(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018435
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250130BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20250130BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20250130BHJP
G06Q 50/163 20240101ALI20250130BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
G06Q10/04
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122132
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮武 丈士
(72)【発明者】
【氏名】安田 篤史
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L030BB67
5L049AA04
5L049BB67
5L049CC15
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】契約先毎の保守契約の自動更新の有無の判断を容易化して、オペレータに掛かる負担を軽減し、例えば保守契約情報の入力業務等を支援する。
【解決手段】データ生成部が、保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成する。出力制御部は、生成された契約データを外部機器に出力する。これにより、契約先毎の保守契約の自動更新の有無の判断を容易化して、オペレータに掛かる負担を軽減することができる。また、例えば保守契約情報の入力業務等を支援することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、前記保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成するデータ生成部と、
生成された前記契約データを外部機器に出力する出力制御部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記自動更新区分で保守契約の自動更新が「有」とされている前記契約データを抽出する抽出部を、さらに備え、
前記データ生成部は、抽出された前記契約データの前記契約期間を、次期の契約期間に更新した契約データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記記憶部には、所定の保守対象機器に対して、保守契約期間の契約終了日に相当する自動更新停止日が記憶されており、
前記データ生成部は、抽出された前記契約データのうち、前記自動更新停止日が設定されている契約データの前記契約期間の契約終了日を、前記自動更新停止日に変更処理すると共に、前記自動更新停止日が設定されている契約データの前記自動更新区分を、自動更新「無」に変更処理した契約データを生成すること、
を特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
各前記保守対象機器の前記自動更新区分及び前記契約期間を含む契約入力を行うための契約入力画面を表示部に表示する際に、前記記憶部を参照して、入力された保守対象機器の品種及び契約先に対応する自動更新区分を自動的に入力した前記契約入力画面を表示する表示制御部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記記憶部を参照することで、前記契約入力画面を介して入力された保守対象機器の品種及び契約先に対応する保守契約の自動更新の有無が「有」である場合、前記自動更新区分を変更不可の状態で入力した前記契約入力画面を表示すること、
を特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記記憶部には、各前記保守対象機器に対応する仕入売上区分、及び、仕入金額又は売上金額が、過去及び未来の計上日毎に記憶されており、
前記データ生成部は、前記計上日毎の仕入売上区分、及び、仕入金額又は売上金額に基づいて、前記計上日毎の損益を示す収支予測データを生成し、
前記出力制御部は、生成された前記収支予測データを前記外部機器に出力すること、
を特徴とする請求項5に記載の業務支援装置。
【請求項7】
前記データ生成部は、前記自動更新停止日が設定された保守対象機器に対しては、前記自動更新停止日までの期間の前記収支予測データを生成すること、
を特徴とする請求項6に記載の業務支援装置。
【請求項8】
データ生成部が、保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、前記保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成するデータ生成ステップと、
出力制御部が、生成された前記契約データを外部機器に出力する出力制御ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項9】
コンピュータを、
保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、前記保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成するデータ生成部と、
生成された前記契約データを外部機器に出力する出力制御部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6289586号公報)には、環境条件に応じた電気部品の寿命を反映させて保守点検スケジュールを最適化可能とした保守点検スケジュール最適化装置が開示されている。
【0003】
この保守点検スケジュール最適化装置は、環境パラメータ取得部で、エレベータ制御盤に搭載された電気部品の寿命に関わる環境パラメータを取得する。寿命推定部は、環境パラメータ取得部で取得された環境パラメータを用いて電気部品の寿命を推定する。そして、スケジュール更新部が、寿命推定部により推定された電気部品の寿命と電気部品の定格寿命との差分が第1閾値以上の場合に、電気部品の点検又は交換を含む保守点検作業の作業時期、及び、作業項目を定めた保守点検スケジュールを更新する。これにより、環境条件に応じた電気部品の寿命を反映させて保守点検スケジュールを最適化できる。
【0004】
ここで、保守対象機器の一例であるエレベータ装置は、「建築基準法」及び「労働安全衛生法」に基づき、保守契約は自動更新となっている。ただし、官公庁系のエレベータ装置の場合、保守契約は1年契約となり、毎年、「入札」により、保守契約を行う企業が決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように保守契約の自動更新が可能な契約先と自動更新が不可な契約先が存在すると、保守対象機器の保守を行う企業側のオペレータは、例えば保守契約情報の入力時等に、保守契約の自動更新の有無を、契約先毎に判断する必要があり、大変面倒な判断を必要とする問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、契約先毎の保守契約の自動更新の有無の判断がオペレータに掛ける負担を軽減でき、例えば保守契約情報の入力業務等の支援を可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成するデータ生成部と、生成された契約データを外部機器に出力する出力制御部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、データ生成部が、保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成するデータ生成ステップと、出力制御部が、生成された契約データを外部機器に出力する出力制御ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部を参照し、保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データを生成するデータ生成部と、生成された契約データを外部機器に出力する出力制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、契約先毎の保守契約の自動更新の有無の判断がオペレータに掛ける負担を軽減できる。このため、例えば保守契約情報の入力業務等を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、自動更新マトリクスマスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、契約先マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、保守対象機器の保守契約登録の流れを示す図である。
【
図8】
図8は、定期契約入力画面の表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、定期契約入力画面の他の表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、自動更新区分が「有」の定期契約データの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、自動更新停止日に対応する契約期間及び自動更新区分に更新された定期契約データの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、請求一括処理及び収支予測処理の流れを示す図である。
【
図15】
図15は、終始予測処理により生成された収支予測データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、一例として、実施の形態の業務支援装置は、エレベータ装置、エスカレータ装置、サーバ装置等の保守対象機器の保守管理業務を支援することとして説明を行うが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
(概要)
エレベータ装置の保守契約は、「建築基準法」及び「労働安全衛生法」の性質上、自動更新されるのが通常である。ただし、官公庁系のエレベータ装置の場合、保守契約は1年契約となり、毎年「入札」で保守契約を行う企業が決定する。
【0015】
この官公庁の中には、官公庁の管理団体又は第三セクタ等のように、保守契約の自動更新の可否の判断が困難な契約先も存在し、保守管理を行う企業側のオペレータが誤った保守契約に関する登録等を行うおそれがある。エレベータ装置の場合、保守契約がされていない状態は法令違反となる。なお、第三セクタとは、政府又は地方公共団体(第一セクタ)が民間企業(第二セクタ)と共同出資して行う事業組織体(法人)である。
【0016】
しかし、毎年「入札」で保守契約が決定する官公庁系のエレベータ装置に対して、誤って保守契約の自動更新を行った場合、誤請求等による業務に対する悪影響、又は、収支の予測精度が下がるため、管理者が正確な判断を行う必要がある。
【0017】
このため、実施の形態の業務支援装置は、契約先マスタに一般企業の保守対象機器であるか又は官公庁系の保守対象機器であるかを示す区分(官公庁区分)を持たせる。また、保守対象機器の商品(設備)に関連する品種と、官公庁区分をキーとした保守契約自動更新有無のマトリクス設定を行う(自動更新マトリクスマスタ12:
図3参照)。
【0018】
そして、保守契約登録時等に、契約先と品種に基づいて自動更新マトリクスマスタ12を参照し、保守対象機器が、保守契約の自動更新を行う保守対象機器であるか、保守契約の自動更新を行わない保守対象機器であるかを自動判断し、自動更新区分に「有」又は「無」を設定する。
【0019】
また、保守対象機器が、エレベータ装置又はエスカレータ装置の場合、自動更新区分を「有」として場合は、この自動更新区分を変更不可とする。
【0020】
また、自動更新停止日が設定されている商品(設備)においては、最終契約期間に相当する契約更新時に、自動更新区分を「無」で更新する。
【0021】
これにより、保守契約を締結している顧客の法令遵守を図ることができる。また、誤請求の防止を図ることができる。
【0022】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワークに接続される。
【0023】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、保守対象機器の保守契約情報等の入力支援を図る業務支援プログラムが記憶されている。また、この記憶部2には、後述する品種マスタ11、自動更新マトリクスマスタ12、商品マスタ13、設備マスタ14、契約先マスタ15が記憶されている。また、記憶部2には、定期契約データ及び収支予測データ等が記憶される。
【0024】
品種マスタ11は、
図2に示すように、保守対象機器の機種コードと品種名を関連付けで構成されている。
【0025】
自動更新マトリクスマスタ12は、
図3に示すように、各品種コードと官公庁区分とが関連付けされた構成されている。官公庁区分は、その品種の保守対象機器は、保守契約の自動更新が行われる品種の保守対象機器であるか否かを示す情報となっている。この
図3の例は、機種コードが「HIN1」の「エレベータ又はエスカレータ」の品種の保守対象機器のうち、一般企業の保守対象機器は、保守契約の自動更新が「1:あり」であり、官公庁の保守対象機器は、保守契約の自動更新が「0:なし」に設定されている。
【0026】
また、
図3の例は、機種コードが「HIN2」の「ビル清掃機器又はビル監視機器」の品種の保守対象機器のうち、一般企業の保守対象機器は、保守契約の自動更新が「0:なし」であり、官公庁の保守対象機器も、保守契約の自動更新が「0:なし」に設定されている。
【0027】
また、
図3の例は、機種コードが「HIN3」の「監視システム」の品種の保守対象機器のうち、一般企業の保守対象機器は、保守契約の自動更新が「1:あり」であり、官公庁の保守対象機器は、保守契約の自動更新が「0:なし」に設定されている。
【0028】
商品マスタ13は、
図4に示すように上述の品種コードと、エレベータ装置、エスカレータ装置、サーバ装置等の商品名と、商品コードがそれぞれ関連付けされて構成されている。この
図4の例の場合、「HIN1」の品種コードの「エレベータ装置」は、「SH001」の商品コードが付されている。また、「HIN1」の品種コードの「エスカレータ装置」は、「SH002」の商品コードが付されており、「HIN3」の品種コードの「サーバ装置」は、「SH003」の商品コードが付されている。
【0029】
設備マスタ14は、
図5に示すように、上述の商品コード及び商品名に対して、管理番号及び自動更新停止日を関連付けして構成されている。自動更新停止日は、保守契約の最終日に相当する日付である。
図5の例の場合、商品コードが「SH003」の「サーバ装置」に対して、「2024年12月31日」の日付が、自動更新停止日として設定されている。
【0030】
契約先マスタ15は、
図6に示すように、各契約先の契約先コード、契約先名、及び、上述の官公庁区分がそれぞれ関連付けされて構成されている。
図6の例の場合、契約先コードが「T001」の「○○法人」に対しては、保守契約の自動更新が可能な一般企業であることを示す「0:一般」の官公庁区分が付されている。これに対して、契約先コードが「T002」の「△△法人」に対しては、保守契約の自動更新が不可な官公庁であることを示す「1:官公庁」の官公庁区分が付されている。
【0031】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、
図1に示すように、データ生成部21、出力制御部22、抽出部23、及び、表示制御部24として機能する。
【0032】
データ生成部21は、保守対象機器の品種別及び契約先別に、所定の期間毎の保守契約の自動更新の有無を記憶させた記憶部(
図3の自動更新マトリクスマスタ12)を参照し、保守契約の自動更新の有無を示す自動更新区分及び契約期間を含む契約データ(
図10参照)を生成する。
【0033】
出力制御部22は、生成された契約データを外部機器に出力する。具体的には、外部機器が、表示部の場合、出力制御部22は、契約データを表示部に供給して表示制御する。また、外部機器が印刷装置である場合、出力制御部22は、契約データを印刷装置に供給してプリントアウトする。また、外部機器がスピーカ装置である場合、出力制御部22は、契約データをスピーカ装置に供給し、契約データに対する音声出力を得る。
【0034】
抽出部23は、自動更新区分で保守契約の自動更新が「有」とされている契約データを抽出する。データ生成部は、抽出された契約データの契約期間を、次期の契約期間に更新した契約データを生成する(
図12参照)。
【0035】
また、記憶部2には、所定の保守対象機器に対して、保守契約期間の契約終了日に相当する自動更新停止日が記憶されている(
図5の設備マスタ14の自動更新停止日)。データ生成部21は、抽出部23で抽出された契約データのうち、自動更新停止日が設定されている契約データの契約期間の契約終了日を、自動更新停止日に変更処理すると共に、自動更新停止日が設定されている契約データの自動更新区分を、自動更新「無」に変更処理した契約データを生成する(
図13参照)。
【0036】
表示制御部24は、各保守対象機器の自動更新区分及び契約期間を含む契約入力を行うための契約入力画面を表示部に表示する際に(
図8及び
図9参照)、記憶部(
図3の自動更新マトリクスマスタ12及び
図6の契約先マスタ15)を参照して、入力された保守対象機器の品種及び契約先に対応する自動更新区分を自動的に入力した契約入力画面を表示する(
図8及び
図9参照)。
【0037】
また、表示制御部24は、記憶部(
図3の自動更新マトリクスマスタ12及び
図6の契約先マスタ15)を参照することで、契約入力画面(
図8及び
図9参照)を介して入力された保守対象機器の品種及び契約先に対応する保守契約の自動更新の有無が「有」である場合、自動更新区分を変更不可の状態で入力した契約入力画面を表示する(
図9参照)。
【0038】
また、記憶部2には、各保守対象機器に対応する仕入売上区分、及び、仕入金額又は売上金額が、過去及び未来の計上日毎に記憶されている。データ生成部21は、計上日毎の仕入売上区分、及び、仕入金額又は売上金額に基づいて、計上日毎の損益を示す収支予測データを生成する。出力制御部は、生成された収支予測データを外部機器に出力する(
図15参照)。
【0039】
この際、データ生成部21は、自動更新停止日が設定された保守対象機器に対しては、自動更新停止日までの期間の収支予測データを生成する。
【0040】
(保守対象機器の保守契約登録動作)
図7は、実施の形態の業務支援装置1における、保守対象機器の保守契約登録動作の流れを示す図である。この
図7に示すように、保守契約が締結される前に、まず、保守対象機器の保守管理を行う企業と、保守対象機器の保守を委任する企業(一般企業又は官公庁)との間で、商談が行われる。
【0041】
一方、保守対象機器の保守管理を行う企業のオペレータは、
図2に示した品種マスタ11、
図3に示した自動更新マトリクスマスタ12、
図4に示した商品マスタ13、
図5に示した設備マスタ14、及び、
図6に示した契約先マスタ15に対して、上述の各種情報を事前に設定しておく。
【0042】
商談を行うことで両者が合意に達した場合、保守対象機器の保守契約が締結される。保守対象機器の保守管理を行う企業のオペレータは、締結された保守契約に対応する保守契約情報の入力を行う。具体的には、この保守契約情報の登録時となると、オペレータは、入力装置6を介して、定期契約入力画面の表示を指定操作する。この指定操作が行われると、表示制御部24は、
図8に例示する定期契約入力画面を、出力装置7を介して表示する。
【0043】
オペレータは、この定期契約入力画面に対して、契約番号、契約日、契約期間、契約先コード、商品(設備)コード、及び、管理番号の入力を行う。表示制御部24は、入力された契約先コードに基づいて、
図6に示す契約先マスタ15を参照し、入力された契約先の官公庁区分を検出する。また、表示制御部24は、入力された商品(設備)コードに基づいて、
図4に示す商品マスタ13を参照し、入力された契約先の商品(設備)コードに対応する品種コードを検出する。
【0044】
さらに、表示制御部24は、
図6に示す契約先マスタ15から検出した官公庁区分、及び、
図4に示す商品マスタ13から検出した品種コードに基づいて、
図3に示す自動更新マトリクスマスタ12を参照し、契約した品種及び契約先に対応する官公庁区分を検出する。そして、表示制御部24は、自動更新マトリクスマスタ12から検出した官公庁区分が保守契約の自動更新を「なし」とする官公庁区分である場合、
図8に示すように定期契約入力画面に対して「自動更新区分「0」なし」との表示を行う。
【0045】
これに対して、表示制御部24は、自動更新マトリクスマスタ12から検出した官公庁区分が保守契約の自動更新を「あり」とする官公庁区分である場合、
図9に示すように定期契約入力画面に対して「自動更新区分「1」あり」との表示を行う。この際、表示制御部24は、品種が「エレベータ装置又はエスカレータ装置」であり、かつ、契約先の官公庁区分が「0:一般」である場合、「自動更新区分「1」あり」との表示は変更不可の状態を維持する(オペレータが変更できない状態に維持する)。
【0046】
実施の形態の業務支援装置1は、このように各マスタ11~15に基づいて、各契約先に対する正確な自動更新区分を自動的に判断して定期契約入力画面に入力することができる。
【0047】
このように定期契約入力画面に対して保守契約情報の入力が行われると、データ生成部21は、定期契約入力画面の入力内容に基づいて、
図10に示すように、定期契約番号、枝番、契約日、契約期間、契約先コード、商品(設備)コード、管理番号、及び、自動更新区分を含む定期契約データを生成し、記憶部2に記憶させる。この
図10の例は、契約先コードが「T001」の契約先の自動更新区分は、保守契約の自動更新が「1:あり」であり、契約先コードが「T002」の契約先の自動更新区分は、保守契約の自動更新が「0:なし」であることを示している。
【0048】
このような定期契約データは台帳出力される。そして、
図7に示すように上長等による回覧及び承認に用いられる。
【0049】
(保守対象機器の保守契約の契約更新動作)
図11は、実施の形態の業務支援装置1における、保守対象機器の保守契約の契約更新動作の流れを示す図である。契約更新時となると、オペレータは、契約更新の対象となっている契約更新対象の抽出処理を、入力装置6を介して指定する。この指定が行われると、抽出部23は、
図10に示した定期契約データのうち、自動更新区分が「1:あり」となっている定期契約データを抽出する。このように抽出された自動更新区分が「1:あり」となっている定期契約データを
図12に示す。
【0050】
データ生成部21は、自動更新区分が「1:あり」となっている定期契約データが抽出されると、
図13(a)に示すように設備マスタ14を参照し、抽出された定期契約データのうち、自動更新停止日が設定されている定期契約データを検出する。この
図13(a)の例の場合、商品コードが「SH003」のサーバ装置に対して、「2024年12月31日」の自動更新停止日が設定されている。
【0051】
このため、データ生成部21は、
図13(b)に示すように、抽出した定期契約データのうち、商品コードが「SH003」のサーバ装置の定期契約データの契約期間の最終日を、設定されている自動更新停止日である「2024年12月31日」に変更する。また、データ生成部21は、これと共に、
図13(b)に示すように、商品コードが「SH003」のサーバ装置の定期契約データの自動更新区分を、保守契約の自動更新を行わないことを示す「0:なし」に変更する。これにより、保守契約が終了する保守対象機器及び契約期間を明確に示すことができる。
【0052】
このように抽出及び変更が施された定期契約データは、上長等により確認及び回覧後に、記憶部2に記憶(登録)される。これにより、保守対象機器の保守契約が自動更新される。そして、自動更新区分が「1:あり」となっている契約先に対する保守契約を自動更新できるため、保守契約を締結している顧客の法令遵守を図ることができる。
【0053】
(請求一括処理及び収支予測処理)
次に、このように定期契約データは、
図14に示すように日次業務として請求処理に用いられる。すなわち、オペレータは、上述のように抽出された、自動更新区分が「1:あり」となっている定期契約データに基づいて請求書を作成し、各契約先に対して保守契約料の請求処理を行う。官公庁系の契約先等のように、自動更新区分が「0:なし」となっている定期契約データは抽出されない。このため、自動更新区分が「0:なし」となっている官公庁等に対して、誤って請求書を送付する誤請求を防止できる。
【0054】
また、オペレータは、
図14に示す収支予測を行う場合、入力装置6を介して収支予測データの表示を指定する。記憶部2には、各保守対象機器に対応する仕入売上区分、及び、仕入金額又は売上金額が、過去及び未来の計上日毎に記憶されている。データ生成部21は、計上日毎の仕入売上区分、及び、仕入金額又は売上金額に基づいて、計上日毎の損益を示す収支予測データを生成する。出力制御部22又は表示制御部24は、生成された収支予測データを外部機器(出力装置7)に出力する。
【0055】
図15に収支予測データの一例を示す。この
図15に示すように、収支予測データは、商品(設備)コード、管理番号、計上日、データ区分、金額、及び、損益を含んで構成される。データ区分は、設備仕入、設備売上、保守売上、保守仕入等の、仕入又は売上の区分を示している。金額は、この仕入又は売上の金額である。
【0056】
すなわち、
図15の例は、設備仕入に「500万円」の金額を要したことで、損益が「-500万円」となったが、設備売上が「490万円」であったため、損益が「-10万円」となったことを示している。また、
図15の例は、「490万円」の設備売上の後に、「20万円」の保守売上があったことで、損益が「+10万円」となったことを示している。
【0057】
ここで、データ生成部21は、上述の自動更新停止日が設定された保守対象機器に対しては(
図13参照)、自動更新停止日までの期間の収支予測データを生成する。例えば、商品(設備)コードが「PJ0002」の保守契約対象に対して、保守契約の契約期間の最終日(=自動更新停止日)として「2024年12月31日」が設定されていた場合、データ生成部21は、この「2024年12月31日」までの間の収支予測データを生成する。これにより、保守契約期間外の収支予測データを生成する不都合を防止でき、また、オペレータに対して、保守契約の契約期間の最終日を認識させることができる。
【0058】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、契約先毎の保守契約の自動更新の有無の判断により、オペレータに負担が掛かる不都合を防止できる。このため、例えば保守契約情報の入力業務等を支援することができる。
【0059】
また、保守契約を締結している顧客の法令遵守を図ることができる他、契約先毎の保守契約の自動更新の有無を正確に判断して、誤請求を防止することができる。
【0060】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0063】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0064】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0067】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0068】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、保守対象機器の保守業務を行っており、契約先又は契約対象の設備或いは商品の種類により、保守契約の自動更新の有無が変わる事業を行っている企業等の業務を支援可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 品種マスタ
12 自動更新マトリクスマスタ
13 商品マスタ
14 設備マスタ
15 契約先マスタ
21 データ生成部
22 出力制御部
23 抽出部
24 表示制御部