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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018576
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】昇降機システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
B66B1/14 E
B66B1/14 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122408
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 理香
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HC07
3F502JA21
3F502KA50
(57)【要約】
【課題】ロボットとの通信処理に必要な通信フォーマットなどの登録に関わる作業員の負担を軽減することが可能な昇降機システムを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る昇降機システムは、記憶手段と、通信機能判断手段と、登録制御手段とを具備する。記憶手段は、昇降機を利用可能な複数のロボットの機種に対応した複数の通信機能情報を記憶する。通信機能判断手段は、任意のロボットから昇降機を利用するための信号を受けたときに、ロボットの機種に対応した通信機能情報が記憶手段に登録されているか否かを判断する。登録制御手段は、通信機能判断手段の判断結果に応じて、サーバから当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得し、昇降機を利用可能なロボットの通信機能情報として記憶手段に登録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め複数のロボットの機種毎に、これらのロボットと正常に通信するために必要な複数の通信機能情報が登録されたサーバと、
前記サーバに通信ネットワークを介して通信可能に接続され、建物内の昇降機の運転を制御する制御装置と、を備えた昇降機システムにおいて、
前記制御装置は、
前記昇降機を利用可能な複数のロボットの機種に対応した複数の通信機能情報を記憶した記憶手段と、
任意のロボットから前記昇降機を利用するための信号を受けたときに、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されているか否かを判断する通信機能判断手段と、
前記通信機能判断手段の判断結果に応じて、前記サーバから当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得し、前記昇降機を利用可能なロボットの通信機能情報として前記記憶手段に登録する登録制御手段と、
を具備することを特徴とする昇降機システム。
【請求項2】
前記通信機能情報は、少なくとも、前記ロボットの信号を解釈するのに必要な通信フォーマットを含むことを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項3】
前記通信機能判断手段は、
前記任意のロボットの信号に含まれる当該ロボットの種別を示す種別情報に基づいて、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されているか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項4】
前記登録制御手段は、
前記任意のロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されていない場合に、前記サーバに前記種別情報を送ることで、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の昇降機システム。
【請求項5】
前記登録制御手段は、
前記任意のロボットの機種に対応した通信機能情報が前記サーバに登録されていない場合、当該ロボットを非対応ロボットとして前記記憶手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項6】
前記登録制御手段は、
前記昇降機を利用可能な複数のロボットの中で、一定期間の間の呼びの登録回数が一定値以下のロボットを使用頻度の低いロボットとして判断し、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項7】
前記登録制御手段は、前記ロボットの通信機能情報を、前記記憶手段に登録してから一定期間の間保持しておくことを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
第1バンク内の複数台の昇降機の運転制御を行う機能を備え、
前記ロボットが前記第1バンク内の前記複数台の昇降機のいずれかを利用して第1の場所に移動後、前記第1バンクとは異なる第2バンク内の第2の場所に移動した場合に、前記第2の場所に近い前記第2バンク内の複数台の昇降機の運転制御を行う別の制御装置に前記通信機能情報を転送する情報転送手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータやエスカレータなどの昇降機の運転制御を行う昇降機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテルや病院、オフィスなどの建物内において、搬送用ロボットや警備ロボットなど、様々な種類のロボット(自律走行型ロボット)が利用されるようになってきた。これらのロボットは、建物内に設置されたエレベータやエスカレータを利用して、各階を自律的に移動することができる。
【0003】
ここで、例えばロボットがエレベータを利用する場合には、エレベータの制御装置側に、ロボットから発信される呼び信号の通信伝文を解釈するための通信処理機能(通信フォーマット)が必要となる。既存のロボットであれば、エレベータ側に当該ロボットに対応した通信フォーマットが備えられている。したがって、任意の階の乗場でロボットから発信された呼び信号を正しく解釈して、当該ロボットを乗りかごに乗せて行先階まで運ぶことができる。
【0004】
ところが、新規ロボットの場合、エレベータの制御装置は、その新規ロボットに対応した通信フォーマットを備えていないため、正常な通信処理を行うことができない。この場合、新規ロボットと通信することはできても、通信伝文を正しく解釈できず、例えば行先階を間違えるなどの誤動作を招く可能性がある。そのため、建物内で新規ロボットを使う場合には、通常、作業員が現場に出向いて、エレベータの制御装置に新規ロボットの通信フォーマットを事前に登録しておくことで対処している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-19590号公報
【特許文献2】特開2018-144983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、建物内で新規ロボットを使う場合には、事前に作業員が新規ロボット用の通信フォーマットを登録する必要があり、作業員に負担がかかっていた。なお、通信フォーマット以外にも通信処理に必要な情報があれば、その情報を登録する際に作業員の介在が必要であり、負担がかかっていた。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ロボットとの通信処理に必要な通信フォーマットなどの登録に関わる作業員の負担を軽減することが可能な昇降機システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る昇降機システムは、予め複数のロボットの機種毎に、これらのロボットと正常に通信するために必要な複数の通信機能情報が登録されたサーバと、前記サーバに通信ネットワークを介して通信可能に接続され、建物内の昇降機の運転を制御する制御装置とを備える。前記制御装置は、記憶手段と、通信機能判断手段と、登録制御手段とを具備する。前記記憶手段は、前記昇降機を利用可能な複数のロボットの機種に対応した複数の通信機能情報を記憶する。前記通信機能判断手段は、任意のロボットから前記昇降機を利用するための信号を受けたときに、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されているか否かを判断する。前記登録制御手段は、前記通信機能判断手段の判断結果に応じて、前記サーバから当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得し、前記昇降機を利用可能なロボットの通信機能情報として前記記憶手段に登録する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は一実施形態に係る昇降機システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は同実施形態におけるロボットの構成の一例を示す図である。
図3図3は同実施形態における通信機能テーブルの一例を示す図である。
図4図4は同実施形態におけるロボットテーブルの一例を示す図である。
図5図5は同実施形態におけるサーバから通信機能情報を取得するフローチャートである。
図6図6は同実施形態における複数のロボットが乗場に来た場合の一例を示す図である。
図7図7は変形例1として使用頻度の低いロボットの通信フォーマットを削除する処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は変形例2として複数のバンクを持つエレベータシステムの構成の一例を示す図である。
図9図9は変形例2として通信フォーマットを転送するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応した要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0011】
図1は、一実施形態に係る昇降機システムの構成を示すブロック図であり、自律型のロボットと、サーバと、エレベータ制御装置とがそれぞれ通信可能に接続された構成が示されている。
【0012】
乗りかご11は、エレベータ制御装置20の制御の下で図示せぬ巻き上げ機の駆動により昇降路内を昇降動作する。各階の乗場12には、乗場呼びボタン13が設置されている。乗場呼びボタン13は、利用者が乗場呼びを登録するためのボタンである。なお、「乗場呼び」とは、各階の乗場に設置された乗場呼びボタン13の操作により登録される呼びの信号のことであり、登録階と行先方向の情報を含む。これに対し、「かご呼び」とは、乗りかご11内に設けられた図示せぬ行先呼びボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。
【0013】
ロボット14a,14b,14cは、自律走行型のロボットであり、ネットワーク10を介して建物内のエレベータ制御装置20と無線通信することで、乗りかご11に乗車して各階を移動することができる。ロボット14a~14cは、例えば、荷物の搬送用ロボット、警備ロボット、掃除ロボット、点検ロボットなどが含まれる。以下では、ロボット14a~14cを特に区別しない場合には、ロボット14と称して説明する。ロボット14は、乗りかご11を利用して各階に移動する際に、エレベータ制御装置20にエレベータを利用するための信号を送信する。
【0014】
「エレベータを利用するための信号」とは、例えば、ロボットが乗りかごに乗車する際にエレベータ制御装置に送る信号、つまり、出発階と行先階を示す行先呼びの信号である。行先呼びの信号には、ロボットを識別するための識別情報と、ロボットの種別(メーカー,機種)を示す種別情報とが含まれる。その他、例えばロボットが建物に初めて導入されたときに、初期信号として、識別情報と種別情報を付してエレベータ制御装置に送る信号などを含めてもよい。
【0015】
エレベータ制御装置20は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータからなり、エレベータ全体の制御を行う。本実施形態において、エレベータ制御装置20は、通信部21、記憶部22、運転制御部23、ロボット管理部24を備える。通信部21は、ネットワーク10を介してロボット14と、サーバ30とに対するデータの通信制御を行う。
【0016】
記憶部22は、各階の乗場に設置された乗場呼びボタン13の操作によって登録される乗場呼びと、乗りかご11内に設置された図示せぬかご呼びボタンの操作によって登録されるかご呼びとを記憶する。また、記憶部22は、通信機能テーブル22aと、ロボットテーブル22bを有する。
【0017】
通信機能テーブル22aには、ロボット14と正常に通信するために必要な通信機能情報が、ロボット14の識別情報と種別情報とともに関連付けられて登録されている。通信機能情報は、少なくとも、ロボット14からの信号を解釈するために必要な通信フォーマットを含む。ロボット14の機種に対応した通信機能情報が通信機能テーブル22aに登録されている場合に、エレベータを正しく利用することができる。ロボットテーブル22bには、ロボット14から送信された行先呼びの信号に含まれる情報(出発階と行先階,識別情報,種別情報)が記憶される。
【0018】
運転制御部23は、記憶部22に記憶された一般利用者の呼び(乗場呼び,かご呼び)や、記憶部22のロボットテーブル22bに記憶されたロボット14の行先呼びに基づいて、乗りかご11を各階に移動させるなどの運転制御を行う。
【0019】
ロボット管理部24は、通信機能判断部24aと登録制御部24bとを備える。通信機能判断部24aは、ロボット14からエレベータを利用するための信号を受信したとき、ロボット14の機種に対応した通信機能情報が通信機能テーブル22aに登録されているか否かを判断する。具体的には、通信機能判断部24aは、エレベータを利用するための信号に含まれる種別情報からロボット14の機種を特定し、その機種の情報に基づいて通信機能テーブル22aを検索することにより、当該ロボット14の機種に対応した通信機能情報の有無を判断する。
【0020】
登録制御部24bは、通信機能判断部24aの判断結果に応じて、サーバ30からロボット14の機種に対応した通信機能情報を取得し、この通信機能情報を「エレベータを利用可能なロボット」の通信機能情報として通信機能テーブル22aに登録する。
【0021】
「エレベータを利用可能なロボット」とは、エレベータ制御装置20に対応可能なロボット、つまり、エレベータ制御装置20側に当該ロボットの機種に対応した適正な通信機能情報が備えられており、この通信機能情報を用いてエレベータ制御装置20と正常な通信処理を行って、各階に正しく移動できるロボットのことである。
【0022】
サーバ30は、各種ロボットに関する情報(通信機能情報)を管理しているコンピュータであり、エレベータ制御装置20とは独立して任意の場所に設置されている。サーバ30は、ネットワーク10を介してエレベータ制御装置20と通信可能に接続されており、通信機能テーブル30aを備える。通信機能テーブル30aには、機種の異なる複数のロボット14毎に、これらロボット14と正常に通信するために必要な複数の通信機能情報が登録されている。
【0023】
図2は、ロボット14の機能構成を示すブロック図である。
ロボット14には、制御部41、センサ42、通信装置43、操作部44、表示部45、記憶部46、駆動部47などが備えられている。ただし、ロボット14の構成は、ネットワーク10に接続可能な通信装置43を有していればよく、図2に示す構成には限定されない。
【0024】
制御部41は、CPUからなり、所定のプログラムの起動により、エレベータシステムと連動して、建物の各階を含む所定領域内を自律移動するための制御を行う。センサ42は、例えばレーザ距離センサ(Laser Range Finder)や超音波距離センサ、デュアルカメラ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)などである。ロボット14は、このセンサ42により障害物を避けながら移動し、乗りかご11内の空きスペースを検出して乗車する。
【0025】
通信装置43は、ネットワーク10を介してエレベータ制御装置20と無線通信する。操作部44は、例えば目的地を入力するなど、各種データの入力操作を行う部分である。表示部45は、各種データの表示を行う。記憶部46には、ロボット14の制御に必要なプログラムの他、ロボット14の移動経路を含む地図情報などが記憶されている。記憶部46には、ロボット14の種別を示す種別情報(つまり、自機種の種別を示す種別情報)等がさらに記憶されていてもよい。駆動部47は、ロボット14の底部に設置された車輪を駆動するためのモータなどを含む。
【0026】
図3は、エレベータ制御装置20に備えられた通信機能テーブル22aの一例を示す図である。
通信機能テーブル22aには、ロボット14の通信機能情報(通信フォーマットを含む)と、ロボット14の種別情報(メーカー,機種)とが関連付けられて登録されている。
【0027】
図3の例では、メーカー:A社,機種:A-01,通信機能情報:FA01が通信機能テーブル22aに登録されている。これは、メーカーA社でA-01の機種として製造されたロボットに対応した通信機能情報がFA01であることを意味している。以下のFA02~FC01が付された通信機能情報についても同様であり、それぞれにメーカーとロボットの機種の情報が対応した通信機能情報に関連付けられて通信機能テーブル22aに登録されている。
【0028】
図4は、エレベータ制御装置20に備えられたロボットテーブル22bの一例を示す図である。
ロボットテーブル22bは、ロボット14から送信された行先呼びの信号に含まれる情報を記憶する。行先呼びの信号には、ロボット14の出発階と行先階と、識別情報(ロボットID)と、種別情報(メーカー,機種)とが含まれる。図4の例では、ロボットID:ID01,メーカー:A社,機種:A-01,出発階:1F,行先階:5Fがロボットテーブル22bに記憶されている。これは、メーカーA社でA-01の機種として製造され、ロボットIDとしてID01を付されたロボット14の出発階が1F、行先階が5Fであることを意味している。ID02~05が付されたロボット14についても同様であり、それぞれに出発階と行先階の情報、ロボットのメーカーと機種の情報がロボットIDに関連付けられてロボットテーブル22bに記憶されている。
【0029】
次に、本システムの動作について説明する。
図5は本システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主としてコンピュータであるエレベータ制御装置20によって実行される。以下では、エレベータを利用するための信号として、ロボットから「行先呼びの信号」がエレベータ制御装置20に送信された場合を想定して説明する。また、通信機能情報として、「通信フォーマット」を例にして説明する。
【0030】
エレベータ制御装置20は、ロボット14から行先呼びの信号をネットワーク10を介して受信すると(ステップS11)、ロボット管理部24を通じてロボット14がエレベータを利用可能なロボットか否かを判断するための処理を実行する。
【0031】
まず、ロボット管理部24の通信機能判断部24aは、ロボット14から受信した行先呼びの信号に含まれるロボット14の種別情報を読み出す(ステップS12)。通信機能判断部24aは、この種別情報に基づいて通信機能テーブル22aを検索し、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが通信機能テーブル22aに登録されているか否かを判断する(ステップS13)。
【0032】
ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが通信機能テーブル22aに登録されている場合(ステップS13のYes)、通信機能判断部24aは、ロボット14を「エレベータを利用可能なロボット」として判断する。この場合、通信機能判断部24aは、通信機能テーブル22aに登録されていた通信フォーマットを用いてロボット14と通信し、ロボット14から送信された行先呼びの信号に含まれる情報を解釈してロボットテーブル22bに記憶する(ステップS14)。
【0033】
以後、エレベータ制御装置20に備えられた運転制御部23は、ロボットテーブル22bに記憶された行先呼びの信号に含まれる出発階と行先階の情報に基づいて、乗りかご11の運転を制御し、乗りかご11にロボット14を乗せて移動させる(ステップS15)。
【0034】
一方、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが通信機能テーブル22aに登録されていない場合(ステップS13のNo)、通信機能判断部24aは、ロボット14を現時点ではエレベータを利用不可なロボット(非対応ロボット)として判断する。この場合、通信機能判断部24aは、通信部21を通じてサーバ30にロボット14の種別情報を送信し、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットを要求する(ステップS16)。
【0035】
サーバ30側では、エレベータ制御装置20から通信フォーマットの要求を受け取ると、その要求とともに送られてきたロボット14の種別情報に基づいて、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが、通信機能テーブル30aに登録されているか否かを判断する。通信機能テーブル30aにロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されている場合、サーバ30は、当該通信フォーマットを通信機能テーブル30aから読み出して、要求先のエレベータ制御装置20に送信する。
【0036】
一方、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが通信機能テーブル30aに登録されていない場合、サーバ30は、当該通信フォーマットが登録されていない旨の信号を要求先のエレベータ制御装置20に送信する。このとき、サーバ30は、通信フォーマットが登録されていないロボット14の機種を示す種別情報(つまり、非対応ロボットの機種を示す種別情報)を、図示せぬ非対応ロボットテーブルに記録してもよい。これによれば、サーバ30の管理者は、非対応ロボットテーブルを参照することで、非対応ロボットの存在を確認でき、この非対応ロボットに対応する通信フォーマットを作成(手配)するなどの対応をとることができる。
【0037】
登録制御部24bは、サーバ30から通信フォーマットを取得できたか否かを判断する(ステップS17)。通信フォーマットを取得できた場合(ステップS17のYes)、登録制御部24bは、当該通信フォーマットをロボット14の種別情報と関連付けて通信機能テーブル22aに登録する(ステップS18)。ステップS18の処理の後、S14の処理を実行する。
【0038】
ここで、サーバ30の通信機能テーブル30aに通信フォーマットが登録されていなかった場合、つまり、サーバ30から通信フォーマットを取得できなかった場合(ステップS17のNo)、登録制御部24bは、当該ロボット14を非対応ロボットとして、当該ロボット14の種別情報を記憶部22に記録する(ステップS19)。これにより、例えば、作業員が点検時に記憶部22の記録内容から非対応ロボットの存在を確認でき、この非対応ロボットと通信するために必要な通信フォーマットを手配するなどの対応をとることができる。
【0039】
非対応ロボットの場合、つまり、エレベータ制御装置20がその非対応ロボットに対応した通信フォーマットを有していない場合でも、通信だけはできてしまうことがある。ただし、非対応ロボットから送信される信号を正しく解釈できず、乗りかご11を誤動作させてしまう可能性がある。そこで、ロボット14が非対応ロボットとして記録された場合には、このロボット14との通信を禁止するように通信部21を設定しておくことが望ましい。
【0040】
図6は複数のロボットが乗場に来た場合のエレベータの動きを説明するための図である。この例では、3台のロボット14a,14b,14cが乗場に存在する場合を示している。ロボット14aに対応する通信フォーマットは、エレベータ制御装置20に登録されており、ロボット14b,14cに対応する通信フォーマットは、エレベータ制御装置20に登録されていないものとする。また、サーバ30には、ロボット14a,14bに対応する通信フォーマットが登録されているが、ロボット14cに対応する通信フォーマットは登録されていないものとする。
【0041】
まず、ロボット14aからエレベータ制御装置20に行先呼びの信号が送信された場合について考える。エレベータ制御装置20には、ロボット14aの機種に対応した通信フォーマットが登録されているため、行先呼びの信号は正しく解釈される。行先呼びの信号に含まれる出発階と行先階とに基づいて乗りかご11が制御され、ロボット14aは乗りかご11に乗車して移動する。
【0042】
次に、ロボット14bからエレベータ制御装置20に行先呼びの信号が送信された場合について考える。エレベータ制御装置20には、ロボット14bの機種に対応した通信フォーマットが登録されていないため、行先呼びの信号に含まれるロボット14bの種別情報がサーバ30に送信されて、通信フォーマットが要求される。この例では、サーバ30には、ロボット14bの機種に対応した通信フォーマットが登録されているため、当該通信フォーマットが要求先のエレベータ制御装置20に送られてくる。この通信フォーマットにより、ロボット14bの行先呼びの信号が正しく解釈され、ロボット14bは乗りかご11に乗車して、目的とする階に移動することができる。
【0043】
また、ロボット14cからエレベータ制御装置20に行先呼びの信号が送信された場合について考える。ロボット14bと同様に、エレベータ制御装置20には、ロボット14cの機種に対応した通信フォーマットが登録されていないため、行先呼びの信号に含まれるロボット14cの種別情報は、サーバ30に送信されて、通信フォーマットが要求される。ここで、サーバ30には、ロボット14cの機種に対応した通信フォーマットが登録されていないため、通信フォーマットが登録されていないことを示す信号が要求先のエレベータ制御装置20に送られてくる。これにより、エレベータ制御装置20側では、ロボット14cを非対応ロボットとして記録し、このロボット14cに対応の通信フォーマットが登録されるまでの間、通信を禁止する(エレベータの利用を禁止する)。
【0044】
このように本実施形態によれば、ロボット14に対応した通信フォーマットがエレベータ制御装置20に登録されていない場合に、サーバ30から即座に取得することで、エレベータ制御装置20は、ロボット14と正常な通信処理をすぐに行うことができ、ロボット14からの信号を正しく解釈して、ロボット14の行先階まで移動させることができる。
【0045】
また、エレベータ制御装置20と正常に通信できないロボット14がエレベータを利用する場合に、作業員が現場に出向いて、そのロボット14の通信フォーマットを登録しなくても済むため、作業員による登録作業の負担が軽減される。また、作業員が登録作業を行う場合には、エレベータの運転を停止させておく必要があったが、本システムによれば、作業員の介在なしに、サーバ30から必要な通信フォーマットを即座に取得して簡単に登録することができるので、エレベータの運転を停止させる必要がない。
【0046】
なお、図5の例では、通信機能情報として、通信フォーマットを例にして説明したが、通信フォーマット以外の情報であっても同様であり、サーバ30から適宜取得することで対応できる。
【0047】
(変形例)
通信機能情報として、通信フォーマットを例にして説明する。
(1)使用頻度の低いロボットの通信フォーマットの扱い
例えば、ロボット14がエレベータ(乗りかご11)を利用して行先階に行った後、何らかの作業を済ませて、再度、エレベータを利用して移動することが考えられる。ロボット14が一度エレベータを利用した時点で、そのロボット14の機種に対応した通信フォーマットをすぐに削除しまうと、ロボット14が再びエレベータを利用したときに、サーバ30から同じ通信フォーマットを取得する処理が必要となる。したがって、サーバ30からロボット14の通信フォーマットを取得した場合に、一定期間の間は、その通信フォーマットを保持しておくことが望ましい。ただし、記憶部22の容量を考えると、使用頻度の低いロボットについては、そのロボットの通信フォーマットを削除することが望ましい。
【0048】
図7は、変形例1としてエレベータの使用頻度の低いロボットを判断し、そのロボットの機種に対応した通信フォーマットを削除する処理を示すフローチャートである。
いま、ロボット14a,14b,14cのそれぞれについて、記憶部22の通信機能テーブル22aに、それぞれの機種に対応した通信フォーマットが登録されているものとする。
【0049】
エレベータ制御装置20に備えられた登録制御部24bは、ロボット14a,14b,14cのそれぞれの呼びの登録回数をロボットテーブル22bから定期的に検出する(ステップS21)。ここで、ロボット14a,14b,14cの中で一定期間(例えば1ヶ月)の間に呼びの登録回数が一定値(例えば2回)以下のロボットが存在した場合(ステップS22のYes)、登録制御部24bは、そのロボットを使用頻度の低いロボットとして判断する(ステップS23)。登録制御部24bは、このロボットの機種に対応した通信フォーマットを通信機能テーブル22aから削除する(ステップS24)。
【0050】
例えば、ロボット14cの呼びの登録回数が一定値以下であり、使用頻度の低いロボットとして判断された場合には、このロボット14cの通信フォーマットが通信機能テーブル22aから削除される。なお、以降のタイミングにおいて、ロボット14cがエレベータを再度利用する場合には、エレベータ制御装置20は、上述した図5の処理を再度実行し、サーバ30からロボット14cの通信フォーマットを取得して、当該通信フォーマットを通信機能テーブル22aに再度登録する。
【0051】
上述のように、使用頻度の低いロボットの機種に対応した通信フォーマットは、記憶部22の通信機能テーブル22aから定期的に削除される。これにより、使用頻度の低いロボットによって記憶部22の容量が無駄に使用されることを回避し、新たなロボットが来た場合に、そのロボットの通信フォーマットを記憶部22に登録することができる。
【0052】
また、エレベータ制御装置20は、上述した図5の処理により、サーバ30から即座に通信フォーマットを取得することができるので、記憶部22の通信機能テーブル22aから一度削除された通信フォーマットに対応するロボットがエレベータを再度利用する場合にも即座に対応し、当該ロボットと正常な通信処理を行うことができる。上記実施形態ではエレベータ制御装置20を用いて詳述したが、複数のエレベータの号機を有する1のバンクの場合、群管理制御装置にエレベータ制御装置20の機能を有していてもよい。
【0053】
(2)複数のバンクに分かれている場合
複数のバンクに分けられたエレベータシステムでは、バンク毎に群管理制御装置が設けられ、それぞれバンク内の複数台のエレベータ(乗りかご)の運転を制御している。ここで、例えばロボットがAバンクからBバンクに移動した場合に、Bバンクの群管理制御装置がそのロボットの機種に対応した通信フォーマットを有していないと、サーバにアクセスして、通信フォーマットを取得しなければならないため、Aバンクから通信フォーマットを取得することが効率的である。
【0054】
図8は、建物内に複数のバンクを持つ場合のエレベータシステムの構成を示す図である。この例では、AバンクとBバンクに分けられ、Aバンクの群管理制御装置51とBバンクの群管理制御装置61とが通信可能に接続された構成が示されている。
【0055】
Aバンクの群管理制御装置51には、図1に示したエレベータ制御装置の機能構成に加え、更に転送制御部25aが備えられている。転送制御部25aは、他のバンクであるBバンクの群管理制御装置61から通信フォーマットの要求信号を受け取ると、群管理制御装置51に当該通信フォーマットが登録されていれば、当該通信フォーマットを要求先の群管理制御装置61に転送する。
【0056】
Aバンクのエレベータ制御装置52aは、乗りかご53aの運転制御を行う。Aバンクのエレベータ制御装置52b、エレベータ制御装置52cも同様である。これらAバンクのエレベータ制御装置52a~52cは、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータからなる。
【0057】
Bバンクの群管理制御装置61についてもAバンクの群管理制御装置51同様に、転送制御部25bが備えられている。転送制御部25bは、他のバンクであるAバンクの群管理制御装置51から通信フォーマットの要求信号を受け取ると、群管理制御装置61に当該通信フォーマットが登録されていれば、当該通信フォーマットを要求先の群管理制御装置51に転送する。
【0058】
Bバンクのエレベータ制御装置62aは、乗りかご63aの運転制御を行う。Bバンクのエレベータ制御装置62b、エレベータ制御装置62cも同様である。これらBバンクのエレベータ制御装置62a~62cは、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータからなる。
【0059】
なお、図8の例では、Aバンクの群管理制御装置51とエレベータ制御装置52a~52cとが独立しているが、群管理制御装置51とエレベータ制御装置52a~52cとを1つの制御装置(制御装置50と表記する)として構成し、その制御装置50がAバンク内の複数台の乗りかご53a~53cの運転を制御することでも良い。Bバンクも同様であり、群管理制御装置61とエレベータ制御装置62a~62cとを1つの制御装置(制御装置60と表記する)として構成し、その制御装置60がBバンク内の複数台の乗りかご63a~63cの運転を制御することでも良い。この場合、Aバンクの制御装置50とBバンクの制御装置60とが通信可能に接続される。制御装置50は、制御装置60からの要求に応答して通信フォーマットを制御装置60に転送し、制御装置60は、制御装置50からの要求に応答して通信フォーマットを制御装置50に転送する。
【0060】
図9は、変形例2として、通信フォーマットを転送する場合の処理を示すフローチャートである。
いま、Aバンクのエレベータ(乗りかご53a~53cのいずれか)を利用したロボット14が、Bバンクに移動後、Bバンクでエレベータ(乗りかご63a~63のいずれか)を利用するために行先呼びの信号を送信したとする。Aバンクの群管理制御装置51には、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されており、Bバンクの群管理制御装置61には、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されていない場合を想定する。
【0061】
まず、Bバンクの群管理制御装置61は、ロボット14から行先呼びの信号を受信すると(ステップS31)、当該行先呼びの信号に含まれるロボット14の種別情報を読み出す(ステップS32)。群管理制御装置61は、この種別情報に基づいてロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されているか否かを判断する(ステップS33)。
【0062】
ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されている場合(ステップS33のYes)、群管理制御装置61は、ロボット14を「エレベータを利用可能なロボット」として判断し、ロボット14の通信フォーマットを用いてロボット14と通信し、ロボット14から送信された行先呼びの信号に含まれる出発階と行先階の情報を記憶する(ステップS34)。
【0063】
以後、群管理制御装置61は、この出発階と行先階の情報に基づいて、乗りかご63a~63cの中から最適な乗りかごを割当かごとして決定し、割当かごにロボット14を乗せて移動させる(ステップS35)。
【0064】
一方、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されていない場合(ステップS33のNo)、Bバンクの群管理制御装置61は、転送制御部25bを通じてAバンクの群管理制御装置51にロボット14の種別情報を送信し、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットを要求する(ステップS36)。
【0065】
Aバンクの群管理制御装置51側では、群管理制御装置61から通信フォーマットの要求を受け取ると、その要求とともに送られてきたロボット14の種別情報に基づいて、ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されているか否かを判断する。ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されている場合、群管理制御装置51の転送制御部25aは、当該通信フォーマットをBバンクの群管理制御装置61に送信する。ロボット14の機種に対応した通信フォーマットが登録されていない場合、転送制御部25aは、当該通信フォーマットが登録されていない旨の信号を群管理制御装置61に送信する。
【0066】
Aバンクの群管理制御装置51に登録されていなかった場合、つまり、Bバンクの群管理制御装置61がAバンクの群管理制御装置51から通信フォーマットを取得できなかった場合、Bバンクの群管理制御装置61は、上述の実施形態で説明したように、サーバ30から通信フォーマットを取得する処理(図5のステップS16以降の処理)を行うことになる。
【0067】
Bバンクの群管理制御装置61は、Aバンクの群管理制御装置51から通信フォーマットを取得できたか否かを判断する(ステップS37)。通信フォーマットを取得できた場合(ステップS37のYes)、群管理制御装置61は、当該通信フォーマットをロボット14の種別情報と関連付けて登録する(ステップS38)。以後、群管理制御装置61は、登録された通信フォーマットを用いてロボット14と通信し(ステップS34)、割当かごにロボット14を乗せて移動させる(ステップS35)。
【0068】
なお、Aバンクの群管理制御装置51から通信フォーマットを取得できなかった場合(ステップS37のNO)、上述したように、サーバ30から通信フォーマットを取得する処理を行ことになる。ここで、サーバ30からも通信フォーマットを取得できなかった場合には、群管理制御装置61は、当該ロボット14を非対応ロボットとして、当該ロボット14の種別情報を群管理制御装置61の記憶部に記録する(図5のステップS19の処理に相当)。
【0069】
このように、Bバンクの群管理制御装置61がロボット14の通信フォーマットを持たない場合に、サーバ30にアクセスしなくても、Aバンクの群管理制御装置51から当該通信フォーマットを効率的に取得することができる。これにより、群管理制御装置61は、ロボット14と正常な通信を行って、ロボット14を割当かごに乗せて、目的とする階まで移動させることができる。
【0070】
なお、ここではAバンクとBバンクの2つのバンクに分けられた構成を例にして説明したが、さらに複数のバンクに分けられた構成であっても同様であり、あるバンクにロボットの通信フォーマットが登録されていれば、それを必要とするバンクに転送することで、サーバ30へのアクセスを不要とすることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、昇降機としてエレベータについて説明したが、エスカレータでも同様に適用できる。エスカレータでも、ロボットの機種によって、例えばエスカレータの運転速度を遅くするなど運連制御を変更する必要があるため、エスカレータの制御装置は、ロボットを正常に通信するための通信機能情報(通信フォーマットを含む)が必要となる。ロボットの機種に対応した通信機能情報がなければ、上述の実施形態と同様に、サーバからロボットの機種に対応した通信機能情報を取得することで対応できる。
【0072】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、ロボットとの通信処理に必要な通信フォーマットなどの登録に関わる作業員の負担を軽減することが可能な昇降機システムを提供することができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0074】
10…ネットワーク、11…乗りかご、12…乗場、13…乗場呼びボタン、14a~14c…ロボット、20…エレベータ制御装置、21…通信部、22…記憶部、22a…通信機能テーブル、22b…ロボットテーブル、23…運転制御部、24…ロボット管理部、24a…通信機能判断部、24b…登録制御部、25a,25b…転送制御部、30…サーバ、30a…通信機能テーブル、群管理制御装置…51、エレベータ制御装置…52a~52c、乗りかご…53a~53c、群管理制御装置…61、エレベータ制御装置…62a~62c、乗りかご…63a~63c。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め複数のロボットの機種毎に、これらのロボットと正常に通信するために必要な複数の通信機能情報が登録されたサーバと、
前記サーバに通信ネットワークを介して通信可能に接続され、建物内の昇降機の運転を制御する制御装置と、を備えた昇降機システムにおいて、
前記制御装置は、
前記昇降機を利用可能な複数のロボットの機種に対応した複数の通信機能情報を記憶した記憶手段と、
任意のロボットから前記昇降機を利用するための信号を受けたときに、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されているか否かを判断する通信機能判断手段と、
前記通信機能判断手段の判断結果に応じて、前記サーバから当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得し、前記昇降機を利用可能なロボットの通信機能情報として前記記憶手段に登録する登録制御手段と、
を具備し、
前記通信機能情報は、少なくとも、前記ロボットの信号を解釈するのに必要な通信フォーマットを含むことを特徴とする昇降機システム。
【請求項2】
前記通信機能判断手段は、
前記任意のロボットの信号に含まれる当該ロボットの種別を示す種別情報に基づいて、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されているか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項3】
前記登録制御手段は、
前記任意のロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されていない場合に、前記サーバに前記種別情報を送ることで、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得することを特徴とする請求項に記載の昇降機システム。
【請求項4】
前記登録制御手段は、
前記任意のロボットの機種に対応した通信機能情報が前記サーバに登録されていない場合、当該ロボットを非対応ロボットとして前記記憶手段に記録することを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項5】
前記登録制御手段は、
前記昇降機を利用可能な複数のロボットの中で、一定期間の間の呼びの登録回数が一定値以下のロボットを使用頻度の低いロボットとして判断し、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項6】
前記登録制御手段は、前記ロボットの通信機能情報を、前記記憶手段に登録してから一定期間の間保持しておくことを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【請求項7】
第1バンク内の複数台の昇降機の運転制御を行う機能を備え、
前記ロボットが前記第1バンク内の前記複数台の昇降機のいずれかを利用して第1の場所に移動後、前記第1バンクとは異なる第2バンク内の第2の場所に移動した場合に、前記第2の場所に近い前記第2バンク内の複数台の昇降機の運転制御を行う別の制御装置に前記通信機能情報を転送する情報転送手段を具備したことを特徴とする請求項1に記載の昇降機システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
一実施形態に係る昇降機システムは、予め複数のロボットの機種毎に、これらのロボットと正常に通信するために必要な複数の通信機能情報が登録されたサーバと、前記サーバに通信ネットワークを介して通信可能に接続され、建物内の昇降機の運転を制御する制御装置とを備える。前記制御装置は、記憶手段と、通信機能判断手段と、登録制御手段とを具備する。前記記憶手段は、前記昇降機を利用可能な複数のロボットの機種に対応した複数の通信機能情報を記憶する。前記通信機能判断手段は、任意のロボットから前記昇降機を利用するための信号を受けたときに、当該ロボットの機種に対応した通信機能情報が前記記憶手段に登録されているか否かを判断する。前記登録制御手段は、前記通信機能判断手段の判断結果に応じて、前記サーバから当該ロボットの機種に対応した通信機能情報を取得し、前記昇降機を利用可能なロボットの通信機能情報として前記記憶手段に登録する。前記通信機能情報は、少なくとも、前記ロボットの信号を解釈するのに必要な通信フォーマットを含む。