(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001874
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】風呂給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 15/14 20220101AFI20241226BHJP
F24H 1/54 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/246 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/30 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/335 20220101ALI20241226BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20241226BHJP
【FI】
F24H15/14
F24H1/54 305
F24H15/246
F24H15/269
F24H15/30
F24H15/281
F24H15/335
F24H15/196 301G
F24H15/196 301L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101609
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】堀部 洋平
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC02
3L024DD06
3L024GG41
3L024GG43
3L024HH38
(57)【要約】
【課題】累積入浴時間と浴槽湯量を加味してUV除菌灯により浴槽水を除菌するようにした風呂給湯装置を提供すること。
【解決手段】 浴槽に接続された追焚循環通路(4)と、循環ポンプ(5)と、追焚循環通路(4)に配設されて浴槽水に対して点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射する除菌灯(9)と、浴槽水の水位を検知する水位検知手段(7)と、循環ポンプ(5)の作動および停止と、除菌灯(7)に対する供給電力を制御する制御装置(10)とを備えた風呂給湯装置(1)において、制御装置(10)は、水位検知手段(7)の検知出力より、浴槽への入浴・退浴の判定を行って入浴時間の算出を行うとともに、前回の除菌運転から今回の除菌運転開始までの間の累積入浴時間を算出し、この累積入浴時間に応じて除菌灯に対する供給電力を変動させ、浴槽湯量に応じて除菌運転時間を変動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に接続されて浴槽水を循環・加熱するように構成された追焚循環通路と、前記追焚循環通路に前記浴槽水を循環させるための循環ポンプと、前記追焚循環通路に配設されて循環している浴槽水に対して点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射する除菌灯と、
前記浴槽水の水位を検知する水位検知手段と、前記循環ポンプの作動および停止と、前記除菌灯に対する供給電力を制御する制御装置とを備えた風呂給湯装置において、
前記制御装置は、前記水位検知手段の検知出力より、前記浴槽への入浴・退浴の判定を行って入浴時間の算出を行うとともに、前回の除菌運転から今回の除菌運転開始までの間の累積入浴時間を算出し、この累積入浴時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を変動させるように制御することを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
除菌運転の開始時に前記水位検知手段の検知出力により浴槽の水位を判定し、この浴槽水位から求めた浴槽湯量に応じて除菌運転における前記除菌灯の点灯時間を変動させることを特徴とする請求項1に記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
除菌運転を開始する前の最後の退浴から除菌運転の開始までの経過時間をカウントし、この経過時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を変動させることを特徴とする請求項1に記載の風呂給湯装置。
【請求項4】
前記制御装置は、除菌運転を毎日予め設定された時刻に自動的に開始するように制御し、
前記除菌運転の開始時刻は使用者が手動にて設定することが可能であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の風呂給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂給湯装置に関し、特に追焚循環通路内を流れる湯水に除菌効果を有する波長域の光線を照射して除菌する除菌灯を設け、累積入浴時間に基づいて除菌灯への供給電力を変動させるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
風呂装置は、浴槽と、この浴槽に接続されて浴槽に給湯したり、浴槽水を追焚きしたりする風呂給湯装置とを有する。風呂給湯装置は、浴槽水を循環・加熱するように構成された追焚循環通路と、前記追焚循環通路に前記浴槽水を循環させるための循環ポンプと、前記浴槽水を加熱するための加熱手段と、前記追焚循環通路に給湯水を供給するための注湯通路と、前記注湯通路に備えられて給湯水の供給・遮断を行うための開閉弁と、給湯水の流量を調整する流量調整手段および流量検知手段とを備えている。
【0003】
特許文献1には、追焚循環通路に接続された浴槽水浄化殺菌装置に、入浴中か否かで、浴槽水の浄化殺菌運転パターンを切換える浄化殺菌運転パターン切換え手段を設け、入浴中にも浄化殺菌運転を行うようにしたものが開示されている。
【0004】
特許文献2には、追焚循環通路に流れる浴槽水に紫外線を照射して殺菌する除菌装置を設け、除菌効率を高めるために、風呂循環ポンプの回転数が所定回転数以上のときには除菌装置により紫外線を照射し、風呂循環ポンプの回転数が所定回転数未満のときには除菌装置を停止させて紫外線の照射を停止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-1354号公報
【特許文献2】特許第7139942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のUV除菌灯による除菌運転では、累積入浴時間の長短によらず一律に除菌運転を行ない、また、浴槽水の多少によらず一律に除菌運転を行なっていた。
そのため、浴槽水を過不足なく除菌できるように、UV除菌灯への供給電力を適切に制御していなかった。しかも、最後の退浴から除菌運転までの経過時間を加味してUV除菌灯への供給電力を変化させることもなかったため、レジオネラ菌等の数の大小に応じて適切に除菌することもできなかった。
【0007】
本発明の目的は、UV除菌灯への供給電力を累積入浴時間に応じて変動させるようにした風呂給湯装置を提供すること、UV除菌灯を点灯する点灯時間を浴槽湯量に応じて変動させるようにした風呂給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の風呂給湯装置は、浴槽に接続されて浴槽水を循環・加熱するように構成された追焚循環通路と、前記追焚循環通路に前記浴槽水を循環させるための循環ポンプと、前記追焚循環通路に配設されて循環している浴槽水に対して点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射する除菌灯と、前記浴槽水の水位を検知する水位検知手段と、前記循環ポンプの作動および停止と、前記除菌灯に対する供給電力を制御する制御装置とを備えた風呂給湯装置において、前記制御装置は、前記水位検知手段の検知出力より、前記浴槽への入浴・退浴の判定を行って入浴時間の算出を行うとともに、前回の除菌運転から今回の除菌運転開始までの間の累積入浴時間を算出し、この累積入浴時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を変動させるように制御することを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、前回の除菌運転から今回の除菌運転開始までの間の累積入浴時間を算出し、この累積入浴時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を変動させるように制御するため、浴槽水に含まれるレジオネラ菌等の数の大小に応じて除菌できるような適切な供給電力で除菌灯を駆動することができる。
【0010】
請求項2の風呂給湯装置は、請求項1の発明において、除菌運転の開始時に前記水位検知手段の検知出力により浴槽の水位を判定し、この浴槽水位から求めた浴槽湯量に応じて除菌運転における前記除菌灯の点灯時間を変動させることを特徴としている。
上記の構成によれば、浴槽湯量に応じて除菌運転における前記除菌灯の点灯時間を変動させることで、浴槽水に含まれるレジオネラ菌等の数の大小に応じて適切に除菌できる。
【0011】
請求項3の風呂給湯装置は、請求項1の発明において、除菌運転を開始する前の最後の退浴から除菌運転の開始までの経過時間をカウントし、この経過時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を変動させることを特徴としている。
上記の構成によれば、除菌運転を開始する前の最後の退浴から除菌運転の開始までの経過時間が長くなるほど、浴槽水に含まれるレジオネラ菌等の数が多くなることから、経過時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を適切に変動させ、レジオネラ菌等の数の大小に応じて除菌することができる。
【0012】
請求項4の風呂給湯装置は、請求項1~3の何れか1項の発明において、前記制御装置は、除菌運転を毎日予め設定された時刻に自動的に開始するように制御し、前記除菌運転の開始時刻は使用者が手動にて設定することが可能であることを特徴としている。
上記の構成によれば、除菌運転を毎日予め設定された時刻に自動的に開始するため、毎日確実に除菌運転を行うことができる。また、前記除菌運転の開始時刻は使用者が手動にて設定することが可能であるため、入浴の状況を勘案して除菌運転の開始時刻を適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以上説明したように種々の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】給湯制御部とUV除菌灯と循環ポンプと操作端末等の接続関係の構成図である。
【
図4】除菌運転のうちの除菌処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
最初に、風呂給湯装置1について説明する。
図1に示すように、風呂給湯装置1は、上水又は湯水を加熱する加熱部11と、加熱部11に上水を供給する給水通路20を有し、加熱部11で加熱した湯水を給湯通路2に供給する。また、風呂給湯装置1は、給水通路20に配設された分配弁21から加熱部11をバイパスするように分岐されて給湯通路2に接続された給湯バイパス通路23を有し、給湯通路2の湯水に上水を混合可能である。
【0016】
加熱部11は、燃料供給部14からバーナ13に供給される燃料ガスを、燃焼ファン12から供給される空気を使用して燃焼させ、この燃焼熱を利用して熱交換部16a,16bで給水通路20から供給される上水を加熱して給湯通路2に供給する。熱交換部16aは2次熱交換器であり、熱交換部16bは1次熱交換器である。加熱部11側とバイパス通路23側に上水を分配する分配弁21の分配比調整によって、例えば台所リモコンから設定された給湯目標温度に調整された湯水が、給湯通路2を介して給湯栓に供給される。
【0017】
また、風呂給湯装置1は、浴槽6の湯水の追焚のために、追焚循環通路4と、加熱部11に設けられた追焚バーナ15と追焚熱交換部17a,17bを有する。熱交換部17aは2次熱交換器であり、熱交換部17bは1次熱交換器である。追焚循環通路4に配設された循環ポンプ5の駆動によって浴槽6と追焚熱交換部17a,17bの間を循環する湯水は、燃料供給部14から追焚きバーナ15に供給される燃料ガスの燃焼熱を利用して熱交換部17a,17bで加熱される。2次熱交換器16a,17aで発生したドレンはドレン通路27a,27bにより排出されるが、ドレン通路27a,27bの途中部には、中和器28が介装されている。
【0018】
追焚循環通路4は、浴槽6の循環アダプタ6aに接続された風呂戻り通路4aおよび風呂往き通路4bを有する。風呂戻り通路4aには、浴槽6の水位を検知する浴槽水位センサ7と、浴槽6の湯温を検知する浴槽湯温検知センサ8が設けられている。
風呂戻り通路4aには、給湯通路2から分岐された注湯通路3が接続されている。注湯通路3には、流量調整弁24と、注湯流量センサ25と、注湯電磁弁26が介装されている。加熱部11の熱交換部16a,16bで加熱された湯水は、注湯通路3と追焚循環通路4を介して浴槽に湯張り可能である。
【0019】
風呂給湯装置1は例えば給湯目標温度の湯水を供給する給湯運転、浴槽の湯張り運転及び追焚運転を制御する給湯制御部10を有する。
図2に示すように、給湯制御部10は、浴室又は台所に設置された操作端末18に接続されている。操作端末18は、表示画面18aと複数の操作ボタン18bと音声出力器とを有する。
【0020】
給水通路20の分配弁21よりも下流側には給水流量センサ22が配設されている。給湯制御部10は、例えば給湯栓が開けられて給湯通路2の湯水が流動すると共に給水通路20から熱交換部16a,16bに上水が供給されることにより、給水流量センサ22が所定の加熱開始流量以上の流量を検知すると、バーナ13に点火して燃焼を開始させる。
【0021】
風呂給湯装置1は、例えば給湯栓を開けてからバーナ13に点火して燃焼を開始するまで、ある程度の遅延時間を要する。この遅延時間は、一般的には1秒程度であるが、例えば風呂給湯装置1の設置環境等によって1秒よりも長い場合がある。一方、給湯栓が閉止されて給水流量センサ22の検知流量が所定の加熱停止流量以下になると、給湯制御部10はバーナ13での燃焼を停止させる。
【0022】
前記追焚循環通路4には、循環している浴槽水に対して点灯時に除菌効果を有する波長域の光線(本実施形態では紫外線)を照射するUV除菌灯9が配設されている。このUV除菌灯9は紫外線を照射するLEDランプからなるUV除菌灯であり、本実施形態では、このUV除菌灯9が風呂戻り通路4aに配設されている。
【0023】
前記給湯制御部10は、UV除菌灯9に対する制御も行なう。
図2に示すように、UV除菌灯9のLED基板には除菌灯の温度を検出するサーミスタTM9aが設けられており、その検出信号は給湯制御部10に供給されている。給湯制御部10には、UV除菌灯9の点灯、消灯を制御する点灯回路10aが設けられ、この点灯回路10aには、UV除菌灯9の温度に応じて供給電力を変動させることができる過熱保護回路(図示略)が組み込まれている。
【0024】
給湯制御部10は、浴槽水位センサ7から検知信号を受ける一方、循環ポンプ5の回転数センサ5aからの検出信号を受けつつ、循環ポンプ5に対する制御も行う。給湯制御部10は、UV除菌灯9の除菌運転中に、点灯回路10aの過熱保護回路が作動したことを供給電力又は供給電流の変動によって検知した場合には、循環ポンプ5の回転数を低減させて追焚循環通路4を流れる浴槽水の流量を低減させる。
【0025】
これは、過熱保護回路の作動によりUV除菌灯9の光量が低下した際には、光量の低下に応じて浴槽水の流量を低減させることで、浴槽水単位体積当たりに照射される光量を低下させないようにするためである。
【0026】
また、給湯制御部10は、過熱保護回路の作動時間が予め設定された設定時間以上継続する場合には、UV除菌灯32が故障したと判断してUV除菌灯9の点灯を禁止するとともに、UV除菌灯9の故障報知を行う。この故障報知は操作端末18の表示画面18aへのアラーム表示や、音声出力器による音声出力にてなされる。
【0027】
除菌運転の概要は次のとおりである。
給湯制御部10は、浴槽水位センサ7の検知出力より、浴槽6への入浴・退浴の判定を行って入浴時間の算出を行うとともに、前回の除菌運転から今回の除菌運転開始までの間の累積入浴時間を算出し、この累積入浴時間に応じてUV除菌灯9に対する供給電力を変動させるように制御する。
【0028】
そして、除菌運転の開始時に浴槽水位センサ7の検知出力により浴槽6の水位を判定し、この浴槽水位から求めた浴槽湯量に応じて除菌運転におけるUV除菌灯9の点灯時間を変動させる。除菌運転を開始する前の最後の退浴から除菌運転の開始までの経過時間をカウントし、この経過時間に応じてUV除菌灯9に対する供給電力を変動させる。
【0029】
前記給湯制御部10は、除菌運転を毎日予め設定された時刻(本実施例では、午前零時)に自動的に開始するように制御し、その除菌運転の開始時刻は使用者が手動にて設定することが可能に構成されている。
【0030】
次に、前記給湯制御部10により実行されるUV除菌灯9を駆動して除菌する除菌運転の制御について、
図3、
図4のフローチャートに基づいて説明する。この除菌運転の制御プログラムは給湯制御部10に格納されている。フローチャート中のSi(i=1,2,・・・)は各ステップを示す。尚、この除菌運転の制御は、毎日の予め設定された所定のタイミング(例えば、午前零時)に開始されるものである。
【0031】
S1では除菌運転を行うタイミングか否か判定され、その判定がNoのときはS2において、入浴有りか否か判定される、そのS1の判定がYesのときはS12へ移行する。S1の判定は、給湯制御部10にある計時手段の時刻に基づいて判定される。S2の判定は、浴槽水位センサ7で検知される浴槽6の検知水位に基づいてなされる。
入浴有りと判定した場合は、S3においてフラグFが「0」か否か判定され、フラグFが0のときはS4においてフラグFが「1」にセットされる。このフラグFが一旦セットされると、その入浴者が退浴しない限り、そのフラグFが「1」のままであるので、各入浴者を確実に検知することができる。S2の判定がNoのときやS3の判定がNoのときは、S1へリターンする。
【0032】
S5においては、入浴時間を計時するためのタイマーTM1がスタートされ、次のS6では、浴槽水位センサ7の検知水位に基づいて退浴したか否か判定され、S6の判定がYesのときはS7において前記フラグFが「0」にリセットされ、次にS8においてメモリに更新しつつ記憶している最後の退浴時刻が更新される。S6の判定がNoのときはS6を繰り返す。
【0033】
S9では、タイマーTM1の計時時間から入浴時間TBが演算されてメモリに記憶され、次のS10ではタイマーTM1がリセットされる。
次に、S11では、記憶している累積入浴時間TTBに今回の入浴時間TBを加算することで、累積入浴時間TTBが更新され、その後リターンする。
S1の判定がYesのときは、S12において除菌処理が実行され、次にS13において累積入浴時間TTBが「0」にリセットされ、最後の退浴時刻もリセットされ、その後リターンする。
【0034】
上記S12の除菌処理について、
図4のフローチャートに基づいて説明する。
S20においては、浴槽水位センサ7から浴槽水位を読み込み、S21では浴槽水位から浴槽湯量を演算する。この場合、記憶している所定の演算式やテーブルやマップに基づいて浴槽水位から浴槽湯量を演算する。次に、S22においては、浴槽湯量と、累積入浴時間TTBと、表1に示すテーブルに基づいて、除菌運転時間Hsと、UV除菌灯9の光源出力Wが演算される。尚、表1に示すテーブルは、給湯制御部10に予め格納されている。
【0035】
【0036】
次に、S23においては、最後の退浴時刻から現在までの経過時間と
図5に例示する計算式に基づいて光源出力Wを補正する補正係数αが演算される。
図5に例示する計算式では、平均的な経過時間(例えば、6時間)のときに補正係数αが「1」となり、その平均的な経過時間よりも経過時間が長くなるほど補正係数αが1よりも増大し、また、平均的な経過時間よりも経過時間が短くなるほど補正係数αが1よりも低減するような特性に設定してある。
【0037】
即ち、最後の退浴時刻から現在までの経過時間が長くなるほどレジオネラ菌等の数が多くなるため、光源出力を強化するためである。尚、
図5に示す計算式は例示であり、この計算式に限定されるものではない。
【0038】
次に、S24において、光源出力補正値WaがWa=W×αとして演算され、次のS25において、上記のように求めた除菌運転時間Hsと光源出力補正値WaでもってUV 除菌灯9を駆動する除菌処理が実行される。
【0039】
以上説明した風呂給湯装置1の作用、効果について説明する。
前回の除菌運転から今回の除菌運転開始までの間の累積入浴時間を算出し、この累積入浴時間に応じて前記除菌灯に対する供給電力を変動させるように制御するため、浴槽水に含まれるレジオネラ菌等の数の大小に応じて適切に除菌できるような適切な供給電力で除菌灯を駆動することができる。
【0040】
浴槽湯量に応じて除菌運転における除菌灯の点灯時間を変動させることで、浴槽水に含まれるレジオネラ菌等の数の大小に応じて適切に除菌できる。
【0041】
除菌運転を開始する前の最後の退浴から除菌運転の開始までの経過時間が長くなるほど、浴槽水に含まれるレジオネラ菌等の数が多くなることから、経過時間に応じて除菌灯に対する供給電力を適切に変動させ、レジオネラ菌等の数の大小に応じて適切に除菌することができる。
【0042】
除菌運転を毎日予め設定された時刻に自動的に開始するため、毎日確実に除菌運転を行うことができる。また、前記除菌運転の開始時刻は使用者が手動にて設定することが可能であるため、入浴の状況を勘案して除菌運転の開始時刻を適切に設定することができる。
【0043】
前記実施形態を変更する例について説明する。
(1)UV除菌灯9を風呂戻り通路4aに設置する代わりに、風呂往き通路4bに設置してもよい。
(2)表1に示す種々の数値は例示であり、これに限定されるものではない。同様に、
図5に示す計算式も例示であり、これに限定されるものではない。
【0044】
(3)その他、当業者なら前記実施形態に種々の変更を付加して実施可能であることは言う迄もない。
【符号の説明】
【0045】
1 風呂給湯装置
4 追焚循環通路
7 浴槽水位センサ
9 UV除菌灯
10 給湯制御部
11 加熱部
24 流量調整弁
25 注湯流量センサ
26 注湯電磁弁(開閉弁)