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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018586
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】加熱調理システム及び加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20250130BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
F24C3/12 E
H05B6/12 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122427
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151CA61
3K151CA63
(57)【要約】
【課題】調理レシピに対応する自動加熱調理を実行するときのユーザの使い勝手を向上する。
【解決手段】加熱調理器1は、加熱部10aと、外部端末50と通信を行う調理器側通信部47と、外部端末50から送信される調理条件データに基づいて加熱部10aを制御する加熱制御部45と、外部端末50の端末側表示部51に表示される調理レシピに関する加熱調理器1への指示を入力する調理器側操作部13とを有する。端末側操作部51でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部13でのユーザの操作によって、外部端末50の端末側表示部51に表示される調理レシピに関する加熱調理器1への指示が実行される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備える加熱調理システムであって、
外部端末は、
加熱調理器と通信を行う端末側通信部と、
調理レシピを表示する端末側表示部と、
調理レシピに対応する調理条件データ及び表示画像データを含む調理レシピデータを記憶する端末側記憶部と、
端末側表示部で表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を入力する端末側操作部と、を有し、
加熱調理器は、
加熱部と、
外部端末と通信を行う調理器側通信部と、
外部端末から送信される調理条件データに基づいて加熱部を制御する加熱制御部と、
外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を入力する調理器側操作部と、を有し、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理システムにおいて、
外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示は、加熱調理開始前の調理レシピに関する加熱調理器への指示または加熱調理中の調理レシピに関する加熱調理器への指示を含む加熱調理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理システムにおいて、
外部端末の端末側操作部には、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する表示画像の変更が入力され、
加熱調理器の調理器側操作部には、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する表示画像の変更が入力され、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の変更を実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱調理システムにおいて、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行すると、外部端末の端末側表示部に表示される加熱調理器への指示の表示画像の変更を実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項5】
請求項3に記載の加熱調理システムにおいて、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像のスクロールを実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項6】
請求項3に記載の加熱調理システムにおいて、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の自動送りを実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項7】
請求項3に記載の加熱調理システムにおいて、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の拡大または縮小を実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項8】
請求項3に記載の加熱調理システムにおいて、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する動画の再生を実行するように構成されている加熱調理システム。
【請求項9】
外部端末と通信可能に接続される加熱調理器であって、
加熱部と、
外部端末と通信を行う調理器側通信部と、
外部端末から送信される調理条件データに基づいて加熱部を制御する加熱制御部と、
外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を入力する調理器側操作部と、を有し、
調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行する指示情報を外部端末に送信する加熱調理器。
【請求項10】
請求項9に記載の加熱調理器において、
調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の変更を実行する指示情報を外部端末に送信する加熱調理器。
【請求項11】
請求項10に記載の加熱調理器において、
調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示及び外部端末の端末側表示部に表示される加熱調理器への指示の表示画像の変更を実行する指示情報を外部端末に送信する加熱調理器。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理システム及びそれを構成する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの外部端末と加熱調理器との間で通信を行い、外部端末で選択された調理レシピに対応する調理条件データを外部端末から加熱調理器に送信して、加熱調理器で自動加熱調理を実行可能な加熱調理システムがある。例えば、特許文献1の加熱調理システムでは、自動加熱調理の調理レシピが外部端末の端末側表示部に表示され、端末側表示部の表示に従ってユーザが端末側入力受付部を操作することにより、加熱調理器に所定のデータが送信されて、自動加熱調理での設定や制御が実行される。
【0003】
ところで、上記のような加熱調理システムでは、例えば、外部端末から加熱調理器に調理条件データを送信するための指示を入力するときや端末側表示部の表示画像を変更するとき、ユーザが外部端末を直接、操作する必要がある。
【0004】
しかしながら、調理の準備や調理をしているとき、ユーザの手は濡れていたり、汚れていたりすることが多い。そのため、ユーザが外部端末を操作すると、外部端末が誤作動したり、故障したりする虞がある。上記のような外部端末の誤作動等を防止するために、外部端末を操作するごとに手を拭いたり、洗ったりすることは調理中のユーザには手間となる。さらに、汚れの付着や高温を避けるために加熱調理器から一定距離、離れた場所に外部端末が置かれていると、操作ごとにユーザが外部端末に近づかなければならず、外部端末の操作が煩わしいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-158345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、調理レシピに対応する自動加熱調理を実行するときのユーザの使い勝手に優れる加熱調理システムと、この加熱調理システムを構成する加熱調理器とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の第1の態様によれば、
加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備える加熱調理システムであって、
外部端末は、
加熱調理器と通信を行う端末側通信部と、
調理レシピを表示する端末側表示部と、
調理レシピに対応する調理条件データ及び表示画像データを含む調理レシピデータを記憶する端末側記憶部と、
端末側表示部で表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を入力する端末側操作部と、を有し、
加熱調理器は、
加熱部と、
外部端末と通信を行う調理器側通信部と、
外部端末から送信される調理条件データに基づいて加熱部を制御する加熱制御部と、
外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を入力する調理器側操作部と、を有し、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行するように構成されている加熱調理システムが提供される。
【0008】
上記第1の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行させることができる。従って、濡れた手や汚れた手で外部端末が操作されないから、外部端末の誤作動や故障を防止することができる。また、一般に、台所に設置され、水や食材、洗剤などとの接触が前提の加熱調理器は外部端末に比べて耐水性や耐汚性に優れるから、ユーザの操作によって調理器側操作部が濡れたり、汚れたりしても、誤作動や故障が生じ難い。また、調理器側操作部は、端末側操作部に比べて簡単に清掃することができる。従って、操作ごとに手を拭いたり、洗ったりする必要性が低い。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0009】
なお、本明細書において、調理条件データは、加熱部の加熱出力、加熱調理時間、加熱調理温度等の調理レシピに対応する自動加熱調理を加熱調理器で実行するための設定値を含むデータである。また、表示画像データは、端末側表示部に表示される調理レシピに関する画像データであり、文字画像データ、図形画像データ、静止画像データ、動画像データ、及びこれらの組み合わせを含むデータである。
【0010】
本技術の第2の態様によれば、上記第1の態様において、
外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示は、加熱調理開始前の調理レシピに関する加熱調理器への指示または加熱調理中の調理レシピに関する加熱調理器への指示を含む。
【0011】
例えば、加熱調理器で調理レシピに対応する自動加熱調理を行うため、外部端末から加熱調理器への調理条件データの送信を加熱調理開始前にユーザが端末側操作部で指示する場合がある。また、複数の加熱部を有する加熱調理器では、外部端末から加熱調理器に使用する加熱部の選択を加熱調理開始前にユーザが端末側操作部で指示する場合がある。さらに、複数の工程を有する自動加熱調理では、加熱調理中、外部端末から加熱調理器に次の工程への移行をユーザが端末側操作部で指示する場合がある。このような加熱調理開始前や加熱調理中には、食材の準備などでユーザの手が濡れていたり、汚れていたりする場合が多い。しかしながら、上記第2の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行させることができる。
【0012】
本技術の第3の態様によれば、上記第1または第2の態様において、
外部端末の端末側操作部には、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する表示画像の変更が入力され、
加熱調理器の調理器側操作部には、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する表示画像の変更が入力され、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の変更を実行するように構成される。
【0013】
上記第3の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側表示部に表示されている調理レシピに関する表示画像を変更することができる。また、ユーザが外部端末の端末側操作部を操作することなく、端末側表示部で必要な表示画像を閲覧することができる。これにより、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0014】
本技術の第4の態様によれば、上記第3の態様において、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行すると、外部端末の端末側表示部に表示される加熱調理器への指示の表示画像の変更を実行するように構成される。
【0015】
上記第4の態様によれば、ユーザが外部端末を操作することなく、調理器側操作部を操作することによって、加熱調理器への指示が確実に実行されることをユーザに認識させることができる。
【0016】
本技術の第5の態様によれば、上記第3の態様において、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像のスクロールを実行するように構成される。
【0017】
上記第5の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側操作部での操作と同等の操作性が得られるから、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0018】
本技術の第6の態様によれば、上記第3の態様において、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の自動送りを実行するように構成される
【0019】
上記第6の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側操作部での操作と同等の操作性が得られるから、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0020】
本技術の第7の態様によれば、上記第3の態様において、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の拡大または縮小を実行するように構成される。
【0021】
上記第7の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側操作部での操作と同等の操作性が得られるから、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0022】
本技術の第8の態様によれば、上記第3の態様において、
端末側操作部でのユーザの操作に代わり、調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する動画の再生を実行するように構成される。
【0023】
上記第8の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側操作部での操作と同等の操作性が得られるから、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0024】
本技術の第9の態様によれば、
外部端末と通信可能に接続される加熱調理器であって、
加熱部と、
外部端末と通信を行う調理器側通信部と、
外部端末から送信される調理条件データに基づいて加熱部を制御する加熱制御部と、
外部端末の端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を入力する調理器側操作部と、を有し、
調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行する指示情報を外部端末に送信する加熱調理器が提供される。
【0025】
上記第9の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側表示部に表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示を実行させることができる。従って、濡れた手や汚れた手で外部端末が操作されないから、外部端末の誤作動や故障を防止することができる。また、一般に、台所に設置され、水や食材、洗剤などとの接触が前提の加熱調理器は外部端末に比べて耐水性や耐汚性に優れるから、ユーザの操作によって調理器側操作部が濡れたり、汚れたりしても、誤作動や故障が生じ難い。また、調理器側操作部は、端末側操作部に比べて簡単に清掃することができる。従って、操作ごとに手を拭いたり、洗ったりする必要性が低い。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0026】
本技術の第10の態様によれば、上記第9の態様において、
調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する表示画像の変更を実行する指示情報を外部端末に送信する。
【0027】
上記第10の態様によれば、ユーザが外部端末に直接、触れることなく、ユーザが調理器側操作部を操作することにより、端末側表示部に表示されている調理レシピに関する表示画像を変更することができる。また、ユーザが外部端末の端末側操作部を操作することなく、端末側表示部で必要な画像を閲覧することができる。これにより、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0028】
本技術の第11の態様によれば、上記第10の態様において、
調理器側操作部でのユーザの操作によって、外部端末の端末側表示部で表示される調理レシピに関する加熱調理器への指示及び外部端末の端末側表示部に表示される加熱調理器への指示の表示画像の変更を実行する指示情報を外部端末に送信する。
【0029】
上記第11の態様によれば、ユーザが外部端末を操作することなく、調理器側操作部を操作することによって、加熱調理器への指示が確実に実行されることをユーザに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの一例を示す構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の調理器側操作部の一例を示す説明図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器及び外部端末の制御構成の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る外部端末の端末側表示部の表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は、レシピ探索画面を示し、(b)は、レシピ選択画面の一部を示す。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る外部端末の端末側表示部の表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は、レシピ選択画面の一部を示し、(b)は、レシピ選択画面の一部の拡大図を示す。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る外部端末の端末側表示部の表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は、レシピ選択画面の一部を示し、(b)は、コンロ選択画面を示す。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る外部端末の端末側表示部の表示画面の一例を示す説明図であり、(a)は、点火待機状態画面を示し、(b)は、加熱中画面を示す。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る外部端末の端末側表示部の表示画面の一例を示す説明図であり、調理作業画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムを示す構成図である。本実施の形態の加熱調理システムは、加熱調理器であるガスコンロ1と、ガスコンロ1と無線通信を行う機能を有する外部端末であるスマートフォン50とを備える。
【0032】
スマートフォン50は、ガスコンロ1との間でBluetooth(登録商標)等による無線通信81を行う。また、図示しないが、スマートフォン50は、無線ルータ及びインターネット等のネットワークを介して外部サーバにアクセスする。なお、スマートフォン50は、外部サーバにより運用されるレシピ提供サイトにアクセスして、レシピデータベースから種々の調理レシピデータを取得(ダウンロード)する。
【0033】
ガスコンロ1は、加熱部として、左コンロ10a、右コンロ10b、後コンロ10c、及びグリル20を備えている。各コンロ10a,10b,10cには、載置される調理器具の底部の温度を検知する温度センサ15a,15b,15cが設けられている。ガスコンロ1の天板11には、液晶ディスプレイからなる表示パネル16が設けられている。表示パネル16には、ガスコンロ1の動作状態や設定情報が表示される。なお、本明細書では、ガスコンロ1の前面を正面とし、ガスコンロ1を正面側から見たときの奥行方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
【0034】
ガスコンロ1の前面には、左コンロ10aの点火/消火と火力変更を行うための左コンロ用操作スイッチ11a、右コンロ10bの点火/消火と火力変更を行うための右コンロ用操作スイッチ11b、後コンロ10cの点火/消火と火力変更を行うための後コンロ用操作スイッチ11c、及びグリル20の点火/消火と火力変更を行うためのグリル用操作スイッチ21が設けられている。
【0035】
さらに、ガスコンロ1の前面には、カンガルー式のコンロ操作部12とグリル操作部22とが設けられており、ユーザがコンロ操作部12を押し操作するとコンロ操作部12が開いてコンロ操作パネル13が現れる。コンロ操作パネル13は、左コンロ10a用の左コンロ操作部13aと、右コンロ10b用の右コンロ操作部13bと、後コンロ10c用の後コンロ操作部13cとを備えている。図示しないが、同様に、ユーザがグリル操作部22を押し操作するとグリル操作部22が開いてグリル操作パネルが現れる。これらのコンロ操作パネル13及びグリル操作パネルは、調理器側操作部を構成する。
【0036】
図2は、コンロ操作パネル13の一例を示す説明図である。なお、グリル操作パネルはコンロ操作パネル13と同様の構成を有するため、以下では、コンロ操作パネル13を例に挙げて説明する。
【0037】
左右コンロ操作部13a,13bには、左右コンロ10a,10bでそれぞれ調理レシピに対応する自動加熱調理を行うための「オート」スイッチ25、「温度」スイッチ26、及び「タイマ」スイッチ27や、調理器具の有無の検知を解除した状態で加熱調理を行うための「あぶり高温炒め」スイッチ28が配設されている。後コンロ操作部13cには、後コンロ10cで調理レシピに対応する自動加熱調理を行うための「炊飯」スイッチ30、及び「タイマ」スイッチ31が配設されている。これらの操作スイッチの機能は、従来と同様である。
【0038】
コンロ操作パネル13の右側方には、「アップ」スイッチ32、「ダウン」スイッチ33、「OK」スイッチ34、「戻る」スイッチ35、及び「スマホ操作」スイッチ36が配設されている。「スマホ操作」スイッチ36が押し操作されていない状態では、コンロ操作モードとなっており、「アップ」スイッチ32、及び「ダウン」スイッチ33は、加熱調理時間や加熱調理温度などの設定条件を選択するために操作され、「OK」スイッチ34は、選択した設定条件を決定するために操作され、「戻る」スイッチ35は、1つ前の設定条件に戻るために操作される。
【0039】
「スマホ操作」スイッチ36は、ガスコンロ1からスマートフォン50を操作するときに使用される切替部である。ユーザが「スマホ操作」スイッチ36を1回押し操作すると、「スマホ操作」スイッチ36、「アップ」スイッチ32、「ダウン」スイッチ33、及び「OK」スイッチ34に設けられた表示ランプ37が点灯し、コンロ操作モードからスマホ操作モードに切り替わる。スマホ操作モードでのこれらのスイッチによる操作の詳細については、後述する。なお、スマホ操作モードとするための切替スイッチや、各スイッチに設定される操作は適宜設定することができる。
【0040】
ガスコンロ1は、ユーザがスマートフォン50で選択する調理レシピに対応した調理条件データをスマートフォン50から受信して、調理条件データに基づく自動加熱調理を行う機能を有している。ユーザは、この機能を利用するために、レシピ提供サイトにアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、「レシピ選択アプリ」という)を、スマートフォン50にインストールする。レシピ提供サイトから取得する調理レシピデータには、火力を変更したり、加熱調理温度や加熱調理時間を設定したりする調理条件データや、スマートフォン50のタッチパネル51に手順情報などの表示画像を表示する表示画像データが含まれる。
【0041】
ユーザは、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定としてガスコンロ1の機種名を登録する操作を行う。この登録により、ガスコンロ1の仕様(各コンロ10a,10b,10c,グリル20の加熱能力等)に対応した調理レシピデータを、レシピ選択サイトから取得することが可能となる。また、ユーザは、レシピ選択アプリにより、スマートフォン50とガスコンロ1とのペアリングを行って、スマートフォン50とガスコンロ1と間の無線通信81を確立する。
【0042】
図3は、ガスコンロ1及びスマートフォン50の制御構成を示す図である。ガスコンロ1には、ガスコンロ1の全体的な作動を制御するコンロコントローラ40と、音声等が出力される調理器側スピーカ46と、調理器側通信回路47(調理器側通信部)とが備えられている。
【0043】
コンロコントローラ40は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持されたガスコンロ1の制御用プログラムをCPUにより実行することによって、データ保持部41、使用するコンロ10a,10b,10cまたはグリル20を選択する加熱部選択部42、表示パネル16の表示や表示ランプ37の点灯を制御する調理器側表示制御部43、調理器側通信制御部44、及びコンロ10a,10b,10cやグリル20の火力を変更して加熱調理を制御する加熱制御部45として機能する。
【0044】
コンロコントローラ40には、温度センサ15a,15b,15cの検知信号と、操作スイッチ(左コンロ用操作スイッチ11a、右コンロ用操作スイッチ11b、後コンロ用操作スイッチ11c、グリル用操作スイッチ21)の操作信号と、操作パネル(コンロ操作パネル13、グリル操作パネル)の操作信号と、調理器側通信回路47により受信された信号とが入力される。
【0045】
また、コンロコントローラ40から出力される制御信号によって、左コンロ10a、右コンロ10b、後コンロ10c、及びグリル20や、表示パネル16の表示、表示ランプ37の点灯、調理器側スピーカ46の音声出力、調理器側通信回路47による信号の送信が制御される。
【0046】
スマートフォン50には、スマートフォン50の全体的な作動を制御するスマホコントローラ60が備えられている。スマホコントローラ60は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持されたスマートフォン50の制御用プログラムをCPUにより実行することによって、調理レシピデータの取得を制御するデータ取得部61、取得した調理レシピデータを記憶する端末側記憶部62、調理レシピ選択部63、タッチパネル51に表示される表示画像の表示を制御する端末側表示制御部64、及び端末側通信制御部65として機能する。
【0047】
また、スマートフォン50には、ユーザによりタッチ操作されるとともに各種の表示画像が表示されるタッチパネル51と、音声等が出力される端末側スピーカ52と、外部サーバやガスコンロ1との間で通信を行う端末側通信回路53(端末側通信部)とが備えられている。従って、タッチパネル51は、端末側表示部及び端末側操作部を構成する。後述するように、タッチパネル51に表示される調理レシピには、使用する食材、使用する調理器具、調理手順や、調理時間などの調理条件が含まれる。
【0048】
スマホコントローラ60には、タッチパネル51におけるタッチ操作信号と、端末側通信回路53により受信された信号とが入力される。また、スマホコントローラ60から送信される制御信号によって、タッチパネル51の表示画像や、端末側スピーカ52の音声出力、端末側通信回路53による信号の送信が制御される。
【0049】
次に、図4図8を参照して、本実施の形態の加熱調理システムでガスコンロ1のコンロ操作パネル13を操作することにより、スマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関するガスコンロ1への指示やスマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関する表示画像の変更を実行するときのユーザの操作及びタッチパネル51の表示を、パスタ調理の麺茹で工程を例に挙げて説明する。なお、他の加熱部で異なる調理レシピに基づいて加熱調理を行うときのユーザの操作等もこれらと同様である。
【0050】
ガスコンロ1とスマートフォン50との間に無線通信81が確立されている状態で、ユーザがスマートフォン50を操作してレシピ選択アプリを起動すると、スマホコントローラ60は処理を開始し、タッチパネル51に図4(a)に示すレシピ探索画面D1が表示される。そして、ユーザが所望の調理レシピを選択すると、タッチパネル51に図4(b)に示すレシピ選択画面D2が表示される。
【0051】
レシピ選択画面D2には、例えば、レシピ名100、レシピ料理画像101、使用する調理器具102、調理時間103、レシピコメント104、及びガスコンロ1に調理条件データの送信を指示する「レシピ送信」ボタン105の表示画像が表示される。
【0052】
図4(b)のレシピ選択画面D2には食材や調理手順が表示されていないため、これらを見るために、タッチパネル51を操作する代わりに、コンロ操作パネル13でユーザがレシピ選択画面D2を上方にスクロールしたい場合、ユーザが「スマホ操作」スイッチ36を押すと、コンロ操作モードからスマホ操作モードに切り替わる。このとき、「スマホ操作」スイッチ36などに設けられた表示ランプ37が点灯する。これにより、ユーザは、コンロ操作パネル13で操作可能なスイッチを認識することができる。
【0053】
次いで、タッチパネル51を操作する代わりに、ユーザが「アップ」スイッチ32を1回押し操作すると、ガスコンロ1からスマートフォン50にタッチパネル51の表示画像を上方に移動させる指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、レシピ選択画面D2を所定距離、上方にスクロールするようにタッチパネル51を制御する。これにより、図5(a)に示す食材リスト106、調理手順107、及び動画108の表示画像がタッチパネル51に表示される。ユーザがタッチパネル51のレシピ選択画面D2を下方にスクロールさせたい場合、同様に、ユーザが「ダウン」スイッチ33を1回押し操作する。
【0054】
また、ユーザがレシピ選択画面D2を上方にスクロールし、下方に動画108の表示画像が表示されている状態で、タッチパネル51を操作する代わりに、ユーザが「OK」スイッチ34を1回押し操作すると、ガスコンロ1からスマートフォン50に動画108を再生する指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、動画108を再生させる。ユーザが動画108を停止させたい場合、同様に、ユーザが「OK」スイッチ34を再度、1回押し操作する。
【0055】
また、タッチパネル51を操作する代わりに、コンロ操作パネル13でユーザが図4(b)のレシピ選択画面D2を拡大させたい場合、上記と同様に、スマホ操作モードで、ユーザが「アップ」スイッチ32を2回連続して押し操作すると、ガスコンロ1からスマートフォン50にタッチパネル51の表示画像を拡大させる指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、レシピ選択画面D2を拡大するようにタッチパネル51を制御する。これにより、図5(b)に示す拡大されたレシピ選択画面D2がタッチパネル51に表示される。このとき、必要に応じて、ユーザは上記したスクロールを行うことができる。ユーザがレシピ選択画面D2を縮小させて標準サイズに戻したい場合、同様に、ユーザが「ダウン」スイッチ33を2回連続して押し操作する。なお、図示しないが、タッチパネル51の表示画面が自動送りされる場合、コンロ操作パネル13の「OK」スイッチ34を長押しすることにより、タッチパネル51に次の表示画面が表示される。従って、上記のスマートフォン50の表示画像のスクロール、拡大及び縮小、自動送り、並びに動画の再生及び停止では、ユーザがスマートフォン50を操作することなく、ガスコンロ1のコンロ操作パネル13を操作することによって、スマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関する表示画像の変更が実行される。
【0056】
ユーザが調理レシピを確認し、タッチパネル51を操作する代わりに、コンロ操作パネル13でスマートフォン50からガスコンロ1に調理条件データの送信の指示を実行させる場合、図4(b)に示すレシピ選択画面D2で、ユーザが「OK」スイッチ34を1回押し操作すると、ガスコンロ1からスマートフォン50にタッチパネル51のレシピ送信の入力及び「レシピ送信」ボタン105の表示画像の変更の指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、図6(a)に示す「レシピ送信」ボタン105を擬似的な指示が入力された表示画像(例えば、表示色の変更)に変更し、選択された調理レシピに対応する調理条件データをスマートフォン50からガスコンロ1に送信する。
【0057】
スマートフォン50からガスコンロ1へのレシピ送信が正常に終了すると、スマートフォン50はタッチパネル51をレシピ選択画面D2から図6(b)に示すコンロ選択画面D3に遷移させる。コンロ選択画面D3では、左右及び後方のコンロの選択ボタン110,111,112及び「OK」ボタン113の表示画像が表示される。
【0058】
タッチパネル51を操作する代わりに、コンロ操作パネル13でユーザが使用するコンロを選択する場合、スマホ操作モードで、ユーザが「アップ」スイッチ32を1回押し操作するごとに、ガスコンロ1からスマートフォン50にコンロの選択位置を移動させる指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、1つのコンロの選択ボタンを所定の選択状態(例えば、表示色の変更)で表示された表示画像に変更する(図示せず)。
【0059】
ユーザが使用するコンロ(例えば、左コンロ10a)の表示形態が変更されている状態で、ユーザが「OK」スイッチ34を1回押し操作すると、ガスコンロ1からスマートフォン50にタッチパネル51のコンロ選択送信の入力及び「OK」ボタン113の表示画像の変更の指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、「OK」ボタン113を擬似的な指示が入力された図示しない表示画像(例えば、表示色の変更)に変更し、コンロ選択情報をスマートフォン50からガスコンロ1に送信する。これにより、ユーザが選択したコンロで、選択された調理レシピに対応する自動加熱調理が実行される。
【0060】
スマートフォン50からガスコンロ1へのコンロ選択情報の送信が正常に終了すると、スマートフォン50はタッチパネル51をコンロ選択画面D3から図7(a)に示す点火指示の表示画像を含む点火待機状態画面D4に遷移させる。
【0061】
ユーザが左コンロ10a上に水を入れた調理器具を載置させた後、左コンロ用操作スイッチ11aを点火操作して、左コンロ10aが点火すると、ガスコンロ1からスマートフォン50に点火状態情報を含む制御信号がスマートフォン50に送信される。すると、点火状態情報を受信したスマートフォン50は、点火状態情報に基づいて、タッチパネル51を点火待機状態画面D4から図7(b)に示す加熱中の表示画像を含む加熱中画面D5に遷移させる。
【0062】
次いで、左コンロ10aの温度センサ15aで沸騰が検知されると、左コンロ10aの火力が弱められ、ガスコンロ1からスマートフォン50に温度センサ15aで検知される検知温度に基づく湯の沸騰状態を示す加熱状態情報を含む制御信号がスマートフォン50に送信される。すると、加熱状態情報を受信したスマートフォン50は、加熱状態情報に基づいて、タッチパネル51を加熱中画面D5から図8に示す麺投入の作業指示122及び「OK」ボタン123の表示画像を含む麺投入作業画面D6に遷移させる。
【0063】
ユーザが調理器具内に麺を投入する麺投入作業を完了し、タッチパネル51を操作する代わりに、コンロ操作パネル13で「OK」ボタン123への入力を実行させる場合、スマホ操作モードで、ユーザが「OK」スイッチ34を1回押し操作すると、ガスコンロ1からスマートフォン50にタッチパネル51の麺投入完了送信の入力及び「OK」ボタン123の表示画像の変更の指示情報を含む制御信号が送信される。すると、指示情報を受信したスマートフォン50は、指示情報に基づいて、「OK」ボタン123を擬似的な指示が入力された図示しない表示画像(例えば、表示色の変更)に変更し、麺投入完了情報を含む制御信号をスマートフォン50からガスコンロ1に送信する。従って、上記の調理条件データの送信処理、コンロの選択処理、点火処理、及び麺投入作業処理では、ユーザがスマートフォン50を操作することなく、ガスコンロ1のコンロ操作パネル13を操作することによって、スマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関するガスコンロ1への指示の入力と、スマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関する表示画像の変更とが実行される。
【0064】
麺投入完了情報を受信したガスコンロ1は、火力を制御して、設定された所定時間、麺茹でを実行する。このとき、ガスコンロ1は、調理条件データに基づいて火力を制御し、麺を投入した調理器具内の状態が吹きこぼれの発生の予兆状態(吹きこぼれが発生しそうな状態)になったことを検知する処理と、吹きこぼれの予兆が解消した状態になったことを検知する処理とを実行する。所定時間が経過すると、ガスコンロ1は、調理器側スピーカ46から茹で上がりを報知する。
【0065】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、ユーザがスマートフォン50に直接、触れることなく、ユーザがコンロ操作パネル13を操作することにより、タッチパネル51に表示される調理レシピに関するガスコンロ1への指示を実行させることができる。従って、濡れた手や汚れた手でスマートフォン50が操作されないから、スマートフォン50の誤作動や故障を防止することができる。また、一般に、台所に設置され、水や食材、洗剤などとの接触が前提のガスコンロ1はスマートフォン50に比べて耐水性や耐汚性に優れるから、ユーザの操作によってコンロ操作パネル13が濡れたり、汚れたりしても、誤作動や故障が生じ難い。また、コンロ操作パネル13は、タッチパネル51に比べて簡単に清掃することができる。従って、操作ごとに手を拭いたり、洗ったりする必要性が低い。これにより、使い勝手を向上させることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、食材の準備などでユーザの手が濡れていたり、汚れていたりする場合が多い加熱調理開始前や加熱調理中、ユーザがスマートフォン50に直接、触れることなく、ユーザがコンロ操作パネル13を操作することにより、スマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関するガスコンロ1への指示を実行させることができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、ユーザがスマートフォン50のタッチパネル51を操作することなく、コンロ操作パネル13を操作することによって、タッチパネル51でユーザは必要な表示画像を閲覧することができる。これにより、操作の利便性及び調理レシピの閲覧性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、ユーザがスマートフォン50を操作することなく、コンロ操作パネル13を操作することによって、スマートフォン50のタッチパネル51に表示される調理レシピに関するガスコンロ1への指示の入力と、その表示画像の変更とが実行されるから、ガスコンロ1への指示の入力が確実に実行されることをユーザに認識させることができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、ユーザが切替部である「スマホ操作」スイッチ36を操作しなければコンロ操作モードからスマホ操作モードに切り替えられないから、誤った操作によりガスコンロ1への指示やタッチパネル51の表示画像の変更が実行されるのを確実に防止することができる。
【0070】
従って、本実施の形態によれば、調理レシピに対応する自動加熱調理を実行するときのユーザの使い勝手に優れる加熱調理システムと、この加熱調理システムを構成する加熱調理器とを提供することができる。
【0071】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、加熱調理器としてガスコンロが使用されている。しかしながら、本発明は、ガスグリル、電気グリル、オーブン、誘導加熱調理器等の他の加熱調理器にも適用することができる。
【0072】
(2)上記実施の形態では、外部端末としてスマートフォンが使用されている。しかしながら、本発明は、携帯電話、タブレット、パソコン等の他の外部端末にも適用することができる。
【0073】
(3)上記実施の形態では、外部サーバから調理レシピデータが取得されている。しかしながら、外部端末に予め調理レシピデータが記憶されていてもよい。
【0074】
(4)上記実施の形態では、コンロ操作パネルにコンロ操作モード及びスマホ操作モードに兼用の操作スイッチが設けられている。しかしながら、スマホ操作モード専用の操作スイッチを設けてもよい。
【0075】
(5)上記実施の形態では、上下にスクロールされる。しかしながら、表示画像の形式に合わせて、左右にスクロールさせてもよいし、スクロールの方向を任意に設定してもよい。また、自動送りの速度を任意に変更してもよいし、所定の操作ボタンが表示されたときに停止させてもよいし、一定時間、自動送りしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 加熱調理器
10a,10b,10c コンロ
20 グリル
13 コンロ操作パネル
47 調理器側通信回路
40 コンロコントローラ
45 加熱制御部
50 スマートフォン
51 タッチパネル
53 端末側通信回路
60 スマホコントローラ
62 端末側記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8