(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187425
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H10D 30/80 20250101AFI20251218BHJP
H10D 30/47 20250101ALI20251218BHJP
H10D 30/87 20250101ALI20251218BHJP
H10D 8/50 20250101ALI20251218BHJP
H10D 8/01 20250101ALI20251218BHJP
H10D 62/10 20250101ALI20251218BHJP
【FI】
H01L29/80 V
H01L29/80 H
H01L29/80 F
H01L29/91 F
H01L29/91 C
H01L29/91 A
H01L29/80 L
H01L29/06 301V
H01L29/06 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096217
(22)【出願日】2024-06-13
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和5年度、環境省、革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業(超低抵抗GaNウエハを用いた高効率インバータの開発・検証)委託業務、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 直大
(72)【発明者】
【氏名】半田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】田村 聡之
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB04
5F102GB05
5F102GC07
5F102GC09
5F102GD01
5F102GD04
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR04
5F102GR07
5F102GR12
5F102GS03
5F102GS07
5F102GS09
5F102GT03
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC11
5F102HC16
(57)【要約】
【課題】電気特性が改善された半導体デバイスを提供する。
【解決手段】半導体デバイス1は、基板10と、基板10の上方に設けられた電子走行層22と、電子走行層22の上方に設けられた閾値調整層28と、閾値調整層28の上面に設けられたゲート電極32と、電子走行層に電気的に接続され、閾値調整層28及びゲート電極32から離れて設けられたソース電極34と、基板10の下方に設けられたドレイン電極36と、Ag又はAlを含み、ゲート電極32の上方に設けられた反射層70と、を備える。基板10の平面視において、変調動作に寄与する素子領域と、ゲート電極32、ソース電極34及びドレイン電極36の少なくとも1つに給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、反射層70は、素子領域に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、
前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、
前記p型半導体層の上面に設けられたゲート電極と、
前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記ゲート電極から離れて設けられたソース電極と、
前記基板の下方に設けられたドレイン電極と、
Ag又はAlを含み、前記ゲート電極の上方に設けられた反射層と、を備え、
前記基板の平面視において、
変調動作に寄与する素子領域と、
前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも1つに給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、
前記反射層は、前記素子領域に設けられている、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記反射層は、前記ソース電極及び前記ゲート電極のいずれにも電気的に接続されていない、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記反射層は、前記ソース電極に電気的に接続されている、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ゲート電極の上方に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上方に設けられ、前記第1絶縁層に設けられた開口を介して前記ソース電極に接続されたソース配線と、
前記ソース配線の上方に設けられた第2絶縁層と、を備え、
前記反射層は、前記第2絶縁層の上方に設けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ゲート電極の上方に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上方に設けられ、前記第1絶縁層に設けられた開口を介して前記ソース電極に接続されたソース配線を備え、
前記第1絶縁層は、複数の絶縁層の積層構造を有し、
前記反射層は、前記第1絶縁層内に設けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
基板と、
前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、
前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、
前記p型半導体層の上面に設けられたアノード電極と、
前記基板の下方に設けられたカソード電極と、
前記アノード電極の上方に設けられた反射層と、を備え、
前記基板の平面視において、
整流動作に寄与する素子領域と、
前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一方に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、
前記反射層は、前記素子領域に設けられている、
半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1半導体層は、電子走行層と、前記電子走行層の上方に設けられた電子供給層と、を含み、
前記p型半導体層は、前記電子供給層上に接触して設けられている、
請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1半導体層は、n型半導体層を含む、
請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記反射層は、Ag又はAlを含む、
請求項6から8のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記反射層は、前記アノード電極とは電気的に接続されていない、
請求項6から8のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記反射層は、前記アノード電極に電気的に接続されている、
請求項6から8のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
基板と、
前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、
前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、
前記p型半導体層の上面に設けられた第1電極と、
前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記第1電極から離れて設けられた第2電極と、
前記第1電極の上方に設けられた反射層と、を備え、
前記基板の平面視において、
前記第1半導体層を流れる電流の主経路を含む素子領域と、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、
前記主経路は、前記基板を通過せず、
前記反射層は、前記素子領域に設けられている、
半導体デバイス。
【請求項13】
前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記第1電極を、前記第2電極との間に挟むように設けられたソース電極を備え、
前記第1電極は、ゲート電極であり、
前記第2電極は、ドレイン電極である、
請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記第1電極と前記反射層との間に設けられた第1絶縁層を備え、
前記第1絶縁層は、
前記基板の平面視において、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に位置する薄膜部と、
前記基板の平面視において、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に位置する厚膜部と、を含み、
前記薄膜部の厚さは、前記厚膜部の厚さよりも薄い、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記第1絶縁層は、
前記第1半導体層の上面を覆う第1膜と、
前記第1膜の上方に設けられた第2膜と、
前記第2膜の上方に設けられた第3膜と、を含み、
前記第2膜は、前記第3膜とは異なる組成を有し、
前記第3膜は、前記薄膜部と前記厚膜部とのうち前記厚膜部のみに設けられている、
請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記第1電極は、アノード電極であり、
前記第2電極は、カソード電極である、
請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記反射層は、Ag又はAlを含む、
請求項12から16のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記反射層は、前記第1電極及び前記第2電極のいずれにも電気的に接続されていない、
請求項12から16のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記反射層は、前記第2電極に電気的に接続されている、
請求項12から16のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記第1半導体層及び前記p型半導体層はそれぞれ、窒化物半導体を主成分として含む、
請求項1から3、6から8、12から16のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
GaNに代表される窒化物半導体は、ワイドギャップ半導体であり、絶縁破壊電界が大きく、電子の飽和ドリフト速度が大きいという特長を有している。例えば、GaN及びAlNのバンドギャップは、それぞれ室温で3.4eV、6.2eVである。このため、高出力化及び高耐圧化に有利な窒化物半導体を用いたパワートランジスタの研究開発が現在活発に行われている。
【0003】
また、GaNやGaAsに代表される化合物半導体は、直接遷移型であるため光の発生効率が高いという特長を有している。このため、化合物半導体は、発光素子への利用にも有用である。発光波長はバンドギャップに依存し、例えば、GaNは紫外光波長(約365nm)であり、GaAsは赤外光波長(約885nm)である。
【0004】
GaNなどを用いた半導体デバイスとして、例えば、特許文献1及び2には、AlGaN/GaNヘテロ構造を有する電界効果トランジスタ(FET)が開示されている。また、非特許文献1には、同一のウェハにトランジスタとショットキーLED(Light Emitting Diode)とを形成する技術が開示されている。
【0005】
また、AlGaN/GaNヘテロ構造を有するデバイスでは、(0001)面上にて自発分極及びピエゾ分極により、ヘテロ界面の近傍に高濃度の2次元電子ガス(2DEG:2 Dimensional Electron Gas)が生じる。このため、アンドープ時においても、ヘテロ界面の近傍では1×1013cm-2以上のシートキャリア濃度が得られる特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7195306号公報
【特許文献2】特開2014-222724号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Baikui Li et al., “Optical pumping of deep traps in AlGaN/GaN-on-Si HEMTs using an on-chip Schottky-on-heterojunction light-emitting diode”, Applied Physics Letters, March 2015, Vol. 106, Issue 9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の半導体デバイスには、抵抗又は電流量などの電気特性の改善の余地がある。
【0009】
そこで、本開示は、電気特性が改善された半導体デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る半導体デバイスは、基板と、前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、前記p型半導体層の上面に設けられたゲート電極と、前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記ゲート電極から離れて設けられたソース電極と、前記基板の下方に設けられたドレイン電極と、Ag又はAlを含み、前記ゲート電極の上方に設けられた反射層と、を備え、前記基板の平面視において、変調動作に寄与する素子領域と、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも1つに給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、前記反射層は、前記素子領域に設けられている。
【0011】
本開示の別の一態様に係る半導体デバイスは、基板と、前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、前記p型半導体層の上面に設けられたアノード電極と、前記基板の下方に設けられたカソード電極と、前記アノード電極の上方に設けられた反射層と、を備え、前記基板の平面視において、整流動作に寄与する素子領域と、前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一方に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、前記反射層は、前記素子領域に設けられている。
【0012】
本開示の別の一態様に係る半導体デバイスは、基板と、前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、前記p型半導体層の上面に設けられた第1電極と、前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記第1電極から離れて設けられた第2電極と、前記第1電極の上方に設けられた反射層と、を備え、前記基板の平面視において、前記第1半導体層を流れる電流の主経路を含む素子領域と、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、前記主経路は、前記基板を通過せず、前記反射層は、前記素子領域に設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、電気特性が改善された半導体デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図2A】
図2Aは、比較例に係る半導体デバイスの課題を説明するための断面図である。
【
図2B】
図2Bは、実施の形態1に係る半導体デバイスの効果を説明するための断面図である。
【
図3】
図3は、金属の反射係数の波長依存性を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1の変形例1に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1の変形例2に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図7A】
図7Aは、実施の形態2の変形例に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図7B】
図7Bは、実施の形態2の別の変形例に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態3に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図9A】
図9Aは、実施の形態3の変形例に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図9B】
図9Bは、実施の形態3の別の変形例に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態4に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態4の変形例1に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態4の変形例2に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態4の変形例3に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態5に係る半導体デバイスの断面図である。
【
図15】
図15は、実施の形態5の変形例に係る半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本開示の基礎となった知見)
以下に示す表1は、AlGaN/GaNのヘテロ構造を有する縦型トランジスタに外部から光を照射した場合の2次元電子ガスのシート抵抗及びオン抵抗を表している。
【0016】
【0017】
光を照射することにより、ヘテロ界面近傍ではキャリアが励起される。その結果、表1に示すように、2次元電子ガスのシート抵抗が約16%低下し、オン抵抗が約7%低下する。このことから、ヘテロ構造を有する半導体デバイスに光を照射することにより、半導体デバイスの電気特性の向上が期待できることがわかる。
【0018】
特許文献1に開示された縦型トランジスタでは、ノーマリオフ特性を実現するために、ゲート電極とAlGaN/GaNヘテロ構造との間にp型のAlGaN層が設けられている。p型のAlGaN層とヘテロ界面近傍に生じる2次元電子ガスとがpn接合を形成することから、変調増幅作用時に光が生じる。
【0019】
特許文献1及び2に開示されたトランジスタではいずれも、発生する光の利用効率が悪い。このため、電気特性に改善の余地がある。
【0020】
また、非特許文献1では、ショットキーLEDが発する光によって、同一のウェハに形成されたトランジスタの電流コラプスが良化することが示されている。しかしながら、非特許文献1に開示された構造では、トランジスタよりも大きいLEDを並列に接続する必要があるため、チップ面積の増大につながるという課題がある。
【0021】
そこで、本開示では、動作時に発生する光を効率良く利用して、電気特性が改善された半導体デバイスを提供する。
【0022】
本開示の第1態様に係る半導体デバイスは、基板と、前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、前記p型半導体層の上面に設けられたゲート電極と、前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記ゲート電極から離れて設けられたソース電極と、前記基板の下方に設けられたドレイン電極と、Ag又はAlを含み、前記ゲート電極の上方に設けられた反射層と、を備え、前記基板の平面視において、変調動作に寄与する素子領域と、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも1つに給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、前記反射層は、前記素子領域に設けられている。
【0023】
これにより、Ag又はAlを含む反射層は、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の反射係数が大きいので、光の利用効率が高めることができる。よって、オン抵抗の低減、ドレイン電流の増大、又は、電流コラプスの抑制など、縦型トランジスタを含む半導体デバイスの電気特性を改善することができる。また、非特許文献1のように別のLEDを形成する必要がないので、半導体デバイスの小面積化も可能である。
【0024】
本開示の第2態様に係る半導体デバイスは、第1態様に係る半導体デバイスであって、前記反射層は、前記ソース電極及び前記ゲート電極のいずれにも電気的に接続されていない。
【0025】
これにより、縦型トランジスタとしての動作部と反射層とを電気的に分離することができるので、反射層の平面レイアウトの設計自由度を高めることができる。例えば、半導体デバイスの全面を覆うように反射層を設けることができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0026】
本開示の第3態様に係る半導体デバイスは、第1態様に係る半導体デバイスであって、前記反射層は、前記ソース電極に電気的に接続されている。
【0027】
これにより、ゲート-ソース間の容量(Ciss)を増加させることができるので、スイッチング動作時の誤点弧を抑制することができる。
【0028】
本開示の第4態様に係る半導体デバイスは、第1態様から第3態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記ゲート電極の上方に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上方に設けられ、前記第1絶縁層に設けられた開口を介して前記ソース電極に接続されたソース配線と、前記ソース配線の上方に設けられた第2絶縁層と、を備え、前記反射層は、前記第2絶縁層の上方に設けられている。
【0029】
これにより、縦型トランジスタとしての動作部と反射層とを空間的に分離することができるので、反射層の平面レイアウトの設計自由度を高めることができる。例えば、半導体デバイスの全面を覆うように反射層を設けることができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0030】
本開示の第5態様に係る半導体デバイスは、第1態様から第3態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記ゲート電極の上方に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上方に設けられ、前記第1絶縁層に設けられた開口を介して前記ソース電極に接続されたソース配線を備え、前記第1絶縁層は、複数の絶縁層の積層構造を有し、前記反射層は、前記第1絶縁層内に設けられている。
【0031】
これにより、ヘテロ構造の近傍に位置する発光領域に反射層を設けることができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0032】
本開示の第6態様に係る半導体デバイスは、基板と、前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、前記p型半導体層の上面に設けられたアノード電極と、前記基板の下方に設けられたカソード電極と、前記アノード電極の上方に設けられた反射層と、を備え、前記基板の平面視において、整流動作に寄与する素子領域と、前記アノード電極及び前記カソード電極の少なくとも一方に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、前記反射層は、前記素子領域に設けられている。
【0033】
これにより、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光を反射する反射層が設けられているので、光の利用効率が高めることができる。よって、順方向電流の増大など、縦型ダイオードを含む半導体デバイスの電気特性を改善することができる。また、非特許文献1のように別のLEDを形成する必要がないので、半導体デバイスの小面積化も可能である。
【0034】
本開示の第7態様に係る半導体デバイスは、第6態様に係る半導体デバイスであって、前記第1半導体層は、電子走行層と、前記電子走行層の上方に設けられた電子供給層と、を含み、前記p型半導体層は、前記電子供給層上に接触して設けられている。
【0035】
これにより、電子供給層と電子走行層との界面近傍に生じる2次元電子ガスとp型半導体層とのpn接合を利用した縦型のpn接合ダイオードを含む半導体デバイスの電気特性を改善することができる。
【0036】
本開示の第8態様に係る半導体デバイスは、第6態様に係る半導体デバイスであって、前記第1半導体層は、n型半導体層を含む。
【0037】
これにより、縦型のpn接合ダイオード含む半導体デバイスの電気特性を改善することができる。
【0038】
本開示の第9態様に係る半導体デバイスは、第6態様から第8態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記反射層は、Ag又はAlを含む。
【0039】
これにより、Ag又はAlを含む反射層は、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の反射係数が大きいので、光の利用効率が高めることができる。
【0040】
本開示の第10態様に係る半導体デバイスは、第6態様から第9態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記反射層は、前記アノード電極とは電気的に接続されていない。
【0041】
これにより、縦型ダイオードとしての動作部と反射層とを電気的に分離することができるので、反射層の平面レイアウトの設計自由度を高めることができる。例えば、半導体デバイスの全面を覆うように反射層を設けることができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0042】
本開示の第11態様に係る半導体デバイスは、第6態様から第9態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記反射層は、前記アノード電極に電気的に接続されている。
【0043】
これにより、反射層が電界集中を緩和することができるので、半導体デバイスの耐圧を高めることができる。また、例えば、反射層とアノード電極との間の絶縁層の形成を省略するなどの製造工程の短縮にも貢献することができる。
【0044】
本開示の第12態様に係る半導体デバイスは、基板と、前記基板の上方に設けられた第1半導体層と、前記第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層と、前記p型半導体層の上面に設けられた第1電極と、前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記第1電極から離れて設けられた第2電極と、前記第1電極の上方に設けられた反射層と、を備え、前記基板の平面視において、前記第1半導体層を流れる電流の主経路を含む素子領域と、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる素子分離領域と、が設けられ、前記主経路は、前記基板を通過せず、前記反射層は、前記素子領域に設けられている。
【0045】
これにより、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光を反射する反射層が設けられているので、光の利用効率が高めることができる。よって、横型の半導体デバイスの電気特性を改善することができる。また、非特許文献1のように別のLEDを形成する必要がないので、半導体デバイスの小面積化も可能である。
【0046】
本開示の第13態様に係る半導体デバイスは、第12態様に係る半導体デバイスであって、前記第1半導体層に電気的に接続され、前記p型半導体層及び前記第1電極を、前記第2電極との間に挟むように設けられたソース電極を備え、前記第1電極は、ゲート電極であり、前記第2電極は、ドレイン電極である。
【0047】
これにより、オン抵抗の低減、ドレイン電流の増大、又は、電流コラプスの抑制など、横型トランジスタを含む半導体デバイスの電気特性を改善することができる。
【0048】
本開示の第14態様に係る半導体デバイスは、第13態様に係る半導体デバイスであって、前記第1電極と前記反射層との間に設けられた第1絶縁層を備え、前記第1絶縁層は、前記基板の平面視において、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に位置する薄膜部と、前記基板の平面視において、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に位置する厚膜部と、を含み、前記薄膜部の厚さは、前記厚膜部の厚さよりも薄い。
【0049】
これにより、ヘテロ構造の近傍に位置する発光領域に反射層を設けることができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0050】
本開示の第15態様に係る半導体デバイスは、第14態様に係る半導体デバイスであって、前記第1絶縁層は、前記第1半導体層の上面を覆う第1膜と、前記第1膜の上方に設けられた第2膜と、前記第2膜の上方に設けられた第3膜と、を含み、前記第2膜は、前記第3膜とは異なる組成を有し、前記第3膜は、前記薄膜部と前記厚膜部とのうち前記厚膜部のみに設けられている。
【0051】
これにより、第3膜をエッチング加工時におけるエッチングストッパ層として機能させることができる。設計どおりの第1絶縁層を形成しやすくなるので、製造ばらつきに起因する電気特性のばらつきを抑制することができる。
【0052】
本開示の第16態様に係る半導体デバイスは、第12態様に係る半導体デバイスであって、前記第1電極は、アノード電極であり、前記第2電極は、カソード電極である。
【0053】
これにより、順方向電流の増大など、横型ダイオードを含む半導体デバイスの電気特性を改善することができる。
【0054】
本開示の第17態様に係る半導体デバイスは、第12態様から第16態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記反射層は、Ag又はAlを含む。
【0055】
これにより、Ag又はAlを含む反射層は、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の反射係数が大きいので、光の利用効率が高めることができる。
【0056】
本開示の第18態様に係る半導体デバイスは、第12態様から第17態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記反射層は、前記第1電極及び前記第2電極のいずれにも電気的に接続されていない。
【0057】
これにより、半導体デバイスの動作部と反射層とを電気的に分離することができるので、反射層の平面レイアウトの設計自由度を高めることができる。例えば、半導体デバイスの全面を覆うように反射層を設けることができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0058】
本開示の第19態様に係る半導体デバイスは、第12態様から第18態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記反射層は、前記第2電極に電気的に接続されている。
【0059】
これにより、ゲート-ソース間の容量(Ciss)を増加させることができるので、スイッチング動作時の誤点弧を抑制することができる。あるいは、反射層が電界集中を緩和することができるので、半導体デバイスの耐圧を高めることができる。また、例えば、反射層と第2電極との間の絶縁層の形成を省略するなどの製造工程の短縮にも貢献することができる。
【0060】
本開示の第20態様に係る半導体デバイスは、第1態様から第19態様のいずれか1つに係る半導体デバイスであって、前記第1半導体層及び前記p型半導体層はそれぞれ、窒化物半導体を主成分として含む。
【0061】
これにより、絶縁破壊電界が大きく、電子のドリフト速度が高い半導体デバイスを実現することができる。
【0062】
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0063】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0064】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0065】
また、本明細書において、平行又は直交などの要素間の関係性を示す用語、矩形又は台形などの要素の形状を示す用語、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0066】
また、本明細書において、基板の「厚さ方向」とは、基板の主面に垂直な方向のことをいう。厚さ方向は、半導体層の積層方向と同じであり、「縦方向」とも記載される。また、基板の主面に平行な方向を「横方向」と記載する場合がある。「縦型」の半導体デバイスとは、ドレイン電流又は順方向電流などの電流の主経路が縦方向になるデバイス、すなわち、主な電流が基板を縦方向に通過するデバイスを意味する。「横型」の半導体デバイスとは、ドレイン電流又は順方向電流などの電流の主経路が横方向になるデバイス、すなわち、主な電流が基板を通過しないデバイスを意味する。
【0067】
また、基板に対してヘテロ構造が設けられた側を「上方」又は「上側」とみなし、その反対側を「下方」又は「下側」とみなす。なお、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
【0068】
また、本明細書において、「平面視」とは、特に断りのない限り、窒化物半導体デバイスの基板の主面に対して垂直な方向から見たとき、すなわち、基板の主面を正面から見たときのことをいう。
【0069】
また、本明細書において、「平面視においてAとBとが重なる」とは、Aの少なくとも一部とBの少なくとも一部とが重なることを意味している。すなわち、Aの一部のみとBの一部のみとが重なっている場合、Aの全てがBに重なっている場合、Bの全てがAに重なっている場合、AとBとが互いに完全に重なっている場合などが含まれる。
【0070】
また、本明細書において、AlGaNとは、3元混晶AlxGa1-xN(0<x<1)のことを表す。以下、多元混晶はそれぞれの構成元素記号の配列、例えばAlInN、GaInN等でもって略記される。例えば、窒化物半導体の一例であるAlxGa1-x-yInyN(0<x<1、0<y<1、かつ、0<x+y<1)は、AlGaInNと略記される。x、1-x-y、yがそれぞれ、Al、Ga、Inの組成比を表している。
【0071】
また、「AがBを主成分として含む」とは、Aを構成する要素の中でBの組成比が最も高いことを意味する。また、GaN、AlGaNなどの材料Xからなる層、及び、材料Xによって構成される層とは、当該層が実質的に材料Xのみを含んでいることを意味する。ただし、当該層には、例えば製造上混入を避けられない元素など他の元素が不純物として、1at%以下の割合で含まれていてもよい。
【0072】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0073】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る半導体デバイスの構成について、
図1を用いて説明する。
【0074】
図1は、実施の形態1に係る半導体デバイス1の断面図である。
図1では、半導体層、絶縁層及び電極等の各構成要素に対して、断面を表す斜線の網掛けを付している。
図2A以降の各断面図においても同様である。
【0075】
半導体デバイス1は、ノーマリオフ型の縦型FETである。半導体デバイス1では、例えば、ソース電極34が接地され、ドレイン電極36に正の電位が与えられている。ドレイン電極36に与えられる電位は、例えば100V以上1200V以下であるが、これに限らない。半導体デバイス1では、ゲート電極32に印加される電位に応じた変調動作を行う。例えば、ゲート電極32に0V又は負の電位(例えば-5V)が印加された場合には、ドレイン電極36とソース電極34との間には電流が流れない。すなわち、半導体デバイス1が非導通状態(オフ)になる。ゲート電極32に正の電位(例えば+5V)が印加されることで、ドレイン電極36からソース電極34に電流が流れる。すなわち、半導体デバイス1が導通状態(オン)になる。オン時にドレイン電極36からソース電極34に流れる電流をドレイン電流と呼ぶ。ドレイン電流は、基板10をその厚さ方向(すなわち、縦方向)に流れる。
【0076】
図1に示すように、半導体デバイス1は、基板10と、ドリフト層12と、下地層14と、ブロック層16と、下地層18と、電子走行層22と、電子供給層24と、閾値調整層28と、ゲート電極32と、ソース電極34と、ドレイン電極36と、を備える。さらに、半導体デバイス1は、絶縁層40と、ビア導体50と、ソース配線52と、保護層60と、反射層70と、を備える。また、半導体デバイス1には、ゲート開口部20及びソース開口部30が設けられている。
【0077】
半導体デバイス1は、チャネルを含む半導体層が窒化物半導体を主成分として含む窒化物半導体デバイスである。具体的には、ドリフト層12と、下地層14と、ブロック層16と、下地層18と、電子走行層22と、電子供給層24と、閾値調整層28とがそれぞれ、窒化物半導体を主成分として含む。
【0078】
以下では、半導体デバイス1が備える各構成要素の詳細について説明する。
【0079】
基板10は、窒化物半導体からなる基板である。基板10の平面視形状は、例えば矩形であるが、これに限らない。
【0080】
基板10は、例えば、厚さが300μmであり、キャリア濃度が1×1018cm-3であるn+型のGaNからなる基板である。なお、n型及びp型は、半導体の導電型を示している。n+型は、半導体にn型のドーパントが高濃度に添加された状態、いわゆるヘビードープを表している。また、n-型とは、半導体にn型のドーパントが低濃度に添加された状態、いわゆるライトドープを表している。n+型及びn-型はいずれも、n型の一例であり、それぞれを区別せずにn型と記載する場合がある。また、p+型及びp-型についても同様である。
【0081】
なお、基板10は、窒化物半導体基板でなくてもよい。例えば、基板10は、シリコン(Si)基板、炭化シリコン(SiC)基板、又は、酸化亜鉛(ZnO)基板などであってもよい。
【0082】
ドリフト層12は、基板10の上方に設けられたn型半導体層の一例である。ドリフト層12は、例えば、厚さが8μmのn-型のGaNからなる膜である。ドリフト層12のドナー濃度は、例えば1×1015cm-3以上1×1017cm-3以下であり、一例として、1×1016cm-3である。また、ドリフト層12の炭素濃度(C濃度)は、例えば、1×1015cm-3以上2×1017cm-3以下である。ドリフト層12は、例えば、基板10の上面(主面)に接触して設けられている。
【0083】
下地層14は、ドリフト層12とブロック層16との間に設けられた半導体層の一例である。下地層14は、例えば、厚さが100nmで、炭素がドープされたGaN(C-GaN)からなる膜である。下地層14の炭素濃度は、例えば3×1017cm-3以上であるが、1×1018cm-3以上であってもよい。下地層14は、ドリフト層12及びブロック層16の各々に接触して設けられている。下地層14には、Siなどのn型不純物が含まれていてもよい。下地層14に含まれるn型不純物の濃度は、下地層14の炭素濃度及び酸素濃度より低く、例えば5×1016cm-3以下であり、あるいは、2×1016cm-3以下であってもよい。
【0084】
下地層14が設けられていることで、パンチスルーを抑制し、半導体デバイス1の耐圧を高めることができる。なお、下地層14は設けられていなくてもよく、ドリフト層12とブロック層16とが接触していてもよい。
【0085】
ブロック層16は、ドリフト層12の上方に設けられたp型半導体層の一例である。ブロック層16は、例えば、厚さが400nmであり、キャリア濃度が1×1017cm-3であるp型のGaNからなる膜である。ブロック層16は、下地層14の上面に接触して設けられている。
【0086】
なお、ブロック層16は、結晶成長で形成しているが、例えば、成膜したi-GaNへマグネシウム(Mg)注入することで形成してもよい。さらに言えば、ブロック層16は、p型の窒化物半導体層ではなく、鉄(Fe)又はホウ素(B)を注入するなどを行うことで得られる絶縁層であってもよい。
【0087】
本実施の形態では、
図1に示すように、ブロック層16は、ソース電極34と接触している。このため、ブロック層16は、ソース電極34に加えられるソース電位に固定されている。これにより、半導体デバイス1の高耐圧化が実現される。例えば、ブロック層16とドリフト層12とで形成されるpn接合に対して逆方向電圧が印加された場合、具体的には、ソース電極34よりもドレイン電極36が高電位となった場合に、ドリフト層12に空乏層が延びるので、半導体デバイス1の高耐圧化が可能である。本実施の形態では、オフ状態及びオン状態のいずれにおいても逆導通動作の場合を除いて、ソース電極34よりドレイン電極36が高電位となっている。このため、半導体デバイス1の高耐圧化が実現される。
【0088】
下地層18は、ブロック層16と電子走行層22との間に設けられた半導体層の一例である。下地層18は、ブロック層16よりも抵抗が高い高抵抗層である。下地層18は、例えば、厚さが200nmのアンドープGaN(i-GaN)からなる膜である。下地層18は、ブロック層16及び電子走行層22の各々に接触して設けられている。
【0089】
下地層18は、絶縁層又は半絶縁層であってもよい。例えば、下地層18は、炭素がドープされたGaN(C-GaN)からなる膜であってもよい。下地層18の炭素濃度は、例えば3×1017cm-3以上であるが、1×1018cm-3以上であってもよい。下地層18には、Siなどのn型不純物が含まれていてもよい。下地層18に含まれるn型不純物の濃度は、下地層18の炭素濃度及び酸素濃度より低く、例えば5×1016cm-3以下であり、あるいは、2×1016cm-3以下であってもよい。
【0090】
ゲート開口部20は、ブロック層16を貫通する第1開口部の一例である。具体的には、ゲート開口部20は、下地層18、ブロック層16及び下地層14を貫通して、ドリフト層12にまで達している。ゲート開口部20の底面20aは、ドリフト層12の上面の一部である。
図1に示すように、底面20aは、下地層14の下面より下側に位置している。なお、下地層14の下面は、下地層14とドリフト層12との界面に相当する。底面20aは、例えば、基板10の主面に平行である。半導体デバイス1のオン時のドレイン電流は、ドレイン電極36とソース電極34との間を、このゲート開口部20の底面20aを通じて流れる。
【0091】
本実施の形態では、ゲート開口部20は、基板10から遠ざかる程、開口面積が大きくなるように形成されている。具体的には、ゲート開口部20の側面20bは、斜めに傾斜している。
図1に示すように、ゲート開口部20の断面視形状は、逆台形、より具体的には、逆等脚台形である。
【0092】
底面20aに対する側面20bの傾斜角は、例えば、20°以上80°以下であるが、30°以上45°以下であってもよい。傾斜角が小さい程、側面20bがc面に近づくので、結晶再成長により側面20bに沿って形成される電子走行層22などの膜質を高めることができる。一方で、傾斜角が大きい程、ゲート開口部20が大きくなりすぎることが抑制され、半導体デバイス1の小型化が実現される。なお、側面20bは、底面20aに対して直角であってもよい。
【0093】
電子走行層22は、ゲート開口部20の側面20b及び底面20a、並びに、下地層18の上面を覆うように設けられた第1再成長層の一例である。具体的には、電子走行層22の一部は、ゲート開口部20の底面20a及び側面20bに沿って設けられ、電子走行層22の他の部分は、ブロック層16の上方で下地層18の上面上に設けられている。電子走行層22は、例えば、厚さが150nmのアンドープGaNからなる膜である。なお、電子走行層22は、アンドープを想定しているが、一部Siドープなどでn型化されてもよい。
【0094】
電子走行層22は、ゲート開口部20の底面20a及び側面20bにおいてドリフト層12に接触している。電子走行層22は、ゲート開口部20の側面20bにおいて、下地層14、ブロック層16及び下地層18の各々に接触している。さらに、電子走行層22は、下地層18の上面に接触している。
【0095】
電子走行層22は、チャネル領域を有する。具体的には、電子走行層22と電子供給層24との界面の近傍には、チャネルとなる2次元電子ガスが発生する。2次元電子ガスは、電子走行層22と電子供給層24との界面に沿って、すなわち、ゲート開口部20の内面に沿って屈曲している。
【0096】
図1には示していないが、電子走行層22と電子供給層24との間に、厚さが1nm程度のAlN層が第2再成長層として設けられている。これにより、合金散乱が抑制されてチャネル移動度が向上し、オン抵抗を低減することが可能になる。なお、AlN層は、必ずしも必要ではない。
【0097】
電子供給層24は、ゲート開口部20の側面20b及び底面20a、並びに、下地層18の上面を覆うように設けられた第3再成長層の一例である。電子走行層22と電子供給層24とは、基板10側からこの順で設けられている。電子供給層24は、例えば、厚さが20nmのアンドープAlGaNからなる膜である。電子供給層24は、電子走行層22の上面に沿った形状でほぼ均一な厚さで形成されている。
【0098】
電子供給層24は、電子走行層22よりもバンドギャップが大きい。このため、電子供給層24と電子走行層22との間にはAlGaN/GaNのヘテロ界面が形成されている。電子供給層24は、電子走行層22に形成されるチャネル領域(2次元電子ガス)への電子の供給を行う。
【0099】
なお、本実施の形態では、電子走行層22及び電子供給層24はいずれも、半導体デバイス1が備える第1半導体層に含まれる層である。第1半導体層は、基板10の上方に設けられている。
【0100】
閾値調整層28は、第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層の一例である。具体的には、閾値調整層28は、電子供給層24とゲート電極32との間に設けられている。より具体的には、閾値調整層28は、基板10の平面視において、ゲート開口部20と重なる位置で、電子供給層24の上面と直接接するように配置されている。閾値調整層28とソース電極34とは離間して配置されており、電気的に分離されている。
【0101】
閾値調整層28は、例えば、厚さが200nmであり、キャリア濃度が1×1019cm-3であるp型のGaNからなる膜である。なお、閾値調整層28の厚さ及びキャリア濃度は一例にすぎず、適宜変更は可能である。
【0102】
閾値調整層28が設けられていることにより、チャネル部分の伝導帯端のポテンシャルが持ち上げられる。これにより、ゲート電極32の直下のキャリア濃度を低減することができ、トランジスタの閾値電圧を正側にシフトさせることができる。このため、半導体デバイス1をノーマリオフ型のFETとして容易に実現することができる。閾値調整層28は、p型のAlGaNからなる膜であってもよい。
【0103】
ソース開口部30は、基板10の平面視においてゲート電極32から離れた位置で、電子供給層24及び電子走行層22を貫通し、ブロック層16にまで達する第2開口部の一例である。具体的には、ソース開口部30は、電子供給層24及び電子走行層22だけでなく、下地層18を貫通している。ソース開口部30は、基板10の平面視において、ゲート電極32及び閾値調整層28のいずれからも離れた位置に設けられている。
【0104】
ソース開口部30の底面30aは、ブロック層16の上面の一部である。
図1に示す例では、底面30aは、下地層18の下面よりも下側に位置していてもよい。なお、下地層18の下面は、下地層18とブロック層16との界面に相当する。底面30aは、例えば基板10の主面に平行である。
【0105】
また、
図1に示すように、ソース開口部30は、基板10から遠ざかる程、開口面積が大きくなるように形成されている。具体的には、ソース開口部30の側面30bは、斜めに傾斜している。例えば、ソース開口部30の断面形状は、逆台形、より具体的には、逆等脚台形である。このとき、底面30aに対する側面30bの傾斜角は、例えば、30°以上60°以下の範囲である。側面30bが斜めに傾斜していることで、ソース電極34と電子走行層22(2次元電子ガス)との接触面積が増えるので、オーミック接続が行われやすくなる。なお、2次元電子ガスは、ソース開口部30の側面30bに露出し、露出部分でソース電極34に接続されている。また、側面30bは、底面30aに対して直角であってもよい。
【0106】
ソース開口部30が設けられていることにより、チャネルとして機能する2次元電子ガスとソース電極34とのオーミックコンタクト抵抗を低減することができる。すなわち、半導体デバイス1のオン抵抗を低減することができる。また、ブロック層16とソース電極34とを電気的に接続することができるので、ブロック層16の電位を安定させて耐圧の向上等の効果を得ることができる。なお、ソース開口部30が設けられずに、ソース電極34は、閾値調整層28から離れた位置で電子供給層24の上面に接触して設けられていてもよい。
【0107】
ゲート電極32は、閾値調整層28の上面に設けられている。具体的には、ゲート電極32は、基板10の平面視でゲート開口部20に重なる位置で、閾値調整層28の上面に接触して設けられている。ゲート電極32は、平面視で、ゲート開口部20の底面20aに重なる位置に設けられている。
【0108】
ゲート電極32は、例えば、金属などの導電性の材料を用いて形成されている。例えば、ゲート電極32は、p型のGaN層に対してオーミック接続される材料を用いることができるが、これに限定されず、p型のGaN層に対してショットキー接触される材料を用いてもよい。例えば、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)系材料、タングステンシリサイド(WSi)、金(Au)などを用いることができる。
【0109】
ソース電極34は、第1半導体層に電気的に接続され、閾値調整層28及びゲート電極32から離れて設けられている。具体的には、ソース電極34は、ソース開口部30の底面30a及び側面30bに接触して設けられている。ソース電極34は、ソース開口部30の側面30bで2次元電子ガスと直接接触している。これにより、ソース電極34と2次元電子ガスとのコンタクト抵抗を低減することができるので、半導体デバイス1のオン抵抗を低減することができる。また、ソース電極34は、ソース開口部30の底面30aに露出したブロック層16に電気的に接続されている。
【0110】
ソース電極34は、金属などの導電性の材料を用いて形成されている。ソース電極34の材料としては、例えば、Ti/Al(Ti層とAl層との積層構造)など、熱処理することでn型のGaN層に対してオーミック接続される材料を用いることができる。
【0111】
ドレイン電極36は、基板10の下方に設けられている。具体的には、ドレイン電極36は、基板10の下面に接触して設けられる。
【0112】
ドレイン電極36は、金属などの導電性の材料を用いて形成されている。ドレイン電極36の材料としては、ソース電極34の材料と同様に、例えば、Ti/Alなどのn型のGaNに対してオーミック接触される材料を用いることができる。
【0113】
絶縁層40は、第1絶縁層の一例であり、ゲート電極32の上方に設けられている。絶縁層40は、複数の絶縁層の積層構造を有する。具体的には、
図1に示すように、絶縁層40は、層間絶縁膜41と、保護絶縁膜42と、を含む。
【0114】
なお、
図1には示されていないが、ゲート電極32と電気的に接続されたゲート配線がゲート電極32よりも上層に設けられている。ゲート配線(図示せず)とソース配線52とは、互いの接触及び近接を避けるため、互いに異なる層に設けられている。これにより、ゲート-ソース間の寄生容量を低減することができる。なお、ゲート配線とソース配線52とを異なる層に形成するため、絶縁層40が複数の絶縁層の積層構造を有する。
【0115】
層間絶縁膜41は、例えば窒化シリコン(SiN)からなる絶縁膜である。層間絶縁膜41は、電子供給層24の表面における電子トラップを抑制することができる。
【0116】
保護絶縁膜42は、例えば酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁膜と、酸化アルミニウム(Al2O3)からなる絶縁膜との積層構造を有する。SiNからなる絶縁膜、SiO2からなる絶縁膜、Al2O3からなる絶縁膜は、下からこの順で積層されている。各々の絶縁膜の膜厚は、特に限定されない。保護絶縁膜42の上面が基板10の主面に平行な平坦面になるように、層間絶縁膜41及び保護絶縁膜42が設けられている。
【0117】
ビア導体50は、絶縁層40を貫通し、ソース電極34とソース配線52とを電気的に接続している。絶縁層40には、ソース電極34を露出させるための開口が設けられており、当該開口内にビア導体50が設けられている。ビア導体50は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、ビア導体50は、ソース電極34側から順に積層されたTi膜、Al膜、Ni膜、Au膜の積層構造を有する。
【0118】
ソース配線52は、絶縁層40の上方に設けられ、絶縁層40に設けられた開口を介してソース電極34に接続されている。具体的には、ソース配線52は、ビア導体50を介してソース電極34に電気的に接続されている。ソース配線52は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、ソース配線52は、例えば、Auからなるメッキ膜である。ソース配線52とビア導体50に含まれるAu膜とは一体的に形成されていてもよい。ビア導体50をソース配線52の一部とみなしてもよい。
【0119】
保護層60は、第2絶縁層の一例であり、ソース配線52の上方に設けられている。保護層60は、例えばSiNからなる絶縁膜と、Al2O3からなる絶縁膜との積層構造を有する。SiNからなる絶縁膜、Al2O3からなる絶縁膜は、下からこの順で積層されている。各々の絶縁膜の膜厚は、特に限定されない。
【0120】
反射層70は、ゲート電極32の上方に設けられている。具体的には、反射層70は、絶縁層40の上方に設けられている。より具体的には、反射層70は、保護層60の上方に設けられている。反射層70は、例えば、保護層60の上面を接触して覆うように設けられている。また、反射層70は、ソース配線52の上方に設けられている。
【0121】
反射層70は、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)を含む金属反射層である。例えば、反射層70は、下から順に積層されたTi膜、Ag膜の積層構造、又は、下から順に積層されたTi膜、Al膜の積層構造を有する。
【0122】
本実施の形態では、反射層70は、ソース電極34及びゲート電極32のいずれにも電気的に接続されていない。例えば、反射層70は、電気的に浮遊状態にある。
【0123】
反射層70は、半導体デバイス1の素子領域に設けられている。詳細については
図16Aを用いて後で説明するが、半導体デバイス1は、基板10の平面視において、素子領域と素子分離領域とが設けられている。素子領域は、基板10を平面視した場合に、半導体デバイス1の変調動作に寄与する領域である。具体的には、素子領域は、平面視において、ソース電極34に重なる領域(ソース領域)、ゲート電極32に重なる領域(ゲート領域)、及び、ゲート電極32とソース電極34との間の領域に重なる領域(ゲート-ソース間領域)を含んでいる。本実施の形態では、反射層70は、基板10の平面視において、ソース領域、ゲート領域及びゲート-ソース間領域の各々に跨るように設けられている。また、反射層70は、基板10の平面視において、素子領域内のソース配線52に重なるように設けられている。
【0124】
以上のように構成された半導体デバイス1は、例えば、以下に示す方法によって製造される。
【0125】
まず、基板10の主面に対して、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法などのエピタキシャル成長によって、窒化物半導体を結晶成長させる。例えば、基板10の主面上に、ドリフト層12になるn型GaN膜、下地層14になる炭素ドープされたGaN膜、ブロック層16になるp型GaN膜、及び、下地層18になるアンドープGaN膜をこの順に形成する。その後、ドライエッチングなどによって、炭素ドープされたGaN膜、p型GaN膜及びアンドープGaN膜、並びに、n型GaN膜の表層部分を部分的に除去することにより、ゲート開口部20を形成する。
【0126】
さらに、ゲート開口部20を覆うように、MOVPE法、HVPE法などのエピタキシャル成長によって、窒化物半導体を結晶再成長させる。例えば、ゲート開口部20を覆うように、電子走行層22になるアンドープGaN膜、電子供給層24になるアンドープAlGaN膜、及び、閾値調整層28になるp型GaN膜をこの順に形成する。その後、ドライエッチングなどによって、p型GaN膜を所定形状にパターニングし、かつ、ソース開口部30を形成する。
【0127】
次に、電子ビーム蒸着又はスパッタリングなどによって、閾値調整層28を覆うように金属膜を形成し、エッチング又はリフトオフなどによって不要な部分を除去することで、ゲート電極32を形成する。さらに、ソース開口部30を覆うように金属膜を形成し、エッチング又はリフトオフなどによって不要な部分を除去することで、ソース電極34を形成する。なお、ゲート電極32及びソース電極34の形成は、いずれが先に行われてもよい。さらに、基板10の下面に電子ビーム蒸着又はスパッタリングなどによって金属膜を形成することで、ドレイン電極36を形成する。なお、ドレイン電極36の形成は、ソース配線52や反射層70などが形成された後に行われてもよい。
【0128】
ゲート電極32及びソース電極34を形成した後、絶縁層40を形成する。絶縁層40は、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、又は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などによって行われる。絶縁層40を形成した後、ドライエッチングなどによって絶縁層40に開口を形成し、ソース電極34の少なくとも一部を露出させる。その後、当該開口を埋めるようにビア導体50及びソース配線52を形成する。ビア導体50及びソース配線52は、例えば、Ti、Al、Ni等をスパッタリング又は電子ビーム蒸着などによって順に成膜した後、Auメッキを行うことで形成される。
【0129】
さらに、ソース配線52を覆うように保護層60を形成する。保護層60は、例えばプラズマCVD法、又は、ALD法などによって行われる。保護層60を形成した後、スパッタリング、電子ビーム蒸着又はメッキなどによって反射層70を形成する。なお、反射層70は、金属反射膜が形成された別基板を貼り合わせることによって形成されてもよい。
【0130】
このようにして、
図1に示す半導体デバイス1を製造することができる。なお、上述した半導体デバイス1の製造方法は一例にすぎず、特に限定されない。
【0131】
[特徴的な構成]
続いて、本実施の形態に係る半導体デバイス1の主な特徴的な構成について説明する。具体的には、半導体デバイス1が備える反射層70の作用効果について、比較例と比較しながら説明する。
【0132】
図2Aは、比較例に係る半導体デバイス1xの課題を説明するための断面図である。
図2Bは、実施の形態1に係る半導体デバイス1の効果を説明するための断面図である。
図2Aに示す半導体デバイス1xは、
図1及び
図2Bに示す半導体デバイス1と比較して、反射層70を備えない点が相違する。また、保護層60の断面形状も異なっているが、保護層60は同じであってもよい。
【0133】
半導体デバイス1及び1xでは、ゲート電極32に閾値電圧以上の電圧が印加された場合に、p型半導体層である閾値調整層28と2次元電子ガスを含む電子走行層22とのpn接合の近傍で発光する。半導体デバイス1xでは、
図2Aに示すように、発光した光が絶縁層40を介して上方に放出される。pn接合の近傍で発生する光は、GaNのバンドギャップの大きさに応じた波長の光、具体的には、近紫外光、又は、紫色から青色の可視光である。より具体的には、330nm以上400nm以下の範囲の光が放出される。
【0134】
これに対して、本実施の形態では、Al又はAgを含む反射層70が設けられている。Al又はAgは、
図3に示すように、pn接合の近傍で発生する光の波長に対して、高い反射係数を有する。なお、
図3は、金属の反射係数の波長依存性を示す図である。
図3において横軸が波長を表し、縦軸が反射係数を表している。アルミニウム(Al)及び銀(Ag)の場合、反射係数は、90%以上である。このため、反射層70は、光を反射することができる。
【0135】
これにより、反射層70によって反射された光は、pn接合の近傍で吸収されて電子正孔対が生成される。生成された電子正孔対の一部が再結合することによって光が発せられ、反射層70で反射される。反射層70は、このように発光及び吸収を繰り返すフォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の利用効率を高めることができる。このため、オン抵抗の低減、ドレイン電流の増大、又は、電流コラプスの抑制などの、半導体デバイス1の電気特性を改善することができる。なお、反射層70による反射はミラー反射である。反射層70の下方に位置する発光部(すなわち、pn接合の近傍)からの光を効率良く、発光部に戻るように反射させることができる。
【0136】
なお、比較例に係る半導体デバイス1xでは、反射層70が設けられていないので、光が半導体デバイス1xの外部に漏れてしまい、吸収効率が低い。また、ソース配線52は、Auを主成分として含む金属層であるが、
図3に示すように、Auは、330nm以上400nm以下の範囲の光に対する反射係数が低く、反射層としては実質的に機能しない。このため、本実施の形態に係る半導体デバイス1は、比較例に係る半導体デバイス1xに比べて、電気特性を改善することができる。例えば、オン抵抗が低減されることにより、低損失スイッチング動作に秀でた半導体デバイス1を実現することができる。
【0137】
また、本実施の形態では、縦型トランジスタ自体が発する光を利用し、別の発光ダイオードなどの発光素子を設ける必要がない。したがって、半導体デバイス1のチップ面積の小面積化を実現することができる。
【0138】
[変形例]
続いて、実施の形態1の変形例について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0139】
<変形例1>
図4は、実施の形態1の変形例1に係る半導体デバイス1Aの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス1Aでは、反射層70がソース電極34に電気的に接続されている点が、半導体デバイス1とは異なる。具体的には、半導体デバイス1Aでは、
図4に示すように、保護層60が設けられていない。反射層70は、ソース配線52に接触するように設けられており、ソース配線52及びビア導体50を介してソース電極34に電気的に接続されている。
【0140】
これにより、反射層70がソース電極34と同電位になるため、ゲート-ソース間の容量(Ciss)を増加させることができる。このため、スイッチング動作時の誤点弧を抑制することができる。また、保護層60が設けられていないので、反射層70と発光部との距離を近づけることができるので、光の利用効率を高めることができる。よって、電気特性が改善された半導体デバイス1Aを実現することができる。
【0141】
<変形例2>
図5は、実施の形態1の変形例2に係る半導体デバイス1Bの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス1Bでは、反射層70の代わりに反射層71を備える点が、半導体デバイス1とは異なる。具体的には、
図4に示すように、反射層71は、絶縁層40内に設けられている。より具体的には、反射層71は、層間絶縁膜41と保護絶縁膜42との間に設けられている。反射層71は、ソース配線52よりも下層側に設けられている。
【0142】
これにより、反射層71と発光部との距離を近づけることができるので、光の利用効率を高めることができる。よって、電気特性が改善された半導体デバイス1Bを実現することができる。
【0143】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
【0144】
実施の形態2に係る半導体デバイスは、実施の形態1に係る半導体デバイスと比較して、縦型FETの代わりに縦型ダイオードを備える点が主な相違点である。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0145】
図6は、実施の形態2に係る半導体デバイス2の断面図である。半導体デバイス2は、縦型ダイオードである。具体的には、半導体デバイス2は、p型半導体層128と、ヘテロ構造によって生じる2次元電子ガスとによって形成されるpnダイオードである。半導体デバイス2では、アノード電極132とカソード電極136との間に印加される電圧に応じた整流動作を行う。アノード電極132からカソード電極136に流れる順方向電流は、基板10をその厚さ方向(すなわち、縦方向)に流れる。
図6に示す半導体デバイス2は、例えば、実施の形態1及びその変形例に係る半導体デバイス1、1A又は1Bと同一のウェハを用いて同じプロセスで製造することができる。
【0146】
図6に示すように、半導体デバイス2は、基板10と、ドリフト層12と、下地層14と、ブロック層16と、下地層18と、電子走行層22と、電子供給層24と、p型半導体層128と、アノード電極132と、カソード電極136と、絶縁層40と、ビア導体150と、アノード配線152と、保護層60と、反射層70と、を備える。p型半導体層128、アノード電極132、カソード電極136、ビア導体150及びアノード配線152以外の各構成要素については、実施の形態1に係る半導体デバイス1が備える各構成要素と同じである。
【0147】
p型半導体層128、アノード電極132及びカソード電極136はそれぞれ、半導体デバイス1が備える閾値調整層28、ゲート電極32及びドレイン電極36に対応している。p型半導体層128、アノード電極132及びカソード電極136がそれぞれ、pnダイオードのp型層、アノード電極及びカソード電極として機能する。
【0148】
ビア導体150は、半導体デバイス1が備えるゲート配線(
図1には示していない)用のビア導体(
図1には示していない)に対応している。ビア導体150は、層間絶縁膜41を貫通し、アノード電極132とアノード配線152とを電気的に接続している。本実施の形態では、層間絶縁膜41が本開示に係る第1絶縁層に対応している。層間絶縁膜41には、アノード電極132を露出させるための開口が設けられており、当該開口内にビア導体150が設けられている。ビア導体150は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、ビア導体150は、アノード電極132側から順に積層されたTi膜、Al膜、Ni膜、Au膜の積層構造を有する。
【0149】
アノード配線152は、半導体デバイス1が備えるゲート配線(
図1には示していない)に対応している。アノード配線152は、ビア導体150を介してアノード電極132に電気的に接続されている。
図6に示すように、アノード配線152は、層間絶縁膜41と保護絶縁膜42との間に設けられている。なお、アノード配線152は、保護絶縁膜42の上面に設けられていてもよい。アノード配線152は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、アノード配線152は、例えば、Auからなるメッキ膜である。
【0150】
本実施の形態では、反射層70は、アノード電極132の上方に設けられている。具体的には、反射層70は、アノード配線152の上方に設けられている。より具体的には、反射層70は、保護層60の上方に設けられている。反射層70は、例えば、保護層60の上面を接触して覆うように設けられている。反射層70は、基板10の平面視において、アノード電極132及びアノード配線152のいずれよりも大きい。反射層70は、基板10の平面視において、アノード電極132及びアノード配線152のいずれも設けられていない領域にも設けられている。
【0151】
本実施の形態では、反射層70は、アノード電極132及びカソード電極136のいずれにも電気的に接続されていない。例えば、反射層70は、電気的に浮遊状態にある。
【0152】
反射層70は、半導体デバイス2の素子領域に設けられている。半導体デバイス2は、基板10の平面視において、素子領域と素子分離領域とが設けられている。素子領域は、基板10を平面視した場合に、半導体デバイス2の整流動作に寄与する領域である。具体的には、素子領域は、平面視において、アノード電極132に重なる領域を含んでいる。本実施の形態では、反射層70は、基板10の平面視において、アノード配線152と、アノード配線152の近傍領域とに重なるように設けられている。
【0153】
半導体デバイス2の整流動作時には、アノード電極132及びカソード電極136間に順方向電圧が印加され、アノード電極132からカソード電極136に向かう順方向電流が流れる。pn接合を順方向電流が流れることにより、pn接合の近傍では光が発生する。pn接合の近傍で発生する光は、GaNのバンドギャップの大きさに応じた波長の光、具体的には、近紫外光、又は、紫色から青色の可視光である。より具体的には、330nm以上400nm以下の範囲の光が放出される。
【0154】
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、反射層70が設けられているので、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の利用効率を高めることができる。このため、順方向電流の増大など、縦型ダイオードを含む半導体デバイス2の電気特性を改善することができる。
【0155】
また、本実施の形態では、縦型ダイオード自体が発する光を利用し、別の発光ダイオードなどの発光素子を設ける必要がない。したがって、半導体デバイス2のチップ面積の小面積化を実現することができる。
【0156】
なお、アノード配線152の下面側に、Ag膜又はAl膜が設けられてもよい。また、アノード配線152がTi膜とAuメッキ層との積層構造を有する場合、Ti膜とAuメッキ層との間に、Ag膜又はAl膜が設けられてもよい。これにより、Auメッキによって光が吸収されるのを抑制し、光の利用効率を高めることができる。
【0157】
[変形例]
続いて、実施の形態2の変形例について説明する。以下では、実施の形態2との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0158】
図7Aは、実施の形態2の変形例に係る半導体デバイス2Aの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス2Aでは、反射層70がアノード電極132に電気的に接続されている点が、半導体デバイス2とは異なる。具体的には、半導体デバイス2Aでは、
図7Aに示すように、保護層60及び保護絶縁膜42が設けられていない。反射層70は、アノード配線152に接触するように設けられており、アノード配線152及びビア導体150を介してアノード電極132に電気的に接続されている。
【0159】
なお、反射層70は、アノード配線152とアノード電極132との間に設けられていてもよい。例えば、
図7Bに示す半導体デバイス2Bのように、反射層70は、アノード配線152とビア導体150との間に設けられていてもよい。この場合、反射層70は、アノード配線152とビア導体150との各々に接触し、各々に電気的に接続されている。
【0160】
これにより、反射層70がアノード電極132と同電位になるため、アノード電極132への電界集中を緩和することができる。このため、半導体デバイス2A又は2Bの耐圧を高めることができる。また、保護層60及び保護絶縁膜42が設けられていないので、反射層70と発光部との距離を近づけることができるので、光の利用効率を高めることができる。よって、電気特性が改善された半導体デバイス2A又は2Bを実現することができる。
【0161】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。
【0162】
実施の形態3に係る半導体デバイスは、実施の形態2に係る半導体デバイスと比較して、電子走行層22及び電子供給層24を備えない点が主な相違点である。以下では、実施の形態2との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0163】
図8は、実施の形態3に係る半導体デバイス3の断面図である。半導体デバイス3は、縦型ダイオードである。具体的には、半導体デバイス3は、p型半導体層216とドリフト層12とによって形成されるpnダイオードである。
図8に示す半導体デバイス3は、例えば、実施の形態1及びその変形例に係る半導体デバイス1、1A又は1Bと同一のウェハを用いて同じプロセスで製造することができる。
【0164】
図8に示すように、半導体デバイス3は、基板10と、ドリフト層12と、下地層14と、p型半導体層216と、アノード電極232と、カソード電極136と、絶縁層40と、ビア導体150と、アノード配線152と、保護層60と、反射層70と、を備える。p型半導体層216及びアノード電極232以外の各構成要素については、実施の形態2に係る半導体デバイス2が備える各構成要素と同じである。
【0165】
p型半導体層216は、半導体デバイス2が備えるブロック層16に対応している。p型半導体層216は、pnダイオードのp型層として機能する。なお、本実施の形態では、ドリフト層12がpnダイオードのn型層として機能する。ドリフト層12は、基板10の上方に設けられた第1半導体層が含むn型半導体層の一例である。
【0166】
なお、ドリフト層12とp型半導体層216との間には、下地層14が設けられている。これは、例えば、実施の形態1及びその変形例に係る半導体デバイス1、1A又は1Bと同一のウェハを用いて同じプロセスで半導体デバイス3を製造するためである。同じプロセスを利用することで、製造工程の短縮に繋がる。
【0167】
一方で、下地層14が設けられずに、ドリフト層12とp型半導体層216とが接触していてもよい。例えば、ドリフト層12の上方に積層される窒化物半導体をエッチングなどによって除去した後、p型GaNなどからなるp型半導体層216をエピタキシャル成長によって形成してもよい。抵抗が高い下地層14が設けられないことにより、抵抗を低くし、順方向電流を増大させることができる。
【0168】
アノード電極232は、半導体デバイス2が備えるアノード電極132に対応しており、p型半導体層216の上面に設けられている点が相違する。アノード電極232は、ゲート電極32と同じ材料を用いて形成することができる。
【0169】
本実施の形態では、実施の形態2と同様に、反射層70が設けられているので、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の利用効率を高めることができる。このため、順方向電流の増大など、縦型ダイオードを含む半導体デバイス3の電気特性を改善することができる。
【0170】
また、本実施の形態では、縦型ダイオード自体が発する光を利用し、別の発光ダイオードなどの発光素子を設ける必要がない。したがって、半導体デバイス3のチップ面積の小面積化を実現することができる。
【0171】
[変形例]
続いて、実施の形態3の変形例について説明する。以下では、実施の形態3との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0172】
図9Aは、実施の形態3の変形例に係る半導体デバイス3Aの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス3Aでは、反射層70がアノード電極232に電気的に接続されている点が、半導体デバイス3とは異なる。具体的には、半導体デバイス3Aでは、
図9Aに示すように、保護層60及び保護絶縁膜42が設けられていない。反射層70は、アノード配線152に接触するように設けられており、アノード配線152及びビア導体150を介してアノード電極232に電気的に接続されている。
【0173】
なお、反射層70は、アノード配線152とアノード電極232との間に設けられていてもよい。例えば、
図9Bに示す半導体デバイス2Bのように、反射層70は、アノード配線152とビア導体150との間に設けられていてもよい。この場合、反射層70は、アノード配線152とビア導体150との各々に接触し、各々に電気的に接続されている。
【0174】
これにより、反射層70がアノード電極232と同電位になるため、アノード電極232への電界集中を緩和することができる。このため、半導体デバイス3A又は3Bの耐圧を高めることができる。また、保護層60及び保護絶縁膜42が設けられていないので、反射層70と発光部との距離を近づけることができるので、光の利用効率を高めることができる。よって、電気特性が改善された半導体デバイス3A又は3Bを実現することができる。
【0175】
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。
【0176】
実施の形態4に係る半導体デバイスは、動作時に流れる電流の主経路が基板に平行な方向になる横型デバイスである。以下では、実施の形態1から3との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0177】
[構成]
図10は、実施の形態4に係る半導体デバイス4の断面図である。
図10に示す半導体デバイス4は、ノーマリオフ型の横型FETである。半導体デバイス4では、ゲート電極332に印加される電位に応じた変調動作を行う。例えば、ゲート電極332に0V又は負の電位が印加された場合には、ドレイン電極336とソース電極334との間には電流が流れない。すなわち、半導体デバイス4が非導通状態(オフ)になる。ゲート電極332に正の電位が印加されることで、ドレイン電極336からソース電極334に電流が流れる。すなわち、半導体デバイス4が導通状態(オン)になる。オン時にドレイン電極336からソース電極334に流れる電流をドレイン電流と呼ぶ。ドレイン電流は、電子走行層322と電子供給層324との界面近傍において、基板310の主面に平行な方向(すなわち、横方向)に流れる。ドレイン電流の主経路は、基板310を通過しない。
【0178】
図10に示すように、半導体デバイス4は、基板310と、空乏層形成層312と、バッファ層314と、耐圧向上層316と、電子走行層322と、電子供給層324と、閾値調整層328と、ゲート電極332と、ソース電極334と、ドレイン電極336と、を備える。さらに、半導体デバイス4は、絶縁層340と、ソース配線352と、ドレイン配線354と、反射層370と、保護膜380と、裏面電極390と、を備える。なお、絶縁層340は、複数の絶縁膜の積層構造を有するが、その図示を省略している。
【0179】
半導体デバイス4は、チャネルを含む半導体層が窒化物半導体を主成分として含む窒化物半導体デバイスである。具体的には、空乏層形成層312と、バッファ層314と、耐圧向上層316と、電子走行層322と、電子供給層324と、閾値調整層328とがそれぞれ、窒化物半導体を主成分として含む。
【0180】
基板310は、窒化物半導体からなる基板である。基板310の平面視形状は、例えば矩形であるが、これに限らない。本実施の形態では、基板310は、基板本体310aと、n型GaN層310bと、アンドープGaN層310cと、を含む。
【0181】
基板本体310aは、例えば、厚さが300μmのn型のGaNからなる基板本体である。n型GaN層310bは、例えば、厚さが1μmのn型のGaNからなる層である。アンドープGaN層310cは、例えば、厚さが200nmのアンドープのGaNからなる層である。基板本体310aの主面の上に、n型GaN層310b及びアンドープGaN層310cがこの順で積層されている。基板本体310a及びn型GaN層310bのキャリア濃度は、例えば、実施の形態1の基板10のキャリア濃度と同じであるが、特に限定されない。
【0182】
なお、基板310は、基板本体310aのみを備えてもよい。あるいは、基板310は、シリコン(Si)基板、炭化シリコン(SiC)基板、又は、酸化亜鉛(ZnO)基板などであってもよい。また、基板310は、サファイアなどの絶縁性の基板であってもよい。
【0183】
空乏層形成層312は、基板310の上面に接触して設けられている。空乏層形成層312は、例えば、厚さが400nmのp型のGaNからなる膜である。空乏層形成層312は、アンドープGaN層310cを介してn型GaN層310bに接合されることにより、空乏層を形成する。これにより、基板310の下面に設けられた裏面電極390とドレイン電極336との間の耐圧を高めることができる。また、基板本体310aがGaN基板である場合に、オフ角による炭素濃度のばらつきを低減することができる。このため、裏面電極390との間の耐圧を一定にすることができる。なお、裏面電極390には、ソース電位(例えば0V)が印加されている。
【0184】
空乏層形成層312は、例えば、結晶成長で形成しているが、例えば、成膜したi-GaNへマグネシウム(Mg)注入することで形成してもよい。さらに言えば、空乏層形成層312は、p型の窒化物半導体層ではなく、鉄(Fe)又はホウ素(B)を注入するなどを行うことで得られる絶縁層であってもよい。
【0185】
バッファ層314は、空乏層形成層312の上面に接触して設けられている。バッファ層314は、例えば、厚さが7μmのアンドープのGaNからなる膜である。
【0186】
バッファ層314は、絶縁層又は半絶縁層であってもよい。例えば、バッファ層314は、炭素がドープされたGaN(C-GaN)からなる膜であってもよい。バッファ層314の炭素濃度は、例えば3×1017cm-3以上であるが、1×1018cm-3以上であってもよい。バッファ層314には、Siなどのn型不純物が含まれていてもよい。バッファ層314に含まれるn型不純物の濃度は、バッファ層314の炭素濃度及び酸素濃度より低く、例えば5×1016cm-3以下であり、あるいは、2×1016cm-3以下であってもよい。
【0187】
耐圧向上層316は、バッファ層314の上面に接触して設けられている。本実施の形態では、耐圧向上層316は、アンドープのAlGaN層からなる。バッファ層314と電子走行層322との間で、電子走行層322とヘテロ接合する耐圧向上層316が設けられていることで、裏面電極390とドレイン電極336との間の耐圧を高めることができる。
【0188】
耐圧向上層316は、絶縁層又は半絶縁層であってもよい。例えば、耐圧向上層316は、炭素がドープされたAlGaN(C-AlGaN)からなる膜であってもよい。耐圧向上層316の炭素濃度は、例えば3×1017cm-3以上であるが、1×1018cm-3以上であってもよい。
【0189】
空乏層形成層312、バッファ層314及び耐圧向上層316が設けられていることで、電子供給層324と電子走行層322との界面近傍に発生する2次元電子ガスから電子が基板310に漏れる、いわゆるパンチスルーを抑制することができる。これにより、半導体デバイス3の耐圧を高めることができる。なお、空乏層形成層312、バッファ層314及び耐圧向上層316の少なくとも1つは設けられていなくてもよい。
【0190】
電子走行層322は、基板310の上方に設けられている。具体的には、電子走行層322は、耐圧向上層316の上面上に設けられている。電子走行層322は、例えば、厚さが150nmのアンドープGaNからなる膜である。なお、電子走行層322は、アンドープを想定しているが、一部Siドープなどでn型化されてもよい。
【0191】
電子走行層322は、チャネル領域を有する。具体的には、電子走行層322と電子供給層324との界面の近傍には、チャネルとなる2次元電子ガスが発生する。2次元電子ガスは、電子走行層322と電子供給層324との界面に沿って、基板310の主面に平行に延在している。
【0192】
図10には示していないが、電子走行層322と電子供給層324との間に、厚さが1nm程度のAlN層が設けられている。これにより、合金散乱が抑制されてチャネル移動度が向上し、オン抵抗を低減することが可能になる。なお、AlN層は、必ずしも必要ではない。
【0193】
電子供給層324は、電子走行層322の上面を覆うように設けられている。電子供給層324は、例えば、厚さが50nm又は60nmのアンドープAlGaNからなる膜である。電子供給層324は、電子走行層322よりもバンドギャップが大きい。このため、電子供給層324と電子走行層322との間にはAlGaN/GaNのヘテロ界面が形成されている。電子供給層324は、電子走行層322に形成されるチャネル領域(2次元電子ガス)への電子の供給を行う。
【0194】
なお、本実施の形態では、電子走行層322及び電子供給層324はいずれも、半導体デバイス4が備える第1半導体層に含まれる層である。第1半導体層は、基板310の上方に設けられている。
【0195】
電子供給層324には、ゲートリセス320が設けられている。ゲートリセス320は、電子供給層324の上面に設けられた凹部である。ゲートリセス320が設けられることで、ゲート電極332に印加される電界をゲートリセス320の端部に集中させやすくなり、ゲートの制御性を高めることができる。なお、必ずしもゲートリセス320は設けられていなくてもよい。
【0196】
閾値調整層328は、第1半導体層の上方に設けられたp型半導体層の一例である。具体的には、閾値調整層328は、電子供給層324とゲート電極332との間に設けられている。本実施の形態では、閾値調整層328は、ゲートリセス320を埋めるように設けられている。閾値調整層328は、ソース電極334及びドレイン電極336の各々とは離間して配置されており、電気的に分離されている。
【0197】
閾値調整層328は、例えば、厚さが200nmであり、キャリア濃度が1×1019cm-3であるp型のGaNからなる膜である。なお、閾値調整層328の厚さ及びキャリア濃度は一例にすぎず、適宜変更は可能である。
【0198】
閾値調整層328が設けられていることにより、チャネル部分の伝導帯端のポテンシャルが持ち上げられる。これにより、ゲート電極332の直下のキャリア濃度を低減することができ、トランジスタの閾値電圧を正側にシフトさせることができる。このため、半導体デバイス4をノーマリオフ型のFETとして容易に実現することができる。閾値調整層328は、p型のAlGaNからなる膜であってもよい。
【0199】
また、電子供給層324を貫通するソース開口部330s及びドレイン開口部330dが設けられている。ソース開口部330s及びドレイン開口部330dはそれぞれ、電子供給層324と、電子走行層322の少なくとも一部とを除去することによって形成される。
【0200】
ソース開口部330s及びドレイン開口部330dはそれぞれ、基板310から遠ざかる程、開口面積が大きくなるように形成されている。すなわち、ソース開口部330s及びドレイン開口部330dの各々の側面は、斜めに傾斜している。例えば、ソース開口部330s及びドレイン開口部330dの各々の断面形状は、逆台形、より具体的には、逆等脚台形である。ソース開口部330sの底面に対する側面の傾斜角は、例えば、30°以上60°以下の範囲である。側面が斜めに傾斜していることで、ソース電極334と電子走行層322(2次元電子ガス)との接触面積が増えるので、オーミック接続が行われやすくなる。なお、2次元電子ガスは、ソース開口部330sの側面に露出し、露出部分でソース電極334に接続されている。また、ソース開口部330sの側面は、ソース開口部330sの底面に対して直角であってもよい。ドレイン開口部330dについても同様である。
【0201】
これにより、ソース開口部330s及びドレイン開口部330dが設けられていることにより、チャネルとして機能する2次元電子ガスとソース電極334及びドレイン電極336とのオーミックコンタクト抵抗を低減することができる。すなわち、半導体デバイス4のオン抵抗を低減することができる。なお、ソース開口部330s及びドレイン開口部330dが設けられずに、ソース電極334及びドレイン電極336はそれぞれ、閾値調整層328から離れた位置で電子供給層324の上面に接触して設けられていてもよい。
【0202】
ゲート電極332は、p型半導体層の上面に設けられた第1電極の一例である。具体的には、ゲート電極332は、閾値調整層328の上面に設けられている。ゲート電極332は、例えば、金属などの導電性の材料を用いて形成されている。例えば、ゲート電極332は、p型のGaN層に対してオーミック接続される材料を用いることができるが、これに限定されず、p型のGaN層に対してショットキー接触される材料を用いてもよい。例えば、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)系材料、タングステンシリサイド(WSi)、金(Au)などを用いることができる。
【0203】
ソース電極334は、第1半導体層に電気的に接続され、閾値調整層328及びゲート電極332から離れて設けられている。ソース電極334は、閾値調整層328及びゲート電極332を、ドレイン電極336との間に挟むように設けられている。具体的には、ソース電極334は、ソース開口部330sの底面及び側面に接触して設けられている。ソース電極334は、ソース開口部330sの側面で2次元電子ガスと直接接触している。これにより、ソース電極334と2次元電子ガスとのコンタクト抵抗を低減することができるので、半導体デバイス4のオン抵抗を低減することができる。
【0204】
ソース電極334は、金属などの導電性の材料を用いて形成されている。ソース電極334の材料としては、例えば、Ti/Al(Ti層とAl層との積層構造)など、熱処理することでn型のGaN層に対してオーミック接続される材料を用いることができる。
【0205】
ドレイン電極336は、第1半導体層に電気的に接続された第2電極の一例であり、閾値調整層328及びゲート電極332から離れて設けられている。具体的には、ドレイン電極336は、ドレイン開口部330dの底面及び側面に接触して設けられている。ドレイン電極336は、ドレイン開口部330dの側面で2次元電子ガスと直接接触している。これにより、ドレイン電極336と2次元電子ガスとのコンタクト抵抗を低減することができるので、半導体デバイス4のオン抵抗を低減することができる。
【0206】
ドレイン電極336は、金属などの導電性の材料を用いて形成されている。ドレイン電極336の材料としては、ソース電極334の材料と同様に、例えば、Ti/Alなどのn型のGaNに対してオーミック接触される材料を用いることができる。
【0207】
絶縁層340は、第1電極の上方に設けられた第1絶縁層、及び、第2電極に接続される配線の上方に設けられた第2絶縁層を含む層の一例である。具体的には、絶縁層340は、ゲート電極332を覆う層間絶縁層と、ソース配線352及びドレイン配線354を覆う保護層との積層構造を有する。
図10には示されていないが、絶縁層340が含む層間絶縁層及び保護層はそれぞれ、複数の絶縁層の積層構造を有してもよい。
【0208】
例えば、絶縁層340を構成する積層構造の最下層であって、電子供給層324に接触する絶縁層は、SiN膜である。これにより、電子供給層324の表面における電子トラップを抑制することができる。絶縁層340に含まれる他の絶縁膜は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO2)、及び、酸化アルミニウム(Al2O3)などを含む。あるいは、絶縁層340は、感光性ポリマーなどの絶縁性樹脂材料を用いて形成された絶縁膜を含んでもよい。なお、絶縁層340は、実施の形態1に係る半導体デバイス1が備える絶縁層40及び保護層60に対応している。
【0209】
ソース配線352は、ソース電極334の上方に設けられ、絶縁層340に設けられた開口を介してソース電極334に接続されている。具体的には、ソース配線352は、ビア導体を介してソース電極334に電気的に接続されている。ソース配線352は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、ソース配線352は、例えば、Auからなるメッキ膜である。なお、ビア導体は、ソース電極334側から順に積層されたTi膜、Al膜、Ni膜、Au膜の積層構造を有する。
【0210】
本実施の形態では、ソース配線352は、ソース電極334からゲート電極332を超えてドレイン電極336側に張り出すように設けられている。すなわち、基板310の平面視において、ソース配線352は、ゲート電極332に重なっている。これにより、ソース配線352は、ソースフィールドプレートとして機能し、ゲート-ドレイン間の寄生容量を低減することができる。
【0211】
ドレイン配線354は、ドレイン電極336の上方に設けられ、絶縁層340に設けられた開口を介してドレイン電極336に接続されている。具体的には、ドレイン配線354は、ビア導体を介してドレイン電極336に電気的に接続されている。ドレイン配線354は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、ドレイン配線354は、例えば、Auからなるメッキ膜である。なお、ビア導体は、ドレイン電極336側から順に積層されたTi膜、Al膜、Ni膜、Au膜の積層構造を有する。
【0212】
反射層370は、ゲート電極332の上方に設けられている。また、反射層370は、ソース配線352及びドレイン配線354の上方に設けられている。具体的には、反射層370は、絶縁層340の上方に設けられている。より具体的には、反射層370は、例えば、絶縁層340の上面を接触して覆うように設けられている。
【0213】
反射層370は、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)を含む金属反射層である。例えば、反射層370は、下から順に積層されたTi膜、Ag膜の積層構造、又は、下から順に積層されたTi膜、Al膜の積層構造を有する。
【0214】
本実施の形態では、反射層370は、ゲート電極332、ソース電極334及びドレイン電極336のいずれにも電気的に接続されていない。例えば、反射層370は、電気的に浮遊状態にある。
【0215】
反射層370は、半導体デバイス4の素子領域に設けられている。詳細については
図16Bを用いて後で説明するが、半導体デバイス4は、基板310の平面視において、素子領域と素子分離領域とが設けられている。素子領域は、基板310を平面視した場合に、半導体デバイス4の変調動作に寄与する領域である。具体的には、素子領域は、平面視において、ゲート電極332に重なる領域(ゲート領域)、ソース電極334に重なる領域(ソース領域)、ドレイン電極336に重なる領域(ドレイン領域)、ゲート電極332とソース電極334との間の領域に重なる領域(ゲート-ソース間領域)、及び、ゲート電極332とドレイン電極336との間の領域に重なる領域(ゲート-ドレイン間領域)を含んでいる。本実施の形態では、反射層370は、基板310の平面視において、ゲート領域、ソース領域、ドレイン領域、ゲート-ソース間領域及びゲート-ドレイン間領域の各々に跨るように設けられている。また、反射層370は、基板310の平面視において、ソース配線352に重なるように設けられている。
【0216】
保護膜380は、反射層370を保護するために設けられている。例えば、保護膜380は、ポリベンゾオキサゾール(PBO)などの耐熱性、絶縁性、耐水性などに優れた高分子材料を用いて形成される。
【0217】
以上のように構成された半導体デバイス4は、例えば、以下に示す方法によって製造される。
【0218】
まず、基板本体310aの主面に対して、MOVPE法、HVPE法などのエピタキシャル成長によって、窒化物半導体を結晶成長させる。例えば、基板本体310aの主面上に、n型GaN層310b、アンドープGaN層310c、空乏層形成層312であるp型GaN膜、バッファ層314であるアンドープGaN膜、耐圧向上層316であるAlGaN膜、電子走行層322になるアンドープGaN膜、並びに、電子供給層324になるアンドープAlGaN膜をこの順に形成する。その後、ドライエッチングなどによって、アンドープAlGaN膜及びアンドープGaN膜の一部を部分的に除去することにより、ゲートリセス320、ソース開口部330s及びドレイン開口部330dを形成する。その後、ゲートリセス320を覆うように、MOVPE法、HVPE法などのエピタキシャル成長法によって、閾値調整層328になるp型GaN膜を成膜する。そして、ドライエッチングなどによって、p型GaN膜を所定形状にパターニングする。
【0219】
次に、電子ビーム蒸着又はスパッタリングなどによって、閾値調整層328を覆うように金属膜を形成し、エッチング又はリフトオフなどによって不要な部分を除去することで、ゲート電極332を形成する。さらに、ソース開口部330s及びドレイン開口部330dを覆うように金属膜を形成し、エッチング又はリフトオフなどによって不要な部分を除去することで、ソース電極334及びドレイン電極336を形成する。なお、ゲート電極332、ソース電極334及びドレイン電極336の形成は、いずれが先に行われてもよい。さらに、基板310の下面に電子ビーム蒸着又はスパッタリングなどによって金属膜を形成することで、裏面電極390を形成する。なお、裏面電極390の形成は、ソース配線352や反射層370などが形成された後に行われてもよい。また、裏面電極390は形成されなくてもよい。
【0220】
ゲート電極332、ソース電極334及びドレイン電極336を形成した後、絶縁層340の下層部を形成する。絶縁層340の下層部は、例えばプラズマCVD法、又は、原子層堆積法などによって行われる。絶縁層340の下層部を形成した後、ドライエッチングなどによって絶縁層340の下層部に開口を形成し、ソース電極334及びドレイン電極336の少なくとも一部を露出させる。その後、当該開口を埋めるようにソース配線352及びドレイン配線354を形成する。ソース配線352及びドレイン配線354は、例えば、Ti、Al、Ni等をスパッタリング又は電子ビーム蒸着などによって順に成膜した後、Auメッキを行うことで形成される。
【0221】
さらに、ソース配線352及びドレイン配線354を覆うように絶縁層340の上層部を形成する。絶縁層340の上層部は、例えばプラズマCVD法、又は、ALD法などによって行われる。絶縁層340の上層部を形成した後、スパッタリング、電子ビーム蒸着又はメッキなどによって反射層370を形成する。なお、反射層370は、金属反射膜が形成された別基板を貼り合わせることによって形成されてもよい。
【0222】
このようにして、
図10に示す半導体デバイス4を製造することができる。なお、上述した半導体デバイス4の製造方法は一例にすぎず、特に限定されない。
【0223】
[特徴的な構成]
続いて、本実施の形態に係る半導体デバイス4の主な特徴的な構成について説明する。
【0224】
本実施の形態に係る半導体デバイス4では、ゲート電極332に電圧が印加された場合に、p型半導体層である閾値調整層328と2次元電子ガスを含む電子走行層322とのpn接合の近傍、及び、ゲート電極332とドレイン電極336との間の電子走行層322の領域などで発光する。発生する光は、GaNのバンドギャップの大きさに応じた波長の光、具体的には、近紫外光、又は、紫色から青色の可視光である。より具体的には、330nm以上400nm以下の範囲の光が放出される。
【0225】
本実施の形態では、Al又はAgを含む反射層370が設けられている。Al又はAgは、
図3に示したように、pn接合の近傍で発生する光の波長に対して、高い反射係数を有する。アルミニウム(Al)及び銀(Ag)の場合、反射係数は、90%以上である。このため、反射層370は、光を反射することができる。
【0226】
これにより、反射層370によって反射された光は、電子走行層322に吸収されて電子正孔対が生成される。生成された電子正孔対の一部が再結合することによって光が発せられ、反射層370で反射される。反射層370は、このように発光及び吸収を繰り返すフォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の利用効率を高めることができる。このため、オン抵抗の低減、ドレイン電流の増大、又は、電流コラプスの抑制などの、半導体デバイス4の電気特性を改善することができる。なお、反射層370による反射はミラー反射である。反射層370の下方に位置する発光部からの光を効率良く、発光部に戻るように反射させることができる。
【0227】
また、本実施の形態では、横型トランジスタ自体が発する光を利用し、別の発光ダイオードなどの発光素子を設ける必要がない。したがって、半導体デバイス4のチップ面積の小面積化を実現することができる。
【0228】
[変形例]
続いて、実施の形態4の変形例について説明する。以下では、実施の形態4との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0229】
<変形例1>
図11は、実施の形態4の変形例1に係る半導体デバイス4Aの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス4Aでは、絶縁層340の代わりに絶縁層440を備える点が、半導体デバイス4とは異なる。絶縁層440は、絶縁層340と比較して、部分的に膜厚が薄くなっている点が相違する。具体的には、半導体デバイス4Aでは、
図11に示すように、絶縁層440は、薄膜部440aと、厚膜部440bと、を含む。
【0230】
薄膜部440aは、絶縁層440の一部であって、基板310の平面視において、ゲート電極332とドレイン電極336との間に位置する部分である。厚膜部440bは、絶縁層440の一部であって、基板310の平面視において、ゲート電極332とソース電極334との間に位置する部分である。なお、厚膜部440bは、平面視において、ソース配線352に重なる部分とみなすことができる。
図11に示すように、ソース配線352がゲート電極332よりもドレイン電極336側に張り出しているので、厚膜部440bの一部は、ゲート電極332とドレイン電極336との間に位置している。薄膜部440aは、厚膜部440bとドレイン電極336との間に位置している。
【0231】
薄膜部440aの厚さは、厚膜部440bの厚さよりも薄い。これにより、半導体デバイス4Aでは、実施の形態4に係る半導体デバイス4と比較して、ゲート-ドレイン間では、反射層370が発光部である電子走行層322に近づくことになる。このため、反射層370による光の反射効率が高まり、フォトンリサイクリング効果による光の利用効率を高めることができる。よって、オン抵抗の低減、ドレイン電流の増大、又は、電流コラプスの抑制などの、半導体デバイス4Aの電気特性を改善することができる。
【0232】
薄膜部440aの厚さは、特に限定されないが、例えば、ソース電極334の厚さよりも薄い。また、薄膜部440aの厚さは、閾値調整層328の厚さより薄くてもよい。つまり、薄膜部440aに接する部分における反射層370の下面は、ソース電極334の上面又は閾値調整層328の上面よりも下方に位置していてもよい。薄膜部440aは、絶縁膜を積層した後、薄膜部440aを形成する領域において、積層した絶縁膜の一部をドライエッチングなどによって除去することで形成される。
【0233】
<変形例2>
図12は、実施の形態4の変形例2に係る半導体デバイス4Bの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス4Bでは、絶縁層440の代わりに絶縁層441を備える点が、半導体デバイス4Aとは異なる。絶縁層441は、第1膜442、第2膜443及び第3膜444を含む。
【0234】
第1膜442は、電子供給層324の上面を覆う絶縁膜である。第1膜442は、例えばSiN膜である。なお、第1膜442は、閾値調整層328の上面を覆っていてもよい。この場合、第1膜442には、閾値調整層328の上面の一部を露出させ、ゲート電極332と閾値調整層328とを接触させるための開口が設けられている。
【0235】
第2膜443は、第1膜442の上方に設けられた絶縁膜である。本変形例では、第2膜443は、第3膜444とは異なる組成を有する。具体的には、第2膜443は、Al及びGaの少なくとも1つと、O及びNの少なくとも1つとを含む膜である。例えば、第2膜443は、Al2O3膜である。あるいは、第2膜443は、GaO膜であってもよい。なお、第2膜443は、ゲート電極332、ソース電極334及びドレイン電極336の上面を覆っていてもよい。この場合、第2膜443には、ソース電極334の上面の一部を露出させ、ソース配線352とソース電極334とを電気的に接続するビア導体を設けるための開口が設けられている。ドレイン電極336又はゲート電極332を覆う部分についても同様である。
【0236】
第3膜444は、第2膜443の上方に設けられた絶縁膜である。第3膜444は、SiO2膜又はSiN膜などである。本変形例では、第3膜444は、薄膜部440aと厚膜部440bとのうち厚膜部440bのみに設けられている。すなわち、第3膜444は、薄膜部440aには設けられていない。薄膜部440aを形成する領域では、第3膜444が完全に除去されている。
【0237】
薄膜部440aにおける第3膜444の除去は、例えばエッチングによって行われる。このとき、第2膜443がエッチングストッパ層として機能する。例えば、第2膜443は、第3膜444よりもエッチングレートが低い膜である。これにより、エッチングを行った場合に第3膜444を除去した時点で、第3膜444が容易には除去されないようになり、所望の厚さの薄膜部440aを容易に形成することができる。
【0238】
これにより、反射層370と発光部である電子走行層322との距離を設計値どおりに近づけることができる。このため、反射層370による光の反射効率が高まり、フォトンリサイクリング効果による光の利用効率を高めることができる。よって、オン抵抗の低減、ドレイン電流の増大、又は、電流コラプスの抑制などの、半導体デバイス4Bの電気特性を改善することができる。
【0239】
<変形例3>
図13は、実施の形態4の変形例3に係る半導体デバイス4Cの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス4Cでは、反射層370がソース電極334に電気的に接続されている点が、半導体デバイス4Bとは異なる。具体的には、半導体デバイス4Cでは、
図13に示すように、絶縁層441の第3膜444には、ソース配線352を露出させる開口が設けられている、反射層370は、当該開口を介してソース配線352に電気的に接続され、ソース配線352を介してソース電極334に電気的に接続されている。
【0240】
これにより、反射層370がソース電極334と同電位になるため、ゲート-ソース間の容量(Ciss)を増加させることができる。このため、スイッチング動作時の誤点弧を抑制することができる。よって、電気特性が改善された半導体デバイス4Cを実現することができる。
【0241】
なお、ソース配線352の上面には第3膜444が設けられていなくてもよく、反射層370とソース配線352とが直接接触していてもよい。反射層370とソース配線352とが接触する場合には、反射層370とドレイン電極336及びドレイン配線354との接触を避ける必要がある。このため、反射層370とドレイン電極336及びドレイン配線354の各々との間には、例えば絶縁膜が設けられており、一定の距離が確保されている。
【0242】
また、反射層370をソースフィールドプレートとして利用してもよい。すなわち、ソース配線352は、ゲート電極332よりもドレイン電極336側に張り出していなくてもよい。この場合、反射係数が低いAuを含むソース配線352の面積が小さくなり、反射層370によって反射される光を増加させることができる。よって、光の利用効率をさらに高めることができ、半導体デバイス4Cの電気特性をさらに改善することができる。
【0243】
(実施の形態5)
続いて、実施の形態5について説明する。
【0244】
実施の形態5に係る半導体デバイスは、実施の形態4に係る半導体デバイスと比較して、横型FETの代わりに横型ダイオードを備える点が主な相違点である。以下では、実施の形態4との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0245】
図14は、実施の形態5に係る半導体デバイス5の断面図である。半導体デバイス5は、横型ダイオードである。具体的には、半導体デバイス5は、p型半導体層528と、ヘテロ構造によって生じる2次元電子ガスとによって形成されるpnダイオードである。半導体デバイス5では、アノード電極532とカソード電極536との間に印加される電圧に応じた整流動作を行う。アノード電極532からカソード電極536に流れる順方向電流は、基板310の主面に平行な方向(すなわち、横方向)に流れる。順方向電流の主経路は、基板310を通過しない。
図14に示す半導体デバイス5は、例えば、実施の形態4及びその変形例に係る半導体デバイス4、4A、4B又は4Cと同一のウェハを用いて同じプロセスで製造することができる。
【0246】
図14に示すように、半導体デバイス5は、基板310と、空乏層形成層312と、バッファ層314と、耐圧向上層316と、電子走行層322と、電子供給層324と、p型半導体層528と、アノード電極532と、カソード電極536と、絶縁層340と、カソード配線554と、反射層370と、裏面電極390と、を備える。p型半導体層528、アノード電極532、カソード電極536及びカソード配線554以外の各構成要素については、実施の形態4に係る半導体デバイス4が備える各構成要素と同じである。
【0247】
p型半導体層528、アノード電極532及びカソード電極536はそれぞれ、半導体デバイス4が備える閾値調整層328、ゲート電極332及びドレイン電極336に対応している。p型半導体層528、アノード電極532及びカソード電極536がそれぞれ、pnダイオードのp型層、アノード電極及びカソード電極として機能する。アノード電極532が本開示に係る第1電極の一例であり、カソード電極536が本開示に係る第2電極の一例である。
【0248】
なお、電子供給層324には、アノード電極532の直下方向にリセス520が設けられ、カソード電極536の直下方向には開口部530が設けられている。リセス520及び開口部530はそれぞれ、実施の形態4に係る半導体デバイス4に設けられたゲートリセス320及びドレイン開口部330dと同じである。リセス520及び開口部530は設けられていなくてもよい。
【0249】
カソード配線554は、半導体デバイス4が備えるドレイン配線354に対応している。カソード配線554は、カソード電極536の上方に設けられ、絶縁層340に設けられた開口を介してカソード電極536に電気的に接続されている。具体的には、カソード配線554は、ビア導体を介してカソード電極536に電気的に接続されている。カソード配線554は、金属などの導電性材料を用いて形成されている。例えば、カソード配線554は、例えば、Auからなるメッキ膜である。なお、ビア導体は、カソード電極536側から順に積層されたTi膜、Al膜、Ni膜、Au膜の積層構造を有する。
【0250】
本実施の形態では、反射層370は、アノード電極532の上方に設けられている。また、反射層370は、カソード電極536の上方に設けられている。具体的には、反射層370は、絶縁層340の上方に設けられている。反射層370は、例えば、絶縁層340の上面を接触して覆うように設けられている。
【0251】
本実施の形態では、反射層370は、アノード電極532及びカソード電極536のいずれにも電気的に接続されていない。例えば、反射層370は、電気的に浮遊状態にある。
【0252】
反射層370は、半導体デバイス5の素子領域に設けられている。半導体デバイス5は、基板310の平面視において、素子領域と素子分離領域とが設けられている。素子領域は、基板310を平面視した場合に、半導体デバイス5の整流動作に寄与する領域である。具体的には、素子領域は、平面視において、アノード電極532に重なる領域(アノード領域)、カソード電極536に重なる領域(カソード領域)、及び、アノード電極532とカソード電極536との間の領域(主動作領域)含んでいる。本実施の形態では、反射層370は、基板310の平面視において、アノード領域、カソード領域及び主動作領域に重なるように設けられている。
【0253】
半導体デバイス5の整流動作時には、アノード電極532及びカソード電極536間に順方向電圧が印加され、アノード電極532からカソード電極536に向かう順方向電流が流れる。pn接合を順方向電流が流れることにより、pn接合の近傍では光が発生する。pn接合の近傍で発生する光は、GaNのバンドギャップの大きさに応じた波長の光、具体的には、近紫外光、又は、紫色から青色の可視光である。より具体的には、330nm以上400nm以下の範囲の光が放出される。
【0254】
本実施の形態では、実施の形態4と同様に、反射層370が設けられているので、フォトンリサイクリング効果によって自己励起した光の利用効率を高めることができる。このため、順方向電流の増大など、横型ダイオードを含む半導体デバイス5の電気特性を改善することができる。
【0255】
また、本実施の形態では、横型ダイオード自体が発する光を利用し、別の発光ダイオードなどの発光素子を設ける必要がない。したがって、半導体デバイス5のチップ面積の小面積化を実現することができる。
【0256】
なお、カソード配線554の下面側に、Ag膜又はAl膜が設けられてもよい。また、カソード配線554がTi膜とAuメッキ層との積層構造を有する場合、Ti膜とAuメッキ層との間に、Ag膜又はAl膜が設けられてもよい。これにより、Auメッキによって光が吸収されるのを抑制し、光の利用効率を高めることができる。また、図示されていないが、アノード電極532に接続されるアノード配線が設けられてもよい。アノード配線についても、カソード配線554に適用できる変形が適用されてもよい。
【0257】
[変形例]
続いて、実施の形態5の変形例について説明する。以下では、実施の形態5との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0258】
図15は、実施の形態5の変形例に係る半導体デバイス5Aの断面図である。本変形例に係る半導体デバイス5Aでは、反射層370がカソード電極536に電気的に接続されている点が、半導体デバイス5とは異なる。具体的には、半導体デバイス5Aでは、
図15に示すように、絶縁層340には、カソード配線554を露出させる開口が設けられている、反射層370は、当該開口を介してカソード配線554に電気的に接続され、カソード配線554を介してカソード電極536に電気的に接続されている。なお、反射層370は、カソード配線554の上面に直接接触するように設けられていてもよい。
【0259】
これにより、反射層370がカソード電極536と同電位になるため、カソード電極536への電界集中を緩和することができる。このため、半導体デバイス5Aの耐圧を高めることができる。よって、電気特性が改善された半導体デバイス5Aを実現することができる。
【0260】
また、反射層370は、カソード電極536には接続されずに、アノード電極532に電気的に接続されていてもよい。例えば、絶縁層340には、アノード配線(図示せず)を露出させるための開口が設けられ、反射層370は、当該開口を介してアノード電極532に接続されていてもよい。あるいは、反射層370は、アノード電極532の上面に直接接触するように設けられていてもよい。
【0261】
(平面レイアウト)
続いて、上述した各実施の形態及び各変形例に係る半導体デバイスの電極の平面レイアウトの一例について、
図16A及び
図16Bを用いて説明する。
【0262】
図16Aは、実施の形態1に係る半導体デバイス1の上面図である。
図16Aに示す半導体デバイス1は、複数のゲート電極32及び複数のソース電極34が設けられている。ゲート電極32及びソース電極34はそれぞれ、一方向(y軸方向)に長尺な形状を有する。ゲート電極32とソース電極34とは、各々の短手方向に沿って1本ずつ交互に並んで配置されている。なお、
図16Aに示すI-I線における断面が
図1に対応している。
【0263】
半導体デバイス1では、基板10の平面視において、素子領域10Aと、素子分離領域10Bと、が設けられている。
【0264】
素子領域10Aは、トランジスタの変調動作に寄与する領域である。素子領域10Aは、ドレイン電流の主経路を含む領域でもある。具体的には、素子領域10Aには、ゲート電極32が設けられたゲート領域、ソース電極34が設けられたソース領域、及び、ゲート電極32とソース電極34との間のゲート-ソース間領域が含まれる。
【0265】
素子分離領域10Bは、ゲート電極32、ソース電極34及びドレイン電極36の少なくとも1つに給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる領域である。例えば、
図16Aに示すように、素子分離領域10Bには、ゲートパッド32Gと、ソースパッド34Sとが設けられている。なお、素子分離領域10Bには、ドレイン電極36に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられていてもよい。あるいは、ドレイン電極36に対して、半導体デバイス1の裏面から直接給電されてもよい。
【0266】
半導体デバイス1が動作時に発光する領域は、主に素子領域10Aである。このため、半導体デバイス1が備える反射層70は、素子領域10Aに設けられている。これにより、素子領域10Aで生じる光を効率良く反射し、フォトンリサイクリング効果による光の利用効率を高めることができる。
【0267】
なお、実施の形態1の変形例に係る半導体デバイス1A及び1Bの平面レイアウトも同じである。また、縦型ダイオードを含む半導体デバイス2、2A、3及び3Aについても、
図16Aに示す平面レイアウトと同様である。縦型ダイオードを含む半導体デバイスの場合、素子領域10Aは、変調動作ではなく、整流動作に寄与する領域であり、順方向電流の主経路を含む領域である。また、例えば、
図16Aに示す素子分離領域10Bには、ゲートパッド32G及びソースパッド34Sの代わりに、アノード電極132に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられていればよい。また、縦型ダイオードを含む半導体デバイスでは、素子分離領域10Bには、カソード電極136に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられていてもよい。あるいは、カソード電極136に対して、半導体デバイスの各裏面から直接給電されてもよい。
図7A、
図7B、
図9A及び
図9Bに示す半導体デバイス2A、2B、3A及び3Bの場合、素子領域10Aにおいて、反射層70及びアノード電極132に直接給電が行われてもよい。アノード電極132用のパッドを設けるための素子分離領域が不要になるので、面積効率を高めることができる。
【0268】
図16Bは、実施の形態4に係る半導体デバイス4の上面図である。
図16Bに示す半導体デバイス4は、複数のゲート電極332、複数のソース電極334及び複数のドレイン電極336が設けられている。ゲート電極332、ソース電極334及びドレイン電極336はそれぞれ、一方向(y軸方向)に長尺である。ソース電極334とゲート電極332とドレイン電極336とはこの順で、各々の短手方向に沿って1本ずつ繰り返し並んで配置されている。なお、
図16Bに示すX-X線における断面が
図10に対応している。
【0269】
半導体デバイス4では、基板310の平面視において、素子領域310Aと、素子分離領域310Bと、が設けられている。
【0270】
素子領域310Aは、トランジスタの変調動作に寄与する領域である。素子領域310Aは、ドレイン電流の主経路を含む領域でもある。具体的には、素子領域310Aには、ゲート電極332が設けられたゲート領域、ソース電極334が設けられたソース領域、ドレイン電極336が設けられたドレイン領域、ゲート電極332とソース電極334との間のゲート-ソース間領域、及び、ゲート電極332とドレイン電極336との間のゲート-ドレイン間領域が含まれる。
【0271】
素子分離領域310Bは、ゲート電極332、ソース電極334及びドレイン電極336の少なくとも1つに給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられる領域である。例えば、
図16Bに示すように、素子分離領域310Bには、ソースパッド334Sとドレインパッド336Dとが設けられている。なお、
図16Bでは便宜上含めていないが、ゲートパッド332Gが設けられている領域も素子分離領域310Bである。
【0272】
半導体デバイス4が動作時に発光する領域は、主に素子領域310Aである。このため、半導体デバイス4が備える反射層370は、素子領域310Aに設けられている。これにより、素子領域310Aで生じる光を効率良く反射し、フォトンリサイクリング効果による光の利用効率を高めることができる。
【0273】
なお、実施の形態4の変形例に係る半導体デバイス4A、4B及び4Cの平面レイアウトも同じである。また、横型ダイオードを含む半導体デバイス5及び5Aについても、
図16Bに示す平面レイアウトと同様である。横型ダイオードを含む半導体デバイスの場合、素子領域310Aは、変調動作ではなく、整流動作に寄与する領域であり、順方向電流の主経路を含む領域である。また、例えば、
図16Bに示す素子分離領域310Bには、ゲートパッド332G、ソースパッド334S及びドレインパッド336Dの代わりに、アノード電極532に給電するためのワイヤが接続されるパッドと、カソード電極536に給電するためのワイヤが接続されるパッドとが設けられていてもよい。
図15に示す半導体デバイス5Aの場合、素子領域310Aにおいて、反射層370及びカソード電極536に直接給電が行われてもよい。素子分離領域には、アノード電極532に給電するためのワイヤが接続されるパッドが設けられてもよい。カソード電極536用のパッドを設けるための素子分離領域が不要になるので、面積効率を高めることができる。
【0274】
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る半導体デバイスについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0275】
例えば、上記の実施の形態では、各層の厚さ及びキャリア濃度などの数値を挙げているが、上述した数値は一例にすぎず、上述した数値に限定されるものではない。
【0276】
また、例えば、半導体デバイスが備える半導体層は、窒化物半導体以外の半導体を主成分として含んでもよい。例えば、本開示に係る第1半導体層及びp型半導体層はそれぞれ、砒化ガリウム(GaAs)を主成分として含んでもよい。あるいは、第1半導体層及びp型半導体層はそれぞれ、Si又はSiCを主成分として含んでもよい。
【0277】
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0278】
本開示は、電気機器の電源回路又はインバータ回路などで用いられるパワーデバイスなどに利用することができる。
【符号の説明】
【0279】
1、1A、1B、2、2A、2B、3、3A、3B、4、4A、4B、4C、5、5A 半導体デバイス
10、310 基板
10A、310A 素子領域
10B、310B 素子分離領域
12 ドリフト層
14、18 下地層
16 ブロック層
20 ゲート開口部
20a、30a 底面
20b、30b 側面
22、322 電子走行層
24、324 電子供給層
28、328 閾値調整層
30、330s ソース開口部
32、332 ゲート電極
32G、332G ゲートパッド
34、334 ソース電極
34S、334S ソースパッド
36、336 ドレイン電極
40、340、440、441 絶縁層
41 層間絶縁膜
42 保護絶縁膜
50、150 ビア導体
52、352 ソース配線
60 保護層
70、71、370 反射層
128、216、528 p型半導体層
132、232、532 アノード電極
136、536 カソード電極
152 アノード配線
310a 基板本体
310b n型GaN層
310c アンドープGaN層
312 空乏層形成層
314 バッファ層
316 耐圧向上層
320 ゲートリセス
330d ドレイン開口部
336D ドレインパッド
354 ドレイン配線
380 保護膜
390 裏面電極
440a 薄膜部
440b 厚膜部
442 第1膜
443 第2膜
444 第3膜
520 リセス
530 開口部
554 カソード配線