(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018434
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】MMP9阻害作用を有するインドール化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20250130BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20250130BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20250130BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20250130BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20250130BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250130BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20250130BHJP
A61P 11/08 20060101ALI20250130BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20250130BHJP
C07D 498/04 20060101ALI20250130BHJP
C07D 403/06 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
C07D471/04 121
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P35/00
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P1/04
A61P9/12
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P11/00
A61P11/06
A61P11/08
A61K31/55
C07D498/04 101
C07D403/06 CSP
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122131
(22)【出願日】2023-07-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】下野 梨絵
(72)【発明者】
【氏名】松田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今井 佑大
(72)【発明者】
【氏名】二村 彩
(72)【発明者】
【氏名】野村 勇作
(72)【発明者】
【氏名】鷦鷯 亮
(72)【発明者】
【氏名】山口 千歳
(72)【発明者】
【氏名】田中 のぞみ
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 翔
(72)【発明者】
【氏名】桑原 基
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 真弓
(72)【発明者】
【氏名】坂田 真有美
【テーマコード(参考)】
4C063
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB04
4C063CC19
4C063DD06
4C063EE01
4C065AA05
4C065BB14
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ01
4C065JJ02
4C065JJ03
4C065JJ07
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP04
4C065PP07
4C065PP09
4C065PP10
4C065PP13
4C065PP15
4C065PP16
4C065PP18
4C065QQ04
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE03
4C072FF10
4C072GG01
4C072HH07
4C072HH08
4C072JJ03
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC32
4C086CB11
4C086CB22
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA40
4C086ZA42
4C086ZA45
4C086ZA59
4C086ZA61
4C086ZA62
4C086ZA68
4C086ZA96
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、MMP9阻害作用を有する化合物を提供する。
【解決手段】下記式[I-1]
(上記式[I-1]中、R
11は、水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいC
1-6アルキル、置換されてもよいC
1-6アルコキシ、置換されてもよいC
1-6アルキルアミノ、置換されてもよいC
3-8シクロアルキル、置換されてもよい4~8員の飽和のヘテロシクリル、置換されてもよいアリール、又は置換されてもよいヘテロアリールを示し、R
12は、水素原子、ハロゲン原子、C
1-4アルキル、又はC
1-4アルコキシを示し、環Aは、置換されてもよいベンゼン環又は置換されてもよい窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環を示す)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式[I-1]
【化1】
(上記式[I-1]中、
R
11は、
水素原子、ハロゲン原子、
C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルアミノ
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
1-6アルキルアミノは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-6アルコキシ、及び
(c)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C
3-8シクロアルキル、4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該C
3-8シクロアルキル及び4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-6アルキル、
(c)C
1-6アルコキシ
(該C
1-6アルキル及びC
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、及び
(d)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
アリール、又はヘテロアリール
(該アリール及びヘテロアリールは、
1個のC
1-6アルキル
(該C
1-6アルキルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-6アルコキシ、及び
(c)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
を示し、
R
12は、
水素原子、ハロゲン原子、C
1-4アルキル、又はC
1-4アルコキシ
を示し、
環Aは、ベンゼン環又は窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環
を示し、
ここで、
該ベンゼン環及び窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環は、
ヒドロキシ、
アミノ、
カルバモイル、
スルファモイル、
C
1-6アルキル、
C
1-6アルコキシ、
C
1-6アルキルアミノ、
C
1-6アルキルカルボニル、
C
1-6アルキルスルファニル、
C
1-6アルキルスルホニル、
C
1-6アルキルアミノカルボニル、及び
C
1-6アルキルアミノスルホニル
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルアミノ、C
1-6アルキルカルボニル、C
1-6アルキルスルファニル、C
1-6アルキルスルホニル、C
1-6アルキルアミノカルボニル、及びC
1-6アルキルアミノスルホニルは、
カルボキシ、
テトラゾリル、
ヒドロキシ、
アミノ、
C
1-6アルコキシ、及び
C
1-6アルキルアミノ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい)
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項2】
下記式[I-2]
【化2】
(上記式[I-2]中、
R
11は、
C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C
3-8シクロアルキル(該C
3-8シクロアルキルは、ヒドロキシ、C
1-6アルキル、及び4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及び4~8員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
5~6員のヘテロアリール(該5~6員のヘテロアリールは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)
を示し、
R
12は、
水素原子又はハロゲン原子
を示し、
環Aは、ベンゼン環、ピリジン環、又はオキサゾール環
を示し、
ここで、
該ベンゼン環、ピリジン環、及びオキサゾール環は、
アミノ、
C
1-6アルキル、
C
1-6アルコキシ、及び
C
1-6アルキルアミノ
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい)
で表される、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項3】
下記式[I-3]
【化3】
(上記式[I-3]中、
R
11、R
12は、前述の請求項2における記載と同じであり、
R
21は、
水素原子、アミノ、
C
1-6アルコキシ(該C
1-6アルコキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、又は
C
1-6アルキルアミノ(該C
1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
を示し、
R
22は、
水素原子又はハロゲン原子
を示す)
で表される、請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前述の式[I-3]において、
R11が、
エチル(該エチルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のメトキシで置換されてもよい)、イソプロピル(該イソプロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、tert-ブチル、
シクロプロピル、シクロブチル(該シクロブチルは、ヒドロキシ、メチル、モルホリニル、及び4-メチル-ピペラジニルからなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
ピペリジニル(該ピペリジニルは、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及びオキセタニルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
ピラゾリル(該ピラゾリルは、1個のメチルで置換されてもよい)
であり、
R12が、
水素原子又はフッ素原子
であり、
R21が、
水素原子、アミノ、
イソプロポキシ(該イソプロポキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、
メチルアミノ、エチルアミノ(該エチルアミノは、1個のカルボキシで置換されてもよい)、又はn-プロピルアミノ(該n-プロピルアミノは、1個のメトキシで置換されてもよい)
であり、
R22が、
水素原子又はフッ素原子
である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の、以下に示す化合物
【化4】
又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMMP9阻害剤。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害、癌、関節リウマチ、炎症性腸疾患、高血圧、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患、及び気管支喘息からなる群から選ばれる疾患の予防剤又は治療剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ9(以下、適宜に「MMP9」と略記する。)に対する阻害活性を有する、インドール化合物に関する。より詳細には、MMP9に対する阻害活性を有する、縮環構造のヘテロアリールカルボニルで置換されているインドール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、細胞外マトリックス(ECM)を分解することが知られている亜鉛要求性プロテアーゼとそのファミリーであり、現在までに20種類以上のサブタイプが同定されている(非特許論文1)。MMP9はMMPの中でも広く研究されている酵素の一つであり、ECMを分解するほか、ECMタンパク質ではないアンギオテンシンやプラスミノーゲンなども分解する(非特許論文2)。
MMP9は、胃癌の進行に重要な役割を果たすことが知られている(非特許論文3)。MMP9の遺伝子多型は、乳癌患者においては乳癌の発症リスクの特定に重要な役割を果たしている(非特許論文4)。MMP9は乳癌患者の予後不良と直接関連があることも注目されている(非特許論文5)。これらのことから、MMP9阻害薬は癌の進行抑制や発症予防に役立つ可能性がある。
MMP9は癌以外にも種々の疾患との関連性が示唆されている。その中で、脆弱X症候群はMMP9とのかかわりが良く研究されている疾患の一つである。MMP9は脳内において、神経活動依存的に分泌され、シナプス可塑性に寄与していることが報告されている(非特許論文6)。脆弱X症候群患者の死後脳及び脆弱X症候群のモデル動物であるFmr1-KOマウスにおいて、MMP9の発現亢進が報告されている(非特許論文7)。臨床研究においては、脆弱X症候群患者の血中MMP9活性が上昇しており、MMP9阻害活性を有するミノサイクリン投与によりMMP9活性が低下し、脆弱X症候群の症状が改善することが報告されている(非特許論文8)。従って、選択的MMP9阻害薬は脆弱X症候群の治療または予防に有効と考えられる。加えて、脆弱X症候群と同様の症状を示す自閉症スペクトラム障害の患者の血中MMP9量が増加していることも報告されており(非特許論文9)、選択的MMP9阻害薬は脆弱X症候群のみならず自閉症スペクトラム障害の治療及び予防にも有用と考えられる。
その他、統合失調症などの精神疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症などの神経変性疾患、神経因性疼痛、外傷性脳損傷、脳虚血など、様々な神経疾患とのかかわりが示唆されるほか(非特許論文10)、多発性硬化症、炎症性腸疾患、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患との関連も報告されている(非特許論文11、12)。
【0003】
さて、MMP9阻害活性を有する化合物として、スルホン酢酸誘導体や環構造を有するある種の小分子化合物の報告がある。しかし、これらは、MMP9をオルソステリックに阻害するものである(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
MMP9をアロステリックに阻害する化合物として、チアゾール環を有するある種の小分子化合物の報告がある。(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。しかし、縮環構造のヘテロアリールカルボニルで置換されているインドール化合物である本願発明化合物の報告例は、未だ無い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Nat Rev Drug Discov. 2014; 13(12): 904-27.
【非特許文献2】Crit Rev Biochem Mol Biol. 2013; 48(3): 222-72.
【非特許文献3】World J Gastroenterol. 2006; 12(1): 105-9.
【非特許文献4】Tumour Biol. 2014; 35(2): 1351-6.
【非特許文献5】Nature. 2002; 415(6871): 530-6.
【非特許文献6】Sci Rep. 2016; 6: 27757.
【非特許文献7】Cell Rep. 2014; 9(5): 1742-1755.
【非特許文献8】Am J Med Genet A. 2013; 161A(8): 1897-903.
【非特許文献9】Development and Psychopathology. 2021; 34(3): 1-7.
【非特許文献10】J Neurochem. 2016; 139 Suppl 2: 91-114.
【非特許文献11】Front Immunol. 2022; 13: 983964.
【非特許文献12】Matrix Biol. 1998 ;17(5): 335-47.
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2012/038943
【特許文献2】US2012-0277236
【特許文献3】WO2013/003352
【特許文献4】WO2013/003360
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、MMP9阻害活性を有する新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記式[I-1]で表される化合物(以下、化合物[I-1]と記載することもある。)が、MMP9阻害活性を有することを見出した。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の態様は以下に示すものである。
(1)本発明のひとつの態様は、
下記式[I-1]
【0010】
【化1】
(上記式[I-1]中、
R
11は、
水素原子、ハロゲン原子、
C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルアミノ
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
1-6アルキルアミノは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-6アルコキシ、及び
(c)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C
3-8シクロアルキル、4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該C
3-8シクロアルキル及び4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-6アルキル、
(c)C
1-6アルコキシ
(該C
1-6アルキル及びC
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、及び
(d)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
アリール、又はヘテロアリール
(該アリール及びヘテロアリールは、
1個のC
1-6アルキル
(該C
1-6アルキルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-6アルコキシ、及び
(c)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
を示し、
R
12は、
水素原子、ハロゲン原子、C
1-4アルキル、又はC
1-4アルコキシ
を示し、
環Aは、ベンゼン環又は窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環
を示し、
ここで、
該ベンゼン環及び窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環は、
ヒドロキシ、
アミノ、
カルバモイル、
スルファモイル、
C
1-6アルキル、
C
1-6アルコキシ、
C
1-6アルキルアミノ、
C
1-6アルキルカルボニル、
C
1-6アルキルスルファニル、
C
1-6アルキルスルホニル、
C
1-6アルキルアミノカルボニル、及び
C
1-6アルキルアミノスルホニル
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルアミノ、C
1-6アルキルカルボニル、C
1-6アルキルスルファニル、C
1-6アルキルスルホニル、C
1-6アルキルアミノカルボニル、及びC
1-6アルキルアミノスルホニルは、
カルボキシ、
テトラゾリル、
ヒドロキシ、
アミノ、
C
1-6アルコキシ、及び
C
1-6アルキルアミノ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい)
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩
を提供することである。
(2)本発明のひとつの態様は、
下記式[I-2]
【0011】
【化2】
(上記式[I-2]中、
R
11は、
C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C
3-8シクロアルキル(該C
3-8シクロアルキルは、ヒドロキシ、C
1-6アルキル、及び4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及び4~8員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
5~6員のヘテロアリール(該5~6員のヘテロアリールは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)
を示し、
R
12は、
水素原子又はハロゲン原子
を示し、
環Aは、ベンゼン環、ピリジン環、又はオキサゾール環
を示し、
ここで、
該ベンゼン環、ピリジン環、及びオキサゾール環は、
アミノ、
C
1-6アルキル、
C
1-6アルコキシ、及び
C
1-6アルキルアミノ
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい)
で表される、(1)に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩
を提供することである。
(3)本発明のひとつの態様は、
下記式[I-3]
【0012】
【化3】
(上記式[I-3]中、
R
11、R
12は、前述の請求項2における記載と同じであり、
R
21は、
水素原子、アミノ、
C
1-6アルコキシ(該C
1-6アルコキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、又は
C
1-6アルキルアミノ(該C
1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
を示し、
R
22は、
水素原子又はハロゲン原子
を示す)
で表される、(1)又は(2)に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩
を提供することである。
(4)本発明のひとつの態様は、
前述の式[I-3]において、
R
11が、
エチル(該エチルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のメトキシで置換されてもよい)、イソプロピル(該イソプロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、tert-ブチル、
シクロプロピル、シクロブチル(該シクロブチルは、ヒドロキシ、メチル、モルホリニル、及び4-メチル-ピペラジニルからなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
ピペリジニル(該ピペリジニルは、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及びオキセタニルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
ピラゾリル(該ピラゾリルは、1個のメチルで置換されてもよい)
であり、
R
12が、
水素原子又はフッ素原子
であり、
R
21が、
水素原子、アミノ、
イソプロポキシ(該イソプロポキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、
メチルアミノ、エチルアミノ(該エチルアミノは、1個のカルボキシで置換されてもよい)、又はn-プロピルアミノ(該n-プロピルアミノは、1個のメトキシで置換されてもよい)
であり、
R
22が、
水素原子又はフッ素原子
である、(1)~(3)のいずれかに記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩
を提供することである。
(5)本発明のひとつの態様は、
(1)~(4)のいずれかに記載の、以下に示す化合物
【0013】
【化4】
又はその製薬学的に許容される塩
を提供することである。
(6)本発明のひとつの態様は、
(1)~(5)のいずれかに記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬
を提供することである。
(7)本発明のひとつの態様は、
(1)~(5)のいずれかに記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMMP9阻害剤
を提供することである。
(8)本発明のひとつの態様は、
(1)~(5)のいずれかに記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害、癌、関節リウマチ、炎症性腸疾患、高血圧、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患、及び気管支喘息からなる群から選ばれる疾患の予防剤又は治療剤
を提供することである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、優れたMMP9阻害活性を有する化合物の提供が可能となった。
【0015】
また、本発明化合物の中には、MMP9を選択的に阻害する作用を有するものもある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明化合物(実施例1-1)の処置による、MMP9に対するプロセッシング阻害作用を、ウェスタンブロット法により評価した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明について詳細に説明するが、本発明は、例示されたもの
に特に限定されない。
【0018】
本発明において、「n」はノルマルを、「s」及び「sec」はセカンダリーを、「t」及び「tert」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを示す。
【0019】
「Cx-y」(x及びyは、自然数を示す)とは、炭素原子の数が、x個からy個であることを示す。
【0020】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。
【0021】
「芳香環」とは、炭素原子を6~14個有する単環式芳香族炭化水素環又は縮合多環式芳香族炭化水素環を示す。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。
【0022】
「ヘテロ芳香環」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~6個の炭素原子からなる5~7員の単環式芳香族複素環又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~13個の炭素原子からなる9~14個の原子から構成される縮合多環式芳香族複素環を示す。この内、5~6員の単環式芳香族複素環を「5~6員のヘテロ芳香環」とも呼ぶ。例えば、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、ピロール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環が挙げられる。他の例としては、フラン環、ベンゾチアゾール環が挙げられる。
「窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環」とは、前述の「ヘテロ芳香環」において、1個以上の窒素原子を含む、5~6員の単環式芳香族複素環基を示す。例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル等が挙げられる。
【0023】
「アリール」とは、炭素原子を6~14個有する単環式芳香族炭化水素基又は縮合多環式芳香族炭化水素基を示す。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等が挙げられる。
また、部分的に飽和されたアリールも「アリール」に含まれる。同様のことは、芳香環にもあてはまる。「部分的に飽和されたアリール」、及びそれに対応する芳香環である「部分的に飽和された芳香環」とは、炭素原子を6~14個有する単環式芳香族炭化水素基又は縮合多環式芳香族炭化水素基が部分的に飽和された基、及びそのような構造を有する環を示す。例えば、ジヒドロインデニル、テトラヒドロナフタレニル、ジヒドロインデン環、テトラヒドロナフタレン環等が挙げられる。
【0024】
「ヘテロアリール」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~6個の炭素原子からなる5~7員の単環式芳香族複素環基又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~13個の炭素原子からなる9~14個の原子から構成される縮合多環式芳香族複素環基を示す。例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリル等が挙げられる。他の例としては、フラニル、ベンゾチアゾリルが挙げられる。
また、部分的に飽和されたヘテロアリールも「ヘテロアリール」に含まれる。同様のことは、ヘテロ芳香環にも当てはまる。「部分的に飽和されたヘテロアリール」、及びそれに対応するヘテロ芳香環である「部分的に飽和されたヘテロ芳香環」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~6個の炭素原子からなる5~7員の部分的に飽和された単環式複素環基又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~13個の炭素原子からなる9~14個の原子から構成される部分的に飽和された縮合多環式複素環基、及びそのような構造を有する環を示す。例えば、オキサゾリジニル、チアゾリニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、クロマニル、ジヒドロピラノピリジニル、ジヒドロフロピリジニル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロトリアゾロアゼピニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロピリドアゼピニル、テトラヒドロオキサゾロアゼピニル、オキサゾリジン環、チアゾリン環、ジヒドロピリジン環、ジヒドロベンゾフラン環、クロマン環、ジヒドロピラノピリジン環、ジヒドロフロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、ジヒドロベンゾジオキシン環、テトラヒドロトリアゾロアゼピン環、テトラヒドロベンゾアゼピン環、テトラヒドロピリドアゼピン環、テトラヒドロオキサゾロアゼピン環等が挙げられる。他の例としては、ジヒドロシクロペンタピリジニル、テトラヒドロベンゾイソオキサゾリル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリル、及びそれらに対応する環が挙げられる。
【0025】
「5~6員のヘテロアリール」とは、前述の「ヘテロアリール」において、5~6員の単環式芳香族複素環基を示す。例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル等が挙げられる。
【0026】
「C3-8シクロアルキル」とは、炭素原子を3~8個有する環状のアルキルを示す。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
さらに、該C3-8シクロアルキルは、C1-3アルカンジイルで架橋されてもよく、例えば、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]へプチル、が挙げられる。
【0027】
「4~8員の飽和のヘテロシクリル」とは、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子からなる群より選ばれる1個の原子と3~7個の炭素原子からなる4~8員の単環式飽和複素環基を示し、ここで、前述の酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子の他に、さらに、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子からなる群から選ばれる1個の原子を含んでもよい。例えば、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ジアゼパニルが挙げられる。
さらに、該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C1-3アルカンジイルで架橋されてもよく、例えば、アザビシクロ[1.1.1]ペンチル、アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、アザビシクロ[2.2.1]へプチル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル、オキサ-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、ジアザビシクロ[4.2.1]ノニルが挙げられる。
【0028】
「C1-4アルキル」とは、炭素原子を1~4個有する直鎖状又は分岐状のアルキルを示す。メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルが挙げられる。
「C1-6アルキル」とは、炭素原子を1~6個有する直鎖状又は分岐状のアルキルを示す。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-アミル、n-ヘキシルが挙げられる。
【0029】
「C1-4アルコキシ」とは、炭素原子を1~4個有する直鎖状又は分岐状のアルコキシを示す。メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシが挙げられる。
「C1-6アルコキシ」とは、炭素原子を1~6個有する直鎖状又は分岐状のアルコキシを示す。例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシが挙げられる。
【0030】
「モノC1-6アルキルアミノ」とは、前述の「C1-6アルキル」を置換基として1個有するアミノを示す。例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、n-ペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノが挙げられる。
「ジC1-6アルキルアミノ」とは、前述の「C1-6アルキル」を置換基として同一に又は異なって2個有するアミノを示す。例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、エチルメチルアミノ、メチル(n-プロピル)アミノが挙げられる。
「C1-6アルキルアミノ」とは、前述の「モノC1-6アルキルアミノ」及び「ジC1-6アルキルアミノ」を示す。
【0031】
「C1-6アルキルカルボニル」とは、前述の「C1-6アルキル」とカルボニルが結合した基を示す。例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニルが挙げられる。
「C1-6アルキルスルファニル」とは、前述の「C1-6アルキル」とスルファニルが結合した基を示す。例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n-プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、n-ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、sec-ブチルスルファニル、tert-ブチルスルファニル、n-ペンチルスルファニル、n-ヘキシルスルファニルが挙げられる。
「C1-6アルキルスルホニル」とは、前述の「C1-6アルキル」とスルホニルが結合した基を示す。例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニルが挙げられる。
【0032】
「C1-6アルキルアミノカルボニル」とは、前述の「C1-6アルキルアミノ」とカルボニルが結合した基を示す。例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ(n-プロピル)アミノカルボニル、ジ(イソプロピル)アミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、メチル(n-プロピル)アミノカルボニル等が挙げられる。
等が挙げられる。
「C1-6アルキルアミノスルホニル」とは、前述の「C1-6アルキルアミノ」とスルホニルが結合した基を示す。例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n-プロピルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、n-ブチルアミノスルホニル、イソブチルアミノスルホニル、n-ペンチルアミノスルホニル、n-ヘキシルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル、ジ(n-プロピル)アミノスルホニル、ジ(イソプロピル)アミノスルホニル、エチルメチルアミノスルホニル、メチル(n-プロピル)アミノスルホニル等が挙げられる。
等が挙げられる。
【0033】
「C1-3アルカンジイル」とは、炭素原子を1~3個有するアルキルから水素原子1個を除去してなる2価の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を示す。メタンジイル、エタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-2,2-ジイルが挙げられる。
【0034】
本発明の化合物は、インドールを基本骨格とする構造を、より詳細には、縮環構造のヘテロアリールカルボニルで置換されているインドールを基本骨格とする構造を有する。当該化合物は、その製薬学的に許容される塩の形態をとっても良い。
製薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩のような有機酸塩等の酸付加塩、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩、又は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のような無機塩若しくはアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩が挙げられる。なお、塩には、含水塩が含まれる。
本発明の化合物は、不斉中心を持つことがあり、その場合種々の光学異性体が存在する。したがって、本発明の化合物は、(R)及び(S)の別々の光学活性体として、及びラセミ体又は(RS)混合物として存在し得る。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在する。本発明の化合物は、これらすべての型を、任意の割合で含む混合物も含む。たとえば、ジアステレオマーは当業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離することができ、また、光学活性体はこの目的のためによく知られた有機化学的手法によって得ることができる。また、本発明の化合物には、cis体、trans体などの幾何異性体が存在することがある。さらに、本発明の化合物は、互変異性を有し、種々の互変異性体が存在する。本発明の化合物は、それらの異性体、及びそれらの異性体を任意の割合で含んだ混合物も含む。
【0035】
さらに、本発明の化合物又はその塩が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の化合物又はその塩の範囲内に含まれる。
【0036】
本発明化合物において、好ましい態様を以下に挙げる。
【0037】
本発明の化合物のひとつの好ましい態様は、以下の態様(A)である。
・態様(A):
前述の式[I-1]
【0038】
【化5】
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩において、
【0039】
好ましい態様は以下の通りである。
上記式[I-1]中、
R11が、
水素原子、ハロゲン原子、
C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ
(該C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びC1-6アルキルアミノは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C1-6アルコキシ、及び
(c)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C3-8シクロアルキル、4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該C3-8シクロアルキル及び4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C1-6アルキル、
(c)C1-6アルコキシ
(該C1-6アルキル及びC1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、及び
(d)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
アリール、又はヘテロアリール
(該アリール及びヘテロアリールは、
1個のC1-6アルキル
(該C1-6アルキルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C1-6アルコキシ、及び
(c)4~8員の飽和のヘテロシクリル
(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、
1個のC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
で置換されてもよい)
であり、
R12が、
水素原子、ハロゲン原子、C1-4アルキル、又はC1-4アルコキシ
であり、
環Aが、ベンゼン環又は窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環
であり、
ここで、
該ベンゼン環及び窒素原子を含む5~6員のヘテロ芳香環は、
ヒドロキシ、
アミノ、
カルバモイル、
スルファモイル、
C1-6アルキル、
C1-6アルコキシ
C1-6アルキルアミノ、
C1-6アルキルカルボニル、
C1-6アルキルスルファニル、
C1-6アルキルスルホニル、
C1-6アルキルアミノカルボニル、及び
C1-6アルキルアミノスルホニル
(該C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキルスルファニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルアミノカルボニル、及びC1-6アルキルアミノスルホニルは、
カルボキシ、
テトラゾリル、
ヒドロキシ、
アミノ、
C1-6アルコキシ、及び
C1-6アルキルアミノ
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい。
【0040】
より好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩が、
下記式[I-2]
【0041】
【化6】
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩であって、
上記式[I-2]中、
R
11が、
C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C
3-8シクロアルキル(該C
3-8シクロアルキルは、ヒドロキシ、C
1-6アルキル、及び4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及び4~8員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
5~6員のヘテロアリール(該5~6員のヘテロアリールは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)
であり、
R
12が、
水素原子又はハロゲン原子
であり、
環Aが、ベンゼン環、ピリジン環、又はオキサゾール環
であり、
ここで、
該ベンゼン環、ピリジン環、及びオキサゾール環は、
アミノ、
C
1-6アルキル、
C
1-6アルコキシ、及び
C
1-6アルキルアミノ
(該C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、及びC
1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい。
【0042】
ひとつのさらに好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩が、
下記式[I-3]
【0043】
【化7】
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩であって、
上記式[I-3]中、
R
11が、
C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C
3-8シクロアルキル(該C
3-8シクロアルキルは、ヒドロキシ、C
1-6アルキル、及び4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C
1-6アルキル(該C
1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及び4~8員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
5~6員のヘテロアリール(該5~6員のヘテロアリールは、1個のC
1-6アルキルで置換されてもよい)
であり、
R
12が、
水素原子又はハロゲン原子
であり、
R
21が、
水素原子、アミノ、
C
1-6アルキルアミノ(該C
1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC
1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
であり、
R
22が、
水素原子又はハロゲン原子
である。
【0044】
他のさらに好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩が、
前述の式[I-3]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩であって、
R11が、
エチル(該エチルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のメトキシで置換されてもよい)、イソプロピル(該イソプロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、tert-ブチル、
シクロプロピル、シクロブチル(該シクロブチルは、ヒドロキシ、メチル、モルホリニル、及び4-メチル-ピペラジニルからなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
ピペリジニル(該ピペリジニルは、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及びオキセタニルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
ピラゾリル(該ピラゾリルは、1個のメチルで置換されてもよい)
であり、
R12が、
水素原子又はフッ素原子
であり、
R21が、
水素原子、アミノ、
メチルアミノ、エチルアミノ(該エチルアミノは、1個のカルボキシで置換されてもよい)、又はn-プロピルアミノ(該n-プロピルアミノは、1個のメトキシで置換されてもよい)
であり、
R22が、
水素原子又はフッ素原子
である。
【0045】
特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I-1]で表される化合物が、以下の場合である:
【0046】
【0047】
本発明の化合物の他の好ましい態様は、以下の態様(B)である。
・態様(B):
前述の式[I-3]
【0048】
【化9】
で表される化合物で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩において、
【0049】
好ましい態様は以下の通りである。
上記式[I-2]中、
R11が、
C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルは、ヒドロキシ、C1-6アルキル、及び4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、1個のC1-6アルキルで置換されてもよい)からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及び4~8員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
5~6員のヘテロアリール(該5~6員のヘテロアリールは、1個のC1-6アルキルで置換されてもよい)
であり、
R12が、
水素原子又はハロゲン原子
であり、
環Aが、ベンゼン環、ピリジン環、又はオキサゾール環
であり、
ここで、
該ベンゼン環、ピリジン環、及びオキサゾール環は、
アミノ、
C1-6アルキル、
C1-6アルコキシ、及び
C1-6アルキルアミノ
(該C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、及びC1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
からなる群から選ばれる1個の基で置換されてよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい。
【0050】
より好ましい態様は以下の通りである。
上記式[I-3]中、
R11が、
C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、
C3-8シクロアルキル(該C3-8シクロアルキルは、ヒドロキシ、C1-6アルキル、及び4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、1個のC1-6アルキルで置換されてもよい)からなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
4~8員の飽和のヘテロシクリル(該4~8員の飽和のヘテロシクリルは、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及び4~8員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
5~6員のヘテロアリール(該5~6員のヘテロアリールは、1個のC1-6アルキルで置換されてもよい)
であり、
R12が、
水素原子又はハロゲン原子
であり、
R21が、
水素原子、アミノ、
C1-6アルキルアミノ(該C1-6アルキルアミノは、カルボキシ、ヒドロキシ、及びC1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)
であり、
R22が、
水素原子又はハロゲン原子
である。
【0051】
さらに好ましい態様は以下の通りである。
上記式[I-3]中、
R11が、
エチル(該エチルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のメトキシで置換されてもよい)、イソプロピル(該イソプロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)、tert-ブチル、
シクロプロピル、シクロブチル(該シクロブチルは、ヒドロキシ、メチル、モルホリニル、及び4-メチル-ピペラジニルからなる群から選ばれる1~2個の基で置換されてもよい)、
ピペリジニル(該ピペリジニルは、n-プロピル(該n-プロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)及びオキセタニルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい)、又は
ピラゾリル(該ピラゾリルは、1個のメチルで置換されてもよい)
であり、
R12が、
水素原子又はフッ素原子
であり、
R21が、
水素原子、アミノ、
メチルアミノ、エチルアミノ(該エチルアミノは、1個のカルボキシで置換されてもよい)、又はn-プロピルアミノ(該n-プロピルアミノは、1個のメトキシで置換されてもよい)
であり、
R22が、
水素原子又はフッ素原子
である。
【0052】
ひとつの特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I-3]で表される化合物が、以下の場合である:
【0053】
【0054】
また、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I-3]で表される化合物が、以下の場合である:
【0055】
【0056】
本発明の化合物の他の好ましい態様は、以下の態様(C)である。
・態様(C):
前述の式[I-1]
【0057】
【化12】
で表される化合物が、以下のいずれかである場合である:
【0058】
【0059】
【0060】
本発明の化合物の他の好ましい態様は、以下の態様(D)である。
・態様(D):
前述の式[I-1]
【0061】
【化15】
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩において、
【0062】
好ましいR11は、C1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)であり、
より好ましいR11は、イソプロピル(該イソプロピルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい)であり、
さらに好ましいR11は、1個のヒドロキシで置換されているイソプロピルであり、
特に好ましいR11は、下記式[II-1]
【0063】
【0064】
好ましいR12は、水素原子である。
【0065】
好ましい環Aは、ピリジン環であり、
ここで、該ピリジン環は、
1個のアミノで置換されてよく、
さらに、1個のハロゲン原子で置換されてよい。
【0066】
より好ましい環Aは、ピリジン環であり、
ここで、該ピリジン環は、
1個のアミノで置換されてもよく、
さらに1個のフッ素原子で置換されてもよい。
【0067】
さらに好ましい環Aは、ピリジン環であり、
ここで、該ピリジン環は、
1個のアミノで置換されており、
さらに1個のフッ素原子で置換されている。
【0068】
特に好ましい環Aは、下記式[II-2]
【0069】
【0070】
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、コラーゲン、フィブロネクチン、エラスチン、ラミニン、プロテオグリカン等から成り立つ細胞外マトリックスを分解することが知られている亜鉛要求性プロテアーゼとそのファミリーであり、現在までに20種類以上のサブタイプが同定されている。MMPはその基質特異性からコラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、マトリライシン、ストロメライシン、膜型、その他の6つのタイプに分類されている。MMP2とMMP9はゼラチナーゼであり、ゼラチンを分解するほか、上述のコラーゲン、ラミニン、エラスチン、などの細胞外マトリックスの消化にかかわっている。
【0071】
すべてのMMPは少なくとも3つのドメイン(シグナルペプチドドメイン、プロペプチドドメイン、カタリティックドメイン)を有している。シグナルペプチド(17-29アミノ酸)は細胞からの分泌を制御している。プロペプチドドメイン(プロドメイン)は酵素の活性化にかかわっている。プロドメインにはシステインスイッチと呼ばれるアミノ酸配列があり、酵素活性に重要な亜鉛イオンを休眠状態にしている。一方、カタリティックドメインはタンパクの分解に関与している。このドメインは亜鉛イオン結合部位を有しており、酵素活性に必要である。このほかに、MMP9を含むいくつかのMMPはヘモペキシン様ドメインを有しており、基質認識に関与している。MMP2とMMP9はさらにフィブロネクチンドメインを有しており、これは他のMMPには存在しない。
【0072】
MMPは通常プレプロ体として合成され、シグナルドメインが取り除かれてプロ体となる。プロドメインに存在するシステインスイッチが酵素活性を制御しており、プロドメインが取り除かれることで活性型の酵素となる。MMP9においては、プロドメインの分解には種々のタンパク分解酵素が関わっている。これらはMMP2、MMP3、MMP7、MMP10、MMP13、カテプシン、プラスミンなどであり、興味深いことにMMP3が最も強力な活性化剤である。
【0073】
MMPは、正常な組織の構築において重要な役割を果たすだけでなく、関節炎、歯周炎及び組織潰瘍形成などの数多くの結合組織疾患、並びに癌細胞の浸潤及び転移におけるマトリックスの病理学的な破壊においても重要な役割を果たすものと考えられる。
【0074】
癌研究においては、分子が過剰に発現し癌細胞が増加・転移するプロセスなどについてよく研究されている。細胞外マトリックスが癌の進行に重要な役割を果たすことが知られており、癌細胞と細胞外マトリックスの相互作用が癌細胞の発生に重要である。癌の進行の過程においては、転移・浸潤・血管新生などが重要であるが、これらのいずれにおいてもMMP9が関与しているとの報告があることから、選択的なMMP9阻害薬は癌の治療または予防に使用できる可能性がある。
【0075】
癌以外の疾患では、急性及び慢性の免疫疾患への関与が報告されている。MMP9は免疫組織への白血球の浸潤や脳血管関門の透過性に影響を与え炎症を起こすことが考えられる。このことから、MMP9阻害薬は関節リウマチや炎症性腸疾患などのような自己免疫疾患に有効な可能性がある。
【0076】
MMP9の遺伝子多型は高血圧、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞などの心血管疾患と関連している。MMP9はタンパク質分解を引き起こして血管内皮増殖因子を放出させることがあり、血管新生において重要な役割を果たしている。
【0077】
肺の正常な機能には、細胞外マトリックスによる肺胞の保持が必要である。したがって、細胞外マトリックスの過剰な分解と異常な再構築は、慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息などの多くの呼吸器疾患を引き起こし、場合によっては結核につながることもある。MMP9阻害薬はこれらの疾患の治療または予防に役立つことが考えられる。
【0078】
中枢神経系との関与についても報告されている。統合失調症患者の血中MMP9濃度が健常者より高く、症状との相関があることが報告されている。また、自閉症スペクトラム障害患者においてもMMP9の血中濃度が高値を示すことが報告されており、動物及びヒトで自閉症スペクトラム障害患者様症状を引き起こすバルプロ酸による神経発達障害に対して、MMP9を抑制することで障害が改善されるとの報告もされている。従って、MMP9阻害薬は自閉症スペクトラム障害患者のような発達障害や統合失調症のような精神疾患の治療または予防に有効な可能性がある。特に、発達障害に関して、単一遺伝子の障害に基づく発達障害である脆弱X症候群に関して、良く研究されている。MMP9は分泌型MMPであり、脳内における発現は多くは無いものの、神経活動依存的に分泌され、細胞外マトリックスのリモデリングを介してシナプス可塑性に寄与していることが報告されている。脆弱X症候群のモデル動物であるFmr1-KOマウスにおいて、MMP9の発現亢進が報告されており、これと同様に脆弱X症候群患者の死後脳でもMMP9の増加が報告されている。臨床研究においては、脆弱X症候群患者の血中MMP9活性が上昇しており、MMP9阻害活性を有するミノサイクリン投与によりMMP9活性が低下し、脆弱X症候群の症状が改善することが報告されている。従って、選択的MMP9阻害薬は脆弱X症候群の治療または予防に有効と考えられる。
【0079】
また、前述の通り、脆弱X症候群と同様の症状を示す自閉症スペクトラム障害の患者の血中MMP9量が増加していることも報告されており、選択的MMP9阻害薬は自閉症スペクトラム障害の治療及び予防にも有用と考えられる。
【0080】
なお、本発明の化合物のMMP9を阻害する作用を評価するには、例えば、後述の本明細書の試験例に記載した方法など、公知の手法に従って行うことができる。
【0081】
本発明に係る医薬について、含有する本発明の化合物であるMMP9阻害活性を有する化合物又はその製薬学的に許容される塩は、単独に、又は薬学的或いは薬剤学的に許容される添加剤と共に投与することができる。
【0082】
添加剤としては、常用の賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される結合剤、崩壊剤、潤滑剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤又は水性若しくは非水性溶媒を使用することができる。具体的には、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、コーンスターチ、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、寒天、ペクチン、アラビアゴム、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油カカオバター、エチレングリコール、低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)等やその他常用されるものを挙げることができる。
【0083】
本発明に係る医薬は、固体組成物、液体組成物及びその他の組成物のいずれの形態でもよく、必要に応じて最適のものが選択される。
【0084】
本発明に係る医薬は、本発明の化合物に、前述の添加剤を添加し、常用の製剤技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤等に調製する事ができる。
【0085】
また、本発明に係る医薬は、本発明の化合物と、α、β、若しくはγ-シクロデキストリン又はメチル化シクロデキストリン等とで包接化合物を形成させて製剤化することができる。
【0086】
本発明に係る医薬は、本発明の化合物と併用可能な化合物について、単一の製剤(配合剤)、又は別々に製剤化して得られる2種以上の製剤(併用剤)とすることができる。
これらの化合物を別々に製剤化して2種以上の製剤とする場合には、個々の製剤を同時又は一定の時間間隔を空けて投与することが可能である。この場合、どちらを先に投与しても構わない。当該2種以上の製剤は、1日にそれぞれ異なる回数で投与することもできる。また、当該2種以上の製剤は、異なる経路で投与することもできる。
【0087】
これらの化合物を別々に製剤化して2種の製剤とする場合は、同時に、又は極めて短い間隔で投与する場合もあり、例えば、市販されている医薬の添付文書や販売パンフレット等の文書に、それぞれを併用する旨を記載するのが好ましい。
また、これらの有効成分を別々に製剤化して2種の製剤からなるキットの形態とすることも好ましい。
【0088】
本発明の化合物をMMP9阻害剤などとして使用する場合は、本発明の化合物をそのまま経口投与してもよい。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与してもよい。
【0089】
本発明の化合物を、脆弱X症候群及び自閉症スペクトラム障害からなる群から選ばれる疾患の予防剤又は改善剤などとして使用する場合は、本発明の化合物をそのまま経口投与してもよい。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与してもよい。
【0090】
本発明の化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば、成人の患者に経口投与する場合、通常1回量として0.1mg~1000mg、好ましくは1mg~200mgであり、この量を、1日に1回~3回、又は2日~3日に1回投与するのが望ましい。
【0091】
本発明の化合物の製剤の製造例を以下に示す。
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分:式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩、乳糖、コーンスターチ、HPC-L。
式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらを混合機にて混合する。混合末にHPC-L水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるいで篩過し顆粒剤を得る。
【0092】
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分:式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩、乳糖、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム。
式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムを混合機にて混合し、散剤を得る。得られた散剤はカプセルに充填することができる。
【0093】
製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分:式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩、乳糖、コーンスターチ、HPC-L。
式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらを混合機にて混合する。混合末にHPC-L水溶液を添加し、練合、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるいで篩過し整粒し、顆粒を得る。得られた顆粒はカプセルに充填することができる。
【0094】
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分:式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩、乳糖、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、CMC-Na。
式[I-1]で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩と乳糖と微結晶セルロース、CMC-Naをふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打し錠剤を得る。
【0095】
製剤例5
以下の成分を含有する注射剤を製造する。
成分:式[I-1]で表される化合物、精製卵黄レシチン、オレイン酸、精製大豆油、グリセリン、注射用水。
式[I-1]で表される化合物と精製卵黄レシチンとオレイン酸を精製大豆油に加え、溶解後、グリセリンを混合した注射用水を添加し、乳化機により乳化する。これに注射用水を添加し、アンプルに分注、封入、滅菌して注射剤を得る。
【0096】
一般的製造中、「不活性溶媒」とは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1、4-ジオキサン、1、2-ジメトキシエタン等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭素系溶媒、ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、若しくは水、又はこれらの混合溶媒等である。
【0097】
「塩基」とは、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の低級アルコキシド、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、メチルリチウム等のアルキルリチウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N, N-ジイソプロピルエチルアミン、1, 8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカー7-エン(DBU)、1, 5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、N, N-ジメチルアニリン等のアミン、ピリジン、イミダゾール、2, 6-ルチジン等の塩基性ヘテロ環化合物などである。これらの塩基は当業者に公知である種々の反応条件に応じて適宜選択される。
【0098】
「酸」とは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸及びメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸である。これらの酸は当業者に公知である種々の反応条件に応じて適宜選択される。
一般的製造法1 製造中間体である化合物(8)の合成
【0099】
【化18】
(上記スキーム中、R
21及びR
22は、前記と同義である。)
【0100】
工程1-1:不活性溶媒中、化合物(1)に有機金属試薬を反応させた後、ホルミル化剤を加えて反応させることで化合物(2)を得ることができる。ここで、有機金属試薬とは、n-ブチルリチウムやリチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
【0101】
工程1-2:不活性溶媒中、化合物(2)と塩基の存在下又は非存在下、パラジウム触媒及びビニルホウ素化合物と、各々に対して必要に応じて金属触媒の配位子を使用することで、化合物(3)を得ることができる。
【0102】
工程1-3:不活性溶媒中、室温で化合物(3)とアリルアミンを反応させた後、続けて還元剤を反応させることで化合物(4)を得ることができる。
【0103】
工程1-4:化合物(4)に対して、Boc2Oを用いてアミノを保護することにより、化合物(5)を得ることができる。
なお、当該反応は、Theodora W. Green, Peter G. M. Wut、「有機合成における保護基(Green's Protective Groups in Organic Synthesis, Forth Edition);Wiley Interscience」に記載を参照して行うことができる。
また、化合物(4)のアミノの保護は、前述のBocだけでなく、当該文献に記載の適切なものも使用することができる。
【0104】
工程1-5:不活性溶媒中、化合物(5)へGrubbs触媒を作用させることで化合物(6)を得ることができる。
【0105】
工程1-6:不活性溶媒中、Pt/C触媒存在下、室温で化合物(6)と水素を反応させることで化合物(7)を得ることができる。
工程1-7:化合物(7)のBocに対して、前述の文献「有機合成における保護基(Green's Protective Groups in Organic Synthesis, Forth Edition)」に記載の脱保護反応を行い、続けて、塩化水素の有機溶媒溶液で処理することにより、化合物(8)を得ることができる。
ここで、工程1-7において、化合物(8)は、他の製薬学的に許容される塩として得ることもできるし、フリー体として得ることもできる。
【0106】
なお、化合物(1)やは、市販のものを購入したり、文献情報に従って製造することにより、入手することができる。
【0107】
また、各工程で得られる化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
一般的製造法2 製造中間体である化合物(11)の合成
【0108】
【化19】
(上記スキーム中、R
11及びR
12は、前記と同義である。)
工程2-1:不活性溶媒中、化合物(9)に対して、酢酸存在下パラジウム触媒と2-オキソプロパン酸エチルを反応させることで、化合物(10)を得ることができる。
工程2-2:水中もしくは有機溶媒中、化合物(10)と無機塩基を反応させることで化合物(11)を得ることができる。ここで、無機塩基とは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。
【0109】
なお、化合物(9)は、市販のものを購入したり、文献情報に従って製造することにより、入手することができる。
【0110】
また、各工程で得られる化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
一般的製造法2’ 製造中間体である化合物(15)の合成
また、前述の化合物(11)において、R11がヒドロキシイソプロピルである化合物(15)は、以下の方法で製造することもできる。
【0111】
【化20】
(上記スキーム中、R
12は、前記と同義である。)
【0112】
工程2’-1:化合物(12)に対し、工程2-1と同様の反応を行うことで化合物(13)を得ることができる。
【0113】
工程2’-2:不活性溶媒中、化合物(13)に対しメチルグリニャール試薬を反応させることで化合物(14)を得ることができる。
【0114】
工程2’-3:化合物(14)に対し、工程2-2と同様の反応を行うことで化合物(15)を得ることができる。
【0115】
なお、化合物(12)は、市販のものを購入したり、文献情報に従って製造することにより、入手することができる。
【0116】
また、各工程で得られる化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
一般的製造法3
【0117】
【化21】
(上記スキーム中、R
11、R
12、R
21、及びR
22は、前記と同義である。)
【0118】
工程4-1:不活性溶媒中、化合物(11)と化合物(8)に無機塩基の存在下又は非存在下、縮合剤を反応させることで本発明化合物[I-3]を得ることができる。ここで、縮合剤とは、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファートや1-プロパンホスホン酸無水物等が挙げられる。
【0119】
また、本工程で得られる化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
【0120】
なお、化合物[I-1]や化合物[I-2]も、対応する原料や製造中間体を用意し、一般的製造法1~3に記載の方法又はこれらに準じる方法で、製造することができる。
【実施例0121】
以下の参考例及び実施例において、シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、パックドカラム(グレース社製Reveleris(登録商標)Flash Cartridges Silica、又はバイオタージ社製Biotage(登録商標)SNAP Cartridge HP-Sphere)を使用した。NHシリカゲルカラムクロマトグラフィーには、パックドカラム(グレース社製Reveleris(登録商標)Flash Cartridges Amino、又はバイオタージ社製Biotage(登録商標)SNAP Cartridge KP-NH)を使用した。分取薄層クロマトグラフィーには、メルク社製PLCプレート20x20cmシリカゲル60F254、2mmを用いた。溶出溶媒の比は特に断らない限り容量比を示す。フェーズセパレーターは、バイオタージ社製ISOLUTE(登録商標)Phase Separatorを使用した。
【0122】
本明細書中で用いられている略語は下記の意味を示す。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:クァルテット(quartet)
quin:クインテット(quintet)
sxt:セクテット(sextet)
spt:セプテット(septet)
dd:ダブルダブレット(double doublet)
dt:ダブルトリプレット(double triplet)
td:トリプルダブレット(triple doublet)
tt:トリプルトリプレット(triple triplet)
qd:クォーターダブレット(quarter doublet)
m:マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
CHLOROFORM-d:重クロロホルム
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
MeOH-d4:重メタノール
ACETONE-d6:重アセトン
D2O:重水THP:テトラヒドロピラニル
TMS: トリメチルシリル
Rf:遅延係数(retardation factor)
【0123】
1H-NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)は、内部標準としてテトラメチルシランを用いて下記のフーリエ変換型NMRで測定し、全δ値をppmで示した。
200MHz: Gemini2000 (Agilent Technologies)
300MHz: Inova300 (Agilent Technologies)
400MHz: AVANCE III HD400 (Bruker)
500MHz: JNM-ECA500 (JEOL)
600MHz: JNM-ECA600 (JEOL)
解析にはACD/Spectrus Processor 2017.1.3 ACD/Labs 2017.1.3 Release(File Version S70S41, Build 97027, 27 Sep 2017)(商品名)などを用いた。ヒドロキシやアミノ、アミド、ピラゾールなどのプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していないこともある。
なお、化合物の解析において、水又は溶媒のピークと重なって同定できていないプロトンが存在する場合もある。
【0124】
MS(マススペクトル)は以下の装置にて測定した。
PlatformLC (Waters)
LCMS-2010EV (Shimadzu)
LCMS-IT-TOF (Shimadzu)
Agilent6130 (Agilent)
Agilent6150 (Agilent)
イオン化法としては、ESI(Electrospray Ionization、エレクトロスプレーイオン化)法、EI(Electron Ionization、電子イオン化法)、又は、ESI及びAPCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization、大気圧化学イオン化)法とのデュアルイオン化法を用いた。データは実測値(found)を記載した。通常、分子イオンピークが観測されるが、tert-ブトキシカルボニル(-Boc)を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、tert-ブトキシカルボニル又はtert-ブチルが脱離したピークが観測されることもある。また、テトラヒドロピラニル(THP)を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、テトラヒドロピラニルが脱離したピークが観測されることもある。また、ヒドロキシ(-OH)を有する化合物の場合、フラグメントピークとしてH2OやOHラジカルが脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピーク又はフラグメントイオンピークが観測される。
【0125】
実施例、参考例におけるLC-MSは以下の条件により測定した。
HPLC:Agilent 1290 Infinity
MS:Agilent 6130 又は 6150
[HPLC条件]
カラム:Acquity UPLC CSH C18、1.7μm、2.1x50mm(WATERS)
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
【0126】
(方法A)
グラジエント:0.00分(A液/B液=80/20)、1.20分(A液/B液=1/99)、1.40分(A液/B液=1/99)、1.41分(A液/B液=80/20)、1.50分(A液/B液=80/20)
(方法B)
グラジエント:0.00分(A液/B液=95/5)、0.80分(A液/B液=60/40)、1.08分(A液/B液=1/99)、1.38分(A液/B液=1/99)、1.41分(A液/B液=95/5)、1.50分(A液/B液=80/20)
(方法C)
グラジエント:0.00分(A液/B液=70/30)、0.80分(A液/B液=1/99)、1.40分(A液/B液=1/99)、1.42分(A液/B液=70/30)、1.50分(A液/B液=70/30)注入量:0.5μL、流速:0.8mL/min
検出法:UV210nm、254nm
蒸発光散乱検出器(ELSD)が付属する場合 Agilent 385-ELSD
MS条件
イオン化法:ESI 又は ESI/APCIマルチモード
【0127】
実施例、参考例における分取HPLCによる精製は以下の条件により行った。
機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:Triart C18、5μm、30x50mm(YMC)、又はX-Bridge Prep C18 5um OBD、30x50(Waters)
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル、又はA液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
【0128】
(方法A)
グラジエント:0.00分(A液/B液=90/10)、2.00分(A液/B液=90/10)、11.0分(A液/B液=20/80)、12.0分(A液/B液=5/95)、13.52分(A液/B液=5/95)、15.0分(A液/B液=90/10)
(方法B)
グラジエント:0.00分(A液/B液=95/5)、3.00分(A液/B液=95/5)、8.53分(A液/B液=80/20)、10.0分(A液/B液=80/20)、11.0分(A液/B液=50/50)、12.02分(A液/B液=5/95)、13.5分(A液/B液=5/95)、13.65分(A液/B液=95/5)、15.0分(A液/B液=95/5)
(方法C)
グラジエント:0.00分(A液/B液=80/20)、2.00分(A液/B液=80/20)、10.0分(A液/B液=5/95)、11.5分(A液/B液=1/99)、13.5分(A液/B液=1/99)、13.55分(A液/B液=80/20)、15.0分(A液/B液=5/95)、15.0分(A液/B液=95/5)
【0129】
流速:40mL/min
検出法:UV210nm、UV254nm
ELSDが付属する場合 SofTA MODEL 300S ELSD
【0130】
実施例、参考例における分取LC-MSによる精製は以下の条件により行った。
HPLC:Agilent 1260 Infinity
[HPLC条件]
カラム: X-SELECT CSH C18、5μm、OBD、30x50(Waters)
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル、又はA液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
【0131】
(方法A)
グラジエント:0.00分(A液/B液=90/10)、0.50分(A液/B液=90/10)、7.50分(A液/B液=20/80)、7.95分(A液/B液=20/80)、8.00分(A液/B液=5/95)、9.00分(A液/B液=5/95)、9.05分(A液/B液=90/10)、10.0分(A液/B液=90/10)
(方法B)
グラジエント:0.00分(A液/B液=95/5)、0.50分(A液/B液=95/5)、7.50分(A液/B液=50/50)、7.95分(A液/B液=50/50)、8.00分(A液/B液=5/95)、9.00分(A液/B液=5/95)、9.05分(A液/B液=95/5)、10.00分(A液/B液=95/5)
(方法C)
グラジエント:0.00分(A液/B液=80/20)、0.50分(A液/B液=80/20)、7.00分(A液/B液=5/95)、7.45分(A液/B液=5/95)、7.50分(A液/B液=1/99)、9.00分(A液/B液=1/99)、9.20分(A液/B液=80/20)、10.0分(A液/B液=80/20)
【0132】
流速:50mL/min
検出法:UV210nm、UV254nm
MS:Agilent 6130
ELSDが付属する場合 Agilent 385 ELSD
MS条件
イオン化法:ESI又はESI/APCIマルチモード
【0133】
実施例、参考例におけるキラルHPLC分取は以下の機器により実施した。
HPLC:ギルソン社ハイスループット精製システム 又は Waters社分取LCシステム
検出法:UV210nm、254nm
【0134】
マイクロウエーブ反応装置はBiotage社Initiator、又はAnton-Paar社MONOWAVE300を用いた。
【0135】
化合物の融点は株式会社リガク製熱重量示差熱分析装置Thermo Plus Evo TG8120を用い、示差熱・熱重量測定(TG-DTA)法により測定した。
【0136】
化合物名はOpeneye社製、PipelinePilot9.5のコンポーネント、Molecular to Chemical Name(version 1)により命名した。
【0137】
本明細書で、「室温」とは、20~30℃を指す。
本明細書で、「氷冷下」とは、0~5℃を指す。
【0138】
参考例及び実施例の化合物における不斉炭素について、本明細書で示されている立体構造は、絶対配置を示す。不斉炭素について、絶対配置の表記のなされている化合物は、光学活性体である。
【0139】
本発明は、以下の参考例、実施例、及び試験例によってさらに詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0140】
なお、以下の参考例、実施例、及び試験例において、混合溶媒の比は、断りが無い限り、体積比を表す。
参考例1-1 5-フルオロ-7-(メチルアミノ)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0141】
【化22】
耐圧チューブに7-ブロモ-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸(2.0g)、RuPhos(181mg)、RuPhos Pd G1(317mg)、リチウム ビス (トリメチルシリル) アミド(1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液、20mL)、メチルアミン(3.3g)を封入し、80℃で9時間撹拌した。水で希釈後、クロロホルムで抽出した。得られた有機層へ1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え分液した。得られた水層へ濃塩酸を加えて反応系のpHを3-4の範囲に酸性にし、クロロホルム/メタノール(9/1)で10回抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮することで、表題化合物を薄黄色個体(1.41g)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.83 (d, J=4.40 Hz, 3 H) 6.07 (dd, J=12.23, 2.20 Hz, 1 H) 6.14 - 6.27 (m, 1 H) 6.55 (dd, J=9.66, 2.20 Hz, 1 H) 6.94 (d, J=2.20 Hz, 1 H) 11.42 (br s, 1 H) 12.90 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C10H9FN2O2 [M+H]
+: 209.07, found 209.2, [M-H]
-: 207.06, not found
参考例1-2 6-シクロプロピル-4-フルオロ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸
【0142】
【0143】
【化24】
6-ブロモ-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸 エチルエステル(4.0g)のジメチルホルムアミド(16mL)溶液を氷冷し、同温にて水素化ナトリウム(671mg)を加えて30分撹拌したのちp-トルエンスルホニルクロリド(2.93g)を加えて昇温し、室温にて2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層へ1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣にメタノール(28mL)を加えて一晩撹拌し、析出物をろ取した。得られた固体を乾燥し、6-ブロモ-4-フルオロ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 エチルエステルを無色固体(5.13g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.39 (t, J=7.10 Hz, 3 H) 2.41 (s, 3 H) 4.40 (q, J=6.97 Hz, 2 H) 7.14 (d, J=8.70 Hz, 1 H) 7.17 (s, 1 H) 7.32 (d, J=7.70 Hz, 2 H) 7.95 (d, J=7.70 Hz, 2 H) 8.11 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H15BrFNO4S [M+H]
+: 440.00, found 439.9
(2)
【0144】
【化25】
耐圧チューブに、上記(1)で得られた化合物(3.3g)、シクロプロピルボロン酸(1.9g)、酢酸パラジウム(832mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(6.0g)、リン酸三カリウム(4.7g)、トルエン(37mL)、水(3.7mL)を封入し、110℃で3時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0~17/3)で精製し、6-シクロプロピル-4-フルオロ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 エチルエステルを褐色アモルファス(1.41g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.73 - 0.79 (m, 2 H) 1.03 - 1.09 (m, 2 H) 1.38 (t, J=7.15 Hz, 3 H) 1.99 - 2.07 (m, 1 H) 2.39 (s, 3 H) 4.38 (q, J=7.09 Hz, 2 H) 6.62 (d, J=10.64 Hz, 1 H) 7.17 (s, 1 H) 7.28 (d, J=8.19 Hz, 2 H) 7.65 (s, 1 H) 7.90 (d, J=8.31 Hz, 2 H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H20FNO4S [M+Na]
+: 424.10, found 424.0
(3)
上記(2)で得られた化合物(100mg)のエタノール(1.2mL)溶液に、1mol/L水酸化リチウム水溶液(1.2mL)を加えて1時間撹拌した。反応溶液に1mol/L塩酸を加えて反応系を酸性にし、クロロホルム/メタノール(9/1)で抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターを通して乾燥し、ろ液を減圧下濃縮することで、表題化合物を薄黄色個体(93mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.72 - 0.79 (m, 2 H) 1.00 - 1.09 (m, 2 H) 2.11 - 2.19 (m, 1 H) 2.37 (s, 3 H) 6.82 (d, J=11.00 Hz, 1 H) 7.24 (s, 1 H) 7.44 (d, J=8.19 Hz, 2 H) 7.58 (s, 1 H) 7.93 (d, J=8.19 Hz, 2 H) 13.67 (br s, 1 H
MS (ESI): m/z calcd for C19H16FNO4S [M+H]
+: 374.09, found 374.2, [M-H]
-: 372.07, found 372.1
参考例1-3 6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0145】
【0146】
【化27】
1-(3-アミノフェニル)エタノン(1.0g)のジメチルスルホキシド(37mL)溶液へ、2-オキソプロパン酸エチル(1.7g)、酢酸(1.7mL)、酢酸パラジウム(166mg)、モレキュラーシーブス4Aパウダー(1.5g)を加えて酸素雰囲気下、70℃で24時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層へ1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=4/1~2/1)で精製し、6-アセチル-1H-インドール-2-カルボン酸 エチルエステルを無色固体(234mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.44 (t, J = 7.2 Hz, 3H) 2.68 (s, 3H) 4.44 (q, J = 7.2 Hz, 2H) 7.16 - 7.32 (m, 1H) 7.73 - 7.80 (m, 2H) 8.10 (s, 1H) 9.17 (br s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C13H13NO3 [M+H]
+: 232.10, found 232.2, [M-H]
-: 230.08, found 230.2.
(2)
【0147】
【化28】
上記(1)で得られた化合物(500mg)のテトラヒドロフラン(7.2mL)溶液を氷冷し、メチルマグネシウムブロミド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、4.3mL)を加えて10分、メチルマグネシウムブロミド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、4.3mL)を加えて10分、さらにメチルマグネシウムブロミド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、4.3mL)を加えて10分撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=2/1~1/1)で精製し、6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 エチルエステルを無色固体(190mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.42 (t, J = 7.2 Hz, 3H) 1.65 (s, 6H) 1.81 (br s, 1H) 4.41 (q, J = 7.2 Hz, 3H) 7.20 (s, 1H) 7.26 - 7.29 (m, 2H, overlapped with chloroform) 7.59 (s, 1H) 7.65 (d, J = 8.8 Hz, 1H) 8.85 (br s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C13H13NO3 [M+H]
+: 248.13, not found, [M-H
2O+H]
+: 230.12, found 230.3, [M-H]
-: 246.11, not found.
(3)
上記(2)で得られた化合物(190mg)のメタノール/テトラヒドロフラン(7.7mL/1.9mL)溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.8mL)を加えて15時間撹拌した。反応溶液に1mol/L塩酸を加えて反応系を酸性にし、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮することで表題化合物を無色固体(130mg)として得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例1-4 6-[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)シクロブチル]-1H-インドール-2-カルボン酸
【0148】
【0149】
【化30】
耐圧チューブに6-ブロモ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステル(3.3g)、ビニルボロン酸ピナコールエステル(740mg)、トリス{トリス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン}パラジウム(0)(780mg)、炭酸カリウム(2.0g)、1,4-ジオキサン(37mL)、水(3.7mL)を封入し、110℃で4時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0~2/3)で精製し、6-エテニル-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを黄色油状物(1.42g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.38 (s, 3H) 3.92 (s, 3H) 5.34 (d, J = 10.8 Hz, 1H) 5.85 (d, J = 17.6 Hz, 1H) 6.85 (dd, J = 10.8, 17.6 Hz, 1H) 7.14 (s, 1H) 7.28 (m, 2H, overlapped with chloroform) 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.90 (d, J = 8.0 Hz, 2H) 8.10 - 8.23 (m, 3H)
MS (ESI): m/z calcd for C19H17NO4S [M+H]
+: 356.10, found 356.2, [M-H]
-: 354.08, not found.
(2)
【0150】
【化31】
N,N-ジメチルアセトアミド(1.1g)のクロロホルム(15mL)溶液を氷冷し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.5mL)を加えて5分撹拌した。ここに上記(1)で得られた化合物(1.3g)と2,4,6-トリメチルピリジン(1.9g)のクロロホルム(15mL)溶液を加え80℃で30分撹拌した。反応溶液をクロロホルムで抽出し、得られた有機層を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0~4/1)で精製し、1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-(3-オキソシクロブチル)-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを黄色油状物(1.42g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.39 (s, 3H) 3.24 - 3.35 (m, 2H) 3.52 - 3.64 (m, 2H) 3.80 - 3.88 (m, 1H) 3.93 (s, 3H) 7.16 (s, 1H) 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 2H) 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 7.90 (d, J = 8.4 Hz, 2H) 8.04 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H19NO5S [M+H]
+: 398.11, found 398.1, [M-H]
-: 396.09, not found.
(3)
【0151】
【化32】
上記(2)で得られた化合物(520mg)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に1-メチルピペラジン(390mg)、酢酸(0.112mL)を加えて30分撹拌した。ここにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(555mg)を加え16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/9~0/1)で精製し、固体(590mg)を得た。得られた固体を酢酸イソプロピル(2mL)で懸濁撹拌し、析出物をろ取した。さらにこの固体を酢酸イソプロピル(3mL)で懸濁撹拌し、析出物をろ取し、乾燥することで1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)シクロブチル]-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを無色固体(331mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.96 - 2.09 (m, 2 H) 2.17 - 2.70 (m, 10 H) 2.31 (s, 3 H) 2.38 (s, 3 H) 2.74 - 2.83 (m, 1 H) 3.25 - 3.36 (m, 1 H) 3.91 (s, 3 H) 7.13 (s, 1 H) 7.18 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.23 - 7.29 (m, 2 H, overlapped with chloroform) 7.46 (d, J=8.19 Hz, 1 H) 7.87 (d, J=8.31 Hz, 2 H) 7.93 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C26H31N3O4S [M+H]
+: 482.21, found 482.2
(4)
上記(3)で得られた化合物(268mg)のメタノール(7.0mL)溶液に、水酸化カリウム(220mg)を加え、60℃で2時間撹拌した。そこへ2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.1mL)を加え、還流条件下で3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、水(2mL)と2mol/L塩酸(2mL)を加えた。機器「BRANSONIC」を用いて、超音波をかけながら撹拌し、固体をろ取し、乾燥することで表題化合物を無色固体(519mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 1.92 - 1.99 (m, 6 H) 2.05 - 2.16 (m, 1 H) 2.39 (s, 3 H) 2.45 - 2.54 (m, 2 H) 2.57 - 2.70 (m, 2 H) 2.72 - 2.86 (m, 2 H) 2.91 - 3.05 (m, 1 H) 6.91 - 7.00 (m, 1 H) 7.23 - 7.31 (m, 2 H) 7.73 (d, J=8.07 Hz, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H23N3O2 [M+H]
+: 314.19, found 314.2, [M-H]
-: 312.17, found 312.3
参考例1-5 6-(2-ヒドロキシエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0152】
【化33】
6-(2-ヒドロキシエチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 エチルエステルに対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H) 3.23 - 3.41 (m, 2H) 3.56 - 3.68 (m, 2H) 4.52 - 4.71 (m, 1H) 6.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 7.03 (s, 1H) 7.25 (s, 1H) 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 11.60 (s, 1H) 12.81 (br s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C11H11NO3 [M+H]
+: 206.08, found 206.2, [M-H]
-: 204.06, found 204.3.
参考例1-6 6-[1-(3-オキセタニル)-4-ピペリジニル]-1H-インドール-2-カルボン酸
【0153】
【0154】
【化35】
6-ブロモ-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステル(3.0g)の1,4-ジオキサン(59mL)/水(5.9mL)混合溶媒の溶液に、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボン酸 tert-ブチル(4.7g)、SPhos G3(920mg)、炭酸セシウム(15g)を加え、100℃で5時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=9/1~0/1)で精製し、6-[1-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシ-オキソメチル]-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを無色固体(509mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.50 (s, 9 H) 2.56 - 2.63 (m, 2 H) 3.63 - 3.69 (m, 2 H) 3.94 (s, 3 H) 4.08 - 4.14 (m, 2 H) 6.00 - 6.21 (m, 1 H) 7.19 (s, 1 H) 7.23 - 7.28 (m, 1 H, overlapped with chloroform) 7.37 (s, 1 H) 7.63 (d, J=8.40 Hz, 1 H) 8.80 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C20H24N2O4 [M-tBu+H]
+: 301.12, found 301.2, [M-H]
-: 355.17, found 355.2
(2)
【0155】
【化36】
上記(1)で得られた化合物(500mg)のテトラヒドロフラン(7mL)/エタノール(14mL)混合溶媒の溶液に、パラジウム炭素触媒(500mg)を加え、水素雰囲気下20時間撹拌した。析出物をろ取し乾燥することで、6-[1-[(2-メチルプロパン-2-イル)オキシ-オキソメチル]-4-ピペリジニル]-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを無色固体(698mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.49 (s, 9 H) 1.62 - 1.73 (m, 2 H) 1.84 - 1.91 (m, 2 H) 2.70 - 2.89 (m, 3 H) 3.94 (s, 3 H) 4.20 - 4.33 (m, 2 H) 7.03 (d, J=8.60 Hz, 1 H) 7.18 (s, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 7.62 (d, J=8.20 Hz, 1 H) 8.77 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C20H26N2O4 [M-tBu+H]
+: 303.13, found 303.2, [M-H]
-: 357.18, found 357.3
(3)
【0156】
【化37】
上記(2)で得られた化合物(1.73g)のテトラヒドロフラン(48mL)溶液に、4mol/L塩化水素-ジオキサン溶液(16mL)を加え5日間撹拌した。セライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することで、6-(4-ピペリジニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを無色アモルファス(1.37g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.73 - 1.83 (m, 2 H) 1.86 - 1.96 (m, 2 H) 2.67 - 2.90 (m, 3 H) 3.20 - 3.32 (m, 2 H) 3.93 (s, 3 H) 7.06 (d, J=8.07 Hz, 1 H) 7.18 (s, 1 H) 7.23 - 7.31 (m, 1 H, overlapped with chloroform) 7.61 (d, J=8.10 Hz, 1 H) 9.00 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H18N2O2 [M+H]
+: 259.14, found 259.2, [M-H]
-: 257.13, not found
(4)
【0157】
【化38】
上記(3)で得られた化合物(200mg)のクロロホルム(7.7mL)溶液に3-オキセタノン(170mg)、酢酸(0.13mL)を加えて30分撹拌した。ここにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(490mg)を加え一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲルカートリッジ、クロロホルム/エタノール=99/1~9/1)で精製することで、6-[1-(3-オキセタニル)-4-ピペリジニル]-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを無色固体(228mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.80 - 2.03 (m, 6 H) 2.57 - 2.69 (m, 1 H) 2.87 - 2.93 (m, 2 H) 3.49 - 3.56 (m, 1 H) 3.94 (s, 3 H) 4.64 - 4.71 (m, 4 H) 7.06 (d, J=8.90 Hz, 1 H) 7.18 (s, 1 H) 7.23 - 7.29 (m, 1 H, overlapped with chloroform) 7.61 (d, J=8.90 Hz, 1 H) 8.77 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H22N2O3 [M+H]
+: 315.17, found 315.3, [M-H]
-: 313.16, not found
(5)
上記(4)で得られた化合物6に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.93 - 2.05 (m, 2 H) 2.07 - 2.28 (m, 2 H) 2.79 - 3.06 (m, 3 H) 3.36 - 3.51 (m, 1 H) 3.53 - 3.62 (m, 1 H) 4.29 - 4.51 (m, 1 H) 4.62 - 4.72 (m, 2 H) 4.87 - 5.03 (m, 2 H) 6.99 (d, J=7.80 Hz, 1 H) 7.04 (s, 1 H) 7.29 (s, 1 H) 7.60 (d, J=8.10 Hz, 1 H) 11.70 (br s, 1 H) 12.86 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C17H20N2O3 [M+H]
+: 301.15, found 301.2, [M-H]
-: 299.14, not found
参考例1-7 6-[1-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]-4-ピペリジニル]-1H-インドール-2-カルボン酸
【0158】
【0159】
【化40】
6-(4-ピペリジニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステル(20mg)のエタノール(2.3mL)溶液にトリエチルアミン(0.047mL)、(2R)-2-メチルオキシラン(6mg)を加えて室温下2時間、60℃で5時間撹拌した。水を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲルカートリッジ、酢酸イソプロピル/エタノール=99/1~95/5)で精製することで、6-[1-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]-4-ピペリジニル]-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを無色アモルファス(7.6mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.17 (d, J=6.00 Hz, 3 H) 1.77 - 1.98 (m, 4 H) 2.04 - 3.37 (m, 8 H) 3.94 (s, 3 H) 7.06 (d, J=8.60 Hz, 1 H) 7.18 (s, 1 H) 7.26 (s, 1 H, overlapped with chloroform) 7.62 (d, J=8.90 Hz, 1 H) 8.76 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H24N2O3 [M+H]
+: 317.19, found 317.2, [M-H]
-: 315.17, found 315.1
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例1-8 6-[3-(4-モルホリニル)シクロブチル]-1H-インドール-2-カルボン酸
【0160】
【0161】
【化42】
1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-(3-オキソシクロブチル)-2-インドールカルボン酸 メチルエステルに対し、参考例1-6(4)に記載の方法に準じる方法で1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-[3-(4-モルホリニル)シクロブチル]-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.96 - 2.08 (m, 2 H) 2.32 - 2.48 (m, 7 H) 2.55 - 2.64 (m, 2 H) 2.72 - 2.83 (m, 1 H) 3.26 - 3.37 (m, 1 H) 3.67 - 3.82 (m, 4 H) 3.91 (s, 3 H) 7.14 (s, 1 H) 7.18 (br d, J=7.95 Hz, 1 H) 7.24 - 7.28 (m, 2 H, overlapped with chloroform) 7.47 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.87 (d, J=8.31 Hz, 2 H) 7.94 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C25H28N2O5S [M+H]
+: 469.18, found 469.2
(2)
上記(1)で得られた化合物(26.3mg)のテトラヒドロフラン(0.42mL)溶液に、8mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.28mL)を加え、3日間撹拌した。反応溶液を2mol/L塩酸で中和し、HPLCで精製することで、表題化合物を無色固体(12mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.80 - 1.90 (m, 2 H) 2.25 - 2.35 (m, 4 H) 2.65 - 2.75 (m, 1 H) 3.16 - 3.28 (m, 1 H) 3.28 - 3.39 (m, 2 H) 3.55 - 3.62 (m, 4 H) 6.95 (d, J=8.30 Hz, 1 H) 7.02 (s, 1 H) 7.24 (s, 1 H) 7.54 (d, J=8.40 Hz, 1 H) 8.15 (s, 1 H) 11.59 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C17H20N2O3 [M+H]
+: 301.15, found 301.3, [M-H]
-: 299.14, found 299.2
参考例1-9 6-(4-オキサニル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0162】
【0163】
【化44】
耐圧チューブに6-ブロモ-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステル(600mg)、[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(193mg)、炭酸セシウム(2.31g)、1,4-ジオキサン(10mL)、水(2mL)を封入し、100℃で1時間撹拌した。反応溶液を酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=22/3~0/1)で精製し、6-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを黄色固体(520mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.56 - 2.63 (m, 2 H) 3.92 - 3.99 (m, 5 H) 4.33 - 4.39 (m, 2 H) 6.17 - 6.22 (m, 1 H) 7.19 (s, 1 H) 7.24 - 7.29 (m, 1 H, overlapped with chloroform) 7.39 (s, 1 H) 7.64 (d, J=8.44 Hz, 1 H) 8.82 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H15NO3 [M+H]
+: 258.11, found 258.1, [M-H]
-: 256.10, not found
(2)
【0164】
【化45】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-6(2)に記載の方法に準じる方法で6-(4-オキサニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.79 - 1.93 (m, 4 H) 2.82 - 2.92 (m, 1 H) 3.51 - 3.61 (m, 2 H) 3.94 (s, 3 H) 4.07 - 4.14 (m, 2 H) 7.06 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.18 (s, 1 H) 7.26 (s, 1 H, overlapped with chloroform) 7.63 (d, J=8.44 Hz, 1 H) 8.78 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H17NO3 [M+H]
+: 260.13, found 260.2, [M-H]
-: 258.11, found 258.2
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.63 - 1.77 (m, 4 H) 2.78 - 2.89 (m, 1 H) 3.40 - 3.51 (m, 2 H) 3.91 - 4.01 (m, 2 H) 6.99 (d, J=8.60 Hz, 1 H) 7.02 (s, 1 H) 7.25 (s, 1 H) 7.56 (d, J=8.19 Hz, 1 H) 11.60 (br s, 1 H) 12.82 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C14H15NO3 [M+H]
+: 246.11, found 246.1, [M-H]
-: 244.10, found 244.2
参考例1-10 6-(3-オキセタニル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0165】
【0166】
【化47】
3-(3-オキセタニル)アニリンに対し、参考例1-3(1)に記載の方法に準じる方法で6-(3-オキセタニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 エチルエステルを得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.42 (t, J=7.22 Hz, 3 H) 4.30 - 4.37 (m, 1 H) 4.42 (q, J=7.02 Hz, 2 H) 4.83 (t, J=6.40 Hz, 2 H) 5.13 (dd, J=8.26, 6.19 Hz, 2 H) 7.21 (dd, J=2.06, 0.83 Hz, 1 H) 7.24 (dd, J=8.26, 1.65 Hz, 1 H) 7.42 (s, 1 H) 7.69 (d, J=8.26 Hz, 1 H) 8.93 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C14H15NO3 [M+H]
+: 246.11, found 246.1, [M-H]
-: 244.10, not found
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例1-11 6-(3-メトキシプロピル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0167】
【0168】
【化49】
耐圧チューブに6-ブロモ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステル(501mg)、3-メトキシプロパ-1-イン(258mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(172mg)、ヨウ化銅(47mg)、トリエチルアミン(0.513mL)、テトラヒドロフラン(4mL)を封入し、マイクロウェーブ照射下100℃で1.5時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=19/1~1/1)で精製し、6-(3-メトキシプロプ-1-インイル)-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを無色固体(242mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.39 (s, 3 H) 3.49 (s, 3 H) 3.93 (s, 3 H) 4.37 (s, 2 H) 7.12 (s, 1 H) 7.29 (d, J=8.10 Hz, 2 H) 7.35 (d, J=8.10 Hz, 1 H) 7.50 (d, J=8.07 Hz, 1 H) 7.93 (d, J=8.07 Hz, 2 H) 8.24 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H19NO5S [M+H]
+: 398.11, found 398.1
(2)
【0169】
【化50】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-6(2)に記載の方法に準じる方法で6-(3-メトキシプロピル)-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.88 - 2.00 (m, 2 H) 2.37 (s, 3 H) 2.80 - 2.87 (m, 2 H) 3.36 (s, 3 H) 3.39 (t, J=6.30 Hz, 2 H) 3.92 (s, 3 H) 7.10 - 7.16 (m, 2 H) 7.25 (d, J=7.83 Hz, 2 H) 7.45 (d, J=8.07 Hz, 1 H) 7.88 (d, J=8.31 Hz, 2 H) 7.94 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H23NO5S [M+H]
+: 402.14, found 402.1
(3)
上記(2)で得られた化合物(173mg)のテトラヒドロフラン(2.2mL)/メタノール(2.2mL)混合溶媒の溶液に、炭酸セシウム(702mg)、酢酸(0.049mL)を加え、60℃で2時間撹拌した。そこへ2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.1mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応溶液を1mol/L塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮することで、表題化合物を無色固体(101mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.76 - 1.87 (m, 2 H) 2.65 - 2.73 (m, 2 H) 3.16 - 3.26 (m, 5 H) 6.92 (d, J=8.70 Hz, 1 H) 7.02 (s, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 7.53 (d, J=7.80 Hz, 1 H) 11.59 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C13H15NO3 [M+H]
+: 234.11, found 234.1, [M-H]
-: 232.10, not found
参考例1-12 4-フルオロ-6-(1-メチル-3-ピラゾリル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0170】
【0171】
【化52】
6-ブロモ-4-フルオロ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 エチルエステル(1.0g)の1,4-ジオキサン(14mL)/水(3.6mL)混合溶媒の溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(319mg)、炭酸セシウム(1.5g)、(1-メチルピラゾール-3-イル)ボロン酸(360mg)を加え、100℃で5時間撹拌した。そこへ2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.1mL)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで薄め、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0~1/1)で精製し、4-フルオロ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-(1-メチル-3-ピラゾリル)-2-インドールカルボン酸 エチルエステルを無色アモルファス(646mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.39 (t, J=7.09 Hz, 3 H) 2.37 (s, 3 H) 3.98 (s, 3 H) 4.40 (q, J=7.09 Hz, 2 H) 6.63 (s, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 7.23 - 7.29 (m, 2 H, overlapped with chloroform 7.42 (s, 1 H) 7.49 (d, J=10.60 Hz, 1 H) 7.92 (d, J=8.07 Hz, 2 H) 8.29 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C22H20FN3O4S [M+H]
+: 442.12, found 442.12
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-11(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 3.90 (s, 3 H) 6.71 (s, 1 H) 7.08 (s, 1 H) 7.29 (d, J=11.98 Hz, 1 H) 7.68 (s, 1 H) 7.74 (s, 1 H) 12.12 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C13H10FN3O2 [M+H]
+: 260.08, found 260.1, [M-H]
-: 258.07, found 258.1
参考例1-13 4-フルオロ-6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0172】
【0173】
【化54】
1-(3-アミノ-5-フルオロフェニル)エタノンに対し、参考例1-3(1)に記載の方法に準じる方法で6-アセチル-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸 エチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.44 (t, J=7.15 Hz, 3 H) 2.65 (s, 3 H) 4.45 (q, J=7.09 Hz, 2 H) 7.31 (s, 1 H) 7.42 (d, J=10.88 Hz, 1 H) 7.90 (s, 1 H) 9.34 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C13H12FNO3 [M+H]
+: 250.09, found 250.2, [M-H]
-: 248.07, found 248.2
(2)
【0174】
【化55】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で6-アセチル-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.62 (s, 3 H) 7.16 (s, 1 H) 7.39 (d, J=11.37 Hz, 1 H) 7.92 (s, 1 H) 12.55 (br s, 1 H) 13.48 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C11H8FNO3 [M+H]
+: 222.06, found 222.3, [M-H]
-: 220.04, found 220.2
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-3(2)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.45 (s, 6 H) 5.11 (s, 1 H) 6.93 (d, J=12.59 Hz, 1 H) 7.03 (s, 1 H) 7.38 (s, 1 H) 11.97 (br s, 1 H) 13.05 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C12H12FNO3 [M-H
2O+H]
+: 220.08, found 220.2, [M-H]
-: 236.07, found 236.1
参考例1-14 6-シクロプロピル-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸
【0175】
【化56】
6-シクロプロピル-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸 メチルエステルに対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.64 - 0.73 (m, 2 H) 0.91 - 1.00 (m, 2 H) 1.99 - 2.06 (m, 1 H) 6.55 (d, J=11.98 Hz, 1 H) 7.00 (s, 2 H) 11.86 (br s, 1 H) 13.03 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C12H10FNO2 [M+H]
+: 220.08, found 220.2, [M-H]
-: 218.06, found 218.1
参考例1-15 6-シクロブチル-1H-インドール-2-カルボン酸
【0176】
【0177】
【化58】
ブロモシクロブタン(496mg)のテトラヒドロフラン(2.4mL)溶液に、マグネシウム(80mg)とヨウ素(9mg)を加え、室温下30分撹拌し、そこへ塩化亜鉛(215mg)を加えて1時間撹拌することで有機亜鉛試薬を調製した。6-ブロモ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステル(300mg)のテトラヒドロフラン(1.0mL)溶液に、SPhos G3(115mg)と調製した前記の有機亜鉛試薬を加え、75℃で1時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=9/1)で精製し、6-シクロブチル-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを黄色油状物(97mg)として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.86 - 1.94 (m, 1H) 2.02 - 2.11 (m, 1H) 2.15 - 2.24 (m, 2H) 2.37 (s, 3H) 2.38 - 2.45 (m, 2H) 3.64 - 3.72 (m, 1H) 3.92 (s, 3H) 7.14 (s, 1H) 7.14 - 7.17 (m, 1H) 7.23 -7.26 (m, 2H, overlapped with chloroform) 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 7.86 - 7.89 (m, 2H) 7.94 (s, 1H).
MS (ESI): m/z calcd for C13H13NO2 [M+H]
+: 384.13, found 384.3, [M-H]
-: 382.11, found 382.2.
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-11(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.79 - 1.86 (m, 1H) 1.93 - 2.03 (m, 1H) 2.05 - 2.15 (m, 2H) 2.28 - 2.35 (m, 2H) 3.56 - 3.64 (m, 1H) 6.96 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H) 7.02 (d, J = 1.2 Hz, 1H) 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 11.58 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H21NO4S [M+H]
+: 216.10, found 216.3, [M-H]
-: 214.08, found 214.2.
参考例1-16 6-シクロブチル-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸
【0178】
【化59】
6-シクロブチル-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステルに対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例1-17 6-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-1H-インドール-2-カルボン酸
【0179】
【0180】
【化61】
1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-(3-オキソシクロブチル)-2-インドールカルボン酸 メチルエステル(380mg)のテトラヒドロフラン(9.6mL)溶液をドライアイス-アセトンバスで冷やし、メチルマグネシウムブロミド(3mol/Lテトラヒドロフラン溶液、0.797mL)を加えて1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=9/1~1/9)で精製し、6-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドールカルボン酸 メチルエステルを薄黄色アモルファス(263mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.54 (s, 3H) 1.71 - 1.87 (m, 1H) 2.20 - 2.32 (m, 2H) 2.38 (s, 3H) 2.55 - 2.65 (m, 2H) 3.12 - 3.27 (m, 1H) 3.92 (s, 3H) 7.14 (s, 1H) 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.25 - 7.30 (m, 2H, overlapped with chloroform) 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.83 - 7.99 (m, 3H)
MS (ESI): m/z calcd for C22H23NO5S [M+H]
+: 414.14, found 414.3, [M-H]
-: 412.12, found 412.2.
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-11(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例2-1 4-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-アミン
【0181】
【0182】
【化63】
窒素気流下、5-ブロモ-2-クロロ-3-フルオロ-4-ピリジネカルボキサルデヒド(171.4g)、1,4-ジオキサン(2.4L)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(116g)、トリエチルアミン(301mL)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体(88.1g)を混合し、60℃で7時間撹拌した。反応溶液に[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体(1.00g)とビニルトリフルオロホウ酸カリウム(4.81g)を加え、70℃で5時間撹拌した。反応溶液に[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体(1.00g)とビニルトリフルオロホウ酸カリウム(19.3g)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応溶液に[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体(9.63g)を加え、70℃で1時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル3.0kg、n-ヘキサン/酢酸エチル=9/1~4/1)で精製し、褐色油状物の2-クロロ-5-エテニル-3-フルオロ-4-ピリジネカルボキサルデヒド(90.0g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 5.62 (d, J = 11.1 Hz, 1H) 5.82 (d, J = 17.6 Hz, 1H) 7.31 (dd, J = 17.6, 11.3 Hz, 1H) 8.47 (s, 1H) 10.51 (s, 1H).
MS (ESI): m/z calcd for C
8H
5ClFNO [M+H]
+: 186.01, not found, [M+MeOH+H]
+: 218.03, found 218.2, [M-H]
-: 183.99, not found.
(2)
【0183】
【化64】
窒素気流下、上記(1)で得られた化合物(90.0g)、クロロホルム(2.42L)、アリルアミン(51.0mL)、酢酸(69.3mL)を混合し、15分撹拌した。反応溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(154g)を加え、5時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮することで、N-[(2-クロロ-5-エテニル-3-フルオロ-4-ピリジニル)メチル]-2-プロペン-1-アミンを褐色油状物(107g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 3.26 (d, J = 5.6 Hz, 2H) 3.88 (s, 2H) 5.10 - 5.25 (m, 2H) 5.53 (d, J = 11.3 Hz, 1H) 5.74 - 5.94 (m, 2H) 6.92 (dd, J = 17.4, 11.3 Hz, 1H) 8.30 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C
11H
12ClFN
2 [M+H]
+: 227.08, found 227.1, [M-H]
-: 225.06, not found.
(3)
【0184】
【化65】
窒素気流下、上記(2)で得られた化合物(107g)、1,4-ジオキサン(1.2L)、二炭酸ジ-tert-ブチル(124g)、炭酸水素ナトリウム(79g)を混合し、一晩撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2.0kg、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0~9/1)で精製し、N-[(2-クロロ-5-エテニル-3-フルオロ-4-ピリジニル)メチル]-N-プロプ-2-エニルカルバミン酸 tert-ブチルエステルを褐色油状物(90.0g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.47 (s, 9H) 3.64 (br s, 2H) 4.61 (s, 2H) 4.92 - 5.17 (m, 2 H) 5.47 (d, J = 11.0 Hz, 1H) 5.65 - 5.75 (m, 2H) 6.79 - 7.06 (m, 1H) 8.29 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C
11H
12ClFN
2 [M+H]
+: 327.13, found 327.2, [M-H]
-: 325.11, not found.
(4)
【0185】
【化66】
窒素気流下、上記(3)で得られた化合物(76g)、トルエン(4.8L)、Grubbs触媒(3.9g)を混合し、85℃で4時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1.5kg、n-ヘキサン/酢酸エチル=9/1~4/1)で精製し、褐色固体の3-クロロ-4-フルオロ-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル(48.8g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.35 (s, 9H) 4.31 - 4.57 (m, 4H) 6.05 (d, J = 12.1 Hz, 1H) 6.44 (d, J = 12.2 Hz, 1H) 8.03 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C
14H
16ClFN
2O
2 [M+H]
+: 299.10, found 299.1, [M-H]
-: 297.09, not found.
(5)
【0186】
【化67】
上記(4)で得られた化合物(48g)のトルエン(800mL)溶液に、3%プラチナ炭素触媒(12.9g)を加え、水素雰囲気下14時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することで、3-クロロ-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを淡褐色油状物(49.7g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.39 (s, 9H) 1.79 - 1.88 (m, 2H) 2.81 - 3.04 (m, 2H) 3.64 - 3.78 (m, 2H) 4.46 - 4.62 (m, 2H) 8.00 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C
14H
18ClFN
2O
2 [M+H]
+: 301.11, found 301.3, [M-H]
-: 299.09, not found.
(6)
【0187】
【化68】
窒素気流下、上記(5)で得られた化合物(49g)、1,4-ジオキサン(810mL)、アセトアミド(38.3g)、キサントホス(28.1g)、炭酸セシウム(106g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(22.2g)を混合し、100℃で4時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1.5kg、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1~酢酸エチル/メタノール=4/1)で精製し、3-アセトアミド-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを淡黄色固体(41g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.40 (s, 9H) 1.82 (br s, 2H) 2.36 (br s, 3H) 2.92 (br s, 2H) 3.58 - 3.82 (m, 2H) 4.41 - 4.66 (m, 2H) 7.59 (br s, 1H) 7.96 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C
16H
22FN
3O
3 [M+H]
+: 324.17, found 324.3, [M-H]
-: 322.15, not found.
(7)
【0188】
【化69】
上記(6)で得られた化合物(12.4g)のエタノール(192mL)溶液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(192mL)を加えて80℃で2時間撹拌した。反応溶液に1mol/L塩酸を加えて反応系を酸性にし(pH 5)、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/0~9/1)で精製し、3-アミノ-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを黄色固体(4.1g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.40 (s, 9H) 2.68 - 2.89 (m, 2H) 3.56 - 3.75 (m, 2H) 4.14 - 4.44 (m, 4H) 6.33 (s, 0.5H), 6.47 (s, 0.5H) 7.82 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C16H22FN3O3 [M+H]
+: 264.17, found 264.3, [M-H]
-: 262.15, not found.
(8)
上記(7)で得られた化合物tert-ブチルエステルに対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, Solvent) δ ppm 2.00 - 2.07 (m, 2H) 3.00 - 3.05 (m, 2H) 3.51 - 3.56 (m, 2H) 4.55 (s, 2H) 7.69 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C16H22FN3O3 [M+H]
+: 182.11, found 182.3, [M-H]
-: 180.09, not found.
参考例2-2 4-フルオロ-N-メチル-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-アミン
【0189】
【0190】
【化71】
耐圧チューブに3-クロロ-4-フルオロ-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル(1.53g)、ナトリウムtert-ブトキシド(3.7g)、キサントホス(1.2g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(657mg)、メチルアミン(2mol/Lテトラヒドロフラン溶液、12.8mL)、トルエン(51mL)を封入し、95℃で2時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸エチル=1/1~0/1)で精製し、4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを黄色油状物(700mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.32 - 1.43 (m, 9 H) 3.00 - 3.09 (m, 3 H) 4.24 - 4.36 (m, 2 H) 4.42 - 4.53 (m, 2 H) 4.60 - 4.73 (m, 1 H) 5.54 - 5.68 (m, 1 H) 6.33 (d, J=11.62 Hz, 1 H) 7.76 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H20FN3O2 [M+H]
+: 294.16, found 294.3, [M-H]
-: 292.15, not found
(2)
【0191】
【化72】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例2-1(5)に記載の方法に準じる方法で4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.39 (s, 9 H) 1.70 - 1.81 (m, 2 H) 2.75 - 2.84 (m, 2 H) 2.97 - 3.07 (m, 3 H) 3.57 - 3.74 (m, 2 H) 4.39 - 4.59 (m, 3 H) 7.69 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H22FN3O2 [M+H]
+: 296.18, found 296.2, [M-H]
-: 294.16, not found
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 1.96 - 2.06 (m, 3 H) 2.97 - 3.03 (m, 2 H) 3.06 (s, 3 H) 3.46 - 3.55 (m, 2 H) 4.50 (s, 2 H) 7.69 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C10H14FN3 [M+H]
+: 196.12, found 196.2, [M-H]
-: 194.11, not found
参考例2-3 2-[(4-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-イル)アミノ]エタノール
【0192】
【化73】
(1) 4-フルオロ-3-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル
【0193】
【化74】
耐圧チューブに3-クロロ-4-フルオロ-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル(60mg)、2-アミノエタノール(123mg)、トリエチルアミン(0.14mL)、N-メチルピロリドン(0.7mL)を封入し、140℃で18時間撹拌した。放冷後、反応溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=4/1~酢酸イソプロピル/エタノール=9/1)で精製し、4-フルオロ-3-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを橙色油状物(172mg)として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.33 - 1.43 (m, 9 H) 3.60 - 3.68 (m, 2 H) 3.80 - 3.86 (m, 2 H) 4.28 - 4.37 (m, 2 H) 4.43 - 4.51 (m, 2 H) 5.15 - 5.26 (m, 1 H) 5.59 - 5.72 (m, 1 H) 6.27 - 6.36 (m, 1 H) 7.65 - 7.74 (m, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C16H22FN3O3 [M+H]
+: 324.17, found 324.3, [M-H]
-: 322.16, not found
(2)
【0194】
【化75】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例2-1(5)に記載の方法に準じる方法で4-フルオロ-3-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.39 - 1.42 (m, 9 H) 1.71 - 1.80 (m, 2 H) 2.78 - 2.82 (m, 2 H) 3.58 - 3.70 (m, 4 H) 3.80 - 3.85 (m, 2 H) 4.41 - 4.53 (m, 2 H) 4.94 - 5.11 (m, 1 H) 7.58 - 7.63 (m, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C16H24FN3O3 [M+H]
+: 326.19, found 326.2, [M-H]
-: 324.17, not found
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例2-4 4-フルオロ-N-[(2S)-2-メトキシプロピル]-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-アミン
【0195】
【0196】
【化77】
耐圧チューブに3-クロロ-4-フルオロ-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル(100mg)、(2S)-2-メトキシプロパン-1-アミン(298mg)、トリエチルアミン(0.23mL)、N-メチルピロリドン(1.1mL)を封入し、140℃で14時間撹拌した。放冷後、反応溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=19/1~2/3)で精製し、4-フルオロ-3-[[(2S)-2-メトキシプロピル]アミノ]-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを橙色油状物(171mg)として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.20 (d, J=6.19 Hz, 3 H) 1.34 (s, 9 H) 3.24 - 3.35 (m, 3 H) 3.37 - 3.40 (m, 1 H) 3.54 - 3.62 (m, 1 H) 3.66 - 3.77 (m, 1 H) 4.24 - 4.35 (m, 2 H) 4.43 - 4.50 (m, 2 H) 5.02 - 5.10 (m, 1 H) 5.56 - 5.66 (m, 1 H) 6.32 (d, J=12.00 Hz, 1 H) 7.71 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H26FN3O3 [M+H]
+: 352.20, found 352.3, [M-H]
-: 350.19, not found
(2) 4-フルオロ-3-[[(2S)-2-メトキシプロピル]アミノ]-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル
【0197】
【化78】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例2-1(5)に記載の方法に準じる方法で4-フルオロ-3-[[(2S)-2-メトキシプロピル]アミノ]-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.20 (d, J=6.19 Hz, 3 H) 1.36 - 1.42 (m, 9 H) 1.71 - 1.79 (m, 2 H) 2.76 - 2.82 (m, 2 H) 3.26 - 3.32 (m, 1 H) 3.38 (s, 3 H) 3.52 - 3.76 (m, 4 H) 4.38 - 4.55 (m, 2 H) 4.85 - 4.95 (m, 1 H) 7.62 - 7.66 (m, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H28FN3O3 [M+H]
+: 354.22, found 352.3, [M-H]
-: 352.20, not found
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例2-5 (2S)-2-[(4-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-イル)オキシ]-1-プロパノール
【0198】
【0199】
【化80】
耐圧チューブに3-クロロ-4-フルオロ-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル(415mg)、(2S)-1-ベンジルオキシプロパン-2-オール(115mg)、カリウム tert-ブトキシド(78mg)、1,4-ジオキサン(4.2mL)を封入し、90℃で2時間撹拌した。放冷後、反応溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=19/1~3/2)で精製し、4-フルオロ-3-[(2S)-1-フェニルメトキシプロパン-2-イル]オキシ-5,7-ジヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを淡橙色油状物(260mg)として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.25 - 1.35 (m, 9 H) 1.39 (d, J=6.61 Hz, 3 H) 3.62 (dd, J=10.30, 4.10 Hz, 1 H) 3.72 (dd, J=10.73, 6.19 Hz, 1 H) 4.34 - 4.39 (m, 2 H) 4.48 (s, 2 H) 4.58 - 4.62 (m, 2 H) 5.48 - 5.54 (m, 1 H) 5.75 - 5.81 (m, 1 H) 6.37 (dd, J=12.39, 2.06 Hz, 1 H) 7.24 - 7.30 (m, 3 H) 7.30 - 7.34 (m, 4 H) 7.72 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C24H29FN2O4 [M+H]
+: 429.22, found 429.3
(2)
【0200】
【化81】
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例2-1(5)に記載の方法に準じる方法で4-フルオロ-3-[(2S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル]オキシ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.37 (d, J=6.20 Hz, 3 H) 1.39 - 1.44 (m, 9 H) 1.77 - 1.82 (m, 2 H) 2.80 - 2.90 (m, 2 H) 3.59 - 3.75 (m, 2 H) 3.75 - 3.82 (m, 2 H) 4.45 - 4.58 (m, 2 H) 5.13 - 5.22 (m, 1 H) 7.60 - 7.67 (m, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C17H25FN2O4 [M+H]
+: 341.19, found 341.4, [M-H]
-: 339.17, not found
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 1.28 - 1.34 (m, 2 H) 1.42 (d, J=6.48 Hz, 1 H) 1.93 - 2.05 (m, 2 H) 2.99 - 3.06 (m, 2 H) 3.26 - 3.34 (m, 1 H, overlapped with methanol) 3.49 - 3.55 (m, 2 H) 3.68 - 3.73 (m, 1 H) 4.44 - 4.49 (m, 2 H) 5.27 - 5.35 (m, 1 H) 7.84 (d, J=7.34 Hz, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C12H17FN2O2 [M+H]
+: 241.13, found 241.2, [M-H]
-: 239.12, not found
参考例2-6 2-[(9-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンザゼピン-7-イル)オキシ]エタノール
【0201】
【0202】
【化83】
2,6-ジフルオロ-4-フェニルメトキシベンズアルデヒド(7.6g)のトルエン(62mL)溶液に、アリルアミン(2.6g)、p-トルエンスルホン酸無水物(644mg)、モレキュラーシーブス4Aパウダー(4g)を加えて30分撹拌した。ここにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(555mg)を加え120℃で6時間撹拌した。水を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮することで(E)-1-(2,6-ジフルオロ-4-フェニルメトキシフェニル)-N-プロプ-2-エニルメタニミンを褐色油状物(8.64g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 4.27 (d, J=4.90 Hz, 2 H) 5.06 (s, 2 H) 5.16 (d, J=10.30 Hz, 1 H) 5.23 (d, J=17.20 Hz, 1 H) 6.02 - 6.14 (m, 1 H) 6.54 (s, 1 H) 6.57 (s, 1 H) 7.33 - 7.44 (m, 5 H) 8.40 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C17H15F2NO [M-Allylamine+H2O+H]+: 249.07, found 249.1
(2)
【0203】
【化84】
上記(1)で得られた化合物(8.5g)のテトラヒドロフラン(59mL)溶液を氷冷し、ビニルマグネシウムブロミド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、32mL)を加えて1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=1/0~4/1)で精製し、(E)-1-(2-エテニル-6-フルオロ-4-フェニルメトキシフェニル)-N-プロプ-2-エニルメタニミンを無色油状物(2.2g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 4.27 (d, J=5.30 Hz, 2 H) 5.09 (s, 2 H) 5.15 (d, J=10.90 Hz, 1 H) 5.24 (d, J=17.40 Hz, 1 H) 5.34 (d, J=10.80 Hz, 1 H) 5.63 (d, J=17.40 Hz, 1 H) 6.02 - 6.14 (m, 1 H) 6.64 (d, J=12.70 Hz, 1 H) 6.97 (s, 1 H) 7.31 - 7.45 (m, 5 H) 7.53 (dd, J=17.20, 11.00 Hz, 1 H) 8.56 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C19H18FNO [M+H]
+: 296.14, found 296.1
(3)
【0204】
【化85】
上記(2)で得られた化合物(8.8g)のテトラヒドロフラン(60mL)/エタノール(30mL)混合溶媒の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.24g)を加えて1時間撹拌した。水を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮することでN-[(2-エテニル-6-フルオロ-4-フェニルメトキシフェニル)メチル]-2-プロペン-1-アミンを黄色油状物(8.82g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.49 (br s, 1 H) 3.26 (d, J=5.70 Hz, 2 H) 3.80 (s, 2 H) 5.05 (s, 2 H) 5.10 (d, J=10.30 Hz, 1 H) 5.19 (d, J=17.20 Hz, 1 H) 5.37 (d, J=11.00 Hz, 1 H) 5.68 (d, J=17.40 Hz, 1 H) 5.85 - 5.98 (m, 1 H) 6.62 (d, J=11.10 Hz, 1 H) 6.93 (s, 1 H) 7.01 (dd, J=17.40, 11.10 Hz, 1 H) 7.29 - 7.46 (m, 5 H)
MS (ESI): m/z calcd for C19H20FNO [M+H]
+: 298.16, found 298.2, [M-H]
-: 296.15, not found
(4)
【0205】
【化86】
上記(3)で得られた化合物に対し、参考例2-1(3)に記載の方法に準じる方法でN-[(2-エテニル-6-フルオロ-4-フェニルメトキシフェニル)メチル]-N-プロプ-2-エニルカルバミン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.48 (s, 9 H) 3.48 - 3.66 (m, 2 H) 4.56 (s, 2 H) 4.95 - 5.05 (m, 2 H) 5.06 (s, 2 H) 5.32 (d, J=11.00 Hz, 1 H) 5.55 - 5.74 (m, 2 H) 6.61 (d, J=11.50 Hz, 1 H) 6.95 (s, 1 H) 6.99 - 7.13 (m, 1 H) 7.31 - 7.47 (m, 5 H)
MS (ESI): m/z calcd for C24H28FNO3 [M-Boc+H]+: 298.16, found 298.2
(5)
【0206】
【化87】
上記(4)で得られた化合物に対し、参考例2-1(4)に記載の方法に準じる方法で9-フルオロ-7-フェニルメトキシ-1,3-ジヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.31 - 1.44 (m, 9 H) 4.26 - 4.49 (m, 4 H) 5.03 (s, 2 H) 5.85 (d, J=11.50 Hz, 1 H) 6.38 (d, J=11.20 Hz, 1 H) 6.55 (d, J=10.90 Hz, 1 H) 6.62 (s, 1 H) 7.31 - 7.45 (m, 5 H)
MS (ESI): m/z calcd for C22H24FNO3 [M-tBu+H]
+: 314.12, found 314.1
(6)
【0207】
【化88】
上記(5)で得られた化合物に対し、参考例2-1(5)に記載の方法に準じる方法で9-フルオロ-7-ヒドロキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.40 (s, 9 H) 1.59 (br s, 1 H) 1.70 - 1.80 (m, 2 H) 2.81 - 2.88 (m, 2 H) 3.60 - 3.71 (m, 2 H) 4.42 (s, 2 H) 6.34 - 6.47 (m, 2 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H20FNO3 [M-tBu+H]
+: 226.09, found 226.2, [M-H]
-: 280.14, found 280.2
(7)
【0208】
【化89】
上記(6)で得られた化合物(150mg)のジメチルホルムアミド(2.7mL)溶液に、2-ヨードエタノール(0.11g)と炭酸セシウム(521mg)を加えて90℃で1時間撹拌した。2-ヨードエタノール(0.11g)を加えて90℃で2時間撹拌した。水を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。得られた有機層をフェーズセパレーターで乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=19/1~0/1)で精製し、9-フルオロ-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを無色油状物(121mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.39 (s, 9 H) 1.69 - 1.86 (m, 2 H) 1.95 (br s, 1 H) 2.85 - 2.93 (m, 2 H) 3.57 - 3.75 (m, 2 H) 3.90 - 4.00 (m, 2 H) 4.02 - 4.07 (m, 2 H) 4.38 - 4.51 (m, 2 H) 6.46 (d, J=10.80 Hz, 1 H) 6.53 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C17H24FNO4 [M-tBu+H]
+: 270.11, found 270.1, [M-H]
-: 324.16, not found
(8)
上記(7)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.78 - 1.90 (m, 2 H) 2.91 - 3.02 (m, 2 H) 3.27 - 3.37 (m, 2 H) 3.66 - 3.74 (m, 2 H) 3.97 - 4.03 (m, 2 H) 4.23 (s, 2 H) 6.71 - 6.78 (m, 2 H)
MS (ESI): m/z calcd for C12H16FNO2 [M+H]
+: 226.12, found 226.2, [M-H]
-: 224.11, not found
参考例2-7 2-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンザゼピン-7-イル)酢酸 エチルエステル
【0209】
【0210】
【化91】
7-ブロモ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(600mg)のキシレン(3.7mL)溶液に、マロン酸エチルカリウム(470mg)、4-ジメチルアミノピリジン(45mg)、(R)-(+)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(137mg)、アリルパラジウム(II)ジクロライド(27mg)を加えて140℃で2時間撹拌した。水を加え、酢酸イソプロピルで抽出した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=19/1~3/1)で精製し、7-(2-エトキシ-2-オキソエチル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを無色油状物(357mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.25 (t, J=7.15 Hz, 3 H) 1.39 (s, 9 H) 1.71 - 1.81 (m, 2 H) 2.87 - 2.97 (m, 2 H) 3.56 (s, 2 H) 3.61 - 3.74 (m, 2 H) 4.15 (q, J=7.09 Hz, 2 H) 4.31 - 4.45 (m, 2 H) 7.02 - 7.08 (m, 2 H) 7.09 - 7.16 (m, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C19H27NO4 [M+Na]
+: 356.18, found 356.2
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.18 (t, J=7.09 Hz, 3 H) 1.79 - 1.90 (m, 2 H) 2.91 - 3.00 (m, 2 H) 3.26 - 3.36 (m, 2 H) 3.65 (s, 2 H) 4.07 (q, J=7.09 Hz, 2 H) 4.27 (s, 2 H) 7.13 (d, J=7.70 Hz, 1 H) 7.16 (s, 1 H) 7.34 (d, J=7.58 Hz, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C14H19NO2 [M+H]
+: 234.15, found 234.1, [M-H]
-: 232.13, not found
参考例2-8 3-(9-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンザゼピン-7-イル)プロパン酸 エチルエステル
【0211】
【0212】
【化93】
9-フルオロ-7-ヒドロキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステル(4.76g)のクロロホルム(42mL)溶液を氷冷し、トリエチルアミン(4.7mL)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.4mL)を加えて室温に上げて2時間撹拌した。水を加え、クロロホルムで抽出した。反応溶液を、フェーズセパレーターを通して乾燥し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=19/1~1/1)で精製し、9-フルオロ-7-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを淡黄色油状物(6.16g)として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.35 - 1.43 (m, 9 H) 1.79 - 1.86 (m, 2 H) 2.96 - 3.01 (m, 2 H) 3.64 - 3.76 (m, 2 H) 4.47 - 4.57 (m, 2 H) 6.86 -
6.90 (m, 1 H) 6.91 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C16H19F4NO5S [M-tBu+H]
+: 358.04, found 358.2
(2)
【0213】
【化94】
上記(1)で得られた化合物(6.16g)の1,4-ジオキサン(75mL)/水(7.5mL)混合溶媒の溶液に、(E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)プロパ-2-エン酸エチル(4.0g)、1,1 -ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン ジクロロパラジウム(II)(1.1g)、炭酸セシウム(9.7g)を加えて90℃で4時間撹拌した。反応溶液をセライト(登録商標)ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=19/1~1/1)で精製し、7-[(E)-3-エトキシ-3-オキソプロプ-1-エニル]-9-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを無色油状物(2.42g)として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.33 (t, J=7.02 Hz, 3 H) 1.37 - 1.41 (m, 9 H) 1.78 - 1.83 (m, 2 H) 2.92 - 2.99 (m, 2 H) 3.61 - 3.75 (m, 2 H) 4.26 (q, J=7.02 Hz, 2 H) 4.47 - 4.59 (m, 2 H) 6.40 (d, J=15.70 Hz, 1 H) 7.06 (d, J=10.30 Hz, 1 H) 7.10 (s, 1 H) 7.57 (d, J=16.10 Hz, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C20H26FNO4 [M-tBu+H]
+: 308.13, found 308.2
(3)
【0214】
【化95】
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例2-1(5)に記載の方法に準じる方法で7-(3-エトキシ-3-オキソプロピル)-9-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.23 (t, J=7.22 Hz, 3 H) 1.36 - 1.42 (m, 9 H) 1.74 - 1.81 (m, 2 H) 2.59 (t, J=7.84 Hz, 2 H) 2.85 - 2.93 (m, 4 H) 3.58 - 3.73 (m, 2 H) 4.12 (q, J=7.29 Hz, 2 H) 4.41 - 4.55 (m, 2 H) 6.73 (d, J=10.30 Hz, 1 H) 6.77 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C20H28FNO4 [M-tBu+H]
+: 310.14, found 310.3
(4)
上記(3)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 1.21 (t, J=7.15 Hz, 3 H) 1.93 - 2.01 (m, 2 H) 2.63 (t, J=7.40 Hz, 2 H) 2.92 (t, J=7.27 Hz, 2 H) 3.04 - 3.10 (m, 2 H) 3.45 - 3.49 (m, 2 H) 4.09 (q, J=7.09 Hz, 2 H) 4.40 (s, 2 H) 4.57 (br s, 1 H) 6.97 (d, J=11.25 Hz, 1 H) 7.01 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C15H20FNO2 [M+H]
+: 266.16, found 266.2, [M-H]
-: 264.14, not found
参考例2-9 3-[(4-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-イル)アミノ]プロパン酸 メチルエステル
【0215】
【0216】
【化97】
3-クロロ-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステル(200mg)の1,4-ジオキサン(3.3mL)溶液に、3-アミノプロパン酸メチル塩酸塩(186mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(91mg)、炭酸セシウム(650mg)、キサントホス(115mg)を加えて100℃で3時間撹拌した。反応溶液をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=9/1~1/9)で精製し、4-フルオロ-3-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-カルボン酸 tert-ブチルエステルを淡黄色油状物(138mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.38 (s, 9 H) 1.71 - 1.80 (m, 2 H) 2.67 (t, J=5.99 Hz, 2 H) 2.75 - 2.83 (m, 2 H) 3.58 - 3.67 (m, 2 H) 3.70 (s, 3 H) 3.72 - 3.80 (m, 2 H) 4.38 - 4.52 (m, 2 H) 4.92 - 5.06 (m, 1 H) 7.65 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H26FN3O4 [M+H]
+: 368.20, found 368.2, [M-H]
-: 366.18, not found
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-6(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。得られた化合物は未精製のまま次の反応に用いた。
参考例3―1 2-[[5-フルオロ-7-(メチルアミノ)-1H-インドル-2-イル]-オキソメチル]-N-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-7-カルボキサミド
【0217】
【化98】
(1)
5-フルオロ-7-(メチルアミノ)-1H-インドール-2-カルボン酸と1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-カルボン酸 メチルエステルに対し、後述の実施例1-1に記載の方法に準じる方法を用いて縮合した。
(2)
上記(1)で得られた化合物を、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法を用いて加水分解した。
(3)
さらに、上記(1)で得られた化合物を、後述の実施例1-1に記載の方法に準じる方法を用い2-(1-ピロリジニル)エタンアミンと縮合することで表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.63 - 1.70 (m, 4H) 2.43 - 2.48 (m, 4H) 2.51 - 2.57 (m, 2H) 2.69 (s, 3H) 2.83 (d, J = 4.8 Hz, 2H) 2.93 - 3.06 (br, 2H) 3.33 - 3.38 (m, 2H) 3.83 - 4.15 (br, 2H) 6.01 - 6.10 (dd, 1H, J = 12.6, 1.8 Hz) 6.24 (m, 1H) 6.56 (dd, J = 9.6, 2.4 Hz, 1H) 6.84 - 6.93 (br, 1H) 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 7.64 - 7.69 (m, 1H) 7.73 (s, 1H) 8.34 (t, J = 5.4 Hz, 1H) 11.34 (s, 1H).
MS (ESI): m/z calcd for C26H30FN5O2 [M+H]
+: 464.25, found 464.2, [M-H]
-: 462.23, not found.
参考例3-2 6,7-ジヒドロ-4H-オキサゾロ[4,5-c]ピリジン-5-イル-(7-エチル-1H-インダゾル-3-イル)メタノン
【0218】
【化99】
7-エチル-1H-インダゾール-3-カルボン酸と4,5,6,7-テトラヒドロオキサゾロ[4,5-c]ピリジンに対し、後述の実施例1-1に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ 1.40 (t, J = 7.8 Hz, 3H) 2.81 (s, 1H) 2.92 - 2.98 (m, 3H) 4.17 - 4.36 (m, 2H) 4.85 (s, 1H) 5.10 (s, 1H) 7.16 - 7.25 (m, 2H) 7.75 - 7.86 (m, 1H) 7.92 - 8.02 (m, 1H).
MS (ESI): m/z calcd for C16H16N4O2 [M+H]
+: 297.14, found , [M-H]
-: 295.12, not found.
参考例3-3 2-[(6-シクロプロピル-4-フルオロ-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-N-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-7-カルボキサミド
【0219】
【化100】
6-シクロプロピル-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸に対し、参考例3-1に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.62 - 0.82 (m, 2H) 1.00 (d, J = 7.3 Hz, 2H) 1.75 - 1.80 (m, 4H) 1.92 - 2.04 (m, 1H) 2.50 - 2.65 (m, 4H) 2.68 - 2.78 (m, 2H) 2.95 - 3.10 (m, 2H) 3.48 - 3.62 (m, 2H) 3.96 - 4.20 (m, 2H) 5.00 (br s, 2H) 6.51 (d, J = 11.4 Hz, 1H) 6.79 - 7.06 (m, 3H) 7.20 (d, J = 7.6 Hz, 1H) 7.52 - 7.60 (m, 2H) 9.59 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C28H31FN4O2 [M+H]
+: 475.24, found 475.3, [M-H]
-: 473.22, found 473.4.
参考例3-4 (6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-(6,7-ジヒドロ-4H-オキサゾロ[4,5-c]ピリジン-5-イル)メタノン
【0220】
【化101】
6-シクロプロピル-1H-インドール-2-カルボン酸と4,5,6,7-テトラヒドロオキサゾロ[4,5-c]ピリジンに対し、後述の実施例1-1に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.68 - 0.77 (m, 2H) 0.94 - 1.01 (m, 2H) 1.96 - 2.04 (m, 1H) 2.91 - 2.97 (m, 2H) 4.15 - 4.2 (m, 2H) 4.93 (br s, 2H) 6.85 (s, 1H) 6.90 (dd, J = 8.3, 1.2 Hz, 1H) 7.13 (s, 1H) 7.55 (d, J = 8.3 Hz, 1H) 7.80 (s, 1 H) 9.08 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C18H17N3O2 [M+H]
+: 308.14, found 308.2, [M-H]
-: 306.12, found 306.3.
参考例3-5 (6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-(3,4-ジヒドロ-1H-2,6-ナフチリジン-2-イル)メタノン
【0221】
【化102】
6-シクロプロピル-1H-インドール-2-カルボン酸と1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジンに対し、後述の実施例1-1に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.68 - 0.79 (m, 2H) 0.93 - 1.06 (m, 2H) 1.95 - 2.09 (m, 1H) 2.97 - 3.07 (m, 2H) 4.10 (br s, 2H) 5.02 (br s, 2H) 6.78 - 6.96 (m, 2H) 7.09 - 7.24 (m, 5H) 7.55 (d, J = 8.2 Hz, 1H) 9.08 (br s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H20N2O [M+H]
+: 317.17, found 317.4, [M-H]
-: 317.15, not found.
参考例3-6 (6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-(3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)メタノン
【0222】
【化103】
6-シクロプロピル-1H-インドール-2-カルボン酸と1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンに対し、後述の実施例1-1に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.68 - 0.79 (m, 2H) 0.93 - 1.06 (m, 2H) 1.95 - 2.09 (m, 1H) 2.97 - 3.07 (m, 2H) 4.10 (br s, 2H) 5.02 (br s, 2H) 6.78 - 6.96 (m, 2H) 7.09 - 7.24 (m, 5H) 7.55 (d, J = 8.2 Hz, 1H) 9.08 (br s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H20N2O [M+H]
+: 317.17, found 317.4, [M-H]
-: 317.15, not found.
【0223】
なお、上記参考例3-1~3-6は、後述の試験例1において、以下のヒトMMP9阻害活性を有する。本参考例化合物のIC50値を以下に示す。
【0224】
【0225】
また、上記参考例3-1~3-6は、後述の試験例2において、以下のMMP選択性を有する。本参考例化合物の、ヒトMMP2及びヒトMMP13に対するIC50値を以下に示す。
【0226】
【表2】
実施例1-1 (3-アミノ-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)-[6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0227】
【化104】
6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸(300mg)と4-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-アミン(383mg)のジメチルホルムアミド(4.6mL)懸濁液に、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート(624mg)、ジイソプロピルアミン(0.715mL)を加えて室温で4時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲルカートリッジ、n-ヘキサン/酢酸イソプロピル=4/1~酢酸イソプロピル/エタノール=19/1)で精製し、表題化合物を淡黄色固体(195mg)として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.63 (s, 6H, overlapped with water) 1.79 - 1.92 (m, 1H) 2.04 (br, 2H) 2.91 (m, 2H) 4.20 (br, 2H) 4.55 (s, 2H) 4.91 (br, 2H) 6.76 (s, 1H) 7.23 (s, 1H) 7.54 - 7.62 (m, 2H) 7.66 (s, 1H) 9.26 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H23FN4O2 [M+H]
+: 383.19, found 383.2, [M-H]
-: 381.17, not found.
【0228】
実施例1-1に記載の方法又はこれに準じる方法により、以下の実施例1-2~1-18を合成した。
実施例1-2 (3-アミノ-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)-[6-[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)シクロブチル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0229】
【化105】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.52 - 1.79 (m, 2 H, overlapped with water) 1.98 - 2.08 (m, 4 H) 2.34 (s, 3 H) 2.41 - 2.62 (m, 8 H) 2.72 - 2.83 (m, 1 H) 2.85 - 2.96 (m, 2 H) 3.19 - 3.29 (m, 1 H) 4.00 - 4.34 (m, 2 H) 4.52 (s, 2 H) 4.91 (br s, 2 H) 6.74 (s, 1 H) 7.03 (d, J=7.82 Hz, 1 H) 7.23 (s, 1 H) 7.53 (d, J=8.19 Hz, 1 H) 7.66 (s, 1 H) 9.05 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C27H33FN6O [M+2H]
2+: 239.14, found 239.2, [M-H]
-: 475.26, not found
実施例1-3 (6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0230】
【化106】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.55 - 0.70 (m, 2H) 0.86 - 1.01 (m, 2H) 1.80 - 1.93 (m, 2H) 1.93 - 2.04 (m, 1H) 2.90 - 3.07 (m, 2H) 3.91 - 4.28 (m, 2H) 4.63 - 5.03 (m, 2H) 6.70 - 6.74 (m, 1H) 6.77 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H) 7.07 (s, 1H) 7.20 - 7.39 (m, 1H) 7.46 (d, J = 8.2 Hz, 2H) 8.35 (d, J = 4.40 Hz, 1H) 8.39 (s, 1H) 11.32 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H21N3O [M+H]
+: 332.18, found 332.4, [M-H]
-: 300.16, found 330.1.
実施例1-4 (6-エチル-1H-インドル-2-イル)-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0231】
【化107】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.20 (t, J = 7.6 Hz, 3H) 1.83 - 1.95 (m, 2H) 2.67 (q, J = 7.6 Hz, 2H) 2.92 - 3.08 (m, 2H) 3.90 - 4.30 (m, 2H) 4.60 - 5.07 (m, 2H) 6.73 (s, 1H) 6.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.17 (s, 1H) 7.22 - 7.41 (m, 1H) 7.49 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 8.35 (d, J = 4.0 Hz, 1H) 8.39 (s, 1H) 11.38 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C20H21N3O [M+H]
+: 320.17, found 320.4, [M-H]
-: 318.15, not found.
実施例1-5 (6-tert-ブチル-1H-インドル-2-イル)-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0232】
【化108】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.31 (s, 9H) 1.81 - 1.95 (m, 2H) 2.94 - 3.04 (m, 2H) 3.97 - 4.26 (m, 2H) 4.75 - 4.90 (m, 2H) 6.72 (br, 1H) 7.14 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H) 7.33 (br, 2H) 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 8.35 (d, J = 4.8 Hz, 1H) 8.40 (s, 1H) 11.35 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C22H25N3O [M+H]
+: 348.21, found 348.3, [M-H]
-: 346.19, found 346.2.
実施例1-6 [6-(2-ヒドロキシエチル)-1H-インドル-2-イル]-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0233】
【化109】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.84 - 1.94 (m, 2H) 2.74 - 2.83 (m, 2H) 2.93 - 3.07 (m, 2H) 3.60 (d, J = 4.9 Hz, 2H) 4.03 (br s, 2H) 4.56 - 4.62 (m, 1H) 4.77 (br s, 2H) 6.73 (s, 1H) 6.90 (d, J = 7.6 Hz, 1H) 7.12 - 7.40 (m, 2H) 7.48 (d, J = 7.5 Hz, 1H) 8.23 - 8.52 (m, 2H) 11.38 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C20H21N3O2 [M+H]
+: 336.17, found 336.3, [M-H]
-: 334.15, not found.
実施例1-7 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-[1-(3-オキセタニル)-4-ピペリジニル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0234】
【化110】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.90 - 1.95 (m, 4 H) 1.96 - 2.06 (m, 4 H) 2.07 - 2.16 (m, 2 H) 2.59 - 2.70 (m, 1 H) 2.85 - 2.94 (m, 2 H) 3.02 (s, 3 H) 3.60 - 3.71 (m, 1 H) 4.01 - 4.27 (m, 2 H) 4.60 (br s, 1 H) 4.66 - 4.73 (m, 2 H) 4.76 - 4.82 (m, 2 H) 4.91 (br s, 2 H) 6.74 (s, 1 H) 6.99 (d, J=8.65 Hz, 1 H) 7.18 (s, 1 H) 7.55 (d, J=8.40 Hz, 1 H) 7.72 (s, 1 H) 9.12 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C27H32FN5O2 [M+H]
+: 478.26, found 478.2, [M-H]
-: 476.25, not found
実施例1-8 [4-フルオロ-3-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-[1-(3-オキセタニル)-4-ピペリジニル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0235】
【化111】
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.84 - 1.94 (m, 4 H) 1.94 - 2.05 (m, 4 H) 2.58 - 2.66 (m, 1 H) 2.85 - 2.95 (m, 4 H) 3.50 - 3.56 (m, 1 H) 3.57 - 3.61 (m, 2 H) 3.79 - 3.82 (m, 2 H) 4.09 - 4.30 (m, 2 H) 4.64 - 4.73 (m, 4 H) 4.87 (br s, 2 H) 5.03 - 5.07 (m, 1 H) 6.75 (s, 1 H) 7.04 (dd, J=8.46, 1.44 Hz, 1 H) 7.22 - 7.24 (m, 1 H) 7.56 (d, J=8.26 Hz, 1 H) 7.63 (s, 1 H) 9.03 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C28H34FN5O3 [M+H]
+: 508.27, found 508.3, [M-H]
-: 506.26, found 506.3
実施例1-9 [4-フルオロ-3-[[(2S)-2-メトキシプロピル]アミノ]-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-[1-(3-オキセタニル)-4-ピペリジニル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0236】
【化112】
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.20 (d, J=6.19 Hz, 3 H) 1.82 - 1.98 (m, 6 H) 1.99 - 2.05 (m, 2 H) 2.57 - 2.65 (m, 1 H) 2.84 - 2.94 (m, 4 H) 3.24 - 3.30 (m, 1 H) 3.37 (s, 3 H) 3.48 - 3.53 (m, 1 H) 3.53 - 3.59 (m, 1 H) 3.62 - 3.70 (m, 1 H) 4.06 - 4.32 (m, 2 H) 4.65 - 4.71 (m, 4 H) 4.79 - 4.99 (m, 2 H) 6.75 (s, 1 H) 7.03 (dd, J=8.46, 1.03 Hz, 1 H) 7.23 (s, 1 H) 7.56 (d, J=8.26 Hz, 1 H) 7.67 (s, 1 H) 9.08 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C30H38FN5O3 [M+H]
+: 536.30, found 536.4, [M-H]
-: 534.29, found 534.3
実施例1-10 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-[1-[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]-4-ピペリジニル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0237】
【化113】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.15 (d, J=5.90 Hz, 3 H) 1.83 - 1.95 (m, 4 H) 1.95 - 2.16 (m, 4 H) 2.24 - 2.40 (m, 2 H) 2.40 - 2.50 (m, 1 H) 2.54 - 2.69 (m, 1 H) 2.83 - 3.04 (m, 6 H) 3.17 (br d, J=10.88 Hz, 1 H) 3.82 - 3.94 (m, 1 H) 3.97 - 4.38 (m, 2 H) 4.58 (br s, 1 H) 4.87 (br s, 2 H) 6.75 (s, 1 H) 7.03 (d, J=8.10 Hz, 1 H) 7.21 - 7.24 (m, 1 H) 7.56 (d, J=8.30 Hz, 1 H) 7.71 (s, 1 H) 9.08 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C27H34FN5O2 [M+2H]
2+: 240.64, found 240.7, [M-H]
-: 478.26, found 478.2
実施例1-11 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-[3-(4-モルホリニル)シクロブチル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0238】
【化114】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.94 - 2.12 (m, 4 H) 2.32 - 2.48 (m, 4 H) 2.50 - 2.59 (m, 2 H) 2.69 - 2.80 (m, 1 H) 2.85 - 2.95 (m, 2 H) 3.01 (d, J=4.60 Hz, 3 H) 3.21 - 3.30 (m, 1 H) 3.68 - 3.80 (m, 4 H) 4.08 - 4.28 (m, 2 H) 4.58 (br s, 1 H) 4.87 (br s, 2 H) 6.75 (s, 1 H) 7.03 (d, J=8.40 Hz, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 7.54 (d, J=8.20 Hz, 1 H) 7.72 (s, 1 H) 9.04 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C27H32FN5O2 [M2H]2+: 239.63, found 239.8, [M-H]
-: 476.25, not found
実施例1-12 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-(4-オキサニル)-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0239】
【化115】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.63 - 1.76 (m, 4 H) 1.76 - 1.88 (m, 2 H) 2.72 - 2.92 (m, 6 H) 3.38 - 3.51 (m, 2 H) 3.86 - 3.99 (m, 2 H) 3.99 - 4.26 (m, 2 H) 4.80 (br s, 2 H) 6.40 (br s, 1 H) 6.72 (s, 1 H) 6.96 (d, J=7.80 Hz, 1 H) 7.21 (s, 1 H) 7.51 (d, J=8.10 Hz, 1 H) 7.64 (s, 1 H) 11.42 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C24H27FN4O2 [M+H]
+: 423.22, found 423.3, [M-H]
-: 421.20, found 421.2
実施例1-13 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-(3-オキセタニル)-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0240】
【化116】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.99 - 2.08 (m, 2 H) 2.87 - 2.96 (m, 2 H) 3.01 (d, J=5.00 Hz, 3 H) 4.07 - 4.27 (m, 2 H) 4.30 - 4.36 (m, 1 H) 4.63 (br s, 1 H) 4.77 - 4.95 (m, 4 H) 5.11 (t, J=7.20 Hz, 2 H) 6.78 (s, 1 H) 7.22 (d, J=8.80 Hz, 1 H) 7.39 (s, 1 H) 7.64 (d, J=8.30 Hz, 1 H) 7.72 (s, 1 H) 9.21 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C22H23FN4O2 [M+H]
+: 395.19, found 395.3, [M-H]
-: 393.17, found 393.3
実施例1-14 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-(3-メトキシプロピル)-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0241】
【化117】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.89 - 1.97 (m, 2 H) 1.99 - 2.06 (m, 2 H) 2.78 (t, J=7.70 Hz, 2 H) 2.86 - 2.94 (m, 2 H) 3.03 (s, 3 H) 3.34 (s, 3 H) 3.39 (t, J=6.48 Hz, 2 H) 4.05 - 4.30 (m, 2 H) 4.60 (br s, 1 H) 4.89 (br s, 2 H) 6.75 (s, 1 H) 6.98 (d, J=7.50 Hz, 1 H) 7.19 (s, 1 H) 7.54 (d, J=8.40 Hz, 1 H) 7.72 (s, 1 H) 9.00 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C23H27FN4O2 [M+H]
+: 411.22, found 411.3, [M-H]
-: 409.20, not found
実施例1-15 [4-フルオロ-3-(メチルアミノ)-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[4-フルオロ-6-(1-メチル-3-ピラゾリル)-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0242】
【化118】
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.97 - 2.10 (m, 2 H) 2.87 - 2.97 (m, 2 H) 3.01 (d, J=4.50 Hz, 3 H) 3.96 (s, 3 H) 4.12 - 4.34 (m, 2 H) 4.60 (br s, 1 H) 4.88 (br s, 2 H) 6.54 (s, 1 H) 6.85 (s, 1 H) 7.23 - 7.30 (m, 1 H) 7.39 (s, 1 H) 7.60 (s, 1 H) 7.73 (s, 1 H) 9.19 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C23H22F2N6O [M+H]
+: 437.19, found 437.2, [M-H]
-: 435.18, not found
実施例1-16 [6-[3-(4-モルホリニル)シクロブチル]-1H-インドル-2-イル]-(4,6,7,8-テトラヒドロオキサゾロ[4,5-c]アゼピン-5-イル)メタノン
【0243】
【化119】
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.98 - 2.06 (m, 2 H) 2.07 - 2.23 (m, 2 H) 2.36 - 2.45 (m, 4 H) 2.52 - 2.58 (m, 2 H) 2.73 - 2.79 (m, 1 H) 2.96 (t, J=6.19 Hz, 2 H) 3.23 - 3.31 (m, 1 H) 3.72 - 3.76 (m, 4 H) 3.88 - 4.06 (m, 2 H) 4.99 (br s, 2 H) 6.87 (br s, 1 H) 7.04 (d, J=8.30 Hz, 1 H) 7.24 (s, 1 H) 7.57 (d, J=8.26 Hz, 1 H) 7.75 (s, 1 H) 9.01 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C24H28N4O3 [M+H]
+: 421.22, found 421.2, [M-H]
-: 419.21, not found
実施例1-17 [4-フルオロ-3-[(2S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル]オキシ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル]-[6-[3-(4-メチル-1-ピペラジニル)シクロブチル]-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0244】
【化120】
1H NMR (400 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 1.31 (d, J=6.36 Hz, 3 H) 1.94 - 2.06 (m, 4 H) 2.30 (s, 3 H) 2.37 - 2.68 (m, 8 H) 2.73 - 2.85 (m, 1 H) 2.96 - 3.02 (m, 2 H) 3.21 - 3.34 (m, 3 H, overlapped with methanol) 3.58 - 3.75 (m, 2 H) 4.08 - 4.26 (m, 2 H) 4.88 - 5.06 (m, 3 H) 5.17 - 5.31 (m, 1 H) 6.74 (s, 1 H) 7.01 (d, J=8.19 Hz, 1 H) 7.27 (s, 1 H) 7.51 (d, J=8.62 Hz, 1 H) 7.71 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C30H38FN5O3 [M+H]
+: 536.30, found 536.2, [M-H]
-: 534.29, found 534.3
実施例1-18 [9-フルオロ-7-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-2-イル]-[4-フルオロ-6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドル-2-イル]メタノン
【0245】
【化121】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.44 (s, 6 H) 1.77 - 1.95 (m, 2 H) 2.91 - 3.07 (m, 2 H) 3.64 - 3.72 (m, 2 H) 3.83 - 4.24 (m, 4 H) 4.61 - 5.01 (m, 3 H) 5.08 (s, 1 H) 6.62 (d, J=11.50 Hz, 1 H) 6.67 (s, 1 H) 6.70 (s, 1 H) 6.90 (d, J=12.30 Hz, 1 H) 7.32 (s, 1 H) 11.77 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C24H26F2N2O4 [M+H]
+: 445.19, found 445.2, [M-H]
-: 443.18, found 443.2
実施例2-1 2-[2-[(6-シクロプロピル-4-フルオロ-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-7-イル]酢酸
【0246】
【化122】
(1)
6-シクロプロピル-4-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸と2-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンザゼピン-7-イル)酢酸 エチルエステルに対し、実施例1-1に記載の方法に準じる方法で3-[2-[(6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-9-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-7-イル]プロパン酸 エチルエステルを得た。
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 0.59 - 0.70 (m, 2 H) 0.89 - 0.98 (m, 2 H) 1.76 - 1.89 (m, 2 H) 1.95 - 2.04 (m, 1 H) 2.92 - 3.00 (m, 2 H) 3.37 (s, 2 H, overlapped with water) 3.98 - 4.17 (m, 2 H) 4.69 (br s, 2 H) 6.52 (d, J=12.10 Hz, 1 H) 6.60 - 6.74 (m, 1 H) 6.93 (s, 1 H) 6.95 - 7.03 (m, 1 H) 7.05 (s, 1 H) 7.13 - 7.31 (m, 1 H) 11.64 (br s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C24H23FN2O3 [M+H]
+: 407.18, found 407.2, [M-H]
-: 405.16, found 405.3
実施例2-2 3-[2-[(6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-9-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-7-イル]プロパン酸
【0247】
【化123】
(1)
6-シクロプロピル-1H-インドール-2-カルボン酸と3-(9-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンザゼピン-7-イル)プロパン酸 エチルエステルに対し、実施例1-1に記載の方法に準じる方法で3-[2-[(6-シクロプロピル-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-9-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンザゼピン-7-イル]プロパン酸 エチルエステルを得た。
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 0.66 - 0.71 (m, 2 H) 0.92 - 0.97 (m, 2 H) 1.95 - 2.02 (m, 3 H) 2.54 - 2.59 (m, 2 H) 2.86 (t, J=7.60 Hz, 2 H) 3.00 - 3.09 (m, 2 H) 3.87 - 4.28 (m, 2 H) 4.75 - 5.03 (m, 2 H, overlapped with water) 6.68 (s, 1 H) 6.80 - 6.86 (m, 2 H) 6.90 (s, 1 H) 7.11 (s, 1 H) 7.42 - 7.47 (m, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C25H25FN2O3 [M+H]
+: 421.19, found 421.2, [M-H]
-: 419.18, found 419.1
実施例2-3 3-[[6-[(6-シクロブチル-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-3-イル]アミノ]プロパン酸
【0248】
【化124】
(1)
6-シクロブチル-1H-インドール-2-カルボン酸と3-[(4-フルオロ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピン-3-イル)アミノ]プロパン酸 メチルエステルに対し、実施例1-1に記載の方法に準じる方法で3-[[6-[(6-シクロブチル-1H-インドル-2-イル)-オキソメチル]-4-フルオロ-5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-3-イル]アミノ]プロパン酸 メチルエステルを得た。
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, METHANOL-d
4) δ ppm 1.92 - 2.02 (m, 2 H) 2.12 - 2.22 (m, 4 H) 2.29 - 2.42 (m, 2 H) 2.55 - 2.66 (m, 2 H) 2.88 - 2.97 (m, 2 H) 3.57 - 3.67 (m, 3 H) 3.99 - 4.24 (m, 2 H) 4.89 - 5.01 (m, 2 H) 6.73 (s, 1 H) 6.92 - 7.00 (m, 1 H) 7.25 (s, 1 H) 7.45 - 7.53 (m, 1 H) 7.62 (s, 1 H)
MS (ESI): m/z calcd for C25H27FN4O3 [M+H]
+: 451.21, found 451.2, [M-H]
-: 449.20, found 449.1
実施例3-1 [6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-1H-インドル-2-イル]-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0249】
【化125】
(1)
6-アセチル-1H-インドール-2-カルボン酸と6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピンに対し、実施例1-1に記載の方法に準じる方法で1-[2-[オキソ(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メチル]-1H-インドル-6-イル]エタノンを得た。
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(2)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.44 (s, 6H) 1.79 - 1.95 (m, 2H) 2.93 - 3.07 (m, 2H) 3.88 - 4.27 (br, 2H) 4.63 - 4.90 (br, 2H) 4.95 (s, 1H) 6.72 (s, 1H) 7.10 - 7.15 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H) 7.21 - 7.42 (br, 1H) 7.43 - 7.60 (m, 2H) 8.27 - 8.48 (m, 2H) 11.41 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C21H23N3O2 [M+H]
+: 350.19, found 350.2, [M-H]
-: 348.17, not found.
実施例4-1 (6-シクロブチル-1H-インドル-2-イル)-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0250】
【化126】
(1)
6-ブロモ-1H-インドール-2-カルボン酸と6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピンに対し、実施例1-1に記載の方法に準じる方法で[6-ブロモ-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドリル]-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノンを得た。
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-15(1)に記載の方法に準じる方法で[6-シクロブチル-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドリル]-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノンを得た。
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-11(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.81 - 1.93 (m, 1H) 1.94 - 2.11 (m, 3H) 2.12 - 2.27 (m, 2H) 2.30 - 2.45 (m, 2H) 3.04 (br, 2H) 3.64 (m, 1H) 4.24 (br, 2H) 4.81 (br, 2H) 6.74 (s, 1H) 7.02 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.20 (s, 1H) 7.28 - 7.39 (m, 1H) 7.55 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 8.40 - 8.46 (m, 2H) 9.04 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C22H23N3O [M+H]
+: 346.19, found 346.2, [M-H]
-: 344.17, not found.
実施例4-2 [6-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-1H-インドル-2-イル]-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノン
【0251】
【化127】
(1)
1-(4-メチルフェニル)スルホニル-6-(3-オキソシクロブチル)-2-インドールカルボン酸と6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[4,3-c]アゼピンに対し、実施例1-1に記載の方法に準じる方法で3-[1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-[オキソ(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メチル]-6-インドリル]-1-シクロブタノンを得た。
(2)
上記(1)で得られた化合物に対し、参考例1-3(2)に記載の方法に準じる方法で[6-(3-ヒドロキシ-3-メチルシクロブチル)-1-(4-メチルフェニル)スルホニル-2-インドリル]-(5,7,8,9-テトラヒドロピリド[4,3-c]アゼピン-6-イル)メタノンを得た。
(3)
上記(2)で得られた化合物に対し、参考例1-11(3)に記載の方法に準じる方法で表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.51 (s, 3H, overlapped with water) 1.99 - 2.14 (m, 2H) 2.19 - 2.30 (m, 2H) 2.50 - 2.61 (m, 2H) 2.95 - 3.08 (m, 2H) 3.09 - 3.22 (m, 1H) 4.24 (br, 2H) 4.82 (br, 2H) 6.75 (d, J = 1.2 Hz, 1H) 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 7.21 (s, 1H) 7.27 - 7.40 (m, 1H) 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 1H) 8.39 - 8.49 (m, 2H) 8.93 - 9.07 (s, 1H)
MS (ESI): m/z calcd for C23H25N3O2 [M+H]
+: 376.20, found 376.3, [M-H]
-: 374.18, not found.
【0252】
試験例1(ヒトMMP9活性化に対するアロステリック阻害試験)
本発明の各化合物のヒトMMP9活性化に対する阻害作用を、DQ-gelatinを基質とした酵素アッセイによって測定した。一連の酵素反応は[50mmol/L HEPES(pH 7.5)、10mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で実施した。384ウェルマイクロプレート(Corning Incorporated)に2nMのヒトのリコンビナントMMP9(酵素前駆体、R&D Systems)を12.5μL/well分注し、種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加して室温で10分間静置した。8nmol/L又は20nmol/LのヒトのリコンビナントMMP3(Enzo Life Sciences)を12.5μL/well添加し、それぞれ室温で2時間又は4時間静置してMMP9を活性化させた。次いで、Dye-quenched (DQ)-gelatin(Thermo Fisher Scientific)を最終濃度0.4μg/mLとなるように添加し、室温で30分間静置後に蛍光強度(Ex 485nm/Em 520nm)を測定した。測定した蛍光値を用いて活性化阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
活性化阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物及びMMP3非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
【0253】
本発明化合物のIC50値を以下に示す。
【0254】
【0255】
試験例2(MMP2、MMP13に対する選択性試験)
本発明化合物のMMP2及びMMP13に対する阻害作用は、以下により測定することができる。
(1)MMP2に対する選択性試験
被験物質が溶解したTris buffer(50mmol/L Tris pH 7.5、150mmol/L NaCl、10mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23)を96ウェルプレートに1μL/well分注した。続いて終濃度4.56ng/mLとなるようにTris bufferで希釈したヒトのリコンビナントMMP2(Millipore)を19μL/well添加し、37℃で15分間静置した。終濃度0.5mmol/LとなるようにMilli-Q水を用いて溶解した4-Aminophenylmercuric acetateを5μL/well添加し、37℃で1時間静置した。終濃度0.28μg/mLとなるようにTris bufferで希釈したDye-quenched (DQ)-gelatin(Thermo Fisher Scientific)を25μL/well分注した。室温で15分間反応させた後、蛍光値(Ex/Em=490nm/530nm)を測定する。測定した蛍光値から、以下の式を用いてMMP2阻害率を算出した。
MMP2阻害率=[1-(被験物質添加時の蛍光値-MMP2非添加時の蛍光値)
/(化合物非添加時の蛍光値-MMP2非添加時の蛍光値)]*100
また、化合物非添加時を0%阻害、MMP2非添加時を100%阻害と設定した。ここで、化合物非添加時とは被験物質が含まれないDMSOを使用して蛍光値を算出した時であり、MMP2非添加時とはヒトのリコンビナントMMP2が含まれないTris bufferを使用して蛍光値を算出した時である。
各化合物濃度の平均阻害率から、Prism8(GraphPad Software)のNonlinear regression(curve fit)を使用して50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
(2)MMP13に対する選択性試験
被験物質が溶解したHepes buffer(50mmol/L Hepes pH7.5、10mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23)を96ウェルプレートに1μL/well分注した。続いて終濃度232.05ng/mLとなるようにHepes bufferで希釈したヒトのリコンビナントMMP13(R&D Systems)を22.75μL/well添加し、37℃で15分間静置した。終濃度1.3μg/mLとなるようにHepes bufferで希釈したPlasminを1.25μL/well添加し、37℃で2時間静置した。終濃度7.1μmol/LとなるようにHepes bufferで希釈したMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を25μL/well分注する。室温で5分間反応させた後、蛍光値(Ex/Em=328nm/393nm)を測定する。測定した蛍光値から、以下の式を用いてMMP13阻害率を算出した。
MMP13阻害率=[1-(被験物質添加時の蛍光値-MMP13非添加時の蛍光
値)/(化合物非添加時の蛍光値-MMP13非添加時の蛍光値)]*100
また、化合物非添加時を0%阻害、MMP13非添加時を100%阻害と設定した。ここで、化合物非添加時とは被験物質が含まれないDMSOを使用して蛍光値を算出した時であり、MMP13非添加時とはヒトのリコンビナントMMP13が含まれないHepes bufferを使用して蛍光値を算出した時である。
各化合物濃度の平均阻害率から、Prism8(GraphPad Software)のNonlinear regression(curve fit)を使用して50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
【0256】
本発明化合物のIC50値を以下に示す。
【0257】
【0258】
試験例3(プロセッシング阻害試験)
本発明化合物のMMP9に対するプロセッシング阻害作用を、ウェスタンブロット法により評価した。
自社で調製したRecombinant truncated-MMP9(29-215、391-444、StreptagII)をHepes buffer(50mmol/L Hepes pH7.5、10mmol/L CaCl
2、0.05% Brij L23)で1nMに希釈し、Recombinant truncated-MMP9 0.9mLに対して、被験物質を最終濃度の100倍の濃度で18μL添加し、室温で15分間静置した。次に、MMP3(Enzo)をHepes bufferで20nMに希釈し、0.9mL添加し、37℃で3時間活性化した。その後、500mol/L EDTAを37μL添加し、反応を停止させた。溶液をAmicon Ultra(Merck Millipore)を用いて遠心し、濃縮した。濃縮した溶液30μLに4xSDS Buffer(8w/v% SDS、250mol/L Tris-HCl、40w/v% glycerol、0.1w/v% bromophenol blue、400mol/L dithiothreitol)を10μL混合し、70℃で10分間加熱した。20μLの溶液を15% MULTIGEL(登録商標)II mini(コスモバイオ)で分離し、0.45μm孔径のPVDF膜に転写した。次に、PVDF膜をブロッキング緩衝液(5%スキムミルクを含有したTris緩衝食塩水(0.1% Tween-20含有))中で室温にて1時間インキュベートし、Tris緩衝食塩水で室温にて5分間の洗浄を3回実施した。その後、1000倍希釈したMMP9抗体(Abeomics)を含有したCanget Signal Solution 1(東洋紡株式会社)により4℃で一晩標識した。翌日に、Tris緩衝食塩水で室温にて5分間の洗浄を3回実施し、15000倍に希釈したロバ抗ウサギIgG-HRP(Cytiva)を含有したCanget Signal Solution 2(東洋紡株式会社)により室温で1時間標識した。Tris緩衝食塩水で室温にて5分間の洗浄を3回実施し、ECL Prime Western Blotting Detection Reagent(Cytiva)を用いて検出した。FUSION SOLO S(エムエス機器株式会社)を使用して、化学発光シグナルを解析した。
本発明化合物はMMP3によるRecombinant truncated-MMP9の活性化を抑制することがウェスタンブロット法により実証された(
図1参照)。
MMP3はRecombinant truncated-MMP9を活性化し、中間型及び活性型MMP9を生成した(レーン2(左から2番目のレーン))。本発明化合物(実施例1-1)を処置した場合は活性型Recombinant truncated-MMP9が減少した(レーン3-6(左から3~6番目のレーン))。
【0259】
試験例4(Fmr1-KOマウスを用いた行動評価)
本発明化合物の脆弱X症候群モデル動物に対する阻害作用は、Fmr1-KOマウスを用いた3チャンバー社会性行動試験により評価した。
本発明化合物をFmr1-KOマウス(B6.129P2-Fmr1〈tm1Cgr〉/J、Jackson Laboratory)に14日間1日1回経口投与した。最後に投与した翌日、3チャンバー装置で社会認識を評価した。この装置は、3つの連続したチャンバー(縦40cm、横20cm、高さ22cm)からなり、中央のチャンバーから左右のチャンバーへは取り外し式のドアから自由に行き来ができる。左右のチャンバーには、それぞれ円柱型のワイヤーケージ(直径9cm、高さ12cm)を置いた。このワイヤーケージは、外から中身を見たり匂いを嗅いだりできる。最初に、左右のドアを閉めた状態で中央のチャンバーにマウスを入れ、5分間自由に探索させた。続いて左右のドアを取り外し、装置全体を10分間自由に探索させた。マウスを中央のチャンバーに戻した後、左右のドアを閉め、片方のワイヤーケージにマウス(C57BL6J、Jackson Laboratory)を、もう片方のワイヤーケージに50mLチューブの蓋を入れた。左右のドアを開け、10分間自由に探索させた。再び中央のチャンバーにマウスを戻して左右のドアを閉め、50mLチューブの蓋を回収し、新しいマウスを入れた。このマウスを“新奇マウス”、すでにワイヤーケージ内にいたマウスを“見慣れたマウス”とした。最後に、左右のドアを開け、10分間自由に探索させた。この際、それぞれのワイヤーケージに対して匂いを嗅いだり触れたりした接触時間を測定した。社会認識係数は以下の式を用いて算出した。この係数が高いほど社会認知機能が高いことを表す。
式:社会認識係数=[(新奇マウスへの接触時間)-(見慣れたマウスへの接触時
間)]/[(新奇マウスへの接触時間)+(見慣れたマウスへの接触時間)]
Fmr1-KOマウスは野生型マウスと比べて社会認識係数が統計的に有意に低下していた。一方、本発明化合物(実施例1-1(3mg/kg)又は実施例1-7(3mg/kg))を投与した場合はFmr1-KOマウスの社会認識係数を有意に増加させた。この結果は、本発明化合物が脆弱X症候群モデルの社会認知障害を改善できることを示している。
本発明の化合物は優れたMMP9阻害活性を有し、本発明により、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害、癌、関節リウマチ、炎症性腸疾患、高血圧、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患、及び気管支喘息からなる群から選ばれる疾患の予防又は治療に有効な医薬品を提供するが可能となり、患者の負担を軽減し、医薬品産業の発達に寄与することが期待される。