(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187516
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/503 20210101AFI20251218BHJP
H01M 50/522 20210101ALI20251218BHJP
H01M 50/521 20210101ALI20251218BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20251218BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/522
H01M50/521
H01M50/50 101
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096387
(22)【出願日】2024-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓬沢 圭輔
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA05
5H043FA04
5H043FA06
5H043FA08
5H043JA06F
5H043KA08F
5H043KA09F
(57)【要約】
【課題】材料によらずバスバー許容電流を十分に確保しつつ、且つ、省スペース化を図る。
【解決手段】複数のバッテリモジュール21と、複数のバッテリモジュール21を電気的に接続する第1~第3バスバー73、74、75と、複数のバッテリモジュール21及び第1~第3バスバー73、74、75を収容する下部ケース40及び上部カバー50と、を備えるバッテリパック20であって、第1~第3バスバー73、74、75は、両端部に設けられ、隣り合うバッテリモジュール21の端子221、222に締結される締結部731、741、751と、締結部731、741、751の間に設けられ、締結部731、741、751よりも幅W12、W22、W32が広く構成される幅広部732、742、752と、を有し、幅広部732、742、752は、隣り合うバッテリモジュール21の間に配置される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルが複数積層されたセル積層体を少なくとも含む複数の電気機器と、
前記複数の電気機器を電気的に接続するバスバーと、
前記複数の電気機器及び前記バスバーを収容するケースと、を備えるバッテリパックであって、
前記バスバーは、
両端部に設けられ、前記複数の電気機器の端子に締結される締結部と、
前記締結部の間に設けられ、前記締結部よりも幅が広く構成される幅広部と、を有し、
前記バスバーの前記幅広部の少なくとも一部は、隣り合う前記電気機器の間に配置される、
バッテリパック。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、前記締結部の間に設けられ、隣り合う前記電気機器の外面に挟まれた空間に向かって屈曲する屈曲部をさらに有し、
前記バスバーの前記幅広部の少なくとも一部は、前記空間に配置される、
バッテリパック。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、前記空間において略U字状に折り返される折返部を有し、
前記折返部は、前記幅広部に形成される、
バッテリパック。
【請求項4】
請求項2に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、前記空間において略U字状に折り返される折返部を有し、
前記折返部は、前記幅広部とは異なる位置に形成される、
バッテリパック。
【請求項5】
請求項2に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーの前記屈曲部は、曲げ加工により形成される、
バッテリパック。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、溶接された部分を含まない、
バッテリパック。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、アルミニウム、銅、又はこれらの合金のうちいずれかにより形成される、
バッテリパック。
【請求項8】
請求項7に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、アルミニウムにより形成される、
バッテリパック。
【請求項9】
請求項8に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーの前記幅広部の幅は、前記複数の電気機器を電気的に接続するバスバーが銅製であると仮定した場合に許容される電流値に基づいて設計される、
バッテリパック。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーを形成する材料は、材料耐力が195MPa以上、且つ、疲労限度が70MPa以上である、
バッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池に関する研究開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電気自動車等の車両に搭載され、バスバーにより電気的に結合された複数のバッテリセル/モジュールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のようなバスバーは、材料や大きさに応じて許容電流が変化する。材料によらずにバスバーの許容電流を十分に確保しつつ、且つ、バッテリパックの大型化を回避できる技術が要望されている。
【0006】
本発明は、材料によらずバスバー許容電流を十分に確保しつつ、且つ、省スペース化を図ることができるバッテリパックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
バッテリセルが複数積層されたセル積層体を少なくとも含む複数の電気機器と、
前記複数の電気機器を電気的に接続するバスバーと、
前記複数の電気機器及び前記バスバーを収容するケースと、を備えるバッテリパックであって、
前記バスバーは、
両端部に設けられ、前記複数の電気機器の端子に締結される締結部と、
前記締結部の間に設けられ、前記締結部よりも幅が広く構成される幅広部と、を有し、
前記バスバーの前記幅広部の少なくとも一部は、隣り合う前記電気機器の間に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、幅広部によりバスバーの断面積が増大するので、バスバーの導電率が高くなり、バスバーの材料によらずバスバーの許容電流を十分に確保できる。また、隣り合う電気機器の間のスペースを幅広部の配置に活用できるので、バッテリパックの省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態のバッテリパック20の斜視図である。
【
図2】上部カバー50を取り外した状態におけるバッテリパック20の斜視図である。
【
図3】上部カバー50を取り外した状態におけるバッテリパック20の上面図である。
【
図4】前側に配置された第1ジャンクションボード31と後側に配置された第2ジャンクションボード32との間の配線を示す概略図である。
【
図5】複数のバッテリモジュール21と第2ジャンクションボード32(一点鎖線)との間の配線を示す概略図である。
【
図7】隣り合うバッテリモジュール21を電気的に接続した状態の第1バスバー73の拡大斜視図である。
【
図9】隣り合うバッテリモジュール21を電気的に接続した状態の第2バスバー74の拡大斜視図である。
【
図11】隣り合うバッテリモジュール21を電気的に接続した状態の第3バスバー75の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のバッテリパックの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、バッテリパックを搭載する車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0011】
図1~
図3に示すバッテリパック20は、例えば、電気自動車等の車両の床下に搭載される。バッテリパック20は、上部が開口した下部ケース40と、下部ケース40の上部を覆う上部カバー50と、を備える。そして、バッテリパック20には、下部ケース40と上部カバー50とによって囲まれた内部空間60が形成される。
【0012】
下部ケース40は、複数のバッテリモジュール21の下部を覆う底板部41と、底板部41の左右両端部において、上方に起立して前後方向に延在する左右の側壁部42と、を備える。
【0013】
バッテリパック20は、複数のバッテリモジュール21と、第1ジャンクションボード31と、第2ジャンクションボード32と、を備え、これらが内部空間60に収容されている。
【0014】
各バッテリモジュール21は、略直方体形状を有する。各バッテリモジュール21は、複数のバッテリセルが積層されている。各バッテリモジュール21の複数のバッテリセルは不図示のバスバープレート等により電気的に接続されている。バッテリモジュール21は、本発明の「セル積層体」の一例である。各バッテリモジュール21の上部には、入出力端子であるプラス端子221とマイナス端子222とが設けられている。本実施形態では、プラス端子221とマイナス端子222とは、各バッテリモジュール21の上部において、上下方向から見て長手方向一方側の端部に、短手方向に並んで配置されている。
【0015】
各バッテリモジュール21は、上下方向から見た長手方向が車幅方向に延在し、短手方向が前後方向に延在するようにして、内部空間60に配置される。さらに、各バッテリモジュール21は、長手方向において、プラス端子221とマイナス端子222とが設けられている側が車幅方向中央側となるように、内部空間60に配置される。
【0016】
バッテリモジュール21は、左右方向に2列で前後方向に並んで配置されており、合計13個配置されている。具体的には、右側の列に7個のバッテリモジュール21が前後方向に並んで配置されており、左側の列に6個のバッテリモジュール21が前後方向に並んで配置されている。
【0017】
第1ジャンクションボード31は、内部空間60に収容されており、バッテリパック20の前端近傍に配置されている。より詳細には、第1ジャンクションボード31は、内部空間60において、最前方で左右方向に並んだバッテリモジュール21を跨ぐようにして、最前方で左右方向に並んだバッテリモジュール21の上部に配置されている。
【0018】
第2ジャンクションボード32は、内部空間60に収容されており、バッテリパック20の後端近傍に配置されている。より詳細には、第2ジャンクションボード32は、内部空間60において、右側の列の最後方に配置されるバッテリモジュール21の上部に配置されている。
【0019】
図4に示すように、内部空間60には、第1ジャンクションボード31と第2ジャンクションボード32とを接続する高圧電力線71、72が配索されている。
【0020】
第1ジャンクションボード31は、前輪を駆動するモータを含む前輪駆動ユニット11、外部充電器から供給される電力を受け付ける充電器12と電気的に接続される。また、第1ジャンクションボード31は、不図示の補機(空調装置用ヒータや空調装置用コンプレッサ)とも電気的に接続される。第1ジャンクションボード31は、前輪駆動ユニット11用の電力入出力回路、充電器12用の電力入出力回路、及び、補機用の電力入出力回路を含んでいる。
【0021】
第2ジャンクションボード32は、第1ジャンクションボード31の他に、バッテリモジュール21や後輪を駆動するモータを含む後輪駆動ユニット13と電気的に接続される。第2ジャンクションボード32は、バッテリモジュール21用の電力入出力回路及び後輪駆動ユニット13用の電力入出力回路を含んでいる。また、第2ジャンクションボード32は、異常時にバッテリパック20の通電を遮断するための電気部品である遮断器を含んでいる。
【0022】
図3及び
図5に示すように、バッテリパック20は、バッテリモジュール21のマイナス端子222と、前後方向で隣り合うバッテリモジュール21のプラス端子221と、を電気的に接続する複数の第1バスバー73及び第2バスバー74を備える。前後方向に隣り合うバッテリモジュール21は、間隔K1を介して隣り合う場合と、間隔K1よりも狭い間隔K2を介して隣り合う場合とがあり、間隔K1を介して隣り合うバッテリモジュール21同士は、第1バスバー73を介して電気的に接続され、間隔K2を介して隣り合うバッテリモジュール21同士は、第2バスバー74を介して電気的に接続される。なお、間隔K1、K2の部分には、下部ケース40の底板部41から上方に起立して左右方向に延在する複数のクロスメンバが設けられている。
【0023】
バッテリパック20は、最前方に配置された左右一方のバッテリモジュール21のマイナス端子222と、最前方に配置された左右他方のバッテリモジュール21のプラス端子221と、を電気的に接続する第3バスバー75をさらに備える。最前方に配置された2つのバッテリモジュール21は、左右方向に間隔K3(間隔K1よりも狭い)を介して隣り合っている。間隔K3を介して隣り合うバッテリモジュール21同士は、第3バスバー75を介して電気的に接続される。このようにして、本実施形態では、13個のバッテリモジュール21が直列に接続される。
【0024】
バッテリパック20は、内部空間60において、第2ジャンクションボード32と左側の列の最後方に配置されるバッテリモジュール21のプラス端子221とを電気的に接続するプラス側バスバー76と、第2ジャンクションボード32と右側の列の最後方に配置されるバッテリモジュール21のマイナス端子222とを電気的に接続するマイナス側バスバー77と、をさらに備える。
【0025】
このようにして、第2ジャンクションボード32は、直列に接続された13個のバッテリモジュール21と電気的に接続している。
【0026】
つぎに、第1~第3バスバー73、74、75の詳細について、
図6~
図11を参照して説明する。まず、第1~第3バスバー73、74、75に共通する構成について説明する。
【0027】
第1~第3バスバー73、74、75は、両端部に設けられ、隣り合うバッテリモジュール21の端子221、222に締結される一対の締結部731、741、751と、一対の締結部731、741、751の間に設けられ、締結部731、741、751の幅W11、W21、W31よりも幅W12、W22、W32が広く構成される幅広部732、742、752と、を有する。締結部731、741、751は、例えばボルトによりバッテリモジュール21の端子221、222に締結される。ここで、「幅」とは、締結部731、741、751が延在する方向と直交する方向の長さを指す。なお、第1~第3バスバー73、74、75の厚さは、締結部731、741、751及び幅広部732、742、752で一定に形成される。
【0028】
第1~第3バスバー73、74、75の幅広部732、742、752の少なくとも一部は、隣り合うバッテリモジュール21の間に配置される。
図6~
図11に示す一例では、幅広部732、742、752の全体が隣り合うバッテリモジュール21の間に配置される。
【0029】
このような第1~第3バスバー73、74、75によれば、幅広部732、742、752により断面積が増大するので、第1~第3バスバー73、74、75の導電率が高くなり、第1~第3バスバー73、74、75の材料によらず第1~第3バスバー73、74、75の許容電流を十分に確保できる。また、隣り合うバッテリモジュール21の間のスペースを幅広部732、742、752の配置に活用できるので、幅広部732、742、752を設けたとしてもバッテリパック20の省スペース化を図ることができる。さらに、第1~第3バスバー73、74、75の断面積が増大するので、例えば締結部731、741、751で発生したボルト締めによる締結応力を幅広部732、742、752で十分に受けることができる。
【0030】
さらには、幅広部732、742、752により第1~第3バスバー73、74、75の表面積が増大するので、放熱性が向上する。また、幅広部732、742、752を有することにより形状が特徴的であるので、第1~第3バスバー73、74、75の誤組付けを防止できる。
【0031】
第1~第3バスバー73、74、75は、溶接された部分を含まないことが好ましい。例えば、第1~第3バスバー73、74、75は、単一部材である金属板材をプレス曲げ加工して一体形成される。溶接された部分を含まないので、第1~第3バスバー73、74、75の溶接による導電率の低下を抑制でき、また、第1~第3バスバー73、74、75を高強度に形成できる。
【0032】
第1~第3バスバー73、74、75は、アルミニウム、銅、又はこれらの合金のうちいずれかにより形成される金属板材により形成される。特に、軽量化を図るために、本実施形態の第1~第3バスバー73、74、75は、アルミニウムにより形成されている。アルミニウムは、銅に比べて導電率が比較的低いものの、第1~第3バスバー73、74、75には幅広部732、742、752が設けられているので、第1~第3バスバー73、74、75の許容電流を十分に確保できる。
【0033】
アルミニウムにより形成される第1~第3バスバー73、74、75の幅広部732、742、752の幅W12、W22、W32は、複数のバッテリモジュール21を電気的に接続するバスバーが銅製であると仮定した場合に許容される電流値に基づいて設計される。具体的に説明すると、幅広部732、742、752を有し、アルミニウムにより形成される第1~第3バスバー73、74、75に許容される電流値が、幅広部を有しない銅製のバスバーに許容される電流値と略等しくなるように(又は超えるように)、幅広部732、742、752の幅W12、W22、W32を設定する。この際、アルミニウム製の第1~第3バスバー73、74、75と銅製のバスバーとの厚さは等しいと仮定する。このようにすると、幅W12、W22、W32を適切に設計することが可能となる。
【0034】
第1~第3バスバー73、74、75を形成する材料は、材料耐力が195MPa以上、且つ、疲労限度が70MPa以上であることが望ましい。材料耐力とは、例えば0.2%耐力であり、降伏点を明確に持たない金属材料の引張試験において、除荷したとき0.2%の塑性ひずみを生じさせる応力値のことである。疲労限度は、材料が一定の繰り返し応力を受けても、疲労破壊に至らない応力値のことである。このようにすると、第1~第3バスバー73、74、75に十分な耐力及び疲労限度を持たせることができる。
【0035】
また、幅広部732、742、752の幅W12、W22、W32は、第1~第3バスバー73、74、75が車両の振動に応答して共振しないような幅に設定されることが好ましい。これにより、共振による締結部731、741、751での緩み(具体的には、ボルト締結の緩み)が発生することを抑制できる。
【0036】
つぎに、第2、第3バスバー74、75について、
図8~
図11を参照して説明する。
【0037】
第2、第3バスバー74、75は、一対の締結部741、751の間に設けられ、隣り合うバッテリモジュール21の外面(具体的には側面)に挟まれた空間Sに向かって屈曲する屈曲部743、753をさらに有する。空間Sは、前述した隣り合うバッテリモジュール21の間隔K2又は間隔K3に対応する空間である。また、第2、第3バスバー74、75の幅広部742、752の少なくとも一部は、空間Sに配置される。
図8~
図11に示す一例では、幅広部742、752の全体が空間Sに配置される。
【0038】
第2、第3バスバー74、75を屈曲させて、幅広部742、752の少なくとも一部を隣り合うバッテリモジュール21の外面に挟まれた空間Sに配置するので、バッテリパック20の省スペース化を図ることができる。
【0039】
また、第2、第3バスバー74、75は、空間Sにおいて略U字状に折り返される折返部744、754を有する。このような折返部744、754によれば、幅広部742、752を空間S内にコンパクトに収容し、バッテリパック20のさらなる省スペース化が図れる。また、折返部744、754は、弾性変形によって、締結部731、741、751で発生した締結応力を十分に受けることができる。
【0040】
第2バスバー74の折返部744は、幅広部742に形成される。具体的には、折返部744は、幅広部742の中間部を折り返すように形成される。このようにすると、折返部744の強度を向上させることができる。
【0041】
一方、第3バスバー75の折返部754は、幅広部752とは異なる位置に形成される。例えば、第3バスバー75の折返部754は、幅広部752よりも幅狭であり、幅広部752の幅方向の一端部に形成される。このようにすると、折返部754が幅広部752とは異なる位置に形成されるので、折返部754の幅を任意に設定し、折返部754の加工が容易になる。
【0042】
第2、第3バスバー74、75の屈曲部743、753及び折返部744、754は、金属板材に対して曲げ加工を施すことにより形成される。このようにすると、屈曲部743、753及び折返部744、754を容易に加工することができる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0044】
例えば、前述した実施形態では、「セル積層体」の一例としてバッテリモジュール21を示したが、「セル積層体」はこれに限られず、モジュール化されずに積層された複数のバッテリセルであってもよい。
【0045】
また、前述した実施形態では、複数のバッテリモジュール21は、バッテリパック20の内部空間60において、左右方向に2列で前後方向に並んで配置されているものとしたが、並べ方は任意に設定できる。また、内部空間60に収容されるバッテリモジュール21の数は13個に限られず、任意に設定できる。
【0046】
また、前述した実施形態では、第1~第3バスバー73、74、75は、前後方向又は左右方向に隣り合うバッテリモジュール21を電気的に接続したが、バッテリモジュール21以外の電気機器(例えば、第1ジャンクションボード31又は第2ジャンクションボード32)を接続する構成であってもよい。
【0047】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0048】
(1) バッテリセルが複数積層されたセル積層体(バッテリモジュール21)を少なくとも含む複数の電気機器(バッテリモジュール21、第1ジャンクションボード31、第2ジャンクションボード32)と、
前記複数の電気機器を電気的に接続するバスバー(第1バスバー73、第2バスバー74、第3バスバー75)と、
前記複数の電気機器及び前記バスバーを収容するケース(下部ケース40、上部カバー50)と、を備えるバッテリパック(バッテリパック20)であって、
前記バスバーは、
両端部に設けられ、前記複数の電気機器の端子(プラス端子221、マイナス端子222)に締結される締結部(締結部731、741、751)と、
前記締結部の間に設けられ、前記締結部よりも幅が広く構成される幅広部(幅広部732、742、752)と、を有し、
前記バスバーの前記幅広部の少なくとも一部は、隣り合う前記電気機器の間に配置される、
バッテリパック。
【0049】
(1)によれば、幅広部によりバスバーの断面積が増大するので、バスバーの導電率が高くなり、バスバーの材料によらずバスバーの許容電流を十分に確保できる。また、隣り合う電気機器の間のスペースを幅広部の配置に活用できるので、幅広部を設けたとしてもバッテリパックの省スペース化を図ることができる。さらに、バスバーの断面積が増大するので、例えば締結部で発生した応力を幅広部で十分に受けることができる。
【0050】
なお、(1)において、バスバーに締結部に締結される電気機器は、セル積層体に限られず、セル積層体以外の機器であってもよい。
【0051】
(2) (1)に記載のバッテリパックであって、
前記バスバー(第2バスバー74、第3バスバー75)は、前記締結部の間に設けられ、隣り合う前記電気機器の外面に挟まれた空間(空間S)に向かって屈曲する屈曲部(屈曲部743、753)をさらに有し、
前記バスバーの前記幅広部の少なくとも一部は、前記空間に配置される、
バッテリパック。
【0052】
(2)によれば、バスバーを屈曲させて、幅広部の少なくとも一部を隣り合う電気機器の外面に挟まれた空間に配置するので、バッテリパックの省スペース化を図ることができる。
【0053】
(3) (2)に記載のバッテリパックであって、
前記バスバー(第2バスバー74)は、前記空間において略U字状に折り返される折返部(折返部744)を有し、
前記折返部は、前記幅広部に形成される、
バッテリパック。
【0054】
(3)によれば、折返部が幅広部に形成されるので、折返部の強度を向上させることができる。
【0055】
(4) (2)に記載のバッテリパックであって、
前記バスバー(第3バスバー75)は、前記空間において略U字状に折り返される折返部(折返部754)を有し、
前記折返部は、前記幅広部とは異なる位置に形成される、
バッテリパック。
【0056】
(4)によれば、折返部が幅広部とは異なる位置に形成されるので、折返部を加工しやすい。
【0057】
(5) (2)から(4)のいずれかに記載のバッテリパックであって、
前記バスバーの前記屈曲部は、曲げ加工により形成される、
バッテリパック。
【0058】
(5)によれば、屈曲部を容易に加工することができる。
【0059】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、溶接された部分を含まない、
バッテリパック。
【0060】
(6)によれば、溶接による導電率の低下を抑制できる。
【0061】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、アルミニウム、銅、又はこれらの合金のうちいずれかにより形成される、
バッテリパック。
【0062】
(7)によれば、アルミニウム、銅、又はこれらの合金のうちいずれかによりバスバーを形成することができる。
【0063】
(8) (7)に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーは、アルミニウムにより形成される、
バッテリパック。
【0064】
(8)によれば、導電率が比較的低いアルミニウムをバスバーの材料として使用する場合であっても、幅広部によりバスバーの許容電流を十分に確保できる。
【0065】
(9) (8)に記載のバッテリパックであって、
前記バスバーの前記幅広部の幅は、前記複数の電気機器を電気的に接続するバスバーが銅製であると仮定した場合に許容される電流値に基づいて設計される、
バッテリパック。
【0066】
(9)によれば、バスバーの適切な幅の設計が可能となる。
【0067】
(10) (1)から(9)のいずれかに記載のバッテリパックであって、
前記バスバーを形成する材料は、材料耐力が195MPa以上、且つ、疲労限度が70MPa以上である、
バッテリパック。
【0068】
(10)によれば、バスバーに十分な耐力及び疲労限度を持たせることができる。
【符号の説明】
【0069】
20 バッテリパック
21 バッテリモジュール(セル積層体、電気機器)
221 プラス端子(端子)
222 マイナス端子(端子)
31 第1ジャンクションボード(電気機器)
32 第2ジャンクションボード(電気機器)
40 下部ケース(ケース)
50 上部カバー(ケース)
73 第1バスバー(バスバー)
731 締結部
732 幅広部
74 第2バスバー(バスバー)
741 締結部
742 幅広部
743 屈曲部
744 折返部
75 第3バスバー(バスバー)
751 締結部
752 幅広部
753 屈曲部
754 折返部