(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001847
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】行動判定装置、宅内機器管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20241226BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20241226BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G08B21/24
G08B25/04 K
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101560
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】奥村 直人
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA01
5C086FA06
5C087AA37
5C087AA44
5C087DD06
5C087DD24
5C087EE15
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF25
5C087GG09
5C087GG66
5K201BA02
5K201DC02
5K201EC06
5K201ED09
5K201FA03
(57)【要約】
【課題】行動判定を迅速に行える行動判定装置を提供する。
【解決手段】ドアの内側又は外側における人の位置に関する情報を取得する位置情報取得部と、ドアの施解錠に関する情報を取得する施解錠情報取得部と、位置情報取得部が取得した位置に関する情報と、施解錠情報取得部が取得した施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、ドアを介した人の行動を判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの内側又は外側における人の位置に関する情報を取得する位置情報取得部と、
前記ドアの施解錠に関する情報を取得する施解錠情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置に関する情報と、前記施解錠情報取得部が取得した前記施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、前記ドアを介した前記人の行動を判定する判定部と、
を備える行動判定装置。
【請求項2】
前記位置情報取得部は、人感センサを有する、
請求項1に記載の行動判定装置。
【請求項3】
前記人感センサは、前記ドアの内側に配置される、
請求項2に記載の行動判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記人感センサが前記人の存在を検知し、且つ、前記ドアが解錠されたときに前記人の外出行動であると判定し、
前記人感センサが前記人の存在を非検知であり、且つ前記ドアが解錠されたときに前記人の帰宅行動であると判定する、
請求項3に記載の行動判定装置。
【請求項5】
前記位置情報取得部は、
前記ドアに設けられ、電動駆動によって非接触で施解錠可能な第1錠部と、
前記ドアの内側に設けられ、手動によって施解錠可能な第2錠部と、
を有し、
前記施解錠情報取得部は、前記第1錠部の前記施解錠に関する情報及び前記第2錠部の前記施解錠に関する情報をそれぞれ取得し、
前記判定部は、
前記第1錠部が前記施解錠されたときに前記ドアの外側に前記人が存在すると判定し、
前記第2錠部が前記施解錠されたときに前記ドアの内側に前記人が存在すると判定する、
請求項1に記載の行動判定装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記第1錠部が解錠されたときに、前記人の帰宅行動であると判定し、
前記第2錠部が解錠されたときに、前記人の外出行動であると判定する、
請求項5に記載の行動判定装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記第1錠部が解錠された後に前記第2錠部が施錠されたときに、前記人の帰宅行動であると判定し、
前記第2錠部が解錠された後に前記第1錠部が施錠されたときに、前記人の外出行動であると判定する、
請求項6に記載の行動判定装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の行動判定装置と、
宅内機器の稼働状態に関する稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
前記人に対して通知可能な通知部と、
前記ドアを介した前記人の行動と、前記行動に対応した前記稼働情報とを関連付けた管理情報を記憶する記憶部と、
前記ドアを介した前記行動を前記行動判定装置が判定したときに、前記行動と前記稼働情報と前記管理情報とに応じて前記稼働情報を前記通知部に通知させる通知制御部と、
を備える宅内機器管理システム。
【請求項9】
前記通知制御部は、前記行動が外出行動であるときに、前記宅内機器が稼働状態であることを前記通知部に通知させる、
請求項8に記載の宅内機器管理システム。
【請求項10】
制御部を備える行動判定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
ドアの内側又は外側における人の位置に関する情報を位置情報取得部に取得させる処理と、
前記ドアの施解錠に関する情報を施解錠情報取得部に取得させる処理と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置に関する情報と、前記施解錠情報取得部が取得した前記施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、前記ドアを介した前記人の行動を判定部に判定させる処理と、
を前記制御部に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、行動判定装置、宅内機器管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやスマートスピーカーを用いて家電や住宅設備等の宅内機器をコントロール及び管理するホームネットワークシステムが普及している。ホームネットワークシステムを利用することによって、外出時における家電の消し忘れ、窓の閉め忘れ等を防ぐことが考えられる。
【0003】
特許文献1には、住宅内に人が在宅中であるか外出中であるかを示す状態情報と、上記住宅の玄関内に人がいることを検出したことを示す人検出情報と、上記住宅の玄関の扉が開いたこと、又は閉じたことを示す開閉情報と、を取得することによって、外出行動、帰宅行動等を判別する判別装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された技術とホームネットワークシステムとを組み合わせることによって、外出行動時に家電の消し忘れ、窓の閉め忘れ等を未然に回避する方策を採ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、住宅内の人が外出行動を取る際に、ホームネットワークシステムにおける制御部が、家電の消し忘れ、窓の閉め忘れ等の通知情報を認識した場合、外出前に人に通知することが考えられる。特許文献1に記載された判別装置は、住宅の玄関の扉が開いたこと、又は閉じたことを示す開閉情報を用いているため外出行動の判定が遅れ、通知情報を通知したときには人が宅外へ出た後になる可能性がある。
【0007】
本開示は、以上のような点を考慮してなされたもので、外出行動等の行動判定を迅速に行える行動判定装置、宅内機器管理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、ドアの内側又は外側における人の位置に関する情報を取得する位置情報取得部と、前記ドアの施解錠に関する情報を取得する施解錠情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置に関する情報と、前記施解錠情報取得部が取得した前記施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、前記ドアを介した前記人の行動を判定する判定部と、を備える行動判定装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1実施形態の宅内機器管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本開示の第1実施形態の宅内機器管理システムの制御ブロック図である。
【
図3】第1実施形態の行動判定装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の第2実施形態の宅内機器管理システムの概略構成を示す図である。
【
図5】本開示の第2実施形態の宅内機器管理システムの制御ブロック図である。
【
図6】第1実施形態の行動判定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の行動判定装置、宅内機器管理システム及びプログラムの実施の形態を、
図1から
図6を参照して説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺等を異ならせている。
【0011】
[宅内機器管理システム及び行動判定装置の第1実施形態]
図1に示すように、宅内機器管理システム1は、宅内機器2を管理するシステムである。宅内機器2は、建屋の内部に設けられた電動機器である。宅内機器2としては、例えば、室内照明、シャッター、カーテン、エアコン及び窓等が挙げられる。宅内機器2は、人感センサ2Aを有する。
【0012】
宅内機器管理システム1は、宅内機器2と、電気錠3と、携帯端末5と、中継装置6と、ルータ7と、
図2に示すように、施解錠情報取得部11と、位置情報取得部12と、判定部13と、制御部14と、稼働情報取得部21と、通知部22と、記憶部23と、通知制御部24と、統括制御部25と、を備える。施解錠情報取得部11と、位置情報取得部12と、判定部13と、制御部14は、行動判定装置10を構成する。
【0013】
電気錠3は、一般住宅等の建屋におけるドア8に設けられている。電気錠3は、手動による施解錠に加え、電気的な施解錠が可能であるとともに、携帯端末5及び中継装置6と近距離通信が可能な錠である。宅内機器管理システム1において採用する近距離通信の方式である通信規格は、例えば、「Bluetooth[登録商標]」である。電気錠3は、携帯端末5及び中継装置6とBluetooth[登録商標]の通信プロトコルに準拠した無線通信を行う。
【0014】
近距離通信の方式である通信規格には、「Bluetooth[登録商標]」以外に、「ZigBee[登録商標]」等、幾つかの方式が一般的に知られている。宅内機器管理システム1においては、近距離通信の方式として「Bluetooth[登録商標]」を採用するが、必要に応じて他の方式の近距離通信を採用してもよい。
【0015】
電気錠3は、内部に組み込まれた錠電池によって駆動される。錠電池としては、乾電池、ボタン電池、バッテリー等を用いることができる。錠電池は、電気錠3が施錠動作あるいは解錠動作をする度に自身が蓄えている電力を消費し、最終的には電気錠3を正常に駆動できない電池切れに至る。電気錠3を正常に機能させるためには、錠電池における十分な電力残量が必要である。電気錠3は、錠電池を用いずに、ACアダプタを介して、例えば100Vの商用電源を用いる構成であってもよい。
【0016】
電気錠3は、携帯端末5から施錠指示を受信すると、施錠指示に基づいてドア8が開閉不可な状態である施錠状態となる。電気錠3は、解錠指示を携帯端末5から受信すると、解錠指示に基づいてドア8が開閉自在な状態である解錠状態となる。電気錠3は、携帯端末5から受信する施錠指示あるいは解錠指示に基づく施解錠に関する情報を中継装置6に通知する。
【0017】
携帯端末5は、電子錠制御プログラムに基づいて施錠指示あるいは解錠指示を近距離通信を介して電気錠3に送信することによって、電気錠3の施錠あるいは解錠を行わせる電子錠操作端末である。電子錠制御プログラムは、携帯端末5のオペーレーティングシステムであるOSに対応したものである。
【0018】
利用者は、例えば、夜間に外出から帰宅した場合、建屋のドア8に近づくと、携帯端末5の電子錠制御プログラムを操作することによって解錠指示を電気錠3に送信させる。電気錠3は、携帯端末5から解錠指示を受信すると、解錠指示に従ってドア8が開閉自在である解錠状態とする。
【0019】
利用者は、建屋から外出する場合、ドア8の内側から手動によって解錠操作することによって、ドア8が開閉自在である解錠状態とする。利用者は、建屋から外出する場合、建屋の外側であるドア8の外側から携帯端末5の電子錠制御プログラムを操作することによって、施錠指示を電気錠3に送信させる。電気錠3は、携帯端末5から施錠指示を受信すると、施錠指示に従ってドア8が開閉不可となる施錠状態とする。
【0020】
施解錠情報取得部11は、ドア8の施解錠に関する情報を取得する。施解錠情報取得部11は、電気錠3の施錠情報及び解錠情報を取得する。施解錠情報取得部11は、取得した電気錠3の施錠情報及び解錠情報を中継装置6を介して判定部13に出力する。
【0021】
位置情報取得部12は、ドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を取得する。宅内機器管理システム1における位置情報取得部12は、人感センサ2Aである。人感センサ2Aは、建屋内においてドア8の内側に設けられている。人感センサ2Aは、例えば、人Hが発する赤外線を検出する赤外線センサである。人感センサ2Aは、ドア8の内側の位置における人Hの存在を検知する。位置情報取得部12は、人Hがドア8の内側の位置に存在する情報を中継装置6を介して判定部13に出力する。人感センサ2Aがドア8の内側の位置における人Hの存在を検知しない場合、位置情報取得部12は、人Hがドア8の外側の位置に存在する情報を中継装置6を介して判定部13に出力する。
【0022】
判定部13は、位置情報取得部12が取得した人Hの位置に関する情報と、施解錠情報取得部11が取得したドア8の施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、ドア8を介した人Hの行動を判定する。判定部13は、人Hの位置に関する情報と、ドア8の施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、ドア8を介した人Hの行動が外出行動又は帰宅行動であるかを判定する。
【0023】
制御部14は、行動判定装置10においてドア8を介した人Hの行動を判定するための処理を実行する。制御部14を備える行動判定装置10としてコンピュータを用いることができる。
【0024】
行動判定装置10としてコンピュータを機能させるためのプログラムは、ドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を位置情報取得部12に取得させる処理と、ドア8の施解錠に関する情報を施解錠情報取得部11に取得させる処理と、位置情報取得部12が取得した人Hの位置に関する情報と、施解錠情報取得部11が取得したドア8の施解錠に関する情報との組み合わせに基づいて、ドア8を介した人Hの行動を判定部13に判定させる処理と、を制御部14に実行させる。
【0025】
中継装置6は、建屋内においてドア8の近傍に設けられている。中継装置6は、電気錠3及びルータ7との無線中継を行う通信装置である。中継装置6は、電気錠3とは、例えば、Bluetooth[登録商標]通信を行うが、ルータ7とはBluetooth[登録商標]通信よりも通信距離が長い通信方式の通信規格で無線通信を行う。
【0026】
中継装置6とルータ7との間における通信方式は、例えば「Wi-Fi[登録商標]」と呼称される無線LANである。LANは、ローカル・エリア・ネットワークの略称である。中継装置6は、ルータ7との間で家庭内LANに準拠した無線LAN通信を行う。
【0027】
宅内機器2は、外部通信端末との連携が可能な家電製品であり、建屋に構築された家庭内LANの構成要素である。宅内機器管理システム1が設けられる建屋には、宅内機器2及びルータ7を構成要素として含む家庭内LANが予め構築されている。
【0028】
宅内機器2は、近距離通信よりも通信距離が長い通信規格である無線LANに準拠した通信プロトコルでルータ7と無線通信を行う。宅内機器2は、有線LANでルータ7と通信を行ってもよい。宅内機器2は、ルータ7を介して外部から受信した操作指示に基づいた機能を発揮することが可能である。
【0029】
例えば、室内照明は、建屋の内部の各部屋に備えられており、発光することによって各部屋内を所定の照度に設定する照明機器である。室内照明は、単一の機器に限定されず、1または複数の照明機器の集合体である。室内照明は、無線LAN通信または有線LAN通信の機能を備えており、ルータ7を介して外部から受信した操作指示に基づいて照度設定又は電源を切ることが可能である。
【0030】
例えば、シャッターは、建屋の各窓に備えられており、電気的に開閉する電動窓シャッターである。シャッターは、単一の機器に限定されず、1または複数の電動窓シャッターの集合体である。シャッターは、無線LAN通信または有線LAN通信の機能を備えており、ルータ7を介して外部から受信した操作指示に基づいて開閉が可能である。
【0031】
カーテンは、建屋の各窓に備えられており、電気的に開閉する電動カーテンである。カーテンは、単一の機器に限定されず、1または複数の電動カーテンの集合体である。カーテンは、無線LAN通信または有線LAN通信の機能を備えており、ルータ7を介して外部から受信した操作指示に基づいて開閉が可能である。
【0032】
窓は、建屋の開口部に備えられており、電気的に開閉する電動窓である。窓は、単一の機器に限定されず、1または複数の電動窓の集合体である。窓は、無線LAN通信または有線LAN通信の機能を備えており、ルータ7を介して外部から受信した操作指示に基づいて開閉が可能である。
【0033】
エアコンは、建屋に1または複数備えられており、周知のように電気的に作動する空調装置である。エアコンは、室内機と室外機とを備えており、作動することによって室内の温度を調整可能である。エアコンは、無線LAN通信または有線LAN通信の機能を備えており、ルータ7を介して外部から受信した操作指示に基づいて温度調整又は停止が可能である。
【0034】
ルータ7は、家庭内LANとインターネット等の外部通信回線とを接続する通信装置である。ルータ7は、無線LANの通信プロトコルに準拠した無線LAN通信または有線LAN通信を中継装置6及び宅内機器2と行うとともに、外部通信回線と外部通信回線の通信プロトコルに準拠した通信を行う。
【0035】
ルータ7は、例えば外部通信回線を介して宅内機器2の外部操作指示を受信可能である。ルータ7は、外部操作指示を無線LANの通信プロトコルに準拠した無線LAN送信波に変換して宅内機器2に送信可能である。宅内機器2は、外部操作指示に従って作動する。
【0036】
ルータ7は、例えば、中継装置6から電気錠3の動作状態及び利用者の帰宅/外出情報を示す送信データを含む無線LAN送信波を無線LAN受信波として受信する。ルータ7は、無線LAN受信波から受信データを取出し、電気錠3の動作状態及び利用者の帰宅行動及び外出行動に関する情報をログ情報として保存する。ルータ7は、ログ情報を必要に応じてクラウドBに送信可能である。クラウドBは、外部通信回線に設けられた記憶装置である。クラウドBは、ルータ7から受信したログ情報を記憶可能である。
【0037】
稼働情報取得部21は、宅内機器2の稼働状態に関する稼働情報を取得する。稼働情報取得部21は、宅内機器2の稼働情報として、宅内機器2が稼働していること又は稼働を停止していることの情報を取得する。
【0038】
通知部22は、所定の情報を人Hに対して通知可能である。通知部22は、例えば、音声、アプリにおけるポップアップ、アプリにおける音声、画面表示等によって、所定の情報を人Hに対して通知可能である。宅内機器管理システム1における通知部22は、所定の情報を人Hに対して音声によって通知する。通知部22は、スピーカーである。通知部22は、建屋内においてドア8の近傍に配置されている。通知部22は、人感センサ2Aに設けられている。通知部22が人感センサ2Aに設けられていることによって、通知部22と人感センサ2Aが個別に設けられている場合と比較して、設置作業時間を短縮化できる。
【0039】
記憶部23は、ドア8を介した人Hの行動と、人Hの行動に対応した宅内機器2の稼働情報とを関連付けた管理情報を記憶する。管理情報は、予め記憶されている。管理情報は、ドア8を介した人Hの行動と、人Hの行動に対応した宅内機器2の稼働情報とに応じて、通知部22を介して人Hに通知する情報を含む。
【0040】
例えば、記憶部23は、ドア8を介した人Hの行動と、人Hの行動に対応した宅内機器2の基準状態を関連付けて記憶する。人Hの外出行動に対応した基準状態としては、例えば、室内照明及びエアコンの停止状態、カーテン及び窓の閉状態である。人Hの帰宅行動に対応した基準状態としては、例えば、帰宅前に外部からエアコンの稼働を操作指示した場合の稼働開始済み状態である。
【0041】
通知制御部24は、ドア8を介した人Hの行動を行動判定装置10の判定部13が判定したときに、人Hの行動と、宅内機器2の稼働情報と、記憶部23が記憶する管理情報とに応じて、人Hに宅内機器2の稼働情報を通知部22に通知させる。通知制御部24は、人Hの行動と、宅内機器2の稼働情報とに基づき、管理情報における宅内機器2の基準状態と一致していないときに、基準状態と一致していないことの情報を通知部22に通知させる。
【0042】
統括制御部25は、宅内機器管理システム1における処理を統括的に制御する。統括制御部25は、宅内機器管理システム1において、ドア8を介した人Hの行動を判定した結果に応じて人Hに宅内機器2の稼働情報を通知部22に通知させるための処理を実行する。統括制御部25を備える宅内機器管理システム1としてコンピュータを用いることができる。
【0043】
宅内機器管理システム1としてコンピュータを機能させるためのプログラムは、ドア8を介した人Hの行動を行動判定装置10に判定させる処理と、宅内機器2の稼働状態に関する稼働情報を稼働情報取得部21に取得させる処理と、ドア8を介した人Hの行動を行動判定装置10が判定したときに、人Hの行動と宅内機器2の稼働情報と、記憶部23の管理情報とに応じて稼働情報を通知部22が通知するように通知制御部24に実行させる処理と、を統括制御部25に実行させる。
【0044】
[行動判定装置の帰宅行動判定]
行動判定装置10の判定方法について、
図3を参照して説明する。例えば、利用者である人Hが外出先から帰宅した場合について説明する。
【0045】
利用者は、外出先から帰宅すると、ドア8の外側である出入口の前において携帯端末5に電気錠3の解錠指示を入力する。携帯端末5は、利用者の解錠指示をBluetooth[登録商標]通信によって電気錠3に送信する。
【0046】
電気錠3は、「解錠指示」を携帯端末5から受信すると、「解錠指示」に応じて施錠状態から解錠状態となる。電気錠3が解錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。
【0047】
判定動作が開始されると、
図3に示すように、ステップS1において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報として、電気錠3の解錠情報を取得する。電気錠3の解錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0048】
電気錠3の解錠情報が判定部13に出力されると、位置情報取得部12としての人感センサ2Aがドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を取得する。利用者が解錠指示を入力することによって電気錠3が解錠状態になったときには、人感センサ2Aは、ドア8の内側において人Hの存在を検知しない。人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知しないことによって、位置情報取得部12は、間接的にドア8の外側の位置に人Hが存在する情報を取得することになる。人Hがドア8の外側の位置に存在する情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0049】
判定部13は、施解錠情報取得部11が取得した施解錠に関する情報と、位置情報取得部12が取得した人Hの位置に関する情報との組み合わせに基づいて、ドア8を介した人Hの行動を判定する。
【0050】
判定部13は、ステップS2において、施解錠情報取得部11が解錠情報を取得したかを判断し、解錠情報を取得した場合にはステップS3において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知したかを判断する。ステップS3において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知しない場合、判定部13は、ドア8の外側の位置において人Hが解錠指示を入力したことから、ステップS4において、帰宅行動と判断する。判定部13は、人感センサ2Aが人Hの存在を非検知であり、且つドア8が解錠されたときに人Hの帰宅行動であると判定する。
【0051】
利用者は、「解錠指示」に応じて電気錠3が解錠状態となったドア8を開けて建屋内に移動した後に、例えば、ドア8の内側から手動によって電気錠3を施錠操作する。電気錠3が施錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。
【0052】
判定動作が開始されると、ステップS1において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報として、電気錠3の施錠情報を取得する。電気錠3の施錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0053】
電気錠3の施錠情報が判定部13に出力されると、位置情報取得部12としての人感センサ2Aがドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を取得する。利用者がドア8の内側から手動によって電気錠3を施錠操作したときに、人感センサ2Aは、ドア8の内側において人Hの存在を検知する。位置情報取得部12は、ドア8の内側の位置に人Hが存在する情報を取得する。人Hがドア8の内側の位置に存在する情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0054】
判定部13は、ステップS2において、施解錠情報取得部11が解錠情報を取得したかを判断し、解錠情報を取得せず施錠情報を取得した場合にはステップS5において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知したかを判断する。ステップS5において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知した場合、判定部13は、ドア8の内側の位置において人Hが施錠操作を行ったことから、ステップS6において帰宅行動と判断する。ステップS6における帰宅行動の判断は、ステップS4における帰宅行動の判断を追認することになり、行動判定の精度が上がる。
【0055】
[行動判定装置の外出行動判定]
例えば、利用者である人Hが建屋から外出する場合について説明する。利用者は、外出するために、例えば、ドア8の内側から手動によって電気錠3を解錠操作する。
【0056】
電気錠3が解錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。判定動作が開始されると、ステップS1において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報として、電気錠3の解錠情報を取得する。電気錠3の解錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0057】
電気錠3の解錠情報が判定部13に出力されると、位置情報取得部12としての人感センサ2Aがドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を取得する。利用者がドア8の内側から手動によって電気錠3を解錠操作したときに、人感センサ2Aは、ドア8の内側において人Hの存在を検知する。位置情報取得部12は、ドア8の内側の位置に人Hが存在する情報を取得する。人Hがドア8の内側の位置に存在する情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0058】
判定部13は、ステップS2において、施解錠情報取得部11が解錠情報を取得したかを判断し、解錠情報を取得した場合にはステップS3において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知したかを判断する。ステップS3において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知した場合、判定部13は、ドア8の内側の位置において人Hが解錠操作を行ったことから、ステップS7において、外出行動と判断する。判定部13は、人感センサ2Aが人Hの存在を検知し、且つ、ドア8が解錠されたときに人Hの外出行動であると判定する。
【0059】
利用者は、解錠操作に応じて電気錠3が解錠状態となったドア8を開けて建屋外に移動した後に、例えば、ドア8の外側において携帯端末5に電気錠3の「施錠指示」を入力する。携帯端末5は、利用者の施錠指示をBluetooth[登録商標]通信によって電気錠3に送信する。
【0060】
電気錠3は、「施錠指示」を携帯端末5から受信すると、「施錠指示」に応じて解錠状態から施錠状態となる。電気錠3が施錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。
【0061】
判定動作が開始されると、ステップS1において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報として、電気錠3の施錠情報を取得する。電気錠3の施錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0062】
電気錠3の施錠情報が判定部13に出力されると、位置情報取得部12としての人感センサ2Aがドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を取得する。利用者が解錠指示を入力することによって電気錠3が解錠状態になったときには、人感センサ2Aは、ドア8の内側において人Hの存在を検知しない。人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知しないことによって、位置情報取得部12は、間接的にドア8の外側の位置に人Hが存在する情報を取得することになる。人Hがドア8の外側の位置に存在する情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0063】
判定部13は、ステップS2において、施解錠情報取得部11が解錠情報を取得したかを判断し、解錠情報を取得せず施錠情報を取得した場合にはステップS5において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知したかを判断する。ステップS5において、人感センサ2Aがドア8の内側において人Hの存在を検知しない場合、判定部13は、ドア8の外側の位置において人Hが施錠指示を入力したことから、ステップS8において、外出行動と判断する。ステップS8における外出行動の判断は、ステップS7における外出行動の判断を追認することになり、行動判定の精度が上がる。
【0064】
実施形態の行動判定装置10においては、施解錠情報取得部11が取得した施解錠に関する情報と、位置情報取得部12が取得した人Hの位置に関する情報との組み合わせに基づいて、判定部13がドア8を介した人Hの行動を判定するため、人Hの外出行動時及び帰宅行動時に人Hがドア8を介して行動する前に、行動判定を迅速に行うことが可能になる。
【0065】
実施形態の行動判定装置10においては、人Hの外出行動時に人Hがドアを開けて外出する前に行動判定を迅速に行うことができる。
【0066】
[宅内機器管理システム1の動作]
宅内機器管理システム1は、行動判定装置10がドア8を介した人Hの行動を判定したときに、人Hの行動と、稼働情報取得部21が取得した宅内機器2の稼働状態に関する稼働情報と、記憶部23が記憶する管理情報とに応じて、通知制御部24が稼働情報を通知部22に通知させる。
【0067】
例えば、人Hの外出行動に対応した基準状態として、室内照明及びエアコンの停止状態、カーテン及び窓の閉状態が記憶部23に記憶されており、稼働情報取得部21が取得した宅内機器2の稼働状態に関する稼働情報が基準状態ではない場合、行動判定装置10が人Hの外出行動を判定したときに、通知制御部24が稼働情報を通知部22に通知させる。
【0068】
例えば、稼働情報取得部21が室内照明及びエアコンの稼働状態を取得し、カーテン及び窓の開状態を取得し、行動判定装置10が人Hの外出行動を判定したときに、通知制御部24は、直ちに通知部22を構成するスピーカーから、室内照明及びエアコンが稼働中であり、カーテン及び窓を閉め忘れている旨を音声で通知することができる。
【0069】
実施形態の宅内機器管理システム1においては、例えば、人Hの外出行動時に人Hがドアを開けて外出する前に、宅内機器2の稼働状態に関する稼働情報が人Hの外出行動に対応した基準状態ではないことを通知できる。宅内機器管理システム1においては、人Hがドアを開けて外出する前に、基準状態ではないことを通知するため、宅内機器2を基準状態として無駄な電気代、不在時の不用心を未然に防ぐことができる。
【0070】
[宅内機器管理システム及び行動判定装置の第2実施形態]
第1実施形態の行動判定装置10においては、位置情報取得部12が人感センサ2Aである構成を例示したが、第2実施形態の行動判定装置10においては、
図4に示すように、位置情報取得部12が第1錠部3Aと第2錠部3Bとを有し、判定部13は第1錠部3Aの施解錠に関する情報及び第2錠部3Bの施解錠に関する情報を用いて、ドア8の内側又は外側における人Hの位置に関する情報を判定する。
【0071】
第1錠部3Aは、ドア8に設けられ、電動駆動によって非接触で施解錠可能である。第1錠部3Aは、携帯端末5から施錠指示を受信すると、施錠指示に基づいてドア8が開閉不可な状態である施錠状態となる。第1錠部3Aは、解錠指示を携帯端末5から受信すると、解錠指示に基づいてドア8が開閉自在な状態である解錠状態となる。
【0072】
第2錠部3Bは、ドア8の内側に設けられ、手動によって施解錠可能である。第2錠部3Bは、例えば、サムターンである。
【0073】
図5に示すように、施解錠情報取得部11は、第1施解錠情報取得部11Aと、第2施解錠情報取得部11Bと、を有する。第1施解錠情報取得部11Aは、第1錠部3Aの施解錠に関する情報を取得する。第1施解錠情報取得部11Aは、取得した第1錠部3Aの施錠情報及び解錠情報を中継装置6を介して判定部13に出力する。第2施解錠情報取得部11Bは、第2錠部3Bの施解錠に関する情報を取得する。第2施解錠情報取得部11Bは、取得した第2錠部3Bの施錠情報及び解錠情報を中継装置6を介して判定部13に出力する。
【0074】
判定部13は、第1施解錠情報取得部11Aが取得した第1錠部3Aの施錠情報及び解錠情報と、第2施解錠情報取得部11Bが取得した第2錠部3Bの施錠情報及び解錠情報と、人Hの施解錠に関する行動の習性とを利用して、ドア8を介した人Hの行動を判定する。人Hの施解錠に関する行動の習性とは、人Hがドア8の内側に位置する場合には手動によって第2錠部3Bを操作し、人Hがドア8の外側に位置する場合には携帯端末5を用いて第1錠部3Aを施解錠する習性である。他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0075】
[行動判定装置の帰宅行動判定]
行動判定装置10の判定方法について、
図6を参照して説明する。例えば、利用者である人Hが外出先から帰宅した場合について説明する。
【0076】
利用者は、外出先から帰宅すると、ドア8の外側である出入口の前において携帯端末5に第1錠部3Aの解錠指示を入力する。携帯端末5は、利用者の解錠指示をBluetooth[登録商標]通信によって第1錠部3Aに送信する。
【0077】
第1錠部3Aは、「解錠指示」を携帯端末5から受信すると、「解錠指示」に応じて施錠状態から解錠状態となる。第1錠部3Aが解錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。
【0078】
判定動作が開始されると、
図6に示すように、ステップS10において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報を取得する。ステップS10においては、第1施解錠情報取得部11Aが第1錠部3Aの解錠情報を取得する。第1錠部3Aの解錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0079】
判定部13はステップS11において、第1錠部3Aの施解錠情報を取得したかを判断する。判定部13は、第1錠部3Aの施解錠情報を取得した場合、ステップS12において、ドア8の外側において人Hが存在すると判定する。
【0080】
人Hの位置を判定した後に判定部13は、ステップS13において、取得した施解錠情報が解錠情報であるかを判断する。取得した施解錠情報が解錠情報である場合、判定部13は、ドア8の外側において人Hが存在し「解錠指示」を入力したことから、ステップS14において、帰宅行動と判定する。
【0081】
利用者は、「解錠指示」に応じて電気錠3が解錠状態となったドア8を開けて建屋内に移動した後に、例えば、ドア8の内側から手動によって第2錠部3Bを施錠操作する。第2錠部3Bが施錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。
【0082】
判定動作が開始されると、ステップS10において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報を取得する。ステップS10においては、第2施解錠情報取得部11Bが第2錠部3Bの施錠情報を取得する。第2錠部3Bの施錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0083】
判定部13はステップS11において、第1錠部3Aの施解錠情報を取得したかを判断する。判定部13は、第1錠部3Aの施解錠情報を取得せず、第2錠部3Bの施解錠情報を取得した場合、手動操作が行われたことから、ステップS15において、ドア8の内側において人Hが存在すると判定する。
【0084】
人Hの位置を判定した後に判定部13は、ステップS16において、取得した施解錠情報が解錠情報であるかを判断する。取得した施解錠情報が解錠情報ではなく施錠情報である場合、判定部13は、ドア8の内側において人Hが存在した状態での施錠操作であることから、ステップS17において帰宅行動と判定する。ステップS17における帰宅行動の判断は、ステップS14における帰宅行動の判断を追認することになり、行動判定の精度が上がる。
【0085】
[行動判定装置の外出行動判定]
例えば、利用者である人Hが建屋から外出する場合について説明する。利用者は、外出するために、例えば、ドア8の内側から手動によって第2錠部3Bを解錠操作する。
【0086】
第2錠部3Bが解錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。判定動作が開始されると、ステップS10において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報を取得する。ステップS10においては、第2施解錠情報取得部11Bが第2錠部3Bの解錠情報を取得する。第2錠部3Bの解錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0087】
判定部13はステップS11において、第1錠部3Aの施解錠情報を取得したかを判断する。判定部13は、第1錠部3Aの施解錠情報を取得せず、第2錠部3Bの施解錠情報を取得した場合、手動操作が行われたことから、ステップS15において、ドア8の内側において人Hが存在すると判定する。
【0088】
人Hの位置を判定した後に判定部13は、ステップS16において、取得した施解錠情報が解錠情報であるかを判断する。取得した施解錠情報が解錠情報ではなく施錠情報である場合、判定部13は、ドア8の内側において人Hが存在した状態での解錠操作であることから、ステップS18において外出行動と判定する。
【0089】
利用者は、解錠操作に応じて第2錠部3Bが解錠状態となったドア8を開けて建屋外に移動した後に、例えば、ドア8の外側において携帯端末5に第1錠部3Aの「施錠指示」を入力する。携帯端末5は、利用者の施錠指示をBluetooth[登録商標]通信によって第1錠部3A送信する。
【0090】
第1錠部3Aは、「施錠指示」を携帯端末5から受信すると、「施錠指示」に応じて解錠状態から施錠状態となる。第1錠部3Aが施錠状態になると、行動判定装置10が判定動作を開始する。
【0091】
判定動作が開始されると、ステップS10において、施解錠情報取得部11がドア8の施解錠に関する情報を取得する。ステップS10においては、第1施解錠情報取得部11Aが第1錠部3Aの施錠情報を取得する。第1錠部3Aの施錠情報は、中継装置6を介して判定部13に出力される。
【0092】
判定部13はステップS11において、第1錠部3Aの施解錠情報を取得したかを判断する。判定部13は、第1錠部3Aの施解錠情報を取得した場合、ステップS12において、ドア8の外側において人Hが存在すると判定する。
【0093】
人Hの位置を判定した後に判定部13は、ステップS13において、取得した施解錠情報が解錠情報であるかを判断する。取得した施解錠情報が解錠情報ではなく施錠情報である場合、判定部13は、ドア8の外側において人Hが存在し「施錠指示」を入力したことから、ステップS19において、外出行動と判定する。ステップS19における外出行動の判断は、ステップS18における外出行動の判断を追認することになり、行動判定の精度が上がる。
【0094】
第2実施形態の行動判定装置10においては、第1錠部3Aが施解錠されたときにドア8の外側に人Hが存在し、第1錠部3Aが解錠されたときに人Hの帰宅行動であると判定する。第2実施形態の行動判定装置10においては、第1錠部3Aが解錠された後に第2錠部3Bが施錠されたときに、人の帰宅行動であるとの判定を追認する。
【0095】
第2実施形態の行動判定装置10においては、第2錠部3Bが施解錠されたときにドアの内側に人Hが存在し、第2錠部3Bが解錠されたときに人Hの外出行動であると判定する。第2実施形態の行動判定装置10においては、第2錠部3Bが解錠された後に第1錠部3Aが施錠されたときに、人Hの外出行動であるとの判定を追認する。
【0096】
実施形態の行動判定装置10においては、第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、第1錠部3Aが施解錠されたときにドア8の外側に人Hがいると判定し、第2錠部3Bが施解錠されたときにドア8の内側に人Hがいると判定するため、位置情報取得部12として人感センサ2A等の別の機器を設置する必要がなくなり、コスト低減及び設置作業の低減を実現できる。
【0097】
宅内機器管理システム1においては、例えば、人Hの外出行動時に人Hがドアを開けて外出する前に、宅内機器2の稼働状態に関する稼働情報が人Hの外出行動に対応した基準状態ではないことを通知できる。宅内機器管理システム1においては、人Hがドアを開けて外出する前に、基準状態ではないことを通知するため、宅内機器2を基準状態として無駄な電気代、不在時の不用心を未然に防ぐことができる。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0099】
例えば、実施形態の行動判定装置10及び宅内機器管理システム1においては、電気錠3及び第1錠部3Aが携帯端末5から施錠指示又は解錠指示を受信することによって施解錠する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、施解錠用の専用リモコン、カードキー、タグキー、手動鍵を用いて施錠又は解錠する構成に対しても本開示を適用可能である。
【0100】
行動判定装置10及び宅内機器管理システム1においては、管理情報における宅内機器2の基準状態と一致していないことの情報を音声によって通知する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、アプリにおけるポップアップ、アプリにおける音声、画面表示等によって通知する構成であってもよい。
【0101】
宅内機器管理システム1においては、人Hの外出行動に対応した基準状態とし、人Hの外出行動時に管理情報における宅内機器2の基準状態と一致していないときに、基準状態と一致していないことの情報を通知部22に通知させる構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、人Hの帰宅行動に対応した基準状態として、帰宅前に外部からエアコン等の宅内機器2の稼働を操作指示した場合には、帰宅時に宅内機器2の稼働が完了している等の情報を通知する構成であってもよい。
【0102】
実施形態における制御部14及び統括制御部25の少なくとも何れか一方の全部又は一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、上記コンピュータは、CPU、GPUなどのプロセッサ及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えてもよい。制御部14及び統括制御部25の少なくとも何れか一方の全部又は一部の機能をコンピュータで実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムを上記プロセッサに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…宅内機器管理システム、2…宅内機器、2A…人感センサ、3…電気錠、3A…第1錠部、3B…第2錠部、8…ドア、10…行動判定装置、11…施解錠情報取得部、12…位置情報取得部、13…判定部、14…制御部、21…稼働情報取得部、22…通知部、23…記憶部、24…通知制御部、25…統括制御部、H…人