(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018851
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ラジウム温泉システム
(51)【国際特許分類】
A61H 33/12 20060101AFI20250130BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20250130BHJP
A61H 33/06 20060101ALI20250130BHJP
A47K 3/00 20060101ALI20250130BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61H33/12 A
A61H33/00 P
A61H33/06 N
A47K3/00 Z
A47K4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023130481
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】514266286
【氏名又は名称】イシズム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】722003428
【氏名又は名称】株式会社英知
(72)【発明者】
【氏名】永石 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】樋口 廷之
(72)【発明者】
【氏名】緑川 修
【テーマコード(参考)】
2D005
2D132
4C094
【Fターム(参考)】
2D005FA00
2D132GA02
4C094AA01
4C094BB18
4C094DD09
4C094DD14
4C094EE08
4C094GG03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ラジウム温泉水における極微量の放射線を浴びることによる体内活性効果を飛躍的に得ることのできるラジウム温泉システムを提供する。
【解決手段】ラジウム温泉システムにおいては、ラジウム温泉源HSから湧き出たラジウム温泉水を、一旦、貯湯する貯湯手段102と、この貯湯手段に貯湯されたラジウム温泉水に含まれる湯の花等の温泉析出物を濾過する濾過手段112と、この濾過手段で濾過されたラジウム温泉水の供給を受け、これをナノミスト化するナノミスト生成手段114と、このナノミスト生成手段で生成されたラジウム温泉水のナノミストを温浴室104に放出する第1の放出手段116とを具備することを特徴としている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジウム温泉源から湧き出たラジウム温泉水を、一旦、貯湯する貯湯手段と、
この貯湯手段に貯湯されたラジウム温泉水に含まれる湯の花等の温泉析出物を濾過する濾過手段と、
この濾過手段で濾過されたラジウム温泉水の供給を受け、これをナノミスト化するナノミスト生成手段と、
このナノミスト生成手段で生成されたラジウム温泉水のナノミストを温浴室に放出する第1の放出手段と、を具備することを特徴とするラジウム温泉システム。
【請求項2】
前記温浴室は、浴槽を備え、
前記ラジウム温泉からのラジウム温泉水を前記浴槽に給湯する給湯手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載のラジウム温泉システム。
【請求項3】
前記温浴室に併設されたサウナ室と、
前記ナノミスト生成手段において生成されたラジウム温泉水のナノミストを、前記サウナ室に放出する第2の放出手段と、を更に具備することを特徴とする請求項1又は2に記載のラジウム温泉水システム。
【請求項4】
前記濾過手段は、一方向に流れるラジウム温泉水を濾過すると共に、この一方向とは逆の逆方向のラジウム温泉水の流れにより、濾過により付着した温泉析出物を除去する逆洗式のフィルタ部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のラジウム温泉システム。
【請求項5】
前記ナノミスト生成手段は、
前記貯湯手段に下部を水没させた回転体と、この回転体の外周に位置し、該回転体と共に回転し、この回転による遠心力で飛散されるラジウム温泉水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体とを備え、
前記回転体及び多孔体の回転によるラジウム温泉水の飛散による破砕で、ナノミスト及びマイナスイオンを生成することを特徴とする請求項1に記載のラジウム温泉システム。
【請求項6】
前記ラジウム温泉水は、粒径がナノメートル(nm)サイズのミストになされていることを特徴とする請求項5に記載のラジウム温泉システム。
【請求項7】
前記ラジウム温泉水の粒子は、10~500nmまで微細化されていることを特徴とする請求項6に記載のラジウム温泉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温泉析出物、即ち、湯の花やその他溶出物質が含まれてるラジウム温泉源からのラジウム温泉水を使用して健康増進を図るラジウム温泉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、北海道長万部の二股ラジウム温泉は、微量元素が多量に含まれており、温泉治療の効果が大きい温泉として知られている。そして温泉付近では湧き出した直後から含有成分が結晶化して石灰華(湯の華)が形成されており、ラジウム温泉水が湧き出てこない立地条件に設置された老人ホーム等で、ラジウム温泉水の湯の華を使用して、疑似的にラジウム温泉水につかることのできる温泉装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の石灰華原石を使用した温泉装置では、原石と浴湯供給湯との接触面積が小さく温泉有効成分の溶融度合いが少なく、温泉療養効果が小さい問題が指摘されている。また、温泉療養効果を増大させるためには、多量の原石を収納した装置が必要となり、装置自体の大型化を招き、それに伴う保温設備などの付帯設備も大型化して、温泉装置が高価にならざるを得ない問題も指摘されている。また、熱水に前記石灰華のような有効成分を含有されている溶出物質から、当該有効成分を効率的に溶出させようとした場合には、当該物質を微粉末状とすると良いが、逆にその濾過が大変であると言う問題が新たに生ずることになる。そこで、特許文献1に開示されるように、小型の装置で、石灰華やその他の湯の花並びに温泉析出物以外の各種の溶出物質を使用するのに適する温泉装置が提案されていた。
【0005】
この特許文献1に開示される温泉装置では、確かに、ラジウム温泉水が噴出しない地域であっても、疑似的に、ラジウム温泉水につかることが出来、ある程度の健康増進効果を得ることが出来るものである。しかしながら、ラジウム温泉水から放出される放射線は極微量であり、それが、いわゆる体外から放射線を浴びることのみで身体に好影響を与えようとするものであるため、その効果は僅かで限定的なものであり、近年、ラジウム温泉における極微量の放射線を浴びる効能を十分に得ることを希望する人々にとっては、不十分なものでしかなく、改善が強く要望されていた。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ラジウム温泉水における極微量の放射線を浴びることによる体内活性効果を飛躍的に得ることのできるラジウム温泉システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項1の記載によれば、ラジウム温泉源から湧き出たラジウム温泉水を、一旦、貯湯する貯湯手段と、この貯湯手段に貯湯されたラジウム温泉水に含まれる湯の花等の温泉析出物を濾過する濾過手段と、この濾過手段で濾過されたラジウム温泉水の供給を受け、これをナノミスト化するナノミスト生成手段と、このナノミスト生成手段で生成されたラジウム温泉水のナノミストを温浴室に放出する第1の放出手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
このように請求項1記載のラジウム温泉システムを構成することにより、ナノミスト温泉システムが適用された温泉に入ることにより、ナノミスト生成手段によりナノミスト化されたラジウム温泉水を吸引して体内に取り込むことが出来、ラジウム温泉水における極微量の放射線を浴びることが確実になされ、体内活性効果を飛躍的に増大することが可能となる。
【0009】
また、この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項2の記載によれば、前記温浴室は、浴槽を備え、前記ラジウム温泉からのラジウム温泉水を前記浴槽に給湯する給湯手段を更に具備することを特徴としている。
【0010】
このように請求項2記載のラジウム温泉システムを構成することにより、ナノミスト化されたラジウム温泉水により極微量の体内被曝だけでなく、浴槽に給湯されたラジウム温泉水から体の表面にうける極微量の体外被曝と相まって、体内活性効果をより強く増大することが可能となる。
【0011】
また、この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項3の記載によれば、前記温浴室に併設されたサウナ室と、前記ナノミスト生成手段において生成されたラジウム温泉水のナノミストを、前記サウナ室に放出する第2の放出手段と、を更に具備することを特徴としている。
【0012】
このように請求項3に記載のラジウム温泉システムを構成することにより、浴室に併設されたサウナ室を利用する際に、ナノミスト生成手段によりナノミスト化されたラジウム温泉水を吸引して体内に取り込むことが出来、温浴室でのナノミスト化されたラジウム温泉水を体内に取り込むことと相まって、ラジウム温泉水における極微量の放射線を体内で浴びることが確実になされ、体内活性効果を飛躍的に増大することが可能となる。
【0013】
また、この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項4の記載によれば、前記濾過手段は、一方向に流れるラジウム温泉水を濾過すると共に、この一方向とは逆の逆方向のラジウム温泉水の流れにより、濾過により付着した温泉析出物を除去する逆洗式のフィルタ部材を備えることを特徴としている。
【0014】
このように請求項4に記載のラジウム温泉システムを構成することにより、ラジウム温泉水に含まれる温泉析出物を確実に除去して、ナノミスト生成手段におけるラジウム温泉水のナノミスト化を確実に実行することが出来ることになる。
【0015】
また、この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項5の記載によれば、前記ナノミスト生成手段は、前記貯湯手段に下部を水没させた回転体と、この回転体の外周に位置し、該回転体と共に回転し、この回転による遠心力で飛散されるラジウム温泉水及び空気が通過可能な円筒状の多孔体とを備え、前記回転体及び多孔体の回転によるラジウム温泉水の飛散による破砕で、ナノミスト及びマイナスイオンを生成することを特徴としている。
【0016】
このように請求項5に記載のラジウム温泉システムを構成することにより、ナノミスト生成手段において、ここに供給されてきたラジウム温泉水を確実にナノミスト化することが出来ることになる。
【0017】
また、この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項6の記載によれば、前記ラジウム温泉水は、粒径がナノメートル(nm)サイズのミストになされていることを特徴としている。
【0018】
このように請求項6に記載のラジウム温泉システムを構成することにより、これを体内に取り入れた際に、ラジウム温泉水における極微量の放射線を体内で浴びることによる体内活性効果を確実に達成することが出来ることになる。
【0019】
また、この発明に係るラジウム温泉システムは、請求項7の記載によれば、前記ラジウム温泉水の粒子は、10~500nmまで微細化されていることを特徴としている。
【0020】
このように請求項7に記載のラジウム温泉システムを構成することにより、より具体的に、。ナノミスト化されたラジウム温泉水を体内に取り入れた際に、ラジウム温泉水における極微量の放射線を体内で浴びることによる体内活性効果をより確実に達成することが出来ることになる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、ラジウム温泉水における極微量の放射線を体内で浴びることによる体内活性効果を飛躍的に得ることのできるラジウム温泉システムが提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】この発明に係るラジウム温泉システムの一実施例のシステム構成を示すシステム図である。
【
図2】
図1に示すシステム構成図において、濾過モードの作動を説明するためのシステム図である。
【
図3】
図1に示すシステム構成図において、逆洗モードの作動を説明するためのシステム図である。
【
図4】
図1に示すシステム構成図におけるナノミスト生成装置を取り出して示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すナノミスト生成装置の内部構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、この発明に係るラジウム温泉システムの実施形態としての一実施例の構成について添付図面を参照して説明する。
【実施例0024】
先ず、この実施例のラジウム温泉システム100は、
図1に示すように、ラジウム温泉源HSから湧き出たラジウム温泉水を、一旦、貯湯する貯湯手段としてのラジウム温泉水貯留槽102と、このラジウム温泉水貯留槽102に貯められたラジウム温泉水を温浴室104の浴槽106に給湯するためのポンプ108及び給湯ライン110を備えている。更に、このラジウム温泉システム100は、貯湯槽102に貯湯されたラジウム温泉水に含まれる湯の花等の温泉析出物を濾過する濾過手段としての濾過装置112と、この濾過装置112で濾過されたラジウム温泉水の供給を受け、これをナノミスト化するナノミスト生成手段としてのナノミスト生成装置114と、このナノミスト生成装置114で生成されたラジウム温泉水のナノミストを温浴室104に放出する第1の放出手段としての第1の放出パイプ116とを備えている。尚、濾過装置112の構成は
図1乃至
図3を参照して後述し、ナノミスト生成装置114の構成は、
図4及び
図5を参照して後に詳細に説明する。
【0025】
このようにこのラジウム温泉システム100を構成することにより、ナノミスト温泉システム100が適用されたラジウム温泉に入るに際して、ナノミスト生成装置114によりナノミスト化されたラジウム温泉水を吸引して体内に取り込むことが出来、ラジウム温泉水における極微量の放射線を体内で浴びることが確実になされ、体内活性効果を飛躍的に増大することが可能となる。
【0026】
ここで、上述した浴槽106内にも、上記ポンプ108を介してラジウム温泉水貯水槽102から吸い上げたラジウム温泉水が給湯されており、温浴室104に入った人は、第1の放出パイプ116から放出されてきたラジウム温泉水のナノミストを吸い込んで、体内に取り込むことによるラジウムからの極微量の放射線を体内で浴びることが出来ると共に、浴槽106に浸かって浴槽106に貯められたラジウム温泉水からラジウムの放射線を体外で浴びることを受け、これによる体内活性化を図ることが出来ることになる。
【0027】
更に、温浴室104に併設された状態で、サウナ室118が設けられており、このサウナ室118にも、第2の放出手段としての第2の放出パイプ120を介して、ナノミスト発生装置114で生成されたラジウム温泉水のナノミストがサウナ室118に供給されるように構成されている。このようにして、このラジウム温泉システム100においては、サウナ室118に入って、体温を高めて体内活性効果を高めるに際して、更に、第2の放出パイプ120から放出されてきたラジウム温泉水のナノミストを吸い込んで、体内に取り込むことにより、ラジウムからの極微量の放射線を体内で浴びることが出来て、サウナ効果と相まって、体内活性効果を飛躍的に高めることが出来ることになる。
【0028】
次に、上述した濾過装置112は、第1及び第2の入出力ポート122、124を備えたフィルタ部126を備えており、このフィルタ部126は第1の入出力ポート122に温泉水が供給された際には、ラジウム温泉水に含まれる湯の花等の温泉析出物を濾過して、濾過済の温泉析出物の無い温泉水を第2の入出力ポート124から吐出すると共に、第2の入出力ポート124に温泉水が供給された際には、このラジウム温泉水により内部のフィルタがクリーニング(洗浄)されてフィルタに付着した温泉析出物を取り除き、フィルタから取り除かれた温泉析出物で汚れた温泉水を第1の入出力ポート122から吐出する、いわゆる逆洗式のフィルタ構造となるように構成されている。
【0029】
一方、この濾過装置112は、上述した給湯ライン110と、ポンプ108の下流側で一端を接続され、第1のポート122に他端を接続された第1の分岐ライン128を備えている。この第1の分岐ライン128には、フィルタ部126への第1又は第2の入出力ポート122,124に選択的にラジウム温泉水を供給するように切り替える切替弁130が介設されている。この切替弁130は、ポンプ108から供給されたラジウム温泉水の供給先を択一的に供給するための第1及び第2の切換ポート132,134を備えている。
【0030】
具体的には、第1の切換ポート132は、第1の分岐ライン128を介して、第1の入出力ポート122に接続されており、第1の切換ポート132と第1の入出力ポート122との間の第1の分岐ライン128には、第1の開閉弁136が介設されている。他方、第2の切換ポート134は、第2の分岐ライン138を介して、第2の入出力ポート124に接続されており、この第2の分岐ライン138には、第2の開閉弁140が開設されている。
【0031】
尚、第2の分岐ライン138の、第2の入出力ポート124と第2の開閉弁140との間と、上述したナノミスト生成装置114との間とは、第3の分岐ライン142で接続されており、この第3の分岐ライン142には、第3の開閉弁144が開設されている。また、第1の分岐ライン128の、第1の開閉弁136とフィルタ部126における第1の入出力ポート122との間には、フィルタから取り除かれた温泉析出物で汚れた温泉水を廃棄するための廃棄ライン146が連結されており、この廃棄ライン146の末端は、図示していないが廃棄水を貯めておく廃棄槽に連結されている。また、この廃棄ライン146には、第4の開閉弁148が介設されている。
【0032】
以上のように構成される濾過装置112につき、濾過動作を
図2を参照して、また清浄動作を
図3を参照して説明する。
【0033】
先ず、この濾過装置112において、濾過モードが設定されると、
図2に示すように、先ず、切替弁130において第1の切換ポート132がオープンとなり、第2の切換ポート134がクローズとなり、ポンプ108から給湯ライン110を介してもたらされたラジウム温泉水は、第1の切換ポート132からのみ出力されるように設定されると共に、4台の開閉弁については、第1及び第3の開閉弁136,144がオープンとなり、第2及び第4の開閉弁140,148がクローズとなるように設定される。この結果、ポンプ108の駆動により、ラジウム温泉水貯留槽102に貯留されていたラジウム温泉水は、第1の分岐ライン128を介してフィルタ部126に第1の入出力ポート122を介してもたらされ、ここで濾過されて温泉析出物は除去され、クリーンな状況で、第3の分岐ライン142を通ってナノミスト生成装置114にもたらされる。そして、このナノミスト生成装置114においてナノミスト化され、第1及び第2の放出パイプ116、120を介して、温浴室104及びサウナ室118に放出される。
【0034】
一方、上記濾過動作が継続されると、フィルタ部126におけるフィルタに濾過した温泉析出物が堆積して、目詰まりをおこして、濾過効率が低下する。このような事態が発生した場合には(または、このような事態の兆候が現れた場合には)、動作モードを濾過モードから洗浄モードに切り替える。この洗浄モードが設定されると、
図3に示すように、先ず、切替弁130において第1の切換ポート132がクローズとなり、第2の切換ポート134がオープンとなり、ポンプ108から給湯ライン110を介してもたらされたラジウム温泉水は、第2の切換ポート134からのみ出力されるように設定されると共に、4台の開閉弁については、第1及び第3の開閉弁136,144がクローズとなり、第2及び第4の開閉弁140,148がオープンとなるように設定される。この結果、ポンプ108の駆動により、ラジウム温泉水貯留槽102に貯留されていたラジウム温泉水は、第2の分岐ライン138を介してフィルタ部126に第2の入出力ポート124を介してもたらされ、ここで、今までの濾過動作により汚れていたフィルタがクリーニング(清浄化)されることになる。尚、クリーニング動作によりフィルタから取り除かれた温泉析出物はラジウム温泉水と共に第1の入出力ポート122を介して汚れた温泉水として取り出され、廃棄ライン146を通って図示しない廃棄槽に廃棄される。この清浄モードが実行されている間は、ナノミスト生成装置114にラジウム温泉水の供給は無いので、ここでのラジウム温泉水のナノミスト化されることは無い。
【0035】
以上の清浄モードの実行により、フィルタ部126のフィルタのクリーニングが完了し、フィルタの機能が復元すると、再び、濾過モードが設定され、
図2に再び示すように、濾過動作が再開され、濾過されたラジウム温泉水がナノミスト生成装置114にもたらされ、ここで、ナノミスト化され、温浴室104及びサウナ室118に放出される。
【0036】
次に、
図4及び
図5を参照して、上述したナノミスト生成装置114の構成及び動作を説明する。
【0037】
図4に示すナノミスト生成装置114は、濾過装置112からもたらされたラジウム温泉水をナノミスト化するための装置である。
図5は、ナノミスト生成装置114の内部構成を模式的に示す図である。
図5に示すように、ナノミスト生成装置114は、濾過装置112から第3の分岐ライン142を介してもたらされたラジウム温泉水を受ける給水タンクT1と、この給水タンクT1に受けられたラジウム温泉水を、一旦、ナノミスト化するために貯留する貯水槽3と、貯水槽3内の貯水をナノミスト化された微細な水滴にする水破砕手段4と、室内の空気を吸引して水破砕手段4に送る送風機Bと、水破砕手段4で生成された微細な水滴を気液分離する気液分離部5と、その微細な水滴を装置本体2の第1及び第2の吹出口2a、2bから外部へ放出させる送風機Bとを備えているが、ナノミスト生成装置114の型式、構造、加湿方式、装置本体2の形状は特に限定されない。
【0038】
尚、上述した第1の吹出口2aは、上述した第1の放出パイプ116に接続され、ここから噴出されたナノミスト化されたラジウム温泉水を、温浴室104に放出するように構成され、また、第2の吹出口2bは、上述した第2の放出パイプ120に接続され、ここから噴出されたナノミスト化されたラジウム温泉水を、サウナ室118に放出するように構成されている。
【0039】
ナノミスト生成装置114は、ナノミストの発生と共に負イオンを発生する負イオン発生機の機能と、水が無くなった給水タンクT1の排水、除菌、乾燥を行うクリーニング機能とを有している。ナノミスト生成装置114は、例えば、ラジウム温泉水をナノミスト化による加湿として1時間あたり加湿量が1800mL/hの加湿能力を備え、適応床面積が82m2で、最大加湿量で連続して8時間使用可能で、最長で16時間運転可能である。
【0040】
<装置本体>
図4に示すように、装置本体2は、骨格を形成するフレーム部材(図示せず)と、前面側に設置された前面中パネル12、及び前面上パネル13と、上面に設置された上面パネル14と、左右側面に設置された側面パネル15と、後面に設置された後面パネル16と、を備えて成る。装置本体2は、上下方向に長い直方体に形成されている。
図5に示すように、装置本体2には、装置本体2の下端部に水平に設けられたベース22と、水破砕手段4が載設される水破砕手段載設ベース23と、水破砕手段載設ベース23から下方向に延設された中仕切板24と、ミストモータ43が載設されたモータ載設ベース25と、操作部18の下方に配置された上ベース26と、が設けられている。中ベース22、水破砕手段載設ベース23、中仕切板24、モータ載設ベース25、及び、上ベース26は、装置本体2内に横設あるいは縦設された金属製板部材から成る。装置本体2内は、これらの部材によって、送風機収容室1bと、水破砕手段空気供給路1cと、水破砕手段収容部1dと、ナノミスト負イオン送出流路1eと、上部空間1fと、に区画されている。
【0041】
図4に示すように、前面中パネル12は、装置本体2の前面中央部に設置される金属製板部材から成り、送風機収容室1bの(
図5参照)の前面側を覆うように設置されている。前面中パネル12の上部には、室内の空気を取り入れるための吸込口12aが多数形成されている。前面上パネル13は、装置本体2の前面上部に設置される金属製板部材から成り、貯水槽3、水破砕手段4、及び、気液分離部5の前面側を覆うように設置されている(
図5参照)。前面上パネル13の上部には、ナノミスト生成装置114を操作するための複数の制御スイッチ等が設けられた操作部18が取り付けられている。
【0042】
図5に示すように、上面パネル14は、装置本体2の上面に設置される金属製板部材から成り、気液分離部5の上部に水平に配置されている。上面パネル14には、送風機Bによって送られて来た空気を放出する第1及び第2の吹出口2a、2bと、第1及び第2の吹出口2a、2bを開閉するルーバー19とが設けられており、第1及び第2の吹出口2a、2bは、上面パネル14の前端部寄りの位置に形成された左右分離した状態で、対応するルーバー19と共に配設されている。尚、ルーバー19は、第1及び第2の吹出口2a、2bの夫々の後端部側にヒンジ部を介して開閉自在に設けられた左右方向に長い矩形の部材から成る。ルーバー19は、ルーバー駆動モータ19aによってヒンジ部を中心として上下方向に回動して、対応する吹出口2a、2bを自動開閉するように構成されている。また、ルーバー19には、ナノミストと負イオンを含んだ風を左右方向に吹き出す方向を指向させる風向板19bが設けられている。
【0043】
側面パネル15は、装置本体2の左右側面全体にそれぞれ設置された金属製板部材から成る。後面パネル16は、装置本体2の後面全体に設置された金属製板部材から成る。
【0044】
<給水タンク>
図5に示すように、給水タンクT1は、濾過装置112から第3の分岐ライン142を介してもたらされ、貯水槽3に供給するラジウム温泉水を貯留するためのタンクである。給水タンクT1は、ポリタンク等の樹脂製の容器から成り、装置本体2内の中ベース22上に設置されている。給水タンクT1の上面には、ポリジョッキ等で給水する給水口T1aと、貯水槽3に送る給水路Paの吸水開口部、貯水槽3の所定位置以上に供給された水が戻されるオーバーフロー路Pbの排水開口部、及び、ドレンパン27に設けられたドレンパン排水ホース27aの排水開口部が配置された給排水口T1bと、が形成されている。排水タンクT2の容量は、例えば、20L程度に設定されている。
【0045】
<中ベース>
図5に示すように、中ベース22は、ドレンパン27と、送風機Bとが載設される金属製板部材から成る。中ベース22は、装置本体2内の下側の位置に水平に設置されて、装置本体2内を給水タンクT1が収容される収容室1aと、送風機収容室1b及び水破砕手段空気供給路1cと、に区画されている。ドレンパン27は、上方から落下してきた水滴を受け止めるための略皿状の部材である。
【0046】
<送風機>
送風機Bは、吸込口12aからフィルタFを介して室内の空気を吸引して水破砕手段4に送って、水破砕手段4で発生させたナノミスト及び負イオンを含んだ空気を装置本体2の吹出口2aから外部へ放出させるように空気を送るための送風モータ装置である。送風機Bは、型式及び形状等は特に限定されない。送風機Bは、例えば、略円筒状の案内筒を有するシロッコファンから成る。送風機収容室1bには、空気清浄用のフィルタFと、前記送風機Bと、が配置されている。送風機Bの上方には、送風機収容室1bと、水破砕手段収容部1dと、を区画する水破砕手段載設ベース23が配置されている。送風機Bの側方の上側寄りには、中仕切板24が配置されており、この中仕切板24と、装置本体2の外側パネルと、上ベース26と、貯水槽3の外周面と、で水破砕手段空気供給路1cを形成する中仕切板24が配置されている。水破砕手段載設ベース23は、前面中パネル12の上部から装置本体2内に水平に設けられている。中仕切板24は、水破砕手段載設ベース23の装置本体2内側の端部に、下方向に垂下した状態に連設されている。
【0047】
水破砕手段の空気供給路1cには、給水タンクT1内のラジウム温泉水を貯水槽3に供給する給水路Paと、貯水槽3のオーバーフローしたラジウム温泉水を給水タンクT1に戻すオーバーフロー路Pbと、貯水槽3内のラジウム温泉水を装置外に設けられた図示しない排水タンクに送る排水路Pcと、が配置されている。給水路Paには、給水タンクT1内の水を吸い上げるポンプPと、その水の流量を計測するフローセンサC(図示せず)と、が設けられている。排水路Pcには、この排水路Pcを開閉するための二方弁から成る排水弁Vが設けられている。
【0048】
図5に示すように、排水弁Vは、常時閉弁状態に設定されて貯水槽3内の残水の排水を阻止するための弁であり、運転終了時等に開弁されて、貯水槽3内の残水が排水タンク(図示せず)側に流れるように設定されている。
【0049】
<水破砕手段>
水破砕手段4は、ナノミスト生成手段として、貯水槽3内に貯水したラジウム温泉水を破砕してナノミスト及び負イオンを発生させる装置から成る。水破砕手段4は、ラジウム温泉水を貯留する貯水槽3と、貯水槽3の開口部を閉塞するモータ載設ベース25と、貯水槽3内に配置された温水ヒータHと、運転時に先端が貯水槽3内のラジウム温泉水に浸した状態になるように配置された回転体41と、回転体41の上部周辺に配置された多孔体42と、回転体41を回転駆動させるミストモータ43と、モータ軸44と、モータ載設ベース25から垂下した仕切45と、仕切45と貯水槽3の内壁等によって形成されたナノミスト負イオン送出流路1eと、サーモスタットS2と、水温センサS3と、安全サーミスタS4と、2種類の水位検知センサS5,S6と、を備えて構成されている。
【0050】
貯水槽3は、ポンプPによって給水タンクT1内から給水路Paを介して供給されたラジウム温泉水を、予め設定した所定水位だけ貯留するタンクである。貯水槽3内は、貯水槽3の開口部を閉塞したモータ載設ベース25から貯水槽3内の水面の上方まで垂下した仕切45によって、空気を加湿、消臭、除菌、空気清浄及び温風にする処理が行われる処理室3bと、処理室3b内の加湿された空気が送り出されるナノミスト負イオン送出流路1eと、の二つに区画されている。
【0051】
モータ載設ベース25は、貯水槽3の開口部上にミストモータ43を設置するための板部材である。モータ載設ベース25には、載設したミストモータ43のモータ軸44が回転自在に挿入される軸挿入孔と、送風機Bから送られて来た空気が流入する空気流入口3aと、が形成されている。温水ヒータHは、吹出口2aから吐出される空気を室内温度よりも少し高い温度の温風にするために、貯水槽3内のラジウム温泉水を加熱して予め設定した温水に保温すること等を行う加熱装置である。温水ヒータHは、貯水槽3内に貯水されたラジウム温泉水の温度を検出する水温センサS3の検知温度によって、温水ヒータHがON/OFFされることで、貯水槽3のラジウム温泉水を所定温度に維持している。
【0052】
図5に示すように、回転体41は、上方に向かって径が徐々に拡大するように形成された逆円錐形状の筒状の部材であり、上部全周に不図示の飛散口が多数形成されている。回転体41は、上面中央部から上方向に延設されたモータ軸44が設けられ、ミストモータ43によって回転駆動される。回転中の回転体41は、遠心力で貯水槽3のラジウム温泉水を回転体41の外壁及び内壁を上方向に伝わって移動するように吸い上げて、回転体41の上部外壁からラジウム温泉水を周囲に飛散させると共に、内壁の上部に押し上げられたラジウム温泉水を飛散口(図示省略)から周囲に飛散させるように構成されている。
【0053】
多孔体42は、回転体41の上部外周に所定間隔を介して取り付けられて、回転体41と一体に回転する円筒状の部材であり、多数の孔から成る多孔部42aが形成されている。多孔体42は、例えば、全周壁に多数のスリットを有する円筒体、円筒状のパンチングメタル、あるいは、円筒状の金網等から成る。多孔体42は、ミストモータ43によって回転されたとき、回転体41の遠心力で外周方向に飛散したラジウム温泉水が衝突するように設けられた衝突体でもある。多孔体42は、内壁面に衝突したラジウム温泉水を破砕させたり、多孔部42aを通過させて外周面からラジウム温泉水及び空気を飛散させたりすることによって、ラジウム温泉水の粒子を微細化してナノミストを生成すると共に、その水の粒子を10~500nmの分子レベルまで微細化することによるレナード効果で負イオンを発生させるものである。
【0054】
ミストモータ43は、回転体41及び多孔体42を回転駆動させるための動力源である。ミストモータ43のモータ軸44は、回転体41及び多孔体42に連結されている。仕切45は、貯水槽3内のラジウム温泉水の水面の上方に回転体41及び多孔体42が配置されて、それらによってナノミストが生成される処理室3bと、そのナノミストが送り出されるナノミスト負イオン送出流路1eと、に二分する仕切板部材である。
【0055】
図5に示すように、ナノミスト負イオン送出流路1eは、処理室3b内で生成されたナノミストと負イオンとを、送風機Bの駆動で気液分離部5を介して吹出口2aから放出させるための流通路である。ナノミスト負イオン送出流路1eは、貯水槽3の内壁と、仕切45と、によって形成されて、上方の風路50を介して吹出口2aに連通している。サーモスタットS2は、温水ヒータHによる空焚きを防止するために電源を遮断するものであり、貯水槽3の下部に設けられている。水温センサS3は、前記したように貯水槽3内のラジウム温泉水の水温を検出して温水ヒータHを制御するセンサである。
【0056】
安全サーミスタS4は、処理室3b内の温度が予め設定した温度を超えた場合に、音を発生させて警報すると共に、送風機Bを駆動させて送風によって貯水槽3内を冷却させるためのセンサである。下側の水位検知センサS5は、貯水槽3内のラジウム温泉水の水位を検出して、温水ヒータHがラジウム温泉水から露出する前に温水ヒータHをOFFにするためのフロートセンサである。上側の水位検知センサS6は、貯水槽3内の水位を検出して、ポンプPの駆動を制御するためのフロートセンサである。上ベース26は、送風機Bからの風を水破砕手段4に送るための水破砕手段空気供給路1cと、操作部18等が設置される装置本体2の上部空間1fと、を区画する部材である。
【0057】
<気液分離部>
気液分離部5は、水破砕手段4で生成された微細な水滴中の比較的大きな水滴を除去するための部位である。気液分離部5は、ナノミスト負イオン送出流路1eの上部に連結された風路50と、風路50の内壁に突設されて風路50内の流路を蛇行するように形成するための水滴衝突板51と、送風サーミスタS7と、を備えて構成されている。風路50は、下端部がナノミスト負イオン送出流路1eに連結され、上端部がルーバー19に接続されて、上下方向に延設されている。
【0058】
水滴衝突板51は、空気中の過大な水滴が衝突することによって、その水滴を貯水槽3内に落下させて戻すための板状部材であり、風路50の内壁に基端部が接合されている。送風サーミスタS7は、設定した加湿レベルになるように温水ヒータHをON/OFFさせるセンサであり、気液分離部5に設けられている。
【0059】
[ナノミスト生成装置114の作用]
次に、各図を参照しながらこの実施形態に係るナノミスト生成装置114の作用を説明する。
【0060】
まず、
図4に示すナノミスト生成装置114を運転させる前の準備工程として、第3の開閉弁144を開けて、第3の分岐ライン142から給水タンクT1にラジウム温泉水を供給する給水工程を行う。次に、操作部18の運転スイッチをONする。すると、
図5に示すポンプPが作動して、給水タンクT1内のラジウム温泉水を給水路Paを介して貯水槽3内に送り、所定の水量まで供給されると、下側の水位検知センサS5が所定水量の水位を検出して、ポンプPを停止させると共に、温水ヒータHをONさせる。そして、貯水槽3内のラジウム温泉水の水温が所定温度に達すると、水温センサS3がそれを検知し、制御回路を介して温水ヒータHの通電をOFFすると共に、送風機B、ミストモータ43、及び、ルーバー駆動モータ19aを駆動させる。
【0061】
送風機Bは、室内の空気を吸込口12a、フィルタFを介して吸引して、水破砕手段空気供給路1c、空気流入口3a、貯水槽3の処理室3b、ナノミスト負イオン送出流路1e、気液分離部5を介して吹出口2aから室内に送り戻す。このとき、ルーバー19は、開放されている。一方、回転体41は、ミストモータ43の駆動によって回転し、所定温度に加熱された貯水槽3内に貯水されたラジウム温泉水を、回転の遠心力で外壁及び内壁を伝わって上昇するように吸い上げて、上部の飛散口(図示省略)から外周の多孔体42に向けて飛散させる。その飛散したラジウム温泉水は、回転体41の上部外周にある多孔体42の多孔部42aに衝突して破砕されたり、多孔部42aを通過して貯水槽3の内壁及び仕切45に衝突して破砕されたりすることによって、微細化されて、ナノミストに生成される。また、これと同時にレナード効果で負イオンが発生される。
【0062】
送風機Bによって貯水槽3の空気流入口3aから処理室3b内に送られた空気が、多孔体42から遠心力で略シャワー状に発生されたナノミストを通過する際に、空気中の菌及び匂いの元となる塵挨、花粉等がラジウム温泉水に溶け込んだ状態で、貯水槽3内の水面に振り落とされて貯水される。また、ナノミストと負イオンが、処理室3b内を下方に向かって流れてナノミスト負イオン送出流路1e内に入り込む際に、大きくて重いナノミストは、貯水槽3内の水面に落下して除去される。その後、微細なナノミストのみと負イオンが、ナノミスト負イオン送出流路1eを介して上部の気液分離部5に送られる。気液分離部5では、残存している大きくて重いナノミストが水滴衝突板51に衝突することによって水滴衝突板51に付着し、付着した水滴同士が結合して肥大化されると、自重で貯水槽3内の水面に落下して貯留される。
【0063】
気液分離部5を通過したナノミストは、適温に加熱されて温かく微細化された負イオンを含んだ粒子のみとなって、ルーバー19によって第1及び第2の吹出口2a、2bから放出され、温浴室104及びサウナ室118に放出されることになる。
【0064】
第1及び第2の吹出口2a、2bから放出されるナノミスト及び負イオンは、温浴室104及びサウナ室118の室内の空気中の隅々まで行き渡り、室内の人の呼吸により体内に取り込まれ、極めて微量な放射線を体内で浴びることを引き起こして、体内活性化を促進すると共に、汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、加湿効果、空気清浄効果がある。第1及び第2の吹出口2a、2bから放出される空気は、大きなナノミストを除去した微細なナノミストを含んだサラサラで潤いのある空気として放出されるものである。
【0065】
なお、貯水槽3内の加熱されたラジウム温泉水の貯水は、水破砕手段4によってナノミストとして放出されるので減少する。貯水槽3のラジウム温泉水の水位が低下した場合は、上側の水位検知センサS6がその水位を検出してポンプPを駆動させることによって、低下した水位分のラジウム温泉水が自動的にタンクT1から貯水槽3内に補水される。このため、貯水槽3内には、温水ヒータHで適温に加熱された水が適量貯留されている。
【0066】
ナノミスト生成装置114の運転が終了した場合は、排水弁Vを開弁して貯水槽3の残水を排水する。
【0067】
そして、排水タンクの残水は、雑菌等が増えるのを防止するため、ナノミスト生成装置114の使用後に、排水タンク内の残水を排水する。このため、ナノミスト生成装置114は、運転を終了する毎に貯水槽3内の残水の排出が行われる。これにより、ナノミスト生成装置114の残水の排水作業を終え、一連のナノミスト生成装置114の作動が完了する。
【0068】
[ラジウム温泉システム100における作動]
以上詳述したように、このようにラジウム温泉システム100を構成することにより、(1)給湯ライン110を介して給湯された温浴室104のラジウム温泉水が入った浴槽106に身を沈めることにより皮膚から吸収されたラジウムからの極微量の放射線、
(2)-1 ナノミスト生成装置114から第1の放出パイプ118を介して温浴室104に放出されたラジウム温泉水のナノミストを吸引することにより体内に取り込まれ肺から吸収されたラジウムからの極微量の放射線、並びに
(3)-2 ナノミスト生成装置114から第2の放出パイプ120を介してサウナ室118に放出されたラジウム温泉水のナノミストを吸引することによりから体内に取り込まれ肺から吸収されたラジウムからの極微量の放射線、
は、血液の中に入り、先ず、その強力なイオン化作用で、血中や体の組織内の老廃物を代謝する作用を発揮して、健康的でアルカリ体質に、一気に変化が図られることになる。
【0069】
その最大の理由は、温浴室104やサウナ室118で吸い込むナノレベルの超微細なラジウムミストが、胚細胞から血液に移行し、酸性に偏った体質を、正常なアルカリ体質に近づけることが出来ることになるものであり、血液の流れを悪くしたり、血管を老化させたりする中性脂肪、コレステロール、過剰な糖分などの老廃物が減少した血液はサラサラと流れることとなり、抹消血液流は改善され、血流障害が減少することにより、正に、筋肉などに溜まっていたコリや痛みの原因物質も減少し、体内活性効果を飛躍的に高めることが出来るものである。
【0070】
[変形例]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、この発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。例えば、濾過装置の構造は、上述した一実施例の構成に何等限定されることなく、要は、ラジウム温泉水中の温泉析出物を除去することが出来るものであれば何でもよく、例えば、フォローファイバー型の濾過装置等を用いることが出来ることは言うまでもない。
以上、詳述したように、この発明に係るラジウム温泉システムは、今までラジウム温泉水に含まれるラジウムからの極微量の放射線を体外からのみ浴びることにより身体の活性化を図ろうとしていたものと比較して、これを、体内に取り込み、体内に取り込んだラジウム温泉水のナノミストに含まれる極微量の放射線を体内で浴びることにより、より効果的に身体の活性化を図ることが出来るものであり、海外からの利用者の増大を大幅に図ることのできるメディカルツーリズムへの適用等、その産業上の利用可能性は計り知れない。