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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018580
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】機械式駐車装置の運用方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20250130BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
E04H6/18 601A
E04H6/18 601Z
E04H6/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122419
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000227043
【氏名又は名称】日精株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100208672
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 愼一
(72)【発明者】
【氏名】吉野 香南
(72)【発明者】
【氏名】千葉 宣
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優先利用者と非優先利用者とが互いに会うことがなく、優先利用者の入出庫作業を優先させること。
【解決手段】車両Mが一方で入出庫する第1扉14Aと、第1扉14Aに対向して他方で車両が入出庫する第2扉14Bと、を有する入出庫室10と、第1扉に連続する第1車路12Aに面して設置され、非優先利用者が操作する第1操作盤16Aと、第2扉に連続する第2車路12Bに面して設置され、優先利用者U2が操作する第2操作盤16Bと、第1車路12Aと第2車路12Bとは、非優先利用者と優先利用者U2とが互いに会わないように区分けされ、非優先利用者の車両Mは、第1扉14Aでの入出庫、又は、第1扉14Aから入庫して第2扉14Bから出庫し、優先利用者U2の車両Mは、第2扉14Bで入出庫を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が一方で入出庫する第1扉と、前記第1扉に対向して他方で車両が入出庫する第2扉と、を有する入出庫室と、
前記第1扉に連続する第1車路に面して設置され、非優先利用者が操作する第1操作盤と、
前記第2扉に連続する第2車路に面して設置され、優先利用者が操作する第2操作盤と、
前記第1車路と前記第2車路とは、前記非優先利用者と優先利用者とが互いに会わないように区分けされた機械式駐車装置の運用方法であって、
前記非優先利用者の車両は、前記第1扉での入出庫、又は、前記第1扉から入庫して前記第2扉から出庫し、
前記優先利用者の車両は、前記第2扉で入出庫を行う、
機械式駐車装置の運用方法。
【請求項2】
前記非優先利用者の出庫操作が前記優先利用者の入出庫操作よりも早いときは、前記非優先利用者の車両を前記第2扉の側に出庫させる、請求項1に記載の機械式駐車装置の運用方法。
【請求項3】
前記優先利用者の入出庫操作と非優先利用者の入出庫操作とが同時期に行われる際、前記非優先利用者の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいときは優先利用者の入出庫操作が優先され、前記非優先利用者の入出庫作業時間が前記閾値よりも小さいときは非優先利用者の入出庫作業が優先される、請求項1又は2に記載の機械式駐車装置の運用方法。
【請求項4】
前記優先利用者の入出庫操作が開始された際、前記非優先利用者の入出庫作業時間が前記閾値よりも小さい場合、前記優先利用者に対して、第2車路に設けられる案内灯により、他の車両の利用者が出庫操作中であることを通知する、請求項3に記載の機械式駐車装置の運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置の運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の対象物を保管するための保管設備であって、互いに区画された入庫側スペースと出庫側スペースとに面した保管室と、前記保管室内と前記入庫側スペースを連通させる入庫口と、前記保管室内と前記出庫側スペースを連通させる出庫口と、前記複数の対象物を保管する保管装置と、を有し、前記保管装置は、前記保管室内に設けられており、前記対象物を保管する複数の保管部と、前記入庫口に連通する前記保管部である入庫部と、前記出庫口に連通する前記保管部である出庫部と、前記保管部の間で前記対象物を搬送可能に構成された搬送装置と、を備え、前記入庫口には、閉鎖することで前記保管室の内部と前記入庫側スペースを仕切り、開放することで前記入庫部と前記入庫側スペースとを連通し、前記対象物を入庫可能とする入庫扉が備えられ、前記出庫口には、閉鎖することで前記保管室の内部と前記出庫側スペースを仕切る出庫扉が備えられている、ことを特徴とする保管設備が記載されている。
【0003】
特許文献2には、自動車の入出庫口を有する第1の駐車装置と、この第1の駐車装置の奥に配置された第2の駐車装置とが並列に連続して組み立てられたエレベータ方式立体駐車装置において、前記第1の駐車装置には第1のエレベータを備え、その自動車乗入部に設定された第1のエレベータ待機停止位置に自動車の向きを変える自動車方向変換装置を備えるとともに、前記自動車乗入部の一の側壁に開口されて自動車を前記第1のエレベータ待機停止位置に乗り入れる入庫口および前記側壁に対向する他の側壁に開口されて自動車を前記第1のエレベータ待機停止位置から入庫したときの向きのままで出庫する出庫口を備え、前記第2の駐車装置には前記第1のエレベータと直角に配置された第2のエレベータを備えるとともに、その自動車乗入部に設定された第2のエレベータ待機停止位置の少なくとも一側方に駐車スペースを備え、また前記第1と第2の駐車装置の間に、両駐車装置間で自動車を搬送する搬送装置を備えたことを特徴とするエレベータ方式立体駐車装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-104871号公報
【特許文献2】特開平07-217247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発明は、入庫側スペース3から保管部20(入庫部、出庫部)を通って出庫側スペース4に通り抜けさせる場合と、出庫側スペース4から保管部20(入庫部、出庫部)を通って入庫側スペース3に通り抜けさせる場合とがあるとされ、作業者は入庫扉41を開放して保管部20に入り、出庫扉46を開放する。そして、自動車Vを手押しで入庫側スペース3から入庫口40、空パレット上、出庫口45を通り出庫側スペース4に出す作業が必要となり、通り抜けを行う際の作業に多大な手間がかかる。また、入出庫にあたり、優先利用者を設定してなく、入出庫の順番は入出庫呼び操作を行った順番で行われるため、優先利用者に対応する構成を有していない。
【0006】
また、特許文献2に記載された発明は、第1の駐車装置2の自動車乗入部21が、一の側壁に設けられた入庫口216と、これに対向する他の側壁に設けられた出庫口217を備えており、入庫したときの向きのままで出庫するように構成されているが、入出庫は、入庫口216の一方からのみの呼び操作で行うことしかできない。また、入出庫にあたり、優先利用者を設定してなく、入出庫の順番は入出庫呼び操作を行った順番で行われるため、優先利用者に対応する構成を有していない。
【0007】
本発明は、入出庫室が、優先利用者が利用する側と非優先利用者が利用する側とを分ける構成としていることにより、優先利用者と非優先利用者とが互いに会うことがなく、優先利用者の入出庫作業を優先させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様に係る機械式駐車装置の運用方法は、車両が一方で入出庫する第1扉と、前記第1扉に対向して他方で車両が入出庫する第2扉と、を有する入出庫室と、前記第1扉に連続する第1車路に面して設置され、非優先利用者が操作する第1操作盤と、前記第2扉に連続する第2車路に面して設置され、優先利用者が操作する第2操作盤と、前記第1車路と前記第2車路とは、前記非優先利用者と優先利用者とが互いに会わないように区分けされた機械式駐車装置の運用方法であって、前記非優先利用者の車両は、前記第1扉での入出庫、又は、前記第1扉から入庫して前記第2扉から出庫し、前記優先利用者の車両は、前記第2扉で入出庫を行う。
【0009】
第2態様に係る機械式駐車装置の運用方法は、第1態様に係る機械式駐車装置の運用方法において、前記非優先利用者の出庫操作が前記優先利用者の入出庫操作よりも早いときは、前記非優先利用者の車両を前記第2扉の側に出庫させる。
【0010】
第3態様に係る機械式駐車装置の運用方法は、第1態様又は第2態様に係る機械式駐車装置の運用方法において、前記優先利用者の入出庫操作と非優先利用者の入出庫操作とが同時期に行われる際、前記非優先利用者の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいときは優先利用者の入出庫操作が優先され、前記非優先利用者の入出庫作業時間が前記閾値よりも小さいときは非優先利用者の入出庫作業が優先される。
【0011】
第4態様に係る機械式駐車装置の運用方法は、第3態様に係る機械式駐車装置の運用方法において、前記優先利用者の入出庫操作が開始された際、前記非優先利用者の入出庫作業時間が前記閾値よりも小さい場合、前記優先利用者に対して、第2車路に設けられる案内灯により、他の車両の利用者が出庫操作中であることを通知する。
【発明の効果】
【0012】
第1態様に係る機械式駐車装置の運用方法によれば、非優先利用者と優先利用者とが互いに会うことがなく、それぞれ個別に設置された操作盤で操作をすることができ、優先利用者の入出庫作業が優先されていても非優先利用者に知られることなく、機械式駐車装置を効率よく運用することができる。
【0013】
第2態様に係る機械式駐車装置の運用方法によれば、非優先利用者の車両を第2扉の側に通り抜け方式で出庫させることができ、出庫作業時間を短縮することができる。
【0014】
第3態様に係る機械式駐車装置の運用方法によれば、非優先利用者の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも小さいときは非優先利用者の入出庫作業を優先することにより、非優先利用者の車両の入出庫作業時に当該車両を格納部に戻す必要がなくなり、機械式駐車装置を効率よく運用することができる。
【0015】
第4態様に係る機械式駐車装置の運用方法によれば、優先利用者に対して、入出庫室において出庫作業が行われていることを容易に通知することができ、優先利用者は安心して出庫作業の終了を待つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態における入出庫室周りの構成を示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態における非優先利用者の入出庫の状態を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態における優先利用者の入出庫の状態を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態における優先利用者の車両が他の車両の出庫待ちをしている状態を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態における非優先利用者と優先利用者との入出庫操作が同時期に行われる状態を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態における2人の非優先利用者の入庫時の状態を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態における2人の非優先利用者の入庫操作と出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態における非優先利用者の入庫操作と優先利用者の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態における非優先利用者の入庫操作と優先利用者の出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態における非優先利用者の出庫操作と非優先利用者の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態における1人目の非優先利用者の出庫操作と2人目の非優先利用者の出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態における非優先利用者の出庫操作と優先利用者の入庫操作とが重なり、優先利用者の入庫作業が先の状態を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態における非優先利用者の出庫操作と優先利用者の入庫操作とが重なり、優先利用者の入庫作業が後の状態を示すフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態における非優先利用者の出庫操作と優先利用者の出庫操作とが重なり、優先利用者の出庫作業が先の状態を示すフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態における優先利用者の入庫操作と非優先利用者の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態における優先利用者の入庫操作と非優先利用者の出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
図17】本発明の一実施形態における2人の優先利用者の入庫操作が重なった時の状態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態に係る機械式駐車装置の運用方法の一例について図面を参照しながら説明する。
【0018】
[実施形態]
<入出庫室周りの構成>
図1は、本発明の一実施形態における入出庫室周りの構成を示す平面図である。
図1に示すように、機械式駐車装置1は、車両Mが入出庫する入出庫室10が図示しない車両Mの格納部と連絡して設けられている。入出庫室10は、四方を壁に囲まれ、本実施形態では、平面視四角形に形成され、車両Mの入出庫レベルには床10Aが設けられている。床10Aの中央部には、トレー18及び図示しない内蔵ターンテーブル18Aが入出庫レベルを貫通可能な大きさの開口10Bが形成されている。
【0019】
入出庫室の一方は非優先利用者U1が利用する非優先利用者側車路12Aが連続され、非優先利用者側車路12Aに接続する壁には、車両M及び非優先利用者U1が入退室するドアA14Aと、非優先利用者U1が操作する第1操作盤16A(非優先利用者用操作盤)が設けられている。また、入出庫室の他方は優先利用者U2が利用する優先利用者側車路12Bが連続され、優先利用者側車路12Bに接続する壁には、主に車両M及び優先利用者U2が入退室するドアB14Bと、主に優先利用者U2が操作する第2操作盤16B(優先利用者用操作盤)が設けられている。第1操作盤16A、第2操作盤16B、ドアA14A、ドアB14B、内蔵ターンテーブル18A、図示しないセンサ、表示機能を有する機器等々の各機器及び各装置は図示しない制御装置と電気的に接続されている。また、回転軌跡18Bは、トレー18が平面的に回転する際の軌跡である。ここで、非優先利用者側車路12Aは第1車路の一例であり、また、優先利用者側車路12Bは第2車路の一例であり、また、ドアA14Aは第1扉の一例であり、また、ドアB14Bは第2扉の一例である。
【0020】
<入出庫例1>
図2は、本発明の一実施形態における非優先利用者U1の入出庫の状態を示す平面図である。図2に示すように、非優先利用者U1が車両Mを入庫させる場合、非優先利用者U1が第1操作盤16Aにて入庫操作を行うと、入出庫室10には空きトレー18が搬送されて入出庫レベルに着床する。入庫操作は、例えば、非優先利用者U1が所持する認証コード(以下、単に「コード」ともいう。)が格納された認証媒体を第1操作盤16Aの認証媒体読取部に読み取らせると、図示しない制御装置が、当該認証コードで車両Mが格納されていないと判定すると入庫操作であると判断して空きのトレー18を呼び出して搬送する。入出庫室に搬送された空きトレー18が入出庫レベルに着床するとドアA14Aが開き、非優先利用者U1は車両Mに乗り空きトレー18上に車両Mを移動させて入出庫室10内に設置された図示しないセンサ等の働きによって正規の位置に停止させる。非優先利用者U1は車両Mを降車し、入出庫室10内の無人確認や安全確認を行って第1操作盤で操作してドアA14Aを閉じる。
【0021】
また、非優先利用者U1が車両Mを出庫させる場合で、優先利用者U2の操作が無い場合は、非優先利用者U1が第1操作盤16Aにて出庫操作を行うと、入出庫室10には当該非優先利用者の車両Mを載置したトレー18が搬送されて入出庫レベルに着床する。出庫操作は入庫操作と同じで、例えば、非優先利用者U1が所持する認証コードが格納された認証媒体を第1操作盤16Aの認証媒体読取部に読み取らせると、図示しない制御装置が、当該認証コードで車両Mが格納されている判定すると出庫操作であると判断して当該非優先利用者の車両Mを載置したトレー18を呼び出して搬送する。入出庫室に搬送された当該非優先利用者の車両Mを載置したトレー18が入出庫レベルに着床するとドアA14Aが開き、非優先利用者U1は入出庫室10内に入り、これに合わせてドアAが閉じるとともに、開いたドアB14Bの側へ車両Mを移動させて入出庫室10から出庫する。非優先利用者U1は車両Mを降車し、入出庫室10内の無人確認や安全確認を行って第2操作盤で操作してドアB14Bを閉じる。本実施形態では、優先利用者側車路12Bに外部ターンテーブル20を仮想線で示したが、優先利用者側車路12Bの車両Mの正面側に公道がある場合には、当該外部ターンテーブル20は設けなくてもよい。
【0022】
<入出庫例2>
図3は、本発明の一実施形態における優先利用者U2の入出庫の状態を示す平面図である。図3に示すように、優先利用者U2の入出庫が行われる場合は、優先利用者U2は、優先利用者側車路12Bを通り、第2操作盤16Bにて入庫又は出庫の操作を行う。優先利用者U2の車両Mは、入出庫ともに優先利用者側車路12Bの側でのみ行われ、非優先利用者側車路12Aの側は使用されない。よって、優先利用者U2の車両Mの入出庫の際は、内蔵ターンテーブル18Aによって車両Mの向きが変更される。本実施形態では、優先利用者側車路12Bに外部ターンテーブル20を仮想線で示したが、優先利用者側車路12Bの車両Mの後方側に公道がある場合には、当該外部ターンテーブル20は設けなくてもよい。
【0023】
<入出庫例3>
図4は、本発明の一実施形態における優先利用者U2の車両が他の車両の出庫待ちをしている状態を示す平面図である。図4に示すように、優先利用者側車路12Bには、ドアB14Bを避けた位置に優先利用者U2の車両Mを待機させる停止線22が表示され、停止線22の近傍の壁には、入出庫室10における現在の入出庫状態を待機している優先利用者U2に見えるように案内灯24が設けられている。例えば、入出庫室10内で出庫作業が行われている場合は、案内灯24に「出庫操作中」等の文字が表示される。当該表示は、単に点灯してもよいが、優先利用者U2がより確実に視認できるように点滅させてもよい。
【0024】
入出庫室10内の車両Mが出庫後は、案内灯24が消灯して、停止線22で待機していた優先利用者U2の車両Mは、優先利用者U2の第2操作盤16Bでの入庫操作を行ってドアB14Bから自車である車両Mを入出庫室10内に入庫させる。車両Mから降車した優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認や安全確認を行って、第2操作盤でその旨の操作を行った後、ドアB14Bを閉める操作を行う。
【0025】
図4において、入出庫室10内に位置する車両Mは、非優先利用者U1の車両M又は優先利用者U2の車両Mであり、入出庫室10の入出庫レベルに着床又は着床直前の状態では、非優先利用者U1の車両Mも優先利用者側車路12Bの側に出庫することができる。例えば、非優先利用者U1の出庫操作が優先利用者U2の入出庫操作よりも早いときは、非優先利用者U1の車両MをドアB14Bの側に出庫させることもある。本実施形態では、優先利用者側車路12Bに外部ターンテーブル20を仮想線で示したが、優先利用者側車路12BのドアB14Bの正面側に公道があり、該正面側から優先利用者U2の車両Mが進入する場合には、当該外部ターンテーブル20は設けなくてもよい。
【0026】
<入出庫例4>
図5は、本発明の一実施形態における非優先利用者U1と優先利用者U2との入出庫操作が同時期に行われる状態を示す平面図である。図5に示すように、非優先利用者U1と優先利用者U2とが同時期に入出庫の操作を行う場合がある。例えば、非優先利用者U1が1人目として出庫操作を第1操作盤16Aで行い、非優先利用者U1の車両Mが入出庫室10の入出庫レベルに着床又は着床直前である場合に、優先利用者U2が入庫操作を第2操作盤16Bで行った場合、非優先利用者U1の車両Mは、入出庫室10内にて、内蔵ターンテーブル18Aに持ち上げられたトレー18とともに床10の上で回転して、ドアA14Aの側にフロントを向けられ、ドアA14Aが開いて、非優先利用者U1が入出庫室10に入室して車両Mに乗り込み、ドアA14Aから非優先利用者側車路12Aに出庫して、非優先利用者U1は第1操作盤16AにてドアA14Aを閉める。
【0027】
非優先利用者U1の車両Mが入出庫室10をドアA14Aから出庫すると、出庫後のトレー18は空きトレーになるため、何らの機械動作を伴うことなく、ドアB14Bが開かれ、優先利用者U2は、優先利用者側車路12Bに停車している車両Mに乗り込んでドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。車両Mを入庫させた優先利用者U2は、降車後入出庫室10のドアB14Bから優先利用者側車路12Bに退出して、ドアB14Bを第2操作盤16Bにて操作して閉める。
【0028】
このように、本発明における機械式駐車装置の運用方法では、非優先利用者側車路12Aと優先利用者側車路12Bとは、非優先利用者U1と優先利用者U2とが互いに会わないように区分けされており、非優先利用者U1の車両Mは、ドアA14Aでの入出庫、又は、ドアA14Aから入庫してドアB14Bから出庫し、優先利用者U2の車両Mは、ドアB14Bで入出庫を行うように運用される。なお、本実施形態では、優先利用者側車路12Bに外部ターンテーブル20を設置していないが、優先利用者側車路12Bの車両Mの後方側に公道がない場合には、外部ターンテーブル20を設けてもよい。
【0029】
<入出庫が重なった場合の機械動作の優先順位>
本発明の機械式駐車装置の運用方法では、優先利用者U2の入出庫操作と非優先利用者U1の入出庫操作とが同時期に行われる際、非優先利用者U1の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいときは優先利用者U2の入出庫操作が優先され、非優先利用者U1の入出庫作業時間が閾値よりも小さいときは非優先利用者U1の入出庫作業が優先されるように運用されることがある。
【0030】
例えば、優先利用者U2が入出庫操作を行った際に、既に、非優先利用者U1が入出庫の操作をしていて、入庫の場合は空きトレーが、出庫の場合は当該非優先利用者U1の車両Mを載置したトレーが、図示しない昇降装置に搭載されて該昇降装置が上昇又は下降しているとき、又は、当該各トレーが、図示しない格納部において、昇降装置の直近まで移動されていて昇降装置に搭載直前となっているときなどは、当該各トレーの入出庫作業の所要時間が、優先利用者U2の入出庫作業の所要時間よりも相当に短い場合がある。このような条件の場合、予め定められた閾値、すなわち、入出庫作業における残りの時間を予め定めておき、優先利用者U2の車両Mの入出庫作業時間と非優先利用者U1の車両Mの入出庫作業時間とを比較するだけでなく、当該閾値よりも非優先利用者U1の車両Mの入出庫作業における残りの時間が小さいときは、非優先利用者U1の車両Mの入出庫作業が優先される。一方、当該非優先利用者U1の入出庫作業における残りの時間が閾値よりも大きいときは、非優先利用者U1の車両Mの入出庫作業が中断され、優先利用者U2の車両Mの入出庫作業が優先される。
【0031】
閾値は、例えば1分等と定めておく。この時間は、機械式駐車装置1の規模又は構造に合わせて適宜設定される。例えば、格納部の平面的な収容台数が多い機械式駐車装置1では、トレーの昇降装置までの移動時間が長くなる傾向にあるため、当該閾値を長めに設定してもよく、また、格納部の平面的な収容台数が少なく、格納部の層数が多い機械式駐車装置1などは、トレーの昇降装置までの移動時間が短くなる傾向にあるため、当該閾値を短めに設定してもよく、また、機械式駐車装置1の循環方式に合わせて閾値を設定してもよい。特に、エレベータ式の機械式駐車装置1の場合は、高層階からの昇降装置の入出庫レベルまでの昇降時間が総じて長くなる傾向にあるため、閾値の時間を昇降装置の昇降に対応する階層を分割して、例えば、7層階や6層階から入出庫レベルまでの昇降時間としてもよい。
【0032】
以下、非優先利用者U1又は優先利用者U2の入出庫操作の順番又は閾値の大小等を考慮した入出庫作業が重なった場合の一例をフローチャートで説明する。ここでは、入庫操作を行うことを「入庫呼び」と、また、出庫操作を行うことを「出庫呼び」として説明する。
【0033】
〔1人目と2人目が非優先利用者の入庫の場合〕
図6は、本発明の一実施形態における2人の非優先利用者U1,U1の入庫時の状態を示すフローチャートであり、1人目と2人目とがともに非優先利用者U1の入庫操作が重なった際を示す。
【0034】
図6に示すように、
(S101)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S102)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コード(以下、「コード」ともいう。)が機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS104へ進み、登録されていないコードと判定されるとS103に進む。
(S103)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S101に戻る。
(S104)また、第1操作盤16Aにて2人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S105)2人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS107へ進み、登録されていないコードと判定されるとS106に進む。
(S106)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S104に戻る。
【0035】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の非優先利用者U1も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。
【0036】
(S107)1人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われると、当該1人目の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、2人目の非優先利用者U1は、車両Mで待機する。また、2人目の非優先利用者U1の車両Mは、図示しない格納部において、1人目の非優先利用者U1の車両M用の空きトレー18が昇降装置に搭載されて移動が開始された後、2人目の非優先利用者U1の車両M用の空きトレー18がある場合は、当該空きトレー18が昇降装置の位置に近づく方向に移動する準備運転がなされる場合がある。
(S108)ドアA14Aが開く。
(S109)1人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアA14Aから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、1人目の非優先利用者U1は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(S110)1人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S111)1人目の非優先利用者U1の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0037】
(S112)続いて、2人目の非優先利用者U1の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、1人目の非優先利用者U1は入出庫室10から離れている。また、1人目の非優先利用者U1の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(S113)ドアA14Aが開く。
(S114)2人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアA14Aから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、2人目の非優先利用者U1は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(S115)2人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S116)2人目の非優先利用者U1の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0038】
このように、1人目の非優先利用者U1と2人目の非優先利用者U1とが同時期に入庫呼びを行った場合は、その入庫呼びの順に入庫作業が行われる。
【0039】
〔1人目の非優先利用者の入庫と2人目の非優先利用者の出庫の場合〕
図7は、本発明の一実施形態における2人の非優先利用者U1、U1の入庫操作と出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0040】
図7に示すように、
(S201)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S202)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS204へ進み、登録されていないコードと判定されるとS203に進む。
(S203)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S201に戻る。
(S204)また、第1操作盤16Aにて2人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(S205)2人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS207へ進み、登録されていないコードと判定されるとS206に進む。
(S206)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S204に戻る。
【0041】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の非優先利用者U1も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。
【0042】
(S207)1人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われると、当該1人目の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、2人目の非優先利用者U1は、車両Mで待機する。また、2人目の非優先利用者U1の車両Mは、図示しない格納部において、1人目の非優先利用者U1の車両M用の空きトレー18が昇降装置に搭載されて移動が開始された後、2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18が昇降装置の位置に近づく方向に移動する準備運転がなされる場合がある。
(S208)ドアA14Aが開く。
(S209)1人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアA14Aから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、1人目の非優先利用者U1は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(S210)1人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S211)1人目の非優先利用者U1の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0043】
(S212)続いて、2人目の非優先利用者U1の車両Mを出庫させるため、当該車両Mが載置されたトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、1人目の非優先利用者U1は入出庫室10から離れている。また、1人目の非優先利用者U1の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(S213)ドアA14Aが開く。ここで、2人目の非優先利用者U1がドアA14Aから入出庫室10に入室すると、ドアB14Bが開き、ドアA14Aが閉まる。
(S214)2人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10を出庫する。このとき、入出庫室10内のドアB14Bの側に設けられた図示しない出庫案内装置により、「前進で出庫して下さい」との表示及び音声案内が流れ、2人目の非優先利用者U1に、ドアB14Bからの出庫が促される。すなわち、優先利用者U2が居ないことから、通り抜け状態で非優先利用者U1の車両Mは優先利用者側車路12Bの側に出庫する。この場合、非優先利用者U1と優先利用者U2は出会うことがない(図2参照)。
(S215)2人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(S216)2人目の非優先利用者U1の車両Mが出庫したあとは、空きトレー18となったトレー18は入出庫室10の入出庫レベルに着床したまま、機械動作が完了される。
【0044】
このように、1人目の非優先利用者U1の入庫呼びと2人目の非優先利用者U1の出庫呼びとが同時期に行われる場合は、その入庫呼びと出庫呼びの順に入出庫作業が行われ、優先利用者U2の入庫呼び又は出庫呼びがないため、非優先利用者U1の車両Mは優先利用者側車路12Bに出庫することができる。
【0045】
〔1人目の非優先利用者の入庫と2人目が優先利用者の入庫の場合〕
図8は、本発明の一実施形態における非優先利用者U1の入庫操作と優先利用者U2の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0046】
図8に示すように、
(S301)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S302)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS304へ進み、登録されていないコードと判定されるとS303に進む。
(S303)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S301に戻る。
(S304)次に、第2操作盤16Bにて2人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(S305)2人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS307へ進み、登録されていないコードと判定されるとS306に進む。
(S306)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S304に戻る。
【0047】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の優先利用者U2も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mの入庫作業時間が上記予め定められた閾値よりも大きい場合を想定して説明する。
【0048】
(S307)1人目の非優先利用者U1の入庫呼びによる入庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいため、2人目の優先利用者U2の入庫呼びが優先され、1人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aで待機する。この間、2人目の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する(図3参照)。
(S308)ドアB14Bが開く。
(S309)2人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、2人目の優先利用者U2は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(S310)2人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(S311)2人目の優先利用者U2の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0049】
(S312)続いて、1人目の非優先利用者U1の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、2人目の優先利用者U2は入出庫室10から離れている。また、2人目の優先利用者U2の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(S313)ドアA14Aが開く。
(S314)ここで、1人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアA14Aから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、1人目の非優先利用者U1は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(S315)1人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S316)1人目の非優先利用者U1の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0050】
このように、1人目の非優先利用者U1の入庫呼びと2人目の優先利用者U2の入庫呼びとが同時期に行われる場合は、1人目の非優先利用者U1の車両Mのための入庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きい場合は、2人目の優先利用者U2の入庫作業が優先され、1人目の非優先利用者U1の入庫作業よりも先に実行される。
【0051】
〔1人目の非優先利用者の入庫と2人目が優先利用者の出庫の場合〕
図9は、本発明の一実施形態における1人目の非優先利用者U1の入庫操作と2人目の優先利用者U2の出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0052】
図9に示すように、
(S401)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S402)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS404へ進み、登録されていないコードと判定されるとS403に進む。
(S403)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S401に戻る。
(S404)次に、第2操作盤16Bにて2人目の優先利用者U2の出庫呼びが行われ、
(S405)2人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS407へ進み、登録されていないコードと判定されるとS406に進む。
(S406)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S404に戻る。
【0053】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の優先利用者U2も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mの入庫作業時間が前記予め定められた閾値よりも大きい場合を想定して説明する。
【0054】
(S407)1人目の非優先利用者U1の入庫呼びによる入庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいため、2人目の優先利用者U2の出庫呼びが優先され、1人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aで待機する。この間、2人目の車両Mを出庫させるため、当該車両Mを載置したトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない格納部から昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。
(S408)ドアB14Bが開く。
(S409)2人目の優先利用者U2が入出庫室10内に入室し車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10を出庫する。
(S410)2人目の優先利用者U2は、一旦車両Mを降り、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。2人目の優先利用者U2は、再度車両Mに乗り込み、優先利用者側車路12Bから出庫する。
【0055】
(S411)2人目の優先利用者U2の車両Mが出庫すると、2人目の優先利用者U2の車両Mが載置されていたトレー18は空きトレー18となるため、次の入庫が可能となり、本実施形態では、1人目の非優先利用者U1の入庫のためにドアA14Aが開く。
(S412)1人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内に準備された空きトレー18に車両Mを入庫させ、車両Mから降車して入出庫室10を退室する。
(S413)退室した1人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って、第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S414)1人目の非優先利用者U1の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0056】
このように、1人目の非優先利用者U1の入庫呼びと2人目の優先利用者U2の出庫呼びとが同時期に行われる場合は、1人目の非優先利用者U1の車両Mのための入庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きい場合は、2人目の優先利用者U2の出庫作業が優先され、1人目の非優先利用者U1の入庫作業よりも先に実行される。
【0057】
〔1人目の非優先利用者の出庫と2人目の非優先利用者の入庫の場合〕
本発明の一実施形態における1人目の非優先利用者U1の出庫操作と2人目の非優先利用者U1の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0058】
図10に示すように、
(S501)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(S502)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS504へ進み、登録されていないコードと判定されるとS503に進む。
(S503)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S501に戻る。
(S504)次に、第1操作盤16Aにて2人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S505)2人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS507へ進み、登録されていないコードと判定されるとS506に進む。
(S506)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S504に戻る。
【0059】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の非優先利用者U1も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、2人目の非優先利用者U1の車両Mの出庫作業時間が前記予め定められた閾値よりも大きい場合を想定して説明する。なお、ここでは、第2操作盤16Bでの優先利用者U2の入庫呼び又は出庫呼びは無い状態を想定する。
【0060】
(S507)2人目の非優先利用者U1の入庫呼びによる入庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいため、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが優先され、2人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aで待機する。この間、2人目の車両M用の空きトレー18を呼び出す機械動作が行われる場合があり、この場合、当該空きトレー18が図示しない格納部において、昇降装置に近づく方向に移動する機械動作が並行して行われることがある。
(S508)ドアA14Aが開き、1人目の非優先利用者U1が入出庫室10に入室すると、ドアA14Aが閉じてドアB14Bが開く。これは、優先利用者U1の入手庫操作が行われていない状態であるので、非優先利用者U1が優先利用者側車路12Bの側に出庫できるためである。
(S509)1人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10を出庫する。
(S510)1人目の非優先利用者U1は、一旦車両Mを降り、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。1人目の非優先利用者U1は、再度車両Mに乗り込み、優先利用者側車路12Bから出庫する。
【0061】
(S511)1人目の非優先利用者U1の車両Mが出庫すると、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18は空きトレー18となるため、次の入庫が可能となり、本実施形態では、2人目の非優先利用者U1の入庫のためにドアA14Aが開く。
(S512)2人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内に準備された空きトレー18に車両Mを入庫させ、車両Mから降車して入出庫室10を退室する。
(S513)退室した2人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って、第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S514)1人目の非優先利用者U1の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0062】
このように、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びと2人目の非優先利用者U1の入庫呼びとが同時期に行われる場合は、2人目の非優先利用者U1の車両Mのための入庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きい場合は、1人目の非優先利用者U1の出庫作業が優先され、2人目の非優先利用者U1の入庫作業よりも先に実行される。
【0063】
〔1人目の非優先利用者の出庫と2人目の非優先利用者の出庫の場合〕
本発明の一実施形態における1人目の非優先利用者U1の出庫操作と2人目の非優先利用者U1の出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0064】
図11に示すように、
(S601)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(S602)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS604へ進み、登録されていないコードと判定されるとS603に進む。
(S603)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S601に戻る。
(S604)次に、第1操作盤16Aにて2人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(S605)2人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS607へ進み、登録されていないコードと判定されるとS606に進む。
(S606)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S604に戻る。
【0065】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の非優先利用者U1も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、2人目の非優先利用者U1の車両Mの出庫作業時間が前記予め定められた閾値よりも大きい場合を想定して説明する。なお、ここでは、第2操作盤16Bでの優先利用者U2の入庫呼び又は出庫呼びは無い状態を想定する。
【0066】
(S607)2人目の非優先利用者U1の出庫呼びによる出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいため、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが優先され、2人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aで待機する。この間、2人目の車両Mが載置されているトレー18を呼び出す機械動作が行われる場合があり、この場合、当該トレー18が図示しない格納部において、昇降装置に近づく方向に移動する機械動作が並行して行われることがある。
(S608)1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18が入出庫室10の乗込レベルに着床するとドアA14Aが開く。1人目の非優先利用者U1が入出庫室10に入室すると、ドアA14Aが閉じてドアB14Bが開く。
(S609)1人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10を出庫する。これは、優先利用者U2の入出庫操作が行われていない状態であるので、非優先利用者U1が優先利用者側車路12Bの側に出庫できるためである。
(S610)1人目の非優先利用者U1は、一旦車両Mを降り、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。1人目の非優先利用者U1は、再度車両Mに乗り込み、優先利用者側車路12Bから出庫する。
(S611)1人目の非優先利用者U1の車両Mが出庫すると、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18は空きトレー18となるため、当該空きトレー18は昇降装置によって格納部に移動される。
【0067】
(S612)次に、2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18が格納部から昇降装置によって入出庫室10の乗込レベルに着床する機械動作がなされる。
(S613)ドアA14Aが開き、1人目の非優先利用者U1が入出庫室10に入室するとドアA14Aが閉まり、ドアB14Bが開く。
(S614)2人目の非優先利用者U1は車両Mに乗り込んで、ドアB14Bから出庫する。
(S615)2人目の非優先利用者U1は、一旦車両Mを降り、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。2人目の非優先利用者U1は、再度車両Mに乗り込み、優先利用者側車路12Bから出庫する。
(S616)出庫後は、2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18が空きトレー18となるため、当該空きトレー18は、入出庫室10の乗込レベルに待機して機械動作が完了される。
【0068】
このように、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びと2人目の非優先利用者U1の出庫呼びとが同時期に行われる場合は、2人目の非優先利用者U1の車両Mのための出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きい場合は、1人目の非優先利用者U1の出庫作業が優先され、2人目の非優先利用者U1の出庫作業よりも先に実行される。
【0069】
〔1人目の非優先利用者の出庫と2人目の優先利用者の入庫で優先利用者が先の場合〕
図12は、本発明の一実施形態における非優先利用者U1の出庫操作と優先利用者U2の入庫操作とが重なり、優先利用者U2の入庫作業が先の場合の状態を示すフローチャートである。
【0070】
図12に示すとおり、
(S701)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(S702)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS704へ進み、登録されていないコードと判定されるとS703に進む。
(S703)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S701に戻る。
(S704)次に、第2操作盤16Bにて2人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(S705)2人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS707へ進み、登録されていないコードと判定されるとS706に進む。
(S706)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S704に戻る。
【0071】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の優先利用者U2も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mの出庫作業時間が上記予め定められた閾値よりも大きい場合を想定して説明する。
【0072】
(S707)1人目の非優先利用者U1の出庫呼びによる出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいため、2人目の優先利用者U2の入庫呼びが優先され、1人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aで待機する。この間、2人目の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する(図3参照)。
(S708)ドアB14Bが開く。
(S709)2人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、2人目の優先利用者U2は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(S710)2人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(S711)2人目の優先利用者U2の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0073】
(S712)続いて、1人目の非優先利用者U1の車両Mを出庫させるため、当該車両Mが載置されたトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10の乗込レベルに着床する。この場合、2人目の優先利用者U2は入出庫室10から既に離れている。また、2人目の優先利用者U2の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(S713)ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mを非優先利用者側車路12Aの側に出庫させるため、内蔵ターンテーブル18Aが180度旋回して、車両Mのフロント側をドアA14Aの側に向ける(図5を参照)。
(S714)ドアA14Aが開く。
(S715)ここで、1人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、入出庫室10内からドアA14Aを通って車両Mを出庫させる。
(S716)1人目の非優先利用者U1は、一旦車両Mから降車し、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(S717)出庫後は、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18が空きトレー18となるため、当該空きトレー18は、入出庫室10の乗込レベルに待機して機械動作が完了される。
【0074】
このように、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びと2人目の優先利用者U2の入庫呼びとが同時期に行われる場合、1人目の非優先利用者U1の車両Mのための出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きい場合は、2人目の優先利用者U2の入庫作業が優先され、1人目の非優先利用者U1の出庫作業よりも先に実行される。なお、この入出庫パターンでは、1人目の非優先利用者U1の出庫時には、先に行われた2人目の優先利用者U2の入庫が終了していて2人目の優先利用者U2が優先利用者側車路12Bから離れているため、内蔵ターンテーブル18Aを旋回させずに、1人目の非優先利用者U1がドアA14Aから入出庫室10に入室して車両Mに乗車し、ドアB14Bの側から出庫するように制御してもよい。このようにしても、非優先利用者U1と優先利用者U2とが出会うことは無い。なお、ドアA14Aから入出庫室10に入室してドアB14Bの側から出庫する方法は図14の説明にて後述する。
【0075】
〔1人目の非優先利用者の出庫と2人目の優先利用者の入庫で優先利用者が後の場合〕
図13は、本発明の一実施形態における非優先利用者U1の出庫操作と優先利用者U2の入庫操作とが重なり、優先利用者U2の入庫作業が後の場合の状態を示すフローチャートである。
【0076】
図13に示すとおり、
(S801)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(S802)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS804へ進み、登録されていないコードと判定されるとS803に進む。
(S803)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S801に戻る。
(S804)次に、第2操作盤16Bにて2人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(S805)2人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS807へ進み、登録されていないコードと判定されるとS806に進む。
(S806)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S804に戻る。
【0077】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の優先利用者U2も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mの出庫作業時間が上記予め定められた閾値よりも小さい場合を想定して説明する。
【0078】
(S807)1人目の非優先利用者U1の出庫呼びによる出庫作業時間が予め定められた閾値よりも小さい、すなわち、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18が昇降装置に搭載されて移動中であるか、又は、当該トレー18が入出庫室10の乗込レベルに着床したかの時点を想定する。このような場合は、優先利用者U2の入出庫呼びが受け付けられていても、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18の機械動作を優先した方が、結果として、2人目の優先利用者U2の入出庫作業時間が短くなるためである。したがって、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが優先され、2人目の優先利用者U2は優先利用者側車路12Bで待機する。この間、2人目の優先利用者U2の車両Mを入庫させるための空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に近づく方向に準備運転が行われる場合がある。
(S808)ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mを非優先利用者側車路12Aの側に出庫させるため、内蔵ターンテーブル18Aが180度旋回して、車両Mのフロント側をドアA14Aの側に向ける(図5を参照)。
(S809)ドアA14Aが開く。
(S810)1人目の非優先利用者U1がドアA14Aから入出庫室10内に入室し、車両Mを出庫させる。
(S811)そして、1人目の非優先利用者U1は一旦車両Mから降車し、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。出庫後のトレー18は空きトレー18となるため、入出庫室10の乗込レベルに停止したままである。
【0079】
(S812)1人目の非優先利用者U1の車両Mが出庫すると、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18は空きトレー18となるため、次の入庫が可能となり、本実施形態では、2人目の優先利用者U2の入庫のためにドアB14Bが開く。
(S813)2人目の優先利用者U2は、入出庫室10内に準備された空きトレー18に車両Mを入庫させ、車両Mから降車して入出庫室10を退室する。
(S814)退室した2人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って、第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(S815)2人目の優先利用者U2の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0080】
このように、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びと2人目の優先利用者U2の入庫呼びとが同時期に行われる場合で、1人目の非優先利用者U1の車両Mのための出庫作業時間が予め定められた閾値よりも小さい場合は、1人目の非優先利用者U1の出庫作業が優先され、2人目の優先利用者U2の入庫作業よりも先に実行される。
【0081】
〔1人目の非優先利用者の出庫と2人目の優先利用者の出庫で優先利用者が先の場合〕
図14は、本発明の一実施形態における非優先利用者U1の出庫操作と優先利用者U2の出庫操作とが重なり、優先利用者U2の出庫作業が先の状態を示すフローチャートである。
【0082】
図14に示すように、
(S901)第1操作盤16Aにて1人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(S902)1人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS904へ進み、登録されていないコードと判定されるとS903に進む。
(S903)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S901に戻る。
(S904)次に、第2操作盤16Bにて2人目の優先利用者U2の出庫呼びが行われ、
(S905)2人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとS907へ進み、登録されていないコードと判定されるとS906に進む。
(S906)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、S904に戻る。
【0083】
ここで、1人目の非優先利用者U1も2人目の優先利用者U2も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、ここでは、1人目の非優先利用者U1の車両Mの出庫作業時間が前記予め定められた閾値よりも大きい場合を想定して説明する。
【0084】
2人目の優先利用者U2の出庫呼びによる出庫作業時間が予め定められた閾値よりも小さいため、2人目の優先利用者U2の出庫呼びが優先され、1人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aで待機する。この間、1人目の車両Mが載置されているトレー18を呼び出す機械動作が行われる場合があり、この場合、当該トレー18が図示しない格納部において、昇降装置に近づく方向に移動する機械動作が並行して行われることがある。
(S907)2人目の優先利用者U2の車両Mが載置されたトレー18が入出庫室10の乗込レベルに着床すると、内蔵ターンテーブルが旋回して車両Mのフロント側をドアB14Bの側に向ける。
(S908)ドアB14Bが開く。
(S909)2人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10を優先利用者側車路12Bの側に出庫する。
(S910)2人目の優先利用者U2は、一旦車両Mを降り、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(S911)2人目の優先利用者U2の車両Mが出庫すると、2人目の優先利用者U2の車両Mが載置されていたトレー18は空きトレー18となるため、当該空きトレー18は昇降装置によって格納部に移動される。
【0085】
(S912)次に、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18が格納部から昇降装置によって入出庫室10の乗込レベルに着床する機械動作がなされる。
(S913)ドアA14Aが開き、1人目の非優先利用者U1が入出庫室10に入室するとドアA14Aが閉まり、ドアB14Bが開く。
(S914)1人目の非優先利用者U1は車両Mに乗り込んで、ドアB14Bから出庫する。
(S915)1人目の非優先利用者U1は、一旦車両Mを降り、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(S916)出庫後は、1人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18が空きトレー18となるため、当該空きトレー18は、入出庫室10の乗込レベルに待機して機械動作が完了される。
【0086】
このように、1人目の非優先利用者U1の出庫呼びと2人目の優先利用者U2の出庫呼びとが同時期に行われる場合は、1人目の非優先利用者U1の車両Mのための出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きい場合は、2人目の優先利用者U2の出庫作業が優先され、1人目の非優先利用者U1の出庫作業よりも先に実行される。
【0087】
〔1人目の優先利用者の入庫と2人目の非優先利用者の入庫の場合〕
図15は、本発明の一実施形態における優先利用者U2の入庫操作と非優先利用者U1の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0088】
図15に示すように、
(SA01)第2操作盤16Bにて1人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(SA02)1人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとSA04へ進み、登録されていないコードと判定されるとSA03に進む。
(SA03)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、SA01に戻る。
(SA04)また、第1操作盤16Aにて2人目の非優先利用者U1の入庫呼びが行われ、
(SA05)2人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとSA07へ進み、登録されていないコードと判定されるとSA06に進む。
(SA06)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、SA04に戻る。
【0089】
ここで、1人目の優先利用者U2も2人目の非優先利用者U1も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、2人目の非優先利用者U1の入庫作業時間が閾値より大きいため1人目の優先利用者U2の入庫作業が優先されることを想定して説明する。
【0090】
(SA07)1人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われると、当該1人目の優先利用者U2の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、2人目の非優先利用者U1は、車両Mで待機する。また、2人目の非優先利用者U1の車両M用の空きトレー18は、図示しない格納部において、1人目の優先利用者U2の車両M用の空きトレー18が昇降装置に搭載されて移動が開始された後、2人目の非優先利用者U1の車両M用の空きトレー18が昇降装置の位置に近づく方向に移動する準備運転がなされる場合がある。
(SA08)ドアB14Bが開く。
(SA09)1人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、1人目の優先利用者U2は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(SA10)1人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(SA11)1人目の優先利用者U2の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0091】
(SA12)続いて、2人目の非優先利用者U1の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、1人目の優先利用者U2は入出庫室10から離れている。また、1人目の優先利用者U2の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(SA13)ドアA14Aが開く。
(SA14)2人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアA14Aから入出庫室10に入庫する。(図5参照)。
(SA15)2人目の非優先利用者U1は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(SA16)2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18は、昇降装置に搭載されたまま格納部に移動され、格納部に格納される。なお、当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0092】
このように、1人目の優先利用者U2の入庫呼びと2人目の非優先利用者U1の入庫呼びとが同時期に行われる場合は、優先利用者側車路12Bの側において1人目の優先利用者U2の入庫が優先され、2人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aの側で待機するため、優先利用者U2と非優先利用者U1とは出会うことがなく、優先利用者U2の入庫作業が優先される。
【0093】
〔1人目の優先利用者の入庫と2人目の非優先利用者の出庫の場合〕
図16は、本発明の一実施形態における優先利用者U2の入庫操作と非優先利用者U1の出庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0094】
図16に示すように、
(SB01)第2操作盤16Bにて1人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(SB02)1人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとSB04へ進み、登録されていないコードと判定されるとSB03に進む。
(SB03)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、SB01に戻る。
(SB04)また、第1操作盤16Aにて2人目の非優先利用者U1の出庫呼びが行われ、
(SB05)2人目の非優先利用者U1が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとSA07へ進み、登録されていないコードと判定されるとSA06に進む。
(SA06)認証媒体を第1操作盤16Aの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、SB04に戻る。
【0095】
ここで、1人目の優先利用者U2も2人目の非優先利用者U1も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、2人目の非優先利用者U1の出庫作業時間が閾値より大きいため1人目の優先利用者U2の入庫作業が優先されることを想定して説明する。
【0096】
(SB07)1人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われると、当該1人目の優先利用者U2の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、2人目の非優先利用者U1は、非優先利用者側車路12Aで待機する。また、2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18は、図示しない格納部において、1人目の優先利用者U2の車両M用の空きトレー18が昇降装置に搭載されて移動が開始された後、昇降装置の位置に近づく方向に移動する準備運転がなされる場合がある。
(SB08)ドアB14Bが開く。
(SB09)1人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、1人目の優先利用者U2は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(SB10)1人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(SB11)1人目の優先利用者U2の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0097】
(SB12)続いて、2人目の非優先利用者U1の車両Mを出庫させるため、当該車両Mが載置されたトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床し、2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されたトレー18が内蔵ターンテーブル18Aの180度旋回動作によって当該車両Mのフロント側がドアA14Aの側を向く。この場合、1人目の優先利用者U2は入出庫室10から離れている。また、1人目の優先利用者U2の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(SB13)ドアA14Aが開く。
(SB14)2人目の非優先利用者U1が車両Mに乗り込み、ドアA14Aから入出庫室10を出庫する。(図5参照)。
(SB15)2人目の非優先利用者U1は、一旦車両Mから降車し、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第1操作盤16Aにてドア閉ボタンを操作してドアA14Aを閉める。
(SB16)出庫後は、2人目の非優先利用者U1の車両Mが載置されていたトレー18が空きトレー18となるため、当該空きトレー18は、入出庫室10の乗込レベルに待機して機械動作が完了される。
【0098】
このように、1人目の優先利用者U2の入庫呼びと2人目の非優先利用者U1の出庫呼びとが同時期に行われる場合は、優先利用者側車路12Bの側において1人目の優先利用者U2の入庫が優先され、2人目の非優先利用者U1は非優先利用者側車路12Aの側で待機するため、優先利用者U2と非優先利用者U1とは出会うことがなく、優先利用者U2の入庫作業が優先される。
【0099】
一方、2人目の非優先利用者U1の出庫作業時間が閾値より小さいときの説明をする。この場合、1人目の優先利用者U2の入庫作業を待ちの状態にし、2人目の非優先利用者U1の出庫が優先されることを想定して説明する。なお、この場合は、図16のステップSB13~SB15の「ドアA」は「ドアB」と読み替える。
【0100】
図4に示すように、2人目の非優先利用者U1の出庫作業を優先する場合、1人目の優先利用者U2は、優先利用者側車路12Bの床面に表示された停止線22の位置で車両Mを待機させる。このとき、第2操作盤16Bの近傍に設置され、優先利用者U2の車両Mから見える方向に「出庫操作中」と表示する案内灯24を優先利用者U2が視認している。
【0101】
非優先利用者U1がドアA14Aから入出庫室10に入室すると、ドアA14Aが閉まりドアB14Bが開く。そして、非優先利用者U1は車両Mに乗車してドアB14Bから出庫する。非優先利用者U1は、一旦車両Mから降車し、第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉め、再度車両Mに乗車して優先利用者側車路12Bを出庫する。このとき、優先利用者U2は、出庫する車両Mが他の優先利用者U2の車両Mか非優先利用者U1の車両Mかを判別できないことから、非優先利用者U1が出庫したことを把握することはない。
【0102】
案内灯24は、「出庫操作中」から「入庫OK」の表示に変わり、優先利用者U2が第2操作盤16Bにて入庫操作を行い、車両MをドアB14Bから入出庫室10に入庫する。この場合、入出庫室10には、先に出庫した際の空きトレー18が待機しているため、ドアB14Bは時間を置かずに開く。
【0103】
このように、2人目の非優先利用者U1の出庫作業時間が閾値より小さいときは、1人目の優先利用者U2の入庫作業を待ちの状態にし、2人目の非優先利用者U1の出庫が優先されることがある。これにより、機械式駐車装置1の全体の入出庫作業時間を短縮することができる。
【0104】
〔1人目の優先利用者の入庫と2人目の優先利用者の入庫の場合〕
図17は、本発明の一実施形態における1人目の優先利用者U2の入庫操作と2人目の優先利用者U2の入庫操作とが重なった時の状態を示すフローチャートである。
【0105】
図17に示すように、
(SC01)第2操作盤16Bにて1人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(SC02)1人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されている認証コードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとSC04へ進み、登録されていないコードと判定されるとSC03に進む。
(SC03)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、SC01に戻る。
(SC04)また次に、第2操作盤16Bにて2人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われ、
(SC05)2人目の優先利用者U2が所持する認証媒体に格納されているコードが機械式駐車装置1に登録されているかの判定が行われる。登録されたコードと判定されるとSC07へ進み、登録されていないコードと判定されるとSC06に進む。
(SC06)認証媒体を第2操作盤16Bの読取部にかざすか、暗証番号をテンキーに入力するか等を行った際に、当該コードが機械式駐車装置1に登録されていないと、非登録者表示として、「認証コードが登録されていません」等の表示がなされ、SC04に戻る。
【0106】
ここで、1人目の優先利用者U2も2人目の優先利用者U2も機械式駐車装置1の登録者であると判定されたことを前提に機械動作の内容を説明する。また、2人目の優先利用者U2の入庫作業時間が閾値より大きいため1人目の優先利用者U2の入庫作業が優先されることを想定して説明する。
【0107】
(SC07)1人目の優先利用者U2の入庫呼びが行われると、当該1人目の優先利用者U2の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、空きトレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、2人目の優先利用者U2は、優先利用者側車路12Bに停車している車両Mで待機する。また、2人目の優先利用者U2の車両M用の空きトレー18は、図示しない格納部において、1人目の優先利用者U2の車両M用の空きトレー18が昇降装置に搭載されて移動が開始された後、昇降装置の位置に近づく方向に移動する準備運転がなされる場合がある。
(SC08)ドアB14Bが開く。
(SC09)1人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる。そして、1人目の優先利用者U2は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(SC10)1人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(SC11)1人目の優先利用者U2の入庫した車両Mは、昇降装置によって格納部に移動され、格納部に格納される。
【0108】
(SC12)続いて、2人目の優先利用者U2の車両Mを入庫させるため、空きトレー18を入出庫室10に呼び出す機械動作が行われ、当該トレー18が図示しない昇降装置に搭載されて移動して入出庫室10に着床する。この場合、1人目の優先利用者U2は入出庫室10から離れている。また、1人目の優先利用者U2の車両Mを載置したトレー18は、格納された格納部において、昇降装置の位置から離れる方向に移動する格納運転がなされる場合がある。
(SC13)ドアB14Bが開く。
(SC14)2人目の優先利用者U2が車両Mに乗り込み、ドアB14Bから入出庫室10内に車両Mを入庫させる(図3参照)。そして、2人目の優先利用者U2は車両Mから降車し、入出庫室10から退出する。
(SC15)2人目の優先利用者U2は、入出庫室10内の無人確認及び安全確認を行って第2操作盤16Bにてドア閉ボタンを操作してドアB14Bを閉める。
(SC16)2人目の優先利用者U2の車両Mが載置されたトレー18は、昇降装置に搭載されたまま格納部に移動され、格納部に格納される。なお、当該車両Mを格納部に格納すると格納部が満車状態になる場合は、当該車両Mは格納部に格納されず、入出庫室10に待機して機械動作が完了する。一方、当該車両Mを格納部に格納しても格納部が満車状態にならない場合は、上記のとおり当該車両Mを格納部に格納し、格納部に位置する空きトレーを入出庫室10に移動して着床後に機械動作が完了される。
【0109】
このように、1人目の優先利用者U2の入庫呼びと2人目の優先利用者U2の入庫呼びとが同時期に行われる場合は、優先利用者側車路12Bの側において1人目の優先利用者U2の入庫が優先され、2人目の優先利用者U2は優先利用者側車路12Bの側で待機し、1人目、2人目の順に車両Mを入庫させる。
【0110】
以上、詳述したとおり、本発明は、車両Mが一方で入出庫するドアA14Aと、ドアA14Aに対向して他方で車両が入出庫するドアB14Bと、を有する入出庫室10と、ドアA14Aに連続する非優先利用者側車路12Aに面して設置され、非優先利用者U1が操作する第1操作盤16Aと、ドアB14Bに連続する優先利用者側車路12Bに面して設置され、優先利用者U2が操作する第2操作盤16Bと、非優先利用者側車路12Aと優先利用者側車路12Bとは、非優先利用者U1と優先利用者U2とが互いに会わないように区分けされた機械式駐車装置の運用方法であって、非優先利用者U1の車両Mは、ドアA14Aでの入出庫、又は、ドアA14Aから入庫してドアB14Bから出庫し、優先利用者U2の車両Mは、ドアB14Bで入出庫を行う。
【0111】
これにより、非優先利用者U1と優先利用者U2とが互いに会うことがなく、それぞれ個別に設置された操作盤(第1操作盤16A、第2操作盤16B)で操作をすることができ、優先利用者U2の入出庫作業が優先されていても非優先利用者U1に知られることなく、機械式駐車装置を効率よく運用することができる。
【0112】
また、本発明の機械式駐車装置の運用方法は、非優先利用者U1の出庫操作が優先利用者U2の入出庫操作よりも早いときは、非優先利用者U1の車両MをドアB14Bの側に出庫させる。
【0113】
これにより、非優先利用者U1の車両MをドアB14Bの側に通り抜け方式で出庫させることができ、出庫作業時間を短縮することができる。
【0114】
また、本発明の機械式駐車装置の運用方法は、優先利用者U2の入出庫操作と非優先利用者U1の入出庫操作とが同時期に行われる際、非優先利用者U1の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいときは優先利用者U2の入出庫操作が優先され、非優先利用者U1の入出庫作業時間が閾値よりも小さいときは非優先利用者U1の入出庫作業が優先される。
【0115】
これにより、非優先利用者U1の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも小さいときは非優先利用者U1の入出庫作業を優先することにより、非優先利用者U1の車両Mの入出庫作業時に当該車両Mを格納部に戻す必要がなくなり、機械式駐車装置1を効率よく運用することができ、機械式駐車装置1の全体の入出庫作業時間の短縮を図ることができる。
【0116】
また、本発明の機械式駐車装置の運用方法は、優先利用者U2の入出庫操作が開始された際、非優先利用者U1の入出庫作業時間が閾値よりも小さい場合、優先利用者U2に対して、優先利用者側車路12Bに設けられる案内灯24により、他の車両Mの利用者が出庫操作中であることを通知する。
【0117】
これにより、優先利用者U2に対して、入出庫室10において出庫作業が行われていることを容易に通知することができ、優先利用者U2は安心して出庫作業の終了を待つことができる。
【0118】
本発明では、様々なパターンの入出庫が行われるが、入出庫室10にはドアA14Aとこれに対向する位置のドアB14Bとが設けられ、ドアA14A側は非優先利用者側車路12Aとされ、ドアB14B側は優先利用者側車路12Bとされてそれぞれ独立した車路とされていることから、非優先利用者U1と優先利用者U2とが互いに会わないように区分けされた機械式駐車装置の運用方法とされている。これにより、優先利用者U2の入出庫作業を優先しても、優先利用者U2と非優先利用者U1とが出会わない操作方法を取り得るため、非優先利用者U1の入出庫時間が多少長くなっても、これが優先利用者U2の入出庫作業の影響であることを知ることがない。
【0119】
また、優先利用者U2の入出庫操作と非優先利用者U1の入出庫操作とが同時期に行われる際、非優先利用者U1の入出庫作業時間が予め定められた閾値よりも大きいときは優先利用者U2の入出庫操作が優先され、非優先利用者U1の入出庫作業時間が閾値よりも小さいときは非優先利用者U1の入出庫作業が優先される運用方法とされていることから、短時間で入出庫が完了する場合を制御装置が判断して機械動作を行うため、機械式駐車装置の全体の入出庫作業時間の短縮を図ることができる。
【0120】
また、本実施形態では、車両Mの出庫時に関し、ドア閉ボタンを操作してドアA14A又はドアB14Bを閉めると説明したが、これに限らず、各種撮像装置や各種センサ等を用いた出庫確認のシステムを入出庫室10に構成して、無人確認、安全確認、ドア閉動作の各種制御を行うことによって、入出庫室10を出庫した車両Mから非優先利用者U1又は優先利用者U2が降車せずにドアA14A又はドアBドアB14Bを自動で閉めるようにしてもよい。
【0121】
以上、本発明における入出庫パターンの一例を列挙したが、これ以外の入出庫パターンも、本発明が意図する技術的範囲に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0122】
1 機械式駐車装置
10 入出庫室
10A 床
10B 開口
12A 非優先利用者側車路(第1車路の一例)
12B 優先利用者側車路(第2車路の一例)
14A ドアA(第1扉の一例)
14B ドアB(第2扉の一例)
16A 第1操作盤(非優先利用者用操作盤の一例)
16B 第2操作盤(優先利用者用操作盤の一例)
18 トレー、空きトレー
18A 内蔵ターンテーブル
18B 回転軌跡
20 外部ターンテーブル
22 停止線
24 案内灯
M 車両
U1 非優先利用者
U2 優先利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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