(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018605
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】在庫分析装置、在庫分析方法および在庫分析システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20250130BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122464
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000107642
【氏名又は名称】スター精密株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】石上 裕介
(72)【発明者】
【氏名】出野 勝也
(72)【発明者】
【氏名】増田 充宏
(72)【発明者】
【氏名】笠羽 祐介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB63
(57)【要約】
【課題】在庫の中でも優先的に対処すべき死筋在庫を把握できるようにする。
【解決手段】商品の在庫状況に関する指標値である在庫指標値を取得する在庫指標値取得部12と、商品の販売状況に関する指標値である販売指標値を取得する販売指標値取得部13と、在庫指標値が在庫閾値より低評価側で、かつ販売指標値が販売閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別する在庫識別部14とを備え、単に在庫指標値が在庫閾値より低評価側か否かという観点だけではなく、販売指標値が販売閾値より低評価側か否かという観点との論理積に基づいて在庫の状況を識別することにより、在庫指標値および販売指標値の両方とも低評価の値が示されている商品の在庫を、在庫の中でも優先的に対処すべき死筋在庫として把握することができるようにする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の在庫状況に関する指標値である在庫指標値を取得する在庫指標値取得部と、
上記商品の販売状況に関する指標値である販売指標値を取得する販売指標値取得部と、
上記在庫指標値が在庫閾値より低評価側で、かつ上記販売指標値が販売閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別する在庫識別部とを備えた
ことを特徴とする在庫分析装置。
【請求項2】
上記在庫閾値は、上記在庫指標値に関して設定された目標値であり、
上記販売閾値は、上記販売指標値に関して設定された目標値である
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫分析装置。
【請求項3】
上記在庫識別部は、上記在庫指標値が上記在庫閾値より低評価側か否かと、上記販売指標値が上記販売閾値より低評価側か否かとの組み合わせにより、上記商品の在庫を4つのタイプに分類して識別することを特徴とする請求項1または2に記載の在庫分析装置。
【請求項4】
上記商品の上記在庫指標値および上記販売指標値に基づいて、上記4つのタイプの分類に対応する4象限のセグメントマップ上に上記商品に対応するシンボルを表したマップを生成するマッピング部を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の在庫分析装置。
【請求項5】
上記在庫識別部により上記死筋在庫として識別された在庫について上記在庫指標値および上記販売指標値の少なくとも一方を改善するための施策の候補を提示する施策提示部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の在庫分析装置。
【請求項6】
上記在庫閾値は、上記在庫指標値に関して設定された目標値であり、
上記販売閾値は、上記販売指標値に関して設定された目標値であり、
上記在庫識別部により分類された4つのタイプの在庫について上記在庫指標値および上記販売指標値の少なくとも一方を上記目標値に近づけるための施策の候補を提示する施策提示部を更に備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の在庫分析装置。
【請求項7】
上記在庫識別部により上記死筋在庫として識別された在庫について上記在庫指標値および上記販売指標値の少なくとも一方を改善するための施策の候補を提示する施策提示部と、
上記施策提示部により提示された候補の中からユーザにより選択されて実行された施策および実行日を履歴として記録する施策履歴記録部とを更に備え、
上記マッピング部は、上記施策が実行された商品の在庫について、上記実行日より前における上記在庫指標値および上記販売指標値と、上記実行日より後における上記在庫指標値および上記販売指標値とに基づいて、上記セグメントマップ上にプロットされるシンボルの状態変化を可視化して表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の在庫分析装置。
【請求項8】
上記施策提示部により提示された候補の中からユーザにより選択されて実行された施策について、上記在庫指標値および上記販売指標値の少なくとも一方の改善の有無または程度を施策の効果に関する評価情報として記録する施策履歴記録部を更に備え、
上記施策提示部は、上記施策履歴記録部により記憶された上記評価情報をもとに過去の実行施策の効果の高さを分析し、より高い効果が得られる可能性のある施策の候補を優先的に表示する
ことを特徴とする請求項5記載の在庫分析装置。
【請求項9】
上記施策提示部により提示された候補の中からユーザにより選択されて実行された施策について、上記在庫指標値および上記販売指標値の少なくとも一方の改善の有無または程度を施策の効果に関する評価情報として記録する施策履歴記録部を更に備え、
上記施策履歴記録部は、上記マッピング部により上記セグメントマップ上に表示された上記シンボルの状態変化をもとにユーザにより入力された評価情報を記録し、
上記施策提示部は、上記施策履歴記録部により記憶された上記評価情報をもとに過去の実行施策の効果の高さを分析し、より高い効果が得られる可能性のある施策の候補を優先的に表示する
ことを特徴とする請求項7に記載の在庫分析装置。
【請求項10】
上記施策提示部は、上記施策履歴記録部により記憶された上記評価情報をもとに所定の関数によりスコアを算出し、上記スコアが閾値以上となる施策を、上記より高い効果が得られる可能性のある施策の候補として優先的に表示することを特徴とする請求項9に記載の在庫分析装置。
【請求項11】
上記施策提示部は、上記シンボルの状態変化をもとに過去の実行施策の効果の高さを分析し、より高い効果が得られる可能性のある施策の候補を優先的に表示することを特徴とする請求項7に記載の在庫分析装置。
【請求項12】
上記施策提示部は、個々の商品単位、複数の類似商品をまとめた商品群単位、または取扱商品を全て含む商品全体単位の中から選択された単位で、上記過去の実行施策の効果の高さを分析することを特徴とする請求項8に記載の在庫分析装置。
【請求項13】
上記施策提示部により提示される上記施策の候補に対して実施権限に関する情報が設定されており、
上記候補の中からユーザにより何れかの施策が選択されたときに、選択された施策に設定されている実施権限に対応する承認ワークフローを起動するワークフロー起動部を更に備えた
ことを特徴とする請求項5に記載の在庫分析装置。
【請求項14】
コンピュータの在庫指標値取得部および販売指標値取得部が、商品の在庫状況に関する指標値である在庫指標値を取得するとともに、上記商品の販売状況に関する指標値である販売指標値を取得するステップと、
上記コンピュータの在庫識別部が、上記在庫指標値が在庫閾値より低評価側で、かつ上記販売指標値が販売閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別するステップとを有する
ことを特徴とする在庫分析方法。
【請求項15】
商品の在庫状況に関する指標値である在庫指標値を取得する在庫指標値取得部と、
上記商品の販売状況に関する指標値である販売指標値を取得する販売指標値取得部と、
上記在庫指標値が在庫閾値より低評価側で、かつ上記販売指標値が販売閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別する在庫識別部とを備えた
ことを特徴とする在庫分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の在庫状況を分析する在庫分析装置、在庫分析方法および在庫分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、企業は資金を投入して商品を製造または購入し、当該商品を販売することで新たな資金を得る。企業が販売目的で一時的に保有している商品は在庫となる。在庫が溜まり続けることは、いつまでも在庫が現金化されず、企業の新たな運営資金が得られないことを意味する。そのため、現金化されない在庫、特に、売れていない死筋商品の在庫(死筋在庫)をいかに素早く発見し、その在庫を販売できるかが重要となる。
【0003】
滞留在庫の存在が将来的な減損損失として利益を減少させる要因になることに鑑みて、滞留在庫の発生を抑制して小売店の利益を効率的に増大させることを支援する情報処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の情報処理システムでは、店舗での対象商品の販売情報と、電子商取引サイトでの対象商品の販売情報と、対象商品の在庫数量とに基づいて、在庫の滞留危険度を判定する。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の情報処理システムでは、対象商品を店舗で販売した場合に在庫数量を売り切るまでの見込み消化期間(自社販売時消化期間)を予測するとともに、対象商品を電子商取引サイトで販売した場合に在庫数量を売り切るまでの見込み消化期間(市場販売時消化期間)を予測する。そして、特許文献1の
図3に示されるように、自社販売時消化期間の長さと市場販売時消化期間の長さとの組み合わせに応じて、現時点での対象商品の在庫の滞留危険度が第1ランクから第4ランクの何れかであると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術によれば、在庫の滞留危険度を把握することが可能である。しかしながら、特許文献1に記載の技術情報処理システムでは、販売時消化期間(在庫期間)が長くなるほど在庫の滞留危険度が高い状態であると判定しているに過ぎない。そのため、どのような理由で在庫期間が長くなっているのかが分からず、優先的に対処すべき死筋在庫を把握することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、在庫の中でも優先的に対処すべき死筋在庫を把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、商品の在庫状況に関する指標値である在庫指標値を取得するとともに、商品の販売状況に関する指標値である販売指標値を取得し、在庫指標値が在庫閾値より低評価側で、かつ販売指標値が販売閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別する。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、単に在庫指標値が在庫閾値より低評価側か否かという観点だけではなく、販売指標値が販売閾値より低評価側か否かという観点との論理積に基づいて在庫の状況が識別されるので、単に在庫期間が長いか否かで在庫の滞留危険度を判定する場合とは異なり、在庫指標値および販売指標値の両方とも低評価の値が示されている商品の在庫を、在庫の中でも優先的に対処すべき死筋在庫として把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による在庫分析装置を適用した在庫分析システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態による在庫分析サーバが備える機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】在庫ポジショニングマップの一例を示す図である。
【
図5】施策候補ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図6】施策候補ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図7】施策候補ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図8】施策候補ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図9】施策候補ウィンドウの表示例を示す図である。
【
図10】シンボルの状態変化を可視化した在庫ポジショニングマップの表示例を示す図である。
【
図11】本実施形態による在庫分析サーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図12】在庫ポジショニングマップの他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による在庫分析装置を適用した在庫分析システムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の在庫分析システムは、在庫分析サーバ10(在庫分析装置に相当)、販売情報管理サーバ20、在庫情報管理サーバ30およびワークフロー管理サーバ40を備えている。在庫分析サーバ10には、販売関連情報記憶部101、在庫関連情報記憶部102および施策関連情報記憶部103が接続されている。また、在庫分析サーバ10およびワークフロー管理サーバ40には、インターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワーク100を介してユーザ端末50が接続されている。ユーザ端末50以外の接続は、LAN(Local Area Network)であってもよいし、インターネットまたは携帯電話網などの通信ネットワークであってもよい。
【0012】
販売情報管理サーバ20は、商品ごとの販売情報を管理するサーバである。販売情報管理サーバ20は、ある店舗またはECサイトで商品が販売された時点で、その商品の商品ID、商品名、店舗ID、店舗名、サイトID、販売日時、販売価格、販売数量などを含む販売情報を売上実績として図示しないデータベースに記録する。
【0013】
在庫情報管理サーバ30は、商品ごとの在庫情報を管理するサーバである。在庫情報管理サーバ30は、店舗の在庫を管理する場合は、ある店舗に商品が入荷された時点で、その商品の商品ID、商品名、店舗ID、店舗名、入荷日時、入荷数量などを含む入荷情報を入荷実績として図示しないデータベースに記録する。また、ある店舗から商品が出荷された時点で、その商品の商品ID、商品名、店舗ID、店舗名、出荷日時、出荷数量などを含む出荷情報を出荷実績として図示しないデータベースに記録する。
【0014】
また、ECサイトで販売する商品に関する倉庫の在庫を管理する場合、在庫情報管理サーバ30は、ある倉庫に商品が入庫された時点で、その商品の商品ID、商品名、倉庫ID、倉庫名、入庫日時、入庫数量などを含む入庫情報を入庫実績として図示しないデータベースに記録する。また、ある倉庫から商品が出庫された時点で、その商品の商品ID、商品名、倉庫ID、倉庫名、出庫日時、出庫数量などを含む出庫情報を出庫実績として図示しないデータベースに記録する。
【0015】
なお、ここでは販売情報管理サーバ20と在庫情報管理サーバ30とを備える構成を示しているが、この構成に限定されるものではない。商品の販売情報および在庫情報を把握できる構成であれば、どのようなサーバを用いてもよい。例えば、店舗に導入されているPOS(Point of Sale)サーバによって商品の販売情報および在庫情報を管理する構成であってもよい。POSサーバには、随時変動する商品の入荷や販売に関する情報が保存されており、この情報によって商品の販売情報および在庫情報を把握することが可能である。この場合、POSサーバは販売情報管理サーバ20と在庫情報管理サーバ30の役割を果たす。また、倉庫で利用されるWMS(Warehouse Management System)サーバによって商品の販売情報および在庫情報を管理する構成であってもよい。WMSサーバには、随時変動する商品の入庫や出庫に関する情報が保存されており、この情報によって商品のECサイトでの販売情報および在庫情報を把握することが可能である。この場合、WMSサーバは販売情報管理サーバ20と在庫情報管理サーバ30の役割を果たす。
【0016】
ワークフロー管理サーバ40は、後述する施策を実行する際の承認ワークフローに関する処理を実行する。すなわち、本実施形態では、施策ごとに実行の権限者を設定することが可能であり、ある施策を実行しようとするときに、ワークフロー管理サーバ40は権限者の承認を得るためのフロー処理を実行する。なお、承認ワークフロー処理は公知の技術を適用して行うことが可能であり、これに関する具体的な説明は割愛する。
【0017】
ユーザ端末50は、在庫分析サーバ10との間で情報のやり取りを行う。例えば、ユーザ端末50は、在庫分析サーバ10が処理を実行する際に必要な情報を在庫分析サーバ10に提供する。また、ユーザ端末50は、在庫分析サーバ10が処理を実行した結果の情報を取得し、ユーザ端末50の画面に表示する。これらの情報のやり取りの詳細については後述する。また、ユーザ端末50は、承認ワークフローに関する処理を実行する際に、ワークフロー管理サーバ40との間で情報のやり取りを行う。これについての詳細については説明を割愛する。
【0018】
在庫分析サーバ10は、販売情報管理サーバ20および在庫情報管理サーバ30から販売情報および在庫情報を取得し、これらの情報を用いて商品の在庫に関する分析処理を実行する。なお、販売情報管理サーバ20および在庫情報管理サーバ30に対して企業の基幹システム(ERPシステム)が連携している場合、在庫分析サーバ10は基幹システムから販売情報および在庫情報を取得するようにしてもよい。在庫分析サーバ10は、あらかじめ設定したインターバル期間ごとに定期的に情報を取得するようにしてもよいし、ユーザ端末50から分析処理の実行が指示されたタイミングで情報を取得するようにしてもよい。
【0019】
在庫分析サーバ10は、在庫の分析処理を実行する際に、販売関連情報記憶部101、在庫関連情報記憶部102および施策関連情報記憶部103に記憶されている各種情報を利用する。これらの記憶部101~103には、あらかじめ設定されている情報の他、販売情報管理サーバ20および在庫情報管理サーバ30から取得される情報、在庫分析サーバ10により生成される情報が記憶される。
【0020】
販売関連情報記憶部101は、販売情報管理サーバ20から取得される販売情報の他、後述する販売指標値に関してあらかじめ設定された目標値(例えば、目標日販数)、販売目標日、在庫分析サーバ10により取得された商品ごとの販売指標値(例えば、平均日販数)を記憶する。目標日販数と販売目標日は、ユーザ端末50に対する操作によってユーザにより設定される情報である。
【0021】
在庫関連情報記憶部102は、在庫情報管理サーバ30から取得される在庫情報の他、後述する在庫指標値に関してあらかじめ設定された目標値(例えば、目標在庫日数)、商品の原価、在庫管理費、在庫廃棄費、在庫分析サーバ10により取得された商品ごとの在庫指標値(例えば、在庫日数)を記憶する。目標在庫日数、商品の原価、在庫管理費および在庫廃棄費は、ユーザ端末50に対する操作によってユーザにより設定される情報である。
【0022】
施策関連情報記憶部103は、あらかじめ設定された複数の施策情報の他、在庫分析サーバ10により管理される実行施策、施策実行日、施策実行回数、施策の実行に関する権限などの情報を記憶する。複数の施策情報は、ユーザに候補として提示する施策を示す情報である。実行施策、施策実行日、施策実行回数は、ユーザにより実施された施策とのその実行日、実行回数が履歴として記録される情報である。施策の実行に関する権限は、ユーザ端末50に対する操作によってユーザにより設定される情報である。
【0023】
図2は、在庫分析サーバ10が備える機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の在庫分析サーバ10は、機能構成として、目標設定部11、在庫指標値取得部12、販売指標値取得部13、在庫識別部14、マッピング部15、施策提示部16、選択受付部17、施策履歴記録部18およびワークフロー起動部19を備えている。
【0024】
上記機能ブロック11~19は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えば、上記機能ブロック11~19は、CPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたマイクロコンピュータの制御により、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0025】
目標設定部11は、ユーザ端末50を操作するユーザからの指示に従って、在庫指標値に関する目標値を設定するとともに、販売指標値に関する目標値を設定する。上述したように、本実施形態では在庫指標値の一例として、在庫日数(在庫として保有している在庫商品数が何日分の売上に相当するかを示す数値)を用いる。この場合、目標設定部11は、在庫日数の目標値(目標在庫日数)を設定する。また、本実施形態では販売指標値の一例として、平均日販数を用いる。この場合、目標設定部11は、平均日販数の目標値(目標日販数)を設定する。
【0026】
目標設定部11は、設定した目標値を販売関連情報記憶部101および在庫関連情報記憶部102に記憶する。また、目標設定部11は、ユーザ端末50から分析処理の実行が指示されたときに、販売関連情報記憶部101および在庫関連情報記憶部102から目標値を読み出して在庫識別部14に提供する。
【0027】
在庫指標値取得部12は、商品の在庫状況の指標値である在庫指標値を取得する。具体的には、在庫指標値取得部12は、商品ごとに、販売関連情報記憶部101に記憶されている販売情報に基づいて1日の平均売上高を算出するとともに、在庫関連情報記憶部102に記憶されている在庫情報に基づいて在庫数に応じた在庫高を算出し、在庫高を1日の平均売上高で除算することによって在庫日数を取得する。なお、在庫日数ではなく、在庫回転日数を取得してもよい。この場合、在庫回転日数を求めたい期間の平均在庫高を該期間の平均販売原価で除算すればよい。加えて、売上高や在庫高のような金額ベースではなく、所定期間の販売数量と、当該期間の平均在庫数量を利用して在庫回転日数を取得してもよい。
【0028】
販売指標値取得部13は、商品の販売状況の指標値である販売指標値を取得する。具体的には、販売指標値取得部13は、商品ごとに、販売関連情報記憶部101に記憶されている販売情報に基づいて平均日販数(1日の平均販売数)を算出する。なお、在庫指標値取得部12で算出している1日の平均売上高については、販売指標値取得部13が算出し、算出したデータを在庫指標値取得部12が取得してもよい。
【0029】
なお、ここでは在庫指標値取得部12が販売関連情報記憶部101に記憶されている販売情報と在庫関連情報記憶部102に記憶されている在庫情報とに基づいて在庫指標値を算出し、販売指標値取得部13が販売関連情報記憶部101に記憶されている販売情報に基づいて販売指標値を算出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、販売情報管理サーバ20および在庫情報管理サーバ30において在庫指標値および販売指標値を算出して販売関連情報記憶部101および在庫関連情報記憶部102に記憶し、在庫指標値取得部12および販売指標値取得部13は販売関連情報記憶部101および在庫関連情報記憶部102から在庫指標値および販売指標値を取得するようにしてもよい。
【0030】
在庫識別部14は、在庫指標値が在庫閾値より低評価側か否かと、販売指標値が販売閾値より低評価側か否かとの組み合わせにより、商品の在庫を4つのタイプに分類して識別する。本実施形態では在庫閾値として、在庫指標値に関して目標設定部11により設定された目標在庫日数を用いる。また、販売閾値として、販売指標値に関して目標設定部11により設定された目標日販数を用いる。
【0031】
すなわち、在庫識別部14は、在庫指標値取得部12により取得された在庫日数が目標在庫日数より短く、かつ、販売指標値取得部13により取得された平均日販数が目標日販数より少ない商品の在庫を「入荷検討在庫」として識別する。このタイプに分類される商品は、在庫数が少なく売上も少ない商品である。基本的には、商品の販売後に時間が経過して売上が下がってきたケースと考えられるため、このまま在庫を売り切るのか、補充すれば売上が回復するのかを検討することを要する商品と位置づけられる。
【0032】
また、在庫識別部14は、在庫指標値取得部12により取得された在庫日数が目標在庫日数より短く、かつ、販売指標値取得部13により取得された平均日販数が目標日販数より多い商品の在庫を「売れ筋在庫」として識別する。このタイプに分類される商品は、在庫数が少なく売上が多い商品である。基本的には売れ筋の商品である可能性が高いケースと考えられるため、欠品による機会損失を防ぐために補充の検討を要する商品と位置づけられる。
【0033】
また、在庫識別部14は、在庫指標値取得部12により取得された在庫日数が目標在庫日数より長く、かつ、販売指標値取得部13により取得された平均日販数が目標日販数より少ない商品の在庫を「死筋在庫」として識別する。このタイプに分類される商品は、在庫数が多く売上が少ない商品である。基本的には死筋商品の可能性が高いケースと考えられるため、損失の発生を防止するためにキャッシュ化のための施策の検討を要する商品と位置づけられる。
【0034】
また、在庫識別部14は、在庫指標値取得部12により取得された在庫日数が目標在庫日数より長く、かつ、販売指標値取得部13により取得された平均日販数が目標日販数より多い商品の在庫を「成行在庫」として識別する。このタイプに分類される商品は、在庫数が多く売上も多い商品である。基本的に売上は好調であるため、在庫が販売目標日までに消化できるかを経過観察する商品と位置づけられる。販売が順調に推移するなかで在庫を補充した場合、このタイプに分類されることが多い。
【0035】
マッピング部15は、在庫指標値取得部12により取得された複数の商品の在庫指標値および販売指標値取得部13により取得された複数の商品の販売指標値に基づいて、4つのタイプの分類に対応する4象限のセグメントマップ上に複数の商品に対応するシンボルをプロットしたマップを生成する。そして、生成したマップをユーザ端末50に提供する。以下、マッピング部15により生成されるマップを「在庫ポジショニングマップ」という。
【0036】
図3は、在庫ポジショニングマップの一例を示す図である。
図3の例では、目標在庫日数から実績の在庫日数を減算した在庫日数差分を縦軸、実績の平均日販数から目標日販数を減算した平均日販数差分を横軸とした2次元のマップ上に、縦軸で在庫日数差分=0の位置および横軸で平均日販数差分=0の位置に境界線を描画することにより、4象限のセグメントマップを構成している。丸印で示した複数のシンボルは個々の商品を表しており、各商品の在庫指標値および販売指標値と目標在庫日数および目標日販数とから算出される(平均日販数差分,在庫日数差分)の座標位置にプロットされる。
【0037】
図3のように在庫ポジショニングマップを構成した場合、左上の第1象限に配置される商品の在庫が「入荷検討在庫」、右上の第2象限に配置される商品の在庫が「売れ筋在庫」、左下の第3象限に配置される商品の在庫が「死筋在庫」、右下の第4象限に配置される商品の在庫が「成行在庫」となる。
【0038】
ユーザは、ユーザ端末50に表示された在庫ポジショニングマップをもとに、どの商品が優先的に対応すべき在庫なのかを容易に把握することが可能である。特に優先的に対応すべき死筋在庫を把握することができることはもちろん、売れ筋在庫も把握できるため、売れ筋在庫の商品補充対応の必要性についても検討することが可能である。
【0039】
なお、マッピング部15は、
図4に示すように、ユーザが所望のシンボルを選択する操作をしたときに、選択されたシンボルに対応する商品の詳細情報をポップアップで表示するようにしてもよい。商品の詳細情報は、販売情報、在庫情報、在庫指標値、販売指標値、施策の実行履歴などの中から抽出される何れかの情報を含む。以下、このようにポップアップ表示されるウィンドウを「詳細ウィンドウ」という。
【0040】
施策提示部16は、在庫識別部14により死筋在庫として識別された在庫について、在庫指標値および販売指標値の少なくとも一方を改善するための施策の候補を提示する。提示する施策候補の内容は、施策関連情報記憶部103に施策情報としてあらかじめ設定されている。すなわち、施策提示部16は、施策関連情報記憶部103から施策情報を取得し、これをもとに施策の候補をユーザ端末50に提示する。
【0041】
在庫ポジショニングマップにおいて、左下の第3象限に配置された死筋在庫の商品は、キャッシュを生むことなく眠っている在庫であり、このまま眠らせておくと、企業にとって弊害を与えるものになり兼ねない。具体的には、以下のような弊害を生じる可能性がある。
・倉庫や店舗のバックヤードを圧迫する存在となることで、倉庫や店舗バックヤードでの品出しの作業性が悪化する。作業性が悪化することで、作業にかかる時間も増えてしまい、倉庫での別の作業ができなくなったり、店舗では販売に繋がる接客の時間が減ったりしてしまう。
・倉庫で商品を保管するには保管費用が発生する。商品が置き続けられれば続くほど、保管費用は増えてしまい、企業の利益を減らす要素になる。
・商品は保管しておくだけでも経年劣化を起こす。そのため、いつまでも保管することはできず、劣化したら廃棄しなければならない。廃棄する場合には、商品の原価が無駄になるうえに、追加で廃棄費用も発生してしまう。
【0042】
従って、在庫ポジショニングマップにおいて死筋在庫の領域に配置された商品については、なるべく早くキャッシュ化し、会社の損失を減らすことが必要となる。そこで、施策提示部16は、在庫識別部14により死筋在庫として識別された在庫について、キャッシュ化するために必要となる施策の候補をユーザ端末50に提示する。
【0043】
図5~
図9は、施策候補の提示例を示す図である。
図5に示す例では、所望のシンボルを選択したときにポップアップ表示される詳細ウィンドウの中に存在する施策検討ボタンを選択する操作を行うと、施策候補の一覧がポップアップで表示される。以下、このようにポップアップ表示されるウィンドウを「施策候補ウィンドウ」という。
【0044】
図5に示す施策候補ウィンドウの例では、商品展示の確認(「商品が品出しされていない」という表記)、他店舗の販売状況の確認(「他店舗で売れている」という表記)、値下げ可能性の確認(「値引きの検討が必要」という表記)、廃棄可能性の確認(「在庫の可能性あり」という表記)の4つを施策候補として提示している。ユーザは、これら4つの施策候補の中から何れかを選択する。何れかの施策候補を選択すると、施策提示部16は、
図6~
図9に示すように、選択された施策候補に関してより具体的な施策例や検討材料の情報を提示する。
【0045】
図5に示す1つ目の施策「商品展示の確認」は、死筋在庫と識別された商品の展示が適切に行われているかどうかを確認するという施策である。店舗においては、バックヤードに商品を置いたままで品出しができていないことがある。そこで、商品の展示がそもそも販売できる状況になっているのかを確認することを施策候補として提示する。この1つ目の施策候補が選択された場合、施策提示部16は、
図6に示すように、バックヤードに商品が置きっぱなしになっていないかどうかを確認することを具体的な施策例として提示する。
【0046】
図5に示す2つ目の施策「他店舗の販売状況の確認」は、自店舗で死筋在庫と識別された商品と同じ商品が他店舗で売れているかどうかを確認するという施策である。商品は適切に展示されているのに販売が思わしくない状況にある場合に採り得る施策の候補として、他店舗での商品の販売状況を確認することを提示する。同じ商品なのに他店舗では売れていることが確認されたときには、他店舗で実施されている施策を参考にして、自店舗での売上を伸ばすための方策がないかを確認することができる。
【0047】
この2つ目の施策候補が選択された場合、施策提示部16は、
図7に示すように、VMD(Visual Merchandising)の変更、SNSでのアピール、店間移動の3つを具体的な施策例として提示する。VMDの変更は、例えば売れ行きの良い店舗における商品展示の方法を真似るといった施策である。SNSでのアピールは、売れ行きの良い店舗でのSNS発信の方法を真似るといった施策である。店間移動は、真似られる材料がないときには商品の店間移動を打診するという施策である。店間移動は、他店舗の在庫が順調に消化されているときや、在庫が少なくなってきているときに有効な施策である。なお、ECサイトが存在する場合には、ECサイトに在庫を移動させることも含む施策である。
【0048】
図5に示す3つ目の施策「値下げ可能性の確認」は、死筋在庫と識別された商品の値下げを検討するという施策である。商品が正しく展示されているうえで、他店舗でも販売が好ましくなかったり、他店舗に商品を移動させることができなかったりする場合に採り得る施策の候補として、その商品を売り切るために値下げすべきかどうかを確認することを提示する。この3つ目の施策候補が選択された場合、施策提示部16は、
図8に示すように、会員限定のクーポンを配布してクローズドな環境で値下げを実行する方法と、所定額を割り引いて販売する方法とを具体的な施策例として提示する。
【0049】
図5に示す4つ目の施策「廃棄可能性の確認」は、死筋在庫と識別された商品の廃棄を検討するという施策である。上述の通り、死筋在庫の商品がいつまでも滞留していると、企業にとって弊害を与えるものになり兼ねない。そこで、値下げをして商品を売り切ることも難しいと考えられる場合に採り得る施策の候補として、その商品を廃棄すべきか否かを確認することを提示する。
【0050】
図9は、4つ目の施策「廃棄可能性の確認」が選択されたときの画面例を示す。
図9の画面例では、このまま在庫として維持した場合の損失可能性の金額と、在庫を廃棄する場合にかかる廃棄料とを提示している。損失可能性の金額は、このまま在庫として特定の商品を保管し続けた場合、その保管期間において、どのくらいの保管費用が必要になるかを示したものである。保管の期間についてはユーザが任意で設定することもできるし、商品ごとに定められた廃棄期限(後述の販売期限など)を保管期間に設定することもできる。なお、倉庫の保管費用が倉庫の使用面積(もしくは契約している面積)で決められている場合、例えば特定の商品のサイズから倉庫での配置に必要な面積を割り出し、倉庫の面積の何%を占めているかを算出することで、特定の商品の保管費がどのくらいなのかを計算することが可能である。このように損失可能性の金額と廃棄料とを可視化することにより、現段階で商品を廃棄した方がよいかどうかといった判断を行うことが可能となる。
【0051】
ユーザは、
図5~
図9のように提示される施策候補(具体的な施策例を含む)の中から何れかを選択して実行する。施策の選択は、
図6~
図9に示したように、チェックボックスにチェックを入れて選択完了ボタンを操作することによって行う。選択受付部17は、以上のようにしてユーザにより選択される施策の選択を受け付ける。その後、ユーザが選択した施策を実行した場合、ユーザは実行した施策の名称と実行日、実行担当者などの情報をユーザ端末50から入力し、施策実行報告情報として在庫分析サーバ10に送信する。
【0052】
施策履歴記録部18は、施策提示部16により提示された候補の中からユーザにより選択されて実行された施策(選択受付部17が受け付けた施策)および実行日を施策履歴情報として施策関連情報記憶部103に記録する。すなわち、施策履歴記録部18は、ユーザにより選択された施策(承認が必要な施策の場合は承認を受けた施策)を施策関連情報記憶部103に記録する。その後、ユーザ端末50から施策実行報告情報が送られてきたときに、少なくとも実行日を選択された施策の名称に関連付けて施策関連情報記憶部103に記録する。なお、施策名称および実行日の他に、施策実行報告情報に含まれる情報を記録してもよい。
【0053】
マッピング部15は、施策が実行された商品の在庫について、実行日より前における在庫指標値および販売指標値と、実行日より後における在庫指標値および販売指標値とに基づいて、在庫ポジショニングマップ上にプロットされるシンボルの状態変化を可視化して表示するようにしてもよい。
図10は、シンボルの状態変化を可視化した在庫ポジショニングマップの表示例を示す図である。
図10では、2つのシンボルZ1,Z2に対応する商品について施策を実施したことにより、それぞれシンボルZ1’,Z2’の位置に変化したことが矢印で示されている。
【0054】
施策の実行日より後に再度在庫ポジショニングマップを生成することで、ユーザは、施策を実行した在庫についてマップ上でのポジショニングがどのように変化したかを把握することが可能である。ユーザは、このポジショニングの変化を確認することにより、施策の効果があったか否かを確認することが可能である。基本的に、矢印が右上に向かう方向となっている場合は、在庫指標値および販売指標値がそれぞれ目標値に近づく、すなわち在庫状況および販売状況が改善し、施策の効果があったと判断できる。一方、矢印が右上に向かう方向となっていない場合は、施策の効果がなかった、または効果が弱かったと判断できる。この場合にユーザは、
図5に示した施策候補ウィンドウを通じて別の施策を選択して実行する。
【0055】
なお、施策実行後に在庫ポジショニングマップを生成するときは、死筋在庫の商品だけを抽出してマッピングするようにしてもよい。
図10はそのような表示例を示している。あるいは、施策が実行された商品だけを抽出してマッピングするようにしてもよい。あるいは、施策別(例えば、VMDを変更した商品だけ、クーポンを配布した商品だけなど)に商品をフィルタリングしてマッピングするようにしてもよい。施策別に商品をフィルタリングしてマッピングすることで、どの施策の効果が高いのかの傾向をユーザが把握しやすくなる。なお、施策の効果についてのデータを収集しておくことで、どの施策がどういった場面で有効なのかを測定し、今後の施策実行に役立てることもできる。ここで、矢印が右上に向かう方向となっている施策を全て「有効」と評価するようにすることが可能である。あるいは、右上に向かう矢印のうち長さが所定値以上となっている矢印に対応する施策のみを「有効」と評価するようにしてもよい。これに限らず、「有効」の定義は任意に設定し得る。「有効」と評価された施策は効果があると認定される。
【0056】
施策の実行に関し、誰にどの施策の権限を与えるかをユーザにて決定できるようにすることが望ましい。本実施形態では、施策提示部16により提示される施策の候補に対して実施権限に関する情報をユーザ端末50において設定し、設定した情報を在庫分析サーバ10に送信して施策関連情報記憶部103に記録することができるようにしている。実施権限に関する情報は、誰がどの施策の権限者であるかを示す情報である。
【0057】
ワークフロー起動部19は、候補の中からユーザにより何れかの施策が選択されたときに(選択受付部17が施策の選択を受け付けたとき)、選択された施策に設定されている実施権限に対応する承認ワークフローを実行するようにワークフロー管理サーバ40を起動する。このようにすることにより、ユーザにより何れかの施策が選択されると、承認が必要な施策の場合は自動的にワークフロー管理サーバ40の承認ワークフローが起動する。例えば、店員が商品の販売と在庫の状況から値引きの施策を選択した場合、自動的に値下げの上申ワークフローが上長に回覧され、所定の承認ルートで値下げを認めていいかどうかを判断することが可能となる。選択された施策について実行の承認が下りると、施策履歴記録部18によってその施策名称の情報が施策関連情報記憶部103に記憶される。
【0058】
図11は、以上のように構成した本実施形態による在庫分析サーバ10の動作例を示すフローチャートである。なお、
図11のフローチャートの実行前に既に目標日販数および目標在庫日数は設定済みであるものとする。
【0059】
図11において、在庫分析サーバ10は、ユーザ端末50から在庫ポジショニングマップの作成指示があったか否かを判定する(ステップS1)。作成指示があった場合、在庫指標値取得部12が在庫関連情報記憶部102から在庫情報を取得するとともに、販売指標値取得部13が販売関連情報記憶部101から販売情報を取得する(ステップS2)。そして、在庫指標値取得部12が商品ごとに在庫指標値として在庫日数を算出するとともに、販売指標値取得部13が商品ごとに販売指標値として平均日販数を算出する(ステップS3)。
【0060】
次いで、在庫識別部14は、在庫日数が目標在庫日数より長いか否かと、平均日販数が目標日販数より少ないか否かとの組み合わせにより、商品の在庫を4つのタイプ(入荷検討在庫、売れ筋在庫、死筋在庫、成行在庫)に分類して識別する(ステップS4)。さらに、マッピング部15は、複数の商品の在庫日数および平均日販数と目標在庫日数および目標日販数との差分に基づいて、4つのタイプの分類に対応する4象限の領域上に複数の商品に対応するシンボルを表した在庫ポジショニングマップを生成し(ステップS5)、ユーザ端末50に表示する(ステップS6)。
【0061】
このときマッピング部15は、施策関連情報記憶部103の施策履歴情報を参照し、施策が実行された商品があるか否かを判定する。施策が実行された商品がある場合、その商品については、施策実行日より前における在庫指標値および販売指標値と、施策実行日より後における在庫指標値および販売指標値とに基づいて、在庫ポジショニングマップ上にプロットされるシンボルの状態変化を可視化して表示する。なお、シンボルの状態変化は、ユーザがユーザ端末50上にて所定の操作を行った場合のみ表示されるようにしてもよい。
【0062】
ここで、マッピング部15は、在庫ポジショニングマップ上の何れかのシンボルを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS7)。シンボルを選択する操作が行われていない場合は、
図11に示すフローチャートの処理を終了する。一方、何れかのシンボルを選択する操作が行われた場合、マッピング部15は、
図4に示すように、選択されたシンボルに対応する商品の詳細情報を表した詳細ウィンドウをポップアップ表示する(ステップS8)。
【0063】
続いて、施策提示部16は、詳細ウィンドウの中に存在する施策検討ボタンを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS9)。施策検討ボタンを選択する操作が行われていない場合は、
図11に示すフローチャートの処理が終了する。一方、施策検討ボタンを選択する操作が行われた場合、施策提示部16は、
図5に示すように、施策候補ウィンドウをポップアップ表示する(ステップS10)。
【0064】
ここで、施策提示部16は、施策候補ウィンドウの中から何れかの施策候補が選択されたか否かを判定する(ステップS11)。施策候補が選択されていない場合は、
図11に示すフローチャートの処理が終了する。一方、施策候補が選択された場合は、
図6~
図9に示すように、選択された施策候補に関してより具体的な施策例や検討材料の情報を提示する(ステップS12)。
【0065】
その後、選択受付部17は、何れかの施策が選択されたか否かを判定する(ステップS13)。施策が選択されていない場合は、
図11に示すフローチャートの処理が終了する。一方、何れかの施策が選択された場合、ワークフロー起動部19は、選択された施策に設定されている実施権限に対応する承認ワークフローを実行するようにワークフロー管理サーバ40を起動する(ステップS14)。
【0066】
その後、施策履歴記録部18は、承認ワークフローにおいて施策実行の承認が行われたか否かをワークフロー管理サーバ40に問い合わせる(ステップS15)。ここで、施策実行の承認が得られなかったことがワークフロー管理サーバ40より通知されると、
図11に示すフローチャートの処理が終了する。なお、この場合にステップS10に進むようにしてもよい。一方、施策実行の承認が行われたことがワークフロー管理サーバ40より通知されると、施策履歴記録部18は、承認された施策を施策履歴情報として施策関連情報記憶部103に記録する(ステップS16)。なお、選択された施策に実施権限が設定されていない場合は、ステップS14,S15の処理はスキップしてステップS16に進む。
【0067】
その後、施策履歴記録部18は、ユーザ端末50から施策実行報告情報が送られてきたか否かを判定する(ステップS17)。施策実行報告情報が送られてきた場合、その中に含まれている実行日の情報を、選択された施策の施策履歴情報として施策関連情報記憶部103に記録する(ステップS18)。以上により、
図11に示すフローチャートの処理が終了する。
【0068】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、複数の商品の在庫状況に関する在庫指標値(在庫日数)を取得するとともに、複数の商品の販売状況に関する販売指標値(平均日販数)を取得し、在庫指標値が在庫閾値(目標在庫日数)より低評価側で、かつ販売指標値が販売閾値(目標日販数)より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別するようにしている。
【0069】
このように構成した本実施形態によれば、単に在庫指標値が在庫閾値より低評価側か否かという観点だけではなく、販売指標値が販売閾値より低評価側か否かという観点との論理積に基づいて在庫の状況が識別されるので、単に在庫期間が長いか否かで在庫の滞留危険度を判定する場合とは異なり、在庫指標値および販売指標値の両方とも低評価の値が示されている商品の在庫を、在庫の中でも優先的に対処すべき死筋在庫として把握することができる。
【0070】
また、本実施形態では、死筋在庫を識別するために用いる在庫閾値および販売閾値を在庫指標値および販売指標値に関する目標値としているので、在庫指標値と販売指標値とがそれぞれ目標値を基準としてそれよりも低評価か否かによって死筋在庫を識別することができる。そして、死筋在庫と識別された商品については施策候補を提示することにより、在庫指標値および販売指標値の少なくとも一方が目標値に近づくように支援することができる。
【0071】
また、本実施形態では、商品の在庫を4つのタイプに分類して識別し、4つのタイプの分類に対応する4象限のセグメントマップ上に複数の商品に対応するシンボルを表した在庫ポジショニングマップを生成してユーザに提示するようにしている。これにより、死筋在庫と識別された商品を一見して把握しやすくすることができる。それと同時に、入荷検討在庫、売れ筋在庫、成行在庫についても把握しやすくすることができ、ユーザはそれぞれに必要な施策を検討するなどの対応を行いやすくなる。
【0072】
また、本実施形態では、特に優先的に対応すべき死筋在庫については、在庫指標値および販売指標値の少なくとも一方を改善するための施策の候補を提示するようにしている。これによりユーザは、死筋在庫をキャッシュ化するための施策を検討しやすくなる。また、本実施形態では、ユーザが施策を実行した場合、施策実行日の前後でのシンボルのポジショニングの変化を可視化した在庫ポジショニングマップを生成して表示するようにしているので、施策の効果があったか否かを確認することができる。
【0073】
なお、上記実施形態では、在庫指標値として在庫日数または在庫回転日数を用いる例について説明したが、これに限定されない。例えば、在庫数量、在庫金額、在庫回転率などを在庫指標値として用いるようにしてもよい。また、上記実施形態では、販売指標値として平均日販数を用いる例について説明したが、これに限定されない。例えば、商品の売上金額、粗利益額、プロパー消化率(仕入数量/金額に対し、値引きなどをせずに正規の価格で販売できた数量/金額の比率)などを販売指標値として用いるようにしてもよい。
【0074】
あるいは、商品に設定された販売期限が近いかどうかを販売指標値として用いるようにしてもよい。例えば食品の場合、賞味期限や消費期限を販売期限として設定することが可能である。衣類など季節性のある商品については、シーズン末期(例えば冬物であれば2月末など)を販売期限として設定することが可能である。販売期限が近いのに在庫が多い商品については、売れ残りとなる可能性が高い。食品の場合は期限切れにより廃棄に直結する可能性がある。そこで、例えば販売期限までの残り日数を販売指標値として、それが販売閾値より低評価側で、かつ、在庫指標値が在庫閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫と識別するようにしてもよい。
【0075】
また、在庫ポジショニングマップを生成する際に、平均日販数の算出対象となる期間をユーザが任意に変更することを可能としてもよい。例えば、販売開始(商品が店舗に入荷した日)から在庫ポジショニングマップを生成する時点までの期間を指定して平均日販数の算出するようにしてもよい。あるいは、マップを生成する1か月前や1週間前などの期間を指定して平均日販数を算出するようにしてもよい。対象期間を可変として在庫ポジショニングマップを生成することにより、長期間での推移や直近の推移を任意に指定して確認することができるようになる。
【0076】
また、店舗で販売する商品の在庫を店舗のバークヤードで保管するケースと、ECサイトで販売する商品の在庫を倉庫に保管するケースとに分けて在庫識別部14やマッピング部15の処理を実行するようにしてもよい。また、
図12に示すように、店舗在庫に関するシンボルと倉庫在庫に関するシンボルとを合わせて在庫ポジショニングマップ上に表示し、両者のシンボルを視覚的に区別できるように表示するようにしてもよい。
図12において、中を塗り潰した円形のシンボルが店舗在庫に関するものを示し、中を塗り潰していない円形のシンボルが倉庫在庫に関するものを示している。
【0077】
このような在庫ポジショニングマップを生成することにより、店舗での販売に係る商品の在庫タイプの分布と、ECサイトでの販売に係る商品の在庫タイプの分布とを比較して検討することが可能である。また、店舗では売れ筋ではないが全社的には売れ筋である商品や、ECサイトでは売れ筋だが全社的には売れていない商品を把握するなど、店舗販売の状況と全体販売の状況との比較あるいはECサイト販売の状況と全体販売の状況との比較などを通じて在庫状況を検討することも可能である。
【0078】
また、
図4から
図10の詳細ウィンドウにて表示されている商品は、SKU(Stock Keeping Unit、在庫管理上の最小の品目数を数える単位)で表示されているが、商品単位はSKUに限定されない。例えば各SKUを複数階層のカテゴリーに分類しておき、そのカテゴリーを商品単位として表示しても良い。これにより、類似する商品をグループ単位で扱うことができ、該グループごとの在庫状況を把握することも可能となる。
【0079】
また、上記実施形態では、複数の商品の在庫指標値および販売指標値に基づいて特定される座標位置にシンボルを表した在庫ポジショニングマップを生成して提示する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、在庫識別部14により識別された4つのタイプの在庫を、在庫ポジショニングマップの形態で提示することを必須とするものではない。例えば、在庫のタイプごとに分けて商品をリスト表示する形態としてもよい。ただし、在庫ポジショニングマップを生成して提示する方が、リスト表示と比べて直感的に在庫状況を把握することができる点で好ましい。特に商品数が多くなるほど、在庫ポジショニングマップにより在庫状況の把握がしやすくなる。また、在庫ポジショニングマップを生成する場合、例えば、複数商品の座標位置をもとに計算した近似式を更に重畳表示し、近似式の係数や近似式と任意の商品の座標位置との距離等を分析することで、より直感的な在庫状況の把握、及び、優先的な対応が必要な商品の選択や実施すべき施策の検討、施策実施時の目標設定が容易になる。
【0080】
その一方、リスト表示する場合には、施策の候補をあわせて表示し、今回実施すべき施策をリスト上から選択してもよい。また、施策を実行した後、リスト上から施策実行報告情報を入力できるようにしてもよく、リスト上に過去に実施した施策を表示してもよい。リストの場合は、リスト上から施策実行報告情報を入力することにより、商品ごとに詳細ウィンドウから施策実行報告情報を入力する場合と比較して、入力作業が容易となる。また、施策ごとのフィルタリングが可能となり、同じ施策を実行した商品を把握するのがより容易になる。
【0081】
また、上記実施形態では、在庫指標値が在庫閾値より低評価側か否かと、販売指標値が販売閾値より低評価側か否かとの組み合わせにより、商品の在庫を4つのタイプに分類して識別する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、特に優先して対処すべき死筋在庫のみを識別するようにしてもよい。すなわち、在庫識別部14は、在庫指標値が在庫閾値より低評価側で、かつ販売指標値が販売閾値より低評価側の商品の在庫を死筋在庫として識別するのみとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、施策提示部16により提示される施策候補の情報があらかじめ決められている例について説明したが、これに限定されない。例えば、在庫指標値および販売指標値に基づいて特定される在庫ポジショニングマップ上の座標位置に応じて、提示する施策候補の内容を変えるようにしてもよい。また、施策が実行された商品について、施策実行日前後の在庫指標値および販売指標値に基づいて特定される在庫ポジショニングマップ上の座標位置の変化の態様(例えば、
図10に示す矢印の向きや大きさ)に応じて、提示する施策候補の内容を変えるようにしてもよい。また、前述のように、過去の施策の効果を測定しておき、測定された結果をもとに効果を得られやすいと予想される施策を優先的に表示してもよい。例えば、「有効」と評価されている施策を、効果を得られやすいと予想される施策として優先的に表示するようにしてもよい。優先的に表示するとは、複数の施策候補を表示する際に、最上段に表示する、文字を太字化したりハイライトしたりするなど強調する、などユーザが視認しやすい表示方法を指す。
【0083】
また、上記実施形態では、
図10において、シンボルの状態変化を可視化しているが、変化後のシンボルを選択したときに、施策の効果をユーザが選択できるチェックボックスを詳細ウィンドウとして表示してもよい。チェックボックスには、例えば効果大、効果中、効果小といった項目を用意しておき、シンボルの状態変化の度合いをもとにユーザがチェックボックスを選択する。選択結果は施策関連情報記憶部103に送信されて、実行された施策の名称等と関連付けて効果の評価情報として保存される。その結果、施策関連情報記憶部103には、過去の実行施策とその効果とが施策履歴情報として蓄積される。施策提示部16では、施策関連情報記憶部103に施策履歴情報として記憶された評価情報をもとに過去の実行施策の効果の高さを分析し、効果が高いと算出された施策を優先的に表示してもよい。効果が高い施策とは、例えば「効果大」の項目が選択された施策とすることが可能である。あるいは、効果大、効果中、効果小のそれぞれに評価値を設定しておき、ある施策が複数回実行された場合またはある施策が複数の商品について実行された場合のそれぞれで選択される評価値をもとに所定の関数によりスコアを算出し、そのスコアが閾値以上となる場合に、当該ある施策を効果が高い施策と評価するようにしてもよい。なお、チェックボックスを利用してユーザが効果を入力するほかに、
図10におけるシンボルの状態変化の移動量(矢印の傾き量や長さ)をもとに、自動的に効果の高さを判定してもよい。
【0084】
また、過去の実行施策の効果の高さの分析については、その対象を個々の商品単位、複数の類似商品をまとめた商品群単位、または取扱商品を全て含む商品全体単位の中から選択できるようにしてもよい。また、効果について点数化を行い、その点数の大小を判断基準としてもよい。この場合、より目標値に近づく効果の得られた施策の点数を高く設定してもよく、中心点へ向かう矢印の長さに応じた点数付けをしてもよい。さらに、商品単体、商品群において施策の重みづけを変更してもよい。これは商品の違いにより施策の効果が違う場合も想定されるため、その商品単体や商品群に合った最適な施策を講じることが有効であると考えられる。
【0085】
また、上記実施形態では、死筋在庫と識別された商品の在庫についてのみ施策候補を提示する例について説明したが、これに加え、入荷検討在庫、売れ筋在庫、成行在庫に分類される商品について施策候補を提示するようにしてもよい。この場合、在庫識別部14により分類された4つのタイプの在庫について、在庫指標値および販売指標値の少なくとも一方を目標値に近づける(在庫ポジショニングマップにおいてシンボルの配置位置を中央の座標位置に近づける)ための施策の候補を提示するようにしてもよい。また、成行在庫は在庫数が多いため、売り上げが減少した場合は死筋在庫となる可能性を秘めている。そのため、売り上げが減少し、在庫日数がさらに伸びる傾向にある場合は注意喚起をしてもよい。さらに、売れ筋在庫については、
図10に示すような状態変化において左方向に矢印が向くような場合においては入荷検討在庫となる可能性を秘めているため、注意喚起をしてもよい。
【0086】
目標値に近づけるための施策候補の1つとして、目標値の変更を含ませるようにしてもよい。例えば、在庫ポジショニングマップ上に配置される複数の商品のシンボルが全体的に右上の領域に多く分布されるような場合は、在庫指標値に関する目標値および販売指標値に関する目標値が何れも妥当な値より低く設定されている可能性が考えられる。逆に、在庫ポジショニングマップ上に配置される複数の商品のシンボルが全体的に左下の領域に多く分布されるような場合は、在庫指標値に関する目標値および販売指標値に関する目標値が何れも妥当な値より高く設定されている可能性が考えられる。また、複数の商品のシンボルが全体的に上側の領域、下側の領域、左側の領域または右側の領域に多く分布されるような場合は、在庫指標値に関する目標値および販売指標値に関する目標値の何れか一方が妥当な値より高くまたは低く設定されている可能性が考えられる。このような場合に、目標値を変更することも1つの施策候補として提示する。
【0087】
また、上記実施形態では、在庫閾値と販売閾値をそれぞれ設定しているが、これらの閾値は複数段階で設定してもよい。例えば、在庫閾値を2つ(注意するべき水準となる値と、即座に対応が必要となる数値)、販売閾値を2つ(注意するべき水準となる値と、即座に対応が必要となる数値)用意することにより、在庫識別部14により分類されるタイプの在庫が8つとなる。タイプを細分化することにより、該タイプに応じて施策候補も細分化でき、より適した施策候補をユーザに提示することが可能になる。
【0088】
また、上記実施形態では、在庫閾値および販売閾値として、在庫指標値に関して設定された目標値および販売指標値に関して設定された目標値を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、その商品について統計的に算出される値(例えば平均値など)を在庫閾値および販売閾値として用いるようにしてもよい。
【0089】
また、上記実施形態において、施策提示部16、施策履歴記録部18、ワークフロー起動部19は必須の構成ではなく、これらの何れか1つまたは複数を省略してもよい。
【0090】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0091】
10 在庫分析サーバ(在庫分析装置)
11 目標設定部
12 在庫指標値取得部
13 販売指標値取得部
14 在庫識別部
15 マッピング部
16 施策提示部
17 選択受付部
18 施策履歴記録部
19 ワークフロー起動部
20 販売情報管理サーバ
30 在庫情報管理サーバ
40 ワークフロー管理サーバ
50 ユーザ端末
101 販売関連情報記憶部
102 在庫関連情報記憶部
103 施策関連情報記憶部