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特開2025-18664見守りシステム、見守りサーバ、プログラム、及び見守り端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018664
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】見守りシステム、見守りサーバ、プログラム、及び見守り端末
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20250130BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20250130BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20250130BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20250130BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20250130BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20250130BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G08B21/02
H04M11/04
H04W4/029
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122587
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓二
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5J062
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA06
5C086CB27
5C086DA08
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG08
5C087GG19
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG70
5C087GG83
5J062BB05
5J062CC07
5J062CC18
5J062HH09
5K067DD17
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE10
5K201BA03
5K201BA19
5K201CC04
5K201CC10
5K201DC02
5K201EB07
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】居住エリア外に移動した対象者の危険度を早期に推定する。
【解決手段】見守りシステム1は、対象者が携帯する見守り端末と、対象者が居住する居住エリアの内側である居住エリア内に設置され、居住エリア内における対象者の在否情報を発信する第1ゲートウェイと、居住エリアの外側である居住エリア外に設置され、見守り端末との通信状態情報を発信する第2ゲートウェイと、第1ゲートウェイ及び第2ゲートウェイのそれぞれと接続される見守りサーバと、を備える。見守りサーバは、第1ゲートウェイから発信された在否情報及び第2ゲートウェイから発信された通信状態情報のそれぞれを取得する取得手段と、取得した在否情報に基づき、対象者が居住エリア外に移動したことを検出する検出手段と、対象者の居住エリア外への移動が検出されたことに応じて、取得した通信状態情報に基づき、居住エリア外における対象者の危険度を推定する推定手段と、備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者によって携帯される見守り端末と、
前記対象者が居住する居住エリアの内側である居住エリア内に設置され、前記居住エリア内における前記対象者の在否情報を発信する第1通信装置と、
前記居住エリアの外側である居住エリア外に設置され、前記見守り端末との通信状態情報を発信する第2通信装置と、
前記第1通信装置及び前記第2通信装置のそれぞれと接続される見守りサーバと、
を備え、
前記見守りサーバは、
前記第1通信装置から発信された前記在否情報、及び前記第2通信装置から発信された前記通信状態情報のそれぞれを取得する取得手段と、
取得した前記在否情報に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する検出手段と、
前記対象者の前記居住エリア外への移動が検出されたことに応じて、取得した前記通信状態情報に基づき、前記居住エリア外における前記対象者の危険度を推定する推定手段と、
を備える、見守りシステム。
【請求項2】
前記第1通信装置から発信される前記在否情報は、前記第1通信装置と前記見守り端末との通信状態に基づき、前記居住エリア内における前記対象者の在否を示す情報である、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項3】
複数の前記第1通信装置を備え、
前記第1通信装置のそれぞれは、前記居住エリア内における前記対象者を検出する第1人感検出部を備え、前記第1人感検出部で検出された前記在否情報を前記見守りサーバに発信し、
前記見守りサーバの前記検出手段は、前記第1通信装置のそれぞれから発信された前記在否情報の取得順に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記第1通信装置は、前記対象者の操作に応じて前記在否情報を発信するスイッチであり、
前記見守りサーバの前記検出手段は、前記第1通信装置から発信された前記在否情報に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記第2通信装置から発信される前記通信状態情報は、前記見守り端末から発信された無線信号の受信強度、及び前記見守り端末との通信における通信エラーの頻度の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項6】
前記第1通信装置は、
前記居住エリア内に設置されるドアの開閉を検出するドア開閉検出部と、
前記対象者が前記ドアに近づいたことを検出する第2人感検出部と、
をさらに備え、
前記ドア開閉検出部から発信されたドアの開閉検出情報、及び前記第2人感検出部から発信された前記対象者の検出情報をそれぞれ含む前記在否情報を前記見守りサーバに発信し、
前記見守りサーバの前記検出手段は、前記第1通信装置から発信された前記在否情報に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する、請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項7】
前記見守り端末、前記第1通信装置、及び前記第2通信装置のそれぞれが接続され、LPWAの通信方式で相互通信を行う無線通信ネットワークと、
前記第1通信装置及び前記第2通信装置のそれぞれが接続され、前記居住エリアに設けられる、WiFi又はイーサネットの通信方式で相互通信を行う閉域通信ネットワークと、
前記閉域通信ネットワークに接続されるとともに、前記見守りサーバが接続され、イーサネットの通信方式で相互通信を行う広域通信ネットワークと、を備え、
前記第1通信装置及び前記第2通信装置の少なくとも一方は、前記見守り端末からのLPWA信号を、WiFi信号又はイーサネット信号に変換し、変換した前記WiFi信号又は前記イーサネット信号を前記閉域通信ネットワークに発信する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項8】
前記第2通信装置は、前記見守り端末との通信において、前記第1通信装置が、前記見守り端末と通信するために発信する無線信号の発信強度より強い発信強度の無線信号を発信する、請求項7に記載の見守りシステム。
【請求項9】
前記見守りサーバの前記推定手段は、
前記第1通信装置が受信した、前記見守り端末からの無線信号の受信強度が、第1閾値未満の場合、レベル1の危険度と推定し、
前記第1通信装置が受信した、前記見守り端末からの前記無線信号の前記受信強度が、前記第1閾値未満であり、かつ、前記第1通信装置と前記見守り端末との通信における通信エラーの頻度が、第2閾値以上の場合、前記レベル1より高いレベル2の危険度と推定し、
前記見守り端末と前記第2通信装置との通信が開始されたことに応じて、前記第2通信装置が、前記見守り端末から発信された無線信号を受信し、前記見守り端末からの無線信号の受信強度が、第3閾値以上の場合、前記レベル2より高いレベル3の危険度と推定し、
前記第2通信装置が受信した、前記見守り端末からの前記無線信号の前記受信強度が、前記第3閾値未満の場合、前記レベル3より高いレベル4の危険度と推定し、
前記第2通信装置が受信した、前記見守り端末からの前記無線信号の前記受信強度が、前記第3閾値未満であり、かつ、前記第2通信装置と前記見守り端末との通信における通信エラーの頻度が、第4閾値以上の場合、前記レベル4より高いレベル5の危険度と推定し、
前記第2通信装置が受信した、前記見守り端末からの前記無線信号の前記受信強度が、前記第3閾値より低い第5閾値未満であり、かつ、前記第2通信装置と前記見守り端末との通信における前記通信エラーの頻度が、前記第4閾値より高い第6閾値以上である場合、前記レベル5より高いレベル6の危険度と推定する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項10】
前記見守りサーバに接続される外部端末をさらに備え、
前記見守りサーバは、前記推定手段が推定する前記危険度に応じた危険度情報を、前記外部端末に発信する発信処理手段をさらに備える、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項11】
前記居住エリア内に設置される無線基地局をさらに備え、
前記無線基地局は、前記居住エリアの侵入禁止エリアに入った前記対象者を検出する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項12】
前記見守り端末は、測位衛星から取得した前記居住エリアの外側のエリア外位置情報を、前記第2通信装置に発信し、
前記第2通信装置は、前記見守り端末から取得した前記エリア外位置情報を、前記見守りサーバ及び前記外部端末の少なくとも一方に発信する、
請求項10に記載の見守りシステム。
【請求項13】
前記見守りサーバの前記発信処理手段は、前記対象者の前記危険度に基づき、前記エリア外位置情報の発信を制御する、
請求項12に記載の見守りシステム。
【請求項14】
前記見守り端末は、操作部をさらに備え、
前記対象者による前記操作部の操作に応じて、前記エリア外位置情報を発信する、
請求項12に記載の見守りシステム。
【請求項15】
前記見守り端末は、
発音部をさらに備え、
前記対象者の前記居住エリア外への移動を検出したことに応じて警報音を発するよう、前記発音部を制御する、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項16】
前記見守り端末は、
前記第2通信装置から発信された無線信号の発信強度が、第7閾値未満である場合、前記見守り端末が発信する無線信号の発信強度を高め、かつ、前記無線信号の発信周波数の帯域幅を狭め、
前記第2通信装置から発信された前記無線信号の前記発信強度が、第8閾値以上である場合、前記見守り端末が発信する前記無線信号の発信強度を弱め、かつ、前記無線信号の前記発信周波数の帯域幅を広げる、
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項17】
対象者の居住エリアの内側である居住エリア内に設置される第1通信装置、及び前記居住エリアの外側である居住エリア外に設置される第2通信装置のそれぞれと接続される見守りサーバであって、
前記見守りサーバは、
前記居住エリア内における前記対象者の在否情報を前記第1通信装置から取得するとともに、前記対象者が携帯する見守り端末と前記第2通信装置との通信状態情報を前記第2通信装置から取得する取得手段と、
取得した前記在否情報に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する検出手段と、
前記対象者の前記居住エリア外への移動が検出されたことに応じて、取得した前記通信状態情報に基づき、前記居住エリア外における前記対象者の危険度を推定する推定手段と、
を備える、見守りサーバ。
【請求項18】
対象者の居住エリアの内側である居住エリア内に設置される第1通信装置、及び前記居住エリアの外側である居住エリア外に設置される第2通信装置のそれぞれと接続される見守りサーバを、
前記居住エリア内における前記対象者の在否情報を前記第1通信装置から取得するとともに、前記対象者が携帯する見守り端末と前記第2通信装置との通信状態情報を前記第2通信装置から取得する取得手段、
取得した前記在否情報に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する検出手段、
前記対象者の前記居住エリア外への移動が検出されたことに応じて、取得した前記通信状態情報に基づき、前記居住エリア外における前記対象者の危険度を推定する推定手段、
として機能させる、プログラム。
【請求項19】
対象者によって携帯される見守り端末であって、
前記対象者が居住する居住エリアの内側である居住エリア内に設置され、前記居住エリア内における前記対象者の在否情報を発信する第1通信装置と、
前記居住エリアの外側である居住エリア外に設置され、前記見守り端末との通信状態情報を発信する第2通信装置と、
前記第1通信装置及び前記第2通信装置のそれぞれと接続される見守りサーバと、
を備える見守りシステムに含まれ、
少なくとも、前記第1通信装置及び前記第2通信装置のそれぞれとの間で、LPWA信号を送受信する通信部を備え、
前記通信部は、
前記見守り端末が前記居住エリア内にある場合、前記第1通信装置と通信し、
前記見守り端末が前記居住エリア外にある場合、前記第2通信装置と通信する、
見守り端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、見守りシステム、見守りサーバ、プログラム、及び見守り端末に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者、幼児、及び児童等の見守り対象者の所在を把握する位置特定システム等の見守りシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示の見守りシステムは、対象者に携帯され、第1の時間間隔をあけて、近距離通信を介して識別情報を検出用端末に発信すると共に、第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔をあけて、GPS機能により位置情報を取得し、長距離通信を介して、サーバに識別情報および位置情報を送信する対象者端末と、通信可能な対象者端末を検出し、対象者端末から送信された識別情報を取得してサーバに送信する検出用端末と、検出用端末を介して送信された対象者端末の識別情報に基づいて、見守りエリア内における対象者端末の位置を特定すると共に、対象者端末から送信された識別情報および位置情報に基づいて、見守りエリアの外側における対象者端末の位置を特定するサーバと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-184306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の見守りシステムにおいて、見守りエリアに対応する居住エリア外に移動した対象者の検出と、居住エリア外の対象者端末の位置の特定とが、それぞれ連動して実行されていない。居住エリア外に移動した対象者の危険度をより早期に推定することが求められる。
【0006】
開示の技術は、居住エリア外に移動した対象者の危険度を早期に推定する見守りシステム、見守りサーバ、プログラム、及び見守り端末の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る見守りシステムは、対象者によって携帯される見守り端末と、前記対象者が居住する居住エリアの内側である居住エリア内に設置され、前記居住エリア内における前記対象者の在否情報を発信する第1通信装置と、前記居住エリアの外側である居住エリア外に設置され、前記見守り端末との通信状態情報を発信する第2通信装置と、前記第1通信装置及び前記第2通信装置のそれぞれと接続される見守りサーバと、を備え、前記見守りサーバは、前記第1通信装置から発信された前記在否情報、及び前記第2通信装置から発信された前記通信状態情報のそれぞれを取得する取得手段と、取得した前記在否情報に基づき、前記対象者が前記居住エリア外に移動したことを検出する検出手段と、前記対象者の前記居住エリア外への移動が検出されたことに応じて、取得した前記通信状態情報に基づき、前記居住エリア外における前記対象者の危険度を推定する推定手段と、備える。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、居住エリア外に移動した対象者の危険度を早期に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る見守りシステムの全体構成の一例を示すシステムブロック図である。
図2】第1実施形態に係る見守りシステムにおける見守り端末の構成例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る見守りシステムにおける第1ゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る見守りシステムにおける第2ゲートウェイの構成例を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る見守りシステムにおける見守りサーバの構成例を示すブロック図である。
図6】第1実施形態に係る見守りシステムの、施設等の外側に移動した高齢者の検出動作を説明するフローチャートである。
図7】第1実施形態に係る見守りシステムの、高齢者の危険度を推定する推定動作を説明するフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る見守りシステムの、施設等の侵入禁止エリアに侵入した高齢者の検出動作を説明するシーケンスチャートである。
図9】第1実施形態に係る見守りシステムの、高齢者のエリア外位置情報の発信動作を説明するためのフローチャートである。
図10】第2実施形態に係る見守りシステムの全体構成の一例を示すシステムブロック図である。
図11】第2実施形態に係る見守りシステムにおける第1人感検出部の配置例を示す模式図である。
図12】第2実施形態に係る見守りシステムの、施設等の外側に移動した高齢者の検出動作を説明するシーケンスチャートである。
図13】第3実施形態に係る見守りシステム1Bの全体構成の一例を示すシステムブロック図である。
図14】第3実施形態に係る見守りシステム1Bの、施設等の外側に移動した高齢者の検出動作を説明するシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の部材には同一の符号を付す場合がある。また、各図面の説明において、既に説明した部材と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
【0011】
本明細書に記載の「接続」とは、互いに異なる複数の端末(装置)のそれぞれが、相互に通信可能に接続されることを含む。すなわち、互いに異なる複数の端末(装置)のそれぞれが、通信ネットワーク、通信中継装置等を介して、相互に通信可能に接続されることを含む。
【0012】
[第1実施形態]
<構成>
図1を参照して、第1実施形態に係る見守りシステム1の全体構成を説明する。図1は、見守りシステム1の全体構成の一例を示すシステムブロック図である。
【0013】
本実施形態に係る見守りシステム1は、例えば、介護施設や老人ホーム等の高齢者用施設に入居する高齢者を見守るシステムである。ただし、見守りシステム1は、自宅等の住居で一人暮らしをする高齢者や、高齢者用施設に通所する高齢者を見守るシステムであってもよい。
【0014】
高齢者は、「対象者」の一例である。また、高齢者用施設や住居(これらを総称して、「施設等」という)は、「居住エリア」の一例である。具体的には、居住エリアは、施設等の屋内に対応する。「屋内」には、高齢者が居住する居室内のエリアのほか、各居室のドア前の廊下、並びに、各階をつなぐ階段及び踊り場等、施設等内のエリアを含む。なお、「居住」とは、定常的に居住することのほか、例えば、数時間、数日等の短期間、滞在することを含む。
【0015】
図1に示すように、見守りシステム1は、見守り端末2と、第1ゲートウェイ3と、第2ゲートウェイ4と、見守りサーバ5と、を備える。また、見守りシステム1は、無線基地局6と、外部端末7と、をさらに備えることが好ましい。なお、第1ゲートウェイ3は、「第1通信装置」の一例である。第2ゲートウェイ4は、「第2通信装置」の一例である。
【0016】
見守り端末2は、高齢者によって携帯される通信端末である。第1実施形態における見守り端末2は、例えば、アクティブ型の無線ICタグである。ただし、見守り端末2は、パッシブ型等の他の無線ICタグであってもよいし、スマートフォン、携帯電話、及びタブレット等の携帯型情報端末であってもよい。
【0017】
見守り端末2は、例えば、施設等100内に位置する場合、第1ゲートウェイ3との間で無線通信を行う。一方、見守り端末2は、例えば、施設等100外に位置する場合、第2ゲートウェイ4との間で無線通信を行う。
【0018】
見守り端末2と第1ゲートウェイ3との通信方式は、省電力長距離通信方式であるLPWA(Low Power Wide Area)であることが好ましい。また、見守り端末2と第2ゲートウェイ4との通信方式も、LPWAであることが好ましい。さらに、見守り端末2と第1ゲートウェイ3との通信方式と、見守り端末2と第2ゲートウェイ4との通信方式は、同じであることが好ましい。
【0019】
見守り端末2、第1ゲートウェイ3、及び第2ゲートウェイ4は、LPWAの無線通信ネットワークNW1を構成する。これにより、見守り端末2と第1ゲートウェイ3(第2ゲートウェイ4)との相互通信を、低電力かつ広域で行うことができる。なお、LPWAの例として、LoRa(登録商標)、ZETA、Z-WAVE(登録商標)、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network、登録商標)が挙げられる。見守り端末2の具体的な構成例及び機能例に関しては、別途図2を参照して説明する。
【0020】
第1ゲートウェイ3は、施設等100内に設置される通信中継装置である。第1ゲートウェイ3は、施設等に設けられた無線LAN(Local Area Network)や有線LAN等の閉域通信ネットワークNW2、及びインターネット等の広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に接続される。
【0021】
ただし、第1ゲートウェイ3、見守りサーバ5、及び外部端末7の相互の接続関係は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を介するものに限定されない。例えば、第1ゲートウェイ3は、閉域通信ネットワークNW2又は広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に接続されてもよい。また、第1ゲートウェイ3は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3に加え、他の通信ネットワークを通じて、見守りサーバ5や外部端末7に接続されてもよい。
【0022】
第1ゲートウェイ3は、SSID(Service Set Identifier)等の識別情報を含むLPWA信号を随時発信し、通信範囲に位置する見守り端末2と相互通信を行う無線基地局としての役割を果たすことが好ましい。第1ゲートウェイ3の通信範囲は、例えば、施設等100内のエリアの範囲と同様であってもよい。
【0023】
第1ゲートウェイ3の通信範囲に、見守り端末2が存在する場合、第1ゲートウェイ3は、見守り端末2との相互通信を開始するための通信開始情報を見守り端末2に発信する。また、第1ゲートウェイ3は、第1ゲートウェイ3からの通信開始情報に応答する応答情報を、見守り端末2から取得する。応答情報には、見守り端末2の識別情報が含まれる。これにより、第1ゲートウェイ3と見守り端末2との間の通信が開始される。例えば、第1ゲートウェイ3及び見守り端末は、パケット通信を行う。
【0024】
第1ゲートウェイ3は、見守り端末2からLPWA信号を受信する。また、第1ゲートウェイ3は、見守り端末2から受信したLPWA信号を、WiFi(Wireless Fidelity,登録商標)等の他の通信方式の信号に変換する。さらに、第1ゲートウェイ3は、変換したWiFi信号を閉域通信ネットワークNW2に発信する。以下、WiFiに基づく無線信号を、「WiFi信号」という。ただし、第1ゲートウェイ3は、受信したLPWA信号を、WiFi以外の他の通信方式の信号に変換してもよい。他の通信方式の一例として、イーサネットが挙げられる。イーサネットに基づく無線信号を、「イーサネット信号」という。
【0025】
第1ゲートウェイ3は、通信中継機能を果たす構成部と、無線基地局としての機能を果たす構成部とを、構造上一体に備える通信装置であってもよいし、それぞれを構造上別体に備える通信装置であってもよい。なお、第1ゲートウェイ3の具体的な構成例及び機能例に関しては、別途図3を参照して説明する。
【0026】
第2ゲートウェイ4は、施設等100外に設置される通信中継装置である。ここで、第2ゲートウェイ4が設置されるエリアの例として、施設等100の屋根、施設等に付帯される屋外の多目的エリア、駐車エリア、庭、門から玄関に連なる通行路等が挙げられる。また、第2ゲートウェイ4が設置されるエリアは、道路や建物等の施設外のエリアであってもよい。
【0027】
第2ゲートウェイ4は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に接続される。ただし、第2ゲートウェイ4、見守りサーバ5、及び外部端末7の接続関係は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を介したものに限定されない。例えば、第2ゲートウェイ4は、閉域通信ネットワークNW2又は広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に接続されてもよい。また、第2ゲートウェイ4は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3に加え、他の通信ネットワークを通じて、見守りサーバ5や外部端末7に接続されてもよい。
【0028】
第2ゲートウェイ4は、SSID等の識別情報を含むLPWA信号を随時発信し、通信範囲に位置する見守り端末2と相互通信する無線基地局としての役割を果たすことが好ましい。第2ゲートウェイ4の通信範囲の例として、第2ゲートウェイ4の設置位置を原点とする、半径5km~半径10kmの範囲が挙げられる。ただし、第2ゲートウェイ4の通信範囲は、これに限定されない。
【0029】
第2ゲートウェイ4の通信範囲に、見守り端末2が存在する場合、第2ゲートウェイ4は、相互通信を開始するための通信開始情報を見守り端末2に発信する。また、第2ゲートウェイ4は、見守り端末2から、第2ゲートウェイ4からの通信開始情報に応答する応答情報を取得する。応答情報には、見守り端末2の識別情報が含まれる。これにより、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との間の通信が開始される。例えば、第2ゲートウェイ4及び見守り端末2は、パケット通信を行う。
【0030】
第2ゲートウェイ4は、見守り端末2からLPWA信号を受信する。第2ゲートウェイ4は、見守り端末2から取得したLPWA信号を、WiFi信号に変換する。また、第2ゲートウェイ4は、変換したWiFi信号を閉域通信ネットワークNW2に発信する。ただし、第2ゲートウェイ4は、受信したLPWA信号を、WiFi以外の他の通信方式の信号に変換してもよい。他の通信方式の一例として、イーサネットが挙げられる。
【0031】
第2ゲートウェイ4は、見守り端末2との通信において、第1ゲートウェイ3が、見守り端末2と通信するために発信するLPWA信号の発信強度より強い発信強度のLPWA信号を発信することが好ましい。
【0032】
第2ゲートウェイ4は、通信中継機能を果たす構成部と、無線基地局としての機能を果たす構成部とを、構造上一体に備える通信装置であってもよいし、それぞれを構造上別体に備える通信装置であってもよい。なお、第2ゲートウェイ4の具体的な構成例及び機能例に関しては、別途図4を参照して説明する。
【0033】
見守りサーバ5は、例えば、施設等100外に移動した高齢者の危険度を推定する等の各種機能を有する情報処理装置である。見守りサーバ5は、例えば、施設100等に設置されたオンプレミスサーバであってもよいし、データセンター等の施設100等とは異なる場所に設置されたクラウドサーバであってもよい。また、見守りサーバ5は、1台の情報処理装置で構成されていてもよいし、各種機能のそれぞれを担う複数の情報処理装置によって構成されていてもよい。
【0034】
図1に示すように、見守りサーバ5は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、第1ゲートウェイ3及び第2ゲートウェイ4のそれぞれに接続される。また、見守りサーバ5は、広域通信ネットワークNW3を通じて、外部端末7に接続される。見守りサーバ5の具体的な構成例及び機能例に関しては、別途図5を参照して説明する。
【0035】
無線基地局6は、施設等100内に設置される。無線基地局6は、WiFi、Bluetooth(登録商標)、及びUWB(Ultra-Wide Band)等の近距離通信方式に基づく無線信号を随時発信し、通信範囲に位置する端末や装置と相互通信を行う。無線基地局6の例として、無線LANルータ等のアクセスポイントが挙げられる。ただし、無線基地局6は、これに限定されない。なお、Bluetoothに基づく無線信号を、「Bluetooth信号」という。また、UWBに基づく無線信号を、「UWB信号」という。
【0036】
本実施形態の無線基地局6は、例えば、施設等100内の調理設備や機械室等、高齢者の侵入が禁止される侵入禁止エリア内又は侵入禁止エリアの近傍に設置される。無線基地局6は、侵入禁止エリア内に入った高齢者を検出する。
【0037】
具体的には、無線基地局6の通信範囲に、見守り端末2が移動した場合、無線基地局6は、見守り端末2との通信の開始を検出する。このとき、無線基地局6は、無線基地局6の識別情報を見守り端末2に発信する。見守り端末2は、無線基地局6の識別情報、及び見守り端末2の識別情報のそれぞれを、例えば、第1ゲートウェイ3に発信する。
【0038】
第1ゲートウェイ3は、無線基地局6の識別情報、及び見守り端末2の識別情報のそれぞれを、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に発信する。見守りサーバ5には、無線基地局6の識別情報と位置情報との対応関係情報や、見守り端末2の識別情報と、見守り端末2を携帯する高齢者の氏名等の属性情報との対応関係情報が記憶されている。見守りサーバ5は、無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれを、対応関係情報に照らし合わせ、侵入禁止エリアに入った高齢者の氏名等の属性情報及び高齢者の位置情報を特定する。見守りサーバ5は、特定した高齢者が侵入禁止エリアに入った旨の情報や高齢者(見守り端末2)の位置情報を、外部端末7に発信することが好ましい。属性情報として、氏名の代わりに番号等の識別情報が記憶されてもよい。
【0039】
無線基地局6は、例えば、閉域通信ネットワークNW2に接続されていてもよい。この場合、無線基地局6は、見守り端末2との通信において、見守り端末2の識別情報を取得するとともに、見守り端末2の識別情報及び無線基地局6の識別情報のそれぞれを、第1ゲートウェイ3を介さず、閉域通信ネットワークNW2に発信してもよい。見守り端末2の識別情報及び無線基地局6の識別情報のそれぞれは、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に伝送される。
【0040】
見守りシステム1によれば、見守り端末2、無線基地局6、及び見守りサーバ5のそれぞれにおける相互通信によって、高齢者が侵入禁止エリアに入ったことを早期に発見することができる。これにより、施設等100内における高齢者の事故等を未然に防ぐことができる。
【0041】
外部端末7は、施設等100の職員、施設等100の警備を行う警備員、及び施設等100に居住する高齢者の家族、親族等が携帯する、スマートフォン、携帯電話、及びタブレット等の情報処理端末である。また、外部端末7は、施設等100内に設けられるディスプレーやデジタルサイネージ等の情報表示端末であってもよい。
【0042】
図1に示すように、本実施形態の外部端末7は、広域通信ネットワークNW3に接続される。外部端末7は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び見守りサーバ5のそれぞれと接続される。外部端末7は、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び見守りサーバ5のそれぞれから発信された各種情報を取得する。
【0043】
以上、本実施形態に係る見守りシステム1の全体構成の概要を説明した。ここで、見守りシステム1を構成する端末及び装置のそれぞれは、無線通信ネットワークNW1、閉域通信ネットワークNW2、及び広域通信ネットワークNW3等の無償で利用可能な通信ネットワークを介して、相互に接続されている。そのため、見守りシステム1の運営に伴う通信費等のランニングコストを大幅に低減することができる。
【0044】
<<見守り端末2の構成>>
次に、図2を参照して、見守り端末2の構成例を説明する。図2は、見守り端末2の構成例を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、見守り端末2は、見守り端末2の電源である電池2Bを備える。見守り端末2は、電池2Bから給電された電力によって、LPWA信号やWiFi信号等の所定の通信方式の無線信号を発信する。見守り端末2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、操作部24と、発音部25と、計測部26と、信号変調部27と、をさらに備える。制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、発音部25、計測部26、及び信号変調部27のそれぞれは、バスを介して、相互に接続される。
【0046】
制御部21は、見守り端末2における各種動作の制御及び処理を実行するプロセッサである。制御部21の例として、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。また、制御部21は、CPU等のプロセッサと同様の機能を果たす他の電子回路から構成されていてもよい。
【0047】
記憶部22は、見守り端末2ごとに付与される、例えば、MACアドレス(Media Access Control address)等の識別情報、並びに、制御部21が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要な各種データが記憶される。記憶部22の例として、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の記憶媒体が挙げられる。
【0048】
通信部23は、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び無線基地局6等の他の通信装置との間で通信を行うための通信回路やアンテナ等の部材を備えた通信インターフェースである。通信部23は、制御部21の制御下において、LPWA信号、WiFi信号等の各種通信方式に基づく無線信号を発信する。また、通信部23は、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び無線基地局6等の他の通信装置から発信された各種情報を取得する。また、通信部23は、例えば、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び無線基地局6等の他の通信装置から発信された通信開始情報に応答する応答情報等の情報を、他の通信装置に発信する。
【0049】
通信部23は、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)等の測位衛星110から発信された、見守り端末2の位置情報を含む無線信号を受信する。見守り端末2の位置情報には、見守り端末2の緯度や経度等の位置に関する情報が含まれる。測位衛星110から発信された、見守り端末2の位置情報の一例として、施設等100外に移動した高齢者の位置情報に対応する屋外位置情報が挙げられる。通信部23は、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び無線基地局6等の他の通信装置や、測位衛星110との通信を行うために、通信方式に応じた複数種類の通信インターフェースを備えても良い。通信部23は、複数種類の通信インターフェースを備えることで、LPWA信号、WiFi信号等の各種通信方式に基づく無線信号を送受信できる。
【0050】
操作部24は、タッチセンサや押しボタン等、高齢者の操作に応じて、制御部21に操作信号を出力する部材である。操作部24の操作に応じて、発音部25の発音操作が行われてもよい。また、操作部24の操作に応じて、現在位置に関する位置情報の発信操作が行われてもよい。
【0051】
発音部25は、例えば、高齢者が施設等100外に移動したことに応じて、警報音等を発音する部材である。発音部25の一例として、制御部21からの制御信号に応じて振動するブザーが挙げられる。
【0052】
計測部26は、例えば、通信部23で受信した第1ゲートウェイ3及び第2ゲートウェイ4からのLPWA信号の受信強度であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)を計測する。具体的には、計測部26は、RSSIを計測するための信号処理回路を備える。また、計測部26は、第1ゲートウェイ3及び第2ゲートウェイ4との通信における通信エラー(パケットエラー又はビットエラー)の頻度を計測する信号処理回路をさらに備えていてもよい。以下、見守り端末2の計測部26が計測したRSSIを「第1RSSI」という。また、見守り端末2の計測部26が計測した通信エラーの頻度を「第1エラー頻度」という。
【0053】
信号変調部27は、第2ゲートウェイ4との通信時に、見守り端末2から発信されるLPWA信号を変調する。信号変調部27の例として、第2ゲートウェイ4との通信状態に応じて、LPWA信号の周波数帯域幅を調整するバンドパスフィルターや、見守り端末2が、LPWA信号を発信する際の給電量を調整する給電回路が挙げられる
【0054】
例えば、見守り端末2が第2ゲートウェイ4から遠ざかり、第1RSSIが弱まるような場合、信号変調部27は、見守り端末2が第2ゲートウェイ4に発信するLPWA信号の周波数帯域幅を狭め、かつ、LPWA信号の発信強度を高める。この場合、見守り端末2は、第1RSSIと閾値Th7とを比較し、第1RSSIが、閾値Th7未満である場合、第2ゲートウェイ4に発信するLPWA信号を変調するようにしてもよい。
【0055】
第2ゲートウェイ4等の他の通信装置へ発信するLPWA信号を変調することで、通信時の消費電力を著しく高めず、かつ、通信範囲を大きく拡張することができる。その結果、見守り端末2は、第2ゲートウェイ4から遠ざかっても、第2ゲートウェイ4との通信を継続することができる。
【0056】
また、見守り端末2と第2ゲートウェイ4とが、互いに近くにある場合、信号変調部27は、見守り端末2が第2ゲートウェイ4に発信するLPWA信号の周波数帯域幅を広げ、かつ、LPWA信号の発信強度を弱める。このとき、第1RSSIと閾値Th8とを比較し、第1RSSIが、閾値Th8以上である場合、第2ゲートウェイ4に発信するLPWA信号を変調してもよい。これにより、見守り端末2と第2ゲートウェイ4との間の通信速度を高められるとともに、通信時の消費電力を低減することができる。
【0057】
次に、見守り端末2の制御部21における各種機能を説明する。図2に示すように、制御部21は、取得手段211、発信処理手段212、発音処理手段213等の各手段として機能する。制御部21は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行して、見守り端末2を、これらの各手段として機能させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0058】
取得手段211は、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4等の他の通信装置と相互通信を開始するための通信開始情報を取得する。それに伴い、発信処理手段212は、通信開始情報に応答する応答情報を、通信開始情報を発信した他の通信装置に発信する。ここで、応答情報には、記憶部22に記憶されている見守り端末2の識別情報が含まれる。
【0059】
具体的には、発信処理手段212は、第1ゲートウェイ3からの通信開始信号に応じて、第1ゲートウェイ3に応答情報を発信する。これにより、見守り端末2と第1ゲートウェイ3との間の通信が開始される。また、発信処理手段212は、第2ゲートウェイ4からの通信開始情報に応じて、第2ゲートウェイ4に応答情報を発信する。これにより、見守り端末2と第2ゲートウェイ4との間の通信が開始される。
【0060】
また、見守り端末2が、例えば、施設等100の侵入禁止エリアに入り、無線基地局6との相互通信を開始した場合、取得手段211は、無線基地局6の識別情報を取得する。それに伴い、発信処理手段212は、無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報を第1ゲートウェイ3に発信する。無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれは、見守りサーバ5に伝送される。さらに、無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれは、見守りサーバ5において、侵入禁止エリアに入った高齢者及び高齢者の位置を特定するために参照される。
【0061】
また、見守り端末2が、施設等100外に移動した場合、発信処理手段212は、見守り端末2のエリア外位置情報を第2ゲートウェイ4に発信する。
【0062】
また、高齢者が操作部24を操作し、見守り端末2の現在位置を示す位置情報の発信を要求する場合、発信処理手段212は、取得手段211を通じて、測位衛星110から見守り端末2の位置情報を取得する。また、発信処理手段212は、見守り端末2の位置情報を第2ゲートウェイ4に発信する。見守り端末2の位置情報は、第2ゲートウェイ4、閉域通信ネットワークNW2、及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に伝送される。
【0063】
発音処理手段213は、高齢者が施設等100外に移動した場合や、施設等100から遠ざかり危険度が増すような場合に、発音部25が警報音を発するよう制御する。
【0064】
具体的には、発音処理手段213は、取得手段211が、施設等100外の第2ゲートウェイ4から通信開始情報を取得したことに応じて、警報音の発音指示情報を含む制御信号を発音部25に出力する。
【0065】
また、発音処理手段213は、第1RSSIが、所定の閾値未満に低下したことに応じて、警報音の発音を指示する制御信号を発音部25に出力してもよい。これにより、発音部25から警報音が発せられ、施設等100外に移動した高齢者に対し、施設等100から遠ざかっていることを即座に知らせることができる。
【0066】
発音処理手段213は、操作部24からの操作信号に応じて、警報音の発音指示情報を含む制御信号を発音部25に出力してもよい。これにより、発音部25から警報音が発せられ、高齢者が危険状態にあることを周囲に知らせることができる。
【0067】
<<第1ゲートウェイ3の構成>>
次に、図3を参照して、第1ゲートウェイ3の構成例を説明する。図3は、第1ゲートウェイ3の構成例を示すブロック図である。
【0068】
第1ゲートウェイ3は、施設等100内に設置され、互いに通信方式の異なる無線通信ネットワークNW1及び閉域通信ネットワークNW2の間の通信を中継する。また、第1ゲートウェイ3は、SSID等の識別情報を含む無線信号を随時発信し、通信範囲内の端末や装置と通信を行うアクセスポイントとして機能する。
【0069】
具体的には、第1ゲートウェイ3は、見守り端末2から発信されたLPWA信号をWiFi信号に変換し、閉域通信ネットワークNW2に発信する。第1ゲートウェイ3から発信されたWiFi信号に対応する各種情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に伝送される。
【0070】
図3に示すように、第1ゲートウェイ3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、計測部34と、を備える。制御部31、記憶部32、通信部33、及び計測部34のそれぞれは、バスを介して、相互に接続される。
【0071】
制御部31は、第1ゲートウェイ3における各種動作の制御及び処理を実行するプロセッサである。制御部31の例として、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。また、制御部31は、CPU等のプロセッサと同様の機能を果たす他の電子回路から構成されていてもよい。
【0072】
記憶部32は、第1ゲートウェイ3ごとに付与される、例えば、SSID等の識別情報、並びに、制御部31が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要な各種データが記憶される。記憶部32の例として、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュROM等の不揮発性の記憶媒体が挙げられる。
【0073】
通信部33は、見守り端末2、見守りサーバ5、及び外部端末7との間で通信を行うための通信回路やアンテナ等の部材を備えた通信インターフェースである。より詳しくは、通信部33は、例えば、見守り端末2から発信されたLPWA信号を受信するとともに、受信したLPWA信号をWiFi信号に変換し、閉域通信ネットワークNW2に発信する。
【0074】
計測部34は、例えば、通信部33で受信した見守り端末2からのLPWA信号の受信強度であるRSSIを計測する。具体的には、計測部34は、RSSIを計測するための信号処理回路を備える。また、計測部34は、見守り端末2との通信における通信エラー(パケットエラー又はビットエラー)の頻度を計測する信号処理回路をさらに備えていてもよい。以下、第1ゲートウェイ3の計測部34が計測したRSSIを「第2RSSI」という。「第2RSSI」は、「見守り端末2から発信された無線信号の受信強度」の一例である。また、第1ゲートウェイ3の計測部34が計測した通信エラーの頻度を「第2エラー頻度」という。「第2エラー頻度」は、「見守り端末2との通信における通信エラーの頻度」の一例である。
【0075】
第2RSSIや第2エラー頻度は、「通信状態情報」の一例である。また、第2RSSIや第2エラー頻度は、見守りサーバ5が、施設等100における高齢者の在否を推定する情報として用いられる。すなわち、第2RSSIや第2エラー頻度は、「在否情報」の一例でもある。言い換えれば、第2RSSIや第2エラー頻度は、第1ゲートウェイ3と見守り端末2との通信状態に基づく「在否情報」である。
【0076】
次に、第1ゲートウェイ3の制御部31における各種機能を説明する。図3に示すように、制御部31は、取得手段311、発信処理手段312等の各手段として機能する。制御部31は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行して、第1ゲートウェイ3を、これらの各手段として機能させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0077】
取得手段311は、見守り端末2との通信において、計測部34で計測された第2RSSI及び第2エラー頻度の情報を取得する。それに伴い、発信処理手段312は、第2RSSIや第2エラー頻度の情報を、閉域通信ネットワークNW2に発信する。第2RSSIや第2エラー頻度の情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。
【0078】
また、取得手段311は、見守り端末2が、施設等100の侵入禁止エリアに入ったことに応じて、無線基地局6から取得した無線基地局6の識別情報、及び見守り端末2の識別情報を取得する。それに伴い、発信処理手段312は、無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報を、閉域通信ネットワークNW2に発信する。無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。
【0079】
<<第2ゲートウェイ4の構成>>
次に、図4を参照して、第2ゲートウェイ4の構成例を説明する。図4は、第2ゲートウェイ4の構成例を示すブロック図である。
【0080】
第2ゲートウェイ4は、施設等100外に設置され、互いに通信方式の異なる無線通信ネットワークNW1及び閉域通信ネットワークNW2の間の通信を中継する。また、第2ゲートウェイ4は、SSID等の識別情報を含む無線信号を随時発信し、通信範囲内の端末や装置と通信を行うアクセスポイントとして機能する。
【0081】
第2ゲートウェイ4は、第1ゲートウェイ3と同様に、見守り端末2から発信されたLPWA信号をWiFi信号に変換し、変換したWiFi信号を閉域通信ネットワークNW2に発信する。第2ゲートウェイ4によって発信された信号に対応する各種情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5や外部端末7に伝送される。
【0082】
第2ゲートウェイ4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、計測部44と、信号変調部45と、を備える。制御部41、記憶部42、通信部43、計測部44、及び信号変調部45のそれぞれは、バスを介して、相互に接続される。
【0083】
制御部41は、第2ゲートウェイ4における各種動作の制御及び処理を実行するプロセッサである。制御部41の例として、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。また、制御部41は、CPU等のプロセッサと同様の機能を果たす他の電子回路から構成されていてもよい。
【0084】
記憶部42は、第2ゲートウェイ4ごとに付与される、例えば、SSID等の識別情報、並びに、制御部41が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要な各種データが記憶される。記憶部42の例として、EEPROM又はフラッシュROM等の不揮発性の記憶媒体が挙げられる。
【0085】
通信部43は、見守り端末2から発信された、施設等100外における高齢者のエリア外位置情報を含むLPWA信号を受信する。また、通信部43は、高齢者のエリア外位置情報を含むLPWA信号をWiFi信号に変換し、変換したWiFi信号を閉域通信ネットワークNW2に発信する。なお、通信部43におけるそれ以外の構成及び機能は、第1ゲートウェイ3の通信部33と同様であってよい。
【0086】
計測部44は、例えば、通信部43で受信した見守り端末2からのLPWA信号の受信強度であるRSSIを計測する。また、計測部44は、見守り端末2との通信における通信エラー(パケットエラー又はビットエラー)の頻度を計測する。計測部44は、RSSIや通信エラーの頻度の計測を実行する信号処理回路を備える。以下、第2ゲートウェイ4の計測部44が計測したRSSIを「第3RSSI」という。「第3RSSI」は、「見守り端末2から発信された無線信号の受信強度」の一例である。また、第2ゲートウェイ4の計測部44が計測した通信エラーの頻度を「第3エラー頻度」という。「第3エラー頻度」は、「見守り端末2との通信における通信エラーの頻度」の一例である。第3RSSIや第3エラー頻度は、「通信状態情報」の一例である。
【0087】
信号変調部45は、見守り端末2との通信時に、第2ゲートウェイ4から発信されるLPWA信号を変調する。信号変調部45の例として、見守り端末2との通信状態に応じて、LPWA信号の周波数帯域幅を調整するバンドパスフィルターや、第2ゲートウェイ4が、LPWA信号を発信する際の給電量を調整する給電回路が挙げられる。
【0088】
例えば、見守り端末2が第2ゲートウェイ4から遠ざかり、第3RSSIが弱まるような場合、信号変調部45は、第2ゲートウェイ4が見守り端末2に発信するLPWA信号の周波数帯域幅を狭め、かつ、LPWA信号の発信強度を高める。これにより、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信範囲を大きく拡張することができる。その結果、見守り端末2が、第2ゲートウェイ4から遠ざかっても、第2ゲートウェイ4は、見守り端末2との通信を継続することができる。
【0089】
また、第2ゲートウェイ4と見守り端末2とが、互いに近くにある場合、信号変調部45は、第2ゲートウェイ4が見守り端末2に発信するLPWA信号の周波数帯域幅を広げ、かつ、LPWA信号の発信強度を弱める。これにより、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信速度を速めることができるとともに、通信時の消費電力を低減することができる。
【0090】
次に、第2ゲートウェイ4の制御部41における各種機能を説明する。図4に示すように、制御部41は、取得手段411、発信処理手段412等の各手段として機能する。制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行して、第2ゲートウェイ4を、これらの各手段として機能させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0091】
取得手段411は、見守り端末2との通信において、計測部44が計測した第3RSSIや第3エラー頻度の情報を取得する。それに伴い、発信処理手段412は、第3RSSIや第3エラー頻度の情報を、閉域通信ネットワークNW2に発信する。第3RSSIや第3エラー頻度の情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。
【0092】
また、取得手段411は、高齢者のエリア外位置情報を取得する。それに伴い、発信処理手段412は、高齢者のエリア外位置情報を閉域通信ネットワークNW2に発信する。エリア外位置情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。エリア外位置情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、外部端末7に伝送されてもよい。
【0093】
<<見守りサーバ5>>
次に、図5を参照して、見守りサーバ5の構成例を説明する。図5は、見守りサーバ5の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、見守りサーバ5は、制御部51と、記憶部52と、通信部53と、を備える。制御部51、記憶部52、及び通信部53のそれぞれは、バスを介して、相互に接続される。
【0094】
制御部51は、見守りサーバ5における各種動作の制御及び処理を実行するプロセッサである。制御部51の例として、CPU(Central Processing Unit)が挙げられる。また、制御部51は、CPU等のプロセッサと同様の機能を果たす他の電子回路から構成されていてもよい。
【0095】
記憶部52は、制御部51が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要な各種データが記憶される。また、記憶部52は、無線基地局6の識別情報と位置情報との対応関係情報や、見守り端末2の識別情報と高齢者の氏名等の属性情報との対応関係情報を記憶する。記憶部52の例として、EEPROM、フラッシュROM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体が挙げられる。
【0096】
通信部53は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4、及び外部端末7との間で通信を行うための通信回路を備えた通信インターフェースである。通信部53は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、第1ゲートウェイ3、第2ゲートウェイ4から発信された各種情報を受信する。また、通信部53は、制御部21の制御下において、外部端末7に各種情報を含む信号を発信する。
【0097】
次に、見守りサーバ5の制御部51における各種機能を説明する。図5に示すように、制御部51は、取得手段511、検出手段512、推定手段513、発信処理手段514等の各手段として機能する。制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムを実行して、見守りサーバ5を、これらの各手段として機能させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0098】
取得手段511は、第1ゲートウェイ3から発信された第2RSSIや第2エラー頻度の情報を、通信部53を通じて取得する。それに伴い、検出手段512は、第2RSSIが、所定の閾値Th1未満である場合、見守り端末2と第1ゲートウェイ3との間の距離が離れ、見守り端末2を携帯する高齢者が、施設等100外に移動したことを検出する。なお、閾値Th1は、第1ゲートウェイ3の周辺環境、及び第1ゲートウェイ3の受信感度等に応じて適宜設定可能である。
【0099】
また、検出手段512は、第2エラー頻度が、所定の閾値Th2以上である場合、見守り端末2と第1ゲートウェイ3との間の距離が離れ、高齢者が、施設等100外に移動したことを検出してもよい。なお、閾値Th2は、第1ゲートウェイ3の周辺環境、及び第1ゲートウェイ3の受信感度等に応じて適宜設定可能である。
【0100】
また、取得手段511は、第2ゲートウェイ4から発信された、見守り端末2の識別情報、第3RSSI、及び第3エラー頻度等の情報を、通信部53を通じて取得する。それに伴い、推定手段513は、施設等100外における高齢者の危険度を推定する。
【0101】
例えば、推定手段513は、第2ゲートウェイ4から発信された情報から、見守り端末2の識別情報を抽出すると、第2ゲートウェイ4と見守り端末2とが通信を開始したと推定する。すなわち、推定手段513は、見守り端末2を携帯する高齢者が、施設等100外に移動したと推定する。第2ゲートウェイ4から発信された「見守り端末2の識別情報」は、「見守り端末2から発信された無線信号」の一例である。
【0102】
また、推定手段513は、対応する危険度のレベル付けを行なってもよい。例えば、推定手段513は、このときの高齢者の危険度を、例えば、レベルDH1又はレベルDH2とレベル付けする。ただし、推定手段513が付す危険度のレベルは、適宜変更可能である。
【0103】
推定手段513は、第3RSSIが、所定の閾値Th3未満である場合、見守り端末2が、第2ゲートウェイ4から遠ざかっていると推定する。すなわち、推定手段513は、高齢者の危険度が高まっていると推定する。推定手段513は、このときの高齢者の危険度を、レベルDL3より高い「レベルDL4」にレベル付けする。なお、閾値Th3は、第2ゲートウェイ4の周辺環境、及び第2ゲートウェイ4の受信感度等に応じて適宜設定可能である。
【0104】
また、推定手段513は、第3エラー頻度が、所定の閾値Th4以上である場合、高齢者が、施設等100からより遠ざかり、高齢者の危険度がより高まっていることを推定する。推定手段513は、このときの高齢者の危険度を、レベルDL4より高い「レベルDL5」とレベル付けする。なお、閾値Th4は、第2ゲートウェイ4の周辺環境、及び第2ゲートウェイ4の受信感度等に応じて適宜設定可能である。
【0105】
また、推定手段513は、第3RSSIが、閾値Th3より低い閾値Th5未満であり、かつ、第3エラー頻度が、閾値Th4より高い閾値Th6以上である場合、見守り端末2と第2ゲートウェイ4との間の通信が途絶したと推定してもよい。この場合、推定手段513は、高齢者が施設等100からさらに遠ざかり、高齢者の危険度がさらに高まっていることを推定する。推定手段513は、このときの高齢者の危険度を、レベルDL5より高い「レベルDL6」とレベル付けする。
【0106】
一方、推定手段513は、取得手段511を通じて、第1ゲートウェイ3から発信された第2RSSIや第2エラー頻度の情報を参照し、高齢者の危険度を推定してもよい。例えば、推定手段513は、第2RSSIが、閾値Th1未満である場合、高齢者の危険度を、レベルDL3より低いレベルDL1としてもよい。また、推定手段513は、第2RSSIが、閾値Th1未満であり、かつ、第2エラー頻度が、閾値Th2以上である場合、高齢者の危険度を、レベルDL1より高く、レベルDL3より低い、「レベルDL2」としてもよい。
【0107】
このように、第1ゲートウェイ3及び見守り端末2の間の通信状態、及び第2ゲートウェイ4及び見守り端末2の間の通信状態に基づいて、高齢者の危険度を適宜分類することで、推定手段513が危険度を推定するために必要な通信データ量を低減し、かつ、高齢者が、施設等100から遠ざかる危険度の段階を適切に推定することができる。なお、本実施形態において、推定手段513が推定する危険度のレベルは、6段階であるが、これに限定されない。
【0108】
発信処理手段514は、推定手段513が推定する危険度に応じた内容の危険度情報を、通信部53を通じて、外部端末7に発信する。危険度に応じた危険度情報の内容は、適宜設定可能である。例えば、危険度がレベルDL1及びレベルDL2である場合、危険度情報の例として、高齢者が、施設等100外に移動した旨の内容等が挙げられる。また、危険度がレベルDL3である場合、危険度情報の例として、高齢者が、施設等100外に移動した旨の内容等が挙げられる。また、危険度がレベルDL4及びレベルDL5である場合、危険度情報の例として、高齢者が、施設等100から遠ざかり、危険度が増している旨の内容等が挙げられる。また、危険度がレベルDL6である場合、危険度情報の例として、高齢者が携帯する見守り端末2との通信が途絶し、高齢者が、施設等100からさらに遠ざかっている旨の内容等が挙げられる。ただし、外部端末7に発信される危険度情報の内容は、これらに限定されない。見守りサーバ5の発信処理手段514を通じて、危険度情報を取得した外部端末7は、対応する内容の危険度情報を、外部端末7の表示部に表示する。また、発信処理手段514は、高齢者の危険度に基づいて、エリア外位置情報の外部端末7への発信を制御してもよい。
【0109】
<動作>
<<高齢者が施設等100外に移動したことの検出動作>>
次に、図6を参照して、見守りサーバ5が、施設等100外に移動した見守り端末2(高齢者)を検出する検出動作を説明する。図6は、施設等100外に移動した高齢者を検出する検出動作を説明するためのフローチャートである。
【0110】
ステップS11において、見守りサーバ5の取得手段511は、第1ゲートウェイ3から第2RSSIの情報を取得する。
【0111】
続いて、ステップS12において、見守りサーバ5の検出手段512は、第2RSSIと閾値Th1とを比較する。ここで、見守りサーバ5の検出手段512は、第2RSSIが、閾値Th1未満である場合(YESの場合)、ステップS13において、高齢者が、施設等100外に移動したことを検出する。
【0112】
これに対して、見守りサーバ5の検出手段512は、第2RSSIが、閾値Th1以上である場合(NOの場合)、ステップS14において、高齢者が、施設等100内に留まっていることを検出する。この場合、見守りサーバ5は、改めて、第1ゲートウェイ3から第2RSSIの情報を取得し、高齢者が、施設等100外に移動したか否かを順次判断する。
【0113】
なお、見守りサーバ5は、第1ゲートウェイ3から取得した第2エラー頻度の情報に基づいて、施設等100外に移動した高齢者を検出してもよい。この場合、見守りサーバ5の検出手段512は、第2エラー頻度が、閾値Th2以上である場合、高齢者が、施設等100外に移動したことを検出してもよい。一方、見守りサーバ5の検出手段512は、第2エラー頻度が、閾値Th2未満である場合、高齢者が、施設等100内に留まっていることを検出してもよい。
【0114】
見守りサーバ5がこれらの各ステップを実行することで、第2RSSIや第2エラー頻度等、比較的、通信データ量の少ない情報に基づき、高齢者が、施設等100外に移動したことを適切に検出することができる。
【0115】
<<危険度の推定動作>>
次に、図7を参照して、見守りサーバ5の、高齢者の危険度を推定する推定動作を説明する。図7は、見守りサーバ5の、高齢者の危険度を推定する推定動作を説明するためのフローチャートである。
【0116】
ステップS21において、見守りサーバ5の推定手段513は、第2ゲートウェイ4から見守り端末2の識別情報を取得すると、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との間で通信が開始されたことを検出する。すなわち、見守りサーバ5の推定手段513は、高齢者が、施設等100外に移動したことを検出する。
【0117】
続いて、ステップS22において、見守りサーバ5の推定手段513は、第2ゲートウェイ4から第3RSSIの情報を取得し、第3RSSIと閾値Th3とを比較する。見守りサーバ5の推定手段513は、第3RSSIが、閾値Th3以上である場合(YESの場合)、高齢者が第2ゲートウェイ4の近くにいると判断する。具体的には、ステップS23において、見守りサーバ5の推定手段513は、高齢者の危険度をレベルDL3にレベル付けする。
【0118】
これに対して、第3RSSIが、閾値Th3未満である場合(NOの場合)、ステップS24において、見守りサーバ5の推定手段513は、第2ゲートウェイ4から第3エラー頻度の情報を取得し、第3エラー頻度と閾値Th4とを比較する。見守りサーバ5の推定手段513は、第3エラー頻度が、閾値Th4未満である場合(YESの場合)、ステップS25において、高齢者の危険度を、レベルDL3より1段階高いレベルDL4にレベル付けする。
【0119】
これに対して、第3エラー頻度が、閾値Th4以上である場合(NOの場合)、ステップS26において、見守りサーバ5の推定手段513は、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信が途絶されたか否かを推定する。
【0120】
例えば、見守りサーバ5の推定手段513は、第3RSSIと閾値Th5(閾値Th3より少ない閾値)とを比較するとともに、第3エラー頻度と閾値Th6(閾値Th4より高い閾値)とを比較する。その結果、見守りサーバ5の推定手段513は、第3RSSIが閾値Th5以上であるか、または第3エラー頻度が閾値Th6未満である場合(NOの場合)、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信が継続していると推定する。この場合、見守りサーバ5の推定手段513は、ステップS27において、高齢者の危険度を、レベルDL4より1段階高いレベルDL5にレベル付けする。
【0121】
これに対して、見守りサーバ5の推定手段513は、第3RSSIが閾値Th5未満であり、かつ、第3エラー頻度が閾値Th6以上である場合(YESの場合)、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信が途絶されたと推定する。この場合、ステップS28において、見守りサーバ5の推定手段513は、高齢者が、施設等100から極めて離れた位置まで移動したと推定し、高齢者の危険度を、レベルDL5より1段階高いレベルDL6にレベル付けする。
【0122】
ただし、見守りサーバ5の推定手段513は、第3RSSIと閾値Th5との比較のみによって、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信の途絶を推定してもよい。また、見守りサーバ5の推定手段513は、第3エラー頻度と閾値Th6との比較のみによって、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信の途絶を推定してもよい。さらに、見守りサーバ5の推定手段513は、これらとは異なる処理によって、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信の途絶を推定してもよい。
【0123】
ステップS29において、見守りサーバ5の発信処理手段514は、危険度のレベルに応じた危険度情報を、外部端末7に通知(発信)する。
【0124】
見守りサーバ5が、危険度の推定動作に係る各ステップを実行することで、高齢者が施設等100外に移動し、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信が開始されたタイミングに応じて、高齢者の危険度を推定する。これにより、高齢者の危険度をより早期に推定することができる。また、施設等100外に移動した高齢者の状態が、危険度の高低に応じて適切に分類される。これにより、例えば、見守りシステム1の運営者における高齢者の救出活動の内容や規模を、危険度の高低に応じて、適切に判断することができる。
【0125】
<<侵入禁止エリアに侵入した高齢者の検出動作>>
次に、図8を参照して、見守りシステム1における、施設等100の侵入禁止エリアに侵入した高齢者の検出動作を説明する。図8は、施設等100の侵入禁止エリアに侵入した高齢者の検出動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【0126】
はじめに、ステップS31において、無線基地局6が、無線基地局6の通信範囲である侵入禁止エリアに移動した見守り端末2に、無線基地局6の識別情報を発信する。
【0127】
続いて、ステップS32において、見守り端末2は、無線基地局6の識別情報とともに、見守り端末2の識別情報を、第1ゲートウェイ3に発信する。
【0128】
続いて、ステップS33において、第1ゲートウェイ3は、無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれを、閉域通信ネットワークNW2に発信する。無線基地局6の識別情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれは、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。
【0129】
続いて、ステップS34において、見守りサーバ5は、記憶部52に記憶される対応関係情報を参照し、侵入禁止エリアに侵入した高齢者の氏名等の属性情報、及び位置情報を、それぞれ特定する。これにより、施設等100の侵入禁止エリアに、高齢者が侵入したことが検出される。
【0130】
続いて、ステップS35において、見守りサーバ5は、高齢者の属性情報及び位置情報を、外部端末7に発信する。続いて、ステップS36において、外部端末7は、高齢者の属性情報及び位置情報を、外部端末7の表示部に表示する。
【0131】
これらの各ステップが実行されることで、見守り端末2、無線基地局6、及び見守りサーバ5のそれぞれが相互に通信を行い、高齢者が侵入禁止エリアに入ったことを早期に発見することができる。これにより、施設等100内における高齢者の事故等を未然に防ぐことができる。
【0132】
<<エリア外位置情報の発信動作>>
次に、図9を参照して、見守り端末2における、高齢者のエリア外位置情報の発信動作を説明する。図9は、見守り端末2における、高齢者のエリア外位置情報の発信動作を説明するためのフローチャートである。
【0133】
ステップS41において、見守り端末2が、施設等100外に移動し、第2ゲートウェイ4から発信された通信開始情報を取得する。これにより、第2ゲートウェイ4と見守り端末2との通信が開始する。また、見守り端末2は、施設等100の外側に移動したことを認識する。
【0134】
続いて、ステップS42において、見守り端末2は、測位衛星110から取得した高齢者のエリア外位置情報を、第2ゲートウェイ4に発信する。ここで、見守り端末2は、施設等100外への移動に関わらず、高齢者の位置情報を測位衛星110から取得していてもよい。この場合、見守り端末2は、直近で取得した高齢者の位置情報を、エリア外位置情報として、第2ゲートウェイ4に発信してもよい。また、見守り端末2は、第2ゲートウェイ4との通信が開始したことに応じて、測位衛星110にエリア外位置情報を要求してもよい。この場合、見守り端末2は、測位衛星110から発信されたエリア外位置情報を取得し、第2ゲートウェイ4に発信する。
【0135】
第2ゲートウェイ4に発信された、高齢者のエリア外位置情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。また、見守りサーバ5は、高齢者のエリア外位置情報の取得に応じて、高齢者が施設等100外に移動したことを外部端末7に通知する。これにより、外部端末7を保有する施設等100の職員、施設等100の警備を行う警備員、及び施設等100に居住する高齢者の家族、親族等が、高齢者が施設等100外に移動したことを知ることができる。
【0136】
なお、見守りサーバ5の発信処理手段514は、高齢者の危険度に基づいて、外部端末7への通知(発信)タイミングを制御してもよい。例えば、見守りサーバ5の発信処理手段514は、見守りサーバ5の推定手段513が推定した危険度が、レベルDL4以上であった場合に、高齢者のエリア外位置情報を外部端末7に通知(発信)してもよい。
【0137】
以上、見守りシステム1の構成及び動作を説明した。なお、閾値Th1は、「第1閾値」の一例である。閾値Th2は、「第2閾値」の一例である。閾値Th3は、「第3閾値」の一例である。閾値Th4は、「第4閾値」の一例である。閾値Th5は、「第5閾値」の一例である。閾値Th6は、「第6閾値」の一例である。閾値Th7は、「第7閾値」の一例である。閾値Th8は、「第8閾値」の一例である。
【0138】
また、高齢者の危険度は、レベルDL1、レベルDL2、レベルDL3、レベルDL4、レベルDL5、レベルDL6の順に高まる。レベルDL1は、「レベル1」の一例である。レベルDL2は、「レベル2」の一例である。レベルDL3は、「レベル3」の一例である。レベルDL4は、「レベル4」の一例である。レベルDL5は、「レベル5」の一例である。レベルDL6は、「レベル6」の一例である。
【0139】
[第2実施形態]
<構成>
次に、図10及び図11を参照して、第2実施形態に係る見守りシステム1Aの全体構成を説明する。図10は、見守りシステム1Aの全体構成の一例を示すシステムブロック図である。図11は、見守りシステム1Aが備える第1人感検出部80の配置例を示す模式図である。なお、本実施形態の見守りシステム1Aに関し、第1実施形態と同様の構成部の説明を適宜省略する。
【0140】
図10に示すように、見守りシステム1Aは、第1実施形態と同様、見守り端末2と、第2ゲートウェイ4と、見守りサーバ5と、無線基地局6と、外部端末7と、を備える。また、見守りシステム1Aは、複数の第1人感検出部80(80a,80b,・・・)をさらに備える。
【0141】
複数の第1人感検出部80のそれぞれは、施設等100内に設けられる。また、複数の第1人感検出部80のそれぞれは、閉域通信ネットワークNW2に接続される。なお、複数の第1人感検出部80のいくつかは、施設等100外に設けられていてもよい。
【0142】
複数の第1人感検出部80のそれぞれは、それぞれの検出範囲に存在する高齢者を検出する。それに伴い、複数の第1人感検出部80のそれぞれは、高齢者の検出情報を閉域通信ネットワークNW2に発信する。閉域通信ネットワークNW2に発信された高齢者の検出情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。なお、複数の第1人感検出部80のそれぞれは、「第1通信装置」の一例である。また、複数の第1人感検出部80のそれぞれから発信される高齢者の検出情報は、「在否情報」の一例である。
【0143】
複数の第1人感検出部80のそれぞれは、高齢者の存在を検出できるものであれば、限定されない。第1人感検出部80の例として、焦電センサ、光センサ、超音波センサ、測距センサ、及びレーダセンサが挙げられる。
【0144】
図11に示すように、複数の第1人感検出部80のそれぞれは、施設等100内の高齢者の居室から玄関ドア101への経路における互いに異なる位置に、配置される。例えば、1つ目の第1人感検出部80aは、高齢者の居室の近くに配置される。また、2つ目の第1人感検出部80bは、玄関ドア101の近くに配置される。さらに、第1人感検出部80a,80bとは異なる他の第1人感検出部80は、高齢者の居室から玄関ドア101への経路に、別途配置されていてもよい。
【0145】
第1人感検出部80a,80bとは異なる他の第1人感検出部80は、玄関ドア101の外側に配置されていてもよい。複数の第1人感検出部80のそれぞれが、玄関ドア101の内外に配置されることで、高齢者が、玄関ドア101を通過し、施設等100外に移動したことを確実に検出することができる。
【0146】
複数の第1人感検出部80のそれぞれは、見守り端末2との間で通信を行い、見守り端末2の識別情報を取得することが好ましい。特に、玄関ドア101の近傍に配置される第1人感検出部80bは、見守り端末2の識別情報を取得することが好ましい。第1人感検出部80bが、高齢者の存在を検出するとともに、高齢者が携帯する見守り端末2の識別情報を取得することから、第1人感検出部80bから発信される情報のみから、玄関ドア101の近傍に至り、施設等100外に移動しようとする高齢者を特定することができる。
【0147】
見守りシステム1Aは、高齢者が外出時に押下するスイッチ85を、さらに備えていてもよい。スイッチ85は、例えば、押しボタン式のスイッチである。スイッチ85は、閉域通信ネットワークNW2に接続される。
【0148】
スイッチ85は、例えば、玄関ドア101の近傍に配置される。高齢者は、玄関ドア101を通って、施設等100外に移動する場合、スイッチ85を押す。高齢者によるスイッチ85の押下に応じて、スイッチ85は、高齢者が、施設等100外に移動した外出情報を閉域通信ネットワークNW2に発信する。高齢者の外出情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5及び外部端末7に伝送される。
【0149】
<動作>
次に、図12を参照して、見守りシステム1Aが、高齢者の施設等100外への移動を検出する検出動作を説明する。図12は、見守りシステム1Aが、高齢者の施設等100外への移動を検出する検出動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【0150】
ステップS51において、高齢者が居室を出たことに応じて、居室の近くに配置される第1人感検出部80aが、高齢者を検出する。それに伴い、第1人感検出部80aは、高齢者の検出情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0151】
続いて、ステップS52において、高齢者が、施設等100の玄関ドア101の近くまで移動したことに応じて、第1人感検出部80bが、高齢者を検出する。それに伴い、第1人感検出部80bは、高齢者の検出情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0152】
また、ステップS53において、第1人感検出部80bは、見守り端末2の識別情報を取得する。それに伴い、第1人感検出部80bは、見守り端末2の識別情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0153】
続いて、ステップS54において、見守りサーバ5の取得手段511は、第1人感検出部80aから発信された高齢者の検出情報、及び、第1人感検出部80bから発信された高齢者の検出情報を、この順に取得する。また、見守りサーバ5の検出手段512は、第1人感検出部80aから発信された検出情報及び第1人感検出部80bから発信された検出情報の取得順に基づき、高齢者の施設等100外への移動を検出する。具体的には、見守りサーバ5の取得手段511が、玄関から遠い第1人感検出部80aからの検出情報を取得した後、玄関に近い第1人感検出部80bからの検出情報を順に取得した場合、見守りサーバ5の検出手段512は、高齢者の施設等100外への移動を検出する。また、見守りサーバ5は、見守り端末2の識別情報に基づき、施設等100外へ移動した高齢者の氏名等の属性情報を特定する。
【0154】
続いて、ステップS55において、見守りサーバ5は、高齢者が施設等100外に移動したことを、外部端末7に通知する。これにより、外部端末7を保有する施設等100の職員、施設等100の警備を行う警備員、及び施設等100に居住する高齢者の家族、親族等が、高齢者が施設等100外に移動したことを知ることができる。
【0155】
なお、見守り端末2の識別情報は、第2ゲートウェイ4を通じて取得されてもよい。この場合、第2ゲートウェイ4は、見守り端末2の識別情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0156】
[第3実施形態]
<構成>
次に、図13を参照して、第3実施形態に係る見守りシステム1Bの全体構成を説明する。図13は、見守りシステム1Bの全体構成の一例を示すシステムブロック図である。なお、本実施形態の見守りシステム1Bに関し、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成部の説明を適宜省略する。
【0157】
図13に示すように、見守りシステム1Bは、第1実施形態及び第2実施形態と同様、見守り端末2と、第2ゲートウェイ4と、見守りサーバ5と、無線基地局6と、外部端末7と、を備える。また、見守りシステム1Bは、ドア開閉検出部91と、第2人感検出部95をさらに備える。
【0158】
ドア開閉検出部91は、施設等100内に設置されるドアの開閉を検出する。ドア開閉検出部91は、施設等100の内外の境界である、玄関ドア101の開閉を検出するものであることが好ましい。ただし、ドア開閉検出部91は、施設等100の高齢者の居室のドアや、それ以外のドアに設けられていてもよい。
【0159】
ドア開閉検出部91の例として、ドア側に取り付けられる磁石と、ドア枠側に取り付けられる磁気センサと、を備える磁気式の開閉センサが挙げられる。ただし、ドア開閉検出部91は、ドアの開閉を検出できるものであれば、磁気式の開閉センサに限定されない。
【0160】
また、ドア開閉検出部91は、ドア開閉検出部91の近傍に位置する見守り端末2との通信機能を備え、見守り端末2の識別情報を取得することが好ましい。
【0161】
ドア開閉検出部91は、ドアの開閉を検出すると、ドアの開閉検出情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれを、閉域通信ネットワークNW2に発信する。ドアの開閉検出情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれは、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。なお、ドア開閉検出部91は、「第1通信装置」の一例である。また、ドア開閉検出部91から発信されるドアの開閉検出情報及び見守り端末2の識別情報は、「在否情報」の一例である。
【0162】
第2人感検出部95は、ドア開閉検出部91を備えるドアに設けられる。第2人感検出部95は、高齢者がドアに近づいたことを検出する。第2人感検出部95は、玄関ドア101自体又は玄関ドア101の近傍に配置されることが好ましい。
【0163】
第2人感検出部95の例として、焦電センサ、光センサ、超音波センサ、測距センサ、及びレーダセンサが挙げられる。ただし、第2人感検出部95は、ドア近傍の高齢者を検出できるものであれば、これらに限定されない。
【0164】
第2人感検出部95は、高齢者の検出情報を閉域通信ネットワークNW2に発信する。高齢者の検出情報は、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送される。なお、第2人感検出部95は、「第1通信装置」の一例である。また、第2人感検出部95から発信される高齢者の検出情報は、「在否情報」の一例である。
【0165】
ドア開閉検出部91及び第2人感検出部95のそれぞれを設けることで、例えば、高齢者が、施設等100内から玄関ドア101を開け、施設等100外に移動したことを、確実に検出することができる。
【0166】
<動作>
次に、図14を参照して、見守りシステム1Bが、高齢者の施設等100外への移動を検出する検出動作を説明する。図14は、見守りシステム1Bが、高齢者の施設等100外への移動を検出する検出動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【0167】
ステップS61において、高齢者が、例えば、玄関ドア101の近くに移動したことに応じて、第2人感検出部95が、高齢者を検出する。それに伴い、第2人感検出部95は、高齢者の検出情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0168】
続いて、ステップS62において、高齢者が、施設等100の玄関ドア101を開けたことに応じて、ドア開閉検出部91が、ドアの開閉を検出する。また、ステップS62において、ドア開閉検出部91は、見守り端末2との通信を通じて、見守り端末2の識別情報を取得する。ドア開閉検出部91は、ドアの開閉検出情報及び見守り端末2の識別情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0169】
見守りサーバ5は、第2人感検出部95から発信された高齢者の検出情報、並びに、ドア開閉検出部91から発信されたドアの開閉情報及び見守り端末2の識別情報のそれぞれを取得する。ステップS64において、見守りサーバ5は、高齢者の検出情報、ドアの開閉情報、及び見守り端末2の識別情報に基づき、施設等100外に移動した高齢者を特定する。
【0170】
続いて、ステップS65において、見守りサーバ5は、高齢者が施設等100外に移動したことを、外部端末7に通知する。これにより、外部端末7を保有する施設等100の職員、施設等100の警備を行う警備員、及び施設等100に居住する高齢者の家族、親族等が、高齢者が施設等100外に移動したことを知ることができる。
【0171】
なお、施設等100外に移動した見守り端末2の識別情報は、第2ゲートウェイ4を通じて取得されてもよい。この場合、第2ゲートウェイ4は、見守り端末2の識別情報を、閉域通信ネットワークNW2及び広域通信ネットワークNW3を通じて、見守りサーバ5に伝送する。
【0172】
以上、好ましい実施形態等について詳説した。しかしながら、本開示に係る見守りシステムは、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態について、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0173】
1,1A,1B 見守りシステム、2 見守り端末、3 第1ゲートウェイ、4 第2ゲートウェイ、5 見守りサーバ、6 無線基地局、7 外部端末、80 第1人感検出部、91 ドア開閉検出部、95 第2人感検出部、100 施設等、NW1 無線通信ネットワーク、NW2 閉域通信ネットワーク、NW3 広域通信ネットワーク
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