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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018638
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20250130BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20250130BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20250130BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H05K7/20 G
H05K5/02 L
H01L23/46 C
B60R16/02 610D
B60R16/02 610B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122528
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神保 三四郎
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
4E360AB08
4E360AB09
4E360BA01
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA03
4E360EA24
4E360EB02
4E360EB04
4E360EE02
4E360GA24
4E360GA29
4E360GA53
4E360GB11
4E360GB99
4E360GC04
5E322AA01
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA05
5E322BB03
5E322EA10
5E322EA11
5E322FA04
5F136CA01
5F136CA11
(57)【要約】
【課題】天板に放熱穴を設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板の放熱穴から侵入する水を筐体外へ排水することができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器(1)は、発熱素子(71)と、発熱素子(71)が内部に設置され放熱穴(2a)が設けられた天板(40)と排水穴(2b)が設けられた側板(42)とを備える筐体(2)と、発熱素子(71)に接して放熱する放熱部(90)と放熱穴(2a)の下方に位置して放熱部(90)に接続する側とは反対側の端部が排水穴(2b)の外に突出し放熱穴(2a)から侵入する水を受けて排水穴(2b)へ誘導する水受け部(100)とが一体的に構成されたヒートシンク(9)と、放熱部(90)の上面(91)から水受け部(100)の上面(101)を経由して放熱穴(2a)および排水穴(2b)へ向けて送風するファン(110)と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷によって排熱を行なう電子機器であって、
発熱素子と、
前記発熱素子が内部に設置され、放熱穴が設けられた天板と、排水穴が設けられた側板と、を備える筐体と、
前記発熱素子に接して前記発熱素子の熱を放熱する放熱部と、前記放熱部に接続して形成され、前記放熱穴の下方に位置して前記放熱部に接続する側とは反対側の端部が前記排水穴の外に突出し、前記放熱穴から侵入する水を受けて前記排水穴へ誘導する水受け部と、が一体的に構成されたヒートシンクと、
前記放熱部の上面から前記水受け部の上面を経由して前記放熱穴および前記排水穴へ向けて送風するファンと、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記水受け部には、前記放熱部側から前記排水穴側に向かって下降する傾斜が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ヒートシンクは、前記放熱部と前記水受け部との間に、前記水受け部が受けた水が前記放熱部に侵入することを防止する堤防部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記堤防部の前記放熱部側は、前記放熱部の上面から延びる平面形状、または、前記放熱部の上面に対して前記水受け部側に向かって緩やかに上昇する形状であり、
前記堤防部の前記水受け部側は、前記水受け部の上面に対して切り立った形状である
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記堤防部は、前記放熱穴の直下よりも前記排水穴から離間した前記放熱部側に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
前記側板にはコネクタが配置され、
前記側板の外面から前記水受け部の先端までの突出量は、前記側板の外面から前記コネクタの先端までの突出量よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上方からの水が、電気・電子部品に触れないように対策された電子機器が知られている。例えば、特許文献1には、電子機器としての車載装置が記載されており、電気・電子部品を収納する筐体の底板に、冷却用の空気を取り込むための吸気口と、冷却後の空気を排出するための排気口と、を設けることで、吸気口、排気口を通じて、水や塵埃が筐体の内部に入ることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-110640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高温の空気は上昇し易い。そのため、電子機器を効率よく放熱をするには筐体の天板に放熱穴を設けることが好ましい。しかし、天板に放熱穴を設けた場合には、放熱穴を通じて筐体内に水が侵入し、筐体内部の電子部品に水が触れる恐れがあるという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、天板に放熱穴を設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板の放熱穴から侵入する水を筐体外へ排水することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の電子機器は、空冷によって排熱を行なう電子機器であって、発熱素子と、前記発熱素子が内部に設置され、放熱穴が設けられた天板と、排水穴が設けられた側板と、を備える筐体と、前記発熱素子に接して前記発熱素子の熱を放熱する放熱部と、前記放熱部に接続して形成され、前記放熱穴の下方に位置して前記放熱部に接続する側とは反対側の端部が前記排水穴の外に突出し、前記放熱穴から侵入する水を受けて前記排水穴へ誘導する水受け部と、が一体的に構成されたヒートシンクと、前記放熱部の上面から前記水受け部の上面を経由して前記放熱穴および前記排水穴へ向けて送風するファンと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、天板に放熱穴を設けたので、高温の空気が上昇する性質を利用して高温の空気を速やかに筐体の外部に排出させることができ、効率的に放熱することができる。また、天板の放熱穴から水が侵入しても、ヒートシンクの水受け部で水を受けて排水穴に誘導することができると共に、水受け部の傾斜、またはファンの送風力を十分に強くすることによって送風を利用して筐体外へ排水することができる。したがって、本発明によれば、天板に放熱穴を設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板の放熱穴から侵入する水を筐体外へ排水することができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係る車載装置の斜め上方から見た斜視図である。
図2】実施の形態1に係る車載装置の斜め下方から見た斜視図である。
図3】実施の形態1に係る車載装置からトップケースとフロントカバーとを取り外した斜視図である。
図4】実施の形態1に係る車載装置の後側の側板を示す斜視図である。
図5図1のV-V線断面図である。
図6】実施の形態1に係るヒートシンクの水受け部の周辺の拡大図である。
図7】実施の形態2に係るヒートシンクの水受け部の周辺の拡大図である。
図8】実施の形態3に係るヒートシンクの水受け部の周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.実施の形態1に係る電子機器の構成]
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、実施の形態1に係る車載装置1の斜め上方から見た斜視図である。図2は、同じ車載装置1の斜め下方から見た斜視図である。
本実施の形態では、電子機器の一例としての車載装置1について説明する。本実施の形態では、車載装置1は、基本的には水平面に設置されたものとして説明する。本実施の形態では、車載装置1について、前後、左右という場合には、図1の車載装置1を基準にする。すなわち、車載装置1の前側は、図1上の左下側が対応し、車載装置1の後側は、図1上の右上側が対応するものとして説明する。また、車載装置1の左側は、図1上の左上側が対応し、車載装置1の右側は、図1上の右下側が対応するものとして説明する。
【0010】
車載装置1は、例えば、インフォテイメント装置やオーディオ装置、ナビゲーション装置といった車両に搭載される装置である。車載装置1は、外観形状を構成する筐体2を備える。筐体2は、車両における設置スペースに収まる形状(図示例では直方体形状)、及び寸法に、金属や樹脂などの適宜の材料から形成されている。設置スペースとしては、例えば、車両のダッシュボードに設けられた収納凹部が挙げられるが、表示部や操作パネルを有さない場合は車両のダッシュボード内部の見えない場所に埋め込まれる場合もある。この設置スペースのサイズには、例えば、ドイツ工業規格の1DIN、または2DINのサイズ規格が用いられる。
【0011】
図3は、実施の形態1に係る車載装置1からトップケース4とフロントカバー5とを取り外した斜視図である。
図1および図3に示されるように、本実施の形態に係る車載装置1は、下方に配置されるボトムケース3と、ボトムケース3に収容される回路基板6、7と、回路基板6、7に設置されるヒートシンク8、9と、下側のヒートシンク8の上方に配置されるファンユニット10と、ボトムケース3を上方から閉塞して回路基板6、7とヒートシンク8、9とファンユニット10とを覆うトップケース4と、ボトムケース3およびトップケース4の前面を覆うフロントカバー5と、を有する。
【0012】
ボトムケース(第1の部材)3は、上方が開放された浅底の箱形状である。本実施の形態のボトムケース3は、矩形平板状の底板部(底板)30(図2参照)と、底板部30の前後左右に設けられた側板部に対応する前板部31、後板部32、左板部33、右板部34と、を有する。
【0013】
トップケース(第2の部材)4は、下方が開放された深底の箱形状である。本実施の形態のトップケース4は、図1に示すように、矩形平板状の天板部(天板)40と、天板部40の前後左右に設けられた側板とを有する。側板は、前板部41(図5を参照)、後板部(側板)42、左板部43、右板部44により構成される。
【0014】
フロントカバー(第3の部材)5は、ボトムケース3の前板部31およびトップケース4の前板部41を覆う。本実施の形態のフロントカバー5は、トップケース4の前板部41とともに前側の側板を構成する外側前板部51と、前板部51の上端から後方に屈曲する天板接続部50と、を有する。
【0015】
ボトムケース3とトップケース4とフロントカバー5とリアカバー52(図4を参照)により、本実施の形態の筐体2が構成される。すなわち、ボトムケース3の前板部31、後板部32、左板部33、右板部34が、それぞれ、トップケース4の前板部41、後板部42、左板部43、右板部44と接続されると共に、フロントカバー5の前板部51、天板接続部50が、それぞれ、ボトムケース3の前板部31およびトップケース4の前板部41、トップケース4の天板部40と接続されることにより、中空の筐体2が構成される。
【0016】
本実施の形態では、前板部31と前板部41と前板部51とにより、筐体2の前側の側板が構成される。後板部32と後板部42とリアカバー52とにより、筐体2の後側の側板が構成される。左板部33と左板部43とにより、筐体2の左側の側板が構成される。右板部34と右板部44とにより、筐体2の右側の側板が構成される。天板部40と天板接続部50とにより、筐体2の天板が構成される。底板部30により、筐体2の底板が構成される。
【0017】
筐体2の底板、すなわち、ボトムケース3の底板部30には、吸気口35が形成される(図2参照)。吸気口35は、複数の丸穴により構成される。本実施の形態の吸気口35は、下側の回路基板6の発熱素子61(図5参照)に対向する位置に形成される。
【0018】
図4は、実施の形態1に係る車載装置1の後側の側板を示す斜視図である。
筐体2の天板、すなわち、トップケース4の天板部40には、複数の放熱穴2aが形成される。放熱穴2aは天板部40の外周部に形成される。本実施の形態の放熱穴2aは、後端部に形成される。放熱穴2aは、前後方向に延びる長孔状に形成される。放熱穴2aは、左右方向に複数形成され、全体として放熱口を構成する。本実施の形態では、放熱穴2aは、トップケース4の天板部40から後板部42に渡って形成される。すなわち、本実施の形態では、放熱穴2aは、トップケース4の天板部40および後板部42に形成される。
【0019】
筐体2の側面には、放熱穴2aの下方に対応して排水穴2bが形成される。本実施の形態では、筐体2の後側の側板に、排水穴2bが形成される。排水穴2bは、水平方向に延びる開口である。排水穴2bは、放熱穴2aの形成範囲よりも左右方向に長く形成される。本実施の形態では、トップケース4の後板部42には上方に凹んだ下縁部42aが形成される。後板部42の下縁部42aと、後述する水受け部100の延出方向の先端102との囲み形状により、排水穴2bが構成される。
【0020】
筐体2の側面には、放熱穴2aの下方に対応してコネクタ穴2cが形成される。本実施の形態では、筐体2の後側の側板に、複数のコネクタ穴2cが適宜に形成される。コネクタ穴2cは、排水穴2bよりも下方に形成される。本実施の形態では、一部のコネクタ穴2cと、排水穴2bとは一体の開口形状を形成する。
【0021】
図5は、図1のV-V線断面図である。
筐体2の内部には、回路基板6、7が配置される。回路基板6、7は、例えば、プリント基板である。回路基板6、7は、上下に間隔を空けて配置される。回路基板6、7は、ボトムケース3またはトップケース4に固定される。下側の回路基板6は、図3に示すように、底板部30の略全面に亘って設置される基板60を有する。上側の回路基板7は、ファンユニット10を回避するような形状に形成された基板70を有する。基板60、70には、図3図5に示すように、車載装置1に必要な電気・電子部品61、62、63、64、65、66、71、72、73、74等が搭載されている。基板60、70には、車載装置1の各種の機能を実現するための多数の部品が実装面に配置されている。
【0022】
これらの部品の中には、他の部品に比べて発熱量が多く、また安定動作のために放熱を要する部品としての発熱素子61、71が含まれている。発熱素子61、71としては、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサや、SoC(System-on-a-Chip)やPIC(Peripheral Interface Controller)などの各種の集積回路が挙げられる。本実施の形態では、発熱素子61は、SoCである。発熱素子71は、PICである。
【0023】
上側の基板60と下側の基板70とは、ハーネス62により電気的に接続される。
基板60、70の後端部には、適宜のコネクタ63、64、65、66、73、74(図4参照)が設けられている。コネクタ63、64、65、66、73、74には、外部機器から延びるそれぞれの外部端子が着脱可能に接続される。コネクタ63、64、65、66、73、74は、コネクタ穴2cを通じて筐体2の外部に突出している。
【0024】
発熱素子61、71には、それぞれ、ヒートシンク8、9が密着される。ヒートシンク8、9の下面は、発熱素子61、71の上面に、熱伝導性グリスや熱伝導性シートを介して密着する。これにより、ヒートシンク8、9は発熱素子61、71から熱を受ける。なお、熱伝導性グリスや熱伝導性シートは省略してもよい。ヒートシンク8、9は、発熱素子61、71の熱を吸収して、その熱を周囲の空気に放出する。これにより、ヒートシンク8、9は、発熱素子61、71の発熱を空冷によって放熱する。ヒートシンク8、9は、例えば、アルミニウムや、銅、アルミニウム合金などの高熱伝導性材料から形成されている。本実施の形態のヒートシンク8はアルミ板、ヒートシンク9は、アルミダイカストである。
【0025】
下側のヒートシンク8は、図5に示すように、断面でL字状に形成される。ヒートシンク8は、上下方向に厚みを有し前後方向に延びる板状の本体部80と、本体部80の前端から上方に曲がる板状の屈曲部81と、を有する。ヒートシンク8は、本体部80の下面が、発熱素子61の上面に密着する。
【0026】
下側のヒートシンク8の上方には、ファンユニット10が配置される。ファンユニット10は、ファン110と、ファン110を支持するエアダクト120とを有する。エアダクト120が天板部40の内面に固定される。エアダクト120の下面には、ファン110が固定される。
【0027】
本実施の形態では、ファン110には軸流ファンが用いられている。ファン110は、矩形環状のファンケーシング110aと、ファンケーシング110aの内周部に支持されたファンモータ110bと、ファンモータ110bに回転可能に支持された羽根(不図示)と、を有する。ファンケーシング110aは、ボルトなどの固定具によりエアダクト120の下面に固定される。ファン110は、ファンモータ110bの上下方向に延びるモータ軸を回転中心として回転する。ファン110は、下方から空気を吸いこみ上方に送風する。なお、ファン110の種類は、シロッコファンなどの軸流ファン以外でもよい。
【0028】
エアダクト120は、ファン110により送風される空気をヒートシンク9に導く。エアダクト120は、上下方向に厚みを有する板状の本体部121を有する。本体部121は、後方に進むに連れて左側に傾斜して延びる平板状である(図3参照)。本体部121の前端部には、上下方向に貫通する通風口121aが形成される。通風口121aに対応して、本体部121の下面には、ファン110が固定される。ファン110は、通風口121aを覆うように配置される。これにより、ファン110がヒートシンク8の本体部80に対向する。
【0029】
このとき、ファンケーシング110aの下面は、ヒートシンク8の屈曲部81の上端よりも下方に位置する。ファンケーシング110aの下面は、上側の基板70よりも下方に位置する。これにより、ヒートシンク8の本体部80の上方を流れる空気が、ファン110により通風口121aを通じてエアダクト120内に送られ易くなっている。
【0030】
本体部121の上面には、上面に対して起立した形状のダクト壁122(図3参照)が形成される。ダクト壁122は、平面視で、通風口121aの左前側に沿って半円弧状に延びる前側壁123と、前側壁123の左端から左後方に延びる左側壁124と、前側壁123の右端から左後方に延びる右側壁125と、を有する。本体部121の上面では、通風口121aの前側、左側、および、右側が、ダクト壁122の前側壁123、左側壁124、および、右側壁125で包囲される。左側壁124と右側壁125とは所定の間隔を空けて後方に延びる。前側壁123の上端、左側壁124の上端、および、右側壁125の上端の囲み形状により、後方に開放された略U字状の上部開口122aが形成される。ダクト壁122の上端は、天板部40に当接または近接するように構成される。本体部121の後端、左側壁124の後端、および、右側壁125の後端の囲み形状により、上方に開放された略U字状の後部開口122bが形成される。
【0031】
ダクト壁122の上部には、外周部に複数の固定部126が形成される(図3参照)。固定部126は、トップケース4の天板部40に固定される。このとき、上部開口122aが天板部40により閉塞されると共に、後部開口122bの上方が閉塞される。すなわち、ダクト壁122と天板部40とによって囲まれた空間により空気の流路120S(図5参照)が形成される。エアダクト120では、通風口121aから流入した空気は、流路120Sを流れ、後部開口122bから流出する。
【0032】
前側壁123は、上方に延びる下部123aと、下部123aの上端から上方に進むに連れて左後方に傾斜する上部123bとを有する。上部123bの傾斜形状により、通風口121aから上方に流れる空気が左後方に流速を落とさずに案内され易くなっている。
【0033】
エアダクト120の後部開口120bの後方には、ヒートシンク9が配置される。ヒートシンク9は、エアダクト120から放熱穴2aに向けて延びる。ヒートシンク9は、発熱素子71の上方に位置する放熱部90と、放熱部90に接続され放熱穴2aの下方に位置する水受け部100と、を一体に有する。
【0034】
ヒートシンク9の上面、すなわち、放熱部90の上面91と水受け部100の上面101とには、幅方向に一対の外壁部111、112(図3参照)が形成される。外壁部111、112は、エアダクト120から放熱穴2aに向けて延びる。外壁部111、112は、放熱部90および水受け部100の上面91、101と共に、上方に開放された凹部形状を構成する。
【0035】
水受け部100における外壁部111、112は、放熱穴2aよりも左右方向外側に形成される。外壁部111、112は、天板部40に当接または近接する高さに形成される。放熱部90および水受け部100の上面91、101と、外壁部111、112と、天板部40と、によって囲まれた空間により、空気の流路9Sが形成される。ヒートシンク9では、エアダクト120の後部開口120bから流出した空気は、流路9Sを流れ、放熱穴2aや排水穴2bから筐体2の外に排出される。
【0036】
以下、ヒートシンク9について上流側という場合には、ヒートシンク9のエアダクト12側の意味で用いる。また、ヒートシンク9について下流側という場合には、ヒートシンク9の放熱穴2a側の意味で用いる。
【0037】
図5に示すように、放熱部90は、ブロック状のベース部92を有する。ベース部92は、エアダクト120から放熱穴2aに向けて延びる。ベース部92の下面には、角柱状に形成された受熱部93が形成される。受熱部93の下面は、発熱素子71の上面に密着する。
【0038】
ベース部92の上流端には、ダクト接続部94が形成される。ダクト接続部94は、ベース部92から下方に突出した後、前方に突出する。ダクト接続部94は、エアダクト120の下方に進入している。
【0039】
ベース部92の上面、すなわち、放熱部90の上面91は、下流に進むに連れて上方に傾斜する上流上面91aを有する。換言すれば、上流上面91aは、下流に進むに連れて天板部40との間隔が狭まっている。上流上面91aの上流端は、エアダクト120の本体部121の上面と同様の高さに形成される。上流上面91aの上流端は、本体部121の上面よりも低くてもよい。これにより、エアダクト120から排出された空気が放熱部90の上面91に移動し易くなっている。
【0040】
上流上面91aの下流側には、天板部40に沿って延びる中流上面91bが形成される。中流上面91bは受熱部93の上方に位置する。中流上面91bの下流側には、下流に進むに連れて上方に傾斜する下流上面91cが形成される。
【0041】
ベース部92の下流端には、コネクタ回避部95が形成される。コネクタ回避部95は、L字状に切り欠かれている。コネクタ回避部95には、コネクタ73、74(図3図4参照)が収容される。
【0042】
上面91には、上面91に立設される複数の放熱フィン96が形成される。放熱フィン96は、外壁部111、112の間に形成される。放熱フィン96は、左右方向に所定の間隔を空けて配置される。放熱フィン96は、断面が、上方に進むに連れて先細る略台形状である。放熱フィン96は、後方に進むに連れて左側に傾斜するように延びる。なお、図5では、傾斜する放熱フィン96に交差する断面を示すため、放熱フィン96は、前後方向に間隔を空けるように図示されている。
【0043】
図6は、実施の形態1に係るヒートシンク9の水受け部100の周辺の拡大図である。図6は、図5の要部拡大図である。
放熱部90の下流側には、放熱部90に接続され放熱穴2aの下方に位置する水受け部100が形成される。水受け部100は、放熱部90に比べて厚みの薄い板状である。水受け部100は後方に延出する。水受け部100は、平面視で放熱穴2aの形成範囲よりも広くなるように形成される。水受け部100の延出方向の先端102は、排水穴2bを貫通し筐体2の後方に突出する。水受け部100の先端102が筐体2の外面に対して突出する突出量L1は、近傍のコネクタ73、74の突出量L2よりも小さく形成されている。本実施の形態では、水受け部100の突出量L1は、コネクタ63~66、73、74の突出量よりも小さく形成されている。
【0044】
本実施の形態では、水受け部100の上面101は、下方に進むに連れて後方(排水穴2b側)に傾斜する平坦面である。水受け部100の上面101と、排水穴2bの上縁、すなわち、後板部42の下縁部42a(図4参照)との間隔は、水受け部100の上面101を流れる水が下縁部42aに触れない程度の大きさに形成される。
【0045】
なお、本実施の形態において、ヒートシンク9における放熱部90と水受け部100とは、放熱フィン96と外壁部111、112以外の部分、すなわち、放熱部90の上面91と水受け部100の上面101とが形成する上面形状のうち、最も高い部分(換言すれば、天板部40と上面91、101の間隔が最も狭い部分)を基準にして規定できる。すなわち、ヒートシンク9では、最も高い部分は、流路9Sに交差するように形成される。前記の最も高い部分は、外壁部111と外壁部112との間を接続する。前記の最も高い部分よりも放熱穴2a側のヒートシンク9の部分が水受け部100を構成する。また、水受け部100以外のヒートシンク9の部分が放熱部90を構成する。
【0046】
本実施の形態では、前記の最も高い部分により、堤防部113が構成される。堤防部113は、放熱穴2aよりも上流側に形成される。堤防部113により、水受け部100で受けた水がエアダクト120側に侵入することを防止し易くできる。本実施の形態の堤防部113は、最も高い部分である頂部113aと、頂部113aの水受け部100側に形成され水受け部100の上面101に対して略直交状に切り立った形状の堤防壁面113bと、頂部113aの放熱部90側に形成され上流から下流に進むに連れて上方に傾斜した堤防傾斜面113cと、を有する。
【0047】
堤防壁面113bにより、車体が傾いて車載装置1が傾いたとしても水受け部100の水がエアダクト120側に侵入することを抑制し易くなっている。
堤防傾斜面113cは、下流上面91cから面一状に延びる。堤防傾斜面113cにより、空気が堤防部113に乱されずに勢いを維持した状態で下流側に流れ易くなっている。よって、ファン110による送風により、排水し易くなっている。
【0048】
[2.電子機器の作用]
次に、実施の形態1の作用について説明する。
車載装置1が作動してファン110が作動すると、ボトムケース3の吸気穴からトップケース4の放熱穴2aおよび排水穴2bに向けて移動する気流A(図5図6参照)が生じる。すなわち、吸気口35から取り込まれた空気は、下側の回路基板6の下面に沿って移動し、下側の回路基板6の外周部を迂回してファンユニット10に向かう。このファンユニット10に向かう空気により、下方のヒートシンク8は空冷される。
【0049】
ヒートシンク8を空冷した空気はファンユニット10のファン110に取り込まれてエアダクト120の流路120Sに送り込まれる。流路120Sに送り込まれた空気は、上方のヒートシンク9の上面91に案内され、放熱フィン96に沿って流れることにより、放熱部90に熱せられて高温となる。高温となった空気は、放熱穴2aおよび排水穴2bから排出される。本実施の形態では、放熱穴2aが天板部40に形成されているため、高温の空気が上昇し易い性質を利用して、高温の空気を速やかに排出させることができ、効率よく放熱可能になっている。
【0050】
ここで、本実施の形態では、放熱穴2aから水が筐体2内に侵入する場合がある。特に、車載装置1は、エアコンやデフロスタなどやそれらの配管の下方に設置される場合があり、その場合、それらの結露水が放熱穴2aから侵入する可能性がある。本実施の形態では、放熱穴2aから水が筐体2の内部に侵入した場合には、侵入した水は、放熱穴2aの下方に位置するヒートシンク9の水受け部100で受けられる。すなわち、図6の矢印B1で示すように、放熱穴2aから落下した水は、水受け部100の上面101で受けられる。
【0051】
水受け部100に受けられた水は、上面101の傾斜形状や、ファン110の送風力を十分に強くすればファン110により生じる気流Aにより、矢印B2(図6参照)で示すように、排水穴2bに向けて移動し、排水穴2bから筐体2の外部に排水される。特に、本実施の形態では、ファン110よりも後方のエアダクト120の流路120Sやヒートシンクの流路9Sが閉じた形状または略閉じた形状であり、風が分散されずに勢いをもって水受け部100に流れる。よって、ファン110による送風により、排水穴2bから筐体2の外部に排水される。よって、筐体2の内部に侵入した水は、回路基板6、7の電気・電子部品61~66、71~74などに触れることなく、ヒートシンク9を利用して排水される。なお、ファンの送風力が十分でない場合であっても、侵入水は、上面101の傾斜形状によって排水穴2bから筐体2の外部に排水される。
【0052】
[3.効果]
以上説明したように、本実施の形態においては、車載装置1は、空冷によって排熱を行なう車載装置1であって、発熱素子71と、発熱素子71が内部に設置され、放熱穴2aが設けられた天板部40と、排水穴2bが設けられた後板部42と、を備える筐体2と、発熱素子71に接して発熱素子71の熱を放熱する放熱部90と、放熱部90に接続して形成され、放熱穴2aの下方に位置して放熱部90に接続する側とは反対側の端部が排水穴2bの外に突出し、放熱穴2aから侵入する水を受けて排水穴2bへ誘導する水受け部100と、が一体的に構成されたヒートシンク9と、放熱部90の上面91、101から水受け部100の上面91、101を経由して放熱穴2aおよび排水穴2bへ向けて送風するファン110と、を備える。
この構成によれば、天板部40に放熱穴2aを設けたので、高温の空気が上昇する性質を利用して高温の空気を速やかに筐体2の外部に排出させることができ、効率的に放熱することができる。また、天板部40の放熱穴2aから水が侵入しても、ヒートシンク9の水受け部100で水を受けて排水穴2bに誘導することができると共に、水受け部の傾斜、またはファン110の送風力を十分に強くすることによって送風を利用して筐体2外へ排水することができる。したがって、本発明によれば、天板部40に放熱穴2aを設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板部40の放熱穴2aから侵入する水を筐体2外へ排水することができる車載装置1を提供することができる。
【0053】
本実施の形態では、水受け部100には、放熱部90側から排水穴2b側に向かって下降する傾斜が設けられている。
この構成によれば、水受け部100で受けた水を効率よく排水することができる。
【0054】
本実施の形態では、ヒートシンク9は、放熱部90と水受け部100との間に、水受け部100が受けた水が放熱部90に侵入することを防止する堤防部113を備える。
この構成によれば、水が放熱部90側に侵入することを防止することができ、水が発熱素子71に触れること防止し易くできる。
【0055】
本実施の形態では、堤防部113の放熱部90側は、放熱部90の上面91、101から延びる平面形状、または、放熱部90の上面91に対して水受け部100側に向かって緩やかに上昇する形状であり、堤防部113の水受け部100側は、水受け部100の上面101に対して切り立った形状である。
この構成によれば、堤防部113の水受け部100側の形状により、車載装置1が水受け部100側よりも放熱部90側が下となるように傾斜しても、水受け部100が受けた水が放熱部90側に侵入することを防止し易くできる。また、堤防部113の放熱部90側の形状により、放熱部90から水受け部100に向かう風の勢いを確保し易くできる。よって、ファン110の送風力を十分に強くすれば、ファン110による送風を利用して排水し易くできる。
【0056】
本実施の形態では、堤防部113は、放熱穴2aの直下よりも排水穴2bから離間した放熱部90側に設けられている。
この構成によれば、水受け部100が放熱穴2aの大きさよりも大きくなるために、放熱穴2aから落下する水を水受け部100で受け易くできると共に、水受け部100で水が撥ねても堤防部113を越え難くできる。
【0057】
本実施の形態では、後板部42、32にはコネクタ74が配置され、後板部42、32の外面から水受け部100の先端102までの突出量L1は、後板部42、32の外面からコネクタ74の先端までの突出量L2よりも小さい。
この構成によれば、筐体2から突出するヒートシンク9が他の部材と干渉することを抑制し易く、車載装置1を設置し易くできる。すなわち、本実施の形態においても、従来と同等の配置スペースを利用して、車載装置1を設置することができる。
【0058】
[4.実施の形態2に係るヒートシンクの構成]
以下、本発明の実施の形態2について図面を参照して説明する。実施の形態2の説明では、実施の形態1と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
図7は、実施の形態2に係るヒートシンク209の水受け部100の周辺の拡大図である。
実施の形態2に係るヒートシンク209は、実施の形態1に係る下流上面91cと堤防部113とに代えて、下流上面291cと堤防部213とを有する点が、実施の形態1に係るヒートシンク9と異なる。
【0060】
実施の形態2に係るヒートシンク209では、下流上面291cは下流端側で、天板部40に沿って延びる。
【0061】
実施の形態2に係る堤防部213は、放熱部90の下流上面291cおよび水受け部100の上面91に対して上方に突出するリブ状に形成される。すなわち、本実施の形態の堤防部213は、頂部113aの放熱部90側に、放熱部90の下流上面291cに対して略直交状に切り立った形状の堤防壁面213cを有する。
【0062】
[5.実施の形態2の効果]
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、天板部40に放熱穴2aを設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板部40の放熱穴2aから侵入する水を筐体2外へ排水することができる車載装置1を提供することができる。
【0063】
このとき、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、堤防部213により、水が放熱部90側に侵入することを防止することができ、水が発熱素子71に触れること防止できる。
【0064】
[6.実施の形態3に係るヒートシンクの構成]
以下、本発明の実施の形態3について図面を参照して説明する。実施の形態3の説明では、実施の形態1、2と同様の機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
図8は、実施の形態3に係るヒートシンク309の水受け部100の周辺の拡大図である。
実施の形態3に係るヒートシンク309は、実施の形態2に係る下流上面291cと堤防部213とに代えて、下流上面391cと堤防部313とを有する点が、実施の形態2に係るヒートシンク209と異なる。
【0066】
実施の形態3に係るヒートシンク309では、下流上面391cは下流端側で、天板部40に沿って延びる。
【0067】
実施の形態3に係る堤防部313は、水受け部100の上面101に対する段差状に形成される。本実施の形態の堤防部313は、頂部113aの放熱部90側には頂部113aと同様の高さの頂部延長壁面313cを有する。頂部延長壁面313cは、下流上面391cに面一状に接続される。
【0068】
[7.実施の形態3の効果]
本実施の形態においても、実施の形態1、2と同様に、天板部40に放熱穴2aを設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板部40の放熱穴2aから侵入する水を筐体2外へ排水することができる車載装置1を提供することができる。
【0069】
このとき、本実施の形態においても、実施の形態1、2と同様に、堤防部313により、水が放熱部90側に侵入することを防止することができ、水が発熱素子71に触れること防止できる。
【0070】
[8.他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0071】
上記した実施の形態では、水受け部100の上面101に排水穴2bに誘導する傾斜が設けられる構成を説明した。この構成が望ましいが、水受け部100の上面101には排水穴2bに誘導する傾斜が設けられなくてもよい。すなわち、ファンの送風力を十分に強くして、ファン110で生じる気流Aのみにより水を排水穴2bへ誘導する構成でもよい。
【0072】
上記した実施の形態では、放熱穴2aが天板部40の後部に形成され、排水穴2bが後板部42に形成された構成を例示したが、放熱穴2aや、排水穴2bの位置は後方に限定されない。すなわち、排水穴2bは、後板部42に代えて、放熱穴2aの形成位置に応じて、前板部41、左板部43、右板部44のいずれかに設けられる構成でもよい。筐体2は、直方体形状の構成が望ましいが、筐体は直方体形状でなくてもよい。直方体形状の筐体でない場合には、排水穴は、天板部の外周部と底板部の外周部とを接続する側板のいずれかの位置に設ければよい。
【0073】
[9.本発明のまとめ]
以下、本発明のまとめを記載する。
【0074】
(構成1)空冷によって排熱を行なう電子機器であって、発熱素子と、前記発熱素子が内部に設置され、放熱穴が設けられた天板と、排水穴が設けられた側板と、を備える筐体と、前記発熱素子に接して前記発熱素子の熱を放熱する放熱部と、前記放熱部に接続して形成され、前記放熱穴の下方に位置して前記放熱部に接続する側とは反対側の端部が前記排水穴の外に突出し、前記放熱穴から侵入する水を受けて前記排水穴へ誘導する水受け部と、が一体的に構成されたヒートシンクと、前記放熱部の上面から前記水受け部の上面を経由して前記放熱穴および前記排水穴へ向けて送風するファンと、を備えることを特徴とする電子機器。
この構成によれば、天板に放熱穴を設けたので、高温の空気が上昇する性質を利用して高温の空気を速やかに筐体の外部に排出させることができ、効率的に放熱することができる。また、天板の放熱穴から水が侵入しても、ヒートシンクの水受け部で水を受けて排水穴に誘導することができると共に、水受け部の傾斜またはファンによる送風を利用して筐体外へ排水することができる。したがって、上記構成によれば、天板に放熱穴を設けて効率的な放熱を可能にしながら、天板の放熱穴から侵入する水を筐体外へ排水することができる電子機器を提供することができる。
【0075】
(構成2)前記水受け部には、前記放熱部側から前記排水穴側に向かって下降する傾斜が設けられていることを特徴とする構成1に記載の電子機器。
この構成によれば、水受け部で受けた水を効率よく排水することができる。
【0076】
(構成3)前記ヒートシンクは、前記放熱部と前記水受け部との間に、前記水受け部が受けた水が前記放熱部に侵入することを防止する堤防部を備えることを特徴とする構成1または2に記載の電子機器。
この構成によれば、水が放熱部側に侵入することを防止することができ、水が発熱素子側に触れること防止し易くできる。
【0077】
(構成4)前記堤防部の前記放熱部側は、前記放熱部の上面から延びる平面形状、または、前記放熱部の上面に対して前記水受け部側に向かって緩やかに上昇する形状であり、前記堤防部の前記水受け部側は、前記水受け部の上面に対して切り立った形状であることを特徴とする構成3に記載の電子機器。
この構成によれば、堤防部の水受け部側の形状により、電子機器が水受け部側よりも放熱部側が下となるように傾斜しても、水受け部が受けた水が放熱部側に侵入することを防止し易くできる。また、堤防部の放熱部側の形状により、放熱部から水受け部に向かう風の勢いを確保し易くできる。よって、水受け部の傾斜またはファンによる送風を利用して排水し易くできる。
【0078】
(構成5)前記堤防部は、前記放熱穴の直下よりも前記排水穴から離間した前記放熱部側に設けられていることを特徴とする構成3または4に記載の電子機器。
この構成によれば、水受け部が放熱穴の大きさよりも大きくなるために、放熱穴から落下する水を水受け部で受け易くできると共に、水受け部で水が撥ねても堤防部を越え難くできる。
【0079】
(構成6)前記側板にはコネクタが配置され、前記側板の外面から前記水受け部の先端までの突出量は、前記側板の外面から前記コネクタの先端までの突出量よりも小さいことを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の電子機器。
この構成によれば、筐体から突出するヒートシンクが他の部材と干渉することを抑制し易く、電子機器を設置し易くできる。
【符号の説明】
【0080】
1 車載装置(電子機器)
2 筐体
2a 放熱穴
2b 排水穴
9 ヒートシンク
40 天板部(天板)
42 後板部(側板)
63~66、73、74 コネクタ
71 発熱素子
90 放熱部
91 上面
100 水受け部
101 上面
102 先端
110 ファン
113、213、313 堤防部
L1 水受け部の突出量
L2 コネクタの突出量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8