(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018701
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20250130BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122649
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢野 将
(72)【発明者】
【氏名】西井 大生
(72)【発明者】
【氏名】野上 謙三
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】高木 一輝
(72)【発明者】
【氏名】横田 雅瑛
(72)【発明者】
【氏名】小川 拓海
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DE06
(57)【要約】
【課題】小型化を図りつつ安全性を確保することができる電気掃除機を提供する。
【解決手段】本発明の電気掃除機は、電動送風機40と、蓄電池3と、蓄電池3から電動送風機40に供給する電力を調整する部品を実装する駆動回路基板40bと、電気掃除機100を制御する部品が実装された制御回路基板50と、を備える。駆動回路基板40bを電動送風機40の後方に配置し、制御回路基板50を駆動回路基板40bの後方に配置する。駆動回路基板40bは、後方側を耐熱樹脂で構成された駆動回路基板保持部材60で保持する。
【選択図】
図41
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機と、蓄電池と、前記蓄電池から前記電動送風機に供給する電力を調整する部品を実装する駆動回路基板と、電気掃除機を制御する部品が実装された制御回路基板と、を備えた電気掃除機において、
前記駆動回路基板を前記電動送風機の後方に配置し、前記制御回路基板を前記駆動回路基板の後方に配置し、
前記駆動回路基板は、後方側を耐熱樹脂で構成された駆動回路基板保持部材で保持されたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項1に記載の電気掃除機において、
前記駆動回路基板保持部材は、ポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項2に記載の電気掃除機において、
前記蓄電池の電源ケーブルの電源ゲーブル雄コネクタと接続する電源ゲーブル雌コネクタを備え、
前記駆動回路基板保持部材には、前記電源ゲーブル雌コネクタを保持するコネクタ保持突起を備えたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
請求項3に記載の電気掃除機において、
前記駆動回路基板保持部材の前記コネクタ保持突起が配置される位置には、開口部を形成したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項5】
電動送風機と、前記電動送風機を有するモータケース部と、蓄電池と、前記蓄電池から前記電動送風機に供給する電力を調整する部品を実装する駆動回路基板と、を備えた電気掃除機において、
前記駆動回路基板を前記電動送風機の後方に配置し、
前記駆動回路基板は、後方側を耐熱樹脂で構成された駆動回路基板保持部材で保持され、
前記モータケース部は、前記駆動回路基板の周囲に配置される排気口を備えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項6】
電動送風機と、前記電動送風機を有するモータケース部と、蓄電池と、前記蓄電池から前記電動送風機に供給する電力を調整する部品を実装する駆動回路基板と、を備えた電気掃除機において、
前記駆動回路基板を前記電動送風機の後方に配置し、
前記駆動回路基板は、後方側を耐熱樹脂で構成された駆動回路基板保持部材で保持され、
前記駆動回路基板の面積は、前記電動送風機の中心軸に垂直な断面における断面積と略同等であることを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の電気掃除機は、掃除機本体と、掃除機本体に着脱可能に装着されるバッテリと、掃除機本体に着脱可能に接続される延長管と、延長管に接続される吸込口体とを備えている。掃除機本体には、電動送風機と、電動送風機を駆動する駆動基板と、マイコンを含む電子部品が実装された制御基板を収容している。駆動基板は電動送風機の後方であって駆動基板の長手方向が電動送風機の回転軸と直交するように配置されている。制御基板は、電動送風機の下方であって、制御基板の長手方向が電動送風機の回転軸と平行となるように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、制御基板の長手方向が電動送風機の回転軸と平行となるように制御基板を配置しているので、制御基板を設置するための専用の空間が必要となり、小型化できないといった課題があった。また、駆動基板は発熱部材であるが、駆動基板を保持するためのカバー部材については考慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、小型化を図りつつ安全性を確保することができる電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、電動送風機と、蓄電池と、前記蓄電池から前記電動送風機に供給する電力を調整する部品を実装する駆動回路基板と、電気掃除機を制御する部品が実装された制御回路基板と、を備えた電気掃除機において、前記駆動回路基板を前記電動送風機の後方に配置し、前記制御回路基板を前記駆動回路基板の後方に配置し、前記駆動回路基板は、後方側を耐熱樹脂で構成された駆動回路基板保持部材で保持されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化を図りつつ安全性を確保することができる電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例1に係る電気掃除機を上下方向に収納した状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る電気掃除機の分解図である。
【
図3】
図2の状態の電気掃除機を左側から視た側面図である。
【
図7】集塵部から塵埃分離部、蓋を外した分解斜視図である。
【
図8】塵埃分離部を後方側から見た外観斜視図である。
【
図9】蓋を外した状態の集塵ケースを前方から見た正面図である。
【
図10】塵埃分離部を前方側から見た正面図である。
【
図11】塵埃分離部を後方側から見た背面図である。
【
図14】
図5においてXIV-XIV線で切断した断面図である。
【
図15】蓋を後方から前方に向かって見た図である。
【
図16】本発明の実施例2に係る延長管300の外観斜視図である。
【
図17】本発明の実施例2に係る延長管300の分解斜視図である。
【
図18】本発明の実施例2に係るプラスチックフィルム303の平面図である。
【
図19】本発明の実施例2に係る筒本体301を左右方向(長手方向と直交する方向)に沿って切断した断面図である。
【
図20】本発明の実施例2に係る延長管300を左右方向(長手方向と直交する方向)に沿って切断した断面図、及び部分拡大図である。
【
図21】本発明の実施例2に係る前カバー304の裏面図(下面図)である。
【
図22】本発明の実施例2に係るリード線302、前カバー304、プラスチックフィルム303の関係を示す裏面図(下面図)である。
【
図23】本発明の実施例3に係る電気掃除機100を床面上に載置した状態を示す図である。
【
図24】本発明の実施例3に係る電気掃除機100を後方から見た斜視図である。
【
図25】電気掃除機100をテーブルTaに立て掛けた状態を示す図である。
【
図26】本発明の実施例4に係る蓄電池3を後方から見た外観斜視図である。
【
図27】本発明の実施例4に係る蓄電池3の分解斜視図である。
【
図29】本発明の実施例4に係る蓄電池3を後方から見た正面図である。
【
図31】本発明の実施例5に係る電気掃除機100の分解斜視図である。
【
図32】本発明の実施例5に係る電気掃除機100を前後方向に沿って切断した断面図である。
【
図33】本発明の実施例5に係る駆動部ユニット4を後方から見た斜視図である。
【
図34】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120を下方から見た斜視図である。
【
図35】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4との電気的接続関係を示す外観斜視図である。
【
図36】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4を接続させる動作を示す側面図である。
【
図37】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120をスライドさせて駆動部ユニット4と接続させる動作を示す側面図である。
【
図38】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4をねじ47で固定する状態を示す図である。
【
図39】本発明の実施例5に係るハンドル部ユニット120と駆動部ユニット4との接続を完了させた状態を示す側面図である。
【
図40】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を前方から見た外観斜視図である。
【
図41】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を前方から見た分解斜視図である。
【
図42】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を後方から見た外観斜視図である。
【
図43】本発明の実施例6に係る電動送風機40、駆動回路基板40b、制御回路基板50を後方から見た分解斜視図である。
【
図44】本発明の実施例7に係る電源ケーブル雄コネクタ363の上面図である。
【
図45】
図44のXXXXV-XXXXV線で切断した断面図である。
【
図46】本発明の実施例7に係る電源ケーブル雄コネクタ363の側面図である。
【
図47】本発明の実施例8に係るハンドル部12を上方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、同一の要素については、全ての図において、原則として同一の符号を付している。また、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。なお、以下に説明する構成はあくまで実施例に過ぎず、本発明に係る実施様態が、以下の具体的様態に限定されることを意図する趣旨ではない。
【0010】
以下の実施例では、使用者が電気掃除機を使用する状態において、使用者からの視点で天井方向を「上」、被掃除面方向を「下」、前方向を「前」、後方向を「後」、左手方向を「左」、右手方向を「右」と定義する。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例1に係る電気掃除機を上下方向に収納した状態を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、電気掃除機100は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用形態に変更して掃除を行うことができるものである。電気掃除機100は、掃除機本体1に延長管300(付属品)と吸口体400(付属品)を接続することでスティック状態として使用できる。そして、電気掃除機100は、図示しない支持台で上下方向に立てた状態で収納することができる。また、電気掃除機100は、何れも図示しない小型吸口(付属品)、ほうき型吸口(付属品)、延長ホース(付属品)などを接続して用いることができる。なお、吸口体400は、モータによってブラシが回転するパワーブラシ式のものである。
【0013】
図2は、本発明の実施例1に係る電気掃除機の分解図である。
図2以下の図面では、掃除機本体1からみた前後左右上下の方向を適宜示している。
【0014】
図2に示すように、電気掃除機100は、掃除機本体1、集塵部2、蓄電池3、気密保持部材90を備えて構成されている。
【0015】
掃除機本体1は、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12を備えて構成されている。モータケース部11には電動送風機40(
図6参照)が収容されている。
【0016】
本体部10は、延長管300や吸口体400(
図1参照)などが接続される接続口10a(吸引口)が形成されている。この接続口10aは、本体部10、モータケース部11、ハンドル部12などと同様の樹脂で成形されている。また、接続口10aは、略円形の開口を有し、前方を向いて形成されている。また、接続口10aには、付属品としての、前記した延長管300、吸口体400、小型吸口(図示せず)、ほうき型吸口(図示せず)など(以下、まとめてアタッチメントという場合もある)を接続することができるようになっている。接続口10aには、制御回路基板50(
図6参照)と電気的に接続されている端子(図示せず)が内蔵されており、吸口体400などのモータ駆動する付属品が接続された場合は、電気的に接続されたモータによってブラシが回転する。
【0017】
また、本体部10には、集塵部2が着脱可能に取り付けられるとともに、接続口10aから吸い込まれた塵挨を含む空気を集塵部2に送り込む導入管14(
図3参照)を備えている。そして、導入管14の流出口14aは集塵部2(集塵ケース2a)の流入口2bに接続される。
【0018】
モータケース部11には、電動送風機40(
図6参照)と制御回路基板50(
図6参照)が内包されている。また、モータケース部11の前面には、集塵部2で集塵された後の清浄な空気が吸い込まれる円形の吸込口(図示せず)が形成されている。
【0019】
ハンドル部12は、本体部10の後側に設けられ、略L字状に形成されている。ハンドル部12の上面には、操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、電動送風機40、吸口体400に設けたブラシ駆動用のモータを駆動、停止を行う。ハンドル部12の後端部には、ストラップ12aが備えられている。ストラップ12aは、電気掃除機100をフック等に吊るして収納することができ、また使用者が手首に掛けることでハンドル部12に軽く手を添えるだけで操作することが可能となる。
【0020】
本体部10の前端上部には、延長管300などの付属品を取り外す際に操作される解除ボタン18が設けられている。この解除ボタン18を押下操作することで、本体部10と付属品とのロックが解除されて、本体部10から付属品の取り外しが可能となる。
【0021】
また、本体部10の前端には、気密保持部材90を取り付けることができる。この気密保持部材90は、略円形の筒体91を有している。この筒体91は、先端側に軟質の毛を束にして植毛したブラシ部91aを有している。ブラシ部91aは間隔を開けて複数箇所にわたり植毛されており、ナイロン製樹脂など弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このような気密保持部材90を本体部10の接続口10aに取り付けることで、掃除対象面のごみを掃くことができ、また床面に気密保持部材90の先端を押し付けることで、吸引力を向上させることができる。また、接続部91bは硬質のもので形成することで、気密保持部材90を本体部10に脱落することなく安定した状態で取り付けることができる。
【0022】
なお、本実施形態では、ブラシ部91aがナイロン製の毛などのブラシで形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、先端側に軟質樹脂で環状に形成されてもよい。すなわち、筒体91は、弾性部と接続部91bの異種の2部材を一体に成形されることで構成する。なお、弾性部は、エラストマなど弾性変形可能(撓み変形可能)な材料で構成されている。このようにすることで床面に気密保持部材90の先端の全体を密着させることができ、密着しない場合に比べて吸引力を向上させることができる。
また、筒体91の略全体を接続部91bと同様の材料で形成し、筒体91の先端に静電植毛された短毛を環状に備えたものであってもよい。このような静電植毛を備えたものであっても、エラストマと同様に、気密保持部材90の先端を床面に密着させることが可能になり、吸引力を向上できる。
【0023】
本体部10の接続口10aの外側面には、縦方向に細長い嵌合溝10bが形成されている。この嵌合溝10bは、左右両側に1条ずつ形成されている。また、本体部10の接続口10aの下側面には、横方向に細長い嵌合溝(図示せず)が形成されている。接続部91bの基端には、前記嵌合溝10bと前記嵌合溝(図示せず)と凹凸嵌合して係止される突起部(図示せず)が形成されている。
【0024】
蓄電池3は、吸引力を発生させる電動送風機40のモータ40a(
図6参照)などに電力を供給するものであり、リチウムイオン、ニッケル水素などの二次電池で構成されている。また、蓄電池3は、合成樹脂製の略半円筒状のケース3aを有し、ケース3aを前後方向にスライドさせることで本体部10に対して着脱できる。
【0025】
図3は、
図2の状態の電気掃除機100を左側から視た側面図である。
図4は、実施例1の電気掃除機の斜視図である。
図5は、実施例1の電気掃除機の平面図である。
【0026】
図3に示すように、集塵部2は、サイクロン方式のものであり、導入管14から吸込んだ塵埃を含む空気を、塵埃と空気とに分離し、塵埃を集める機能を有する。また、集塵部2は、モータケース部11の前方に軸方向を前後方向にして配置され、軸方向(前後方向)と直交する断面がD字状に形成された集塵ケース2aを有している。また、集塵部2の上面には、導入管14と繋がる略矩形状の流入口2bが形成されている。換言すると、流入口2bは、集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tに位置し、電動送風機40の吸引力で吸引された塵埃を流入させる。この流入口2bに流入した塵挨を含む空気は、旋回流となり、塵埃に遠心力が働き、集塵部2内で塵挨と空気とに分離された後、塵埃が分離された空気が集塵部2の後部(背面)から排出される。
【0027】
また、集塵部2の前面には、集塵部2内に溜まった塵埃を廃棄する際に開閉する蓋2cがヒンジ部2dを介して回動可能に支持されている。集塵ケース2aは、前方に位置する塵埃収容室2a1と、後方に位置するフィルタ収容室2a2とに分けられて構成されている。集塵ケース2aの上部前端には、蓋ロック部材2eが設けられている。蓋ロック部材2eは、爪部を有しており、この爪部を蓋2cの突起部2c1(
図7参照)に引っ掛けることにより、蓋2cを閉じた状態に保持する。
【0028】
本体部10の下方には、下方に向かって突出し、後方に向かって伸びた1つの爪部10cが備えられている。集塵部2の上方前端には、前方に向かって開口し、爪部10cが挿入される1つの挿入部2hが形成されている。集塵部2の下方後端には、後方に向かって突出するように付勢されたロック部材2kが備えられている。掃除機本体1(モータケース部11)の下方前端には、前方に向かって開口し、ロック部材2kの後方先端部が挿入される挿入開口部19が形成されている。ロック部材2kを前方にスライドさせると、ロック部材2kの後方先端部が挿入開口部19から抜け、集塵部2の後方部を下方に移動させることが可能となる。さらに集塵部2の挿入部2hに挿入されている爪部10cを挿入部2hから引き抜くことにより、集塵部2を掃除機本体1から取り外すことができる。集塵部2を掃除機本体1に装着する場合には、集塵部2を取り外す場合と逆の動作を行えばよい。そして、
図4に示すように、集塵部2は、直線部2tを上方とした状態で、掃除機本体1の下方に装着される。換言すると、電気掃除機100は、集塵部2が本体部10の下方かつモータケース部11の前方に取り付けられる。
【0029】
集塵部2の下方には、床面に向かって突出した前方床面接触部2fが備えられている。前方床面接触部2fは、電気掃除機100を床面上に載置した際に床面と接するように備えられている。また、蓄電池3のケース3aの後端部には、電気掃除機100を床面上に載置した際に床面と接する後方床面接触部3nが備えられている。
【0030】
図6は、
図5のVI-VI線断面図である。
図6に示すように、本体部10のモータケース部11には、電動送風機40が収容されている。電動送風機40はモータ40aによって駆動される。また、モータケース部11内には、電動送風機40の後方に、電気掃除機100を駆動する駆動回路基板40bと、それを制御する制御回路基板50が収容されている。
【0031】
また、駆動回路基板40bと制御回路基板50は、電動送風機40の後方に配置されている。このため、電動送風機40の排気風を駆動回路基板40bと制御回路基板50に導き、駆動回路基板40bと制御回路基板50に実装した部品を冷却することができる。その後、排気風は排気口11cを通過し、掃除機本体から排出される。排気口11cは、モータケース部11の駆動回路基板40bの周囲に設けられる。これによって、排気風が最も発熱量の大きい駆動回路基板40bの周囲を確実に通過することによって、駆動回路基板40b冷却効率を向上することができる。
【0032】
蓄電池3は、例えば、エネルギ効率の高いリチウムイオン電池で構成することができる。また、蓄電池3は、ハンドル部12の下方に配置されている。このとき、ハンディ状態での重心位置は点A(
図6参照)、スティック状態での重心位置は点B(
図25参照)となる。このように、蓄電池3を電気掃除機100の後端に設けることで、重心がハンドル部12に近くなるので、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、操作感を軽くすることができる。
【0033】
図7は、集塵部2から塵埃分離部20、蓋2cを外した分解斜視図である。
図8は、塵埃分離部20を後方側から見た外観斜視図である。
図9は、蓋2cを外した状態の集塵ケース2aを前方から見た正面図である。
図10は、塵埃分離部20を前方側から見た正面図である。
図11は、塵埃分離部20を後方側から見た背面図である。
【0034】
集塵ケース2aの後方に位置するフィルタ収容室2a2には、フィルタ5が収容されている。フィルタ5は、HEPAフィルタ5a(High Efficiency Particulate Air Filter)と、HEPAフィルタ5aの上流側に配置されたスポンジフィルタ5bから構成されている。HEPAフィルタ5aは、プリーツ状に折って構成され、フィルタ面積を大きくできるとともに、圧力損失を低減することができる。HEPAフィルタ5aは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持っている。
【0035】
HEPAフィルタ5aはフィルタ収容室2a2上側に設けられた軸部2sにヒンジ形状にて回動可能に取り付けられており、軸対象の位置に設けられた爪部2nにて開閉可能に固定されている。使用者がHEPAフィルタ5aによって捕集された塵埃を廃棄したりHEPAフィルタ5a自体を清掃したい際は、爪部2n側を外側へ動かすことで解放可能となる。実施例1では爪部2nをプラスチック成型品の弾性を利用して固定する形態にて説明しているが、クランプ形状の別部品とコイルバネを用いた機構を用いても良いしマグネットなどで磁力を利用し固定しても良い。
【0036】
ここで、HEPAフィルタ5aは前記の構造により保持されるため集塵部2が掃除機本体1に取り付けられている際はしっかりと固定され気密を確保することが可能となる。しかしながら、爪部2n側の固定力が大きすぎると解放動作が困難となり、一方で固定力が小さいと集塵部2を取り外す操作をした際に不意にHEPAフィルタ5aが開いてしまい、内部の塵埃をこぼしてしまう恐れがある。それを防止するため、ロック部材2kのHEPAフィルタ5a側にフィルタ固定突起2k1が設けられている。すなわち、集塵部2を取り外すためにロック部材2kを前方にスライドさせると、フィルタ固定突起2k1がHEPAフィルタ5aと当接する位置に移動するため、HEPAフィルタ5aが開かなくなる。
【0037】
また、集塵ケース2aの前方に位置する塵埃収容室2a1には、塵埃分離部20が収容されている。塵埃分離部20は、フィルタ5側(後方側)に位置する内筒21と、内筒21に接続され内筒21の前方に位置する傘部22が備えられている。傘部22の前端は蓋2cの裏面に接触している。
【0038】
内筒21は、傘部22と接続される第1円環部211と、フィルタ5側(後方側)に配置される第2円環部212と、第1円環部211と第2円環部212とを繋ぐように前後方向に伸びた複数本の支柱213と、第2円環部212に設けられフィルタ5側(後方側)に突出した3つ(複数)の固定突起部214とを備えている。複数本の支柱213の間には、メッシュ状の第1フィルタ215が配置されている。
【0039】
内筒21の前方に配置される傘部22は、集塵ケース2aの前後方向と直交する方向に沿って配置され、直線部221aが集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tと対向するようにD字形状に形成された平板部221と、平板部221から集塵ケース2aの前後方向に伸びる壁224と、平板部221から集塵ケース2aの前後方向に伸びると共に、集塵ケース2aの前後方向と直交する断面がY字形状に形成された3本の遮蔽部222a,222b,222cと、を備えている。3本の遮蔽部222a,222b,222cは、前方に行くに従い、中心部から径方向外側に向かって伸びる高さが低くなるように構成している。傘部22の係合部225は、内筒21の底面と略同じかそれ以下の外径を有しており、内筒21の突起部(図示せず)と凹凸嵌合して係止することで内筒21の第1円環部211と傘部22の平板部221間にすき間なく内筒21と傘部22を係合する。
【0040】
隣り合う遮蔽部の間に位置する平板部221には、扇形状に形成されると共に内筒21と連通する3つの開口が形成され、この開口には3つのメッシュ状の第2フィルタ223a,223b,223cが備えられている。すなわち、遮蔽部222aと遮蔽部222bとの間には第2フィルタ223aが備えられ、遮蔽部222bと遮蔽部222cとの間には第2フィルタ223bが備えられ、遮蔽部222cと遮蔽部222aとの間には第2フィルタ223cが備えられている。3つの扇形状に形成される第2フィルタ223a,223b,223cのうち、1つの第2フィルタ223aは、集塵ケース2aのD字形状の直線部2tに向かって扇形状が開くように配置している。3つの扇形状に形成される第2フィルタ223a,223b,223cは、それぞれの開き角度が約120°に設定されている。
【0041】
図9に示すように集塵ケース2aの内部には、仕切壁2mが備えられ、この仕切壁2mにより集塵ケース2aを塵埃収容室2a1とフィルタ収容室2a2に仕切っている。仕切壁2mの中央部は、塵埃収容室2a1とフィルタ収容室2a2とを連通するように開口されており、この開口部の内側には、切欠き部により分離された3つのリブ2rが形成されている。そして、切欠き部に内筒21の第2円環部212に設けた固定突起部214を挿入し、内筒21を右回りに回転させるとリブ2rが固定突起部214の隙間に入り込み、集塵ケース2aに内筒21(塵埃分離部20)が固定される。従って、本実施形態では、集塵ケース2aから内筒21(塵埃分離部20)のみを取り外すことが可能となっており、内筒21(塵埃分離部20)のみを掃除(手入れ)する際に有用である。集塵ケース2aから内筒21(塵埃分離部20)を外す場合には、内筒21を左回りに回転させ、固定突起部214を切欠き部の位置に合わせた状態で、内筒21(塵埃分離部20)を引き抜くことにより、内筒21(塵埃分離部20)を集塵ケース2aから取り外すことができる。また、内筒21の第2円環部212は、内筒21の外径と略同じかそれ以下としている。これは、吸引した塵埃が内筒21に付着した場合(髪の毛などが巻き付いた場合)、塵埃を除去する際に第2円環部212が邪魔にならず、また塵埃を除去しやすいといった効果がある。
【0042】
次に、集塵ケース2aの流入した空気の流れについて説明する。
図12は、集塵部2を下方側から見た斜視図である。
図13は、集塵部2を上方側から見た斜視図である。
図14は、
図5においてXIV-XIV線で切断した断面図である。
【0043】
前述したように、実施例1の集塵ケース2aは、前後方向と直交する方向の断面がD字形状に形成されている。集塵部2は、掃除機本体1に装着する際、集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tが上方に位置するように配置する。
【0044】
集塵ケース2aのD字形状に形成された直線部2tには、本体部10に形成した導入管14の流出口14aと連通する流入口2bが設けられている。導入管14の流出口14aと接続する流入口2bの接続部は、集塵ケース2aの左右方向中央部に位置している。そして、流入口2bは集塵ケース2aの左右方向中央部の位置から、集塵ケース2aの外周側(実施例1では右側)に向かって傾斜するように設けられている(
図14)。
【0045】
直線部2tの位置における集塵ケース2aの内周と、内筒21の外周との距離Wは、他の円弧部の位置における集塵ケース2aの内周と、内筒21の外周との距離よりも短くなっている。また、集塵ケース2aの外周側(右側)に向かって傾斜するように設けられた流入口2bは、流入口2bの延長線上において内筒21と重ならないように配置している(
図14)。
【0046】
集塵ケース2aの内周と平板部221の外周との間には、所定の隙間Gが形成されている。
【0047】
掃除機本体1の操作ボタン13を操作すると、電動送風機40が駆動し吸引力を発生する。被掃除面の塵埃は、電動送風機40の吸引力により吸込まれ、本体部10の導入管14を通過し、流出口14aから吐出され、流入口2bから集塵ケース2aに流入する。流入口2bは集塵ケース2aの外側(右側)に向かって傾斜するように設けられているので、流入口2bから集塵ケース2aに流入した塵埃を含んだ空気は旋回流となる。
【0048】
実施例1では、上述したように、直線部2tの位置における集塵ケース2aの内周と、内筒21の外周との距離Wを他の部分よりも短くしているので、旋回流の旋回速度を上昇させて旋回力を向上でき、旋回流が内筒21に当たって旋回方向と逆方向に流れる剥離現象を抑制できる。また、流入口2bの延長線上において内筒21と重ならないように配置しているので、流入口2bから集塵ケース2aに流入した空気を集塵ケース2aの内側に沿ってスムーズに流すことができ、内筒21に塵埃が付着するのを抑制できる。
【0049】
集塵ケース2aに流入した旋回流は、内筒21の周囲を流れる旋回流SR1と、隙間Gを通り蓋2c側に向かって流れる旋回流SR2に分かれる。
【0050】
旋回流SR1に含まれる重量の軽い塵埃は、遠心力により空気から分離され、旋回しながら隙間Gを通り蓋2c側に移動する。そして、旋回した塵埃は、遮蔽部222a,222b,222cにより旋回を阻止され、蓋2cに溜まる。旋回流SR1から分離されなかった塵埃は、内筒21の第1フィルタ215で捕捉され、さらに第1フィルタ215を通過した微細な塵埃は、スポンジフィルタ5b、HEPAフィルタ5aで捕捉される。
【0051】
旋回流SR2に含まれる塵埃は、遠心力により空気から分離され、旋回しながら隙間Gを通り蓋2c側に移動する。旋回した塵埃は、遮蔽部222a,222b,222cにより旋回を阻止され、蓋2cに溜まる。旋回流SR2は、遮蔽部222a,222b,222cにより旋回を阻止されると共に、D字形状に形成された集塵ケース2aの直線部2tの内面によって旋回力が抑制される。そして、旋回力を抑制された空気は、平板部221に向かい、旋回流SR2から分離されなかった塵埃は、平板部221に設けられた3つの扇形状の第2フィルタ223a,223b,223cで捕捉され、さらに第2フィルタ223a,223b,223cを通過した微細な塵埃は、スポンジフィルタ5b、HEPAフィルタ5aで捕捉される。第2フィルタ223a,223b,223cで捕捉された塵埃は、電動送風機40の吸引力により圧縮されるので、集塵ケース2aの集塵量を確保することができる。
【0052】
集塵ケース2aに流入した旋回流は、集塵ケース2aの直線部2tの内面によって旋回力が抑制されるので、3つの第2フィルタ223a,223b,223cのうち、直線部2tに対向するように配置された第2フィルタ223aに流れる空気量が多くなる。
【0053】
実施例1では、第2フィルタ223aが集塵ケース2aのD字形状の直線部2tの内面に向かって扇形状が開くように配置しているので、蓋2c側に移動した塵埃が内筒21の第1フィルタ215に舞い戻ることを抑制でき、通気損失を低減し、集塵効率の低下を抑制することができる。
【0054】
図15は、蓋2cを後方から前方に向かって見た図である。集塵ケース2aの前後方向と直交する断面がY字形状に形成された3本の遮蔽部222a,222b,222cは、それぞれの開き角が120°に設定され、遮蔽部222a,222bは、集塵ケース2aのD字形状の直線部2tに向かって開くように配置されている。そして、遮蔽部222a,222bの延長方向は、集塵ケース2aの円弧部と直線部2tの接続部付近を向くように配置される。
図15において、蓋2cに向かう旋回流SR2は右回りとなっており、最終的に遮蔽部222bと直線部2tの内面で旋回力が弱まる。そして、集塵した塵埃は、遮蔽部222bの延長線上から溜まり始める。実施例1では、遮蔽部222bによって塵埃が溜まり始めるダストラインDLを設定している。ダストラインDLから溜まり始めた塵埃は、旋回方向とは逆の左回りに旋回流SR2で圧縮されながら蓄積されて行く。このように構成することにより、実施例1では、集塵ケース2aの集塵容量を確保することができる。
【0055】
以上説明したように実施例1によれば、集塵ケース2aを前後方向と直交する断面がD字形状に形成しているので、集塵部2を掃除機本体1に装着した際、上下方向の高さを小さくでき、電気掃除機100の操作性を向上することができる。
【0056】
また、実施例1によれば、第2フィルタ223aが集塵ケース2aのD字形状の直線部2tの内面に向かって扇形状が開くように配置しているので、蓋2c側に移動した塵埃が内筒21の第1フィルタに舞い戻ることを抑制でき、通気損失を低減し、集塵効率の低下を抑制することができる。
延長管300は、内部に集塵部2と連通する吸込通路を有し、一端(後方側端部)が掃除機本体1と接続され、他端(前方側端部)が吸口体400と接続される筒本体301と、筒本体301の上方外周面(上表面)に配置されたリード線302と、リード線302を覆うように筒本体301の上方外周面(上表面)に配置されたプラスチックフィルム303と、筒本体301の前方側の外周面(上表面)に配置され、プラスチックフィルム303の前方側端部(他端部)を押える前カバー304と、プラスチックフィルム303の後方側端部(一端部)を押える後カバー305と、を備えている。リード線302は、吸口体400に備えられたモータと電気的に接続される。なお、本実施例では筒本体301の上方外周面にリード線302とプラスチックフィルム303を配置しているが、配置位置は側面や下方の外周面でもよい。
プラスチックフィルム303の板厚は、100~300μmとしている。プラスチックフィルム303は、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(AC)等の何れかの材料で構成されている。プラスチックフィルム303は印刷処理を施すことにより加飾することが可能である。例えば、プラスチックフィルム303には様々な色に着色したり、模様等を施したりすることが可能である。
プラスチックフィルム303の左右端部のそれぞれには、前後方向(長手方向)に沿って複数の側面孔303aが形成されている。また、プラスチックフィルム303の前後端部のそれぞれには、複数の前面孔303bと、複数の後面孔303cと、切り欠き部303d,303eが形成されている。なお、本実施例では側面孔303aと、前面孔303bと、後面孔303cをそれぞれ複数形成しているが、これらは1つのみ形成してもよい。
筒本体301の上方外周面(上表面)には、仕切り部301bによって左右に仕切られた2つのリード線収納部301aが形成されている。リード線収納部301aには、リード線302が配置される。
また、筒本体301の左右外周面には、プラスチックフィルム303を挿入するためのフィルム挿入部301dを形成するフィルム固定部301cが備えられている。フィルム固定部301cは、筒本体301の左右外周面から所定の間隔をもって突出して設けられることにより、フィルム挿入部301dを形成している。フィルム固定部301cには、筒本体301の外周面(フィルム挿入部301d)に向かって突出したフィルム固定爪301eが形成されている。フィルム固定爪301eは、下方に向かうに従い、筒本体301の外周面に近づくように傾斜した傾斜面301e1を有している。
延長管300を組み立てるにあたっては、仕切り部301bによって左右に2つに仕切られたリード線収納部301aのそれぞれに、リード線302を配置する。次に、プラスチックフィルム303の左側もしくは右側の何れか一方の端部をフィルム挿入部301dに挿入する。このとき、プラスチックフィルム303の側面孔303aと、フィルム固定爪301eの位置が一致するようにしてプラスチックフィルム303の一方の端部をフィルム挿入部301dに挿入する。
プラスチックフィルム303の一方の端部がフィルム挿入部301dに挿入されると、側面孔303aと前後方向的に同じ位置であるプラスチックフィルム303の一方の端部がフィルム固定爪301eの傾斜面301e1によって筒本体301の外周面に近づくように案内された後、プラスチックフィルム303の側面孔303aにフィルム固定爪301eが挿入される。
次に、筒本体301の外周面に沿うようにプラスチックフィルム303を撓ませる。プラスチックフィルム303は弾性を有しているので、筒本体301の外周面に沿わせることが可能である。そして、プラスチックフィルム303の他方の端部をフィルム挿入部301dに挿入する。その後、プラスチックフィルム303の一方の端部での場合と同様の流れでプラスチックフィルム303の他方の端部に形成された側面孔303aにフィルム固定爪301eが挿入される。
筒本体301の外周面に沿うように配置されたプラスチックフィルム303は平板状に戻るように弾性力を有しているので、プラスチックフィルム303はフィルム固定部301cに押し付けられる。これにより、プラスチックフィルム303は、側面孔303aにフィルム固定爪301eが挿入された状態が維持されるので、プラスチックフィルム303は筒本体301の外周面に沿うようにして固定される。そして、リード線302はプラスチックフィルム303によって覆われる。
なお、本実施例に係るプラスチックフィルム303は平面状に形成されたものであるが、筒本体301に外周面に沿った形状、もしくはそれに近い曲面状に形成されたものでもよい。この場合、組み立て時におけるプラスチックフィルム303を撓ませる工程の負担を軽減できるほか、プラスチックフィルム303の左右両端を筒本体301のフィルム挿入部301dへ略同時に挿入するという方法も可能となる。
また、本実施例ではプラスチックフィルム303の弾性を利用した爪嵌合方式を採用しているが、両面テープや接着剤を用いて筒本体301に接着する等、他の取り付け手段を用いてもよい。
リード線302をプラスチックフィルム303で覆う際、プラスチックフィルム303の前後端部の位置において、プラスチックフィルム303とリード線302が干渉する。そこで、プラスチックフィルム303の前後端部には切り欠き部303d,303eを形成し、リード線302との干渉を抑止している。
実施例2によれば、筒本体301にプラスチックフィルム303を配置してリード線302を覆うようにしているので、リード線302を保護することができると共に、延長管300を軽量化することができる。