(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187254
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20251218BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20251218BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20251218BHJP
【FI】
H04N1/00 885
B41J29/38 104
G06F1/26 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095905
(22)【出願日】2024-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】磯田 康吉
【テーマコード(参考)】
2C061
5B011
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061HJ10
2C061HK08
2C061HN15
2C061HN22
2C061HQ20
5B011EA10
5B011EB08
(57)【要約】
【課題】電力消費装置が接続されている電子機器において、電力消費装置に必要な電力を供給する。
【解決手段】プリンタ3は、CPU31および制御IC39を含む制御部と、オプション部50、60、70を接続するためのオプションI/F部41~43とを備える。制御部は、USB PD規格に従い、電源アダプタ1から一次電力の供給を受け、その後に一次電力とは異なる二次電力を電源アダプタ1に要求する電力ネゴシエーションを行う。制御部は、電力ネゴシエーションにおいて二次電力を要求する前に、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70が必要とする電力の供給条件を取得し(S31)、取得した供給条件に基づいて二次電力を決定する(S32~S41)。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給装置から電力の供給を受ける電子機器であって、
制御部と、
電力消費装置を接続するための接続部と、を備え、
上記制御部は、
通信ケーブルによる給電に関する規格に従い、上記電力供給装置から一次電力の供給を受け、その後に上記一次電力とは異なる二次電力を上記電力供給装置に要求する電力ネゴシエーションを行い、
上記電力ネゴシエーションにおいて上記二次電力を要求する前に、上記接続部に接続された上記電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した上記供給条件に基づいて上記二次電力を決定する電子機器。
【請求項2】
上記規格は、USB PD規格である請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記電力消費装置がCPUを有する場合に、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力の少なくとも一部を上記電力消費装置に供給して上記CPUを動作させ、上記CPUから上記供給条件を取得する請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記電力消費装置が第1記憶部を有する場合に、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力の少なくとも一部を上記電力消費装置に供給して、上記第1記憶部から上記供給条件を取得する請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
上記電力消費装置の識別子に対応づけて上記供給条件を記憶する第2記憶部をさらに備え、
上記電力消費装置が上記電力消費装置の識別子を示す信号を出力する回路を有する場合に、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力を用いて上記回路から上記信号を出力させ、出力された上記信号が示す上記識別子に対応する上記供給条件を上記第2記憶部から取得する請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
上記電力消費装置に上記一次電力を供給したときの消費電力に対応づけて上記供給条件を記憶する第2記憶部をさらに備え、
上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力にて上記電力消費装置を動作させたときの消費電力を取得し、取得した上記消費電力に対応する上記供給条件を上記第2記憶部から取得する請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
上記接続部の識別子を含む接続リストを記憶する第2記憶部をさらに備え、
上記制御部は、上記電力供給装置から上記一次電力の供給を受け、その後に、
上記接続リストに含まれる各識別子について、上記識別子で特定される上記接続部に上記電力消費装置が接続されているか否かを判断する判断処理と、
上記判断処理で上記電力消費装置が接続されていると判断した場合に、上記電力消費装置について上記供給条件を取得する取得処理と、を実行し、
上記接続リストに含まれるすべての識別子について上記判断処理および上記取得処理を実行した後に、上記取得処理で取得したすべての上記供給条件に基づく上記二次電力を上記電力供給装置に要求する請求項2に記載の電子機器。
【請求項8】
上記制御部は、少なくとも通常モードと速度優先モードとを有しており、
上記通常モードでは、上記電子機器の消費電力と、接続された上記電力消費装置の上記供給条件とに基づき、上記電子機器と上記電力消費装置とが動作したときの動作条件に応じた上記二次電力を上記電力供給装置に要求し、
上記速度優先モードでは、上記電子機器の消費電力と上記供給条件を満たす電力とを合計した上記二次電力を上記電力供給装置に要求する請求項2に記載の電子機器。
【請求項9】
上記制御部は、少なくとも通常モードと電力優先モードとを有しており、
上記通常モードでは、上記電子機器の消費電力と、接続された上記電力消費装置の上記供給条件とに基づき、上記電子機器と上記電力消費装置とが動作したときの動作条件に応じた上記二次電力を上記電力供給装置に要求し、
上記電力優先モードでは、上記電子機器と、接続された上記電力消費装置とが上記通常モードよりも消費電力が小さくなる動作条件で動作したときの消費電力を上記二次電力として上記電力供給装置に要求する請求項2に記載の電子機器。
【請求項10】
上記制御部は、
上記電子機器および上記電力消費装置の少なくとも1つの動作条件をユーザから指定可能に構成されており、
ユーザから指定された上記電子機器および上記電力消費装置がユーザから指定された上記動作条件に従い動作する場合について、上記電子機器の消費電力と取得した上記供給条件とに基づく上記二次電力を上記電力供給装置に要求する請求項2に記載の電子機器。
【請求項11】
上記接続部の識別子および優先度を含む接続リストを記憶する第2記憶部をさらに備え、
上記制御部は、上記電力消費装置について取得した上記供給条件に基づき上記二次電力を決定するときに、上記接続部に接続されたすべての上記電力消費装置に上記供給条件を満たす電力を供給できないと判断した場合には、上記接続リストを参照して優先度が低い上記接続部に接続された上記電力消費装置の上記供給条件を除いて上記二次電力を決定する請求項2に記載の電子機器。
【請求項12】
被記録媒体に画像を記録する画像記録部、および被記録媒体から画像を読み取るスキャナの少なくとも一方をさらに備えた請求項1から11のいずれかに記載の電子機器。
【請求項13】
上記電力消費装置は、CPUおよび記憶部を有するスキャナユニット、インクジェットヘッド、およびカッターユニットのいずれかである請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
上記電力消費装置は、記憶部を有するメンテナンスユニット、搬送ユニット、ロール紙ユニット、およびADFのいずれかである請求項12に記載の電子機器。
【請求項15】
上記電力消費装置は、CPUおよび記憶部を有しないカッターユニット、およびオプショントレイのいずれかである請求項12に記載の電子機器。
【請求項16】
上記電力消費装置は、CPUおよびメモリを有する外部装置であって、パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、および通信装置のいずれかである請求項12に記載の電子機器。
【請求項17】
電力供給装置から電力の供給を受ける電子機器であって、
制御部と、
電力消費装置を接続するための接続部と、を備え、
上記制御部は、USB PD規格に従い上記電力供給装置から一次電力の供給を受けている状態で、上記接続部に接続された上記電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した上記供給条件に基づく二次電力を上記電力供給装置に要求する電力ネゴシエーションを行う電子機器。
【請求項18】
電力供給装置から電力の供給を受ける電子機器であって、
制御部と、
電力消費装置を接続するための接続部と、を備え、
上記電力供給装置に接続されていない状態から上記電力供給装置に接続された状態に変化した後に、通信ケーブルによる給電に関する規格に従い上記電力供給装置から一次電力の供給を受け、上記制御部は上記一次電力により動作を開始し、
上記制御部は、動作開始後に、上記接続部に接続された上記電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した上記供給条件に基づき、上記一次電力より多い二次電力を上記電力供給装置に要求する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関し、特に、電力消費装置を接続可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ケーブルによる給電に関する規格として、USB PD(Universal Serial Bus Power Delivery)規格が知られている。特許文献1には、電力ソースとの間でUSB PD規格に準拠して電力ネゴシエーションを行うプリンタが記載されている。特許文献1に記載のプリンタは、電力ソースから一次電力の供給を受けた後に電力ソースとの間で電力ネゴシエーションを行い、その後、電力ソースから電力ネゴシエーションで合意された二次電力の供給を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたプリンタは、電力ネゴシエーションの際に、電力ソースにプリンタ自身が消費する量の電力を要求する。このため、プリンタに電力消費装置の一例であるオプション部が接続されている場合、プリンタは、電力ネゴシエーションを行った後に二次電力の供給を受けても、オプション部に必要な電力を供給できないことがある。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力消費装置が接続されている電子機器において、電力消費装置に必要な電力を供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本開示の電子機器は、電力供給装置から電力の供給を受ける電子機器であって、制御部と、電力消費装置を接続するための接続部と、を備える。上記制御部は、通信ケーブルによる給電に関する規格に従い、上記電力供給装置から一次電力の供給を受け、その後に上記一次電力とは異なる二次電力を上記電力供給装置に要求する電力ネゴシエーションを行い、上記電力ネゴシエーションにおいて上記二次電力を要求する前に、上記接続部に接続された上記電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した上記供給条件に基づいて上記二次電力を決定する。
【0007】
上記の電子機器は、USB PD規格などの通信ケーブルによる給電に関する規格に従い、電力供給装置から一次電力を一旦受け、電子機器の動作に必要な二次電力を電力供給装置に要求する電力ネゴシエーションを行い、その後に電力供給装置から二次電力を受ける。電力ネゴシエーションの際に電子機器自身が消費する電力を電力供給装置に要求する電子機器では、電力消費装置が接続されている場合に、電力ネゴシエーションを行った後に二次電力の供給を受けても、電力消費装置に必要な電力を供給できないことがある。上記の電子機器によれば、接続部に接続された電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した供給条件に基づく二次電力を電力供給装置に要求することにより、電力消費装置が接続されている場合に、電力消費装置に必要な電力を供給できるようになり、電力消費装置に必要な電力を供給できる。
【0008】
(2) 好ましくは、上記規格は、USB PD規格であってもよい。
【0009】
(3) 好ましくは、上記電力消費装置がCPUを有する場合に、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力の少なくとも一部を上記電力消費装置に供給して上記CPUを動作させ、上記CPUから上記供給条件を取得してもよい。
【0010】
(4) 好ましくは、上記電力消費装置が第1記憶部を有する場合に、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力の少なくとも一部を上記電力消費装置に供給して、上記第1記憶部から上記供給条件を取得してもよい。
【0011】
(5) 好ましくは、上記電子機器は、上記電力消費装置の識別子に対応づけて上記供給条件を記憶する第2記憶部をさらに備え、上記電力消費装置が上記電力消費装置の識別子を示す信号を出力する回路を有する場合に、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力を用いて上記回路から上記信号を出力させ、出力された上記信号が示す上記識別子に対応する上記供給条件を上記第2記憶部から取得してもよい。
【0012】
(6) 好ましくは、上記電子機器は、上記電力消費装置に上記一次電力を供給したときの消費電力に対応づけて上記供給条件を記憶する第2記憶部をさらに備え、上記制御部は、上記電力供給装置から供給された上記一次電力にて上記電力消費装置を動作させたときの消費電力を取得し、取得した上記消費電力に対応する上記供給条件を上記第2記憶部から取得してもよい。
【0013】
(7) 好ましくは、上記電子機器は、上記接続部の識別子を含む接続リストを記憶する第2記憶部をさらに備え、上記制御部は、上記電力供給装置から上記一次電力の供給を受け、その後に、上記接続リストに含まれる各識別子について、上記識別子で特定される上記接続部に上記電力消費装置が接続されているか否かを判断する判断処理と、上記判断処理で上記電力消費装置が接続されていると判断した場合に、上記電力消費装置について上記供給条件を取得する取得処理と、を実行し、上記接続リストに含まれるすべての識別子について上記判断処理および上記取得処理を実行した後に、上記取得処理で取得したすべての上記供給条件に基づく上記二次電力を上記電力供給装置に要求してもよい。
【0014】
(8) 好ましくは、上記制御部は、少なくとも通常モードと速度優先モードとを有しており、上記通常モードでは、上記電子機器の消費電力と、接続された上記電力消費装置の上記供給条件とに基づき、上記電子機器と上記電力消費装置とが動作したときの動作条件に応じた上記二次電力を上記電力供給装置に要求し、上記速度優先モードでは、上記電子機器の消費電力と上記供給条件を満たす電力とを合計した上記二次電力を上記電力供給装置に要求してもよい。
【0015】
(9) 好ましくは、上記制御部は、少なくとも通常モードと電力優先モードとを有しており、上記通常モードでは、上記電子機器の消費電力と、接続された上記電力消費装置の上記供給条件とに基づき、上記電子機器と上記電力消費装置とが動作したときの動作条件に応じた上記二次電力を上記電力供給装置に要求し、上記電力優先モードでは、上記電子機器と、接続された上記電力消費装置とが上記通常モードよりも消費電力が小さくなる動作条件で動作したときの消費電力を上記二次電力として上記電力供給装置に要求してもよい。
【0016】
(10) 好ましくは、上記制御部は、上記電子機器および上記電力消費装置の少なくとも1つの動作条件をユーザから指定可能に構成されており、ユーザから指定された上記電子機器および上記電力消費装置がユーザから指定された上記動作条件に従い動作する場合について、上記電子機器の消費電力と取得した上記供給条件とに基づく上記二次電力を上記電力供給装置に要求してもよい。
【0017】
(11) 好ましくは、上記電子機器は、上記接続部の識別子および優先度を含む接続リストを記憶する第2記憶部をさらに備え、上記制御部は、上記電力消費装置について取得した上記供給条件に基づき上記二次電力を決定するときに、上記接続部に接続されたすべての上記電力消費装置に上記供給条件を満たす電力を供給できないと判断した場合には、上記接続リストを参照して優先度が低い上記接続部に接続された上記電力消費装置の上記供給条件を除いて上記二次電力を決定してもよい。
【0018】
(12) 好ましくは、上記電子機器は、被記録媒体に画像を記録する画像記録部、および被記録媒体から画像を読み取るスキャナの少なくとも一方をさらに備えてもよい。
【0019】
(13) 好ましくは、上記電力消費装置は、CPUおよび記憶部を有するスキャナユニット、インクジェットヘッド、およびカッターユニットのいずれかであってもよい。
【0020】
(14) 好ましくは、上記電力消費装置は、記憶部を有するメンテナンスユニット、搬送ユニット、ロール紙ユニット、およびADFのいずれかであってもよい。
【0021】
(15) 好ましくは、上記電力消費装置は、CPUおよび記憶部を有しないカッターユニット、およびオプショントレイのいずれかであってもよい。
【0022】
(16) 好ましくは、上記電力消費装置は、CPUおよびメモリを有する外部装置であって、パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、および通信装置のいずれかであってもよい。
【0023】
(17) 本開示の電子機器は、電力供給装置から電力の供給を受ける電子機器であって、制御部と、電力消費装置を接続するための接続部と、を備える。上記制御部は、USB PD規格に従い上記電力供給装置から一次電力の供給を受けている状態で、上記接続部に接続された上記電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した上記供給条件に基づく二次電力を上記電力供給装置に要求する電力ネゴシエーションを行う。
【0024】
(18) 本開示の電子機器は、電力供給装置から電力の供給を受ける電子機器であって、制御部と、電力消費装置を接続するための接続部と、を備える。上記電子機器は、上記電力供給装置に接続されていない状態から上記電力供給装置に接続された状態に変化した後に、通信ケーブルによる給電に関する規格に従い上記電力供給装置から一次電力の供給を受け、上記制御部は上記一次電力により動作を開始する。上記制御部は、動作開始後に、上記接続部に接続された上記電力消費装置が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した上記供給条件に基づき、上記一次電力より多い二次電力を上記電力供給装置に要求する。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、電力消費装置が接続されている電子機器において、電力消費装置に必要な電力を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、実施形態に係るプリンタ3の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2(A)は、プリンタ3のメモリ32に記憶された接続リスト81を示す図である。
図2(B)は、メモリ32に記憶された供給条件テーブル82を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示される電源アダプタ1のケーブル接続時の動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、プリンタ3のケーブル接続時の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示される要求電力決定処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に示される供給条件取得処理のフローチャートである。
【
図7】
図7(A)は、プリンタ3に接続されたオプション部の例を示す図である。
図7(B)は、プリンタ3に接続されたオプション部の他の例を示す図である。
【
図8】
図8(A)は、プリンタ3に接続されたオプション部の他の例を示す図である。
図8(B)は、プリンタ3に接続された外部装置の例を示す図である。
【
図9】
図9(A)は、速度優先モードで動作するプリンタ3に接続された電源アダプタ1に他の電子機器9を接続する場合を示す図である。
図9(B)は、電力優先モードで動作するプリンタ3に接続された電源アダプタ1に他の電子機器9を接続する場合を示す図である。
【
図10】
図10は、変形例に係るプリンタ3のメモリ32に記憶された供給条件テーブル83を示す図である。
【
図11】
図11(A)は、変形例に係るプリンタ4の一部の構成要素を示す図である。
図11(B)は、スキャナ装置5の一部の構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態に係るプリンタ3について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本開示の一例にすぎず、本開示の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明では、パーソナルコンピュータを「PC」、インタフェースを「I/F」と略称し、「USB PD」を「USB-PD」と記載することがある。
【0028】
[プリンタ3の構成]
図1に示されるように、実施形態に係るプリンタ3は、電源アダプタ1およびPC2に接続される。電源アダプタ1は、プリンタ3に対して電力を供給する。PC2は、プリンタ3に対してコマンドや画像データなどを送信する。プリンタ3は、電源アダプタ1から電力の供給を受け、PC2から受信したコマンドや画像データなどに基づき被記録媒体に画像を記録する。
【0029】
プリンタ3は、本体部30を有する。本体部30は、CPU31、メモリ32、画像記録部33、HMI(Human Machine Interface)部34、ネットワークI/F部35、USB-PDI/F部36、第1電源回路37、第2電源回路38、3個のオプションI/F部41~43、駆動回路44、およびモータ45を備えている。CPU31、メモリ32、画像記録部33、HMI部34、ネットワークI/F部35、USB-PDI/F部36、オプションI/F部41~43、および駆動回路44は、本体部30のバス46に接続されている。
【0030】
オプションI/F部41~43は、オプション部または外部装置を接続するためのものである。
図1に示される例では、オプションI/F部41~43に、それぞれ、オプション部50、60、70が接続されている。なお、本体部30が備えるオプションI/F部の個数は任意であり、2個以下でも4個以上でもよい。
【0031】
CPU31は、プリンタ3の動作を制御する。また、CPU31は、電源アダプタ1からプリンタ3に供給される電力を制御する処理を行う(詳細は後述)。メモリ32は、CPU31の作業用メモリである。メモリ32は、CPU31の動作に必要な各種のデータを記憶する。画像記録部33は、CPU31からの制御に従い、被記録媒体に画像を記録する。画像記録部33は、例えば、搬送路に沿って被記録媒体を搬送する搬送部(図示せず)、搬送路と交差する方向に移動して被記録媒体に画像を記録する記録ヘッド(図示せず)などを含む。HMI部34は、ユーザからのコマンドを受け付ける入力機能と、プリンタ3の状態などを示す画面を表示する表示機能とを有する。HMI部34は、例えば、タッチパネルである。
【0032】
電源アダプタ1とプリンタ3とは、タイプCのUSBケーブル12を用いて接続される。電源アダプタ1は、USB-PDI/F部11を備えている。USBケーブル12の一端は、電源アダプタ1のUSB-PDI/F部11に接続される。USBケーブル12の他端は、プリンタ3のUSB-PDI/F部36に接続される。
【0033】
USB-PDI/F部11、36は、それぞれ、制御IC19、39を含む。電源アダプタ1のUSB-PDI/F部11にUSBケーブル12が接続されたとき、制御IC19は
図3に示される動作を行う。プリンタ3のUSB-PDI/F部36にUSBケーブル12が接続されたとき、CPU31および制御IC39は
図4から
図6に示される動作を行う。制御IC19、39は、USB-PD規格に準拠して動作する。
【0034】
PC2とプリンタ3とは、通信ケーブル22を用いて接続される。PC2は、ネットワークI/F部21を備えている。通信ケーブル22の一端は、PC2のネットワークI/F部21に接続される。通信ケーブル22の他端は、プリンタ3のネットワークI/F部35に接続される。PC2からネットワークI/F部21、35を経由して、プリンタ3にコマンドや画像データなどが送信される。
【0035】
PC2とプリンタ3とは、任意の有線通信規格に準拠して通信を行う。PC2とプリンタ3とは、例えば、USBやRS-232Cなどの規格に準拠して通信を行ってもよい。あるいは、PC2とプリンタ3とは、通信ケーブル22に接続されることなく、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの無線通信規格に準拠して通信を行ってもよい。
【0036】
第1電源回路37および第2電源回路38は、電源アダプタ1から供給された電圧を所定レベルの電圧に変換して、プリンタ3の各部、およびオプション部50、60、70に供給する。プリンタ3は、始めに電源アダプタ1から一次電力の供給を受け、その後に一次電力とは異なる二次電力を電源アダプタ1に要求する電力ネゴシエーションを行う。その後、プリンタ3は、電源アダプタ1から電力ネゴシエーションで合意された二次電力の供給を受ける。
【0037】
第1電源回路37は、プリンタ3が一次電力の供給を受けているときには動作せず、プリンタ3が二次電力の供給を受けているときに動作する。第2電源回路38は、プリンタ3が一次電力の供給を受けているときにも、二次電力の供給を受けているときにも動作する。CPU31は、第1電源回路37が動作しているか否かを検知する機能、および第2電源回路38が動作しているか否かを検知する機能を有する。
【0038】
[オプション部50、60、70]
オプション部50は、本体部30から独立した制御機能を有する。オプション部50は、例えば、搬送部によって搬送され、記録ヘッドによって画像が記録された被記録媒体を切断する切断ユニットである。オプション部50は、CPU51、メモリ52、駆動回路53、切断部54、およびオプションI/F部55を有する。
【0039】
本体部30のオプションI/F部41とオプション部50のオプションI/F部55とは、電源線および信号線によって接続される。プリンタ3が電源アダプタ1から一次電力の供給を受けているときには、本体部30からオプション部50に電源線を介して通信用電力Pcが供給される。通信用電力Pcは、一次電力、または一次電力に基づく一次電力より低い電力である。すなわち、通信用電力Pcは、一次電力の少なくとも一部である。プリンタ3が電源アダプタ1から二次電力の供給を受けているときには、本体部30からオプション部50に電源線を介して駆動用電力Pd1が供給される。駆動用電力Pd1は、二次電力に基づく電力である。駆動用電力Pd1は、二次電力より小さい電力でも、二次電力より大きい電力でもよい。本体部30とオプション部50との間では、信号線を介して通信信号Sc1が送受信される。
【0040】
CPU51は、メモリ52、駆動回路53、およびオプションI/F部55に接続される。CPU51は、本体部30から受信した通信信号Sc1に従い、駆動回路53を制御する。また、CPU51は、本体部30からの要求に応じて、本体部30に対してオプションI/F部41、55を介してオプション部50の識別子を送信する。駆動回路53は、CPU51、切断部54、およびオプションI/F部55に接続され、本体部30から駆動用電力Pd1の供給を受けて、CPU51からの制御に従い切断部54を駆動する。
【0041】
オプション部60は、CPUを有さず、本体部30によって制御される駆動回路やモータを有する。オプション部60は、例えば、原稿を自動的に送り出すADF(Automatic Document Feeder)である。オプション部60は、メモリ62、駆動回路63、オプションI/F部65、モータ66、および負荷67を有する。
【0042】
本体部30のオプションI/F部42とオプション部60のオプションI/F部65とは、電源線および信号線によって接続される。プリンタ3が電源アダプタ1から一次電力の供給を受けているときには、本体部30からオプション部60に電源線を介して通信用電力Pcが供給される。プリンタ3が電源アダプタ1から二次電力の供給を受けているときには、本体部30からオプション部60に電源線を介して駆動用電力Pd2が供給される。駆動用電力Pd2は、駆動用電力Pd1と同様、二次電力に基づく電力である。本体部30とオプション部60との間では、信号線を介して通信信号Sc2が送受信される。
【0043】
メモリ62は、オプション部60の識別子を記憶し、オプションI/F部65に接続さる。メモリ62に記憶されたオプション部60の識別子は、本体部30からの要求に応じて、本体部30に対してオプションI/F部42、65を介して送信される。駆動回路63は、オプションI/F部65、モータ66、および負荷67に接続される。駆動回路63は、本体部30から駆動用電力Pd2の供給を受けて、本体部30から受信した通信信号Sc2に従いモータ66および負荷67を駆動する。
【0044】
オプション部70は、CPU、駆動回路、およびモータを有さず、本体部30から駆動される負荷を有する。オプション部70は、例えば、オプショントレイである。オプション部70は、オプションI/F部75、負荷77、およびジャンパ線部78を有する。
【0045】
本体部30のオプションI/F部43とオプション部70のオプションI/F部75とは、電源線および信号線によって接続される。プリンタ3が電源アダプタ1から一次電力の供給を受けているときには、本体部30からオプション部70に電源線を介して通信用電力Pcが供給される。本体部30とオプション部70との間では、信号線を介して通信信号Sc3が送受信される。モータ45と負荷77とは、ギアなど(図示せず)によって接続される。
【0046】
駆動回路44は、モータ45の駆動回路である。負荷77は、モータ45の負荷である。駆動回路44は、CPU31からの制御に従い、モータ45および負荷77を駆動する。ジャンパ線部78は、複数のジャンパ線を含み、本体部30からの要求に応じて、オプション部70の識別子を示す信号を出力する。例えば、ジャンパ線部78が3本のジャンパ線J1~J3を含む場合、ジャンパ線部78は、ジャンパ線J1~J3のそれぞれが短絡状態か接続状態かに応じて、8種類の信号のいずれかを出力する。ジャンパ線部78の出力信号は、オプション部70の識別子がId1~Id8のいずれであるかを示す。
(J1、J2、J3)=(短絡、短絡、短絡)のとき:識別子はId_1
(J1、J2、J3)=(短絡、短絡、接続)のとき:識別子はId_2
(J1、J2、J3)=(短絡、接続、短絡)のとき:識別子はId_3
(J1、J2、J3)=(短絡、接続、接続)のとき:識別子はId_4
(J1、J2、J3)=(接続、短絡、短絡)のとき:識別子はId_5
(J1、J2、J3)=(接続、短絡、接続)のとき:識別子はId_6
(J1、J2、J3)=(接続、接続、短絡)のとき:識別子はId_7
(J1、J2、J3)=(接続、接続、接続)のとき:識別子はId_8
【0047】
[メモリ32に記憶されるデータ]
メモリ32は、
図2(A)に示される接続リスト81、および
図2(B)に示される供給条件テーブル82を記憶する。接続リスト81は、本体部30のm個(mは自然数)のオプションI/F部について、アドレスおよび優先度を記憶する。例えば、
図2(A)に示される接続リスト81は、本体部30のm個のオプションI/F部について、アドレスAdr_1~Adr_m、および優先度Pri_1~Pri_mを記憶する。
【0048】
供給条件テーブル82は、オプション部の識別子に対応づけて、オプション部が必要とする電力の供給条件を記憶する。電力の供給条件は、例えば、電圧と電流のペアで指定される。供給条件テーブル82は、オプションI/F部41~43に接続可能なn種類(nは自然数)のオプション部について、識別子および供給条件を記憶する。例えば、
図2(B)に示される供給条件テーブル82は、オプションI/F部41~43に接続可能なn種類のオプション部について、識別子Id_1~Id_n、および供給条件Supc_1~Supc_nを記憶する。
【0049】
[電源アダプタ1の動作]
電源アダプタ1のUSB-PDI/F部11にUSBケーブル12が接続されたとき、制御IC19は、
図3に示される動作を行う。制御IC19は、始めに、USB-PDI/F部11にUSBケーブル12が接続されたことを検出する(S11)。
【0050】
次に、制御IC19は、USBタイプCの手順に従い、接続を確認する(S12)。制御IC19は、S12において、USBケーブル12の他端に電力シンク(ここではプリンタ3)が接続されていることを確認する。次に、制御IC19は、USB-PD規格に従い、プリンタ3に対して一次電力の供給を開始する(S13)。制御IC19は、S13において、プリンタ3に対して電源アダプタ1で変換された5Vの電圧の供給を開始する。
【0051】
次に、制御IC19は、プリンタ3との間で電力ネゴシエーションを開始するか否かを判断する(S14)。制御IC19は、S14において、プリンタ3から電力ネゴシエーション開始を示す信号を受信したときに、電力ネゴシエーションを開始すると判断する。なお、電力ネゴシエーション開始を示す信号は、プリンタ3が
図4に示されるS24で送信したものである。制御IC19は、電力ネゴシエーションを開始しないと判断した場合には(S14:No)S14へ進み、電力ネゴシエーションを開始すると判断した場合には(S14:Yes)S15へ進む。
【0052】
後者の場合、制御IC19は、USB-PD規格に従い、プリンタ3に対して供給可能電力を提示する(S15)。制御IC19は、S15において、電源アダプタ1から供給可能な電力を示す信号を出力する。S15で送信される信号は、電圧と電流のペアを用いて、供給可能電力を示す。
【0053】
次に、制御IC19は、プリンタ3から応答を受信したか否かを判断する(S16)。制御IC19は、S16において、プリンタ3が
図4に示されるS27で送信した応答を受信した場合に、プリンタ3から応答を受信したと判断する。制御IC19は、プリンタ3から応答を受信していないと判断した場合には(S16:No)S16へ進み、プリンタ3から応答を受信したと判断した場合には(S16:Yes)S17へ進む。
【0054】
後者の場合、制御IC19は、プリンタ3との間で電力ネゴシエーションが成立したか否かを判断する(S17)。制御IC19は、S16で受信した応答において要求された二次電力が、S15で提示した供給可能電力に含まれている場合に、電力ネゴシエーションが成立したと判断する。制御IC19は、電力ネゴシエーションが成立しなかったと判断した場合には(S17:No)動作を停止する。この場合、電源アダプタ1は、プリンタ3に二次電力を供給しない。
【0055】
制御IC19は、S17において電力ネゴシエーションが成立したと判断した場合には(S17:Yes)S18へ進む。この場合、制御IC19は、プリンタ3に対して、電力ネゴシエーションで合意された電力の供給を開始する(S18)。制御IC19は、S18において、プリンタ3に対して電源アダプタ1で生成された、電力ネゴシエーションで合意された電圧の供給を開始する。制御ICがS19を実行した以降、電源アダプタ1からプリンタ3に、電力ネゴシエーションで合意された電圧が供給される。ただし、電源アダプタ1からプリンタ3に流れる電流は、電力ネゴシエーションで合意された電流以下に制限される。
【0056】
[プリンタ3の動作]
プリンタ3のUSB-PDI/F部36にUSBケーブル12が接続されたとき、CPU31および制御IC39は、
図4から
図6に示される動作を行う。制御IC39は、始めに、USB-PDI/F部36にUSBケーブル12が接続されたことを検出する(S21)。
【0057】
次に、制御IC39は、電源アダプタ1から供給された一次電力の受領を開始し、同時に第2電源回路38からCPU31、メモリ32などに電力の供給を開始する(S22)。制御IC39は、S22において、電源アダプタ1から供給された5Vの電圧の受領を開始し、第2電源回路38を制御して受領した5Vの電圧を所定レベルの電圧に変換し、CPU31、メモリ32などにレベル変換後の電圧の供給を開始する。なお、二次電力は、電源アダプタ1が
図3に示されるS13で供給を開始したものである。制御IC39がS22を実行した以降、CPU31は動作を開始する。
【0058】
CPU31は、動作を開始すると、
図5に示される要求電力決定処理を行う(S23)。CPU31は、S23において、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した供給条件に基づいて、一次電力とは異なる二次電力を決定する(詳細は後述)。
【0059】
CPU31がS23を実行した後、制御IC39は、電源アダプタ1との間で電力ネゴシエーションを開始する(S24)。制御IC39は、S24において、電源アダプタ1に対して電力ネゴシエーションの開始を示す信号を送信する。
【0060】
次に、制御IC39は、電源アダプタ1から供給可能電力が提示されたか否かを判断する(S25)。なお、供給可能電力は、電源アダプタ1が
図3に示されるS15で提示したものである。制御IC39は、供給可能電力が提示されていないと判断した場合には(S25:No)S25へ進む。制御IC39が供給可能電力が提示されたと判断した場合には(S25:Yes)、CPU31がS26を実行する。
【0061】
後者の場合、CPU31は、電源アダプタ1から提示された供給可能電力の中にプリンタ3の要求を満たす電力があるか否かを判断する(S26)。CPU31は、要求を満たす電力がないと判断した場合には(S26:No)動作を停止する。この場合、プリンタ3は、電源アダプタ1に対して二次電力を要求せず、電源アダプタ1から二次電力の供給を受けない。
【0062】
CPU31は、要求を満たす電力があると判断した場合には(S26:Yes)S27へ進む。この場合、CPU31は、電源アダプタ1に対して要求する二次電力を決定し、電源アダプタ1に対して応答を送信する(S27)。CPU31は、S27において、電源アダプタ1から提示された供給可能電力の中から要求を満たす電力を選択し、選択した電力を電源アダプタ1に対して要求する二次電力として決定する。CPU31は、制御IC39を制御して、決定した二次電力を含む応答を電源アダプタ1に対して送信する。
【0063】
CPU31がS27を実行した後、制御IC39は、電源アダプタ1から二次電力が供給されたか否かを判断する(S28)。制御IC39は、S28において、USBケーブル12に含まれる電源線の電圧がS37で要求したレベルに到達したときに、二次電力が供給されたと判断する。制御IC39は、二次電力が供給されていないと判断した場合には(S28:No)S28へ進み、二次電力が供給されたと判断した場合には(S28:Yes)S29へ進む。
【0064】
後者の場合、制御IC39は、第1電源回路37から本体部30の各部、およびオプション部50、60に電力の供給を開始する(S29)。制御IC39は、S29において、第1電源回路37を制御して電源アダプタ1から供給された電圧を所定レベルの電圧に変換し、画像記録部33、HMI部34、ネットワークI/F部35、オプション部50、60などに変換後の電圧の供給を開始する。制御IC39がS29を実行した以降、画像記録部33、HMI部34、ネットワークI/F部35などには各部の動作に必要な電力が供給され、オプション部50、60には駆動用電力Pd1、Pd2がそれぞれ供給される。
【0065】
[要求電力決定処理と供給条件取得処理]
以下、
図5および
図6を参照して、CPU31がS23において実行する要求電力決定処理について説明する。CPU31は、要求電力決定処理の始めに、
図6に示される供給条件取得処理を実行する(S31)。
【0066】
CPU31は、供給条件取得処理の始めに、メモリ32に記憶された接続リスト81(
図2(A))から最初のアドレスを取得する(S51)。CPU31は、S51において、例えば、接続リスト81から最初のアドレスAdr_1を取得する。
【0067】
次に、CPU31は、選択したアドレスのオプションI/F部に一次電力の供給を開始する(S52)。CPU31は、例えば、S52において、S51またはS62(後述)で取得したアドレスのオプションI/F部に5Vの電圧の供給を開始する。例えば、S51で選択されたアドレスがAdr_1である場合、本体部30からオプションI/F部41に接続されたオプション部50に5Vの電圧が供給される。また、S62で選択されたアドレスがAdr_2である場合、本体部30からオプションI/F部42に接続されたオプション部60に5Vの電圧が供給される。
【0068】
次に、CPU31は、オプションI/F部にオプション部が接続されているか否かを判断する(S53)。CPU31は、S53において、例えば、オプションI/F部に接続された信号のレベルに基づき、S51またはS62で取得したアドレスのオプションI/F部にオプション部が接続されているか否かを判断する。CPU31は、オプション部が接続されていると判断した場合には(S53:Yes)S54へ進む。
【0069】
この場合、CPU31は、オプション部がCPUを有するか否かを判断する(S54)。CPU31は、S54において、例えば、CPUを有することを示す信号をオプション部から所定時間内に受信したか否かに基づき、S51またはS62で取得したアドレスのオプションI/F部に接続されたオプション部がCPUを有するか否かを判断する。CPU31は、オプション部がCPUを有すると判断した場合には(S54:Yes)S55へ進む。この場合、CPU31は、オプション部のCPUから供給条件を取得する(S55)。CPU31は、S35において、例えば、5Vの通信用電力Pcが供給されたオプション部50のCPU51から供給条件を取得する。
【0070】
CPU31は、S54においてオプション部がCPUを有しないと判断した場合には(S54:No)S56へ進む。この場合、CPU31は、オプション部がメモリを有するか否かを判断する(S56)。CPU31は、S56において、例えば、メモリを有することを示す信号をオプション部から所定時間内に受信したか否かに基づき、S51またはS62で取得したアドレスのオプションI/F部に接続されたオプション部がメモリを有するか否かを判断する。CPU31は、オプション部がメモリを有すると判断した場合には(S56:Yes)S57へ進む。この場合、CPU31は、オプション部のメモリから供給条件を取得する(S57)。CPU31は、S57において、例えば、5Vの電圧が供給されたオプション部60のメモリ62から供給条件を取得する。
【0071】
CPU31は、S56においてオプション部がメモリを有しないと判断した場合には(S56:No)S58へ進む。この場合、CPU31は、オプション部のジャンパ線の状態を取得する(S58)。CPU31は、S58において、例えば、オプション部70のジャンパ線部78にアクセスし、ジャンパ線部78に含まれる3本のジャンパ線J1~J3の状態を取得する。
【0072】
次に、CPU31は、メモリ32から、取得したジャンパ線の状態に対応する供給条件を取得する(S59)。CPU31は、S59において、S38で取得したジャンパ線の状態に対応するオプション部の識別子を取得し、メモリ32に記憶された供給条件テーブル82(
図2(B))から、取得したオプション部の識別子に対応した供給条件を取得する。例えば、S58で取得したジャンパ線の状態がオプション部の識別子がId_3であることを示す場合、CPU31は、供給条件テーブル82から識別子Id_3に対応した供給条件Supc_3を取得する。
【0073】
CPU31は、S55、S57、またはS59を実行した後にS60へ進む。また、CPU31は、S53においてオプション部が接続されていないと判断した場合(S53:No)、S54~S59を実行することなくS60へ進む。次に、CPU31は、オプションI/F部に対する一次電力の供給を停止する(S60)。CPU31は、S60において、S51またはS62で選択したアドレスのオプション部に対する一次電力の供給を停止する。
【0074】
次に、CPU31は、オプション部のすべてのアドレスを処理済みか否かを判断する(S61)。CPU31は、すべてのアドレスを処理済みでない(すなわち、未処理のアド列がある)と判断した場合には(S61:No)S62へ進む。この場合、CPU31は、メモリ32に記憶された接続リスト81から、未処理のアドレスを取得し(S62)、S52へ進む。
【0075】
CPU31は、S61においてすべてのアドレスを処理済みと判断した場合には(S61:Yes)供給条件取得処理を終了し、
図5に示されるS31の後にリターンする。
【0076】
CPU31は、S31において供給条件取得処理を終了した後、メモリ32から動作モードを取得する(S32)。動作モードは、通常モード、速度優先モード、および電力優先モードのいずれかである。通常モードでは、本体部30、およびオプション部50、60、70に含まれる各部の動作条件が指定されることがある。各部の動作条件は、例えば、ユーザがHMI部34を操作することにより指定される。
【0077】
次に、CPU31は、動作モードが速度優先モードであるか否を判断する(S33)。CPU31は、動作モードが速度優先モードであると判断した場合には(S33:Yes)S34へ進む。この場合、CPU31は、本体部30の電力と、オプションI/F部41~43に接続されたすべてのオプション部の電力とを合計した電力を要求電力とする(S34)。CPU31は、S34において、供給条件取得処理で取得した供給条件に基づきオプション部50、60、70が必要とする電力を取得し、本体部30が必要とする電力とオプション部50、60、70が必要とする電力とを合計した電力を、電源アダプタ1に要求する要求電力として決定する。
【0078】
CPU31は、S33において動作モードが速度優先モードでないと判断した場合には(S33:No)S35へ進む。この場合、CPU31は、動作モードが電力優先モードであるか否を判断する(S35)。CPU31は、動作モードが電力優先モードであると判断した場合には(S35:Yes)S36へ進む。この場合、CPU31は、本体部30とオプション部とが電力最小で動作したときの電力を要求電力とする(S36)。CPU31は、S36において、供給条件取得処理で取得した供給条件に基づきオプション部50、60、70が必要とする電力を取得し、本体部30とオプション部50、60、70とが電力最小で動作したときの電力を、電源アダプタ1に要求する要求電力として決定する。
【0079】
CPU31は、S35において動作モードが電力優先モードでないと判断した場合には(S35:No)S37へ進む。この場合、CPU31は、動作モードは通常モードであるとして、ユーザ指定の動作条件があるか否かを判断する(S37)。CPU31は、ユーザ指定の動作条件があると判断した場合には(S37:Yes)S38へ進む。この場合、CPU31は、ユーザが指定した本体部30とオプション部とがユーザ指定の条件で動作し、ユーザが指定していない本体部30とオプション部とがデフォルト条件で動作したときの電力を、電源アダプタ1に要求する要求電力として決定する。
【0080】
CPU31は、S37においてユーザ指定の動作条件がないと判断した場合には(S37:No)S39へ進む。この場合、CPU31は、本体部30とオプション部とがデフォルト条件で動作したときの電力を電源アダプタ1に要求する要求電力として決定する。
【0081】
このようにCPU31は、速度優先モードでは、本体部30の消費電力と供給条件を満たす電力とを合計した電力を要求電力として決定し(S34)、電力優先モードでは、本体部30と、接続されたオプション部とが通常モードよりも消費電力が小さくなる動作条件で動作したときの消費電力を要求電力として決定する(S36)。また、CPU31は、通常モードでは、本体部30の消費電力と、接続されたオプション部の供給条件とに基づき、本体部30とオプション部とが動作したときの動作条件に応じた電力を要求電力として決定し(S39)、特にユーザ指定の動作条件がある場合には、ユーザから指定された本体部30およびオプション部がユーザから指定された動作条件に従い動作する場合について、本体部30の消費電力と取得した供給条件とに基づく電力を要求電力として決定する(S38)。
【0082】
CPU31は、S34、S36、S38、またはS39を実行した後、S40へ進む。次に、CPU31は、要求電力が過剰であるか否かを判断する(S40)。CPU31は、S40において、S34、S36、S38、またはS39で取得した要求電力が、すべてのオプション部を動作させるには不足すると判断した場合に、要求電力が過剰であると判断する。
【0083】
CPU31は、要求電力が過剰であると判断した場合には(S40:Yes)S41へ進む。この場合、CPU31は、要求電力から優先度の低いオプション部の電力を引く(S41)。CPU31は、S41において、メモリ32に記憶された接続リスト81を参照して、優先度の低いオプションI/F部に接続されたオプション部を検出し、S34、S36、S38、またはS39で取得した要求電力から検出したオプション部の電力を減算する。
【0084】
CPU31は、S40で要求電力が過剰でないと判断した場合(S40:No)、またはS41を実行した後、要求電力決定処理を終了し、
図4に示されるS23の後にリターンする。その後、CPU31は、S27において、S24で提示された供給可能電力の中からプリンタ3の要求を満たす電力を選択し、選択した電力を電源アダプタ1に対して要求する二次電力として決定する。二次電力は、一次電力とは異なる電力であり、典型的には一次電力より多い電力である。
【0085】
[オプション部と外部装置の例]
オプションI/F部41~43には、各種のオプション部が接続可能である。
図7(A)に示されるように、オプションI/F部41~43には、CPUおよびメモリを有するオプション部として、例えば、スキャナユニット111、インクジェットヘッド112、高機能カッターユニット113などを接続可能である。高機能カッターユニット113は、被記録媒体を複雑な形状に(例えば、スキャン画像内の領域の形状に合わせて)切断するユニットである。
【0086】
また、
図7(B)に示されるように、オプションI/F部41~43には、CPUを有さず、メモリを有するオプション部として、メンテナンスユニット121、搬送ユニット122、ロール紙ユニット123、ADF124などを接続可能である。
【0087】
また、
図8(A)に示されるように、オプションI/F部41~43には、CPUおよびメモリを有しないオプション部として、単純カッターユニット131、オプショントレイ132などを接続可能である。単純カッターユニット131は、被記録媒体を単純な形状に(例えば、直線状に)切断するユニットである。
図7(A)、
図7(B)、および
図8に示されるオプション部は、プリンタ3の関連ユニットである。
【0088】
プリンタ3のオプションI/F部41~43には、プリンタ3の関連ユニットに代えて、プリンタ3の外部装置を接続してもよい。
図8(B)に示されるように、オプションI/F部41~43には、CPUおよびメモリを有する外部装置として、PC141、タブレット型PC142、スマートフォン143、通信装置144などを接続可能である。
【0089】
なお、以上の説明において、オプション部50、60、70を除くプリンタ3、および本体部30は、電子機器の一例である。電源アダプタ1は、電力供給装置の一例である。オプション部50、60、70、スキャナユニット111、インクジェットヘッド112、高機能カッターユニット113、メンテナンスユニット121、搬送ユニット122、ロール紙ユニット123、ADF124、単純カッターユニット131、オプショントレイ132、PC141、タブレット型PC142、スマートフォン143、および通信装置144は、それぞれ、電力消費装置の一例である。
【0090】
CPU31および制御IC39は、電子機器の制御部の一例である。オプションI/F部41~43は、電子機器の接続部の一例である。USB-PD規格は、通信ケーブルによる給電に関する規格の一例である。メモリ62は、電力消費装置の第1記憶部の一例である。メモリ32は、電子機器の第2記憶部の一例である。接続リスト81に記憶されたアドレスは、接続部の識別子の一例である。ジャンパ線部78は、電力消費装置の識別子を示す信号を出力する回路の一例である。S53は、電力消費装置が接続されているか否かを示す判断処理の一例である。S31は、電力消費装置について供給条件を取得する取得処理の一例である。
【0091】
[実施形態の作用効果]
以上に示されるように、実施形態に係るプリンタ3は、電源アダプタ1(電力供給装置)から電力の供給を受ける電子機器であり、CPU31および制御IC39を含む制御部と、オプション部50、60、70(電力消費装置)を接続するためのオプションI/F部41~43(接続部)とを備えている。制御部は、USB-PD規格(通信ケーブルによる給電に関する規格)に従い、電源アダプタ1から一次電力の供給を受け(S22)、その後に一次電力とは異なる二次電力を電源アダプタ1に要求する電力ネゴシエーションを行う(S24~S26)。制御部は、電力ネゴシエーションにおいて二次電力を要求する前に、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70が必要とする電力の供給条件を取得し(S23)、取得した供給条件に基づいて二次電力を決定する(S27)。
【0092】
また、制御部は、USB-PD規格に従い電源アダプタ1から一次電力の供給を受けている状態で、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70が必要とする電力の供給条件を取得し(S23)、取得した供給条件に基づく二次電力を電源アダプタ1に要求する電力ネゴシエーションを行う(S24~S26)。
【0093】
また、プリンタ3は、電源アダプタ1に接続されていない状態から電源アダプタ1に接続された状態に変化した後に、USB-PD規格に従い電源アダプタ1から一次電力の供給を受け、制御部は一次電力により動作を開始する(S22)。制御部は、動作開始後に、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70が必要とする電力の供給条件を取得し(S31)、取得した供給条件に基づき、一次電力より多い二次電力を電源アダプタ1に要求する(S27)。
【0094】
このようにプリンタ3は、USB-PD規格などの通信ケーブルによる給電に関する規格に従い、電源アダプタ1から一次電力を一旦受け、プリンタ3の動作に必要な二次電力を電源アダプタ1に要求する電力ネゴシエーションを行い、その後に電源アダプタ1から二次電力を受ける。電力ネゴシエーションの際にプリンタ3自身が消費する電力を電源アダプタ1に要求するプリンタでは、オプション部50などが接続されている場合に、電力ネゴシエーションを行った後に二次電力の供給を受けても、オプション部50などに必要な電力を供給できないことがある。実施形態に係るプリンタ3によれば、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70が必要とする電力の供給条件を取得し、取得した供給条件に基づく二次電力を電源アダプタ1に要求することにより、オプション部50、60、70が接続されている場合に、オプション部50、60、70に必要な電力を供給できるようになり、オプション部50、60、70に必要な電力を供給できる。また、USB-PD規格で定められた手順により、供給条件に基づく二次電力をオプション部50、60、70に要求できる。
【0095】
また、プリンタが電源アダプタ1に対して、オプション部などが接続されていることを想定した最大電力を常に要求すると、プリンタで使用しない電力が余ることになる。このとき電源アダプタ1から供給可能な電力の一部を不必要に占有してしまい、電源アダプタ1から他の電子機器に電力を供給できないことがある。実施形態に係るプリンタ3によれば、オプション部50、60、70とプリンタ3が消費するできるだけ少ない電力を電源アダプタ1に要求することにより、電源アダプタ1から供給可能な電力のうちプリンタ3に供給される電力が占有する割合を低減し、電源アダプタ1から電力をより効率的に供給できる。
【0096】
図9が参照されて、上記の効果が具体的に説明される。
図9には、プリンタ3が接続され、プリンタ3に電力を供給する電源アダプタ1に他の電子機器9を接続する場合が示されている。プリンタ3の本体部30には、オプション部50が接続されている。電源アダプタ1の供給電力は最大で140W、本体部30、オプション部50、および他の電子機器9の消費電力は最大で50W、電力優先モードにおける本体部30とオプション部50の消費電力は合わせて60Wであるとする。
【0097】
図9(A)に示されるように、速度優先モードで動作するプリンタ3は、電源アダプタ1との間の電力ネゴシエーションにおいて100Wの電力を要求する。要求された電力が電源アダプタ1の最大供給電力以下であるので、電力ネゴシエーションの後に、電源アダプタ1からプリンタ3に100Wの電力が供給される。この後に他の電子機器9が電源アダプタ1に接続されると、他の電子機器9は、電源アダプタ1との間の電力ネゴシエーションにおいて50Wの電力を要求する。しかしながら、既にプリンタ3に接続された電源アダプタ1からは最大40Wの電力しか供給できない。このため、電源アダプタ1と他の電子機器9との間の電力ネゴシエーションは成功せず、電源アダプタ1は他の電子機器9に電力を供給できない。
【0098】
これに対して、
図9(B)に示されるように、電力優先モードで操作するプリンタ3は、電源アダプタ1との間の電力ネゴシエーションにおいて60Wの電力を要求する。電力ネゴシエーションの後に、電源アダプタ1からプリンタ3に60Wの電力が供給される。この後に他の電子機器9が電源アダプタ1に接続されると、他の電子機器9は、電源アダプタ1との間の電力ネゴシエーションにおいて50Wの電力を要求する。この場合、既にプリンタ3に接続された電源アダプタ1から、最大80Wの電力を供給できる。このため、電源アダプタ1と他の電子機器9との間の電力ネゴシエーションは成功し、電源アダプタ1は他の電子機器9に50Wの電力を供給できる。
【0099】
また、オプション部50がCPU51を有する場合に、プリンタ3の制御部は、電源アダプタ1から供給された一次電力の少なくとも一部をオプション部50に供給してCPU51を動作させ、CPU51から供給条件を取得する(S55)。オプション部50がCPU51を有する場合には、CPU51を動作させなければ供給条件を取得できない場合がある。このような場合には、電源アダプタ1から供給された一次電力の少なくとも一部をオプション部50に供給してオプション部50のCPU51を動作させることにより供給条件を取得する。
【0100】
また、オプション部60がメモリ62(第1記憶部)を有する場合に、制御部は、電源アダプタ1から供給された一次電力の少なくとも一部をオプション部60に供給して、メモリ62から供給条件を取得する(S57)。オプション部60がメモリ62を有する場合には、オプション部60に電力を供給しなければメモリ62から供給条件を取得できない場合がある。このような場合には、電源アダプタ1から供給された一次電力の少なくとも一部をオプション部60に供給してオプション部60のメモリ62を動作させることにより供給条件を取得する。
【0101】
また、プリンタ3はメモリ32(第2記憶部)をさらに備え、メモリ32は、オプション部50、60、70のアドレス(識別子)に対応づけて供給条件を記憶する(
図2(B))。オプション部70がジャンパ線部78(電力消費装置の識別子を示す信号を出力する回路)を有する場合に、制御部は、電源アダプタ1から供給された一次電力を用いてジャンパ線部78から信号を出力させ、出力された信号が示す識別子に対応する供給条件をメモリ32から取得する(S58)。したがって、オプション部70がオプション部70の識別子を示す信号を出力するジャンパ線部78を有する場合に、電源アダプタ1から供給された一次電力を用いて回路から信号を出力させ、出力された信号が示す識別子を用いてメモリ32を参照することにより、メモリ32から供給条件を取得できる。
【0102】
また、メモリ32は、オプションI/F部41~43のアドレス(識別子)を含む接続リスト81を記憶する(
図2(A))。制御部は、電源アダプタ1から一次電力の供給を受け、その後に、接続リスト81に含まれる各識別子について、識別子で特定されるオプションI/F部41~43にオプション部50、60、70が接続されているか否かを判断する判断処理(53S)と、判断処理でオプション部50、60、70が接続されていると判断した場合に、オプション部50、60、70について供給条件を取得する取得処理(S55、S57、S58)と、を実行し、接続リスト81に含まれるすべての識別子について判断処理および取得処理を実行した後(S61:Yes)に、取得処理で取得したすべての供給条件に基づく二次電力を電源アダプタ1に要求する(S26)。したがって、接続リスト81を用いることにより、オプションI/F部41~43のそれぞれにオプション部50、60、70が接続されているか否かを判断し、接続されたすべてのオプション部50、60、70についての供給条件に基づく二次電力を電源アダプタ1に要求できる。
【0103】
また、制御部は、通常モードと速度優先モードと電力優先モードとを有する。制御部は、通常モードでは、プリンタ3の消費電力と、接続されたオプション部50、60、70の供給条件とに基づき、プリンタ3とオプション部50、60、70とが動作したときの動作条件に応じた二次電力を電源アダプタ1に要求する(S39)。制御部は、速度優先モードでは、プリンタ3の消費電力と供給条件を満たす電力とを合計した二次電力を電源アダプタ1に要求する(S34)。このように制御部は、通常モードでは、プリンタ3とオプション部50、60、70とがデフォルトの動作条件で動作したときの消費電力を電源アダプタ1に要求する。ここで、動作条件は接続されたオプション部50、60、70の種類や数によって変化するものであり、動作条件に伴い最大の消費電力も変化する場合がある。例えばプリンタ3が最大電力を消費する動作タイミングで、オプションI/F部41~43に接続されたオプション部50、60、70の消費電力が大きい場合には、電源アダプタ1から大きな電力を供給する必要がある。一方、プリンタ3が最大電力を消費する動作タイミングで、オプションI/F部41~43接続されたオプション部50、60、70の消費電力が小さい場合には、電源アダプタ1から供給される電力は小さくて済む。このように、動作条件を確認したり、メモリ62から情報を読み出したりするなどの制御により、より好適な二次電力を電源アダプタ1に要求できる。また、速度優先モードでは、プリンタ3とオプション部50、60、70との消費電力の合計を電源アダプタ1に要求する。これにより、動作条件に基づくことなく二次電力を決定できるので、二次電力を早く供給できる。
【0104】
また、制御部は、電力優先モードでは、プリンタ3と、接続されたオプション部50、60、70とが通常モードよりも消費電力が小さくなる動作条件で動作したときの消費電力を二次電力として電源アダプタ1に要求する(S39)。このように制御部は、通常モードでは、プリンタ3とオプション部50、60、70とがデフォルトの動作条件で動作したときの消費電力を電源アダプタ1に要求する。しかし、要求した二次電力が電源アダプタ1から供給可能な電力より多いときには、オプション部50、60、70が必要な電力の供給を受けられない場合がある。このような場合には、通常モードより消費電力が小さくなる動作条件である電力優先モードで動作させた際の電力を二次電力として要求することにより、プリンタ3とオプション部50、60、70との両方を動作させて、オプション部50、60、70に必要な電力を供給できる。
【0105】
また、制御部は、プリンタ3およびオプション部50、60、70の少なくとも1つの動作条件をユーザから指定可能に構成される。制御部は、ユーザから指定されたプリンタ3およびオプション部50、60、70がユーザから指定された動作条件に従い動作する場合について、プリンタ3の消費電力と取得した供給条件とに基づく二次電力を電源アダプタ1に要求する(S38)。プリンタ3およびオプション部50、60、70のうちユーザから指定されたものが、ユーザから指定された動作条件で動作する場合には、通常の動作とは異なる動作となり、これに伴い消費電力が増減する場合がある。この場合、ユーザから指定された動作条件で動作するときのプリンタ3の消費電力と取得した供給条件とに基づく二次電力を電源アダプタ1に要求することにより、好適な二次電力の供給を受けることができる。
【0106】
また、メモリ32は、オプションI/F部41~43のアドレスおよび優先度を含む接続リスト81を記憶する。制御部は、オプション部50、60、70について取得した供給条件に基づき二次電力を決定するときに、オプションI/F部41~43に接続されたすべてのオプション部50、60、70に供給条件を満たす電力を供給できないと判断した場合(S40:Yes)には、接続リスト81を参照して優先度が低い接続部に接続されたオプション部50、60、70の供給条件を除いて二次電力を決定する(S41)。このようにプリンタ3に接続されたすべてのオプション部50、60、70に必要な電力を供給できない場合に、優先度が低い接続部に接続されたオプション部50、60、70の供給条件を除いて二次電力を決定することにより、優先度が低い接続部に接続されたオプション部50、60、70に電力を供給せず、残りの接続部に接続されたオプション部50、60、70に必要な電力を供給できる。
【0107】
また、プリンタ3は、被記録媒体に画像を記録する画像記録部33をさらに備えている。したがって、画像記録部を備えたプリンタ3にオプション部50、60、70が接続されている場合に、オプション部50、60、70に必要な電力を供給できる。また、オプションI/F部41~43に接続されるオプション部は、CPUおよびメモリ(記憶部)を有するスキャナユニット111、インクジェットヘッド112、およびカッターユニット113のいずれかでもよく(
図7(A))、メモリを有するメンテナンスユニット121、搬送ユニット122、ロール紙ユニット123、およびADF124のいずれかでもよく(
図7(B))、CPUおよびメモリを有しない単純カッターユニット131、およびオプショントレイ132のいずれかでもよい(
図8(A))。また、オプションI/F部41~43には、CPUおよびメモリを有する外部装置が接続され、外部装置は、PC141、タブレット型PC142、スマートフォン143、および通信装置144のいずれかでもよい(
図8(B))。これにより、画像記録部33を備えたプリンタ3にこれらのオプション部または外部装置が接続されている場合に、オプション部または外部装置に必要な電力を供給できる。
【0108】
[変形例]
実施形態に係るプリンタ3については、各種の変形例を構成できる。例えば、変形例に係るプリンタのメモリ32は、
図2(B)に示される供給条件テーブル82に代えて、
図10に示される供給条件テーブル83を記憶してもよい。供給条件テーブル83は、一次電力供給時の消費電力に対応づけて、オプション部が必要とする電力の供給条件を記憶する。電源アダプタ1から供給された一次電力にてオプション部70を動作させたときの消費電力は、例えばq個(qは自然数)の範囲に分けられる。
図10に示される供給条件テーブル83は、q個の範囲について、供給条件Supc_1~Supc_qを記憶する。
【0109】
CPU31は、供給条件取得処理(
図6)のS58およびS59に代えて、電源アダプタ1から供給された一次電力にてオプション部70を動作させたときの消費電力を測定する処理と、測定された消費電力の範囲に基づき、メモリ32に記憶された供給条件テーブル83から供給条件を取得する処理とを実行する。
【0110】
本変形例に係るプリンタでは、メモリ32は、オプション部70に一次電力を供給したときの消費電力に対応づけて供給条件を記憶し、CPU31は、電源アダプタ1から供給された一次電力にてオプション部70を動作させたときの消費電力を取得し、取得した消費電力に対応する供給条件をメモリ32から取得する。これにより、メモリ32から供給条件を取得できる。
【0111】
変形例に係るプリンタ4は、
図11(A)に示されるように、画像記録部33に加えて、CPU31からの制御に従い被記録媒体から画像を読み取るスキャナ47を備えていてもよい。また、変形例に係る電子機器は、
図11(B)に示されるように、画像記録部33を備えず、スキャナ47を備えたスキャナ装置5でもよい。
【0112】
実施形態に係るプリンタ3、変形例に係るプリンタ4、およびスキャナ装置5によれば、画像記録部33を備えた電子機器に電力消費装置が接続されている場合や、スキャナ47を備えた電子機器に電力消費装置が接続されている場合に、電力消費装置に必要な電力を供給できる。
【0113】
プリンタ3では、本体部30とオプション部50、60、70とは、所定の規格に従いに接続されてもよく、あるいは、独自の方式で接続されてもよい。オプション部50、60、70は、オプションI/F部41~43のいずれにでも自由に接続できてもよく、接続可能なオプションI/F部が限定されていてもよい。
【0114】
プリンタ3では、オプション部60のメモリ62に供給条件が記憶されることとしたが、変形例に係るプリンタでは、オプション部50のメモリ52にもオプション部50の供給条件が記憶されており、CPU31は、CPU51に代えて、メモリ52から供給条件を取得してもよい。また、変形例に係るプリンタでは、オプション部50、60もジャンパ線部を有しており、CPU31はオプション部50、60のジャンパ線部からオプション部50、60の識別子を取得してもよい。オプション部70は、ジャンパ線部78に代えて、複数のスイッチ(例えば、ディップスイッチ)を含むスイッチ部や、特定の識別子を固定的に出力する回路を有していてもよい。
【0115】
CPU31は、供給条件取得処理において、オプション部の構成に応じて、S55、S57~S59以外の処理によりオプション部の供給条件を取得してもよい。CPU31は、通常モード、速度優先モード、および電力優先モード以外の動作モードを有し、要求電力決定処理において、S34、S36、S38~S41以外の処理により要求電力を決定してもよい。CPU31は、要求電力決定処理において、S40およびS41を実行しなくてもよい。
【0116】
プリンタ3では、制御部に含まれるCPU31および制御IC39は、上記のように機能分担を行うこととしたが、変形例に係るプリンタでは、CPU31および制御IC39は上記以外の機能分担を行ってもよい。例えば、制御IC39はCPU31が実行する記載されたステップを実行してもよく、CPU31は制御IC39が実行すると記載されたステップを実行してもよい。CPU31および制御IC39は、1つのCPU、または1つのICでもよい。
【0117】
プリンタ3では、電源アダプタ1とプリンタ3とはUSB-PD規格に準拠して給電を行うこととしたが、変形例に係るプリンタ3では、電源アダプタ1とプリンタ3とは、通信ケーブルによる給電に関する、USB-PD規格以外の規格に準拠して給電を行ってもよい。
【0118】
本開示において、電子機器は電力供給装置から電力の供給を受けて動作する任意の装置や機器でもよく、電力供給装置は電力を供給可能な任意の装置や機器でもよく、電力消費装置は電子機器に接続可能な任意の装置や機器でもよい。例えば、電子機器は、画像記録機能、スキャン機能、FAX機能などを有する複合機、PC、電子計算器、通信装置、記憶装置などでもよく、電力供給装置は、電源装置、変圧器、蓄電池などでもよく、電力消費装置は、拡張ユニット、オプションユニット、追加ユニットなどでもよい。
【符号の説明】
【0119】
1・・・電源アダプタ(電力供給装置)
3、4・・・プリンタ(電子機器)
5・・・スキャナ装置(電子機器)
30・・・本体部(電子機器)
31・・・CPU(制御部)
32・・・メモリ(第2記憶部)
33・・・画像記録部
39・・・制御IC(制御部)
41、42、43・・・オプションI/F部(接続部)
47・・・スキャナ
50、60、70・・・オプション部(電力消費装置)
51・・・CPU
62・・・メモリ(第1記憶部)
78・・・ジャンパ線部(回路)
81・・・接続リスト
111・・・スキャナユニット(電力消費装置)
112・・・インクジェットヘッド(電力消費装置)
113・・・高機能カッターユニット(電力消費装置)
121・・・メンテナンスユニット(電力消費装置)
122・・・搬送ユニット(電力消費装置)
123・・・ロール紙ユニット(電力消費装置)
124・・・ADF(電力消費装置)
131・・・単純カッターユニット(電力消費装置)
132・・・オプショントレイ(電力消費装置)
141・・・PC(電力消費装置)
142・・・タブレット型PC(電力消費装置)
143・・・スマートフォン(電力消費装置)
144・・・通信装置(電力消費装置)