(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187125
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20251218BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095682
(22)【出願日】2024-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 浩晃
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB59
5E223AB67
5E223AC37
5E223BA07
5E223BB01
5E223CB22
5E223CB24
5E223CB31
5E223CD15
5E223DB09
5E223DB11
5E223DB13
5E223DB36
5E223EA33
5E223EA36
5E223EB14
5E223EB33
(57)【要約】
【課題】外導体に複数の誘電体が配置される場合に複数の基板接続部の検査を行うことができ、且つ外導体のシールド性を確保し得るコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、内導体60と、内導体60を囲む誘電体80と、誘電体80を囲む外導体40と、を備える。内導体60は、誘電体80の後面側に露出して配置される基板接続部65A,69Bを有する。外導体40は、上壁部44と、上壁部44の左右端部から下方に突出する一対の側壁部45と、一対の側壁部45の間に配置される隔壁部46と、を有する。上壁部44より下方で且つ一対の側壁部45の間には、隔壁部46によって複数の収容空間47が区画されている。誘電体80の後部および基板接続部65A,69Bは、複数の収容空間47の各々に配置されている。上壁部44の後端は、複数の収容空間47の各々に対応して配置される複数の凹部54と、左右方向で隣接する凹部54の間に配置される仕切り部55と、を有する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内導体と、前記内導体を囲む誘電体と、前記誘電体を囲む外導体と、を備えたコネクタであって、
前記内導体は、前記誘電体の後面側に露出して配置される基板接続部を有し、
前記外導体は、上壁部と、前記上壁部の左右端部から下方に突出する一対の側壁部と、前記一対の側壁部の間に配置される隔壁部と、を有し、
前記上壁部より下方で且つ前記一対の側壁部の間には、前記隔壁部によって複数の収容空間が区画されており、
前記誘電体の後部および前記基板接続部は、前記複数の収容空間の各々に配置され、
前記上壁部の後端は、前記複数の収容空間の各々に対応して配置される複数の凹部と、左右方向で隣接する前記凹部の間に配置される仕切り部と、を有している、コネクタ。
【請求項2】
前記仕切り部は、前記隔壁部の上方で前記隔壁部に連続して形成されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記基板接続部における回路基板上の後端位置から上方且つ後方に延びて前記凹部を通過する仮想直線は、前後方向に対して45度から80度の範囲内で傾斜している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記内導体は、前記誘電体から下方且つ後方に突出する前記基板接続部を持った表面実装端子である、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記内導体は、前記誘電体から下方に突出する前記基板接続部を持ったスルーホール端子である、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記内導体は、前記誘電体から下方且つ後方に延びる前記基板接続部を持った表面実装端子と、前記誘電体から下方に延びる前記基板接続部を持ったスルーホール端子と、である、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記複数の収容空間のうち、一の収容空間に前記スルーホール端子が配置され、他の収容空間に前記表面実装端子が配置され、
前記複数の収容空間には、それぞれ同一形状の前記誘電体が収容される、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記凹部の凹端は、前記上壁部の上部で垂直に配置される垂直面と、前記上壁部の下部で前記垂直面から下方且つ前方に傾斜して配置される傾斜面と、を有している、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ダイキャスト製のハウジング(外導体に相当)と、コンタクト(内導体に相当)と、コンタクトを支持する支持体(誘電体に相当)と、を備えたコネクタを開示している。支持体は、ハウジングとコンタクトとの間に介在し、コンタクトをハウジングから離間させる。コンタクトは、支持体から下方且つ後方に延びる基板接続部を有している。基板接続部は、回路基板の表面に接触し、回路基板に半田付けして接続される。ハウジングには、斜め下方を向く検査用切欠き面が形成されている。特許文献1には、ハウジングより上方且つ後方にカメラを設置し、検査用切欠き面と平行な視認通路に沿って基板接続部を覗くことにより、基板接続部の半田付けの良否を検査する旨記載されている。
【0003】
特許文献2は、内導体である端子と、端子の外周を包囲する外導体としてのダイキャスト部材と、端子とダイキャスト部材との間に配置される誘電体と、を備えたコネクタを開示している。端子は、誘電体から下方且つ後方に延びる基板接続部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-102174号公報
【特許文献2】特開2023-18174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の場合、1つのハウジングに1つの支持体が配置されている。これに対し、例えば、1つのハウジングに2つの支持体が左右方向に隣接して配置され、2つの支持体の各々に支持された複数のコンタクトが左右方向に並んで配置されることもある。この場合に、仮に、各コンタクトの基板接続部を一括して覗くことが可能な1つの視認通路をハウジングに形成すると、視認通路の形成領域(切り欠き領域)が大きくなり、ハウジングのシールド性(遮蔽性)が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は、外導体に複数の誘電体が配置される場合に複数の基板接続部の検査を行うことができ、且つ外導体のシールド性を確保し得るコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、内導体と、前記内導体を囲む誘電体と、前記誘電体を囲む外導体と、を備えたコネクタであって、前記内導体は、前記誘電体の後面側に露出して配置される基板接続部を有し、前記外導体は、上壁部と、前記上壁部の左右端部から下方に突出する一対の側壁部と、前記一対の側壁部の間に配置される隔壁部と、を有し、前記上壁部より下方で且つ前記一対の側壁部の間には、前記隔壁部によって複数の収容空間が区画され、前記誘電体の後部および前記基板接続部は、前記複数の収容空間の各々に配置され、前記上壁部の後端は、前記複数の収容空間の各々に対応して配置される複数の凹部と、左右方向で隣接する前記凹部の間に配置される仕切り部と、を有している。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、外導体に複数の誘電体が配置される場合に複数の基板接続部の検査を行うことができ、外導体のシールド性を確保し得るコネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るコネクタの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るコネクタの背面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るコネクタのハウジングの正面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係るコネクタのハウジングの背面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係るコネクタの外導体の正面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係るコネクタの外導体の背面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係るコネクタにおいて、ハウジングと外導体との連続部分を拡大して示す平断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係るコネクタの内導体のうち、表面実装端子の斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係るコネクタの内導体のうち、スルーホール端子の斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係るコネクタにおいて、各スルーホール端子を装着した一の誘電体が一の収容空間に収容され、各表面実装端子を装着した他の誘電体が他の収容空間に収容された状態を示す平断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係るコネクタの誘電体の正面図である。
【
図12】
図12は、実施形態1に係るコネクタの誘電体の背面図である。
【
図13】
図13は、実施形態1に係るコネクタにおいて、各スルーホール端子を装着した誘電体と各表面実装端子を装着した誘電体とが外導体の各収容空間に対向して配置された状態を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態1に係るコネクタにおいて、各スルーホール端子の基板接続部の周囲に各グランド接続部が配置され、各表面実装端子の基板接続部の周囲に各グランド接続部が配置された状態を拡大して示す底面図である。
【
図15】
図15は、実施形態1に係るコネクタにおいて、外導体がハウジングに連結された後部の状態を拡大して示す平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態1に係るコネクタの斜視図である。
【
図17】
図17は、実施形態1に係るコネクタにおいて、各スルーホール端子を装着した誘電体が外導体の収容空間に収容された状態を示す側断面図である。
【
図18】
図18は、実施形態1に係るコネクタにおいて、各表面実装端子を装着した誘電体が外導体の収容空間に収容された状態を示す側断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態1に係るコネクタにおいて、一の収容空間に配置された各スルーホール端子の基板接続部と他の収容空間に配置された各表面実装端子の基板接続部の各々の状態を、コネクタより斜め上方から凹部を通して見た斜視図である。
【
図20】
図20は、実施形態2に係るコネクタにおいて、各スルーホール端子を装着した各誘電体が各収容空間に収容された状態を示す平断面図である。
【
図21】
図21は、実施形態2に係るコネクタにおいて、各収容空間に配置された各スルーホール端子の基板接続部の状態を、コネクタより斜め上方から凹部を通して見た斜視図である。
【
図22】
図22は、実施形態3に係るコネクタにおいて、各表面実装端子を装着した各誘電体が各収容空間に収容された状態を示す平断面図である。
【
図23】
図23は、実施形態3に係るコネクタにおいて、各収容空間に配置された各表面実装端子の基板接続部の状態を、コネクタより斜め上方から凹部を通して見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)内導体と、前記内導体を囲む誘電体と、前記誘電体を囲む外導体と、を備えたコネクタであって、前記内導体は、前記誘電体の後面側に露出して配置される基板接続部を有し、前記外導体は、上壁部と、前記上壁部の左右端部から下方に突出する一対の側壁部と、前記一対の側壁部の間に配置される隔壁部と、を有し、前記上壁部より下方で且つ前記一対の側壁部の間には、前記隔壁部によって複数の収容空間が区画されており、前記誘電体の後部および前記基板接続部は、前記複数の収容空間の各々に配置され、前記上壁部の後端は、前記複数の収容空間の各々に対応して配置される複数の凹部と、左右方向で隣接する前記凹部の間に配置される仕切り部と、を有している。
上記(1)の構成によれば、コネクタより上方且つ後方の位置から上壁部の凹部を通して基板接続部の状態(回路基板に対する基板接続部の半田付け状態等)を確認することができる。特に、誘電体の後部を配置する収容空間が複数形成され、隣接する凹部の間には仕切り部が配置されるので、仕切り部が配置されない場合に比べ、外導体のシールド性が低下するのを抑えることができる。なお、上記(1)に記載のとおり、仕切り部は、上壁部に形成されており、上壁部の下方に形成された隔壁部とは高さ位置を異にする点で、隔壁部と区別される。
【0011】
(2)上記(1)に記載のコネクタにおいて、前記仕切り部は、前記隔壁部の上方で前記隔壁部に連続して形成されていることが好ましい。
上記(2)の構成によれば、仕切り部が隔壁部と一体化されるので、仕切り部と隔壁部とが別々に形成される場合に比べ、仕切り部の強度を向上させることができる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)に記載のコネクタにおいて、前記基板接続部における回路基板上の後端位置から上方且つ後方に延びて前記凹部を通過する仮想直線は、前後方向に対して45度から80度の範囲内で傾斜していることが好ましい。
上記(3)の構成によれば、コネクタより上方且つ後方の位置から基板接続部の状態を仮想直線に沿う方向から容易に見ることができる。また、仮想直線が上記角度で傾くように、上壁部における凹部の形成範囲を適正な範囲に抑えることができるので、外導体のシールド性をより確実に確保することができる。
【0013】
(4)上記(3)に記載のコネクタにおいて、前記内導体は、前記誘電体から下方且つ後方に延びる前記基板接続部を持った表面実装端子であると良い。
上記(4)の構成によれば、コネクタより上方且つ後方の位置から表面実装端子の基板接続部の状態を仮想直線に沿う方向から容易に見ることができる。
【0014】
(5)上記(3)に記載のコネクタにおいて、前記内導体は、前記誘電体から下方に延びる前記基板接続部を持ったスルーホール端子であると良い。
上記(5)の構成によれば、コネクタより上方且つ後方の位置からスルーホール端子の基板接続部の状態を仮想直線に沿う方向から容易に見ることができる。
【0015】
(6)上記(3)に記載のコネクタにおいて、前記内導体は、前記誘電体から下方且つ後方に延びる前記基板接続部を持った表面実装端子と、前記誘電体から下方に延びる前記基板接続部を持ったスルーホール端子と、であると良い。
上記(6)の構成によれば、表面実装端子およびスルーホール端子が混在して配置される場合にあっても、コネクタより上方且つ後方の位置から表面実装端子およびスルーホール端子の各々の基板接続部の状態を仮想直線に沿う方向から容易に見ることができる。
【0016】
(7)上記(6)に記載のコネクタにおいて、前記複数の収容空間のうち、一の収容空間に前記スルーホール端子が配置され、他の収容空間に前記表面実装端子が配置され、前記複数の収容空間には、それぞれ同一形状の前記誘電体が収容されると良い。
上記(7)の構成によれば、スルーホール端子と表面実装端子が混在する場合であっても、誘電体を共用することができ、誘電体の製造コストおよび管理コストを削減できる。
【0017】
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載のコネクタにおいて、前記凹部の凹端は、前記上壁部の上部で垂直に配置される垂直面と、前記上壁部の下部で前記垂直面から下方且つ前方に傾斜して配置される傾斜面と、を有していることが好ましい。
上記(8)の構成によれば、凹部の凹端が垂直面に加えて傾斜面を有しているので、コネクタより上方且つ後方の位置から基板接続部の状態を見る際の視認性を高めることができる。また、上壁部における垂直面の前後位置を調整することにより、シールド性および視認性の両立を図ることができる。
【0018】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
<実施形態1>
本開示の実施形態1に係るコネクタ10は、いわゆるシールドコネクタであって、
図1に示すように、ハウジング20と、外導体40と、内導体60と、誘電体80と、接続部材30と、を備えている。ハウジング20は、図示しない相手コネクタに嵌合する。
図2に示すように、内導体60は、回路基板100の導電部に電気的に接続される。外導体40は、回路基板100に載せられる。なお、以下の説明において、前後方向については、ハウジング20が相手コネクタと嵌合する方向を前方とする。上下方向は、
図1および
図2の上下方向を基準とする。
図1および
図2における符号X、YおよびZは、それぞれ、前方、左方および上方を表している。
【0020】
(ハウジング20)
ハウジング20は合成樹脂製であって、
図1、
図3および
図4に示すように、前後方向に厚みを有する壁状の基部21と、基部21から前方に突出する筒状のフード部22と、を備えている。基部21は、前後方向に貫通する一つの貫通孔23を有している。基部21の後面には、複数の圧入凹部24が開口して形成されている。各圧入凹部24は、背面視で四角形状をなし、貫通孔23と連通しつつ貫通孔23の周囲に間隔をあけて配置されている。
図7に示すように、各圧入凹部24には、外導体40の後述する各圧入凸部51が圧入される。また、
図1および
図4に示すように、基部21の後面には、左右一対の装着凹部25が開口して形成されている。各装着凹部25は、基部21の上端部において上下方向に延びるスリット溝状をなし、基部21の上面に開口している。
図16に示すように、各装着凹部25には、接続部材30の後述する各装着部33が挿入されて装着される。また、基部21の上面には、左右一対の位置決め突起27が突出して形成されている。各位置決め突起27は、接続部材30の後述する切欠部36に嵌合可能とされている。
【0021】
フード部22は、貫通孔23と連通し、前方に開放されている。図示しない相手コネクタは、フード部22の内部に嵌合する。
図3に示すように、フード部22の上壁の内面には、ロック部26が突出して形成されている。ロック部26は、フード部22に嵌合した相手コネクタを係止する。
【0022】
(外導体40)
外導体40は、金属のダイキャスト製であって、
図5に示すように、四角筒状をなす左右一対の筒部41と、各筒部の後端で各筒部41を連結する板状の連結部42と、連結部42から径方向に張り出す張出部43と、を有している。さらに、外導体40は、
図6および
図16に示すように、上壁部44、左右一対の側壁部45および隔壁部46を有している。上壁部44、左右一対の側壁部45および隔壁部46は、いずれも張出部43の後面に連結され、張出部43から後方に突出している。上壁部44は、水平板状をなし、前後方向および左右方向に沿って配置されている。各側壁部45は、垂直板状をなし、上壁部44の左右両側の端部から下方に突出している。隔壁部46は、垂直板状をなし、左右方向に関して各側壁部45の間に配置され、上壁部44の左右中央部から下方に突出している。本実施形態1の場合、隔壁部46の左右方向の厚みを各側壁部45の左右方向の厚みより厚くしている。
【0023】
図16に示すように、上壁部44より下方で、且つ各側壁部45の各々と隔壁部46との間には、左右一対の収容空間47が区画されている。言い換えれば、各収容空間47は、各側壁部45によって左右外側が区画され、隔壁部46によって左右内側が区画され、下方および後方に開放されている。本実施形態1の場合、各収容空間47は、互いに同一形状(同一の左右開口幅、前後深さ)で形成されている。外導体40の各収容空間47には、誘電体80の後部が収容される。
【0024】
図5に示すように、連結部42には、左右一対の挿通孔48が形成されている。各挿通孔48は、連結部42を前後方向に貫通している。
図10に示すように、各筒部41の内部、各挿通孔48および各収容空間47は、それぞれ前後方向に連通し、後方から誘電体80を挿入可能としている。
【0025】
図5に示すように、各筒部41の内面には、複数の挿入突起49が突出して形成されている。各挿入突起49は、湾曲突状をなし、各筒部41の内面に左右方向で対をなして対向している。
図10に示すように、各挿入突起49は、誘電体80の後述する各挿入溝85(
図13を参照)の溝面に係止される。
【0026】
図5に示すように、連結部42の外面には、複数の圧入凸部51が形成されている。各圧入凸部51は、角柱状をなし、連結部42の外面における上下左右の各面に一つずつ配置されている。各圧入凸部51の後端は、張出部43に連結されている。
図7に示すように、各圧入凸部51の前端部は、左右方向に突出している。各筒部41が各貫通孔23に挿入され、各圧入凸部51の前端部が各圧入凹部24に係止されることにより(
図7を参照)、外導体40がハウジング20に連結される。
【0027】
図16に示すように、外導体40の下面には、円柱状(ピン状)をなす複数の位置決め部52が突出して形成されている。
図2に示すように、各位置決め部52は、回路基板100の位置決め孔110に挿入され、回路基板100に半田付けして固定される。
図14に示すように、外導体40の左右両側の端部における各位置決め部52は、各側壁部45の下面の前端部および後端部にそれぞれ配置されている。前端部の各位置決め部52の一部は、張出部43の下面に及んでいる。外導体40の左右中央部における各位置決め部52は、隔壁部46の下面の前端部および後端部にそれぞれ配置されている。外導体40が前後反転した不正姿勢で回路基板100に取り付けられようとすると、隔壁部46の位置決め部52が回路基板100の表面に突き当たって対応する位置決め孔110に挿入されず、これによって外導体40が不正姿勢で回路基板100に取り付けられる事態を回避している。
【0028】
また、
図14に示すように、外導体40の下面には、複数のグランド接続部53(表面実装部)が突出して形成されている。各グランド接続部53は、平坦な下面を有する扁平台状をなし、回路基板100の表面に載せられ(
図2を参照)、回路基板100の図示しないグランド導電部に半田付けして接続される。各グランド接続部53は、張出部43の下面に左右方向に間隔をあけて一対配置され、且つ各側壁部45の下面における各位置決め部52の間に配置されている。
【0029】
図16に示すように、上壁部44の後端には、複数の凹部54が形成されている。各凹部54は、上壁部44の後端において左右方向に対をなし、各収容空間47に臨むように各収容空間47に対応して配置されている。後述するように、各収容空間47に収容された複数の内導体60は、コネクタ10より上方且つ後方の位置から各凹部54を通してその端部(後述する基板接続部65A,69B)を見ることができる。
【0030】
上壁部44の後端の左右中央部には、各凹部54の間を左右方向に非連通に仕切る仕切り部55が形成されている。
図6に示すように、仕切り部55は、隔壁部46に対して上下方向に段差なく連続している。各凹部54を挟んだ左右両側のうち、仕切り部55とは反対側に位置する外側の端部には、左右一対の側端部56が形成されている。各側端部56も、各側壁部45に対して上下方向に段差なく連続している。なお、各側端部56は、各側壁部45の上方に位置し、各側壁部45とは高さ位置を異にする点で、各側壁部45と区別される。
図15に示すように、各側端部56および仕切り部55の各々の後端は、それぞれ、前後方向の同一位置に配置されている。これに対し、各凹部54の凹端(奥側で後方を向く奥端)は、各側壁部45および仕切り部55の各々の後端より前方に配置されている。
【0031】
図15に示すように、仕切り部55の左右両側の端面は、凹部54の左右内側の端面を閉塞している。仕切り部55の左右両側の端面における前端部および後端部の各々の角部は丸く湾曲している。各側端部56の左右内側の端面は、凹部54の左右外側の端面を閉塞している。各側端部56の左右内側の端面における前端部および後端部の各々の角部は丸く湾曲している。
【0032】
図17および
図18に示すように、各凹部54の凹端は、上壁部44の上部(厚み方向上部)で上下方向に垂直に配置される垂直面57と、上端部44の下部(厚み方向下部)で垂直面57から下方且つ後方に直線状に傾斜した傾斜面58と、を有している。前後方向に対する傾斜面58の傾斜角度は、30度から60度の範囲内であり、好ましくは40度から50度の範囲内であり、より好ましくは45度および45度前後である。傾斜面58の傾斜角度が上記範囲内にあれば、後述するように、内導体60の端部(基板接続部65A,69B)を見る際の視認性と外導体40のシールド性とを両立することができる。
【0033】
(内導体60)
内導体60は、導電性の金属からなる板材であって、誘電体80に保持される(
図10および
図13を参照)。本実施形態1の場合、内導体60は、
図8および
図9に示すように、表面実装端子60Aおよびスルーホール端子60Bの2種類によって構成される。表面実装端子60Aおよびスルーホール端子60Bは、いずれも板幅方向を左右方向に向けて配置されている。
【0034】
図8に示すように、表面実装端子60Aは、前後方向に長く延びる第1延出部61と、第1延出部61の後端から湾曲状の上側屈曲部62を介して下方且つ後方に傾斜しつつ延びる第2延出部63と、第2延出部63の下端から湾曲状の下側屈曲部64を介して下方且つ後方に傾斜しつつ延びる第3延出部65と、を有している。
図17および
図18に示すように、第1延出部61は、前端部を除いて誘電体80の内部に配置されている。上側屈曲部62、第2延出部63、下側屈曲部64および第3延出部65は、誘電体80の後面側に露出している。
【0035】
第1延出部61の前端部は、誘電体80の前面から前方に突出し、図示しない相手端子(相手側の内導体60)に接続可能な相手接続部66として構成される。
図8に示すように、第1延出部61は、相手接続部66より後方の位置から左右外側に突出する複数対の係止突起67を有している。各係止突起67は、爪状をなし、誘電体80に係止される(
図10を参照)。第1延出部61のうち、各係止突起67を含む後部は、相手接続部66より左右方向に幅広に形成されている。第1延出部61の後部には、各係止突起67より後方の位置から左右外側に突出する一対のストッパ部68を有している。各ストッパ部68は、平面視で四角形状をなし、誘電体80に当て止めされる(
図10を参照)。
【0036】
図8に示すように、第2延出部63は、第1延出部61および上側屈曲部62の各々より左右方向に幅広に形成されている。下側屈曲部64および第3延出部65は、互いに左右方向に同一の幅寸法を有し、表面実装端子60Aの他の部分より左右方向に幅狭に形成されている。第3延出部65は、誘電体80の後面の下端から下側屈曲部64を介して下方且つ後方に傾斜しつつ延び、回路基板100の表面に沿って配置され(
図18を参照)、回路基板100の導電部に半田付けして接続される。つまり、第3延出部65は、表面実装型の基板接続部65Aとして構成される。
【0037】
図9に示すように、スルーホール端子60Bは、表面実装端子60Aと同一形状の第1延出部61、上側屈曲部62、第2延出部63を有し、誘電体80に接触する部分の形状を表面実装端子60Aと同一としている。そして、スルーホール端子60Bは、第1延出部61、上側屈曲部62および第2延出部63に加え、第2延出部63の下端から下方に垂直に延びる第4延出部69を有している。第4延出部69は、
図2および
図19に示すように、回路基板100に形成された接続孔120に挿入され、回路基板100の導電部に半田付けして接続される。つまり、第4延出部69は、スルーホール型の基板接続部69Bとして構成される。また、第4延出部69の断面四角形の四隅部分は、プレス加工で叩いて成形される。なお、以下の説明においては、第3延出部65および第4延出部69を特に区別しない場合に、第3延出部65および第4延出部69をそれぞれ基板接続部65A,69Bと称することがある。
【0038】
(誘電体80)
誘電体80は、合成樹脂製(絶縁樹脂製)であって、全体として角ブロック状をなしている。本実施形態1の場合、同一形状の1種類の誘電体80が外導体40の2つの収容空間47にそれぞれ収容される(
図10を参照)。この1種類の誘電体80は、表面実装端子60Aおよびスルーホール端子60Bをいずれも保持可能となっている。
【0039】
誘電体80は、
図1に示すように、平面視四角形の本体部81と、本体部81の後端に連結されて上下方向に延びる背部82と、を有している。
図11および
図12に示すように、本体部81は、左右一対の端子保持孔83を有している。
図17および
図18に示すように、各端子保持孔83は、誘電体80を前後方向に貫通している。本体部81は、各端子保持孔83の後端部において左右方向に拡幅する左右一対ずつのストッパ受け部84を有している。内導体60の第1延出部61は、本体部81の後方から端子保持孔83に挿入される。内導体60の各ストッパ部68は、各ストッパ受け部84に嵌合し(
図10を参照)、内導体60の挿入動作を停止させる。第1延出部61の各係止突起67は、誘電体80の端子保持孔83の内面に食い込んで係止され、誘電体80から後方への内導体60の抜け出しを阻止する。
【0040】
本体部81の左右外側の側面には、左右一対の挿入溝85が形成されている。各挿入溝85は、本体部81の各側面を前後方向に延び、本体部81の前面に開口している。
図10に示すように、本体部81の挿入溝85の溝面には外導体40の挿入突起49が食い込んで係止される。これにより、収容空間47からの誘電体80の抜け出しが阻止される。
【0041】
図12に示すように、背部82の後面の上部には、引出凹部86が凹設されている。各端子保持孔83は、引出凹部86の凹端(奥端)に開口している。
図17および
図18に示すように、各内導体60の上側屈曲部62は、各端子保持孔83から後方に突出(露出)し、引出凹部86に配置されている。
【0042】
図12に示すように、背部82の後面の下部には、左右一対の引出部87が凹設されている。各引出部87は、上下方向に延び、上端が引出凹部86の底面に開口し、下端が背部82の下面に開口している。各引出部87の内面における左右方向で対向する側面には、複数の保持突起88が形成されている。各保持突起88は、各引出部87の側面の各々において、左右方向で対をなし、且つ上下方向に間隔をあけて配置されている。各引出部87の溝面(後方を向く奥面)は、
図17および
図18に示すように、上方から下方へ行くに従って後方に傾斜するスロープ面89になっている。背部82の各引出部87の内部には、各内導体60の第2延出部63が配置されている。各内導体60の第2延出部63は、各引出部87のスロープ面89に沿って配置され、左右両側の端面が各保持突起88に接触することで、左右方向に位置決めされる(
図2を参照)。
図17および
図18に示すように、スロープ面89の傾斜角度は、第2延出部63の傾斜角度と同一または近似している。
【0043】
(接続部材30)
接続部材30は、導電性の金属からなる板材であって、
図1に示すように、左右方向に延びる横板部31と、横板部31の前端に連結される3つの筐体接続部32と、横板部31の左右両側の端部から下方に突出する左右一対の装着部33と、横板部31の後端の左右中央部から後方且つ下方に突出する外導体接続部34と、を有している。
図16に示すように、横板部31は、ハウジング20の基部21の上面に載せられる。横板部31の後端縁には、左右一対の切欠部36が形成されている。
図16に示すように、各切欠部36に各位置決め突起27が嵌合することにより、ハウジング20に対する接続部材30の位置ずれを阻止する。
【0044】
各筐体接続部32は、横板部31の前端に対して左右方向に間隔をあけて並んで連結されている。各筐体接続部32は、横板部31の前端から前方に突出し、さらにその前端から後方に折り返されている。各筐体接続部32は、上下方向に弾性変形可能とされ、図示しない筐体の壁面に接触してグランド接続される。各装着部33は、ハウジング20に各装着凹部25に挿入され、左右外側に突出する係止爪35(
図1を参照)を各装着凹部25の内面に係止させることで、ハウジング20からの接続部材30の抜け出しを阻止する。外導体接続部34は、前後方向に弾性変形可能とされ、張出部43の後面に接触して外導体40に電気的に接続される。
【0045】
(コネクタ10の作用)
コネクタ10の組み付けに際し、
図13に示すように、各内導体60を装着した各誘電体80が外導体40の各収容空間47に後方から挿入される。
図17および
図18に示すように、誘電体80は、外導体40の内部において、収容空間47、挿通孔48および筒部41の内部にわたって収容される。本実施形態1の場合、各誘電体80のうち、一の誘電体80(
図13の右側の誘電体80)に各スルーホール端子60Bが装着され、他の誘電体80(
図13の左側の誘電体80)に各表面実装端子60Aが装着される。なお、各スルーホール端子60Bおよび各表面実装端子60Aは、外導体40に各誘電体80を収容した後、各誘電体80に装着されても良い。
【0046】
外導体40への各誘電体80の収容後または収容前、外導体40がハウジング20に連結される。
図15に示すように、外導体40がハウジング20に連結されると、連結部42の張出部43がハウジング20の基部21の後面に接触可能に対向し、各装着凹部25の後面開口が張出部43によって閉塞される。そして、
図16に示すように、接続部材30がハウジング20と外導体40とに跨るようにして装着される。これにより、コネクタ10の組み付けが完了する。
【0047】
その後、
図2に示すように、コネクタ10が回路基板100に取り付けられる。外導体40の各位置決め部52は、各位置決め孔110に挿入され、回路基板100に半田付けして固定される。各スルーホール端子60Bの第4延出部69(基板接続部69B)は、各接続孔120に挿入され、回路基板100の導電部に半田付けして接続される。各表面実装端子60Aの第3延出部65(基板接続部65A)は、回路基板100の表面に載せられ、回路基板100の導電部に半田付けして接続される。また、外導体40の各グランド接続部53は、回路基板100の表面に載せられ、回路基板100のグランド導電部に半田付けして接続される。これらの半田付け作業はリフローにより一括して行うことができる。
【0048】
図14に示すように、各表面実装端子60Aの第3延出部65とこの第3延出部65の周囲(前方および左右外側)に位置する各グランド接続部53との間の離間距離は、各スルーホール端子60Bの第4延出部69とこの第4延出部69の周囲に位置する各グランド接続部53との間の離間距離と同一または近似している。また、基板接続部65A,69Bとその前方に位置するグランド接続部53との間の離間距離は、基板接続部65A,69Bとその左右外側に位置するグランド接続部53との間の離間距離と同一または近似している。これにより、表面実装端子60Aとスルーホール端子60Bとの間および基板接続部65A,69Bの周囲に一定の安定したシールド環境を形成できる。
【0049】
図17および
図19に示すように、回路基板100の導電部に対する各スルーホール端子60Bの第4延出部69の半田付け状態S1(
図19を参照)は、コネクタ10より上方且つ後方の位置から凹部54の内部を通して見ることができる。本実施形態1の場合、
図17に示すように、各スルーホール端子60Bの第4延出部69の後端(回路基板100上の後端)から凹部54の内部における任意の一点を通って上方且つ後方に延びる仮想直線VL1は、前後方向に対して45度から75度の範囲内で傾斜し、好ましくは50度から70度の範囲内で傾斜し、より好ましくは55度から65度の範囲内で傾斜している。よって、コネクタ10より上方且つ後方の位置から仮想直線VL1に沿って各スルーホール端子60Bの第4延出部69の後端を見ることにより、第4延出部69の後端を含む部分が回路基板100の導電部に適正に半田付けされているのかどうかを確認することができる。
【0050】
同様に、
図18および
図19に示すように、回路基板100の導電部に対する各表面実装端子60Aの第3延出部65の半田付け状態S2(
図19を参照)は、コネクタ10より上方且つ後方の位置(作業者の視点位置またはカメラ位置)から凹部54の内部を通して見ることができる。本実施形態1の場合、各表面実装端子60Aの第3延出部65の後端から凹部54の内部における任意の一点を通って上方且つ後方に延びる仮想直線VL2は、前後方向に対して50度から80度の範囲内で傾斜し、好ましくは55度から75度の範囲内で傾斜し、より好ましくは60度から70度の範囲内で傾斜している。よって、コネクタ10より上方且つ後方の位置から仮想直線VL2に沿って各表面実装端子60Aの第3延出部65の後端を見ることにより、第3延出部65の後端を含む部分が回路基板100の導電部に適正に半田付けされているのかどうかを確認することができる。
【0051】
言い換えれば、
図19に示すように、各収容空間47のうち、一の収容空間47に配置された各スルーホール端子60Bの基板接続部69Bの半田付け状態S1は、この一の収容空間47に対応する凹部54を通る仮想直線VL1に対応した視線に沿って確認することができる。同様に、各収容空間47のうち、他の収容空間47に配置された各表面実装端子60Aの基板接続部65Aの半田付け状態S2は、この他の収容空間47に対応する凹部54を通る仮想直線VL2に対応した視線に沿って確認することができる。前後方向に対する仮想直線VL1,VL2の傾斜角度は、前後方向に対する傾斜面58の傾斜角度より小さいので、凹部54を通る仮想直線VL1,VL2の視野が傾斜面58によって遮られることはなく、基板接続部65A,69Bの状態を見る際の視認性に優れる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態1のコネクタ10は、内導体60と、内導体60を囲む誘電体80と、誘電体80を囲む外導体40と、を備えている。内導体60は、誘電体80の後面側に露出して配置される基板接続部65A,69Bを有している。外導体40は、上壁部44と、上壁部44の左右端部から下方に突出する一対の側壁部45と、一対の側壁部45の間に配置される隔壁部46と、を有している。上壁部44より下方で且つ一対の側壁部45の間には、隔壁部46によって複数の収容空間47が区画されている。誘電体80の後部および基板接続部65A,69Bは、複数の収容空間47の各々に配置されている。上壁部44の後端は、複数の収容空間47の各々に対応して配置される複数の凹部54と、左右方向で隣接する凹部54の間に配置される仕切り部55と、を有している。
【0053】
上記構成によれば、コネクタ10より上方且つ後方の位置から上壁部44の凹部54を通して基板接続部65A,69Bの状態(回路基板100に対する基板接続部65A,69Bの半田付け状態S1,S2等)を確認することができる。特に、誘電体80の後部を配置する収容空間47が複数形成され、隣接する凹部54の間には仕切り部55が配置されるので、仕切り部55が配置されない場合に比べ、外導体40のシールド性が低下するのを抑えることができる。しかも、仕切り部55が隔壁部46に連続して一体的に形成されているので、仕切り部55が独立して形成される場合に比べ、仕切り部55の強度を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態1の場合、基板接続部65A,69Bの回路基板100上の後端位置から上方且つ後方に延びて凹部54を通過する仮想直線VL1,VL2は、前後方向に対して45度から80度の範囲内で傾斜している。これによれば、コネクタ10より上方且つ後方の位置から基板接続部65A,69Bの状態を仮想直線VL1,VL2に沿う方向から容易に見ることができる。また、仮想直線VL1,VL2が上記角度で傾くように、上壁部44における凹部54の形成範囲を適正な範囲に抑えることができるので、外導体40のシールド性をより確実に確保することができる。
【0055】
特に、内導体60が誘電体80から下方に延びる基板接続部69Bを持ったスルーホール端子60Bと誘電体80から下方且つ後方に延びる基板接続部65Aを持った表面実装端子60Aとによって構成されるので、コネクタ10より上方且つ後方の位置から表面実装端子60Aおよびスルーホール端子60Bの各々の基板接続部65A,69Bの状態を仮想直線VL1,VL2に沿う方向から容易に見ることができる。
【0056】
さらに、本実施形態1の場合、各収容空間47のうち、一の収容空間47にスルーホール端子60Bが配置され、他の収容空間47に表面実装端子60Aが配置されている。そして、各誘電体80が互いに同一形状であるので、スルーホール端子60Bと表面実装端子60Aが混在する場合であっても、誘電体80を共用することができ、誘電体80の製造コストおよび管理コストを削減できる。
【0057】
さらに、凹部54の凹端は、上壁部44の上部で垂直に配置される垂直面57と、上壁部44の下部で垂直面57から下方且つ前方に傾斜して配置される傾斜面58と、を有している。凹部54の凹端が垂直面57に加えて傾斜面58を有しているので、コネクタ10より上方且つ後方の位置から基板接続部65A,69Bの状態を見る際の視認性を高めることができる。そして、上壁部44における垂直面57の前後位置を調整することにより、シールド性および視認性の両立を図ることができる。
【0058】
<実施形態2>
本開示の実施形態2に係るコネクタ10は、
図20および
図21に示すように、内導体60がスルーホール端子60Bのみによって構成されている。スルーホール端子60B、誘電体80、外導体40、ハウジング20および接続部材30の各々の構造は、実施形態1と同様である。
【0059】
各スルーホール端子60Bは、2本を1組として、2つの誘電体80にそれぞれ装着される。上記実施形態1に記載したように、各誘電体80は互いに同一形状である。各スルーホール端子60Bが各誘電体80に装着された状態で、各スルーホール端子60Bの第4延出部69(基板接続部69B)は、各誘電体80のスロープ面89の下端より下方に突出している。そして、各スルーホール端子60Bを装着した各誘電体80は、外導体40の各収容空間47にそれぞれ挿入されて収容される。コネクタ10が回路基板100に取り付けられると、各スルーホール端子60Bの第4延出部69は、回路基板100の各接続孔120に挿入され、回路基板100の導電部に半田付けして接続される。
図21に示すように、回路基板100の表面上における各スルーホール端子60Bの第4延出部69の半田付け状態S1は、コネクタ10より上方且つ後方の位置から仮想直線VL1に沿いつつ各収容空間47に対向する凹部54の内部を通して、いずれも視認することができる。
【0060】
<実施形態3>
本開示の実施形態3に係るコネクタ10は、
図22および
図23に示すように、内導体60が表面実装端子60Aのみによって構成されている。表面実装端子60A、誘電体80、外導体40、ハウジング20および接続部材30の各々の構成は、実施形態1と同様である。
【0061】
各表面実装端子60Aは、2本を1組として、2つの誘電体80にそれぞれ装着される。上記実施形態1に記載したように、各誘電体80は互いに同一形状である。各表面実装端子60Aが各誘電体80に装着された状態で、各表面実装端子60Aの第3延出部65(基板接続部65A)は、各誘電体80のスロープ面89の下端より下方で且つ後方に向けて突出している。そして、各表面実装端子60Aを横着した各誘電体80は、外導体40の各収容空間47にそれぞれ挿入されて収容される。コネクタ10が回路基板100に取り付けられると、各表面実装端子60Aの第3延出部65は、回路基板100の表面に沿って配置され、回路基板100の導電部に半田付けして接続される。
図23に示すように、回路基板100の表面上における各表面実装端子60Aの第3延出部65の半田付け状態S2は、コネクタ10より上方且つ後方の位置から仮想直線VL2に沿いつつ各収容空間47に対向する凹部54の内部を通して、いずれも視認することができる。
【0062】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された上記実施形態1-3はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態1-3の場合、隔壁部は、左右一対の側壁部の間に1つ形成されていた。これに対し、他の実施形態によれば、隔壁部は、左右一対の側壁部の間に複数(2つ以上)形成されていても良い。複数の隔壁部が外導体に形成される場合、左右一対の側壁部の間には、3つ以上の収容空間が形成されることとなる。
上記実施形態1-3の場合、仕切り部は、隔壁部の上方に、隔壁部に段差無く連続して形成されていた。これに対し、他の実施形態によれば、仕切り部は、隔壁部の上方に、隔壁部に段差をもって連続し、あるいは隔壁部と非連続に形成されていても良い。
上記実施形態1-3の場合、凹部の凹端は、垂直面と傾斜面とで構成されていた。これに対し、他の実施形態によれば、凹部の凹端は、垂直面のみで構成されていても良い。あるいは、凹部の凹端は、傾斜面のみで構成されていても良い。
上記実施形態1-3の場合、回路基板に対する基板接続部の半田付け状態が凹部を通して視認可能であった。これに対し、他の実施形態によれば、単に回路基板に対する基板接続部の設置状態が凹部を通して視認可能であっても良い。
上記実施形態1-3の場合、誘電体には、スルーホール端子と表面実装端子のいずれか一方が装着された。これに対し、他の実施形態によれば、誘電体には、スルーホール端子と表面実装端子の双方が装着されても良い。
【符号の説明】
【0063】
10…コネクタ
20…ハウジング
21…基部
22…フード部
23…貫通孔
24…圧入凹部
25…装着凹部
26…ロック部
27…位置決め突起
30…接続部材
31…横板部
32…筐体接続部
33…装着部
34…外導体接続部
35…係止爪
36…切欠部
40…外導体
41…筒部
42…連結部
43…張出部
44…上壁部
45…側壁部
46…隔壁部
47…収容空間
48…挿通孔
49…挿入突起
51…圧入凸部
52…位置決め部
53…グランド接続部
54…凹部
55…仕切り部
56…側端部
57…垂直面
58…傾斜面
60…内導体
60A…表面実装端子
60B…スルーホール端子
61…第1延出部
62…上側屈曲部
63…第2延出部
64…下側屈曲部
65…第3延出部
65A,69B…基板接続部
66…相手接続部
67…係止突起
68…ストッパ部
69…第4延出部
80…誘電体
81…本体部
82…背部
83…端子保持孔
84…ストッパ受け部
85…挿入溝
86…引出凹部
87…引出部
88…保持突起
89…スロープ面
100…回路基板
110…位置決め孔
120…接続孔
S1,S2…半田付け状態
VL1,VL2…仮想直線