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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018698
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20250130BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122643
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西井 大生
(72)【発明者】
【氏名】矢野 将
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】高木 一輝
(72)【発明者】
【氏名】横田 雅瑛
(72)【発明者】
【氏名】野上 謙三
(72)【発明者】
【氏名】小川 拓海
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DE06
(57)【要約】
【課題】サーミスタの取り付け位置を安定させ、サーミスタの検出精度の低下を抑制した電気掃除機を提供する。
【解決手段】本発明の電気掃除機は、電動送風機40と、電動送風機40に電力を供給する蓄電池3と、を備える。蓄電池3は、電池セル34と、電池セル34を保持する電池ホルダ35と、電池セル35の温度を検出する温度検出センサ38と、を備える。電池ホルダ35には、温度検出センサ38を保持するセンサホルダ39を備えた。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機と、前記電動送風機に電力を供給する蓄電池と、を備えた電気掃除機において、
前記蓄電池は、電池セルと、前記電池セルを保持する電池ホルダと、前記電池セルの温度を検出する温度検出センサと、を備え、
前記電池ホルダには、前記温度検出センサを保持するセンサホルダを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項1に記載の電気掃除機において、
前記センサホルダには、前記温度検出センサのセンサ信号ケーブルを保持する信号ケーブル保持部を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項2に記載の電気掃除機において、
前記信号ケーブル保持部は、前記センサ信号ケーブルを差し込むように切り欠かれて形成したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項2に記載の電気掃除機において、
前記電池ホルダには、前記温度検出センサを挿入するためのセンサ挿入部を備え、
前記センサ挿入部には、シリコンを充填したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
請求項4に記載の電気掃除機において、
前記センサ挿入部の内部には、前記センサ挿入部の入口部から奥行方向に向かうに従い、前記電池セルに向かって傾斜した傾斜リブを備えたことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の電気掃除機は、本体ケース内に、吸引用ファンと、モータと、バッテリパックと、制御回路基板を備えている。バッテリパックには複数の電池セルが搭載されている。電池セルには、セルの温度を検知するセル温度検知用サーミスタが設けられ、セル温度検知用サーミスタの検出信号は制御回路基板に送信される。セル温度検知用サーミスタは、電池セルの表面に粘着シールを介して貼り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6139725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池セルの表面は高温となる。このため特許文献1に記載の技術においては、熱の影響により粘着シールの粘着性が低下し、セル温度検知用サーミスタが剥がれたり、また位置ずれを起こす可能性がある。さらに粘着シールを用いてセル温度検知用サーミスタを電池セルの表面に張り付ける際、本来貼り付ける位置とは異なる位置に貼り張り付けられ、セル温度検知用サーミスタの検出精度が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、サーミスタの取り付け位置を安定させ、サーミスタの検出精度の低下を抑制した電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、電動送風機と、前記電動送風機に電力を供給する蓄電池と、を備えた電気掃除機において、前記蓄電池は、電池セルと、前記電池セルを保持する電池ホルダと、前記電池セルの温度を検出する温度検出センサとを備え、前記電池ホルダには、前記温度検出センサを保持するセンサホルダを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サーミスタの取り付け位置を安定させ、サーミスタの検出精度の低下を抑制した電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1に係る電気掃除機を上下方向に収納した状態を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る電気掃除機の分解図である。
図3図2の状態の電気掃除機を左側から視た側面図である。
図4】実施例1の電気掃除機の斜視図である。
図5】実施例1の電気掃除機の平面図である。
図6図5のVI-VI線断面図である。
図7】集塵部から塵埃分離部、蓋を外した分解斜視図である。
図8】塵埃分離部を後方側から見た外観斜視図である。
図9】蓋を外した状態の集塵ケースを前方から見た正面図である。
図10】塵埃分離部を前方側から見た正面図である。
図11】塵埃分離部を後方側から見た背面図である。
図12】集塵部を下方側から見た斜視図である。
図13】集塵部を上方側から見た斜視図である。
図14図5においてXIV-XIV線で切断した断面図である。
図15】蓋を後方から前方に向かって見た図である。
図16】本発明の実施例2に係る延長管300の外観斜視図である。
図17】本発明の実施例2に係る延長管300の分解斜視図である。
図18】本発明の実施例2に係るプラスチックフィルム303の平面図である。
図19】本発明の実施例2に係る筒本体301を左右方向(長手方向と直交する方向)に沿って切断した断面図である。
図20】本発明の実施例2に係る延長管300を左右方向(長手方向と直交する方向)に沿って切断した断面図、及び部分拡大図である。
図21】本発明の実施例2に係る前カバー304の裏面図(下面図)である。
図22】本発明の実施例2に係るリード線302、前カバー304、プラスチックフィルム303の関係を示す裏面図(下面図)である。
図23】本発明の実施例3に係る電気掃除機100を床面上に載置した状態を示す図である。
図24】本発明の実施例3に係る電気掃除機100を後方から見た斜視図である。
図25】電気掃除機100をテーブルTaに立て掛けた状態を示す図である。
図26】本発明の実施例4に係る蓄電池3を後方から見た外観斜視図である。
図27】本発明の実施例4に係る蓄電池3の分解斜視図である。
図28図27のXXVIII部の拡大図である。
図29】本発明の実施例4に係る蓄電池3を後方から見た正面図である。
図30図29のXXX-XXX線で切断した断面図である。
図31】本発明の実施例5に係る電気掃除機100の分解斜視図である。
図32】本発明の実施例5に係る電気掃除機100を前後方向に沿って切断した断面図である。
図33】本発明の実施例5に係る駆動部ユニット4を後方から見た斜視図である。
図34】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120を下方から見た斜視図である。
図35】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4との電気的接続関係を示す外観斜視図である。
図36】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4を接続させる動作を示す側面図である。
図37】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120をスライドさせて駆動部ユニット4と接続させる動作を示す側面図である。
図38】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4をねじ47で固定する状態を示す図である。
図39】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4との接続を完了させた状態を示す側面図である。
図40】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を前方から見た外観斜視図である。
図41】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を前方から見た分解斜視図である。
図42】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を後方から見た外観斜視図である。
図43】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を後方から見た分解斜視図である。
図44】本発明の実施例7に係る電源ケーブル雄コネクタ363の上面図である。
図45図44のXXXXV-XXXXV線で切断した断面図である。
図46】本発明の実施例7に係る電源ケーブル雄コネクタ363の側面図である。
図47】本発明の実施例8に係るハンドル部12を上方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、同一の要素については、全ての図において、原則として同一の符号を付している。また、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。なお、以下に説明する構成はあくまで実施例に過ぎず、本発明に係る実施様態が、以下の具体的様態に限定されることを意図する趣旨ではない。
【0010】
以下の実施例では、使用者が電気掃除機を使用する状態において、使用者からの視点で天井方向を「上」、被掃除面方向を「下」、前方向を「前」、後方向を「後」、左手方向を「左」、右手方向を「右」と定義する。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例1に係る電気掃除機を上下方向に収納した状態を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、電気掃除機100は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用形態に変更して掃除を行うことができるものである。電気掃除機100は、掃除機本体1に延長管300(付属品)と吸口体400(付属品)を接続することでスティック状態として使用できる。そして、電気掃除機100は、図示しない支持台で上下方向に立てた状態で収納することができる。また、電気掃除機100は、何れも図示しない小型吸口(付属品)、ほうき型吸口(付属品)、延長ホース(付属品)などを接続して用いることができる。なお、吸口体400は、モータによってブラシが回転するパワーブラシ式のものである。
【0013】
図2は、本発明の実施例1に係る電気掃除機の分解図である。図2以下の図面では、掃除機本体1からみた前後左右上下の方向を適宜示している。
【0014】
図2に示すように、電気掃除機100は、掃除機本体1、集塵部2、蓄電池3、気密保持部材90を備えて構成されている。
【0015】
掃除機本体1は、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12を備えて構成されている。モータケース部11には電動送風機40(図6参照)が収容されている。
【0016】
本体部10は、延長管300や吸口体400(図1参照)などが接続される接続口10a(吸引口)が形成されている。この接続口10aは、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12などと同様の樹脂で成形されている。また、接続口10aは、略円形の開口を有し、前方を向いて形成されている。また、接続口10aには、付属品としての、前記した延長管300、吸口体400、小型吸口(図示せず)、ほうき型吸口(図示せず)など(以下、まとめてアタッチメントという場合もある)を接続することができるようになっている。接続口10aには、制御回路基板50(図6参照)と電気的に接続されている端子(図示せず)が内蔵されており、吸口体400などのモータ駆動する付属品が接続された場合は、電気的に接続されたモータによってブラシが回転する。
【0017】
また、本体部10には、集塵部2が着脱可能に取り付けられるとともに、接続口10aから吸い込まれた塵挨を含む空気を集塵部2に送り込む導入管14(図3参照)を備えている。そして、導入管14の流出口14aは集塵部2(集塵ケース2a)の流入口2bに接続される。
【0018】
モータケース部11には、電動送風機40(図6参照)と制御回路基板50(図6参照)が内包されている。また、モータケース部11の前面には、集塵部2で集塵された後の清浄な空気が吸い込まれる円形の吸込口(図示せず)が形成されている。
【0019】
ハンドル部12は、本体部10の後側に設けられ、略L字状に形成されている。ハンドル部12の上面には、操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、電動送風機40、吸口体400に設けたブラシ駆動用のモータを駆動、停止を行う。ハンドル部12の後端部には、ストラップ12aが備えられている。ストラップ12aは、電気掃除機100をフック等に吊るして収納することができ、また使用者が手首に掛けることでハンドル部12に軽く手を添えるだけで操作することが可能となる。
【0020】
本体部10の前端上部には、延長管300などの付属品を取り外す際に操作される解除ボタン18が設けられている。この解除ボタン18を押下操作することで、本体部10と付属品とのロックが解除されて、本体部10から付属品の取り外しが可能となる。
【0021】
また、本体部10の前端には、気密保持部材90を取り付けることができる。この気密保持部材90は、略円形の筒体91を有している。この筒体91は、先端側に軟質の毛を束にして植毛したブラシ部91aを有している。ブラシ部91aは間隔を開けて複数箇所にわたり植毛されており、ナイロン製樹脂など弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このような気密保持部材90を本体部10の接続口10aに取り付けることで、掃除対象面のごみを掃くことができ、また床面に気密保持部材90の先端を押し付けることで、吸引力を向上させることができる。また、接続部91bは硬質のもので形成することで、気密保持部材90を本体部10に脱落することなく安定した状態で取り付けることができる。
【0022】
なお、本実施形態では、ブラシ部91aがナイロン製の毛などのブラシで形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、先端側に軟質樹脂で環状に形成されてもよい。すなわち、筒体91は、弾性部と接続部91bの異種の2部材を一体に成形されることで構成する。なお、弾性部は、エラストマなど弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このようにすることで床面に気密保持部材90の先端の全体を密着させることができ、密着しない場合に比べて吸引力を向上させることができる。
また、筒体91の略全体を接続部91bと同様の材料で形成し、筒体91の先端に静電植毛された短毛を環状に備えたものであってもよい。このような静電植毛を備えたものであっても、エラストマと同様に、気密保持部材90の先端を床面に密着させることが可能になり、吸引力を向上できる。
【0023】
本体部10の接続口10aの外側面には、縦方向に細長い嵌合溝10bが形成されている。この嵌合溝10bは、左右両側に1条ずつ形成されている。また、本体部10の接続口10aの下側面には、横方向に細長い嵌合溝(図示せず)が形成されている。接続部91bの基端には、前記嵌合溝10bと前記嵌合溝(図示せず)と凹凸嵌合して係止される突起部(図示せず)が形成されている。
【0024】
蓄電池3は、吸引力を発生させる電動送風機40のモータ40a(図6参照)などに電力を供給するものであり、リチウムイオン、ニッケル水素などの二次電池で構成されている。また、蓄電池3は、合成樹脂製の略半円筒状のケース3aを有し、ケース3aを前後方向にスライドさせることで本体部10に対して着脱できる。
【0025】
図3は、図2の状態の電気掃除機100を左側から視た側面図である。図4は、実施例1の電気掃除機の斜視図である。図5は、実施例1の電気掃除機の平面図である。
【0026】
図3に示すように、集塵部2は、サイクロン方式のものであり、導入管14から吸込んだ塵埃を含む空気を、塵埃と空気とに分離し、塵埃を集める機能を有する。また、集塵部2は、モータケース部11の前方に軸方向を前後方向にして配置され、軸方向(前後方向)と直交する断面がD字状に形成された集塵ケース2aを有している。また、集塵部2の上面には、導入管14と繋がる略矩形状の流入口2bが形成されている。換言すると、流入口2bは、集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tに位置し、電動送風機40の吸引力で吸引された塵埃を流入させる。この流入口2bに流入した塵挨を含む空気は、旋回流となり、塵埃に遠心力が働き、集塵部2内で塵挨と空気とに分離された後、塵埃が分離された空気が集塵部2の後部(背面)から排出される。
【0027】
また、集塵部2の前面には、集塵部2内に溜まった塵埃を廃棄する際に開閉する蓋2cがヒンジ部2dを介して回動可能に支持されている。集塵ケース2aは、前方に位置する塵埃収容室2a1と、後方に位置するフィルタ収容室2a2とに分けられて構成されている。集塵ケース2aの上部前端には、蓋ロック部材2eが設けられている。蓋ロック部材2eは、爪部を有しており、この爪部を蓋2cの突起部2c1(図7参照)に引っ掛けることにより、蓋2cを閉じた状態に保持する。
【0028】
本体部10の下方には、下方に向かって突出し、後方に向かって伸びた1つの爪部10cが備えられている。集塵部2の上方前端には、前方に向かって開口し、爪部10cが挿入される1つの挿入部2hが形成されている。集塵部2の下方後端には、後方に向かって突出するように付勢されたロック部材2kが備えられている。掃除機本体1(モータケース部11)の下方前端には、前方に向かって開口し、ロック部材2kの後方先端部が挿入される挿入開口部19が形成されている。ロック部材2kを前方にスライドさせると、ロック部材2kの後方先端部が挿入開口部19から抜け、集塵部2の後方部を下方に移動させることが可能となる。さらに集塵部2の挿入部2hに挿入されている爪部10cを挿入部2hから引き抜くことにより、集塵部2を掃除機本体1から取り外すことができる。集塵部2を掃除機本体1に装着する場合には、集塵部2を取り外す場合と逆の動作を行えばよい。そして、図4に示すように、集塵部2は、直線部2tを上方とした状態で、掃除機本体1の下方に装着される。換言すると、電気掃除機100は、集塵部2が本体部10の下方かつモータケース部11の前方に取り付けられる。
【0029】
集塵部2の下方には、床面に向かって突出した前方床面接触部2fが備えられている。前方床面接触部2fは、電気掃除機100を床面上に載置した際に床面と接するように備えられている。また、蓄電池3のケース3aの後端部には、電気掃除機100を床面上に載置した際に床面と接する後方床面接触部3nが備えられている。
【0030】
図6は、図5のVI-VI線断面図である。図6に示すように、本体部10のモータケース部11には、電動送風機40が収容されている。電動送風機40はモータ40aによって駆動される。また、モータケース部11内には、電動送風機40の後方に、電気掃除機100を駆動する駆動回路基板40bと、それを制御する制御回路基板50が収容されている。
【0031】
また、駆動回路基板40bと制御回路基板50は、電動送風機40の後方に配置されている。このため、電動送風機40の排気風を駆動回路基板40bと制御回路基板50に導き、駆動回路基板40bと制御回路基板50に実装した部品を冷却することができる。その後、排気風は排気口11cを通過し、掃除機本体から排出される。排気口11cは、モータケース部11の駆動回路基板40bの周囲に設けられる。これによって、排気風が最も発熱量の大きい駆動回路基板40bの周囲を確実に通過することによって、駆動回路基板40b冷却効率を向上することができる。
【0032】
蓄電池3は、例えば、エネルギ効率の高いリチウムイオン電池で構成することができる。また、蓄電池3は、ハンドル部12の下方に配置されている。このとき、ハンディ状態での重心位置は点A(図6参照)、スティック状態での重心位置は点B(図25参照)となる。このように、蓄電池3を電気掃除機100の後端に設けることで、重心がハンドル部12に近くなるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、操作感を軽くすることができる。
【0033】
図7は、集塵部2から塵埃分離部20、蓋2cを外した分解斜視図である。図8は、塵埃分離部20を後方側から見た外観斜視図である。図9は、蓋2cを外した状態の集塵ケース2aを前方から見た正面図である。図10は、塵埃分離部20を前方側から見た正面図である。図11は、塵埃分離部20を後方側から見た背面図である。
【0034】
集塵ケース2aの後方に位置するフィルタ収容室2a2には、フィルタ5が収容されている。フィルタ5は、HEPAフィルタ5a(High Efficiency Particulate Air Filter)と、HEPAフィルタ5aの上流側に配置されたスポンジフィルタ5bから構成されている。HEPAフィルタ5aは、プリーツ状に折って構成され、フィルタ面積を大きくできるとともに、圧力損失を低減することができる。HEPAフィルタ5aは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持っている。
【0035】
HEPAフィルタ5aはフィルタ収容室2a2上側に設けられた軸部2sにヒンジ形状にて回動可能に取り付けられており、軸対象の位置に設けられた爪部2nにて開閉可能に固定されている。使用者がHEPAフィルタ5aによって捕集された塵埃を廃棄したりHEPAフィルタ5a自体を清掃したい際は、爪部2n側を外側へ動かすことで解放可能となる。実施例1では爪部2nをプラスチック成型品の弾性を利用して固定する形態にて説明しているが、クランプ形状の別部品とコイルバネを用いた機構を用いても良いしマグネットなどで磁力を利用し固定しても良い。
【0036】
ここで、HEPAフィルタ5aは前記の構造により保持されるため集塵部2が掃除機本体1に取り付けられている際はしっかりと固定され気密を確保することが可能となる。しかしながら、爪部2n側の固定力が大きすぎると解放動作が困難となり、一方で固定力が小さいと集塵部2を取り外す操作をした際に不意にHEPAフィルタ5aが開いてしまい、内部の塵埃をこぼしてしまう恐れがある。それを防止するため、ロック部材2kのHEPAフィルタ5a側にフィルタ固定突起2k1が設けられている。すなわち、集塵部2を取り外すためにロック部材2kを前方にスライドさせると、フィルタ固定突起2k1がHEPAフィルタ5aと当接する位置に移動するため、HEPAフィルタ5aが開かなくなる。
【0037】
また、集塵ケース2aの前方に位置する塵埃収容室2a1には、塵埃分離部20が収容されている。塵埃分離部20は、フィルタ5側(後方側)に位置する内筒21と、内筒21に接続され内筒21の前方に位置する傘部22が備えられている。傘部22の前端は蓋2cの裏面に接触している。
【0038】
内筒21は、傘部22と接続される第1円環部211と、フィルタ5側(後方側)に配置される第2円環部212と、第1円環部211と第2円環部212とを繋ぐように前後方向に伸びた複数本の支柱213と、第2円環部212に設けられフィルタ5側(後方側)に突出した3つ(複数)の固定突起部214とを備えている。複数本の支柱213の間には、メッシュ状の第1フィルタ215が配置されている。
【0039】
内筒21の前方に配置される傘部22は、集塵ケース2aの前後方向と直交する方向に沿って配置され、直線部221aが集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tと対向するようにD字形状に形成された平板部221と、平板部221から集塵ケース2aの前後方向に伸びる壁224と、平板部221から集塵ケース2aの前後方向に伸びると共に、集塵ケース2aの前後方向と直交する断面がY字形状に形成された3本の遮蔽部222a,222b,222cと、を備えている。3本の遮蔽部222a,222b,222cは、前方に行くに従い、中心部から径方向外側に向かって伸びる高さが低くなるように構成している。傘部22の係合部225は、内筒21の底面と略同じかそれ以下の外径を有しており、内筒21の突起部(図示せず)と凹凸嵌合して係止することで内筒21の第1円環部211と傘部22の平板部221間にすき間なく内筒21と傘部22を係合する。
【0040】
隣り合う遮蔽部の間に位置する平板部221には、扇形状に形成されると共に内筒21と連通する3つの開口が形成され、この開口には3つのメッシュ状の第2フィルタ223a,223b,223cが備えられている。すなわち、遮蔽部222aと遮蔽部222bとの間には第2フィルタ223aが備えられ、遮蔽部222bと遮蔽部222cとの間には第2フィルタ223bが備えられ、遮蔽部222cと遮蔽部222aとの間には第2フィルタ223cが備えられている。3つの扇形状に形成される第2フィルタ223a,223b,223cのうち、1つの第2フィルタ223aは、集塵ケース2aのD字形状の直線部2tに向かって扇形状が開くように配置している。3つの扇形状に形成される第2フィルタ223a,223b,223cは、それぞれの開き角度が約120°に設定されている。
【0041】
図9に示すように集塵ケース2aの内部には、仕切壁2mが備えられ、この仕切壁2mにより集塵ケース2aを塵埃収容室2a1とフィルタ収容室2a2に仕切っている。仕切壁2mの中央部は、塵埃収容室2a1とフィルタ収容室2a2とを連通するように開口されており、この開口部の内側には、切欠き部により分離された3つのリブ2rが形成されている。そして、切欠き部に内筒21の第2円環部212に設けた固定突起部214を挿入し、内筒21を右回りに回転させるとリブ2rが固定突起部214の隙間に入り込み、集塵ケース2aに内筒21(塵埃分離部20)が固定される。従って、本実施形態では、集塵ケース2aから内筒21(塵埃分離部20)のみを取り外すことが可能となっており、内筒21(塵埃分離部20)のみを掃除(手入れ)する際に有用である。集塵ケース2aから内筒21(塵埃分離部20)を外す場合には、内筒21を左回りに回転させ、固定突起部214を切欠き部の位置に合わせた状態で、内筒21(塵埃分離部20)を引き抜くことにより、内筒21(塵埃分離部20)を集塵ケース2aから取り外すことができる。また、内筒21の第2円環部212は、内筒21の外径と略同じかそれ以下としている。これは、吸引した塵埃が内筒21に付着した場合(髪の毛などが巻き付いた場合)、塵埃を除去する際に第2円環部212が邪魔にならず、また塵埃を除去しやすいといった効果がある。
【0042】
次に、集塵ケース2aの流入した空気の流れについて説明する。図12は、集塵部2を下方側から見た斜視図である。図13は、集塵部2を上方側から見た斜視図である。図14は、図5においてXIV-XIV線で切断した断面図である。
【0043】
前述したように、実施例1の集塵ケース2aは、前後方向と直交する方向の断面がD字形状に形成されている。集塵部2は、掃除機本体1に装着する際、集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tが上方に位置するように配置する。
【0044】
集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tには、本体部10に形成した導入管14の流出口14aと連通する流入口2bが設けられている。導入管14の流出口14aと接続する流入口2bの接続部は、集塵ケース2aの左右方向中央部に位置している。そして、流入口2bは集塵ケース2aの左右方向中央部の位置から、集塵ケース2aの外周側(実施例1では右側)に向かって傾斜するように設けられている(図14)。
【0045】
直線部2tの位置における集塵ケース2aの内周と、内筒21の外周との距離Wは、他の円弧部の位置における集塵ケース2aの内周と、内筒21の外周との距離よりも短くなっている。また、集塵ケース2aの外周側(右側)に向かって傾斜するように設けられた流入口2bは、流入口2bの延長線上において内筒21と重ならないように配置している(図14)。
【0046】
集塵ケース2aの内周と平板部221の外周との間には、所定の隙間Gが形成されている。
【0047】
掃除機本体1の操作ボタン13を操作すると、電動送風機40が駆動し吸引力を発生する。被掃除面の塵埃は、電動送風機40の吸引力により吸込まれ、本体部10の導入管14を通過し、流出口14aから吐出され、流入口2bから集塵ケース2aに流入する。流入口2bは集塵ケース2aの外側(右側)に向かって傾斜するように設けられているので、流入口2bから集塵ケース2aに流入した塵埃を含んだ空気は旋回流となる。
【0048】
実施例1では、上述したように、直線部2tの位置における集塵ケース2aの内周と、内筒21の外周との距離Wを他の部分よりも短くしているので、旋回流の旋回速度を上昇させて旋回力を向上でき、旋回流が内筒21に当たって旋回方向と逆方向に流れる剥離現象を抑制できる。また、流入口2bの延長線上において内筒21と重ならないように配置しているので、流入口2bから集塵ケース2aに流入した空気を集塵ケース2aの内側に沿ってスムーズに流すことができ、内筒21に塵埃が付着するのを抑制できる。
【0049】
集塵ケース2aに流入した旋回流は、内筒21の周囲を流れる旋回流SR1と、隙間Gを通り蓋2c側に向かって流れる旋回流SR2に分かれる。
【0050】
旋回流SR1に含まれる重量の軽い塵埃は、遠心力により空気から分離され、旋回しながら隙間Gを通り蓋2c側に移動する。そして、旋回した塵埃は、遮蔽部222a,222b,222cにより旋回を阻止され、蓋2cに溜まる。旋回流SR1から分離されなかった塵埃は、内筒21の第1フィルタ215で捕捉され、さらに第1フィルタ215を通過した微細な塵埃は、スポンジフィルタ5b、HEPAフィルタ5aで捕捉される。
【0051】
旋回流SR2に含まれる塵埃は、遠心力により空気から分離され、旋回しながら隙間Gを通り蓋2c側に移動する。旋回した塵埃は、遮蔽部222a,222b,222cにより旋回を阻止され、蓋2cに溜まる。旋回流SR2は、遮蔽部222a,222b,222cにより旋回を阻止されると共に、D字形状に形成された集塵ケース2aの直線部2tの内面によって旋回力が抑制される。そして、旋回力を抑制された空気は、平板部221に向かい、旋回流SR2から分離されなかった塵埃は、平板部221に設けられた3つの扇形状の第2フィルタ223a,223b,223cで捕捉され、さらに第2フィルタ223a,223b,223cを通過した微細な塵埃は、スポンジフィルタ5b、HEPAフィルタ5aで捕捉される。第2フィルタ223a,223b,223cで捕捉された塵埃は、電動送風機40の吸引力により圧縮されるので、集塵ケース2aの集塵量を確保することができる。
【0052】
集塵ケース2aに流入した旋回流は、集塵ケース2aの直線部2tの内面によって旋回力が抑制されるので、3つの第2フィルタ223a,223b,223cのうち、直線部2tに対向するように配置された第2フィルタ223aに流れる空気量が多くなる。
【0053】
実施例1では、第2フィルタ223aが集塵ケース2aのD字形状の直線部2tの内面に向かって扇形状が開くように配置しているので、蓋2c側に移動した塵埃が内筒21の第1フィルタ215に舞い戻ることを抑制でき、通気損失を低減し、集塵効率の低下を抑制することができる。
【0054】
図15は、蓋2cを後方から前方に向かって見た図である。集塵ケース2aの前後方向と直交する断面がY字形状に形成された3本の遮蔽部222a,222b,222cは、それぞれの開き角が120°に設定され、遮蔽部222a,222bは、集塵ケース2aのD字形状の直線部2tに向かって開くように配置されている。そして、遮蔽部222a,222bの延長方向は、集塵ケース2aの円弧部と直線部2tの接続部付近を向くように配置される。図15において、蓋2cに向かう旋回流SR2は右回りとなっており、最終的に遮蔽部222bと直線部2tの内面で旋回力が弱まる。そして、集塵した塵埃は、遮蔽部222bの延長線上から溜まり始める。実施例1では、遮蔽部222bによって塵埃が溜まり始めるダストラインDLを設定している。ダストラインDLから溜まり始めた塵埃は、旋回方向とは逆の左回りに旋回流SR2で圧縮されながら蓄積されて行く。このように構成することにより、実施例1では、集塵ケース2aの集塵容量を確保することができる。
【0055】
以上説明したように実施例1によれば、集塵ケース2aを前後方向と直交する断面がD字形状に形成しているので、集塵部2を掃除機本体1に装着した際、上下方向の高さを小さくでき、電気掃除機100の操作性を向上することができる。
【0056】
また、実施例1によれば、第2フィルタ223aが集塵ケース2aのD字形状の直線部2tの内面に向かって扇形状が開くように配置しているので、蓋2c側に移動した塵埃が内筒21の第1フィルタに舞い戻ることを抑制でき、通気損失を低減し、集塵効率の低下を抑制することができる。
【実施例0057】
次に、本発明の実施例2に関する延長管の構成について説明する。図16は、本発明の実施例2に係る延長管300の外観斜視図である。図17は、本発明の実施例2に係る延長管300の分解斜視図である。実施例1と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】
延長管300は、内部に集塵部2と連通する吸込通路を有し、一端(後方側端部)が掃除機本体1と接続され、他端(前方側端部)が吸口体400と接続される筒本体301と、筒本体301の上方外周面(上表面)に配置されたリード線302と、リード線302を覆うように筒本体301の上方外周面(上表面)に配置されたプラスチックフィルム303と、筒本体301の前方側の外周面(上表面)に配置され、プラスチックフィルム303の前方側端部(他端部)を押える前カバー304と、プラスチックフィルム303の後方側端部(一端部)を押える後カバー305と、を備えている。リード線302は、吸口体400に備えられたモータと電気的に接続される。なお、本実施例では筒本体301の上方外周面にリード線302とプラスチックフィルム303を配置しているが、配置位置は側面や下方の外周面でもよい。
【0059】
リード線302の前方側端部には雌端子302aが接続され、後方側端部には雄端子302bが接続されている。雌端子302aは筒本体301の前方側端部に配置され、前カバー304によって筒本体301の前方端部に固定される。雄端子302bは筒本体301の後方側端部に配置され、後カバー305によって筒本体301の後方側端部に固定される。前カバー304の裏面の左右には、互いが対向するように突出したカバー爪部304a(図21図22)が設けられており、このカバー爪部304aを筒本体301に形成された凹部301f(図17)に嵌めることにより、前カバー304が筒本体301に固定される。後カバー305の筒本体301への固定についても同様である。
【0060】
図18は、本発明の実施例2に係るプラスチックフィルム303の平面図である。プラスチックフィルム303は平板状に形成され、弾性を有している。
【0061】
プラスチックフィルム303の板厚は、100~300μmとしている。プラスチックフィルム303は、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(AC)等の何れかの材料で構成されている。プラスチックフィルム303は印刷処理を施すことにより加飾することが可能である。例えば、プラスチックフィルム303には様々な色に着色したり、模様等を施したりすることが可能である。
【0062】
プラスチックフィルム303の左右端部のそれぞれには、前後方向(長手方向)に沿って複数の側面孔303aが形成されている。また、プラスチックフィルム303の前後端部のそれぞれには、複数の前面孔303bと、複数の後面孔303cと、切り欠き部303d,303eが形成されている。なお、本実施例では側面孔303aと、前面孔303bと、後面孔303cをそれぞれ複数形成しているが、これらは1つのみ形成してもよい。
【0063】
図19は、本発明の実施例2に係る筒本体301を左右方向(長手方向と直交する方向)に沿って切断した断面図である。
【0064】
筒本体301の上方外周面(上表面)には、仕切り部301bによって左右に仕切られた2つのリード線収納部301aが形成されている。リード線収納部301aには、リード線302が配置される。
【0065】
また、筒本体301の左右外周面には、プラスチックフィルム303を挿入するためのフィルム挿入部301dを形成するフィルム固定部301cが備えられている。フィルム固定部301cは、筒本体301の左右外周面から所定の間隔をもって突出して設けられることにより、フィルム挿入部301dを形成している。フィルム固定部301cには、筒本体301の外周面(フィルム挿入部301d)に向かって突出したフィルム固定爪301eが形成されている。フィルム固定爪301eは、下方に向かうに従い、筒本体301の外周面に近づくように傾斜した傾斜面301e1を有している。
【0066】
次に図20図22を用いて延長管300の構成について説明する。図20は、本発明の実施例2に係る延長管300を左右方向(長手方向と直交する方向)に沿って切断した断面図、及び部分拡大図である。図21は、本発明の実施例2に係る前カバー304の裏面図(下面図)である。図22は、本発明の実施例2に係るリード線302、前カバー304、プラスチックフィルム303の関係を示す裏面図(下面図)である。
【0067】
延長管300を組み立てるにあたっては、仕切り部301bによって左右に2つに仕切られたリード線収納部301aのそれぞれに、リード線302を配置する。次に、プラスチックフィルム303の左側もしくは右側の何れか一方の端部をフィルム挿入部301dに挿入する。このとき、プラスチックフィルム303の側面孔303aと、フィルム固定爪301eの位置が一致するようにしてプラスチックフィルム303の一方の端部をフィルム挿入部301dに挿入する。
【0068】
プラスチックフィルム303の一方の端部がフィルム挿入部301dに挿入されると、側面孔303aと前後方向的に同じ位置であるプラスチックフィルム303の一方の端部がフィルム固定爪301eの傾斜面301e1によって筒本体301の外周面に近づくように案内された後、プラスチックフィルム303の側面孔303aにフィルム固定爪301eが挿入される。
【0069】
次に、筒本体301の外周面に沿うようにプラスチックフィルム303を撓ませる。プラスチックフィルム303は弾性を有しているので、筒本体301の外周面に沿わせることが可能である。そして、プラスチックフィルム303の他方の端部をフィルム挿入部301dに挿入する。その後、プラスチックフィルム303の一方の端部での場合と同様の流れでプラスチックフィルム303の他方の端部に形成された側面孔303aにフィルム固定爪301eが挿入される。
【0070】
筒本体301の外周面に沿うように配置されたプラスチックフィルム303は平板状に戻るように弾性力を有しているので、プラスチックフィルム303はフィルム固定部301cに押し付けられる。これにより、プラスチックフィルム303は、側面孔303aにフィルム固定爪301eが挿入された状態が維持されるので、プラスチックフィルム303は筒本体301の外周面に沿うようにして固定される。そして、リード線302はプラスチックフィルム303によって覆われる。
【0071】
なお、本実施例に係るプラスチックフィルム303は平面状に形成されたものであるが、筒本体301に外周面に沿った形状、もしくはそれに近い曲面状に形成されたものでもよい。この場合、組み立て時におけるプラスチックフィルム303を撓ませる工程の負担を軽減できるほか、プラスチックフィルム303の左右両端を筒本体301のフィルム挿入部301dへ略同時に挿入するという方法も可能となる。
【0072】
また、本実施例ではプラスチックフィルム303の弾性を利用した爪嵌合方式を採用しているが、両面テープや接着剤を用いて筒本体301に接着する等、他の取り付け手段を用いてもよい。
【0073】
リード線302をプラスチックフィルム303で覆う際、プラスチックフィルム303の前後端部の位置において、プラスチックフィルム303とリード線302が干渉する。そこで、プラスチックフィルム303の前後端部には切り欠き部303d,303eを形成し、リード線302との干渉を抑止している。
【0074】
また、前カバー304の後方側端部には、プラスチックフィルム303の前面孔303bに挿入される複数の固定突起304bが形成されている。筒本体301の外周面に沿うようにプラスチックフィルム303を配置した後、筒本体301の上部前側に前カバー304を配置し、前カバー304のカバー爪部304aを筒本体301に形成された凹部301f(図17)に嵌めることにより、前カバー304を筒本体301に固定する。このとき、前カバー304の固定突起304bがプラスチックフィルム303の前面孔303bに挿入され、プラスチックフィルム303の前側が筒本体301に固定される。説明は省略するが後カバー305の筒本体301への固定についても同様である。
【0075】
実施例2によれば、筒本体301にプラスチックフィルム303を配置してリード線302を覆うようにしているので、リード線302を保護することができると共に、延長管300を軽量化することができる。
【実施例0076】
次に、本発明の実施例3について説明する。図23は、本発明の実施例3に係る電気掃除機100を床面上に載置した状態を示す図である。図24は、本発明の実施例3に係る電気掃除機100を後方から見た斜視図である。図25は、電気掃除機100をテーブルTaに立て掛けた状態を示す図である。実施例1、2と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0077】
図23図24では、掃除機本体1から延長管300を取り外し、いわゆるハンディ型の電気掃除機として使用する形態を示している。
【0078】
図23図24に示すように、電気掃除機100は、電気掃除機100を床面FLに載置し側方から見た状態において、集塵部2の前方床面接触部2fと蓄電池3の後方床面接触部3nとの間が床面FLから離れるように「く」の字状に屈曲した形状を成している。
【0079】
電気掃除機100を床面FLに載置した状態において、集塵部2は、前方から後方に向って後方側が高くなるように傾斜して配置されている。一方、掃除機本体1のモータケース部11は、前方から後方に向かって後方側が低くなるように傾斜して配置されている。モータケース部11の後方に位置する蓄電池3もモータケース部11に倣って前方から後方に向かって後方側が低くなるように傾斜して配置されている。
【0080】
掃除機本体1(本体部10)の下方で、モータケース部11の前方には集塵部2が備えられている。集塵部2は本体部10と同様、前方から後方に向かうに従い、後方側が高くなるように傾斜している。
【0081】
上記のような構成の電気掃除機100を床面FLに載置すると、集塵部2の下方備えた前方床面接触部2fと、蓄電池3に備えた後方床面接触部3nとが接触し、前方床面接触部2fと後方床面接触部3nとの間には、床面を底辺とし、屈曲部16を頂点とする略三角形の空間が生じる。
【0082】
電気掃除機100をハンディ型として使用中、誤って電気掃除機100を床面に落下させてしまった場合、前方床面接触部2fと後方床面接触部3nが床面に衝突する。実施例3では電気掃除機100が側方から見て「く」の字状に屈曲して形成されているので、電気掃除機100が床面に衝突した際、屈曲部16には屈曲形状を直線状態に戻すような曲げ応力が発生する。屈曲部16に曲げ応力が加わると、掃除機本体1の屈曲部16に亀裂が発生し、電気掃除機100が破損する可能性がある。そこで、実施例3では、前方床面接触部2fと後方床面接触部3nとの間に位置する掃除機本体1には、床面FLに向かって突出した複数(2つ)の本体突起部15を備えている。本体突起部15は、屈曲部16に曲げ応力が発生し、屈曲部16が直線状態に変形する際、床面と接触して曲げ応力を受ける機能を有している。本体突起部15は、最下部が床面から所定の距離をもって配置されている。また、本体突起部15は、略三角形の空間内であって、屈曲部16の位置から前後方向の何れか一方にずらした位置に配置している。電気掃除機100を床面上に載置した状態において、屈曲部16は床面から最も離れた位置にある。実施例3では、屈曲部16よりも後方側に、電動送風機40,蓄電池3といった重量物が配置しているので、本体突起部15を屈曲部16よりも後方側に配置している。
【0083】
掃除機本体1に延長管300、吸口体400を接続してスティック型の電気掃除機100として使用する場合、掃除の途中で一時的に電気掃除機100を床面に置く、もしくは壁やテーブル等に立て掛けることがある。電気掃除機100を床面に置いた状態から掃除を再開する場合、使用者は屈んで電気掃除機100拾い上げる必要があり、煩わしく感じる。そのため、使用者としては、電気掃除機100を壁やテーブル等に立て掛ける状態から掃除を再開することが望ましい。しかしながら、壁やテーブル等に立て掛けた状態の電気掃除機100は不安定になりやすい。そこで、電気掃除機100を壁やテーブル等に立て掛ける際に、本体突起部15を利用する。例えば、図25に示すように、電気掃除機100をテーブルTaに立て掛ける際、テーブルTaの上方端部に本体突起部15を引っ掛けるようにする。本体突起部15は左右方向に2つ並んで配置しているので、2つの本体突起部15がテーブルTaの上方端部と接し、電気掃除機100を安定して保持することができる。
【0084】
以上のように実施例3によれば、ハンディ型の電気掃除機100を床面に落下させてしまった場合の破損を抑制することができる。
【実施例0085】
次に、本発明の実施例4について説明する。実施例4では蓄電池3の構成について説明する。実施例1乃至3と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0086】
図26は、本発明の実施例4に係る蓄電池3を後方から見た外観斜視図である。図27は、本発明の実施例4に係る蓄電池3の分解斜視図である。図28は、図27のXXVIII部の拡大図である。図29は、本発明の実施例4に係る蓄電池3を後方から見た正面図である。図30は、図29のXXX-XXX線で切断した断面図である。
【0087】
蓄電池3の外郭を形成するケース3aは上ケース31と下ケース32から構成されている。上ケース31と下ケース32は、複数のねじ33で固定されている。
【0088】
ケース3aの内部には、複数の電池セル34(二次電池)と、複数の電池セル34を保持する電池ホルダ35と、電池セル34の上方に配置され、電池ホルダ35に載置される電池制御回路基板36とが備えられている。本実施例では4本の電池セル34が備えられ、電池セル34の長手方向が前後方向に沿うように並んで配置されている。電池ホルダ35は、前後方向に分割されており、電池セル34を前後方向から挟むようにして保持している。複数の電池セル34は、電池セル34同士が電池接続端子37によって電気的に接続されている。
【0089】
電池制御回路基板36には、電池セル34から電力を取り出し、電動送風機40等に電力を供給するために電源ケーブル361が接続され、さらに電池セル34に関する情報を取り出すための電池制御回路基板雌コネクタ362が備えられている。なお、図26図27図29では、電源ケーブル361は省略して記載している。
【0090】
上ケース31には、電源ケーブル361および電池制御回路基板雌コネクタ362を外部に露出させる上ケース開口部31aが形成されている。蓄電池3は、上ケース開口部31aから引き出された電源ケーブル361を通して電池セル34と電動送風機40とを接続すると共に、電池制御回路基板雌コネクタ362と制御回路基板50とを接続する。
【0091】
蓄電池3には、電池セル34の温度を検出し、電池セル34の劣化状態、異常等の判断に利用するための温度検出センサ38と、温度検出センサ38を電池ホルダ35に固定するセンサホルダ39を備えている。温度検出センサ38にはセンサ信号ケーブル38aが接続されている。
【0092】
センサホルダ39には、温度検出センサ38のセンサ信号ケーブル38aを保持するための信号ケーブル保持部39aと、センサホルダ39を電池ホルダ35に固定するためのセンサホルダ固定部39bを備えている。本実施例の信号ケーブル保持部39aは、センサ信号ケーブル38aを差し込むように切り欠かれて形成されている。
【0093】
電池ホルダ35には、温度検出センサ38(センサホルダ39)を設置するための温度検出センサ設置部351が備えられている。温度検出センサ設置部351は、温度検出センサ38を挿入するためのセンサ挿入部351aと、センサ挿入部351aの外周部に突出して設けられ、センサホルダ固定部39bの内側に形成された凹部に嵌合する爪を備えたセンサホルダ受け部351bを備えている。
【0094】
温度検出センサ38が電池セル34から離れて設置されている場合、電池セル34の実際の温度と、温度検出センサ38が検出する検出温度との間には温度差が生じる。そのため、温度検出センサ38が電池セル34から離れて設置されている場合には、温度検出センサ38が検出する検出温度を補正する必要がある。この温度差は、温度検出センサ38と電池セル34の距離によって変化するので、温度検出センサ38の検出精度向上のためには、距離に応じて補正量を調整する必要がある。しかしながら、個々の製品に対して補正量を調整するためには、個々の製品において温度検出センサ38と電池セル34との距離を測定する必要があり、作業数が増加し、製造コストが増加する。温度検出センサ38と電池セル34との距離を安定させることができると、温度検出センサ38と電池セル34との距離の測定は不要となり、温度検出センサ38の検出温度の補正量も決定し易くなる。その結果、作業数の増加を抑制し、製造コストの増加を抑制することができる。
【0095】
そこで、本実施例では、上述した温度検出センサ38を固定するセンサホルダ39を備えている。
【0096】
温度検出センサ38をセンサホルダ39に固定するにあたっては、まず、温度検出センサ38のセンサ信号ケーブル38aを信号ケーブル保持部39aの切り込み部に差し込む。温度検出センサ設置部351のセンサ挿入部351aには、予めシリコン等を充填する。そして、シリコンが充填されたセンサ挿入部351aに、センサホルダ39に固定された温度検出センサ38を挿入する。温度検出センサ38はセンサ挿入部351aに充填されたシリコンで位置が固定される。センサ挿入部351aに温度検出センサ38を挿入すると、センサホルダ受け部351bがセンサホルダ固定部39bの内側に入り込み、センサホルダ固定部39bの内側に形成された凹部に、センサホルダ受け部351bの外周に形成した爪が入り込み、センサホルダ39が温度検出センサ設置部351に固定される。
【0097】
温度検出センサ38による電池セル34の温度検出精度をより向上させるためには、センサ挿入部351a内において温度検出センサ38が固定される位置を安定させることに加え、さらに温度検出センサ38を電池セル34に近づけた方が好ましい。そこで、本実施例では温度検出センサ設置部351のセンサ挿入部351aの内部に、センサ挿入部351aの入口部から奥行方向に向かうに従い、電池セル34に向かって傾斜した傾斜リブ351cを設けている。センサ挿入部351aに挿入された温度検出センサ38は、傾斜リブ351c沿って案内され、温度検出センサ38の先端部38bが電池セル34に近づく。これにより、温度検出センサ38が検出する検出温度の補正量を小さく、もしくは不要にすることができ、温度検出センサ38の検出精度を向上することができる。
【0098】
以上説明したように、実施例4によれば、温度検出センサ38を保持するセンサホルダ39を用いて電池ホルダ35の温度検出センサ設置部351に固定するようにしているので、電池セル34と温度検出センサ38との距離が安定し、温度検出センサ38の温度検出精度を向上することができる。
【0099】
さらに実施例4によれば、温度検出センサ設置部351のセンサ挿入部351a内に傾斜リブ351cを設けるようにしているので、温度検出センサ38を電池セル34に近づけることができ、温度検出センサ38の温度検出精度を向上することができる。
【実施例0100】
次に、本発明の実施例5について説明する。実施例5では電気掃除機100をユニット化した構成について説明する。実施例1乃至4と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0101】
一般的に市販化されている電気掃除機は、搭載する機能に応じて複数の機種が販売されている。これらの電気掃除機では機種ごとに本体部、駆動部、ハンドル部等を設計し、これらを組み合わせて掃除機本体を構成するようにしている。このため、機種を増やすと組み立て工程が増加し、製造コストが増加するという課題があった。製造コストを抑えると、使用者の好みに応じた多機種展開ができないといった課題があった。実施例5では、この課題を解決するための手段について説明する。
【0102】
図31は、本発明の実施例5に係る電気掃除機100の分解斜視図である。図32は、本発明の実施例5に係る電気掃除機100を前後方向に沿って切断した断面図である。
【0103】
実施例5では、電気掃除機100を主に3つのユニットで構成している。1つ目のユニットは、本体部10、ハンドル部12、操作ボタン13等を備えたハンドル部ユニット120である。2つ目のユニットは、電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50、蓄電池3等を備えた駆動部ユニット4である。3つ目のユニットは、本体部10(ハンドル部ユニット120)に着脱可能に接続される集塵部2(集塵部ユニット)である。
【0104】
駆動部ユニット4の構成について説明する。図33は、本発明の実施例5に係る駆動部ユニット4を後方から見た斜視図である。
【0105】
駆動部ユニット4は、電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50、蓄電池3を備えている。駆動部ユニット4の外郭は、モータケース部11と、モータケース部11の前方に備えられたファンケース11aと、モータケース部11の後方に備えられた後方ケース11bから構成され、これらのケース(モータケース部11、ファンケース11a、後方ケース11b)で駆動部ユニットケース110を構成している。モータケース部11は、電動送風機40のモータ40a、駆動回路基板40b、制御回路基板50を覆っている。ファンケース11aは、電動送風機40のファン部を覆っている。後方ケース11bは、蓄電池3の上面を覆うと共に、蓄電池3を保持する。
【0106】
蓄電池3の上ケース開口部31aからは電源ケーブル361が突出しており、電動送風機40側の駆動回路基板40bに向かって伸びている。電源ケーブル361の先端部には、電源ケーブル雄コネクタ363が取り付けられている。電源ケーブル雄コネクタ363は、駆動回路基板40bに設けた電源ゲーブル雌コネクタ40cに接続され、蓄電池3から電動送風機40に電力を供給するようにしている。
【0107】
また、電池制御回路基板36に設けた電池制御回路基板雌コネクタ362には、電池制御信号ケーブル364の一端部に取り付けられた電池基板側電池信号ケーブル雄コネクタ365が接続されている。電池制御信号ケーブル364の他端部には、制御基板側電池信号ケーブル雄コネクタ366が取り付けられている。制御基板側電池信号ケーブル雄コネクタ366は、制御回路基板50に設けた制御基板電池信号雌コネクタ52(図40図43参照)に接続している。これにより、電池制御回路基板36と制御回路基板50が電池制御信号ケーブル364を介して接続される。
【0108】
駆動部ユニットケース110の上部には、複数の溝(第1固定溝部41、第2固定溝部42、第3固定溝部43、第4固定溝部44、第5固定溝部45)が形成されている。複数の溝は駆動部ユニットケース110の左右に形成されている。
【0109】
第1固定溝部41は後方から前方に向かって凹むように形成されている。第2固定溝部42、第3固定溝部43は、前後方向に沿って切り欠かれるように形成されている。駆動部ユニットケース110の後方上面には、上方に向かって突出した溝形成突起44aが備えられ、第4固定溝部44は駆動部ユニットケース110と溝形成突起44aとの間であって、前後方向に沿うように形成されている。第5固定溝部45は後方から前方に向かって凹んだ凹部となっている。
【0110】
次に、ハンドル部ユニット120の構成について説明する。図34は、本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120を下方から見た斜視図である。
【0111】
ハンドル部ユニット120の下部には、複数の溝のそれぞれに挿入する複数の固定爪部(第1固定爪部121、第2固定爪部122、第3固定爪部123、第4固定爪部124、第5固定爪部125)が形成されている。複数の固定爪部はハンドル部ユニット120の左右に形成されている。
【0112】
第1固定爪部121は後方から前方に向かって突出するように形成されている。第2固定爪部122、第3固定爪部123は、下方に向かって突出して設けられ、前後方向に沿うように形成されている。第4固定爪部124は前後方向に平面を有するように形成されている。第5固定爪部125は後方から前方に向かって突出する凸部となっている。
【0113】
また、ハンドル部ユニット120には、電源供給ケーブル126と、電源供給ケーブル126の一端に設けられた電源供給ケーブル雄コネクタ127と、操作ボタン信号ケーブル128と、操作ボタン信号ケーブル128の一端に設けられた操作ボタン信号ケーブル雄コネクタ129が設けられている。
【0114】
電源供給ケーブル126の他端には、延長管300の雄端子302bと接続する延長管接続雌端子126a(図32参照)が設けられている。操作ボタン信号ケーブル128の他端は、操作ボタン13の操作基板13a(図32参照)に接続されている。
【0115】
電源供給ケーブル雄コネクタ127は、制御回路基板50の電源供給ケーブル雌コネクタ51(図40図43参照)に接続され、操作ボタン信号ケーブル雄コネクタ129は、操作ボタン信号雌コネクタ53(図40図43参照)に接続される。
【0116】
次に、ハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4の接続方法について説明する。本実施例ではハンドル部ユニット120と駆動部ユニットケース110を接続して電気掃除機を構成している。
【0117】
図35は、本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4との電気的接続関係を示す外観斜視図である。図36は、本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4を接続させる動作を示す側面図である。図37は、本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120をスライドさせて駆動部ユニット4と接続させる動作を示す側面図である。図38は、本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4をねじ47で固定する状態を示す図である。図39は、本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4との接続を完了させた状態を示す側面図である。
【0118】
ハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4の接続にあたっては、まず図35に示すように、電源供給ケーブル雄コネクタ127を制御回路基板50の電源供給ケーブル雌コネクタ51に接続し、操作ボタン信号ケーブル雄コネクタ129を操作ボタン信号雌コネクタ53に接続する。
【0119】
次に、図36に示すように、ハンドル部ユニット120を駆動部ユニット4に近づける。このとき、第2固定爪部122、第3固定爪部123をそれぞれ第2固定溝部42、第3固定溝部43に挿入させる。
【0120】
次に、図37に示すように、第2固定爪部122、第3固定爪部123のそれぞれを第2固定溝部42、第3固定溝部43に挿入させた状態で、ハンドル部ユニット120を駆動部ユニット4に対して前方にスライドさせる。ハンドル部ユニット120を駆動部ユニット4に対して前方にスライドさせると、第1固定爪部121が第1固定溝部41に挿入され、第4固定爪部124が第4固定溝部44に挿入され、さらに第5固定爪部125が第4固定溝部44に挿入される。
第2固定爪部122、第3固定爪部123が挿入される第2固定溝部42、第3固定溝部43は、左右方向の幅が後方より前方で狭くしている。このようにすることにより、ハンドル部ユニット120を駆動部ユニット4に対して前方にスライドさせたとき、第2固定爪部122、第3固定爪部123が第2固定溝部42、第3固定溝部43の幅狭の部分と干渉し、ハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4を固定する。
【0121】
駆動部ユニットケース110の前方には、駆動部ユニット固定部48が形成されている。
【0122】
ハンドル部ユニット120を駆動部ユニット4に対して前方にスライドさせ、各固定爪部と各固定溝部とが係合すると、駆動部ユニット固定部48に形成した固定ねじ穴48aがハンドル部ユニット120に形成したねじ部と一致する。そして、図38に示すように、固定ねじ穴48aにねじ47を挿入して螺合し、ハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4を固定する。その後、ハンドル部ユニット120の下方に集塵部2(集塵ユニット)を装着し、電気掃除機100の組み立てを完了する。
【0123】
本実施例によれば、製造コストを抑えると、使用者の好みに応じた多機種展開が可能な電気掃除機を提供することができる。
【実施例0124】
次に、本発明の実施例6について説明する。実施例6では電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50の関係について説明する。実施例1乃至5と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0125】
図40は、本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を前方から見た外観斜視図である。図41は、本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を前方から見た分解斜視図である。図42は、本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を後方から見た外観斜視図である。図43は、本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を後方から見た分解斜視図である。
【0126】
電動送風機40は、回転軸が前後方向に沿うようにして駆動部ユニット4に配置される。電動送風機40の前方側には防振カバー49が配置され、電動送風機40の振動が駆動部ユニット4に伝達されることを抑制している。電動送風機40の後方には駆動回路基板40bが配置され、駆動回路基板40bの後方には制御回路基板50が配置されている。
【0127】
駆動回路基板40bには、蓄電池3から電動送風機40に供給する電力を調整する部品であるインバータ回路等の発熱部品が実装されている。制御回路基板50には、電気掃除機100の制御に必要な制御プログラムを保存するメモリ、メモリから制御プログラムを読みだして演算処理を実行する演算処理部が実装されている。制御回路基板50は電気掃除機100を制御する部品が実装されている。
【0128】
制御回路基板50は駆動回路基板40bに比べ、発熱量が小さい。本実施例では、回路基板を、発熱量が大きい駆動回路基板40bと、駆動回路基板40bに比べて発熱量が小さい制御回路基板50とに分割して配置している。
【0129】
駆動回路基板40bを駆動部ユニット4に搭載するにあたっては、発熱量を考慮する必要がある。そこで、本実施例では、駆動回路基板40bの後方側に耐熱樹脂で構成された駆動回路基板保持部材60を配置し、この駆動回路基板保持部材60で駆動回路基板40bを保持するようにしている。駆動回路基板保持部材60は、例えば耐熱性の高いポリフェニレンサルファイド(PPS: Polyphenylene sulfide)を用いる。
【0130】
駆動回路基板保持部材60には、後方に向かって突出した複数のコネクタ保持突起60aが設けられており、このコネクタ保持突起60aに電源ゲーブル雌コネクタ40cが固定される。電源ゲーブル雌コネクタ40cは、駆動回路基板保持部材60を介して駆動回路基板40bに設けられている。また、駆動回路基板保持部材60のコネクタ保持突起60aが配置される位置には、開口部60bが形成されている。一般的に電源ゲーブル雌コネクタ40cは耐熱樹脂で構成されているので、駆動回路基板40bからの発熱の影響を受ける心配はない。本実施例では、駆動回路基板保持部材60に開口部60bを形成することにより、駆動回路基板保持部材60の軽量化を図ることができる。
【0131】
また、駆動回路基板40bの面積は、電動送風機40の回転軸方向に垂直な断面の断面積と略同等となっている。言い換えると、電気掃除機100の側面視において、駆動回路基板40bの高さ寸法と、電動送風機40の高さ寸法とは略同一となっている。これによって、掃除機本体の高さ方向のサイズが大きくなることを抑制できる。また、電動送風機40から出る排気風の全てを駆動回路基板40bに当てることができ、発熱量の大きい駆動回路基板40bの冷却効率を向上することができる。
【0132】
本実施例によれば、駆動回路基板40bと制御回路基板50とを電動送風機40の後方に並べて配置したので、電気掃除機100を小型化できる。また、本実施例によれば、回路基板を駆動回路基板40bと制御回路基板50とに分割し、発熱部品が実装された駆動回路基板40bのみを耐熱樹脂製の駆動回路基板保持部材60で保持するようにしているので、安全性を確保できるとともに、電気掃除機100を軽量化することができる。
【実施例0133】
次に、本発明の実施例7について説明する。実施例7ではコネクタの構造について説明する。実施例1乃至6と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0134】
図44は、本発明の実施例7に係る電源ケーブル雄コネクタ363の上面図である。図45は、図44のXXXXV-XXXXV線で切断した断面図である。図46は、本発明の実施例7に係る電源ケーブル雄コネクタ363の側面図である。
【0135】
電源ケーブル雄コネクタ363の内部には2つの接続端子が備えられ、この2つの接続端子にはそれぞれ電源ケーブル361が接続されている。電源ケーブル雄コネクタ363の端部には電源ケーブル361を通すための開口部が形成されている。
【0136】
一般的に電気掃除機は、乾燥した塵埃を吸引するが、床面等に零れた水があった場合、乾燥した塵埃を共に水が吸引される場合がある。吸引された水は、吸い込み気流に乗って駆動回路基板に到達する可能性がある。駆動回路基板に到達した水が、電源供給ケーブルが引き出される電源ケーブル雄コネクタの端部の隙間から入り込む可能性がある。電源ケーブル雄コネクタに水が入り込むと、コネクタ内で隣り合う端子同士を導通させ、ショートを起こす可能性がある。これを解決するための手段について説明する。
【0137】
本実施例では、電源ケーブル361が引き出される電源ケーブル雄コネクタ363の端部にシール材370を塗布している。シール材370は、電源ケーブル361と、電源ケーブル361が引き出される電源ケーブル雄コネクタ363の端部とを覆うように塗布されると共に、図45に示すように電源ケーブル雄コネクタ363と電源ケーブル361との隙間にも入り込んでいる。また、シール材370は、電源ケーブル雄コネクタ363の端部に位置する電源ケーブル361にも塗布するようにしている。
【0138】
電源ケーブル雄コネクタ363と電源ケーブル361との隙間にシール材370を塗布させるために、シール材370は流動性があり、塗布後硬化するものが望ましい。そこで、本実施例ではシール材370としてシリコンを塗布するようにしている。
【0139】
本実施例によれば、電源ケーブル361および電源ケーブル361が引き出される電源ケーブル雄コネクタ363の端部にシール材370を塗布するようにしているので、電源ケーブル雄コネクタ363の内部に水が入り込むことを抑制でき、コネクタ内で隣り合う端子同士を導通してショートを起こすことを抑制することができる。そして、本実施例によれば、安全性を向上させた電気掃除機を提供することができる。
【0140】
本実施例では一例として電源ケーブル雄コネクタ363側にシール材を塗布するようにしたが、電源ケーブル雌コネクタ40c側に塗布するようにしてもよい。すなわち、シール材は、電源ケーブルコネクタおよび電源ケーブルコネクタから引き出された電源ケーブルに塗布するようにすればよい。
【実施例0141】
次に、本発明の実施例8について説明する。実施例8ではハンドル部12に備えたストラップ12aの構造について説明する。実施例1乃至7と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0142】
図47は、本発明の実施例8に係るハンドル部12を上方から見た断面図である。ハンドル部12の後方にはストラップ12aが備えられている。ストラップ12aはハンドル部12の後方端部から突出して設けられている。
【0143】
ストラップ12aは、帯状部材の端部同士を対向させ、その端部同士をストラップ固定部材12cで固定し、環状に形成する。
【0144】
ハンドル部12には、ストラップ固定ボス12bが設けられており、環状に形成されたストラップ12aの内側にストラップ固定ボス12bを挿入させる。そして、ストラップ12aを移動させ、ストラップ12a端部とストラップ固定ボス12bを接触させる。本実施例ではストラップ固定部材12cで固定したストラップ12aの端部をストラップ固定ボス12bに接触させるようにしている。
【0145】
本実施例によれば、電気掃除機100のハンドル部12にストラップ12aを設けるようにしているので、使用者はストラップ12に手を通して掃除を行うことができ、掃除中における腕への負担を軽減でき、操作性を向上することができる。
【0146】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0147】
1…掃除機本体、2…集塵部、2a…集塵ケース、2a1…塵埃収容室、2a2…フィルタ収容室、2b…流入口、2c…蓋、2c1…突起部、2d…ヒンジ部、2e…蓋ロック部材、2f…前方床面接触部、2h…挿入部、2k…ロック部材、2k1…フィルタ固定突起、2m…仕切壁、2n…爪部、2r…リブ、2s…軸部、2t…直線部、3…蓄電池、3a…ケース、3n…後方床面接触部、4…駆動部ユニット、5…フィルタ、5a…HEPAフィルタ、5b…スポンジフィルタ、10…本体部、10a…接続口、10b…嵌合溝、10c…爪部、11…モータケース部、11a…ファンケース、11b…後方ケース、11c…排気口、12…ハンドル部、12a…ストラップ、12b・・・ストラップ固定ボス、12c…ストラップ固定部材、13…操作ボタン、13a…操作基板、14…導入管、14a…流出口、15…本体突起部、16…屈曲部、18…解除ボタン、19…挿入開口部、20…塵埃分離部、21…内筒、22…傘部、31…上ケース、31a…上ケース開口部、32…下ケース、33…ねじ、34…電池セル、35…電池ホルダ、36…電池制御回路基板、37…電池接続端子、38…温度検出センサ、38a…センサ信号ケーブル、38b…先端部、39…センサホルダ、39a…信号ケーブル保持部、39b…センサホルダ固定部、40…電動送風機、40a…モータ、40b…駆動回路基板、40c…電源ゲーブル雌コネクタ、41…第1固定溝部、42…第2固定溝部、43…第3固定溝部、44…第4固定溝部、44a…溝形成突起、45…第5固定溝部、47…ねじ、48…駆動部ユニット固定部、48a・・・固定ねじ穴、50…制御回路基板、51…電源供給ケーブル雌コネクタ、52…制御基板電池信号雌コネクタ、53…操作ボタン信号雌コネクタ、60…駆動回路基板保持部材、60a…コネクタ保持突起、60b…開口部、90…気密保持部材、91…筒体、91a…ブラシ部、91b…接続部、100…電気掃除機、110…駆動部ユニットケース、120…ハンドル部ユニット、121…第1固定爪部、122…第2固定爪部、123…第3固定爪部、124…第4固定爪部、125…第5固定爪部、126…電源供給ケーブル、126a…延長管接続雌端子、127…電源供給ケーブル雄コネクタ、128…操作ボタン信号ケーブル、129…操作ボタン信号ケーブル雄コネクタ、211…第1円環部、212…第2円環部、213…支柱、214…固定突起部、215…第1フィルタ、221…平板部、221a…直線部、222a…遮蔽部、222b…遮蔽部、222c…遮蔽部、223a…第2フィルタ、223b…第2フィルタ、223c…第2フィルタ、224…壁、225…係合部、300…延長管、301…筒本体、301a…リード線収納部、301b…仕切り部、301c…フィルム固定部、301d…フィルム挿入部、301e…フィルム固定爪、301e1…傾斜面、301f…凹部、302…リード線、302a…雌端子、302b…雄端子、303…プラスチックフィルム、303a…側面孔、303b…前面孔、303c…後面孔、303d…切り欠き部、303e…切り欠き部、304…前カバー、304a…カバー爪部、304b…固定突起、305…後カバー、351…温度検出センサ設置部、351a…センサ挿入部、351b…センサホルダ受け部、351c…傾斜リブ、361…電源ケーブル、362…電池制御回路基板雌コネクタ、363…電源ケーブル雄コネクタ、364…電池制御信号ケーブル、365…電池基板側電池信号ケーブル雄コネクタ、366…制御基板側電池信号ケーブル雄コネクタ、370…シール材、400…吸口体、DL…ダストライン、G…隙間、SR1…旋回流、SR2…旋回流、W…距離、FL…床面、Ta…テーブル
図1
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