(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025187535
(43)【公開日】2025-12-25
(54)【発明の名称】シート状部材の切断装置、切断方法、及び、当該切断装置を用いた積層電池製造装置
(51)【国際特許分類】
B26D 1/62 20060101AFI20251218BHJP
B26D 1/56 20060101ALI20251218BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20251218BHJP
B26D 3/00 20060101ALN20251218BHJP
【FI】
B26D1/62 B
B26D1/56 E
H01M10/04 Z
B26D3/00 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096423
(22)【出願日】2024-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】及川 智彰
(72)【発明者】
【氏名】相内 尋也
(72)【発明者】
【氏名】榎本 樹
(72)【発明者】
【氏名】中久喜 昌二
【テーマコード(参考)】
5H028
【Fターム(参考)】
5H028BB19
(57)【要約】
【課題】シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断する。
【解決手段】切断装置10は、ドラム軸方向A11に沿ってスリット孔15が形成された円筒状の外殻部17を有するドラム状部材13と、外部から連続的に供送されるシート状部材11を外殻部の表面(シート吸着面17a)に吸着保持させる吸着保持手段51と、ドラム状部材の外殻部を周方向(回転方向A12)に回転させる回転機構52と、スリット孔に沿って移動する切断刃16と、切断刃をドラム軸方向に往復運動させる往復運動機構53と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラム軸方向に沿ってスリット孔が形成された円筒状の外殻部を有するドラム状部材と、
外部から連続的に供送されるシート状部材を前記外殻部の表面に吸着保持させる吸着保持手段と、
前記ドラム状部材の前記外殻部を周方向に回転させる回転機構と、
前記スリット孔に沿って移動する切断刃と、
前記切断刃をドラム軸方向に往復運動させる往復運動機構と、を備える
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記回転機構は、周面の速度が前記シート状部材の移動速度と同等の速度となる回転速度で前記外殻部を回転させ、
前記往復運動機構は、前記外殻部の回転角度位置毎に前記切断刃の配置位置を規定しており、前記外殻部の1回転毎に前記切断刃を1往復運動させる
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記外殻部の回転角度領域には、前記シート状部材が前記外殻部の表面に巻き付いて吸着保持される巻付角度領域と、前記シート状部材が前記外殻部の表面に接触しない非接触角度領域とが設定されており、
前記往復運動機構は、前記巻付角度領域内において、前記ドラム状部材における前記ドラム軸方向の一端側から他端側に向かって、前記切断刃を移動させることで、前記外殻部の表面に吸着した前記シート状部材を切断する
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項4】
請求項3に記載のシート状部材の切断装置において、
前記往復運動機構は、前記非接触角度領域において、前記他端側から前記一端側に向かって、前記切断刃を移動させることで、前記外殻部の1回転毎に前記切断刃を1往復運動させる
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項5】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記吸着保持手段は、前記外殻部の表面に設けられた微細孔により前記ドラム状部材の内部に負圧吸引する負圧吸引手段、又は、前記外殻部の表面の帯電もしくは鏡像力を利用した静電吸着手段で構成されている
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項6】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記ドラム状部材は、前記外殻部の表面における前記切断刃の前記ドラム軸方向の配置位置と突出量を規定するガイドドラムを内包しており、
前記ガイドドラムは、固定配置され、
前記外殻部は、周方向に回転することにより、前記シート状部材を搬送する
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項7】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記切断刃によって切断された前記シート状部材の切断部分を、前記外殻部の表面から剥離させる剥離手段を備える
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項8】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記切断刃は、前記ドラム状部材の内部から外部へ向かう突出動作と、前記ドラム状部材の外部から内部へ向かう格納動作と、を行う構成になっている
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項9】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置において、
前記切断刃は、移動して前記シート状部材を切断する際に前記シート状部材を前記外殻部の表面の方向に押し付ける力を発生させるように、刃先が傾斜して配置されている
ことを特徴とするシート状部材の切断装置。
【請求項10】
ドラム軸方向に沿ってスリット孔が形成された円筒状の外殻部を有するドラム状部材と、前記スリット孔に沿って移動する切断刃と、を用い、
前記ドラム状部材の前記外殻部を周方向に回転させながら、外部から連続的に供送されるシート状部材を前記外殻部の表面に沿って吸着保持させ、
前記切断刃を前記ドラム軸方向に移動させることで、前記ドラム軸方向に前記シート状部材を切断する
ことを特徴とするシート状部材の切断方法。
【請求項11】
請求項1に記載のシート状部材の切断装置を用いた
ことを特徴とする積層電池製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状部材の切断装置、切断方法、及び、当該切断装置を用いた積層電池製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続的に供送(供給搬送)されているシート状部材(いわゆるwebシート材)搬送直交方向に切断する方法としては、大きく2種類の方法がある。1つ目の方法は、連続搬送されているシート全体もしくは一部分を一時的に停止させてシートを切断する方法である(例えば、特許文献1参照)。2つ目の方法は、切断刃もしくは切断機構を連続搬送されるシートと同じ速度で移動させながら切断する方法である(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-310351号公報
【特許文献2】特開2010-125535号公報
【特許文献3】特開平9-193087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2,3に開示された従来技術は、以下に説明するように、切断精度の向上と切断の高速化の両立に限界があり、シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができない、という課題がある。
【0005】
例えば、特許文献1に記載された従来技術は、シートの急速な加減速が必要となるため、搬送機構やシート状部材にダメージを与える可能性がある。特に、シート搬送速度が速くなるほど、搬送機構やシート状部材にダメージを与え易くなる。また、美しく安定した切断面で切断することが難しくなる。そのため、特許文献1に記載された従来技術は、適用可能なシート搬送速度に限界がある。したがって、特許文献1に記載された従来技術は、切断精度の向上と切断の高速化の両立に限界があり、シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができない。
【0006】
また例えば、特許文献2に記載された従来技術は、連続搬送されているシート状部材を切断するために、シートを貼着保持する基板部材とシートを切断する切断機構とを、シート搬送方向に往復運動させることを要する。そのため、特許文献2に記載された従来技術は、搬送速度が速いシートの切断に適用し難い。したがって、特許文献2に記載された従来技術は、切断精度の向上と切断の高速化の両立に限界があり、シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができない。
【0007】
また例えば、特許文献3に記載された従来技術は、切断刃をシート面に押し付ける構成になっているため、切断時のシートに撓みが生じる。そのため、特許文献3に記載された従来技術は、切断面における変形や崩れ等を起こすことなく、剛性の低いシートや、表面に厚さの薄いシート、表面に他の材料が塗布されているシートを、高い切断精度で切断することが難しい。したがって、特許文献3に記載された従来技術は、切断精度の向上と切断の高速化の両立に限界があり、シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができない。
【0008】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断するシート状部材の切断装置、切断方法、及び、当該切断装置を用いた積層電池製造装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明は、シート状部材の切断装置であって、ドラム軸方向に沿ってドラム表面にスリット孔が形成された円筒状のドラム状部材と、外部から連続的に供送されるシート状部材を前記ドラム表面に吸着保持させる吸着保持手段と、前記ドラム状部材を回転させる回転機構と、前記スリット孔を介して前記ドラム表面に突出する切断刃と、前記切断刃をドラム軸方向に往復運動させる往復運動機構と、を備える構成とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シート状部材を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る切断装置の概略構成図である。
【
図3】ガイドドラム表面に形成された軸方向ガイド溝の説明図である。
【
図5A】第2変形例の切断装置における切断刃付近の構造図である。
【
図5B】第2変形例の切断装置における切断刃付近の構造である。
【
図6A】第2変形例の切断装置における切断刃の動作説明図である。
【
図6B】第2変形例の切断装置における切断刃の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
[実施形態]
<切断装置の構成>
以下、
図1から
図6Bを参照して、本実施形態に係る切断装置10の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る切断装置10の説明図である。
図2は、切断装置10の断面図である。
図3は、ガイドドラム表面25に形成された軸方向ガイド溝27の説明図である。
【0014】
なお、前記した特許文献1,2に記載された従来技術は、以下のような課題がある。本実施形態は、以下のような課題も解決する切断装置10を提供することも意図している。
(1)特許文献1に記載された従来技術は、連続搬送されるシートの切断部分付近にのみシートを停止させる場合に、シートの停止領域前後に、連続搬送されるシートを滞留させるためのバッファ機構を設けなければならない。
(2)また、特許文献2に記載された従来技術は、シートを切断する際に、切断刃もしくは切断機構とシートの搬送速度を高精度に一致させることを要する。また、特許文献2に記載された従来技術は、切断領域内で切断刃もしくは切断機構を高速に往復運動させる機構を要する。
【0015】
切断装置10は、切断装置10の外部から連続的に供送されるシート状部材11を幅方向(ドラム軸方向A11)に切断する装置である。切断装置10は、様々なシート状部材11の切断に用いることができる。例えば、積層電池製造装置では、シート状の電極やセパレータ等を切断する切断装置を有している。前記した実施形態の切断装置10は、その切断装置に用いることができる。また、切断装置10は、紙のシートや、プラスチックのシート等を切断する切断装置に用いることもできる。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置10は、ドラム状部材13と、吸着保持手段51と、回転機構52と、切断刃16と、往復運動機構53と、を備える。
【0017】
ドラム状部材13は、外殻部17を有する部材である。外殻部17は、周方向(回転方向A12)に回転する円筒状の部材である。外殻部17は、シート状部材11を吸着保持するシート吸着面17aをドラム表面に有している。本実施形態では、外殻部17は、シート吸着面17aに複数の微細孔31(
図5A)が設けられており、内部から負圧吸引することで、シート状部材11を吸着するものとして説明する。外部から連続的に供送されるシート状部材11は、シート吸着面17a(外殻部17の表面)に負圧吸着され、外殻部17の回転とともに搬送される。外殻部17には、ドラム軸方向A11に沿って、1乃至複数の直線状のスリット孔15が形成されている。スリット孔15は、切断刃16の移動に利用される孔である。スリット孔15は、複数形成される場合に、等間隔で平行に配置される。また、ドラム状部材13は、ガイドドラム20を有しており、さらにガイドドラム20の軸方向の両端部に中心軸部14を有している。つまり、ドラム状部材13は、外殻部17の両端の開口部を塞ぐとともに外殻部17を保持するエンドプレートとしてのガイドドラム20とエンドキャップとしての中心軸部14とを有している。ガイドドラム20は、外殻部17の回転角度位置に合わせて、切断刃16をドラム軸方向A11に移動させる部材である。ガイドドラム20は、シート吸着面17aにおける切断刃16のドラム軸方向A11の配置位置と突出量を規定する部材である。中心軸部14とガイドドラム20は、固定設置され、回転しない構造になっている。
【0018】
吸着保持手段51は、切断装置10の外部から連続的に供送されるシート状部材11を外殻部17の表面であるシート吸着面17aに吸着保持させる手段である。吸着保持手段51は、シート吸着面17aに設けられた微細孔31によりドラム状部材13の内部に負圧吸引する負圧吸引手段(負圧供給用配管32)で構成される。又は、吸着保持手段51は、シート吸着面17aの帯電もしくは鏡像力を利用した静電吸着手段で構成されるようにしてもよい。
【0019】
回転機構52は、ドラム状部材13の外殻部17を周方向(回転方向A12)に回転させる機構である。本実施形態では、回転機構52がベルト搬送機構で構成されているものとして説明する。回転機構52は、周面の速度がシート状部材11の移動速度と同等の速度となる回転速度で外殻部17を回転させる。
【0020】
切断刃16は、スリット孔15に沿って移動する刃物状の部材である。切断刃16は、
図3に示す巻付角度領域61において、スリット孔15に沿ってドラム軸方向A11に移動する。これにより、切断装置10は、シート状部材11を切断する。本実施形態では、シート切断開始位置が
図1の右上側の位置(
図1に示すドラム状部材13の奥側の位置)であり、シート切断終了位置が
図1の左下側の位置(ド
図1に示すドラム状部材13の手前側の位置)であるものとして説明する。切断刃16は、シート状部材11の切断時に、外殻部17の外部に刃先を突出させた状態で移動する。巻付角度領域61(
図3)は、シート状部材11がシート吸着面17a(外殻部17の表面)に吸着されて巻き付く領域であり、ドラム状部材13の円周面の下側に位置する領域である。切断装置10は、スリット孔15に沿って切断刃16を移動させることにより、シート吸着面17aに吸着保持されたシート状部材11を切断する。
【0021】
往復運動機構53は、切断刃16をドラム軸方向A11に往復運動させる機構である。往復運動機構53は、外殻部17の回転角度位置毎に切断刃16の配置位置を規定しており、外殻部17の1回転毎に切断刃16を1往復運動させる。
【0022】
また、切断装置10は、剥離手段18と搬送ベルト19と吸着機構24を備えている。
剥離手段18は、切断刃16によって切断されたシート状部材11の切断部分12を、シート吸着面17aから剥離させる手段である。本実施形態では、剥離手段18がドラム状部材13に対向して近接配置されたローラ部材として構成されているものとして説明する。また、本実施形態では、剥離手段18は、負圧を発生させる吸着機構24に連結されており、吸着機構24で発生された負圧により、シート吸着面17aからシート状部材11の切断部分12を吸着して剥離するものとして説明する。
【0023】
搬送ベルト19は、シート吸着面17aから剥離されたシート状部材11の切断部分12を吸着して回収方向A14に搬送する部材である。本実施形態では、搬送ベルト19が剥離手段18(ローラ材)に張架されたベルトであるものとして説明する。また、本実施形態では、搬送ベルト19は、吸着機構24に連結されており、吸着機構24で発生された負圧により、シート状部材11の切断部分12を吸着して搬送するものとして説明する。
【0024】
吸着機構24は、剥離手段18と搬送ベルト19にシート状部材11の吸着力を与える機構である。吸着機構24は、剥離手段18と搬送ベルト19に設けられた微細孔(図示せず)によりドラム状部材13の内部に負圧吸引する負圧吸引手段(負圧供給用配管)で構成される。又は、吸着機構24は、剥離手段18と搬送ベルト19の帯電もしくは鏡像力を利用した静電吸着手段で構成されるようにしてもよい。
【0025】
前記したように、ドラム状部材13は、ガイドドラム20を有しており、さらにガイドドラム20の軸方向の両端部に中心軸部14(
図1)を有している。中心軸部14とガイドドラム20は、固定設置され、回転しない構造になっている。
図2に示すように、ガイドドラム20の外周には外殻部17が設けられており、外殻部17がガイドドラム20の周囲を回転する。外殻部17の回転は、図示せぬギヤやベルト等を中心軸部14(
図1)の外端部に設け、図示せぬギヤやベルト等に動力を供送することで行われる。ガイドドラム20は、スリット孔15(
図1)に沿って切断刃16を移動可能に保持している。ガイドドラム20には、軸方向ガイド部材22と半径方向ガイド部材23が設けられている。軸方向ガイド部材22は、切断刃16をドラム軸方向A11にガイド(誘導)する部材である。半径方向ガイド部材23は、切断刃16を半径方向に(誘導)する部材である。軸方向ガイド部材22と半径方向ガイド部材23は、ガイドドラム20に固定されている。外殻部17が回転すると、軸方向ガイド部材22と半径方向ガイド部材23が作動する。これにより、切断装置10は、外殻部17の回転角度位置に合わせて、スリット孔15(
図1)に沿って切断刃16をドラム軸方向A11に移動させる。また、切断装置10は、外殻部17の回転角度位置に合わせて、シート吸着面17a(外殻部17の表面)から外部に突出する切断刃16の突出量を変更する。
【0026】
図2に示す例では、外殻部17のシート吸着面17aは、30°の角度幅の12組の部位を有している。ガイドドラム20は、軸方向ガイドローラ21で各切断刃16の刃元を保持している。そして、
図3に示すように、ガイドドラム20のガイドドラム表面25には、軸方向ガイド溝27が形成されている。軸方向ガイド溝27は、切断刃16を案内(誘導)するための軸方向ガイドローラ21が嵌め込まれる溝である。
図2に示す例では、軸方向ガイドローラ21は、30°毎に12個配置されており、それら12個の軸方向ガイドローラ21がいずれも同じ軸方向ガイド溝27(
図3)に嵌め込まれている。
【0027】
図3は、ガイドドラム20の表面(ガイドドラム表面25)を平面展開した構成を示している。
図3に記載された角度は、ドラム状部材13の外殻部17の回転角度位置を示している。
図3に示す「0°」は、
図2に示すドラム状部材13の上側位置の角度である。また
図3に示す「90°」は、
図2に示すドラム状部材13の右側位置の角度であり、シート状部材11が供送される角度位置に相当する。また
図3に示す「180°」は、
図2に示すドラム状部材13の下側位置の角度である。また
図3に示す「270°」は、
図2に示すドラム状部材13の左側位置の角度であり、シート状部材11の切断部分12が剥離される角度位置に相当する。
【0028】
図3に示すように、ガイドドラム20のガイドドラム表面25において、軸方向ガイド溝27は、概ねSinカーブ状の形状を呈している。切断装置10は、外殻部17を回転させることで、軸方向ガイド溝27に倣って、切断刃16をドラム軸方向A11に移動させる。
【0029】
図3に示すように、ガイドドラム20は、外殻部17の0°~360°の回転角度領域60には、90°~270°の巻付角度領域61と、270°~90°(すなわち、0°~90°と270°~360°)の非接触角度領域62が設定されている。巻付角度領域61は、シート状部材11がシート吸着面17aに巻き付いて吸着保持される領域である。つまり、巻付角度領域61に対応するガイドドラム表面25の巻き付き領域26は、シート状部材11がドラム状部材13の外殻部17に巻き付いている領域に相当する。往復運動機構53は、90°~270°の巻付角度領域61内において、ドラム状部材13におけるドラム軸方向A11の一端側から他端側に向かって、切断刃16を移動させる。このとき、シート状部材11は、シート吸着面17aに吸着されており、切断刃16が移動することで、切断される。非接触角度領域62は、シート状部材11がシート吸着面17aに接触しない領域である。往復運動機構53は、非接触角度領域62において、シート切断後の切断刃16をシート切断開始位置((
図1に示すドラム状部材13の奥側の位置(
図1の右上側の位置))に戻す。
【0030】
切断装置10は、ドラム状部材13の回転角度位置に合わせて、各切断刃16をドラム軸方向A11に順次移動させる。切断装置10は、切断刃16の位置を適正な切断位置に制御することで、外部から連続的に供送されるシート状部材11を幅方向に高速に切断する。
【0031】
<切断装置の動作>
係る構成において、切断装置10は、吸着保持手段51と吸着機構24作動させながら、回転機構52により外殻部17を回転方向A12に回転させるとともに、搬送ベルト19を回収方向A14に走行させる。切断装置10は、図示せぬ搬送手段によって任意のタイミングで外部から供給方向A13に連続的に供送されるシート状部材11を外殻部17に吸着させて、外殻部17の表面(シート吸着面17a)でシート状部材11を保持する。そして、切断装置10は、シート状部材11を外殻部17の表面に吸着保持した状態で、シート状部材11を回転方向A12に搬送する。その際に、切断装置10は、往復運動機構53によりスリット孔15に沿って切断刃16をドラム軸方向A11に移動させる。これにより、切断装置10は、外殻部17の表面に吸着保持されたシート状部材11をドラム軸方向A11に切断する。
【0032】
この後、切断装置10は、シート状部材11の切断部分12が剥離手段18に到達する直前に、外殻部17のシート吸着面17aにおける負圧吸引を停止する。そして、切断装置10は、剥離手段18により、外殻部17の表面からシート状部材11の切断部分12を剥離させるとともに、切断部分12を搬送ベルト19に吸着保持させる。これにより、切断装置10は、外殻部17のシート吸着面17aから搬送ベルト19に切断部分12を受け渡す。この後、切断装置10は、搬送ベルト19により切断部分12を回収方向A14に搬送する。
【0033】
<第1変形例>
図2に示す例では、切断装置10は、全ての回転角度領域60(
図3)において、シート吸着面17a(外殻部17の表面)から外部に切断刃16を突出させている。しかしながら、切断装置10は、
図4に示す切断装置10Aのように変形することができる。
図4は、第1変形例の切断装置10Aの断面図である。
図4に示す切断装置10Aは、例えば300°~60°のシート状部材11の切断を行わない領域において、外殻部17の内部に切断刃16を格納する構成になっている。以下、切断装置10Aについて、詳細に説明する。
【0034】
切断刃16とシート状部材11と接触するタイミングや安全性等を考慮すると、切断刃16は、非切断動作時に、外殻部17の内部に格納されることが望ましい。そこで、
図4に示す第1変形例の切断装置10Aのように、例えば300°~60°のシート状部材11の切断を行わない領域において、外殻部17の内部に切断刃16を格納する構成になっている。すなわち、第1変形例の切断装置10Aは、ドラム状部材13の外殻部17の内部から外部への切断刃16の突出動作とドラム状部材13の外部から内部への切断刃16の格納動作を行うものである。
【0035】
切断装置10Aは、切断動作時に、例えば300°~60°のシート状部材11の切断を行わない領域で、外殻部17の内部に切断刃16を格納する。そのための構成として、ガイドドラム20の側面部(ガイドドラム側面部28)には、切断刃16の半径方向の位置を決める半径方向ガイド溝29が形成されている。半径方向ガイド溝29は、楕円状又は円状の形状を呈しており、ガイドドラム側面部28の中心部よりも下部側に偏位して配置されている。切断刃16と軸方向ガイド部材22には、半径方向ガイドローラ30が一体で取りつけられている。半径方向ガイドローラ30は、切断刃16を半径方向に移動させる部材である。半径方向ガイドローラ30は、ガイドドラム側面部28の半径方向ガイド溝29に嵌め込まれている。切断装置10Aは、半径方向ガイド溝29における切断刃16の配置位置に応じて、外殻部17からの切断刃16の突出量を制御することができる。
図4で示した例では、切断装置10Aは、外殻部17の上側の300°~60°の領域で切断刃16を外殻部17の内部に格納し、外殻部17の下側の120°~240°の領域で切断刃16を外殻部17の外部に突出させる。つまり、切断装置10Aは、シート状部材11を切断しない領域で切断刃16を外殻部17の内部に格納し、シート状部材11を切断する領域で切断刃16を外殻部17の外部に突出させる。
【0036】
このような切断装置10Aは、外殻部17の任意の角度位置で、切断刃16の突出量を任意に制御することができる。このような切断装置10Aは、シート切断端部でのみ切断刃16を半径方向に移動させることや、シート切断時に徐々に切断刃16のドラム表面からの突出量を変えること等の、切断刃16の位置制御を行うこともできる。切断装置10Aは、シート切断端部でのみ切断刃16を半径方向に移動させることで、シート状部材11への切断刃16の最初の切込みを円滑に行うことができる。また、切断装置10Aは、シート切断時に徐々に切断刃16のドラム表面からの突出量を変えることで、切断に使われる切断刃16の位置を微細にズラすことができ、切断刃16の寿命を延ばすことができる。また、切断装置10Aは、シート状部材11から生じる切断かす等を除去することができる。これらの切断刃16の位置制御は、切断対象となるシート状部材11と切断刃16の切断時の特性等によって選択すればよい。切断装置10Aは、ガイドドラム20のガイドドラム表面25とガイドドラム側面部28に形成した軸方向ガイド溝27と半径方向ガイド溝29によって、これらの切断刃16の位置制御を行うことができる。
【0037】
なお、格納手段としては、ドラム側面側にレバー等を設けて、手動で格納するようにしてもよい。また、切断動作時にのみ切断刃16を外殻部17の外部に突出させる手段としては、切断刃16の格納方向(つまりガイドドラム20の中心方向)にばね等の付勢部材を配置するようにしてもよい。このような構成により、切断装置10Aは、切断動作時の外殻部17の回転に応じて、付勢力で切断刃16を外殻部17の外部に突出させることができる。なお、切断刃16は、シート吸着面17aに吸着保持されたシート状部材11を切断することから、切断時に切断刃16に生じる反力で切断刃16が外殻部17の外部に押し戻されることはない。
【0038】
<第2変形例>
また、切断装置10は、例えば、
図5Aから
図6Bに示す第2変形例の切断装置10Bのように変形することができる。第2変形例の切断装置10Bは、シート状部材11を切断する際にシート状部材11をシート吸着面17aの方向に押し付ける力を発生させるように、切断刃16の刃先を傾斜して配置したものである。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、第2変形例の切断装置10Bにおける切断刃16付近の構造図である。
図6A及び
図6Bは、それぞれ、第2変形例の切断装置10Bにおける切断刃16の動作説明図である。
図5から
図6Bは、切断装置10Bにおける外殻部17でのシート切断部付近の断面を拡大して示している。
図5Aは、ドラム軸方向A11(つまり切断刃16の移動方向)における切断刃16付近の断面構造を示している。
図5Bは、ドラム状部材13に直交する方向(つまりドラム状部材13の径方向)における切断刃16付近の断面構造を示している。
図6Aは、上面視における切断刃16付近の動作を示している。
図6Bは、ドラム状部材13に直交する方向(つまりドラム状部材13の径方向)における切断刃16付近の動作を示している
【0039】
図5A及び
図5Bに示すように、外殻部17の内部には、負圧吸引のための負圧供給用配管32が張り巡らせられており、シート状部材11を吸着する複数の微細孔31が外殻部17の内面から表面に向かって形成されている。また、外殻部17の内部には、切断刃16を保持する切断刃保持部材33が配置されている。切断刃保持部材33は、軸方向ガイド部材22(
図5B)に揺動可能に取り付けられている。
【0040】
切断装置10Bは、外殻部17の内部に設けられた負圧供給用配管32を減圧することで、シート状部材11を外殻部17のシート吸着面17aの吸着固定することができる。切断装置10Bは、外殻部17の回転角度位置に合わせて、負圧吸着動作を制御する。これにより、切断装置10Bは、90°位置でのシート状部材11への外殻部17の吸着動作から270°位置での剥離手段18による切断部分12の剥離動作と搬送ベルト19への切断部分12の受け渡しを容易に行う。
【0041】
図5Aに示す例では、切断装置10Bは、切断刃16の先端が切断刃16の移動方向側に傾斜するように切断刃16を配置している。切断刃16を傾斜させれば、切断刃16の実質的な刃先角度はより鋭角となる。さらに、切断刃16の先端が切断刃16の移動方向側に傾斜させることで、切断装置10Bは、切断時に、シート状部材11をシート吸着面17a側に押し付ける方向の力が生じることができる。これにより、切断装置10Bは、外殻部17に吸着固定されているシート状部材11をより安定した状態で切断することができる。
【0042】
図5Bに示すように、切断時のシート状部材11は、切断刃16の両側に配置されたシート吸着面17aで固定保持されている。薄いシート状部材11の垂れ下がりや千切れ等の欠陥が無く、美しく鋭利な切断面とするためには、切断刃16が薄く鋭利であることとともに、切断刃16を挟む2つのシート吸着面17aで形成されたスリット孔15の幅ができるだけ狭いことが望まれる。切断装置10Bは、切断刃16とシート吸着面17aが一体で形成されていることから、切断刃16の厚さに近い狭いスリット孔15の幅でシート吸着面17aを配置することができる。
【0043】
切断刃16は、直線刃を固定保持したものあるが、波面が曲線の切断刃16や2つの切断面がV字を形成している鋏のような形状等、様々な刃物形状を利用できる。また、丸刃の切断刃16を用いて、ドラム軸方向移動時、つまり切断時に回転させながら切断することも可能である。ただし、丸刃は、切断位置が順次変わりながら切断するので、切断刃16が傷み難い等の特徴はあるものの、
図5Aに示すような切断時にシート状部材11をシート吸着面17aに押し付ける効果を奏することは難しい。
【0044】
切断装置10Bで切断されるシート状部材11の幅は、シート吸着面17aと切断刃16で構成される各切断ユニット幅となる。各切断ユニット幅をWとし、ドラムを形成する各切断ユニットの枚数をNとすると、必要なドラム直径Dと各切断ユニットの領域角度θは、次式となる。
D=W×N÷π
θ=360°/N
【0045】
また、ドラム直径Dを変えずに、各切断角度ユニットの枚数Nを増やしたり、減らした時の各切断ユニット幅WNは、次式となる。
1枚増やした場合:WN+1=WN×N÷(N+1)
1枚減らした場合:WN-1=WN×N÷(N-1)
【0046】
ドラム直径Dが同じであれば、各切断ユニットの枚数Nが多いほど、各切断ユニットの枚数Nが多いほど、1枚増やしたり、減らした時の各切断ユニット幅Wの変化は小さい。つまり、シート切断幅の微調整が可能となる。しかしながら、一方で各切断角度ユニットの枚数Nが多いほど、必要となるドラム直径Dは大きくなる。
【0047】
例えば、シート切断幅を100mm、切断角度ユニットの枚数を12枚でドラムを形成する場合のドラム直径は、約382mmである。この時、切断角度ユニットの枚数を11枚に減らすと切断幅は、約109mmとなり、逆に、切断角度ユニットの枚数を13枚に増やすと約92.3mmとなる。切断角度ユニット枚数を1枚増減することで、約8~9mm程度の切断幅調整が可能となる。
【0048】
ドラムを形成する各切断角度ユニットの枚数Nを多くするほど、枚数変更時の切断幅は微調整ができるが、必要なドラム直径Dが大きくなる。一方で、ドラム直径が大きいほど、切断するシート状部材11がドラムに巻き付けられる区間距離が長くなることから、より高速での切断が可能になる。切断角度ユニットを組合せて構成するドラムの直径は、これらを勘案して決定する必要がある。
【0049】
切断装置10Bは、同じ切断角度幅の切断ユニットを組合せてドラムを構成になっているが、必ずしも同じ切断角度幅の切断ユニットを組み合わせる必要はない。例えば領域角度が30°の切断ユニット7個と領域角度が50°の切断ユニット3個でも、切断装置10Bと同様のシート切断用ドラムを構成できる。もちろん、3種類以上の領域角度の切断ユニットを組合せることも可能である。
【0050】
さらに、任意の領域角度の切断ユニットを組合せ、ドラム形成に余剰な部分のシート状部材11を廃棄することを許容するのであれば、必要となる任意のシート切断長での切断も可能である。例えば、領域角度が32°の切断ユニットの場合、11枚の切断ユニットと約8°の隙間を許容すれば、ドラムを構成することができる。但し、この場合、約2.2%のシート状部材11を廃棄することを許容する必要が生じる。
【0051】
切断装置10Bは、シート吸着面17aに負圧吸着を利用してシート状部材11を吸着固定して、切断刃16で切断する構成を説明した。シート状部材11をシート吸着面17aに吸着する方法としては、負圧吸着方式以外の方法を利用することもできる。シート状部材11をシート吸着面17aに吸着する負圧吸着以外の方法として、静電吸着方式がある。静電吸着方式は、シートもしくは吸着対象であるシート吸着面17aに、放電手段もしくは帯電ロール等を用いて静電電荷を付与し、静電気力でシート状部材11を吸着対象に吸着する方法である。静電吸着方式は、プリンタで紙等をドラムやベルトに吸着する際に広く利用される方法でもある。静電吸着によるシート吸着では、帯電したシートやシート吸着面17aの全面が、吸着力を生じることから、吸引穴による負圧吸引よりもより均一な吸着を行うことができる。静電吸着により、シート吸着面17aに吸着したシート状部材11の切断部分12の剥離には、徐電が必要であり、先に説明した剥離機構部に徐電機構を設けることが必要になる。また、静電吸着方式は、切断シート剥離後のベルト搬送部での利用することができる。
【0052】
シート吸着面17aにシート状部材11を吸着する方法は、負圧吸着や静電吸着方式以外にも、表面粘着力制御等のシート状部材11をシート吸着面に吸着可能な各種方法を利用できる。
【0053】
さらに、
図6A及び
図6Bで示すような外殻部17とともに回転する小さな爪様機構部品35を有する爪様機構部品34等を外殻部17に設けることで、シート状部材11の切断開始端部付近を機械的に挟持することもできる。ドラムとともに回転する機構部でシート全面を挟持することは勿論できない。しかしながら、シート状部材11の切断開始端部付近を機械的挟持することで、シート端部への切断刃16の突入時つまり切断始時の安定化や切断時に切断刃16でシート状部材11の吸着にずれが生じることを防止することができる。
【0054】
このような切断装置10Bは、シート吸着保持できる外殻部17と外殻部17に設けた狭いスリット孔15から突出した切断刃16を用いて、シート状部材11を側面もしくは概斜め上面から切断する。これにより、切断装置10Bは、シート状部材11が非常に安定した状態で切断可能となり、美しく安定した切断面での切断を実現可能である。さらに、回転するドラム上で切断動作を行わせることで、高速走行するシート状部材11を減速や停止させることなく、切断することが可能である。これにより、外部から連続的に供送されるシート状部材11を、搬送直交方向に、高速かつ安定して切断することができる。
【0055】
<切断装置の主な特徴>
本実施形態に係る切断装置10、以下のような特徴を有するように構成にすることができる。
(1)
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置10は、ドラム状部材13と、吸着保持手段51と、回転機構52と、切断刃16と、往復運動機構53と、を備える。ドラム状部材13は、ドラム軸方向A11に沿ってスリット孔15が形成された円筒状の外殻部17を有する部材である。吸着保持手段51は、切断装置10の外部から連続的に供送されるシート状部材11をシート吸着面17a(外殻部17の表面)に吸着保持させる手段である。回転機構52は、ドラム状部材13の外殻部17を周方向(回転方向A12)に回転させる機構である。切断刃16は、スリット孔15を介してシート吸着面17aに突出する部材である。往復運動機構53は、切断刃16をドラム軸方向A11に往復運動させる機構である。
【0056】
本実施形態に係る切断装置10は、ドラム状部材13のシート吸着面17a(外殻部17の表面)にシート状部材11を吸着保持する。これにより、切断装置10は、シート状部材11を安定に切断できる区間及び時間を確保することができる。また、切断装置10は、切断刃16をドラム軸方向A11に往復運動させる構成になっている。したがって、切断刃16は、側面からシート状部材11を切断する。そのため、切断装置10は、シート状部材11の保持状態に影響を与えずにシート状部材11を切断することができる。このような切断装置10は、切断精度の向上と切断の高速化を両立させることができる。そのため、切断装置10は、シート状部材11を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【0057】
(2)
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置10において、回転機構52は、周面の速度がシート状部材11の移動速度と同等の速度となる回転速度で外殻部17を回転させる。また、往復運動機構53は、外殻部17の回転角度位置毎に切断刃16の配置位置を規定しており、外殻部17の1回転毎に切断刃16を1往復運動させる。
【0058】
本実施形態に係る切断装置10は、外殻部17の1回転毎に切断刃16を1往復運動させる。したがって、切断装置10は、外殻部17が1回転する度に、切断刃16をドラム軸方向A11に移動させてシート状部材11を切断する動作と、切断刃16を初期位置に戻す動作とを繰り返す。このような切断装置10は、切断精度の向上と切断の高速化を両立させることができる。
【0059】
(3)
図3に示すように、本実施形態に係る切断装置10において、外殻部17の回転角度領域60には、巻付角度領域61と、非接触角度領域62とが設定されている。巻付角度領域61は、シート状部材11がシート吸着面17aに巻き付いて吸着保持される領域である。非接触角度領域62は、シート状部材11がシート吸着面17aに接触しない領域である。往復運動機構53は、巻付角度領域61内において、ドラム状部材13におけるドラム軸方向A11の一端側から他端側に向かって、切断刃16を移動させる。これにより、切断装置10は、シート吸着面17aに吸着したシート状部材11を切断する。
【0060】
本実施形態に係る切断装置10は、巻付角度領域61内において、ドラム状部材13におけるドラム軸方向A11の一端側から他端側に向かって、切断刃16を移動させる。これにより、切断装置10は、シート吸着面17aに吸着したシート状部材11を切断することができる。
【0061】
(4)
図3に示すように、本実施形態に係る切断装置10において、往復運動機構53は、非接触角度領域62において、他端側から一端側に向かって、切断刃16を移動させる。これにより、切断装置10は、外殻部17の1回転毎に切断刃16を1往復運動させる。
【0062】
本実施形態に係る切断装置10は、外殻部17が1回転する度に、切断刃16をドラム軸方向A11に移動させてシート状部材11を切断する動作と、切断刃16を初期位置に戻す動作とを繰り返す。このような切断装置10は、安定してシート状部材11を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【0063】
(5)
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置10において、吸着保持手段51は、シート吸着面17aに設けられた微細孔31によりドラム状部材13の内部に負圧吸引する負圧吸引手段(負圧供給用配管32)で構成される。又は、吸着保持手段51は、シート吸着面17aの帯電もしくは鏡像力を利用した静電吸着手段で構成されるようにしてもよい。
【0064】
本実施形態に係る切断装置10は、吸着保持手段51によりシート吸着面17a(外殻部17の表面)にシート状部材11を吸着させて保持させることができる。そのため、切断装置10は、シート状部材11を動かないように安定させた状態で切断することができる。このような切断装置10は、安定してシート状部材11を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【0065】
(6)
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置10において、ドラム状部材13は、シート吸着面17aにおける切断刃16のドラム軸方向A11の配置位置と突出量を規定するガイドドラム20を内包している。ガイドドラム20は、固定配置されている。外殻部17は、周方向(回転方向A12)に回転することにより、シート状部材11を搬送する。
【0066】
本実施形態に係る切断装置10は、外殻部17によりシート状部材11を搬送する。その際に、切断装置10は、外殻部17の回転角度領域に応じたドラム軸方向A11の配置位置に切断刃16を移動させる。このような切断装置10は、外殻部17が回転するにつれて、外殻部17の回転角度に同期したタイミングで搬送直交方向にシート状部材11を切断することができる。
【0067】
(7)
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置10において、切断刃16によって切断されたシート状部材11の切断部分12を、シート吸着面17aから剥離させる剥離手段18を備える。
【0068】
本実施形態に係る切断装置10は、剥離手段18により、シート状部材11の切断部分12をシート吸着面17a(外殻部17の表面)から円滑に剥離することができる。
【0069】
(8)
図4に示す第1変形例の切断装置10Aのように、切断刃16は、ドラム状部材13の内部から外部へ向かう(移動する)突出動作と、ドラム状部材13の外部から内部へ向かう(移動する)格納出動作と、を行う構成になっていてもよい。
【0070】
このような本実施形態に係る切断装置10は、シート状部材11に当接しない角度領域では、ドラム状部材13の内部に切断刃16を退避(収納)させることができる。そのため、切断装置10は、切断刃16が意図せぬタイミングでシート状部材11と接触してシート状部材11を傷つけてしまうことを回避することができる。
【0071】
(9)
図5Aに示す第2変形例の切断装置10Bのように、切断刃16は、移動してシート状部材11を切断する際にシート状部材11をシート吸着面17aの方向に押し付ける力を発生させるように、刃先が傾斜して配置された構成になっていてもよい。
【0072】
本実施形態に係る切断装置10は、切断刃16が移動してシート状部材11を切断する際にシート状部材11をシート吸着面17aの方向に押し付ける。その状態で、切断装置10は、シート状部材11を切断する。そのため、切断装置10は、シート状部材11を動かないように安定させた状態で切断することができる。このような切断装置10は、さらに安定してシート状部材11を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【0073】
(10)本実施形態に係る切断方法は、ドラム軸方向A11に沿ってスリット孔15が形成された円筒状の外殻部を有するドラム状部材13と、スリット孔15に沿って移動する切断刃16と、を用いる。本実施形態に係る切断方法は、ドラム状部材13の外殻部17を周方向(回転方向A12)に回転させながら、切断装置10の外部から連続的に供送されるシート状部材11をシート吸着面17aに沿って吸着保持させる。本実施形態に係る切断方法は、その状態で、切断刃16をドラム軸方向A11に移動させる。これにより、本実施形態に係る切断方法は、シート状部材11をドラム軸方向A11に切断する。
【0074】
本実施形態に係る切断方法は、ドラム状部材13の外殻部17の表面にシート状部材11を吸着保持する。これにより、本実施形態に係る切断方法は、シート状部材11を安定に切断できる区間及び時間を確保することができる。また、本実施形態に係る切断方法は、切断刃16をドラム軸方向A11に移動させる。したがって、切断刃16は、側面からシート状部材11を切断する。そのため、本実施形態に係る切断方法は、シート状部材11の保持状態に影響を与えずにシート状部材11を切断することができる。このような本実施形態に係る切断方法は、切断精度の向上と切断の高速化を両立させることができる。そのため、本実施形態に係る切断方法は、シート状部材11を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【0075】
(11)本実施形態に係る切断装置10は、積層電池製造装置の一部として用いることができる。
【0076】
以上の通り、本実施形態に係る切断装置10によれば、シート状部材11を搬送直交方向に高速かつ安定して切断することができる。
【0077】
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0078】
例えば、前記したように、切断装置10は、様々なシート状部材11を切断する装置に用いることができる。例えば、積層電池製造装置では、シート状の電極やセパレータ等を切断する装置を有している。前記した実施形態の切断装置10は、その装置に用いることができる。この点について、積層電池製造装置では、高速に供送される表面に活物質の塗布された電極やセパレータを高速に切断することが求められる。しかも、電極の切断では、表面に塗布された活物質を崩すことのなく美しく(シャープに)切断することが求められる。また、セパレータは、極めて薄い樹脂性シート状部材であり、伸びや千切れ等を生じることのなく切断することが求められる。前記した実施形態の切断装置10は、このような高速かつ高精度に切断することが求められる装置に好適に適用することができる。
【0079】
10 切断装置(積層電池製造装置)
11 シート状部材
12 切断部分
13 ドラム状部材
14 中心軸部
15 スリット孔
16 切断刃
17 外殻部
17a シート吸着面(外殻部の表面)
18 剥離手段
19 搬送ベルト
20 ガイドドラム
21 軸方向ガイドローラ
22 軸方向ガイド部材
23 半径方向ガイド部材
24 吸着機構
25 ガイドドラム表面
26 巻き付き領域
27 軸方向ガイド溝
28 ガイドドラム側面部
29 半径方向ガイド溝
30 半径方向ガイドローラ
31 微細孔
32 負圧供給用配管
33 切断刃保持部材
34 爪様機構部品
35 爪様機構部品
51 吸着保持手段
52 回転機構(ベルト搬送機構)
53 往復運動機構
60 回転角度領域
61 巻付角度領域
62 非接触角度領域
A11 ドラム軸方向
A12 回転方向(周方向)
A13 供給方向
A14 回収方向