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特開2025-18804情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018804
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/45 20230101AFI20250130BHJP
   A63B 55/60 20150101ALI20250130BHJP
   H04N 23/69 20230101ALI20250130BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20250130BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20250130BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20250130BHJP
【FI】
H04N23/45
A63B55/60 Z
H04N23/69
H04N23/695
H04N5/77
G03B15/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122813
(22)【出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】中村 澄人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 勝久
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA21
5C122EA66
5C122EA67
5C122FA18
5C122FE05
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】移動を伴う行動に対する撮影画像の充実度の向上を図ること。
【解決手段】本開示の情報処理装置100は、移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラによる画像撮影を制御する情報処理装置100であって、移動体の位置を取得する位置取得部121と、移動体の位置に基づいて、第一カメラ及び第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する撮影制御部122と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラと、
前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、
前記第一カメラ及び前記第二カメラによる画像撮影を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれの撮影方向及びズーム倍率を含む撮影制御設定を行い、当該撮影制御設定に基づいて前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラにて前記人物を含む画像を撮影するよう制御し、前記第二カメラにて前記人物の行動に伴い予想される方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、ゴルフコースを移動する前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラにて前記ゴルフコースにてゴルフをプレーする前記人物を含む画像を撮影するよう制御し、前記第二カメラにて前記人物のゴルフプレーに伴い予想される打球方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体が予め設定された特定地点に位置している場合に、当該特定地点に対応して設定された第一撮影制御設定に基づいて前記第一カメラにて前記人物を含む画像を撮影するよう制御し、当該特定地点に対応して設定された第二撮影制御設定に基づいて前記第二カメラにて前記打球方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記人物の位置を取得し、前記移動体の位置と前記人物の位置とに基づいて、前記第一カメラにて前記人物を含む画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体の位置と、前記ゴルフコースにおける予め登録された特定位置と、に基づいて、前記第二カメラにて前記打球方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記第一カメラ及び前記第二カメラによる少なくとも一方の撮影画像に基づいて前記ゴルフコースにおける予め設定された特定位置を検出し、前記移動体の位置と前記特定位置とに基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれの前記撮影制御設定を行い、当該撮影制御設定に基づいて前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理システム。
【請求項9】
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラによる画像撮影を制御する情報処理装置であって、
前記移動体の位置を取得する位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する撮影制御部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項10】
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる、第一カメラ及び第二カメラを搭載した移動体の位置を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ゴルフラウンド中のプレイヤーのプレーを撮影し、プレーのダイジェスト映像を作成することが記載されている。具体的に、特許文献1では、ゴルフカートに360度カメラとズームカメラとを搭載し、それぞれのカメラで撮影した各映像データから画像を切り出してダイジェスト映像を作成している。特に、特許文献1では、各映像データから人物が含まれるよう画像を切り出してダイジェスト映像を作成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-110177
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、ゴルフカートに搭載した各カメラから撮影した画像から切り出す画像が、人物が含まれる画像であるため、ゴルフプレーの内容を適切に表した画像を記録することができていない。このため、ゴルフラウンド中のプレーに対する撮影画像の充実度の向上を図ることができない、という問題が生じる。また、ゴルフラウンド中のプレーに限らず、移動を伴う行動に対する撮影画像の充実度の向上を図ることができない。
【0005】
このため、本開示の目的は、上述した課題である、移動を伴う行動に対する撮影画像の充実度の向上を図ることができない、ことを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態である情報処理システムは、
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラと、
前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、
前記第一カメラ及び前記第二カメラによる画像撮影を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
という構成をとる。
また、本開示の一形態である情報処理装置は、
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラによる画像撮影を制御する情報処理装置であって、
前記移動体の位置を取得する位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する撮影制御部と、
を備えた、
という構成をとる。
また、本開示の一形態である情報処理方法は、
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる、第一カメラ及び第二カメラを搭載した移動体の位置を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
という構成をとる。
また、本開示の一形態であるプログラムは、
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる、第一カメラ及び第二カメラを搭載した移動体の位置を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
処理をコンピュータに実行させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、以上のように構成されることにより、移動を伴う行動に対する撮影画像の充実度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示にかかる第1の情報処理システムの利用状況を示す図である。
図2】本開示にかかる第1の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図3】本開示にかかる第1の情報処理装置による処理の様子を示す図である。
図4】本開示にかかる第1の情報処理装置による処理の様子を示す図である。
図5】本開示にかかる第1の情報処理装置による処理の様子を示す図である。
図6】本開示にかかる第1の情報処理装置による処理の様子を示す図である。
図7】本開示にかかる第1の情報処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
図8】本開示にかかる第2の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図9】本開示にかかる第2の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
本開示について、図面を参照して説明する。なお、図面はいずれの実施形態においても関連しうる。
【0010】
[構成]
本実施形態における情報処理システムは、人物によるゴルフのプレーの画像を撮影することに用いるシステムである。そして、情報処理システムは、図1及び図2に示すように、ゴルフコースにおいて利用されるゴルフカートCに設置された、第一カメラ21及び第二カメラ22を備えると共に、第一カメラ21及び第二カメラ22による画像撮影を制御する制御装置である情報処理装置10を備える。なお、図1においては情報処理装置10を図示していないが、ゴルフカートCの任意の場所に情報処理装置10が搭載されている。但し、情報処理装置10は、必ずしもゴルフカートCに搭載されていることに限定されず、ゴルフカートCと無線ネットワークにより接続され、他の場所に設置されていてもよい。
【0011】
ここで、ゴルフカートCは、ゴルフコースにおいてゴルフをプレーするプレイヤーP(人物)がゴルフコース上を移動するために利用する電動カートである。このため、ゴルフカートCは、プレイヤーPの移動に伴い移動されることとなる。但し、ゴルフカートCは必ずしも必要ではなく、ゴルフカートCに替えて、手引きカートやキャディバッグなどプレイヤーPのプレーに応じて移動しうる移動体であってもよく、かかる移動体に上述した第一カメラ21及び第二カメラ22が搭載されていてもよい。
【0012】
ゴルフカートCに搭載されている第一カメラ21と第二カメラ22とは、それぞれ撮影方向が可変可能なよう設置されている。例えば、第一カメラ21と第二カメラ22とは、それぞれ撮影方向を可変する駆動装置を介してゴルフカートCに搭載されている。駆動装置は、第一カメラ21及び第二カメラ22をそれぞれ水平方向に360度回転させるよう構成されており、撮影方向をいかなる方向にも設定することができる。また、駆動装置は、第一カメラ21及び第二カメラ22をそれぞれ垂直方向の所定の角度にも回転させるよう、つまり、第一カメラ21及び第二カメラ22の仰俯角を可変させるよう構成されている。例えば、駆動装置は、水平方向を基準として-90度から+90度の範囲で迎俯角を可変させるよう構成される。なお、駆動装置は、後述する情報処理装置10にて駆動制御され、これにより、第一カメラ21と第二カメラ22とのそれぞれの撮影方向が制御されることとなる。
【0013】
また、第一カメラ21と第二カメラ22とは、ズーム倍率が可変可能なよう設置されている。このとき、第一カメラ21は、近距離撮影用のレンズを搭載し、さらに、近距離撮影用に設定された範囲のズーム倍率に可変可能に構成されている。例えば、第一カメラ21は、ゴルフカートCからプレイヤーPの距離までを主な撮影範囲とするよう構成され、数メートルから数十メートルの範囲の撮影に適したズーム倍率に可変可能である。一方、第二カメラ22は、第一カメラ21よりも遠距離を撮影可能なよう遠距離撮影用のレンズを搭載し、さらに、遠距離撮影用に設定された範囲のズーム倍率に可変可能に構成されている。例えば、第二カメラ22は、後述するように、ゴルフカートCからプレイヤーPの打球方向を主な撮影範囲とするよう構成され、数十メートルから百、二百メートルの範囲の撮影に適したズーム倍率に可変可能である。第一カメラ21と第二カメラ22のズーム倍率は、後述する情報処理装置10にて制御されることとなる。
【0014】
そして、第一カメラ21と第二カメラ22とは、後述する情報処理装置10にて画像撮影が制御され、撮影した画像を情報処理装置10に出力するよう構成される。例えば、第一カメラ21と第二カメラ22とは、動画像を撮影するよう構成されるが、静止画像を撮影するよう構成されていてもよい。また、第一カメラ21と第二カメラ22とは、マイクを搭載しており、画像と共に音も収録して、情報処理装置10に出力してもよい。
【0015】
また、図1では図示していないが、ゴルフカートCは、図2に示すGPS(Global Positioning System)受信機といったカート側GPS装置23を備えている。カート側GPS装置23は、GPS衛星から信号を受信してカート自身の位置を測位し、かかる位置情報を情報処理装置10に通知する。但し、カート側GPS装置23は、自身の位置情報を検出できるものであれば、いかなる装置(位置検出装置)で構成されていてもよい。
【0016】
また、図1では図示していないが、図2に示すように、プレイヤーPは携帯型情報処理端末などのユーザ端末30を所持している。そして、ユーザ端末30は、GPS(Global Positioning System)受信機といったユーザ側GPS装置31を備えている。ユーザ側GPS装置31は、GPS衛星から信号を受信してプレイヤー自身の位置を測位し、かかる位置情報を無線通信にて情報処理装置10に通知する。但し、ユーザ側GPS装置31は、自身の位置情報を測位できるものであれば、いかなる装置で構成されていてもよい。
【0017】
ここで、上述した情報処理装置10について詳しく説明する。情報処理装置10は、演算装置と記憶装置とを備えた1台又は複数台の情報処理装置にて構成される。そして、情報処理装置10は、図2に示すように、移動検出部11、位置取得部12、撮影設定部13、撮影制御部14、を備える。移動検出部11、位置取得部12、撮影設定部13、撮影制御部14の各機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現することができる。また、情報処理装置10は、コース情報記憶部16、画像記憶部17、を備える。コース情報記憶部16、画像記憶部17は、記憶装置により構成される。以下、各構成について詳述する。
【0018】
移動検出部11は、ゴルフカートCが移動しているか停止しているかを検出する機能を有する。例えば、移動検出部11は、ゴルフカートCの速度を検出し、0ではない所定の速度以上が一定時間以上継続して検出された場合には、ゴルフカートCが移動していることを検出し、一方で、速度が0である時間が一定時間以上継続した場合には、ゴルフカートCが停止していることを検出する。但し、移動検出部11は、いかなる方法でゴルフカートCの移動及び停止を検出してもよく、例えば、ゴルフカートCの駆動装置の駆動状態の変化から移動及び停止を検出したり、ゴルフカートCの位置情報の変化から移動及び停止を検出してもよい。
【0019】
位置取得部12は、ゴルフカートCの位置情報を取得する機能を有する。例えば、位置取得部12は、ゴルフカートCに搭載されたカート側GPS装置23にて測位された位置情報を取得することで、ゴルフカートCの位置情報を取得する。特に、位置取得部12は、上述した移動検出部11にてゴルフカートCが移動している状態から停止したことを検出したタイミングで、ゴルフカートCの現在の位置情報を取得し、撮影設定部13に渡す。但し、位置取得部12は、常にゴルフカートCの位置情報を取得してもよい。
【0020】
なお、位置取得部12は、上述したプレイヤーPの位置情報も取得する機能を有する。例えば、位置取得部12は、プレイヤーPが所持するユーザ端末30に搭載されたユーザ側GPS装置31にて測位された位置情報を取得することで、プレイヤーPの位置情報を取得する。特に、位置取得部12は、上述した移動検出部11にてゴルフカートCが移動している状態から停止したことを検出したタイミングで、プレイヤーPの現在の位置情報を取得し、撮影設定部13に渡す。このとき、位置取得部12は、ゴルフカートCが停止してから一定時間の間、あるいは、ゴルフカートCが移動を開始するまで、常にプレイヤーPの位置情報を取得してもよい。
【0021】
撮影設定部13(撮影制御部)は、ゴルフカートCの位置情報に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22の撮影制御設定を行う。具体的に、撮影設定部13は、まず、上述したようにゴルフカートCが停止した際に位置取得部12にて取得されたゴルフカートCの位置情報が、予め登録された位置である特定地点であるか否かを調べる。ここで、特定地点とは、本実施形態では、図1に示すようなティーグラウンド41(ティーイングラウンド)の位置、及び、グリーン42の位置、であることとし、ゴルフコースごとに設定されたティーグラウンドの位置情報とグリーンの位置を表す位置情報とが、特定地点の位置情報としてコース情報記憶部16に予め記憶されて登録されている。このとき、登録される位置情報としては、例えば、ティーグラウンド及びグリーンの周辺に設定されたカート停止位置に対応する緯度、経度からなる位置情報であるが、ティーグラウンド及びグリーンの周辺の所定範囲を表す位置情報が登録されていてもよい。
【0022】
そして、撮影設定部13は、上述したようにゴルフカートCの位置情報が登録された特定地点の位置情報と一致している場合には、ゴルフカートCがティーグラウンドやグリーンといった特定地点に位置していると判定する。このとき、撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置情報が、特定地点の位置情報に対して完全に一致している場合だけでなく、特定地点の位置情報の予め設定された範囲内にある場合にも、ゴルフカートCが特定地点に位置していると判定してもよい。
【0023】
撮影設定部13は、ゴルフカートCが登録された特定地点に位置していると判定した場合には、かかる特定地点に対応して予め設定されている撮影制御設定を、第一カメラ21及び第二カメラ22の撮影制御設定とする。このとき、撮影制御設定は、予めゴルフコースの形状と特定地点とに基づいて生成されており、コース情報記憶部16内に、ゴルフコースごとの特定地点に対応付けられて記憶されている。そして、撮影制御設定としては、第一カメラ21に対する第一撮影制御設定と、第二カメラ22に対する第二撮影制御設定と、がそれぞれ用意されており、第一カメラ21及び第二カメラ22のそれぞれに対する撮影方向及びズーム倍率といった設定値を含む。このとき、撮影方向は、水平方向における角度方向と、垂直方向における角度方向と、を含む。なお、上述した特定地点は、複数設定されていてもよい。例えば、ティーグラウンドに対して複数の特定地点や、グリーンに対して複数の特定地点が設定されていてもよい。この場合、各特定地点それぞれに応じて撮影制御設定が用意されていてもよい。そして、例えばスタート時などの任意のタイミングで複数の特定地点のうち1つがプレイヤーPやゴルフ場の人物によって選択されることで、かかる選択された特定地点に対応する撮影制御設定が利用されることとなる。
【0024】
ここで、予め登録されている撮影制御設定の一例を説明する。特定地点がティーグラウンドである場合には、第一カメラ21に対する第一撮影制御設定としては、図3の符号R1で示す点線で挟まれた領域のように、ティーグラウンド41に位置するプレイヤーPを含む画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。つまり、特定地点であるティーグラウンドにゴルフカートCが位置している場合には、ゴルフカートCの位置と向きに対するティーグラウンド41の位置と向きは、かかる特定地点に応じてほぼ一定であると考えられるため、第一撮影制御設定では、ゴルフカートCからティーグラウンド41を向く方向に撮影方向が設定され、ティーグラウンド41に位置するプレイヤーPに焦点が合うようなズーム倍率が設定されていることとなる。なお、第一撮影制御設定における撮影方向は、ゴルフカートCの位置の高さとティーグラウンドの位置の高さとを考慮した垂直方向の角度も設定されている。
【0025】
また、第二カメラ22に対する第二撮影制御設定としては、図3の符号R2で示す点線で挟まれた領域のように、ティーグラウンドからボールを打つことで予想される打球方向つまりグリーン42及びピン43方向の画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。つまり、特定地点であるティーグラウンドにゴルフカートCが位置している場合には、ゴルフカートCの位置と向きに対するグリーン42及びピン43の位置と向きは、かかる特定地点に応じてほぼ一定であると考えられるため、第二撮影制御設定では、ゴルフカートCからグリーン42を向く方向である予想される打球方向に撮影方向が設定され、グリーン42に向かって焦点が合うよう第一カメラよりも遠距離にズーム倍率が設定されていることとなる。なお、第二撮影制御設定における撮影方向は、ゴルフカートCの位置の高さとグリーン42方向の位置の高さとを考慮した垂直方向の角度も設定されている。
【0026】
また、予め登録されている撮影制御設定の一例として、特定地点がグリーンである場合には、第一カメラ21に対する第一撮影制御設定としては、図5の符号R1で示す点線で挟まれた領域のように、グリーン42に位置するプレイヤーPを含む画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。また、第二カメラ22に対する撮影制御設定としては、図5の符号R2で示す点線で挟まれた領域のように、グリーン42上でボールを打つことで予想される打球方向つまりピン43を含むグリーン42全体の画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。なお、特定地点であるグリーンにゴルフカートCが位置している場合には、ゴルフカートCの位置と向きに対するグリーン42の位置と向きは、かかる特定地点に応じてほぼ一定であると考えられる。このため、第一撮影制御設定では、グリーン42に位置するゴルフカートCからグリーン42を向く方向に撮影方向が設定され、グリーン42に位置するプレイヤーPに焦点が合うようなズーム倍率が設定されていることとなる。また、第二撮影制御設定では、ゴルフカートCからグリーン42を向く方向に撮影方向が設定され、グリーン42全体を撮影可能なよう第一カメラよりも遠距離にズーム倍率が設定されていることとなる。なお、第一撮影制御設定及び第二撮影制御設定における撮影方向は、ゴルフカートCの位置の高さとグリーン42の位置の高さとを考慮した垂直方向の角度も設定されている。
【0027】
撮影制御部14は、上述したようにティーグラウンド41とグリーン42といった特定地点に応じて予め設定された撮影制御設定に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ画像を撮影するよう制御する。これにより、第一カメラ21では主にプレイヤーPが映る画像を撮影でき、第二カメラ22では主に打球方向の画像を撮影することができる。なお、第二カメラ22ではプレイヤーPが撮影されることもありうる。そして、撮影制御部14は、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ撮影した画像を取得し、画像記憶部17に記憶しておく。
【0028】
なお、上記では、特定地点がティーグラウンド41とグリーン42である場合を例示したが、ゴルフコース上の他の地点を特定地点としてもよい。例えば、バンカーの地点や特設ティーの地点を特定地点としてもよく、上述同様に、かかる地点に対応する位置情報と撮影制御設定とが予め登録されていてもよい。
【0029】
ここで、ゴルフカートCが停止した位置が、予め登録された位置である特定地点ではない場合、つまり、本実施形態ではティーグラウンド及びグリーンではない場合における、上記撮影設定部13による撮影制御設定について説明する。この場合、撮影設定部13は、まず、ゴルフカートCの位置情報に加え、上述したように位置取得部12にて取得したプレイヤーPの位置情報を取得する。また、撮影設定部13は、コース情報記憶部16に記憶されて予め登録されている現在のゴルフコースのピン43の位置情報を取得する。
【0030】
そして、撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置情報とプレイヤーPの位置情報とに基づいて、第一カメラ21に対する第一撮影制御設定を行う。具体的に、撮影設定部13は、ゴルフカートCとプレイヤーPとの2点の位置情報から、ゴルフカートCからプレイヤーPへの方向と距離を算出して、算出した方向を撮影方向に設定し、算出した距離に基づいてズーム倍率を設定する。これにより、第一カメラ21に対する第一撮影制御設定としては、図4の符号R1で示す点線で挟まれた領域のように、プレイヤーPを含む画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定される。このとき、撮影方向は、ゴルフカートCの位置の高さとプレイヤーPの位置の高さとを考慮した垂直方向の角度も設定される。例えば、情報処理装置10がゴルフコースの三次元地図データを記憶しておくことにより、撮影設定部13は、ゴルフカートCとプレイヤーPとの各位置の高さを特定でき、垂直方向の角度を設定することができる。
【0031】
また、撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置情報とピン43の位置情報とに基づいて、第二カメラ22に対する第二撮影制御設定を行う。具体的に、撮影設定部13は、ゴルフカートCとピン43との2点の位置情報から、ゴルフカートCからピン43への方向と距離を算出して、算出した方向を撮影方向に設定し、算出した距離に基づいてズーム倍率を設定する。これにより、第二カメラ22に対する第二撮影制御設定としては、図4の符号R2で示す点線で挟まれた領域のように、プレイヤーPがボールを打つことで予想される打球方向つまりグリーン42及びピン43方向の画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定される。このとき、撮影方向は、ゴルフカートCの位置の高さとピン43の位置の高さとを考慮した垂直方向の角度も設定される。例えば、情報処理装置10がゴルフコースの三次元地図データを記憶しておくことにより、撮影設定部13は、ゴルフカートCとピン43との各位置の高さを特定でき、垂直方向の角度を設定することができる。
【0032】
なお、撮影設定部13は、第二カメラ22に対する第二撮影制御設定については、ゴルフカートCとピン43との2点の位置情報から、まず、ゴルフカートCとピン43との中間地点など途中地点の位置を算出し、ゴルフカートCから途中地点への方向と距離を算出して、算出した方向を撮影方向に設定し、算出した距離に基づいてズーム倍率を設定してもよい。このとき、途中地点の算出は、ゴルフコースの全体形状と位置情報とを利用して行ってもよい。つまり、撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置からピン43の位置までの直線距離上の途中地点ではなく、フェアウェイの形状に沿った途中地点を算出してもよい。
【0033】
また、撮影設定部13は、上記では第二カメラ22に対する第二撮影制御設定を行う際にゴルフカートCとピン43との2点の位置情報を利用したが、ピン43の位置情報に替えて、ゴルフコース上の他の予め登録された位置の位置情報を利用してもよい。例えば、プレイヤーPの進行方向に位置する距離表示のための杭、バンカーや池など、特定位置の位置情報がコース情報記憶部16に予め記憶されている場合には、かかる位置情報を利用して、第二撮影制御設定を行ってもよい。
【0034】
ここで、ゴルフカートCが停止した位置が、予め登録された位置である特定地点ではない場合、つまり、本実施形態ではティーグラウンド及びグリーンではない場合における、上記撮影設定部13による撮影制御設定の他の例について説明する。撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置情報が特定地点の位置情報と一致していない場合であっても、その差異が予め設定された範囲内である場合には、特定地点の近隣、つまり、ティーグラウンド41やグリーン42の近隣に位置していると判定する。そして、撮影設定部13は、撮影制御部14を介して第一カメラ21と第二カメラ22の少なくとも一方から撮影されたゴルフカートCの周囲の画像を取得し、かかる画像内からティーグラウンドあるいはグリーンである特定位置を検出する。このとき、撮影設定部13は、例えば、画像内からティーグラウンド41のティーマーカーを検出したり、画像内からグリーン42のピン43を検出することで、ティーグラウンド41や、グリーン42またはピン43の位置を検出する。一例として、撮影設定部13は、予めティーマーカーやピンの形状が登録されたデータに対するテンプレートマッチングや、画像内のティーマーカーやピンの位置が学習されたモデルを用いた手法により、いずれかのカメラ21,22から撮影された画像から、ティーマーカーやピンの形状を検出する。但し、撮影設定部13は、画像から必ずしもティーマーカーやピンの位置を検出することに限定されず、ティーグラウンド自体やグリーン自体を、その形状の特徴から検出してもよい。
【0035】
そして、撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置と検出したティーグラウンド41の位置とに基づいて、第一カメラ21にてゴルフカートCからティーグラウンド41上を撮影するよう撮影制御設定を行い、第二カメラ22にてピン43方向を撮影するよう撮影制御設定を行う。また、撮影設定部13は、ゴルフカートCの位置と検出したピン43の位置とに基づいて、第一カメラ21にてゴルフカートCからグリーン42上を撮影するよう撮影制御設定を行い、第二カメラ22にてグリーン42全体を撮影するよう撮影設定を行う。なお、上記の場合、撮影設定部13は、プレイヤーPの位置を検出し、ゴルフカートCの位置とプレイヤーPの位置とに基づいて、第一カメラ21にてプレイヤーPの方向及び距離を撮影するよう撮影制御設定を行ってもよい。
【0036】
ここで、上述した撮影設定部13による、ゴルフカートCの位置とプレイヤーPの位置とを利用した撮影制御設定の一例を、図6を参照して説明する。撮影設定部13は、ゴルフカートの進行方向を確認するため、ゴルフカートの位置情報(GPS情報)を定期的に取得する。ここで、ゴルフカートが移動する事により位置の変化が起こり過去と現在の2点(地点Aと地点B)の位置情報の変化から、以下の数1式により、進行方向が北方向との角度が確認できることが知られている。なお、地点A(経度x1,緯度y1)、地点B(経度x2,緯度y2)とする。
【数1】
【0037】
図6において、プレイヤーPx (x=a,b)は、ゴルフカートの進行方向に対して、それぞれ(Δφ_cart+Δφ_Pa)、(Δφ_cart+Δφ_Pb)の角度を持ち、Dis_a、Dis_bの距離だけ離れている。このとき、距離は、以下の数2式で確認できる事が知られている。
【数2】
【0038】
上記それぞれΔφ_Pa、Δφ_Pbは、ゴルフカートの位置情報とプレイヤーPa, Pbそれぞれの持つ情報処理端末の位置情報(GPS情報)により、上述した数1式にて北方向からの角度が算出できる。そして、上述した(Δφ_cart+Δφ_Pa)、(Δφ_cart+Δφ_Pb)の角度により、ゴルフカートCに搭載された第一カメラ21の方向を調整し、上述した距離Dis_a、Dis_bに応じてズーム倍率を調整することにより、プレイヤーPa,Pbを撮影画像に捉えることができる。
【0039】
[動作]
次に、上述した情報処理装置10の動作を説明する。以下では、例えば、パー4またはパー5に設定されているゴルフコースにおいてプレイヤーPがプレーする場合を説明する。
【0040】
まず、プレイヤーPがティーショットを行う場合を説明する。情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報を取得し、まだゴルフコースのティーグラウンドに位置していないことを検出している場合に、ゴルフカートCの速度を検出して、移動している状態から停止したことを検出したとする(図7のステップS1)。すると、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報を取得し、登録位置であるか否かを調べる(図7のステップS2)。このとき、ゴルフカートCの位置情報が登録位置であるティーグラウンドの位置である場合には(図7のステップS2でYes)、ティーグラウンドに対応して予め設定されている撮影制御設定を、第一カメラ21及び第二カメラ22の撮影制御設定とする(図7のステップS3)。例えば、第一カメラ21に対する撮影制御設定としては、図3の符号R1で示す点線で挟まれた領域のように、ティーグラウンド41に位置するプレイヤーPを含む画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。また、第二カメラ22に対する撮影制御設定としては、図3の符号R2で示す点線で挟まれた領域のように、ティーグラウンドからボールを打つことで予想される打球方向つまりグリーン42及びピン43方向の画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。
【0041】
そして、情報処理装置10は、上述したティーグラウンド41に応じて予め設定された撮影制御設定に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ画像を撮影するよう制御する(図7のステップS7)。これにより、第一カメラ21ではプレイヤーPが映る画像を撮影でき、第二カメラ22では打球方向の画像を撮影することができる。情報処理装置10は、それぞれ撮影した画像を画像記憶部17に記憶しておく。
【0042】
その後、情報処理装置10は、ゴルフカートCの速度を検出して、停止している状態から移動を開始するまで画像の撮影を継続する(図7のステップS8でNo)。そして、情報処理装置10は、ゴルフカートCの速度を検出して、停止している状態から移動を開始したことを検出すると(図7のステップS8でYes)、画像の撮影を終了する(図7のステップS9)。これにより、第一カメラ21及び第二カメラ22によるプレイヤーPのティーショットの画像撮影が終了する。
【0043】
ここで、プレイヤーPがティーショットを行う場合において、ゴルフカートCが停止した位置が、登録位置であるティーグラウンドではない場合について説明する(ステップS2でNo)。情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報がティーグラウンドの位置から予め設定された範囲内である場合には、ゴルフカートCがティーグラウンド41の近隣に位置していると判定する。そして、情報処理装置10は、第一カメラ21と第二カメラ22の少なくとも一方から撮影されたゴルフカートCの周囲の画像を取得し、かかる画像内からティーグラウンドを検出する(図7のステップS4でYes)。例えば、情報処理装置10は、画像内からティーグラウンド41のティーマーカーを検出し、ティーグラウンド41の位置を検出する。そして、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置と検出したティーグラウンド41の位置とに基づいて、第一カメラ21にてゴルフカートCからティーグラウンド41上を撮影するよう撮影制御設定を行い、第二カメラ22にてピン43方向を撮影するよう撮影制御設定を行う(図7のステップS5)。このとき、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置と検出したプレイヤーPの位置とに基づいて、第一カメラ21の撮影制御設定を行ってもよい。そして、情報処理装置10は、設定した撮影制御設定に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ画像を撮影するよう制御する(図7のステップS7)。これにより、第一カメラ21ではプレイヤーPが映る画像を撮影でき、第二カメラ22では打球方向の画像を撮影することができる。情報処理装置10は、それぞれ撮影した画像を画像記憶部17に記憶しておく。なお、上述したティーグラウンド41の位置の検出は、画像を用いずに他の方法で行ってもよい。一例として、情報処理装置10は、ティーマーカーに設置された発信装置からの電波を受信し、かかる電波の受信方向をティーマーカーの位置として検出してもよい。
【0044】
次に、プレイヤーPがティーショット後のセカンドショットを行う場合を説明する。情報処理装置10は、プレイヤーPのティーショット後に移動状態であるゴルフカートCの速度を検出して、移動している状態から停止したことを検出したとする(図7のステップS1)。すると、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報を取得し、登録位置でない場合であり(図7のステップS2でNo)、上述とは異なり画像からティーグラウンドを検出できず、ゴルフカートCがティーグラウンド周囲に位置していないと判断できる場合には(図7のステップS4でNo)、以下のようにして第一カメラ21及び第二カメラ22の撮影制御設定を行う(図7のステップS6)。
【0045】
具体的に、情報処理装置10は、まず、ゴルフカートCの位置情報に加え、ユーザ端末30からプレイヤーPの位置情報を取得し、さらに、コース情報記憶部16に記憶されているゴルフコースのピン43の位置情報を取得する。そして、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報とプレイヤーPの位置情報とに基づいて、第一カメラ21に対する撮影制御設定を行う。例えば、情報処理装置10は、ゴルフカートCとプレイヤーPとの2点の位置情報から、ゴルフカートCからプレイヤーPへの方向と距離を算出して、算出した方向を撮影方向に設定し、算出した距離に基づいてズーム倍率を設定する。これにより、第一カメラ21に対する第一撮影制御設定としては、図4の符号R1で示す点線で挟まれた領域のように、プレイヤーPを含む画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定される。また、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報とピン43の位置情報とに基づいて、第二カメラ22に対する撮影制御設定を行う。例えば、情報処理装置10は、ゴルフカートCとピン43との2点の位置情報から、ゴルフカートCからピン43への方向と距離を算出して、算出した方向を撮影方向に設定し、算出した距離に基づいてズーム倍率を設定する。これにより、第二カメラ22に対する撮影制御設定としては、図4の符号R2で示す点線で挟まれた領域のように、プレイヤーPがボールを打つことで予想される打球方向つまりグリーン42及びピン43方向の画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定される。なお、パー5のゴルフコースの場合には、第二カメラ22に対する撮影制御設定としては、ゴルフカートCとピン43との中間地点など途中地点の位置を算出し、ゴルフカートCから途中地点への方向と距離を算出して、算出した方向を撮影方向に設定し、算出した距離に基づいてズーム倍率を設定してもよい。
【0046】
そして、情報処理装置10は、上述したように設定した撮影制御設定に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ画像を撮影するよう制御する(図7のステップS7)。これにより、第一カメラ21ではプレイヤーPが映る画像を撮影でき、第二カメラ22では打球方向の画像を撮影することができ、情報処理装置10は、それぞれ撮影した画像を画像記憶部17に記憶しておく。
【0047】
その後、情報処理装置10は、ゴルフカートCの速度を検出して、停止している状態から移動を開始するまで画像の撮影を継続する(図7のステップS8でNo)。そして、情報処理装置10は、ゴルフカートCの速度を検出して、停止している状態から移動を開始したことを検出すると(図7のステップS8でYes)、画像の撮影を終了する(図7のステップS9)。これにより、第一カメラ21及び第二カメラ22によるプレイヤーPのセカンドショットの画像撮影が終了する。
【0048】
なお、上述したプレイヤーPがセカンドショットを行う場合の処理は、ゴルフカートCの位置がグリーンに位置するまで繰り返し行われることとなる。つまり、ゴルフカートCがグリーンに位置するまで、ゴルフカートCが停止する度にプレイヤーPのショット時の画像が撮影されることとなる。
【0049】
次に、プレイヤーPがグリーン周囲でアプローチショットやグリーン上でパッティングを行う場合を説明する。情報処理装置10は、移動状態であるゴルフカートCの速度を検出して、移動している状態から停止したことを検出したとする(図7のステップS1)。すると、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報を取得し、グリーンといった登録位置である場合には(図7のステップS2でYes)、グリーンに対応して予め設定されている撮影制御設定を、第一カメラ21及び第二カメラ22の撮影制御設定とする(図7のステップS3)。例えば、第一カメラ21に対する撮影制御設定としては、図5の符号R1で示す点線で挟まれた領域のように、グリーン42に位置するプレイヤーPを含む画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。また、第二カメラ22に対する撮影制御設定としては、図5の符号R2で示す点線で挟まれた領域のように、グリーン42上でボールを打つことで予想される打球方向つまりピン43を含むグリーン42全体の画像を撮影可能な撮影方向及びズーム倍率が設定されている。
【0050】
そして、情報処理装置10は、上述したグリーン42に応じて予め設定された撮影制御設定に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ画像を撮影するよう制御する(図7のステップS7)。これにより、第一カメラ21ではプレイヤーPが映る画像を撮影でき、第二カメラ22ではグリーン全体を含み打球方向の画像を撮影することができる。情報処理装置10は、それぞれ撮影した画像を画像記憶部17に記憶しておく。
【0051】
その後、情報処理装置10は、ゴルフカートCの速度を検出して、停止している状態から移動を開始するまで画像の撮影を継続する(図7のステップS8でNo)。そして、情報処理装置10は、ゴルフカートCの速度を検出して、停止している状態から移動を開始したことを検出すると(図7のステップS8でYes)、画像の撮影を終了する(図7のステップS9)。これにより、第一カメラ21及び第二カメラ22によるグリーン周囲あるいはグリーン上の画像撮影が終了する。
【0052】
ここで、プレイヤーPがアプローチやパッティングを行う場合において、ゴルフカートCが停止した位置が、登録位置であるグリーンではない場合について説明する(ステップS2でNo)。情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置情報がグリーンの位置から予め設定された範囲内である場合には、ゴルフカートCがグリーンの近隣に位置していると判定する。そして、情報処理装置10は、第一カメラ21と第二カメラ22の少なくとも一方から撮影されたゴルフカートCの周囲の画像を取得し、かかる画像内からグリーンのピンを検出する(図7のステップS4でYes)。例えば、情報処理装置10は、画像内からピンを検出し、グリーンあるいはピン43の位置を検出する。そして、情報処理装置10は、ゴルフカートCの位置と検出したグリーンあるいはピンの位置、さらにはプレイヤーPの位置に基づいて、第一カメラ21にてゴルフカートCからプレイヤーPを撮影するよう撮影制御設定を行い、第二カメラ22にてグリーン上を撮影するよう撮影制御設定を行う(図7のステップS5)。そして、情報処理装置10は、設定した撮影制御設定に基づいて、第一カメラ21及び第二カメラ22にてそれぞれ画像を撮影するよう制御する(図7のステップS7)。これにより、第一カメラ21ではプレイヤーPが映る画像を撮影でき、第二カメラ22ではグリーン上といった打球方向の画像を撮影することができ、情報処理装置10は、それぞれ撮影した画像を画像記憶部17に記憶しておく。なお、かかる画像撮影は、ゴルフカートCの移動が開始されると終了となる(図7のステップS8でYes、ステップS9)。
【0053】
以上のように、本実施形態では、ゴルフカートCの位置に応じて、第一カメラ21ではプレイヤーPの画像を撮影し、第二カメラ22では打球方向の画像を撮影するような撮影制御設定が自動的に行われることとなる。このように、プレイヤーPの画像だけでなく、打球方向の画像も撮影していることから、ゴルフラウンド中のプレーに対する撮影画像の充実度の向上を図ることができる。
【0054】
なお、上記では、ゴルフラウンド中のプレーの画像を撮影することを説明したが、上述した情報処理システムは、ゴルフに限らず、移動を伴う行動に対する画像撮影にも適用できる。例えば、プレイヤーPが移動して停止した際にプレーなどの行動を行うようなアクティビティにおいて、プレイヤーPと共に移動する移動体に、上述した第一カメラ21及び第二カメラ22を搭載し、さらに、上述した情報処理装置10にて、移動体の位置やプレイヤーPの位置を検出して、かかる位置に応じて第一カメラ21及び第二カメラ22による画像撮影を制御することも可能である。
【0055】
<実施形態2>
次に、本開示の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、上述した実施形態で説明した情報処理装置の構成の概略を示している。なお、図8乃至図9は、構成を説明するための図であり、かかる図面はいずれの実施形態においても関連しうる。
【0056】
まず、図8を参照して、情報処理装置100のハードウェア構成を説明する。情報処理装置100は、一般的な情報処理装置にて構成されており、一例として、以下のようなハードウェア構成を装備している。
・CPU(Central Processing Unit)101(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)102(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)103(記憶装置)
・RAM103にロードされるプログラム群104
・プログラム群104を格納する記憶装置105
・情報処理装置外部の記憶媒体110の読み書きを行うドライブ装置106
・情報処理装置外部の通信ネットワーク111と接続する通信インタフェース107
・データの入出力を行う入出力インタフェース108
・各構成要素を接続するバス109
【0057】
なお、図8は、情報処理装置100である情報処理装置のハードウェア構成の一例を示しており、情報処理装置のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、情報処理装置は、ドライブ装置106を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。また、情報処理装置は、上述したCPUの代わりに、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(TensorProcessingUnit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0058】
そして、情報処理装置100は、プログラム群104をCPU101が取得して当該CPU101が実行することで、図9に示す位置取得部121と撮影制御部122とを構築して装備することができる。なお、プログラム群104は、例えば、予め記憶装置105やROM102に格納されており、必要に応じてCPU101がRAM103にロードして実行する。また、プログラム群104は、通信ネットワーク111を介してCPU101に供給されてもよいし、予め記憶媒体110に格納されており、ドライブ装置106が該プログラムを読み出してCPU101に供給してもよい。但し、上述した位置取得部121と撮影制御部122とは、かかる手段を実現させるための専用の電子回路で構築されるものであってもよい。
【0059】
上記位置取得部121は、第一カメラ及び第二カメラが搭載された、移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体の位置を取得する。そして、上記撮影制御部122は、移動体の位置に基づいて、第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する。
【0060】
本開示は、以上のように構成されることにより、移動体の位置に基づいて、第一カメラ及び第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御している。これにより、移動体の位置に応じた様々な画像を第一カメラ及び第二カメラにて撮影することができ、移動を伴う行動に対する撮影画像の充実度の向上を図ることができる。
【0061】
なお、上述した位置取得部121と撮影制御部122との機能のうちの少なくとも一以上の機能は、ネットワーク上のいかなる場所に設置され接続された情報処理装置で実行されてもよく、つまり、いわゆるクラウドコンピューティングで実行されてもよい。
【0062】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0063】
以上、上記実施形態等を参照して本開示を説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。そして、上述した各実施形態は、適宜他の実施形態と組み合わせることができる。
【0064】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本開示における情報処理装置、情報処理方法、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本開示は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラと、
前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、
前記第一カメラ及び前記第二カメラによる画像撮影を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理システム。
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれの撮影方向及びズーム倍率を含む撮影制御設定を行い、当該撮影制御設定に基づいて前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理システム。
(付記3)
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラにて前記人物を含む画像を撮影するよう制御し、前記第二カメラにて前記人物の行動に伴い予想される方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
(付記4)
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、ゴルフコースを移動する前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラにて前記ゴルフコースにてゴルフをプレーする前記人物を含む画像を撮影するよう制御し、前記第二カメラにて前記人物のゴルフプレーに伴い予想される打球方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
(付記5)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体が予め設定された特定地点に位置している場合に、当該特定地点に対応して設定された第一撮影制御設定に基づいて前記第一カメラにて前記人物を含む画像を撮影するよう制御し、当該特定地点に対応して設定された第二撮影制御設定に基づいて前記第二カメラにて前記打球方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
(付記6)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記人物の位置を取得し、前記移動体の位置と前記人物の位置とに基づいて、前記第一カメラにて前記人物を含む画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
(付記7)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記移動体の位置と、前記ゴルフコースにおける予め登録された特定位置と、に基づいて、前記第二カメラにて前記打球方向の画像を撮影するよう制御する、
情報処理システム。
(付記8)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記制御装置は、前記第一カメラ及び前記第二カメラによる少なくとも一方の撮影画像に基づいて前記ゴルフコースにおける予め設定された特定位置を検出し、前記移動体の位置と前記特定位置とに基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれの前記撮影制御設定を行い、当該撮影制御設定に基づいて前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理システム。
(付記8.1)
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記撮影方向は、水平方向における角度方向と、垂直方向における角度方向と、を含む、
情報処理システム。
(付記8.2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記第一カメラは、近距離撮影用カメラであり、
前記第二カメラは、遠距離撮影用カメラである、
情報処理システム。
(付記9)
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる移動体に搭載した第一カメラ及び第二カメラによる画像撮影を制御する情報処理装置であって、
前記移動体の位置を取得する位置取得部と、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する撮影制御部と、
を備えた情報処理装置。
(付記10)
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる、第一カメラ及び第二カメラを搭載した移動体の位置を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
情報処理方法。
(付記11)
移動して所定の行動を行う人物に応じて移動しうる、第一カメラ及び第二カメラを搭載した移動体の位置を取得し、
前記移動体の位置に基づいて、前記第一カメラ及び前記第二カメラそれぞれによる画像撮影を制御する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0065】
10 情報処理装置
11 移動検出部
12 位置取得部
13 撮影設定部
14 撮影制御部
16 コース情報記憶部
17 画像記憶部
21 第一カメラ
22 第二カメラ
23 カート側GPS装置
30 ユーザ端末
31 ユーザ側GPS装置
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 プログラム群
105 記憶装置
106 ドライブ装置
107 通信インタフェース
108 入出力インタフェース
109 バス
110 記憶媒体
111 通信ネットワーク
121 位置取得部
122 撮影制御部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9