認されない構成については、その形状を概略的に破線で示している。図8に示すように、ボス形成部21bは、前述のボスBbと、第1ケース20と第2ケース40によって挟まれるパッキン5が嵌められる溝部Gbと、を含む。第1ケース20と第2ケース40は、ボスBbに取り付けられるビス6による螺合によって組み合わされる。
【0043】
溝部Gbは、図5に示すように、ボス形成部21bのうち、ボスBbを避けた位置に設けられている。これにより、インジケータ装置1の内部の気密状態を確保しつつ、小型化を実現可能である。
【0044】
また、図7図8において、第1ケース20にパネル30を固定するための両面テープ7を示した。実際には、両面テープ7は、インジケータ装置1を含む表示装置の外縁に亘って設けられるが、図8では、その一部の配置を示している。図7に示す両面テープ7のうち、X方向に帯状に延びる部分は、切り欠きNの大部分を覆うように設けられる。これにより、対応ボックス26a1の中の光源12から発せられて、切り欠きNに漏れた光がパネル30に到達することが抑制される。
【0045】
例えば、基板10は、コネクタ11を介して図示せぬ制御基板と電気的に接続され、制御基板の制御によって光源12の発光制御が行われる。インジケータ装置1の構成の説明は以上である。
【0046】
続いて、インジケータ装置1の製造方法として、第1ケース20に基板10を収める工程を説明する。インジケータ装置1の製造方法は、例えば、前述の表示装置の製造工程の一部を構成する。
【0047】
まず、図4に示すように、パネル30が取り付けられた第1ケース20を、開口部25を上方に向けた状態に置く。この状態では、突出部(図4ではボス形成部21a)が、Z方向において基板収容部26と重なる位置にあるため、基板10を単純に図4の上方から下方に向かって基板収容部26に挿入することができない。
【0048】
そこで、本実施形態のインジケータ装置1の製造方法は、図4に示すように、基板10の一端(図4の右端)を突出部と基板収容部26の間に入れつつ、基板10の他端(図4の左端)を傾斜部22aで摺動させて押すことにより、基板収容部26に基板10を収めるステップ(以下、収容ステップと呼ぶ)を備える。つまり、傾斜部22aは、基板10を基板収容部26に導くためのガイドとして機能する。
このように、傾斜部22aが設けられた第1ケース20、及び、傾斜部22aを利用した収容ステップによれば、基板10を基板収容部26に収める際に、基板10は、傾斜部22aによって前記他端が押されることで、全体が第1壁部21に近づきつつ、且つ、基板収容部26に案内される。したがって、第1ケース20に基板10を収め易い。
【0049】
なお、傾斜部22aをどの程度傾斜させるかは、設計に応じて任意である。また、基板10は、光源12が図4の下方に向く、つまり、ライトボックス26aに向くように挿入されることは言うまでもない。
【0050】
また、収容ステップでは、基板10の一端に形成された切り欠き10aをリブ21cに接触させる過程を経て、基板収容部26に基板10を収める。
これにより、基板10を基板収容部26に載置するまでに、第1ケース20に対する基板10のX方向における位置ずれを抑制することができる。したがって、次に述べるように、基板10に形成された孔O1,O2に、基板収容部26に形成されたピンP1,P2を挿入する作業が容易になる。
【0051】
また、収容ステップでは、基板収容部26に基板10を収める過程で、ピンP1,P2を孔O1,O2に挿入し、第1ケース20に対する基板10の位置を決める。
このように、第1ケース20に形成されたピンP1,P2、及び、基板10に形成された孔O1,O2によれば、後述する本固定の前に、X及びY方向の各々における第1ケース20に対する基板10の位置を概ね定めることができる。
【0052】
上記の収容ステップを経て、基板10を基板収容部26に仮止め、つまり、収めた後に、基板収容部26に基板10を本固定する本固定ステップが実行される。本固定ステップでは、ネジ孔H1を通してネジS1を固定ボスB1に、ネジ孔H2を通してネジS2を固定ボスB2に、ネジ孔H3を通してネジS3を固定ボスB3に、ネジ孔H4を通してネジS4を固定ボスB4に、それぞれ螺合させることで、基板10を基板収容部26に本固定する。
【0053】
なお、基板10が基板収容部26に本固定された状態では、固定ボスB1~B4が基板10に接触するのは当然ながら、リブ21cの下方に設けられた台26bにも接触する。つまり、本実施形態では、第1ケース20に対する基板10のZ方向における位置は、固定ボスB1~B4、及び、台26bによって決められる。なお、基板10が基板収容部26に本固定された状態においては、リブ21cが基板10の切り欠き10aに接触していなくとも良い。リブ21cは、主に、基板10を基板収容部26に挿入する際の動きを規制する目的で設けられるためである。
【0054】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0055】
第1壁部21に設けられ、第2壁部22に向かって突出する突出部は、ボス形成部21a,21bと異なる目的で形成された構成であってもよいし、その数も任意である。また、基板収容部26に形成されたピンと、基板10に設けられてピンが挿入される孔との各々の数は、2つ以上であれば任意である。
【0056】
(付記)
(付記1)
光源が実装された基板と、
前記基板を収容する第1ケースと、
前記光源が発する光を受けて点灯するインジケータを有し、前記第1ケースに固定されるパネルと、
前記第1ケースと組み合わされる第2ケースと、を備え、
前記第1ケースは、
前記基板と前記パネルの間に位置し、前記光源を囲む筒状のライトボックスと、
前記第2ケースとの固定部分であるボスを含み、前記ライトボックスよりも前記第2ケースの近くに位置するボス形成部と、を有し、
前記光源は複数あり、前記ライトボックスも前記光源の数に対応して複数あり、
複数の前記ライトボックスは、前記ボス形成部と対応する対応ボックスを含み、
前記対応ボックスには、前記ボス形成部の外周形状に沿って欠落した欠落部が設けられている、
インジケータ装置。
【0057】
(付記2)
前記欠落部は、前記基板の板厚方向において、前記ボス形成部と重ならない、
付記1に記載のインジケータ装置。
【0058】
(付記3)
前記対応ボックスは、隣り合って2つあり、
前記欠落部は、隣り合う前記対応ボックスに亘っている、
付記1又は2に記載のインジケータ装置。
【0059】
(付記4)
前記ボス形成部は、前記第1ケースと前記第2ケースによって挟まれるパッキンが嵌められる溝部をさらに含む、
付記1~3のいずれかに記載のインジケータ装置。
【0060】
(付記5)
前記溝部は、前記ボス形成部のうち、前記ボスを避けた位置に設けられている、
付記4に記載のインジケータ装置。
【0061】
以上の説明では、本開示の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0062】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0063】
1…インジケータ装置
10…基板、11…コネクタ、12…光源
10a…切り欠き
20…第1ケース
21…第1壁部
21a…ボス形成部、Ba…ボス
21b…ボス形成部、Bb…ボス、Gb…溝部
21c…リブ
22…第2壁部、22a…傾斜部
23…第3壁部
24…第4壁部
25…開口部
26…基板収容部
26a…ライトボックス
26a1…対応ボックス、M1…欠落部、E1…連通部
26a2…対応ボックス、M2…欠落部、E2…隔壁部
26b…台
27…主板部
N…切り欠き
B1~B4…固定ボス、H1~H4…ネジ孔、S1~S4…ネジ
P1,P2…ピン
O1,O2…孔
30…パネル
40…第2ケース
5…パッキン、6…ビス、7…両面テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8