(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187100
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】ハロゲン含有ポリマー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 65/48 20060101AFI20251218BHJP
【FI】
C08G65/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095637
(22)【出願日】2024-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井立 寛人
(72)【発明者】
【氏名】白井 智大
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 高則
【テーマコード(参考)】
4J005
【Fターム(参考)】
4J005AA24
4J005BB01
4J005BC00
4J005BD03
4J005BD04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来公知のハロゲン含有ポリマーに比べて、ハロゲン含有率の高いハロゲン含有ポリマーを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー鎖末端に、ハロゲン含有フェノキシ末端基を含む特定の末端基群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有する、ハロゲン含有ポリマーを用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO
2-を示す。nは、平均繰り返し数を表し、実数で表される。)
で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー鎖末端に、下記一般式(2)乃至(6)
【化2】
(式中、Y、及びZは、ハロゲン原子を示し、mは1~5の実数で表される。)
からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基を含むことを特徴とする、ハロゲン含有ポリマー。
【請求項2】
一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基の割合が50~100%である、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項3】
一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基の割合が80~100%である、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項4】
一般式(1)において、Rが、炭素数1~6のアルキレン基である、請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項5】
一般式(1)において、Rが、2,2-プロピレン基である、請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項6】
Yが塩素原子であり、Zが臭素原子であり、尚且つmが、2、3、4、又は5である、請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項7】
ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が、1,000~8,000であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項8】
ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が、1,000~6,000であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項9】
ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が、1,000~4,000であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【請求項10】
塩基と、ラジカルトラップ剤と、溶媒の存在下、下記一般式(7)で表される化合物と、下記一般式(8)で表される化合物を反応させてポリマーを合成し、次いで塩基の存在下、前記ポリマーと下記一般式(9)で表される化合物を反応させることを特徴とする、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマーの製造方法。
【化3】
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO
2-を示す。)
【化4】
(式中、X、及びYは、ハロゲン原子を示す。)
【化5】
(式中、Zはハロゲン原子、mは1~5の実数を示す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃剤などに用いられる、ハロゲン含有ポリマー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
難燃剤は、樹脂と混合することで、当該樹脂に難燃性を付与する添加剤としてよく知られている。例えば、複数のハロゲン原子を有する化合物が、ハロゲン系難燃剤として古くから使用されている。なお、一部の低分子型のハロゲン系難燃剤(例えば、ポリ臭化ビフェニル類)については、その有害性のために、PoPs条約で規制対象となっている。このため近年では、生体安全性の高い高分子型のハロゲン系難燃剤が開発されている。
【0003】
高分子型の臭素系難燃剤として、例えば、テトラブロモビスフェノールAをエチレン基で連結した、耐熱性が高いハロゲン含有ポリマーが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来公知のハロゲン含有ポリマーに比べて、ハロゲン含有率の高いハロゲン含有ポリマーが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記に示す発明が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本願発明は、以下に示すハロゲン含有ポリマー及びその製造方法に係る。
【0008】
[1]
下記一般式(1)
【0009】
【0010】
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。nは、平均繰り返し数を表し、実数で表される。)
で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー鎖末端に、下記一般式(2)乃至(6)
【0011】
【0012】
(式中、Y、及びZは、ハロゲン原子を示し、mは1~5の実数で表される。)
からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基を含むことを特徴とする、ハロゲン含有ポリマー。
【0013】
[2]
一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基の割合が50~100%である、[1]に記載のハロゲン含有ポリマー。
【0014】
[3]
一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基の割合が80~100%である、[1]に記載のハロゲン含有ポリマー。
【0015】
[4]
一般式(1)において、Rが、炭素数1~6のアルキレン基である、[1]乃至[3]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【0016】
[5]
一般式(1)において、Rが、2,2-プロピレン基である、[1]乃至[3]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【0017】
[6]
Yが塩素原子であり、Zが臭素原子であり、尚且つmが、2、3、4、又は5である、[1]~[5]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【0018】
[7]
ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が、1,000~8,000であることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【0019】
[8]
ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が、1,000~6,000であることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【0020】
[9]
ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が、1,000~4,000であることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載のハロゲン含有ポリマー。
【0021】
[10]
塩基と、ラジカルトラップ剤と、溶媒の存在下、下記一般式(7)で表される化合物と、下記一般式(8)で表される化合物を反応させてポリマーを合成し、次いで塩基の存在下、前記ポリマーと下記一般式(9)で表される化合物を反応させることを特徴とする、[1]に記載のハロゲン含有ポリマーの製造方法。
【0022】
【0023】
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。)
【0024】
【0025】
(式中、X、及びYは、ハロゲン原子を示す。)
【0026】
【0027】
(式中、Zはハロゲン原子、mは1~5の実数を示す。)
【発明の効果】
【0028】
本発明のハロゲン含有ポリマーは、従来公知のハロゲン含有ポリマーに比べて、ハロゲン含有率が高いという特長を示す。
【0029】
また、本発明のポリマーは、ハロゲン含有率が高い為、従来公知のハロゲン含有ポリマーに比べて、優れた難燃性を付与できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明をさらに詳しく述べる。なお、本明細書中、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、具体的に明示する場合を除き、「~」の前後に記載される数値の単位は同じである。
【0031】
本発明の一態様は、下記一般式(1)
【0032】
【0033】
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。nは、平均繰り返し数を表し、実数で表される。)
で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー鎖末端に、下記一般式(2)乃至(6)
【0034】
【0035】
(式中、Y、及びZは、ハロゲン原子を示し、mは1~5の実数で表される。)
からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基を含むことを特徴とする、ハロゲン含有ポリマーに係る。
【0036】
上記のY、又はZで表されるハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子等があげられる。また、Zで表されるハロゲン原子は、複数種類のハロゲン原子を含んでも良い。
【0037】
上記のY、及びZについては、耐熱性や難燃性に優れる点から、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であることが好ましく、塩素原子、又は臭素原子であることがより好ましい。なお、Yは、塩素原子であることがより好ましく、Zは、臭素原子であることがより好ましい。
【0038】
上記の一般式(2)において、mは1~5の実数で表される。当該mについては、耐熱性や難燃性に優れる点から、2、3、4、又は5であることが好ましく、2、3、又は4であることがより好ましく、3であることがより好ましい。
【0039】
上記の一般式(2)で表されるフェノキシ末端基としては、特に限定するものではないが、例えば、2-ブロモフェノキシ基、3-ブロモフェノキシ基、4-ブロモフェノキシ基、2-ヨードフェノキシ基、3-ヨードフェノキシ基、4-ヨードフェノキシ基、2,3-ジクロロフェノキシ基、2,3-ジブロモフェノキシ基、2,3-ジヨードフェノキシ基、2-クロロ-3-ブロモフェノキシ基、2-クロロ-3-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-3-クロロフェノキシ基、2-ブロモ-3-ヨードフェノキシ基、2-ヨード-3-クロロフェノキシ基、2-ヨード-3-ブロモフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ基、2,4-ジブロモフェノキシ基、2,4-ジヨードフェノキシ基、2-クロロ-4-ブロモフェノキシ基、2-クロロ-4-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-4-クロロフェノキシ基、2-ブロモ-4-ヨードフェノキシ基、2-ヨード-4-クロロフェノキシ基、2-ヨード-4-ブロモフェノキシ基、2,5-ジクロロフェノキシ基、2,5-ジブロモフェノキシ基、2,5-ジヨードフェノキシ基、2-クロロ-5-ブロモフェノキシ基、2-クロロ-5-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-5-クロロフェノキシ基、2-ブロモ-5-ヨードフェノキシ基、2-ヨード-5-クロロフェノキシ基、2-ヨード-5-ブロモフェノキシ基、2,6-ジクロロフェノキシ基、2,6-ジブロモフェノキシ基、2,6-ジヨードフェノキシ基、2-ブロモ-6-クロロフェノキシ基、2-クロロ-6-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-6-ヨードフェノキシ基、3,4-ジクロロフェノキシ基、3,4-ジブロモフェノキシ基、3,4-ジヨードフェノキシ基、3-クロロ-4-ブロモフェノキシ基、3-クロロ-4-ヨードフェノキシ基、3-ブロモ-4-クロロフェノキシ基、3-ブロモ-4-ヨードフェノキシ基、3-ヨード-4-クロロフェノキシ基、3-ヨード-4-ブロモフェノキシ基、3,5-ジクロロフェノキシ基、3,5-ジブロモフェノキシ基、3,5-ジヨードフェノキシ基、3-ブロモ-4-クロロフェノキシ基、3-クロロ-5-ヨードフェノキシ基、3-ブロモ-5-ヨードフェノキシ基、2,3,4-トリクロロフェノキシ基、2,3,4-トリブロモフェノキシ基、2,3-ジクロロ-4-ブロモフェノキシ基、2,3-ジクロロ-4-ヨードフェノキシ基、2,4-ジクロロ-3-ブロモフェノキシ基、2-クロロ-3-ヨード-4-ブロモフェノキシ基、2,3-ジブロモ-4-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-3,4-ジクロロフェノキシ基、2,4-ジブロモ-3-クロロフェノキシ基、2-ヨード-3,4-ジクロロフェノキシ基、2-ヨード-3-クロロ-4-ブロモフェノキシ基、2-ヨード-3-ブロモ-4-クロロフェノキシ基、2,3,5-トリクロロフェノキシ基、2,3,5-トリブロモフェノキシ基、2,3,5-トリヨードフェノキシ基、2,5-ジクロロ-3-ブロモフェノキシ基、2-クロロ-3,5-ジブロモフェノキシ基、2-ブロモ-3,5-ジクロロフェノキシ基、2-ヨード-3,5-ジクロロフェノキシ基、2-ヨード-3,5-ジブロモフェノキシ基、2-ヨード-3-クロロ-5-ブロモフェノキシ基、2-ヨード-3-ブロモ-5-クロロフェノキシ基、2,3,6-トリクロロフェノキシ基、2,3,6-トリブロモフェノキシ基、2,3-ジクロロ-6-ブロモフェノキシ基、2,6-ジクロロ-3-ブロモフェノキシ基、2,6-ジクロロ-3-ヨードフェノキシ基、2,6-ジブロモ-3-クロロフェノキシ基、2-ブロモ-3,6-ジクロロフェノキシ基、2-ブロモ-3-クロロ-6-ヨードフェノキシ基、2-ヨード-3-クロロ-6-ブロモフェノキシ基、2-ヨード-3-ブロモ-6-クロロフェノキシ基、2,4,6-トリクロロフェノキシ基、2,4,6-トリブロモフェノキシ基、2,4,6-トリヨードフェノキシ基、2,4-ジクロロ-6-ブロモフェノキシ基、2,4-ジクロロ-6-ヨードフェノキシ基、2,6-ジクロロ-4-ブロモフェノキシ基、2,6-ジクロロ-4-ヨードフェノキシ基、2-クロロ-4,6-ジヨードフェノキシ基、2-クロロ-4-ブロモ-6-ヨードフェノキシ基、2,4-ジブロモ-6-クロロフェノキシ基、2,4-ジブロモ-6-ヨードフェノキシ基、2,6-ジブロモ-4-クロロフェノキシ基、2,6-ジブロモ-4-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-4,6-ジヨードフェノキシ基、2-ブロモ-4-クロロ-6-ヨードフェノキシ基、2-ブロモ-4-ヨード-6-クロロフェノキシ基、2,6-ジヨード-4-クロロフェノキシ基、2,6-ジヨード-4-クロロフェノキシ基、3,4,5-トリクロロフェノキシ基、3,4,5-トリブロモフェノキシ基、3,4,5-トリヨードフェノキシ基、3,4-ジクロロ-5-ブロモフェノキシ基、3,5-ジクロロ-4-ブロモフェノキシ基、3,5-ジクロロ-4-ヨードフェノキシ基、3,4-ジブロモ-5-クロロフェノキシ基、3,5-ジブロモ-4-クロロフェノキシ基、3,5-ジブロモ-4-ヨードフェノキシ基、3-ブロモ-4-ヨード-5-クロロフェノキシ基、2,3,4,5-テトラクロロフェノキシ基、2,3,4,5-テトラブロモフェノキシ基、2,3,4-トリクロロ-5-ヨードフェノキシ基、2,4-ジブロモ-3,5-ジクロロフェノキシ基、2-ブロモ-3,4,5-トリクロロフェノキシ基、2,3,4,6-テトラクロロフェノキシ基、2,3,4,6-テトラブロモフェノキシ基、2,3,4-トリクロロ-6-ブロモフェノキシ基、2,3,6-トリクロロ-4-ブロモフェノキシ基、2,4,6-トリクロロ-3-ブロモフェノキシ基、2,3-ジクロロ-4,6-ジブロモフェノキシ基、2,4-ジクロロ-3,6-ジブロモフェノキシ基、2-クロロ-3,4,6-トリブロモフェノキシ基、2,4,6-トリブロモ-3-クロロフェノキシ基、2,4,6-トリブロモ-3-ヨードフェノキシ基、2,4-ジブロモ-3,6-ジクロロフェノキシ基、2,6-ジクロロ-3,4-ジブロモフェノキシ基、2-ブロモ-3,4,6-トリクロロフェノキシ基、2,4,6-トリヨード-3-クロロフェノキシ基、2,4,6-トリヨード-3-ブロモフェノキシ基、2,6-ジヨード-3-クロロ-4-ブロモフェノキシ基、2-ヨード-3,4,6-トリクロロフェノキシ基、2,3,5,6-テトラクロロフェノキシ基、2,3,5,6-テトラブロモフェノキシ基、2,3,5-トリクロロ-6-ブロモフェノキシ基、2,3,6-トリクロロ-5-ブロモフェノキシ基、2,3,5-トリブロモ-6-クロロフェノキシ基、2,3,6-トリブロモ-5-クロロフェノキシ基、2,5-ジブロモ-3,6-ジクロロフェノキシ基、2,6-ジブロモ-3,5-ジクロロフェノキシ基、2,5-ジブロモ-3,6-ジクロロフェノキシ基、2,3,4,5,6-ペンタクロロフェノキシ基、2,3,4,5,6-ペンタブロモフェノキシ基、2,4,5,6-テトラクロロ-3-ブロモフェノキシ基、2,3,5,6-テトラクロロ-4-ブロモフェノキシ基、2,4,6-トリクロロ-3,5-ジブロモフェノキシ基、2,3,4,6-テトラブロモ-5-クロロフェノキシ基、2,3,5-トリブロモ-4,6-ジクロロフェノキシ基、2,4,5-トリブロモ-3,6-ジクロロフェノキシ基、2,4,6-トリクロロ-3-クロロ-5-ヨードフェノキシ基、2,5-ジブロモ-3,4,6-トリクロロフェノキシ基、2,6-ジブロモ-3,4,5-トリクロロフェノキシ基、又は2,4,6-トリヨード-3-ブロモ-5-ブロモフェノキシ基等が挙げられる。これらのうち、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、2,4,6-トリクロロフェノキシ基、2,4,6-トリブロモフェノキシ基、2,4,6-トリヨードフェノキシ基、2,3,4,5,6-ペンタクロロフェノキシ基、2,3,4,5,6-ペンタブロモフェノキシ基が好ましい。
【0040】
本発明の一実施形態に係るハロゲン含有ポリマーは、そのポリマー末端に、上記一般式(2)乃至(6)からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、上記一般式(2)乃至(6)で示される末端基のうち、一般式(2)で示されるフェノキシ末端基を含むことを特徴とする。このような特徴に基づき、樹脂に配合した際、従来にない、難燃性に優れたハロゲン含有ポリマーを提供することができる。
【0041】
前記の一般式(2)乃至(6)で示される末端基については、NMRによる解析で識別され、前記NMRチャートの面積比率によって算出される元素存在比率を解析することによって、その存在比率を定量することができる。
【0042】
なお、一般式(2)で示される末端基の割合については、ハロゲン含有ポリマーの難燃性に優れる点で、一般式(2)乃至(6)で示される末端基の合計を100%として、1~100%であることが好ましく、50~100%であることがより好ましく、80~100%であることがより好ましい。
【0043】
一般式(1)において、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。
【0044】
一般式(1)において、Rで表される炭素数1~6のアルキレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチレン基、エチレン基、2,2-プロピレン基、2,2-ブチレン基、ヘキサジエン基、又は1,1-シクロヘキシレン基等が挙げられる。
【0045】
Rについては、耐熱性に優れる点で、炭素数1~6のアルキレン基であることが好ましく、2,2-プロピレン基であることがより好ましい。
【0046】
一般式(1)において、nは、前記ハロゲン含有ポリマーの繰返し単位の繰返し数の平均値を表し、本発明においては、nは実数を示す。
【0047】
当該nについては、耐熱性に優れる点で、2~33の実数であることが好ましく、3~19の実数であることがより好ましく、3~6の実数であることがより好ましい。
【0048】
例えば、Rが2,2-プロピレン基であり、末端構造が2-クロロエチル基及び2,4,6-トリブロモフェノキシ基であり、nが5のとき、本発明のハロゲン含有ポリマーの理論平均分子量は、3,243になる。
【0049】
本願発明のハロゲン含有ポリマーについては、より優れた難燃効果を発現できる点で、ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって求められる標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が1,000~8,000であることが好ましく、1,000~6,000であることがより好ましく、1,000~4,000であることがさらに好ましい。
【0050】
本発明のハロゲン含有ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0~4.0であることが好ましいが、Mw/Mnが小さいほど、ポリマーの分子量分布が小さくなり、ポリマー自身の難燃性や耐熱性がより高くなる点から、Mw/Mnは1.0~3.0がより好ましく、1.0~2.0がより好ましい。
【0051】
本発明のハロゲン含有ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィー法による分子量測定の方法や条件については、ISO 16014-3:2012(JIS K 7252-3:2016)に準拠した。また、詳細条件については、実施例に示した通りである。
【0052】
本発明のハロゲン含有ポリマーについては、臭素含有量が55~60重量%であることが好ましいが、一般的に臭素含有率が高いほど、難燃剤自身の難燃性が向上する観点から、臭素含有率は56~60重量%であることが好ましい。
【0053】
本発明のハロゲン含有ポリマーの臭素含有量(重量%)については、特に限定するものではないが、燃焼-イオンクロマトグラフ法によって定量することができる。なお、燃焼-イオンクロマトグラフ法の具体的な分析方法及び分析条件についてはIEC 62321-3-2に記載されている。また、詳細条件については、実施例に示した通りである。
【0054】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法は、塩基と、ラジカルトラップ剤と、溶媒の存在下、下記一般式(7)で表される化合物と、下記一般式(8)で表される化合物を反応させてポリマーを合成し、次いで塩基の存在下、前記ポリマーと下記一般式(9)で表される化合物を反応させることを特徴とする。
【0055】
【0056】
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。)
【0057】
【0058】
(式中、X、及びYは、ハロゲン原子を示す。)
【0059】
【0060】
(式中、Zはハロゲン原子を示し、mは1~5の実数を示す。)
上記一般式(7)において、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。一般式(7)におけるRの定義及び好ましい範囲については、一般式(1)におけるRの定義及び好ましい範囲と同じである。
【0061】
上記一般式(7)で表される化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、又はビス(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジブロモフェニル)スルホンを挙げることができる。これらのうち、耐熱性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、テトラブロモビスフェノールAが好ましい。
【0062】
上記一般式(8)において、X、及びYは、ハロゲン原子を表す。
【0063】
X、又はYで表されるハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子等があげられる。
【0064】
上記のX、及びYについては、得られるポリマーの耐熱性や難燃性に優れる点から、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であることが好ましく、塩素原子、臭素原子であることがより好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
【0065】
上記一般式(8)で表される化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、二塩化エタン、二臭化エタン、二ヨウ化エタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1-クロロ-2-ヨードエタン、又は1-ブロモ-2-ヨードエタン等を挙げることができる。
【0066】
上記一般式(9)において、Zはハロゲン原子を示し、mは1~5の実数を示す。
【0067】
Zで表されるハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子等があげられる。
【0068】
前記のmが1を超える場合、一般式(9)で表されるベンゼン環に複数個のZで表されるハロゲン原子が結合することを意味する。このように一つのベンゼン環に複数のZが結合する場合、当該Zについては、単一のハロゲン原子であってもよし、2種類以上のハロゲン原子であってもよい。すなわち、Zで表されるハロゲン原子は、複数種類のハロゲン原子を含んでも良い。
【0069】
上記のZについては、得られるポリマーの耐熱性や難燃性に優れる点から、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
【0070】
上記一般式(9)で表される化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-ブロモフェノール、3-ブロモフェノール、4-ブロモフェノール、2-ヨードフェノール、3-ヨードフェノール、4-ヨードフェノール、2,3-ジクロロフェノール、2,3-ジブロモフェノール、2,3-ジヨードフェノール、2-クロロ-3-ブロモフェノール、2-クロロ-3-ヨードフェノール、2-ブロモ-3-クロロフェノール、2-ブロモ-3-ヨードフェノール、2-ヨード-3-クロロフェノール、2-ヨード-3-ブロモフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,4-ジブロモフェノール、2,4-ジヨードフェノール、2-クロロ-4-ブロモフェノール、2-クロロ-4-ヨードフェノール、2-ブロモ-4-クロロフェノール、2-ブロモ-4-ヨードフェノール、2-ヨード-4-クロロフェノール、2-ヨード-4-ブロモフェノール、2,5-ジクロロフェノール、2,5-ジブロモフェノール、2,5-ジヨードフェノール、2-クロロ-5-ブロモフェノール、2-クロロ-5-ヨードフェノール、2-ブロモ-5-クロロフェノール、2-ブロモ-5-ヨードフェノール、2-ヨード-5-クロロフェノール、2-ヨード-5-ブロモフェノール、2,6-ジクロロフェノール、2,6-ジブロモフェノール、2,6-ジヨードフェノール、2-ブロモ-6-クロロフェノール、2-クロロ-6-ヨードフェノール、2-ブロモ-6-ヨードフェノール、3,4-ジクロロフェノール、3,4-ジブロモフェノール、3,4-ジヨードフェノール、3-クロロ-4-ブロモフェノール、3-クロロ-4-ヨードフェノール、3-ブロモ-4-クロロフェノール、3-ブロモ-4-ヨードフェノール、3-ヨード-4-クロロフェノール、3-ヨード-4-ブロモフェノール、3,5-ジクロロフェノール、3,5-ジブロモフェノール、3,5-ジヨードフェノール、3-ブロモ-4-クロロフェノール、3-クロロ-5-ヨードフェノール、3-ブロモ-5-ヨードフェノール、2,3,4-トリクロロフェノール、2,3,4-トリブロモフェノール、2,3-ジクロロ-4-ブロモフェノール、2,3-ジクロロ-4-ヨードフェノール、2,4-ジクロロ-3-ブロモフェノール、2-クロロ-3-ヨード-4-ブロモフェノール、2,3-ジブロモ-4-ヨードフェノール、2-ブロモ-3,4-ジクロロフェノール、2,4-ジブロモ-3-クロロフェノール、2-ヨード-3,4-ジクロロフェノール、2-ヨード-3-クロロ-4-ブロモフェノール、2-ヨード-3-ブロモ-4-クロロフェノール、2,3,5-トリクロロフェノール、2,3,5-トリブロモフェノール、2,3,5-トリヨードフェノール、2,5-ジクロロ-3-ブロモフェノール、2-クロロ-3,5-ジブロモフェノール、2-ブロモ-3,5-ジクロロフェノール、2-ヨード-3,5-ジクロロフェノール、2-ヨード-3,5-ジブロモフェノール、2-ヨード-3-クロロ-5-ブロモフェノール、2-ヨード-3-ブロモ-5-クロロフェノール、2,3,6-トリクロロフェノール、2,3,6-トリブロモフェノール、2,3-ジクロロ-6-ブロモフェノール、2,6-ジクロロ-3-ブロモフェノール、2,6-ジクロロ-3-ヨードフェノール、2,6-ジブロモ-3-クロロフェノール、2-ブロモ-3,6-ジクロロフェノール、2-ブロモ-3-クロロ-6-ヨードフェノール、2-ヨード-3-クロロ-6-ブロモフェノール、2-ヨード-3-ブロモ-6-クロロフェノール、2,4,6-トリクロロフェノール、2,4,6-トリブロモフェノール、2,4,6-トリヨードフェノール、2,4-ジクロロ-6-ブロモフェノール、2,4-ジクロロ-6-ヨードフェノール、2,6-ジクロロ-4-ブロモフェノール、2,6-ジクロロ-4-ヨードフェノール、2-クロロ-4,6-ジヨードフェノール、2-クロロ-4-ブロモ-6-ヨードフェノール、2,4-ジブロモ-6-クロロフェノール、2,4-ジブロモ-6-ヨードフェノール、2,6-ジブロモ-4-クロロフェノール、2,6-ジブロモ-4-ヨードフェノール、2-ブロモ-4,6-ジヨードフェノール、2-ブロモ-4-クロロ-6-ヨードフェノール、2-ブロモ-4-ヨード-6-クロロフェノール、2,6-ジヨード-4-クロロフェノール、2,6-ジヨード-4-クロロフェノール、3,4,5-トリクロロフェノール、3,4,5-トリブロモフェノール、3,4,5-トリヨードフェノール、3,4-ジクロロ-5-ブロモフェノール、3,5-ジクロロ-4-ブロモフェノール、3,5-ジクロロ-4-ヨードフェノール、3,4-ジブロモ-5-クロロフェノール、3,5-ジブロモ-4-クロロフェノール、3,5-ジブロモ-4-ヨードフェノール、3-ブロモ-4-ヨード-5-クロロフェノール、2,3,4,5-テトラクロロフェノール、2,3,4,5-テトラブロモフェノール、2,3,4-トリクロロ-5-ヨードフェノール、2,4-ジブロモ-3,5-ジクロロフェノール、2-ブロモ-3,4,5-トリクロロフェノール、2,3,4,6-テトラクロロフェノール、2,3,4,6-テトラブロモフェノール、2,3,4-トリクロロ-6-ブロモフェノール、2,3,6-トリクロロ-4-ブロモフェノール、2,4,6-トリクロロ-3-ブロモフェノール、2,3-ジクロロ-4,6-ジブロモフェノール、2,4-ジクロロ-3,6-ジブロモフェノール、2-クロロ-3,4,6-トリブロモフェノール、2,4,6-トリブロモ-3-クロロフェノール、2,4,6-トリブロモ-3-ヨードフェノール、2,4-ジブロモ-3,6-ジクロロフェノール、2,6-ジクロロ-3,4-ジブロモフェノール、2-ブロモ-3,4,6-トリクロロフェノール、2,4,6-トリヨード-3-クロロフェノール、2,4,6-トリヨード-3-ブロモフェノール、2,6-ジヨード-3-クロロ-4-ブロモフェノール、2-ヨード-3,4,6-トリクロロフェノール、2,3,5,6-テトラクロロフェノール、2,3,5,6-テトラブロモフェノール、2,3,5-トリクロロ-6-ブロモフェノール、2,3,6-トリクロロ-5-ブロモフェノール、2,3,5-トリブロモ-6-クロロフェノール、2,3,6-トリブロモ-5-クロロフェノール、2,5-ジブロモ-3,6-ジクロロフェノール、2,6-ジブロモ-3,5-ジクロロフェノール、2,5-ジブロモ-3,6-ジクロロフェノール、2,3,4,5,6-ペンタクロロフェノール、2,3,4,5,6-ペンタブロモフェノール、2,4,5,6-テトラクロロ-3-ブロモフェノール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-ブロモフェノール、2,4,6-トリクロロ-3,5-ジブロモフェノール、2,3,4,6-テトラブロモ-5-クロロフェノール、2,3,5-トリブロモ-4,6-ジクロロフェノール、2,4,5-トリブロモ-3,6-ジクロロフェノール、2,4,6-トリクロロ-3-クロロ-5-ヨードフェノール、2,5-ジブロモ-3,4,6-トリクロロフェノール、2,6-ジブロモ-3,4,5-トリクロロフェノール、2,4,6-トリヨード-3-ブロモ-5-ブロモフェノール等が挙げられる。これらのうち、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、2,4,6-トリクロロフェノール、2,4,6-トリブロモフェノール、2,4,6-トリヨードフェノール、2,3,4,5,6-ペンタクロロフェノール、2,3,4,5,6-ペンタブロモフェノールが好ましい。
【0071】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、塩基は、特に限定するものではないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、又は水酸化バリウム等が挙げられる。これらのうち、耐熱性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、又は炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
【0072】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、溶媒は、基質と反応しないものであればよく、特に限定するものではないが、例えば非プロトン性の極性溶剤が挙げられる。
【0073】
前記の溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジン、N-メチルピロリドン、炭酸プロピレン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらのうち、耐熱性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが好ましい。
【0074】
前記のラジカルトラップ剤については、特に限定するものではないが、例えば、フェノール系ラジカルトラップ剤、キノン系ラジカルトラップ剤、亜リン酸エステル系ラジカルトラップ剤、アミン系ラジカルトラップ剤、及び硫黄系ラジカルトラップ剤からなる願より選ばれる少なくとも1種のラジカルトラップ剤を挙げることができる。より具体的には、特に限定するものではないが、例えば、4-メトキシフェノール、6-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、4-tert-ブチルフェノール、2,6-ジtert-ブチルフェノール、2,6-ジtert-ブチル-p-クレゾール(別名、ジブチルヒドロキシトルエン)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tertブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tertブチルフェノール)、3,6-ジヒドロキシベンゾノルボルナン、2,2’-メチレンビス(6-シクロヘキシル-p-クレゾール)、ヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、1,4-ベンゾキノン、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、4-tert-ブチルカテコール、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、ジフェニルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、アンモニウムニトロソフェニルヒドロキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、2-ベンゾイミダゾールチオール、フェノチアジン、3,3’-チオジプロピオン酸ジドデシル、3,3’-チオジプロピオン酸ジオクタデシル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリヘキシル、亜リン酸トリス(1,1,1-ヘキサフルオロ-2-プロピル)、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス(2-メチルフェニル)、亜リン酸トリス(4-メチルフェニル)、亜リン酸トリス(4-ノニルフェニル)、ペンタエリトリトールビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニルホスファイト)、又は亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)等が挙げられる。
【0075】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、上記一般式(7)で表される化合物と、上記一般式(8)で表される化合物の混合比率は、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、上記一般式(7)で表される化合物 1モル部に対して、上記一般式(8)で表される化合物が0.8~2.0モル部であることが好ましく、1.3~1.9モル部であることがより好ましく、1.5~1.8モル部であることがさらに好ましい。
【0076】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、上記一般式(7)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物を反応させる際の塩基の使用量は、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、上記一般式(7)で表される化合物 1モル部に対して、0.8~2.5モル部であることが好ましく、0.9~2.0モル部であることがより好ましく、1.0~1.8モル部であることがさらに好ましい。
【0077】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、ラジカルトラップ剤の使用量は、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、前記一般式(7)で表される化合物の100質量部に対して、0.001~10質量部であることが好ましく、0.005~8質量部であることがより好ましく、0.01~5質量部であることがさらに好ましい。
【0078】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、前記溶媒の使用量は、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、上記一般式(7)で表される化合物 100質量部に対して、200~2,000質量部であることが好ましく、250~1000質量部であることがより好ましく、250~500質量部であることがさらに好ましい。
【0079】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、上記一般式(9)で表される化合物の使用量は、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、上記一般式(7)で表される化合物の使用量 1モル部に対して、0.3~1.5モル部であることが好ましく、0.4~1.4モル部であることがより好ましく、0.4~1.3モル部であることがさらに好ましい。
【0080】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、上記一般式(7)で表される化合物と上記一般式(8)で表される化合物の反応生成物であるポリマーと上記一般式(9)で表される化合物を反応させる際の塩基の使用量は、難燃性に優れるハロゲン含有ポリマーが得られる点で、上記一般式(9)で表される化合物 1モル部に対して、0.8~2.5モル部であることが好ましく、0.9~2.0モル部であることがより好ましく、1.0~1.8モル部であることがさらに好ましい。
【0081】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法において、反応の温度は、110℃~150℃の範囲であることが好ましく、120~145℃の間の範囲であることがより好ましい。
【0082】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法の一例として、上記一般式(7)で表される化合物と、上記一般式(8)で表される化合物と、塩基と、ラジカルトラップ剤と、溶媒とを含む混合物を、撹拌しながら、110~150℃の範囲で加熱し(この段階でポリマーが得られる)、次いで、さらに一般式(9)で表される化合物と、塩基を加え、攪拌しながら、110~150℃の範囲で加熱する方法が挙げられる。
【0083】
本発明のハロゲン含有ポリマーの製造方法については、ワンポット反応で行ってもよいし、反応中間生成物であるポリマーを単離して2段階で反応を行ってもよい。
【0084】
本発明のハロゲン含有ポリマーは、樹脂に配合することによって当該樹脂に難燃性を付与することが可能である。
【0085】
当該樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩ビ酢ビ、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、又はポリアミドイミド等が挙げられる。
【0086】
前記の樹脂に対する本発明のハロゲン含有ポリマーの混合量としては、高い難燃性が付与できる点で、前記の樹脂 100質量部に対して、5~30質量部であることが好ましく、10~28質量部であることがより好ましく、12~25質量部であることがさらに好ましい。
【0087】
また、本発明のハロゲン含有ポリマーは、繊維に含浸することによって当該繊維に難燃性を付与することが可能である。
【0088】
当該繊維としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル、モダクリル、アクリレート、アセテート、レーヨン、メラミン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリアリレート、ポリフェニレンスルファイド、又はポリエーテルエステル等が挙げられる。
【0089】
本発明のハロゲン含有ポリマーは、繊維に含浸する方法としては、難燃剤を水などに分散させて、その液に繊維を浸した後、加熱乾燥させて繊維上に難燃剤を付着させる方法が挙げられる。
【実施例0090】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<重量平均分子量の測定>
実施例等で合成したハロゲン含有ポリマーについて、ゲル浸透クロマトグラフィー装置(東ソー社製、HLC-8320GPC)に分子量測定用カラム(東ソー製、TSKgel(登録商標) SuperH1000+2000+3000+5000)を接続し、テトラヒドロフラン溶離液にて流速0.6mL/分、温度40℃、かつUV(254nm)による検出条件で測定を行った。さらに標準ポリスチレンを用いて、前記サンプルの標準ポリスチレン換算重量平均分子量を測定した。その他事項については、JIS-K-7252系に準じて実施した。
<臭素含有率の定量>
分析法:燃焼-イオンクロマトグラフ法
-燃焼条件-
測定装置:三菱ケミカルアナリテック社製 AQF-2100H
試料量:4mg
燃焼温度:入口側 900℃、出口側 1000℃
吸収液組成:30mg/L 過酸化水素水
吸収液量:30mL
-IC条件-
測定装置:東ソー社製 IC-2010
分析カラム:TSKgel SuperIC-Anion HS
ガードカラム:TSKguardcolumn SuperIC-A HS
溶離液:7.5mmol/L 炭酸水素ナトリウム水溶液+0.8mmol/L 炭酸ナトリウム水溶液
流速:1.5mL/min
カラム温度:40℃
注入量:30μL
サプレッサーゲル:TSKgel suppress IC-A
検出:電気伝導度
<NMRによるポリマー末端構造の比率解析>
・装置:日本電子社製 JNM-EC 400YH
プローブ:5 mmφ OPTIMA
溶媒:1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2
試料濃度:約10%(w/v)
・1H NMR(400 MHz)、積算回数:32回
実施例で合成したポリマーサンプルについて、上記の測定条件で1H NMRを測定し、各ピークの平均積分値より末端構造の解析を行った。
<ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1
撹拌機及び還流冷却器を備えた5Lのガラス製筒形セパラブルフラスコに、テトラブロモビスフェノールA 800.0g(1.471mol)、炭酸カリウム 254.1g(1.839mol)、4-tert-ブチルフェノール 4.00g(26.6mmol)、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル) 4.01g(6.19mmol)、及びジメチルホルムアミド2100gを投入し、撹拌混合しながら130℃まで昇温させた。この温度で二塩化エタン 218.3g(2.207mol)を加え、さらに130℃にて4時間撹拌した後、室温まで放冷させた。続いて、反応液に2,4,6-トリブロモフェノール 486.6g(1.471mol)、及び炭酸カリウム 203.3g(1.471mol)を加え、130℃にて24時間撹拌した後、室温まで放冷させた。反応液にメタノールを加え、固体を析出させた。析出した固体をろ過し、水で洗浄し、次いで棚段乾燥機を用いて、110℃で乾燥させた。収率63%で白色固体状のハロゲン含有ポリマー(A)を得た。
【0091】
得られたハロゲン含有ポリマー(A)の重量平均分子量は5,000、臭素含有率は56.5重量%であった。
【0092】
また、NMRによるポリマー末端構造の比率解析の結果、本実施例のハロゲン含有ポリマーにおける上記の一般式(2)で示されるフェノキシ末端基の割合が、一般式(2)乃至(6)で示される末端基の合計を100%として、65.4%であった。
【0093】
実施例2
実施例1において、二塩化エタン 218.3g(2.207mol)に替えて、二塩化エタン 232.9g(2.354mol)に用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、収率59%で白色固体状のハロゲン含有ポリマー(B)を得た。得られたハロゲン含有ポリマー(B)の評価結果を表1に示した。
【0094】
実施例3
実施例1において、二塩化エタン 218.3g(2.207mol)に替えて、二塩化エタン 240.2g(2.427mol)に用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、収率59%で白色固体状のハロゲン含有ポリマー(C)を得た。得られたハロゲン含有ポリマー(C)の評価結果を表1に示した。
【0095】
比較例1
特開2019-77857公報に記載の実施例14の方法に従ってハロゲン含有ポリマー(D)を合成した。得られたハロゲン含有ポリマー(D)の解析結果を表1に示した。
【0096】
【0097】
表1に示した結果から、本発明のハロゲン含有ポリマーは、従来のハロゲン含有ポリマーと比較して、ハロゲン含有率が高いハロゲン含有ポリマーであることが分かる。このため、樹脂へ配合した際に優れた難燃性を付与することが期待できる。