(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018652
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
F24F7/06 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122547
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】垣内 資正
(72)【発明者】
【氏名】山東 伸二
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BJ04
(57)【要約】
【課題】壁からの垂れ下がりを抑制可能なレンジフードを提供する。
【解決手段】レンジフードは、本体部と、係合部と、治具とを備える。治具は、壁に取り付け可能な第1部材を有する。第1部材は、板状部と上端部とを有し、かつ板状部において壁に取り付け可能である。板状部は、第1端と、第1端の反対側の端であり、かつ第1部材が壁に取り付けられた状態で第1端の上方にある第2端とを有する。上端部は、第2端に接続されている。係合部は、上端部に係合される。本体部は、係合部を介して第1部材に取り付けられる。板状部は、係合部が上端部に係合されている状態で、本体部と壁との間に挟み込まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
係合部と、
治具とを備え、
前記治具は、壁に取り付け可能な第1部材を有し、
前記第1部材は、板状部と上端部とを有し、かつ前記板状部において前記壁に取り付け可能であり、
前記板状部は、第1端と、前記第1端の反対側の端であり、かつ前記第1部材が前記壁に取り付けられた状態で前記第1端の上方にある第2端とを有し、
前記上端部は、前記第2端に接続されており、
前記係合部は、前記上端部に係合され、
前記本体部は、前記係合部を介して前記第1部材に取り付けられ、
前記板状部は、前記係合部が前記上端部に係合されている状態で、前記本体部と前記壁との間に挟み込まれる、レンジフード。
【請求項2】
前記壁に対向する第1背壁を有するフード部をさらに備え、
前記第1背壁には、前記第1背壁を厚さ方向に貫通している第1貫通穴が形成されている、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記第1貫通穴に通される第1固定部材をさらに備え、
前記第1固定部材は、前記第1背壁を前記壁に固定する、請求項2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記本体部は、前記壁に対向する第2背壁を有し、
前記第2背壁には、前記第2背壁を厚さ方向に貫通している第2貫通穴が形成されている、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記第2貫通穴に通される第2固定部材をさらに備え、
前記第2固定部材は、前記第2背壁を前記壁に固定する、請求項4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記治具は、前記本体部に取り付け可能な第2部材をさらに有し、
前記第2部材は、前記係合部を有し、
前記係合部は、前記上端部に沿ってスライド可能に前記上端部に係合される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記上端部には、切り欠きが形成されており、
前記切り欠きに前記係合部が嵌ることで、前記第2部材の前記第1部材に対する位置決めが行われる、請求項6に記載のレンジフード。
【請求項8】
第3固定部材をさらに備え、
前記第3固定部材は、前記係合部が前記上端部に係合されている状態で前記第2部材を前記第1部材に固定する、請求項6に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2014-173796号(特許文献1)には、レンジフードが記載されている。特許文献1に記載のレンジフードは、排気ファンが収納される本体部を有している。特許文献1に記載のレンジフードは、設置固定用治具を用いて、壁に取り付けられる。設置固定用治具は、矩形状であり、長手方向が水平方向に沿うように壁に取り付けられる。設置用固定治具は、切り起こし部を有している。特許文献1に記載のレンジフードは、本体部の背面に形成されている係合穴に切り起こし部を挿入することにより、設置用固定治具を用いて壁に取り付けられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のレンジフードは、壁に取り付けた後に、自重により壁から垂れ下がってしまうことがある。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、壁からの垂れ下がりを抑制可能なレンジフードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のレンジフードは、本体部と、係合部と、治具とを備える。治具は、壁に取り付け可能な第1部材を有する。第1部材は、板状部と上端部とを有し、かつ板状部において壁に取り付け可能である。板状部は、第1端と、第1端の反対側の端であり、かつ第1部材が壁に取り付けられた状態で第1端の上方にある第2端とを有する。上端部は、第2端に接続されている。係合部は、上端部に係合される。本体部は、係合部を介して第1部材に取り付けられる。板状部は、係合部が上端部に係合されている状態で、本体部と壁との間に挟み込まれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のレンジフードによると、壁からの垂れ下がりを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図2中のIII-IIIにおける断面図である。
【
図11】レンジフード100の取り付け方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係るレンジフードを、レンジフード100とする。
【0009】
(レンジフード100の構成)
以下に、レンジフード100の構成を説明する。
【0010】
図1は、レンジフード100の分解斜視図である。
図2は、レンジフード100の背面図である。
図2中では、第1部材31の図示が省略されている。
図3は、
図2中のIII-IIIにおける断面図である。
図1、
図2及び
図3に示されているように、レンジフード100は、本体部10と、フード部20と、治具30とを有している。以下において、第1方向DR1を水平方向の1つとし、第2方向DR2を第1方向DR1に直交する水平方向の他の1つとする。また、以下において、第3方向DR3を、第1方向DR1及び第2方向DR2に直交する方向、つまり鉛直方向とする。レンジフード100は、壁Wに取り付けられる。壁Wの法線方向は、第2方向DR2に沿っている。
【0011】
本体部10は、上端と、下端とを有している。本体部10は、上壁11と、側壁12及び側壁13と、前壁14及び背壁15とを有している。上壁11は、本体部10の上端をなしている。側壁12及び側壁13の上端は、上壁11に連なっている。側壁12及び側壁13は、第1方向DR1において、間隔を空けて互いに対向している。前壁14及び背壁15の上端は、上壁11に連なっている。前壁14及び背壁15は、第2方向DR2において間隔を空けて対向している。
【0012】
本体部10の内部空間は、上壁11、側壁12、側壁13、前壁14及び背壁15で画されている。本体部10の内部空間には、ファン16(図示せず)が収納されている。上壁11には、貫通穴11aが形成されている。貫通穴11aは、本体部10の内部空間と連通している。側壁12及び側壁13には、ねじ穴17(図示せず)が形成されている。
【0013】
フード部20は、上壁21と、底壁22と、側壁23と、側壁24と、前壁25と、背壁26とを有している。
【0014】
上壁21は、フード部20の上端をなしている。上壁21は、本体部10の下端に取り付けられている。上壁21及び底壁22は、第3方向DR3において間隔を空けて互いに対向している。底壁22には、凹部22a(図示せず)が形成されている。凹部22aにおいて、底壁22は、上壁21側に向かって凹んでいる。レンジフード100は、整流板22b(図示せず)をさらに有している。整流板22bは、凹部22aの底面と間隔を空けて対向するように、フード部20に取り付けられている。フード部20には、貫通穴20a(図示せず)が形成されている。貫通穴20aは、フード部20を第3方向DR3に沿って貫通しており、本体部10の内部空間と連通している。
【0015】
側壁23及び側壁24は、第1方向DR1において間隔を空けて互いに対向している。側壁23及び側壁24は、上端において上壁21に連なっており、下端において底壁22に連なっている。前壁25及び背壁26は、第2方向DR2において間隔を空けて対向している。前壁25及び背壁26は、上端において上壁21に連なっており、下端において底壁22に連なっている。
【0016】
背壁26には、複数の貫通穴26aが形成されている。貫通穴26aは、背壁26を第2方向DR2に沿って(つまり、背壁26を厚さ方向に沿って)貫通している。貫通穴26aには、固定部材27が挿入されている。固定部材27は、壁Wに螺合されることにより、背壁26を壁Wに固定する。より具体的には、背壁26は、固定部材27の頭部と壁Wとの間に挟み込まれる。
【0017】
治具30は、第1部材31と、第2部材32とを有している。
図4は、第1部材31の正面図である。
図5は、
図4中のV-Vにおける断面図である。
図4及び
図5に示されているように、第1部材31は、板状部33と、上端部34とを有している。
【0018】
板状部33は、平板状の部分である。板状部33は、例えば、長手方向が第4方向DR4に沿っている矩形状である。なお、第5方向DR5は第4方向DR4に直交する方向であり、第6方向DR6は第4方向DR4及び第5方向DR5に直交する方向である。板状部33は、第1端33aと、第2端33bとを有している。第1端33a及び第2端33bは、第6方向DR6における板状部33の両端を構成している。第2端33bは、第1端33aの反対側の端である。
【0019】
板状部33は、第1面33cと、第2面33dとを有している。第1面33c及び第2面33dは、第5方向DR5における板状部33の両端面を構成している。つまり、第1面33c及び第2面33dは、板状部33の厚さ方向における両端面を構成している。第1面33cは、第1部材31が壁Wに取り付けられた際に、壁Wと接触する面である。第2面33dは、第1面33cの反対面である。
【0020】
板状部33には、複数の貫通穴33eが形成されている。貫通穴33eは、板状部33を第5方向DR5に沿って貫通している。すなわち、貫通穴33eは、板状部33を厚さ方向に沿って貫通している。第1部材31は、板状部33において、壁Wに取り付けられる。より具体的には、第1部材31は、ねじ等の固定部材(図示せず)を貫通穴33eに挿通するとともに、貫通穴33eに挿通されたねじ等の固定部材を壁Wの内部にある間柱(補強桟)に螺合することで、壁Wに取り付けられる。複数の貫通穴33eのうちのどれを用いるかは、壁Wの内部にある間柱の位置に応じて適宜選択される。
【0021】
第1部材31が壁Wに取り付けられた状態で、第4方向DR4は、第1方向DR1に沿っている。また、第2端33bは、第1部材31が壁Wに取り付けられた状態で、第1端33aよりも上方にある。
【0022】
上端部34は、第1部分34aと第2部分34bとを有している。第1部分34aは、第2端33bに接続されている。第1部分34aは、板状部33が壁Wに取り付けられた状態で壁Wから離れるように第5方向DR5に沿って延在している。すなわち、第1部分34aは、第1面33cから第2面33dに向かう方向に沿って延在している。第2部分34bは、第2端33bとは反対側の第1部分34aの端に接続されている。第2部分34bは、板状部33が壁Wに取り付けられた状態で、上方に向かって第6方向DR6に沿って延在している。すなわち、第2部分34bは、第2端33bから離れるように第5方向DR5に沿って延在している。このように、上端部34は、第4方向DR4に直交する断面視において、L字状になっている。
【0023】
第2部分34bには、ねじ穴34cが形成されている。ねじ穴34cは、第5方向DR5に沿って第2部分34bを貫通している。つまり、ねじ穴34cは、第2部分34bを厚さ方向に沿って貫通している。第1部分34aとは反対側の第2部分34bの端には、2つの切り欠き34dが形成されている。2つの切り欠き34dは、第4方向DR4において、間隔を空けて配置されている。
【0024】
第1部材31の第4方向DR4における幅を、幅WDとする。幅WDは、レンジフード100が取り付けられる場所のスペースに合わせて適宜選択される。幅WDは、例えば、600mm、750mm又は900mmである。
【0025】
図6は、第2部材32の正面図である。
図7は、第2部材32の第1側面図である。
図8は、第2部材32の第2側面図である。
図6から
図8に示されているように、第2部材32は、板状部35と、2つの係合部36と、2つの固定部37とを有している。
【0026】
板状部35は、平板状の部分である。板状部35は、例えば、長手方向が第7方向DR7に沿っている矩形状である。なお、第8方向DR8は第7方向DR7に直交する方向であり、第9方向DR9は第7方向DR7及び第8方向DR8に直交する方向である。板状部35は、第1端35aと、第2端35bとを有している。第1端35a及び第2端35bは、第7方向DR7における板状部35の両端を構成している。第2端35bは、第1端35aの反対側の端である。
【0027】
2つの係合部36は、それぞれ、第1端35a及び第2端35bに接続されている。係合部36は、第9方向DR9に沿って延在している。係合部36には、貫通穴36aが形成されている。貫通穴36aは、第7方向DR7に沿って係合部36を貫通している。すなわち、貫通穴36aは、係合部36を厚さ方向に沿って貫通している。
【0028】
係合部36のうちの1つは、貫通穴36aに固定部材38(図示せず)が挿通されるとともに、挿通された固定部材38が側壁12に形成されているねじ穴17に螺合されることにより、本体部10に取り付けられている。係合部36のうちの他の1つは、貫通穴36aに固定部材38が挿通されるとともに、挿通された固定部材38が側壁13に形成されているねじ穴17に螺合されることにより本体部10に取り付けられている。固定部材38は、例えば、ねじである。第2部材32が本体部10に取り付けられた状態で、第7方向DR7、第8方向DR8及び第9方向DR9は、それぞれ、第1方向DR1、第2方向DR2及び第3方向DR3に沿っている。
【0029】
板状部35は、第1面35cと第2面35dとを有している(
図10参照)。第1面35c及び第2面35dは、第8方向DR8における板状部35の両端面を構成している。すなわち、第1面35c及び第2面35dは、板状部35の厚さ方向における両端面を構成している。第1面35cは、第2部材32が本体部10に取り付けられており、かつ第1部材31に取り付けられた状態で第1部材31(板状部33)と対向している。第2面35dは、第1面35cの反対面である。第1面35cは、例えば背壁15と面一になっている。
【0030】
係合部36は、第2部材32が本体部10に取り付けられた状態で、本体部10(上壁11)から上方に突出している(
図2参照)。係合部36には、凹部36bが形成されている。凹部36bは、本体部10に取り付けられた状態で上壁11よりも上方に突出している係合部36の部分に形成されている。凹部36bは、側面36cと、側面36dと、底面36eとを有している。側面36c及び側面36dは、第9方向DR9において間隔を空けて対向している。底面36eは、側面36c及び側面36dに連なっている。側面36cは、凸部36caを有している。側面36cは、側面36d側に向かって突出している。凸部36caは、第8方向DR8において、底面36eと間隔を空けて配置されている。
【0031】
第2部分34bが側面36cと接触することで、係合部36が上端部34に係合されることになる。より具体的には、第2部分34bが凸部36caと底面36eとの間に挿入されることで、係合部36が上端部34に係合される。係合部36が上端部34に係合された状態で、第2部材32は、第1部材31に対して第1方向DR1に沿ってスライド可能である。第2部材32を第1部材31に対して第1方向DR1に沿ってスライドさせることにより、係合部36が切り欠き34dに嵌る。係合部36が上端部34に係合された状態で、側面36dは、第1部分34aと対向している。
【0032】
固定部37は、底面36eに接続されている。1つの係合部36に接続されている固定部37は、他の1つの係合部36に向かって、第7方向DR7に沿って延在している。固定部37の厚さ方向は、第8方向DR8に沿っている。固定部37には、挿入穴37aが形成されている。挿入穴37aは、第8方向DR8に沿って固定部37を貫通している。すなわち、挿入穴37aは、固定部37を厚さ方向に沿って貫通している。
図9は、治具30の分解斜視図である。
図9に示されるように、係合部36が上端部34に係合された状態で固定部材39が挿入穴37aに挿通されるとともに、挿通された固定部材39がねじ穴34cに螺合される。
【0033】
図10は、治具30の断面図である。
図10に示されているように、板状部33は、第1部材31が壁に取り付けられ、第2部材32が本体部10に取り付けられ、かつ係合部36が上端部34に係合されている状態で、壁Wと本体部10(背壁15)との間に挟み込まれている。
【0034】
<変形例>
上記においては、治具30が第1部材31及び第2部材32を有する例を説明したが、治具30は第2部材32を有していなくてもよい。この場合、例えば、係合部36が本体部10の一部をなしていてもよい。
【0035】
上記においては、上壁11、側壁12、側壁13、前壁14及び背壁15が平坦形状である場合の例を説明したが、上壁11、側壁12、側壁13、前壁14及び背壁15のうちの少なくともいずれは平坦形状でなくてもよく、例えばアーチ状であってもよい。上記においては、上壁21、底壁22、側壁23、側壁24、前壁25及び背壁26が平坦形状である場合の例を説明したが、上壁21、底壁22、側壁23、側壁24、前壁25及び背壁26のうちの少なくともいずれかは平坦形状でなくてもよく、例えばアーチ状であってもよい。
【0036】
上記においては、貫通穴26aに固定部材27を挿入した上で固定部材27を壁Wに螺合することにより背壁26を壁Wに固定することとしたが、背壁15に貫通穴を設け、固定部材を当該貫通穴に挿入した上で壁Wに螺合することにより背壁15を壁Wに固定してもよい。
【0037】
(レンジフード100の取り付け方法)
以下に、レンジフード100の取り付け方法を説明する。
【0038】
図11は、レンジフード100の取り付け方法を示す工程図である。
図11に示されているように、レンジフード100の取り付け方法は、第1部材取り付け工程S1と、第2部材取り付け工程S2と、仮置き工程S3と、治具固定工程S4と、フード部固定工程S5を有している。
【0039】
第1部材取り付け工程S1では、第1部材31が壁Wに取り付けられる。第2部材取り付け工程S2では、本体部10に取り付けられる。仮置き工程S3では、係合部36が上端部34に係合されることにより、本体部10及びフード部20が、壁Wに仮に取り付けられる。なお、第1部材取り付け工程S1が行われている時点で、フード部20に底壁22及び整流板22bは取り付けられていない。
【0040】
治具固定工程S4では、第1に、本体部10及びフード部20を第1方向DR1に沿ってスライドさせることにより、係合部36が切り欠き34dに嵌められる。これにより、本体部10及びフード部20の位置決めが行われる。第2に、固定部材39が挿入穴37aに挿通されるとともに、挿入穴37aに挿通された固定部材39がねじ穴34cに螺合されることにより、第2部材32が第1部材31に固定される。
【0041】
フード部固定工程S5では、第1に、固定部材27が貫通穴26aに挿通されるとともに、壁Wに螺合される。複数の貫通穴26aのうちのどれを用いるかは、壁Wの内部にある間柱の位置に応じて適宜選択される。第2に、フード部20に底壁22及び整流板22bが取り付けられる。以上により、レンジフード100の壁Wへの取り付けが完了する。
【0042】
なお、上壁11には、貫通穴11aと接続されるように排気口具が取り付けられる。排気口具は、仮置き工程S3の前に取り付けられてもよく、仮置き工程S3の後であって治具固定工程S4の前に取り付けられてもよい。排気口具とダクトとの接続は、例えば、治具固定工程S4の前に行われる。
【0043】
(レンジフード100の効果)
以下に、レンジフード100の効果を説明する。
【0044】
第2部材32が第1部材31に取り付けられている状態で、第1部材31には、レンジフード100の重量により上端部34側が壁Wから離れるようなモーメントが作用する。しかしながら、レンジフード100では、板状部33が本体部10(背壁15)と壁Wとの間に挟み込まれているため、上記のモーメントを打ち消す方向の反力が、壁Wから板状部33に作用する。そのため、レンジフード100によると、その重量に起因した壁Wからの垂れ下がりを抑制可能である。フード部20(背壁26)が固定部材27により壁Wに固定される場合、上記の垂れ下がりをさらに抑制可能である。
【0045】
レンジフード100において、係合部36が上壁11よりも上方に突出しているため、作業者は、係合部36と上端部34との係合箇所を目視しながら作業を進めることができる。そのため、この場合には、第1部材31への仮置きを容易に行うことが可能である。また、レンジフード100では、第2部材32が第1部材31に対してスライド可能であるため、係合部36を上端部34に係合させる際、当初の係合は仮置きで足り、当該仮置きが行われた後にスライドさせて位置合わせを行う(具体的には、係合部36を切り欠き34dに嵌める)ことが可能である。そのため、レンジフード100によると、壁Wに容易に取り付けることが可能である。
【0046】
レンジフード100が設置される場所の状況は様々である。そのため、レンジフード100が設置される場所の状況に合わせて、異なる幅WDを有する第1部材31を用いる必要がある。レンジフード100では、幅WDが異なる第1部材31を用いる場合であっても、第2部材32に変更をきたすことなく、係合部36を上端部34に係合することで取り付けを行うことが可能である。
【0047】
レンジフード100では、係合部36を上端部34に係合されている状態で、側面36dが第1部分34aと対向している。そのため、係合部36が上端部34に係合されている状態でレンジフード100に対して下方から上方への力が不意に加わっても、側面36dと第1部分34aとが接触し、係合部36が上端部34から外れにくい。そのため、レンジフード100によると、取り付けを安全に進めることが可能である。
【0048】
(付記)
本実施形態には、以下の構成が含まれている。
【0049】
<付記1>
本体部と、
係合部と、
治具とを備え、
前記治具は、壁に取り付け可能な第1部材を有し、
前記第1部材は、板状部と上端部とを有し、かつ前記板状部において前記壁に取り付け可能であり、
前記板状部は、第1端と、前記第1端の反対側の端であり、かつ前記第1部材が前記壁に取り付けられた状態で前記第1端の上方にある第2端とを有し、
前記上端部は、前記第2端に接続されており、
前記係合部は、前記上端部に係合され、
前記本体部は、前記係合部を介して前記第1部材に取り付けられ、
前記板状部は、前記係合部が前記上端部に係合されている状態で、前記本体部と前記壁との間に挟み込まれる、レンジフード。
【0050】
<付記2>
前記壁に対向する第1背壁を有するフード部をさらに備え、
前記第1背壁には、前記第1背壁を厚さ方向に貫通している第1貫通穴が形成されている、付記1に記載のレンジフード。
【0051】
<付記3>
前記第1貫通穴に通される第1固定部材をさらに備え、
前記第1固定部材は前記第1背壁を前記壁に固定する、付記2に記載のレンジフード。
【0052】
<付記4>
前記本体部は、前記壁に対向する第2背壁を有し、
前記第2背壁には、前記第2背壁を厚さ方向に貫通している第2貫通穴が形成されている、付記1に記載のレンジフード。
【0053】
<付記5>
前記第2貫通穴に通される第2固定部材をさらに備え、
前記第2固定部材は前記第2背壁を前記壁に固定する、付記4に記載のレンジフード。
【0054】
<付記6>
前記治具は、前記本体部に取り付け可能な第2部材をさらに有し、
前記第2部材は、前記係合部を有し、
前記係合部は、前記上端部に沿ってスライド可能に前記上端部に係合される、付記1から付記5のいずれか1項に記載のレンジフード。
【0055】
<付記7>
前記上端部には、切り欠きが形成されており、
前記切り欠きに前記係合部が嵌ることで、前記第2部材の前記第1部材に対する位置決めが行われる、付記6に記載のレンジフード。
【0056】
<付記8>
第3固定部材をさらに備え、
前記第3固定部材は、前記係合部が前記上端部に係合されている状態で前記第2部材を前記第1部材に固定する、付記6又は付記7に記載のレンジフード。
【0057】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上記の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0058】
100 レンジフード、10 本体部、11 上壁、11a 貫通穴、12 側壁、13 側壁、14 前壁、15 背壁、16 ファン、17 ねじ穴、20 フード部、20a 貫通穴、21 上壁、22 底壁、22a 凹部、22b 整流板、23 側壁、24 側壁、25 前壁、26 背壁、26a 貫通穴、27 固定部材、30 治具、31 第1部材、32 第2部材、33 板状部、33a 第1端、33b 第2端、33c 第1面、33d 第2面、33e 貫通穴、34 上端部、34a 第1部分、34b 第2部分、34c ねじ穴、34d 切り欠き、35 板状部、35a 第1端、35b 第2端、35c 第1面、35d 第2面、36 係合部、36a 貫通穴、36b 凹部、36c 側面、36ca 凸部、36d 側面、36e 底面、37 固定部、37a 挿入穴、38 固定部材、39 固定部材、W 壁、WD 幅、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向、DR4 第4方向、DR5 第5方向、DR6 第6方向、DR7 第7方向、DR8 第8方向、DR9 第9方向、S1 第1部材取り付け工程、S2 第2部材取り付け工程、S3 仮置き工程、S4 治具固定工程、S5 フード部固定工程。