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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018560
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】鉄筋コンクリート壁製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
E04G21/12 105A
E04G21/12 105D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122369
(22)【出願日】2023-07-27
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 崇
(72)【発明者】
【氏名】庄司 大輔
(72)【発明者】
【氏名】富田 夏矢
(72)【発明者】
【氏名】都築 秀和
(72)【発明者】
【氏名】赤松 卓明
(72)【発明者】
【氏名】中川 皓介
(72)【発明者】
【氏名】丸山 洋人
(72)【発明者】
【氏名】小枝 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】山本 斗真
(72)【発明者】
【氏名】薮 建次
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼雄 勇
(57)【要約】
【課題】高所作業を更に減らして作業効率を高め安全性を向上する。
【解決手段】第一格子作製工程12及び第二格子作製工程13では、複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、格子状組立体を作製する。第一格子立設工程14及び第二格子立設工程15では、第一格子作製工程12及び第二格子作製工程13で作製した格子状組立体の複数の縦筋の下端部分を、架台の複数の鞘管にそれぞれ挿入し、架台の上に、格子状組立体を立てる。複配筋作製工程16では、第一格子立設工程14及び第二格子立設工程15で立てた格子状組立体の間に、複数の拘束筋を架け渡して、籠状の複配筋組立体を作製する。複配筋設置工程17では、複配筋作製工程16で作製した複配筋組立体を揚重して、設置位置に設置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、第一の格子状組立体を作製する第一格子作製工程と、
複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、第二の格子状組立体を作製する第二格子作製工程と、
前記第一格子作製工程で作製した第一の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の下端部分を、第一の架台に設けられた複数の鞘管にそれぞれ挿入し、第一の前記架台の上に、第一の前記格子状組立体を立てる第一格子立設工程と、
前記第二格子作製工程で作製した第二の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の下端部分を、第二の架台に設けられた複数の鞘管にそれぞれ挿入し、第二の前記架台の上に、第二の前記格子状組立体を立てる第二格子立設工程と、
前記第一格子立設工程で立てた第一の前記格子状組立体と前記第二格子立設工程で立てた第二の前記格子状組立体との間に、複数の拘束筋を架け渡して、籠状の複配筋組立体を作製する複配筋作製工程と、
前記複配筋作製工程で作製した前記複配筋組立体を揚重して、設置位置に設置する複配筋設置工程と
を備える、鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項2】
前記第一格子作製工程において、複数の貫通穴を有する第一の位置決め治具の複数の前記貫通穴に、複数の前記縦筋の上端部分を挿通することにより、複数の前記縦筋の上端部分を位置決めし、
前記第二格子作製工程において、複数の貫通穴を有する第二の位置決め治具の複数の前記貫通穴に、複数の前記縦筋の上端部分を挿通することにより、複数の前記縦筋の上端部分を位置決めする、
請求項1の鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項3】
前記第一格子立設工程において、前記第一格子作製工程で第一の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の前記上端部分が複数の前記貫通穴に挿通された第一の前記位置決め治具を吊り上げることにより、第一の前記格子状組立体を移動させ、第一の前記格子状組立体を第一の前記架台の上に立て、
前記第二格子立設工程において、前記第二格子作製工程で第二の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の前記上端部分が複数の前記貫通穴に挿通された第二の前記位置決め治具を吊り上げることにより、第二の前記格子状組立体を移動させ、第二の前記格子状組立体を第二の前記架台の上に立てる、
請求項2の鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項4】
前記複配筋設置工程において、前記第一格子作製工程で第一の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の前記上端部分が複数の前記貫通穴に挿通された第一の前記位置決め治具と、前記第二格子作製工程で第二の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の前記上端部分が複数の前記貫通穴に挿通された第二の前記位置決め治具とを吊り上げることにより、前記複配筋組立体を揚重する、
請求項2又は3の鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項5】
吊り治具は、第一及び第二の長尺部材と、第一及び第二のワイヤと、少なくとも一つずつの第一及び第二の上側滑車と、少なくとも二つずつの第一及び第二の下側滑車とを有し、
第一の前記ワイヤの一端は、第一の前記長尺部材に取り付けられ、
第一の前記ワイヤの他端は、第一の前記長尺部材に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第一の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第一の前記下側滑車には、第一の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第一の前記上側滑車は、第一の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第一の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第一の前記長尺部材に取り付けられ、
第一の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第一の前記下側滑車にかけられた部分の間の部分は、第一の前記上側滑車にかけられ、
第一の前記下側滑車は、長手方向に離間して第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記長尺部材は、第一の前記長尺部材に略平行に配置され、
第二の前記ワイヤの一端は、第二の前記長尺部材に取り付けられ、
第二の前記ワイヤの他端は、第二の前記長尺部材に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第二の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第二の前記下側滑車には、第二の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第二の前記上側滑車は、第二の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第二の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第二の前記長尺部材に取り付けられ、
第二の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第二の前記下側滑車にかけられた部分の間の部分は、第二の前記上側滑車にかけられ、
第二の前記下側滑車は、長手方向に離間して第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
前記複配筋設置工程において、前記吊り治具を吊り上げることにより、第一及び第二の前記ワイヤを介して、前記複配筋組立体を揚重する、
請求項4の鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項6】
吊り治具は、第一及び第二の長尺部材と、第一及び第二のワイヤと、少なくとも二つずつの第一及び第二の上側滑車と、少なくとも一つずつの第一及び第二の下側滑車とを有し、
第一の前記ワイヤの一端は、第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第一の前記ワイヤの他端は、第一の前記位置決め治具に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第一の前記上側滑車は、長手方向に離間して第一の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第一の前記上側滑車には、第一の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第一の前記下側滑車は、第一の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第一の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第一の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第一の前記上側滑車にかけられた部分の間の部分は、第一の前記下側滑車にかけられ、
第二の前記長尺部材は、第一の前記長尺部材に略平行に配置され、
第二の前記ワイヤの一端は、第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記ワイヤの他端は、第二の前記位置決め治具に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記上側滑車は、長手方向に離間して第二の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第二の前記上側滑車には、第二の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第二の前記下側滑車は、第二の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第二の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第二の前記上側滑車にかけられた部分の間の部分は、第二の前記下側滑車にかけられ、
前記複配筋設置工程において、前記吊り治具を吊り上げることにより、第一及び第二の前記ワイヤを介して、前記複配筋組立体を揚重する、
請求項4の鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項7】
前記拘束筋は、両端が180度湾曲して対向する形状であり、
前記複配筋作製工程において、前記第一格子立設工程で第一の前記格子状組立体を立てた第一の前記架台と前記第二格子立設工程で第二の前記格子状組立体を立てた第二の前記架台との間を近づけて、第一の前記格子状組立体と第二の前記格子状組立体との間に前記拘束筋を架け渡し、その後、第一の前記架台と第二の前記架台との間を遠ざけて、第一の前記格子状組立体及び第二の前記格子状組立体に前記拘束筋を固定して、前記複配筋組立体を作製する、
請求項1乃至3いずれかの鉄筋コンクリート壁製造方法。
【請求項8】
長尺状の架台と、
前記架台の上に固定され、略垂直方向に延びる円管状であり、前記架台の長手方向に離間して配列された複数の鞘管と
を備え、複数の縦筋と複数の横筋とを格子状に組み合わせて作製された格子状組立体の複数の前記縦筋の下端部分を複数の前記鞘管に挿入することにより、前記架台の上に前記格子状組立体を立設するとともに、前記縦筋の下端部分を位置決めする、
立設治具。
【請求項9】
互いに平行に配置された二つの前記架台を備え、
前記架台の上に前記格子状組立体を立設した状態で、二つの前記架台の間の間隔を変更することができる、
請求項8の立設治具。
【請求項10】
吊り治具は、第一及び第二の長尺部材と、第一及び第二のワイヤと、少なくとも一つずつの第一及び第二の上側滑車と、少なくとも二つずつの第一及び第二の下側滑車とを有し、
第一の前記ワイヤの一端は、第一の前記長尺部材に取り付けられ、
第一の前記ワイヤの他端は、第一の前記長尺部材に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第一の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第一の前記下側滑車には、第一の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第一の前記上側滑車は、第一の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第一の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第一の前記長尺部材に取り付けられ、
第一の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第一の前記下側滑車にかけられた部分の間の部分は、第一の前記上側滑車にかけられ、
第一の前記下側滑車は、長手方向に離間して第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記長尺部材は、第一の前記長尺部材に略平行に配置され、
第二の前記ワイヤの一端は、第二の前記長尺部材に取り付けられ、
第二の前記ワイヤの他端は、第二の前記長尺部材に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第二の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第二の前記下側滑車には、第二の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第二の前記上側滑車は、第二の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第二の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第二の前記長尺部材に取り付けられ、
第二の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第二の前記下側滑車にかけられた部分の間の部分は、第二の前記上側滑車にかけられている、
吊り治具。
【請求項11】
第一及び第二の長尺部材と、第一及び第二のワイヤと、少なくとも二つずつの第一及び第二の上側滑車と、少なくとも一つずつの第一及び第二の下側滑車とを備え、
第一の前記ワイヤの一端は、第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第一の前記ワイヤの他端は、第一の前記位置決め治具に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第一の前記上側滑車は、長手方向に離間して第一の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第一の前記上側滑車には、第一の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第一の前記下側滑車は、第一の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第一の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第一の前記位置決め治具に取り付けられ、
第一の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第一の前記上側滑車にかけられた部分の間の部分は、第一の前記下側滑車にかけられ、
第二の前記長尺部材は、第一の前記長尺部材に略平行に配置され、
第二の前記ワイヤの一端は、第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記ワイヤの他端は、第二の前記位置決め治具に前記一端が取り付けられた位置から長手方向に離間した位置で第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記上側滑車は、長手方向に離間して第二の前記長尺部材に取り付けられ、
それぞれの第二の前記上側滑車には、第二の前記ワイヤの中間部分がかけられ、
それぞれの第二の前記下側滑車は、第二の前記ワイヤの前記一端が取り付けられた位置と第二の前記ワイヤの前記他端が取り付けられた位置との間の位置で第二の前記位置決め治具に取り付けられ、
第二の前記ワイヤのうち、隣り合った二つの第二の前記上側滑車にかけられた部分の間の部分は、第二の前記下側滑車にかけられている、
吊り治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄筋量が多い鉄筋コンクリート製の構造壁を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、鉄筋籠組立・建込装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-11738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された鉄筋籠組立・建込装置は、フレームのなかで仮組みした鉄筋籠を吊りロッドで吊り上げ、設置位置に設置する。そして、作業足場と一緒に、間隔保持板を拡張して鉄筋籠を構築する。
この発明は、例えば高所作業を減らして作業効率を高め安全性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鉄筋コンクリート壁製造方法は、第一格子作製工程と、第二格子作製工程と、第一格子立設工程と、第二格子立設工程と、籠作製工程と、籠設置工程とを有する。前記第一格子作製工程では、複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、第一の格子状組立体を作製する。前記第二格子作製工程では、複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、第二の格子状組立体を作製する。前記第一格子立設工程では、前記第一格子作製工程で作製した第一の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の下端部分を、第一の架台の複数の鞘管にそれぞれ挿入し、第一の前記架台の上に、第一の前記格子状組立体を立てる。前記第二格子立設工程では、前記第二格子作製工程で作製した第二の前記格子状組立体の複数の前記縦筋の下端部分を、第二の架台の複数の鞘管にそれぞれ挿入し、第二の前記架台の上に、第二の前記格子状組立体を立てる。前記籠作製工程では、前記第一格子立設工程で立てた第一の前記格子状組立体と前記第二格子立設工程で立てた第二の前記格子状組立体との間に、複数の拘束筋を架け渡して、籠状組立体を作製する。前記籠設置工程では、前記籠作製工程で作製した前記籠状組立体を揚重して、設置位置に設置する。
【発明の効果】
【0006】
前記鉄筋コンクリート壁製造方法によれば、高所作業を減らして作業効率を高め安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】鉄筋コンクリート壁製造方法の一例を示すフロー図。
図2】作製治具の一例を示す平面図。
図3】前記作製治具の一例を示す正面図。
図4】前記作製治具の一例を示す右側面図。
図5】位置決め治具の一例を示す平面図。
図6】前記位置決め治具の一例を示す正面図。
図7】前記位置決め治具の一例を示す右側面図。
図8】前記位置決め治具の一例を示す背面図。
図9】第一格子作製工程の一例を示す平面図。
図10】前記第一格子作製工程の一例を示す正面図。
図11】前記第一格子作製工程の一例を示す右側面図。
図12】前記第一格子作製工程の一例を示す平面図。
図13】前記第一格子作製工程の一例を示す正面図。
図14】前記第一格子作製工程の一例を示す右側面図。
図15】前記第一格子作製工程の一例を示す平面図。
図16】前記第一格子作製工程の一例を示す正面図。
図17】前記第一格子作製工程の一例を示す右側面図。
図18】立設治具の一例を示す平面図。
図19】前記立設治具の一例を示す正面図。
図20】前記立設治具の一例を示す左側面図。
図21】第一格子立設工程の一例を示す左側面図。
図22】第二格子立設工程の一例を示す左側面図。
図23】拘束筋の一例を示す平面図。
図24】複配筋作製工程の一例を示す平面図。
図25】前記複配筋作製工程の一例を示す左側面図。
図26】前記複配筋作製工程の一例を示す平面図。
図27】前記複配筋作製工程の一例を示す左側面図。
図28】吊り治具の一例を示す平面図。
図29】前記吊り治具の一例を示す正面図。
図30】前記吊り治具の一例を示す底面図。
図31】前記吊り治具の一例を示す右側面図。
図32】既設躯体の一例を示す平面図。
図33】前記既設躯体の一例を示す正面図。
図34】前記複配筋設置工程の一例を示す正面図。
図35】前記複配筋設置工程の一例を示す左側面図。
図36】前記複配筋設置工程の一例を示す正面図。
図37】前記複配筋設置工程の一例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照して、鉄筋コンクリート壁製造方法10について説明する。
鉄筋コンクリート壁製造方法10は、例えばコアウォールなど、鉄筋量が多い鉄筋コンクリート製の構造壁を製造するものである。
鉄筋コンクリート壁製造方法10は、例えば、第一格子作製工程12と、第二格子作製工程13と、第一格子立設工程14と、第二格子立設工程15と、複配筋作製工程16と、複配筋設置工程17と、コンクリート打設工程18とを有する。
【0009】
第一格子作製工程12では、複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、第一の格子状組立体を作製する。
第二格子作製工程13では、複数の縦筋と複数の横筋とを横置き状態で格子状に組んで、第二の格子状組立体を作製する。
第一格子立設工程14では、第一格子作製工程12で作製した第一の格子状組立体の複数の縦筋の下端部分を、第一の架台の複数の鞘管にそれぞれ挿入し、第一の架台の上に、第一の格子状組立体を立てる。
第二格子立設工程15では、第二格子作製工程13で作製した第二の格子状組立体の複数の縦筋の下端部分を、第二の架台の複数の鞘管にそれぞれ挿入し、第二の架台の上に、第二の前記格子状組立体を立てる。
複配筋作製工程16では、第一格子立設工程14で立てた第一の格子状組立体と第二格子立設工程15で立てた第二の格子状組立体との間に、複数の拘束筋を架け渡して、籠状の複配筋組立体を作製する。
複配筋設置工程17では、複配筋作製工程16で作製した複配筋組立体を揚重して、設置位置に設置する。
コンクリート打設工程18では、複配筋設置工程17で設置した複配筋組立体の周りに型枠を設置し、そのなかに生コンクリートを打設して固化させることにより、鉄筋コンクリート壁を作製する。
【0010】
図2~4を参照して、第一格子作製工程12及び第二格子作製工程13で使用する作製治具20について説明する。
作製治具20は、例えば建築現場内の地上レベルにある作業スペースに設置される。作製治具20は、例えば、端揃え治具21と、アングル23a及び23bとを含む。
【0011】
端揃え治具21は、格子状組立体の縦筋や横筋の端部を突き当てて揃えるために用いられる。端揃え治具21は、縦筋や横筋を突き当てたときの衝撃で動かないよう、十分に重いことが好ましい。端揃え治具21は、例えば、二つの赤材211及び212を有する。赤材211は、略直方体状の鋼材であり、±X方向に長い長尺状である。赤材212は、略直方体状の鋼材であり、±Y方向に長い長尺状であり、赤材211に対して垂直に配置されている。赤材212の+Y側の端部は、赤材211の-X側の端部に隣接して配置され、これにより、端揃え治具21は、全体としてL字状をなしている。これは、様々な大きさの格子状組立体を作製できるようにするためである。
【0012】
アングル23a及び23bは、例えば等辺山形鋼であり、±X方向に長い長尺状である。アングル23aは、赤材211の-Y側に離間して赤材211に平行に配置され、アングル23bは、アングル23aの更に-Y側に離間してアングル23aに平行に配置されている。アングル23a及び23bは、例えば角を上にして伏せて配置される。
【0013】
図5~8を参照して、第一格子作製工程12で使用する位置決め治具25aについて説明する。
位置決め治具25aは、複数の縦筋の間の間隔が所定の間隔となるよう縦筋を位置決めするために用いられる。
位置決め治具25aは、例えば溝形鋼などのチャンネル材であり、±X方向に長い長尺状である。位置決め治具25aは、ウェブ部51と、フランジ部52a及び52bと、吊りピース部53a~53cとを有する。ウェブ部51は、±Y方向に対して垂直な略長方形板状である。フランジ部52aは、±Z方向に対して垂直な略長方形板状であり、-Y側の辺がウェブ部51の+Z側の辺に接続している。同様に、フランジ部52bは、±Z方向に対して垂直な略長方形板状であり、-Y側の辺がウェブ部51の-Z側の辺に接続している。吊りピース部53a~53cは、±Z方向に対して垂直な板状であり、ウェブ部51の-Y側の面から-Y方向へ向けて突出している。吊りピース部53a~53cは、±X方向に離間して配列されている。
【0014】
ウェブ部51には、位置決め用の複数の貫通穴54a~54dが設けられている。貫通穴54a~54dは、ウェブ部51を±Y方向に対して平行に貫通している。貫通穴54a~54dは、±X方向に離間して配列されている。貫通穴54a~54dに縦筋を挿通することにより、縦筋の間の間隔が所定の間隔になるように縦筋を位置決めすることができる。貫通穴54a~54dの下端(-Z側の端)の高さは、伏せて置かれたアングル23a及び23bの±Z方向における高さとほぼ等しく、これにより、縦筋を貫通穴54a~54dに容易に挿通できる。
吊りピース部53aは、玉掛け用の貫通穴55aを有する。同様に、吊りピース部53bは、玉掛け用の貫通穴55bを有し、吊りピース部53cは、玉掛け用の貫通穴55cを有する。玉掛け用の貫通穴55a~55cは、吊りピース部53a~53cを±Y方向に対して平行に貫通し、位置決め治具25aを吊り上げる際、シャックルなどの玉掛け具を取り付けるために用いられる。
【0015】
図9~17を参照して、第一格子作製工程12について説明する。
まず、図9~11に示すとおり、縦筋32a~32dをアングル23a及び23bの上に、±Y方向に対して平行に載置する。縦筋32a~32dは、例えばねじ節鉄筋棒鋼である。このとき、縦筋32a~32dの+Y側の端部を端揃え治具21の赤材211に突き当てて出を揃える。
【0016】
図12~14に示すとおり、アングル23a及び23bの上に載置された縦筋32a~32dの-Y側の端部に位置決め治具25aを-Y側から近づけて、縦筋32a~32dの-Y側の端部を位置決め治具25aの貫通穴224~227に挿通する。これにより、縦筋32a~32dの-Y側の端部が、位置決め治具25aによって定まる所定の間隔に高い精度で位置決めされる。
【0017】
次に、図15~17に示すとおり、縦筋32a~32dの上に、横筋33a~33dを載置する。横筋33a~33dは、例えば、ねじ節鉄筋棒鋼である。このとき、横筋33a~33dの-X側の端部を端揃え治具21の赤材212に突き当てて出を揃える。なお、横筋33a~33dの+X側の端部には、フリージョイント34a~34dがそれぞれ螺合されている。フリージョイント34a~34dは、機械式継手の一例である。例えば朝日工業株式会社(東京都豊島区)製のネジエーコンAJジョイントであり、例えばねじ節鉄筋棒鋼同士を、ねじのピッチがずれていても接続することができる継手である。フリージョイント34a~34dは、後述する複配筋設置工程17において横筋33a~33dを接続すべき既設の横筋が存在する側に配置される。したがって、横筋33a~33dの-X側の端部にフリージョイントを配置する場合もあるし、両端にフリージョイントを配置する場合もある。
【0018】
横筋33a~33dの位置は、例えば、縦筋32a~32dにつけた目印に合わせることにより位置決めする。縦筋32a~32dの+Y側の端部を赤材211に突き当てることにより出を揃えているので、縦筋32a~32dにつけた目印を用いて横筋33a~33dを位置決めすることにより、横筋33a~33dを高い精度で位置決めすることができる。
【0019】
そして、縦筋32a~32dと横筋33a~33dとがそれぞれ交差する位置で、番線を用いて結束するなどして縦筋32a~32dと横筋33a~33dとを仮固定する。これにより、縦筋32a~32dと横筋33a~33dとを有する格子状組立体31aが完成する。このようにして格子状組立体31aを作製することにより、縦筋32a~32d及び横筋33a~33dを高い精度で配列することができる。
【0020】
その後、位置決め治具25aの貫通穴54a~54dから-Y側に突出している縦筋32a~32dの端部に、ロックナット56a~56dをそれぞれ螺合させる。これにより、位置決め治具25aに格子状組立体31aを固定し、位置決め治具25aを吊り上げることで、位置決め治具25aに固定された格子状組立体31aを、位置決め治具25aとともに吊り上げることができる。
【0021】
第二格子作製工程13では、第一格子作製工程12と同様にして、縦筋32a~32dと横筋33a~33dとを組み合わせて、格子状組立体31b(図22参照。)を作製する。
第二格子作製工程13では、例えば、第一格子作製工程12で作製した格子状組立体31aを、位置決め治具25aをクレーンなどの揚重装置を用いて吊り上げることにより、作製治具20から移動させ、空いた作製治具20を使用して格子状組立体31bを作製する。なお、後述する第一格子立設工程14を先に実施して、格子状組立体31aを立設してもよい。また、作業スペースに余裕がある場合は、作製治具20と同様の作製治具を使用して、格子状組立体31aと並行して格子状組立体31bを作製してもよい。
また、位置決め治具として、位置決め治具25aと同様の位置決め治具25b(図22参照。)を使用する。そして、位置決め治具25bに格子状組立体31bを固定し、位置決め治具25bを吊り上げることで、位置決め治具25bに固定された格子状組立体31bを、位置決め治具25bとともに吊り上げることができるようにする。
なお、フリージョイントは、格子状組立体31aとは反対側に配置する。これは、格子状組立体31aと格子状組立体31bとを、対向して配置するためである。例えば、格子状組立体31aにおいて横筋33a~33dの+X側の端部に配置した場合は、格子状組立体31bでは、横筋33a~33dの-X側の端部に配置する。格子状組立体31aにおいて横筋33a~33dの両端にフリージョイントを配置した場合は、格子状組立体31bでも、横筋33a~33dの両端に配置する。
【0022】
次に、図18~20を参照して、第一格子立設工程14及び第二格子立設工程15で使用する立設治具40について説明する。
立設治具40は、その上に格子状組立体31a及び31bを立設するために使用される。立設治具40は、例えば、基部41と、ガイドレール42a~42dと、架台43及び44と、支持部45a~45cと、チルタンク46a及び46bと、鞘管47a~47d及び48a~48bとを有する。
【0023】
基部41は、例えば±Z方向に対して垂直な長方形板状である。
架台43は、例えば±Z方向に対して垂直な長方形板状であり、±X方向に長い長尺状である。架台43は、基部41から+Z方向に所定の距離離れた位置に基部41に平行に配置されている。
架台44は、例えば±Z方向に対して垂直な長方形板状であり、±X方向に長い長尺状である。架台44は、架台43の-Y側に離間して架台43に平行に配置され、基部41から+Z方向に架台43と同じ距離離れた位置に基部41に平行に配置されている。
支持部45a~45cは、基部41及び架台43に固定され、架台43を支持する。
チルタンク46a及び46bは、重量物を運搬するための運搬手段の一例であり、架台44の下側(-Z側)に固定されている。これにより、架台44は、±Y方向に移動することができる。
ガイドレール42a~42dは、±Y方向に延びる長尺状であり、基部41の上側(+Z側)の面の上に固定されている。ガイドレール42a~42dは、チルタンク46a及び46bをガイドして、架台44の移動方向が±Y方向からずれるのを防ぐ。
【0024】
鞘管47a~47dは、例えば±Z方向に対して平行に延びる円管状であり、架台43の上側(+Z側)の面から+Z方向へ向けて延びている。格子状組立体31bの縦筋32a~32dの下端部分を鞘管47a~47dに挿入することにより、格子状組立体31bを架台43の上に立てて支持することができるとともに、縦筋32a~32dの間の間隔が所定の間隔になるように縦筋32a~32dを位置決めすることができる。なお、鞘管47a~47dの配置は、位置決め治具25bの貫通穴54a~54dの配置と対応している。
鞘管48a~48dは、例えば±Z方向に対して平行に延びる円管状であり、架台44の上側(+Z側)の面から+Z方向へ向けて延びている。格子状組立体31aの縦筋32a~32dの下端部分を鞘管48a~48dに挿入することにより、格子状組立体31aを架台44の上に立てて支持することができるとともに、縦筋32a~32dの間の間隔が所定の間隔になるように縦筋32a~32dを位置決めすることができる。なお、鞘管48a~48dの配置は、位置決め治具25aの貫通穴54a~54dの配置と対応している。
チルタンク46a及び46bにより架台44が±Y方向に移動するので、架台43の上に立設した格子状組立体31bと、架台44の上に立設した格子状組立体31aとの間の距離を変えることができる。
なお、支持部45a~45cに代えて架台43の下にもチルタンクを設けるなどして、架台43も±Y方向に移動できるようにしてもよい。
【0025】
図21を参照して、第一格子立設工程14について説明する。
まず、第一格子作製工程12で横置き状態(縦筋32a~32d及び横筋33a~33dがすべて略水平方向に延びた状態)で作製した格子状組立体31aに固定された位置決め治具25aを、吊りピース部53a~53cにワイヤをかけるなどして、クレーンなどの揚重装置を用いて吊り上げ、位置決め治具25aに固定された格子状組立体31aを揚重して、立った状態(横筋33a~33dが略水平方向に延び、縦筋32a~32dは略垂直方向に延びた状態)にする。
その後、クレーンなど揚重装置を用いて、立った状態にした格子状組立体31aを運搬し、縦筋32a~32dの下側(-Z側)の端部を架台44の鞘管48a~48dにそれぞれ挿入することにより、格子状組立体31aを架台44の上に立設する。なお、縦筋32a~32dを外側(-Y側)にし、横筋33a~33dを内側(+Y側)にする。
これにより、縦筋32a~32dの下側(-Z側)の端部が、鞘管48a~48dによって定まる間隔に高い精度で位置決めされる。縦筋32a~32dの上側(+Z側)の端部が位置決め治具25aの貫通穴54a~54dによって定まる間隔に高い精度で位置決めされているので、縦筋32a~32d全体が高い精度で位置決めされる。
【0026】
図22を参照して、第二格子立設工程15について説明する。
第一格子立設工程14と同様、第二格子作製工程13で作製した格子状組立体31bに固定された位置決め治具25bを、吊りピース部53a~53cにワイヤをかけるなどして、クレーンなどの揚重装置を用いて吊り上げ、位置決め治具25bに固定された格子状組立体31bを揚重して、立った状態にする。
その後、クレーンなど揚重装置を用いて、立った状態にした格子状組立体31bを運搬し、縦筋32a~32dの下側の端部を架台43の鞘管47a~47dにそれぞれ挿入することにより、格子状組立体31bを架台43の上に立設する。なお、縦筋32a~32dを外側(+Y側)にし、横筋33a~33dを内側(-Y側)にする。
これにより、縦筋32a~32dの下側(-Z側)の端部が、鞘管47a~47dによって定まる間隔に高い精度で位置決めされる。縦筋32a~32dの上側(+Z側)の端部が位置決め治具25bの貫通穴54a~54dによって定まる間隔に高い精度で位置決めされているので、縦筋32a~32d全体が高い精度で位置決めされる。
【0027】
図23を参照して、複配筋作製工程16で使用する拘束筋35aについて説明する。
拘束筋35aは、格子状組立体31aと格子状組立体31bとの間に架け渡して、格子状組立体31a及び31bに固定することにより、格子状組立体31aと格子状組立体31bとを一体化するために用いられる。
拘束筋35aは、一本の鋼棒を曲げた形状であり、中間部351と、端部352及び353と、湾曲部354及び355とを有する。
中間部351は、±Y方向に平行に延びている。
+Y側の端部352は、約180度湾曲した湾曲部354を介して中間部351の+Y側に接続している。
-Y側の端部353は、約180度湾曲した湾曲部355を介して中間部351の-Y側に接続している。
拘束筋35aは、端部352と端部353とが対向した全体として略C字状をなしている。
後述する拘束筋35b~35h(図24及び25参照。)は、拘束筋35aと同様なので、詳しい説明は省略する。
【0028】
図24~27を参照して、複配筋作製工程16について説明する。
まず、図24及び25に示すように、架台44を+Y側に移動して格子状組立体31aを格子状組立体31bに近づけた状態で、拘束筋35a~35hを、架台44の上に立設された格子状組立体31aと、架台43の上に立設された格子状組立体31bとの間に架け渡す。例えば、格子状組立体31aの縦筋32a~32dと、それと向かい合わせに配置された格子状組立体31bの縦筋32a~32dとの間に架け渡す。
上述したとおり、拘束筋35a~35hは、両端がU字状に屈曲している。架台44を+Y側に移動して格子状組立体31aと格子状組立体31bとの間の距離を短くしているので、例えば、拘束筋35aの湾曲部354を格子状組立体31bの縦筋32aに引っ掛けて、拘束筋35aを回動させれば、端部353に邪魔されることなく、格子状組立体31bの縦筋32aに対向した格子状組立体31aの縦筋32dに拘束筋35aを容易に架けることができる。その後、後述するように架台44を-Y側に移動して格子状組立体31aを格子状組立体31bから引き離すことにより、拘束筋35aの湾曲部355に格子状組立体31aの縦筋32dが嵌まり、拘束筋35aが外れなくなる。
【0029】
その後、図26及び27に示すとおり、架台44を+Y方向に移動させて架台43から引き離し、格子状組立体31aと格子状組立体31bとの間の距離を広げる。
そして、番線を用いて結束するなどして、拘束筋35a~35hを格子状組立体31a及び31bの縦筋32a~32d及び横筋33a~33dに固定するとともに、縦筋32a~32dと横筋33a~33dとの間を強固に固定する。
格子状組立体31aと格子状組立体31bとの間に架け渡した拘束筋35a~35hの両端がU字状に屈曲しているので、万が一、揚重中に番線による結束が切れたとしても、拘束筋35a~35hが格子状組立体31a及び31bから外れて落下するのを防ぐことができる。
これにより、格子状組立体31a及び31bと、拘束筋35a~35hとを有する複配筋組立体30が完成する。
【0030】
図28~31を参照して、複配筋設置工程17で用いられる吊り治具60について説明する。
吊り治具60は、クレーンなどの揚重装置のフック71(図32参照。)と、位置決め治具25a及び25bとの間に介在して、複配筋組立体30の姿勢を保つために用いられる。吊り治具60は、例えば、長尺部材61a及び61bと、横材62a及び62bと、滑車67a~67jと、ワイヤ68a及び68bと、シャックル69a~69nとを有する。
【0031】
長尺部材61a及び61bは、例えばH形鋼であり、±X方向に長い長尺状である。長尺部材61a及び61bは、例えば、±Y方向に対して垂直な略長方形板状のウェブ部と、±Z方向に対して垂直な略長方形板状でありウェブ部の±Z側の辺から±Y方向に延びるフランジ部と、吊りピース部63a~63hとを有する。
横材62a及び62bは、例えばH形鋼であり、±Y方向に長い長尺状である。横材62a及び62bは、例えば、±X方向に対して垂直な略長方形板状のウェブ部と、±Z方向に対して垂直な略長方形板状でありウェブ部の±Z側の辺から±X方向に延びるフランジ部と、吊りピース部64a~64dとを有する。
長尺部材61a及び61bと、横材62a及び62bとは、長尺部材61a及び61bを下側(-Z側)、横材62a及び62bを上側(+Z側)にして、井桁状に組み合わされ、ボルトなどにより固定されている。
【0032】
吊りピース部63a~63dは、±Y方向に対して垂直な板状であり、長尺部材61aの下側(-Z側)のフランジ部の-Z側の面から-Z方向に突出している。吊りピース部63a~63dは、±X方向に離間して配列されている。
吊りピース部63e~63hは、±Y方向に対して垂直な板状であり、長尺部材61bの下側(-Z側)のフランジ部の-Z側の面から-Z方向に突出している。吊りピース部63e~63hは、±X方向に離間して配列されている。
吊りピース部64a及び64bは、±Y方向に対して垂直な板状であり、横材62aの+Z側のフランジ部の+Z側の面から+Z方向に突出している。吊りピース部64a及び64bは、±Y方向に離間して配列されている。
吊りピース部64c及び64dは、±Y方向に対して垂直な板状であり、横材62bの+Z側のフランジ部の+Z側の面から+Z方向に突出している。吊りピース部64c及び64dは、±Y方向に離間して配列されている。
【0033】
吊りピース部63a~63h及び64a~64dには、玉掛け用の貫通穴65a~65h及び66a~66dがそれぞれ設けられている。貫通穴65a~65h及び66a~66dは、吊りピース部63a~63h及び64a~64dを例えば±Y方向に対して平行に貫通している。貫通穴65a~65hには、シャックル69a~69hがそれぞれ取り付けられている。貫通穴66a~66dは、複配筋組立体30を揚重する際、吊り治具60にシャックル79a~79d(図32及び33参照。)などの玉掛け具を取り付けるために用いられる。
【0034】
滑車67a~67jは、例えば金車である。
滑車67a(上側滑車の例。)は、シャックル69bを介して長尺部材61aの-Y側から二番目の吊りピース部63bに取り付けられている。滑車67b(上側滑車の例。)は、シャックル69cを介して長尺部材61aの-Y側から三番目の吊りピース部63cに取り付けられている。
同様に、滑車67c(上側滑車の例。)は、シャックル69fを介して長尺部材61bの+Y側から二番目の吊りピース部63fに取り付けられている。滑車67d(上側滑車の例。)は、シャックル69gを介して長尺部材61bの+Y側から三番目の吊りピース部63gに取り付けられている。
滑車67e(下側滑車の例。)には、シャックル69iが取り付けられている。滑車67f(下側滑車の例。)には、シャックル69jが取り付けられている。滑車67g(下側滑車の例。)には、シャックル69kが取り付けられている。
同様に、滑車67h(下側滑車の例。)には、シャックル69lが取り付けられている。滑車67i(下側滑車の例。)には、シャックル69mが取り付けられている。滑車67j(下側滑車の例。)には、シャックル69nが取り付けられている。
【0035】
ワイヤ68aは、シャックル69aを介して長尺部材61aの一番-Y側の吊りピース部63aに一端が取り付けられ、滑車67e、滑車67a、滑車67f、滑車67b、滑車67gを順に通り、シャックル69dを介して長尺部材61aの一番+Y側の吊りピース部63dに他端が取り付けられて、全体としてジグザグ状をなしている。
同様に、ワイヤ68bは、シャックル69eを介して長尺部材61bの一番+Y側の吊りピース部63eに一端が取り付けられ、滑車67h、滑車67c、滑車67i、滑車67d、滑車67jを順に通り、シャックル69hを介して長尺部材61bの一番-Y側の吊りピース部63hに他端が取り付けられて、全体としてジグザグ状をなしている。
【0036】
図32及び33を参照して、複配筋組立体30を設置すべき設置位置の周囲にある既設躯体80について説明する。
既設躯体80は、例えば、コンクリート81と、鉄筋82a~82h及び83a~83hとを有する。
コンクリート81は、例えば、プレキャストコンクリートや、現場打ち鉄筋コンクリートなどである。この例では、複配筋組立体30を設置すべき設置位置の下側(-Z側)と右側(+X側)とにコンクリート81が存在している。
鉄筋82a~82hは、下側(-Z側)のコンクリート81のなかで±Z方向に平行に延びる縦筋であり、上側(+Z側)の端部がコンクリート81の上側(+Z側)の表面から+Z方向に突出している。
鉄筋83a~83hは、右側(+X側)のコンクリート81のなかで±X方向に平行に延びる横筋であり、左側(-X側)の端部がコンクリート81の左側(-X側)の表面から-X方向に突出している。
【0037】
そして、複配筋組立体30を揚重する前に、あらかじめ、鉄筋82a~82hに、フリージョイント86a~86h及びねじスリーブ84a~84hを取り付けておく。
フリージョイント86a~86hは、鉄筋82a~82hに螺合され、ねじスリーブ84a~84hを支持する。
ねじスリーブ84a~84hは、機械式継手の一例である。例えば日本スプライススリーブ株式会社(東京都中央区)製の現場打ち用モルタル充填式鉄筋継手であり、鉄筋芯が少しずれていても鉄筋同士を接続することができる継手である。ねじスリーブ84a~84hは、鉄筋82a~82hの上側(+Z側)の先端に取り付けられる。
なお、同様に、鉄筋83a~83hにフリージョイントなどの機械式継手を取り付けておいてもよい。その場合、第一格子作製工程12及び13では、フリージョイント34a~34dなどの機械式継手を横筋33a~33dに取り付けなくてよい。
【0038】
図34~37を参照して、複配筋設置工程17について説明する。
まず、図34及び35に示すように、シャックル79a~79dを介してワイヤ78a~78dを、吊り治具60の吊りピース部64a~64dに取り付ける。そして、クレーンなどの揚重装置のフック71にワイヤ78a~78dをかけて、吊り治具60を吊り上げる。次に、クレーンなどの揚重装置を用いて、立設治具40の上に立設された複配筋組立体30の上に吊り治具60を移動させ、複配筋組立体30に固定された位置決め治具25a及び25bの吊りピース部53a~53cにシャックル69i~69nを取り付ける。
【0039】
そして、クレーンなどの揚重装置を用いて、吊り治具60を吊り上げることにより、吊り治具60に接続された位置決め治具25a及び25bに固定された複配筋組立体30を、設置位置まで揚重する。
吊り治具60と位置決め治具25a及び25bとの間をジグザグ状のワイヤ68a及び68bを介して接続することにより、位置決め治具25a及び25bが傾きそうになると、自動的にワイヤ68a及び68bのバランスが調整されるので、位置決め治具25a及び25bの水平が保たれる。したがって、吊り治具60を傾けることなく、揚重することができる。
【0040】
そして、図36に示すように、揚重した複配筋組立体30の縦筋32a~32dの下側の端部をねじスリーブ84a~84hに挿入する。このとき、複配筋組立体30の横筋33a~33dのフリージョイント34a~34dが取り付けられた側の先端を、既設躯体80の鉄筋83a~83hの先端に突き当てる。
その後、図37に示すように、フリージョイント34a~34dを鉄筋83a~83hに螺合させ、フリージョイント34a~34dのなかにグラウトを注入するなどして、横筋33a~33dを鉄筋83a~83hに接続する。
また、複配筋組立体30の縦筋32a~32dが挿入されたねじスリーブ84a~84hのなかにモルタルを注入するなどして、縦筋32a~32dを鉄筋82a~82hに接続する。
複配筋組立体30の縦筋32a~32dを高い精度で配列しているので、複配筋組立体30の縦筋32a~32dを鉄筋82a~82hに容易に接続することができる。
また、複配筋組立体30の横筋33a~33dを高い精度で配列しているので、複配筋組立体30の横筋33a~33dを鉄筋83a~83hに容易に接続することができる。
【0041】
また、複配筋組立体30を揚重する前に、既設の柱や鉄筋コンクリートから突出した縦筋や横筋の端部に、拘束筋を取り付けておく。これにより、接続部分の強度を保つことができる。
【0042】
その後、コンクリート打設工程18において、例えばシステム型枠などの型枠を、複配筋組立体30の周囲に設け、そのなかに生コンクリートを打設することにより、鉄筋コンクリート壁を作製する。打設したコンクリートが硬化したのち、複配筋組立体30から吊り治具25a及び25bを取り外す。
【0043】
このように、複配筋組立体30を地上レベルなどにある作業スペースで先行して組み立ててから揚重して設置位置に設置するので、高所作業を減らし、作業効率を高め、安全性を向上することができる。
作業スペースで複配筋組立体30を仮組みするのではなく、完全に組み立ててから揚重するので、縦筋32a~32d及び横筋33a~33dの配列が正確でないと、揚重後に組み直さなければならない。
位置決め治具25a及び25bを用いて縦筋32a~32dの上端を位置合わせし、架台43及び44の上に設けられた鞘管47a~47d及び48a~48dを用いて縦筋32a~32dの下端を位置合わせするので、縦筋32a~32dを高い精度で配列することができる。また、縦筋32a~32dの端を端揃え治具21に突き当てて出を揃え、縦筋32a~32dにつけた目印にしたがって横筋33a~33dを位置合わせするので、横筋33a~33dを高い精度で配列することができる。これにより、揚重後に組み直しが発生するのを防ぐことができる。
また、格子状組立体31a及び31bを別々に揚重するのではなく、複配筋組立体30として一体化してから揚重するので、揚重のための作業を削減できる。
【0044】
縦筋32a~32dの位置合わせに用いた位置決め治具25a及び25bを、横組みした格子状組立体31a及び31bを立設するためにも使用し、更に、複配筋組立体30を設置位置に揚重するためにも使用するので、複配筋組立体30の作製及び揚重のための作業を削減できる。
拘束筋35a~35hの両端がU字状に湾曲しているので、拘束筋35a~35hが外れるのを防ぐことができる。架台43と架台44との間の距離を縮めておいて、拘束筋35a~35hを取り付けるので、両端がU字状に湾曲した拘束筋35a~35hを容易に取り付けることができる。
吊り治具60と位置決め治具25a及び25bとの間を滑車67a~67j並びにワイヤ68a及び68bを用いて連結して揚重するので、複配筋組立体30が傾くのを防ぐことができる。
【0045】
なお、吊り治具60の吊りピース部63a~63dと吊りピース部63e~63hとの間の±Y方向における距離は、複配筋組立体30に固定された位置決め治具25aの吊りピース部53a~53cと位置決め治具25bの吊りピース部53a~53cとの間の±Y方向における距離とほぼ等しいことが好ましく、完全に等しいか、あるいはわずかに大きいことが更に望ましい。これにより、揚重中に複配筋組立体30に無理な力が働くのを防ぐことができる。
また、ワイヤ68a及び68bの両端を吊り治具60に取り付けるのではなく、位置決め治具25a及び25bに取り付けて、上述した例とは上下逆に配置してもよい。一本のワイヤ68a及び68b当たりの滑車67a~67hの数は、5つに限らず、3つ以上の奇数であればよい。すなわち、上側の滑車の数と下側の滑車の数との差が1であり、滑車の数が少ない側に、ワイヤの両端を取り付けて、ジグザグ状にする。
【0046】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【0047】
ダブルH型のコアウォール構造などにおいて、コアウォール躯体には、大口径鉄筋(例えば最大径D41)が採用され、一フロア当たりの鉄筋量が多い(例えば100t/フロア以上)。このため、現地組み工法では、工程及び安全面の課題がある。
そこで、一階レベルにてコアウォール鉄筋を先組みし、一体化された鉄筋ユニットを揚重機で現地に設置する(壁鉄筋ユニット化工法)。この工法により、例えば2日/フロアで鉄筋工事を実施可能となり、かつ高所での作業工数を縮減することにより、工程及び安全面の課題を解決することができる。
例えば、コアウォール構造体は柱部分をPC(プレキャストコンクリート)化し、壁筋部分をユニット化して現地設置、その後システム型枠により壁コンクリートを打設する。壁鉄筋のユニット化において、両端部の鉄筋の位置、下部コンクリート打設時の縦筋位置を考慮し、誤差なく地組する必要があり、高い施工精度が求められる。
壁筋を一枚ずつ現地に直接設置するのではなく、二枚を一体化した壁筋全体を揚重設置することで、大幅な工程短縮ができる。
コアウォール先組み工法(壁鉄筋のユニット化工法)の手順は、例えば以下のとおりである。
(1)壁筋の先行床組
壁筋を一旦床上で組立て、建て起こして地組(一体化)する。壁筋の位置決めについては、周囲に位置決め用のチャンネル材を使用する。
配筋しやすいようにアングルで嵩上げして配筋する。赤材を使用して出を揃える。赤材の垂直を管理する。現地での垂を考慮して、ピッチマーキングは、例えば20mm上げる。
鉄筋先組架台を使用して配筋する。壁縦筋は、吊り治具にロックナットで取り付け、横筋は、番線結束で落下を防止する。
アングルで出を合わせる。天秤を使用するとともに、下部はU字筋を取り付けて建て起こす。カプラーの偏りで揚重時に横筋は斜めになる。
(2)壁筋の揚重・先行地組架台へ設置
先行床組した壁筋材を先行地組架台へ揚重し設置する。縦筋の位置決め用に、架台下部にはさや管が所定の位置に設置されている。
さや管への挿入時は、鉄筋に手で触らず拘束筋などを使用し挟まれを防止する。
さや管は、マーキングを確認できる高さであることが好ましい。そうすれば、揚重して現地で設置する前に、マーキングにより、貫入長さを確認することができる。
(3)チルタンクにより壁筋材をスライドさせ拘束筋を取付
壁筋は、例えば外側に縦筋を配置する。その縦筋を拘束する拘束筋を配置する。そこで、鉄筋架台にチルタンクを内蔵し、拘束筋を設置した後、外側に壁筋全体をスライドさせる。なお、揚重時の鉄筋材脱落防止策として、鉄筋頂部治具(チャンネル材)に壁縦筋を貫通させ、ロックナットを全数設置する。
チルタンクを広げる際には、上下で同時に声を掛け合いながらスライドさせる。
(4)下部配筋
事前に壁内へ継手材料を揚重し、配筋する。スリーブ材は、落下の恐れが高いため、壁内に放置せず、布バケツなどを使用して持ち運ぶ。下部配筋は、コンクリート硬化後に鉄筋位置決め用の吊り治具外しをタイムリーに行い、揚重前には、ねじスリーブを取り付けられる状況にする。
(5)一体化された壁鉄筋ユニットを揚重
鉄筋ユニット材の揚重は、専用吊り治具及びワイヤを用いる。専用吊り治具と鉄筋頂部治具の間に金車を例えば9台設置することで、鉄筋ユニットが常に水平となり、現地設置が容易かつ安全になる。
PCa際で使用する拘束筋は、地組壁に引っ掛け、一緒に揚重することで拘束筋の揚重の手間を省く。
風の影響は、あまり受けない。下部の人払いを徹底する。鉄筋の最大重量は、例えば4.5m×6mで9.1tである。片側のみにカプラーを仕込んだ壁だと、揚重時にカプラーの重みで横筋が傾くので、カプラーは両側に付けるか、別に揚重する。
設置位置には、あらかじめ水糸をPCa面に張り、地組壁の玉掛けを外す前にレバーで位置を合わせる。
(6)鉄筋ユニットの現地設置
現地に設置された壁鉄筋ユニットは、下部及び両端の機械式接手により固定する。下部の接手は、ねじスリーブ継手、両端部は、フリージョイントを採用することで現地設置の作業効率が向上する。
片側上下と中央の3か所以上をカプラーで繋いでから玉掛外しをすることにより、転倒を防止する。鉄筋挿入時は、落下防止付きのセットハンマーを使用することにより、手指の挟まれを防止する。
縦筋と横筋の間にD16を挟んで地組むことにより、フリージョイント部の偏芯を補正し、PCaと地組の横筋の位置を合わせることができる。鉄筋挿入時は、落下防止付きのセットハンマーを使用する。
(7)PCa際の鉄筋揚重
重ね継手部の拘束筋の材料がばらばらにならないように番線などで固縛し揚重してもよいし、大組み揚重時と同時に揚重してもよい。ステージ上で揚重することにより、揚重時間を減らすことができる。テンプレートに鋼管を溶接し同時に揚重してもよい。
拘束筋をラップ形状(重ね継手)にすることにより、揚重がスムーズになり施工性が上がる。
(8)グラウト注入
機械式継手のグラウトやモルタルの注入は、地組壁を揚重した日に行う。
(9)型枠建て込み後、リンクジョイント配筋
リンクジョイント(LJ)は、鉄筋揚重時に配筋せず、型枠建て込み後とすることにより、揚重時のLJの落下を防止し、施工レベルなどの精度が高まる。LJを地組壁とは別に揚重することにより、フック数は増えるが安全性は向上する。
このような壁鉄筋ユニット化工法により、一フロア当たり壁筋(約100t/フロア)の配筋に、現地組みでは約五日の工程が必要であったところ、例えば二日間に工程を短縮することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 鉄筋コンクリート壁製造方法、12 第一格子作製工程、13 第二格子作製工程、14 第一格子立設工程、15 第二格子立設工程、16 複配筋作製工程、17 複配筋設置工程、18 コンクリート打設工程、20 作製治具、21 端揃え治具、211,212 赤材、23a,23b アングル、25a,25b 位置決め治具、30 複配筋組立体、31a,31b 格子状組立体、32a~32d 縦筋、33a~34d 横筋、34a~34d フリージョイント、35a~35h 拘束筋、351 中間部、352,353 端部、354,355 湾曲部、40 立設治具、41 基部、42a~42d ガイドレール、43,44 架台、45a~45c 支持部、46a,46b チルタンク、47a~47d,48a~48d 鞘管、51 ウェブ部、52a,52b フランジ部、53a~53c 吊りピース部、54a~54d,55a~55c 貫通穴、56a~56d ロックナット、60 吊り治具、61a,61b 長尺部材、62a,62b 横材、63a~63h,64a~64d 吊りピース部、65a~65h,66a~66d 貫通穴、67a~67j 滑車、68a,68b,78a~78d ワイヤ、69a~69n,79a~79d シャックル、71 フック、80 既設躯体、81 コンクリート、82a~82h,83a~83h 鉄筋、84a~84h ねじスリーブ、86a~86h ナット。
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