(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018874
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】レーザーダイオードチップ
(51)【国際特許分類】
H10H 20/825 20250101AFI20250130BHJP
H01S 5/22 20060101ALI20250130BHJP
H01S 5/323 20060101ALI20250130BHJP
H10H 20/82 20250101ALI20250130BHJP
【FI】
H01L33/32
H01S5/22 610
H01S5/323 610
H01L33/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192723
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2023122138の分割
【原出願日】2023-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】518271743
【氏名又は名称】アルディーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120640
【弁理士】
【氏名又は名称】森 幸一
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 元伸
【テーマコード(参考)】
5F173
5F241
【Fターム(参考)】
5F173AA33
5F173AF12
5F173AH22
5F173AH44
5F173AP05
5F173AP23
5F173AP33
5F173AR07
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA74
5F241CA75
5F241CA77
5F241CB27
5F241FF06
(57)【要約】
【課題】1チップでRGBの発光が可能でしかも微細化しても高い発光効率を得ることができるレーザーダイオードチップを提供する。
【解決手段】このレーザーダイオードチップは、n型Al
x Ga
1-x N層(0≦x≦1)上にそれぞれ青色発光、緑色発光および赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造(B’、G’、R’)を有し、これらのレーザーダイオード構造は、n型Al
x Ga
1-x N層上の少なくとも一つの矩形の開口(703a)を有する絶縁膜(703)と、その開口の部分のn型Al
x Ga
1-x N層上の多角錐台状のn型Al
y Ga
1-y N層(0≦y≦1)(704)と、その上面および側面に沿って設けられた活性層(705~707)と、活性層を覆うp型Al
z Ga
1-z N層(0≦z≦1)(708~710)と、その上のp側電極(711)と、n型Al
x Ga
1-x N層上またはその裏面に設けられたn側電極(712)とを有する。
【選択図】
図37B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型Alx Ga1-x N層(0≦x≦1)上に、少なくとも一つの青色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造、少なくとも一つの緑色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造および少なくとも一つの赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造を有し、
上記青色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造は、
上記n型Alx Ga1-x N層上に設けられた少なくとも一つの矩形の開口を有する絶縁膜と、
上記絶縁膜の上記開口の部分の上記n型Alx Ga1-x N層上に設けられた多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層(0≦y≦1)と、
上記多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層の上面および側面に沿って設けられた活性層と、
上記活性層を覆うように設けられたp型Alz Ga1-z N層(0≦z≦1)と、
上記p型Alz Ga1-z N層の上面に設けられたp側電極と、
上記多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層が設けられていない部分の上記n型Alx Ga1-x N層上または上記n型Alx Ga1-x N層の裏面に設けられたn側電極とを有するレーザーダイオードチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロ発光ダイオードチップ、マイクロ発光ダイオードチップの製造方法、マイクロ発光ダイオードチップ転写用基板、マイクロ発光ダイオードチップ転写用基板の製造方法、マイクロ発光ダイオードディスプレイ、XR(Cross Reality)グラスおよびレーザーダイオードチップに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)を遥かに凌駕する高輝度を実現することができ、XRグラスや大画面テレビなどへの応用が期待されている。しかし、製造原価は非常に高価格であることから、商品化は実現されているが、製品価格が高額であるため本格的な普及に至っていないのが実情である。
【0003】
低価格化を実現するためには、チップサイズを数μmのオーダーに微細化する必要がある。そのため、微細化に伴う発光効率の低下を抑制する技術の導入が必要となる。微細化に伴う発光効率の低下の主たる理由には、チップを分離する際に、断面に生じる相当数の欠陥が関係している。バンドギャップが最も小さい活性層にホールと電子が最も多く滞在し、そこで互いに結合してバンドギャップに応じたエネルギーの光子を放出することで発光が生じる。活性層に欠陥が多く存在すると、ホールや電子が欠陥に捕獲されて発光に寄与しない割合が高くなる。ホールや電子は(特に電子は)活性層内で相手のキャリア(ホール)と結合するまでに平均的に数μmは移動可能である。チップの微細化に伴い活性層の幅も数μmのオーダーになるとホールと電子が結合する割合よりも活性層側壁の欠陥に捕獲され消失する割合が劇的に増大する。そのため、チップのサイズが数μmといった微細化に伴い、発光効率も劇的に低下する現象がみられる。チップを微細化してもLEDの発光効率の低下を抑制できれば、輝度確保に必要なLEDの発光面積を低減でき材料費削減を図ることができる。
【0004】
マイクロLEDチップの転写に関しては、転写速度や転写歩留まりの向上など近年目覚ましい技術発展がみられる。しかし、1画素にそれぞれ別々のRGB3種類のチップを転写する場合の工程の複雑さ、数μmのオーダーのマイクロLEDチップの特性の測定やリペアの困難さ、チップ測定の困難さ故に生じる不良チップ選別の困難さと、僅かなマイクロLEDチップの不良混入に伴う製造歩留まりの低さといった課題は依然として克服できていないのが実情である。
【0005】
最近は、GaN系ナノロッドの成長により同一基板上にRGBの3色のマイクロLEDチップを形成して製造工程の簡略化を図る提案も発表されており、活発な研究が行われている(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。しかし、GaN系ナノロッド成長はロッドの高さや波長の均一性/再現性等の確保が難しく、安定生産に課題がある。
【0006】
また、各研究機関の精力的な研究により、最近は平坦なC面GaN上に成長したInGaN系の赤色LEDの効率も向上しており、波長変換を使わないGaN系LEDのみでフルカラーディスプレイの実現も期待されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
しかし、期待は高まるものの、製造歩留まりの向上など、上記課題を一挙に解決できる技術は出現しておらず、未だにマイクロLEDディスプレイの低価格化は実現できていないのが実情である。このため、高い製造歩留まりとRGB一体型等による製造工程の簡略化および側壁ダメージによる効率低下に対する対策を同時に満たす技術の出現が望まれている。
【0008】
なお、本発明者は、マイクロLEDディスプレイを低コストで実現することが可能なマイクロLEDディスプレイの製造方法を提案した(特許文献3~6参照)。特許文献3~5では、例えばp側電極側がn側電極側に比べてより強く磁場に引き寄せられるように構成されたマイクロLEDチップを液体に分散させたインクを基板の主面のチップ結合部に吐出し、基板の下方から外部磁場を印加することによりマイクロLEDチップのp側電極側をチップ結合部に結合させることによりマイクロLEDディスプレイを製造する。特許文献6では、上下に複数のp側電極および一つのn側電極を有する縦型のマイクロLEDチップまたは一方の面側に複数のp側電極および一つのn側電極を有する横型のマイクロLEDチップをマルチチップ転写方式でチップ結合部に結合させることによりマイクロLEDディスプレイを製造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5547076号公報
【特許文献2】特許第5687731号公報
【特許文献3】特許第6694222号公報
【特許文献4】特許第6842783号公報
【特許文献5】特許第6886213号公報
【特許文献6】特許第6803595号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】[令和5年6月9日検索]、インターネット〈URL:https://shingi.jst.go.jp/pdf/2018/2018_kisoken2_1.pdf 〉
【非特許文献2】[令和5年6月9日検索]、インターネット〈URL:https://www.wavefront.co.jp/CAE/MOVPE-database/exp5.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、1チップでRGBの発光が可能でしかも微細化しても高い発光効率を得ることができるマイクロ発光ダイオードチップおよびその製造方法、このマイクロ発光ダイオードチップを多数、容易に転写することができるマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板およびその製造方法、このマイクロ発光ダイオードチップを用いた高性能のマイクロ発光ダイオードディスプレイ、このマイクロ発光ダイオードディスプレイを用いた高性能のXRグラスおよび1チップでRGBの発光が可能でしかも微細化しても高い発光効率を得ることができるレーザーダイオードチップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、この発明は、
n型GaN層上に、少なくとも一つの青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造は、
上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つの開口を有する絶縁膜と、
上記絶縁膜の上記開口の部分の上記n型GaN層上に設けられた多角錐台状のGaN層と、
上記多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って設けられた発光層と、
上記発光層を覆うように設けられたp型GaN層と、
上記p型GaN層の上面に設けられた一つまたは互いに分離した複数のp側電極と、
上記多角錐台状のGaN層が設けられていない部分の上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つのn側電極とを有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNb 、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNg 、上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNr 、上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれの上記p型GaN層の上面に設けられた上記p側電極の数をNp としたとき、Np ×Nb ≧2、Np ×Ng ≧2、Np ×Nr ≧2であるマイクロ発光ダイオードチップである。
【0013】
多角錐台状のGaN層の形状は様々な形状であってよく、特に限定されない。多角錐台状のGaN層は、例えば、六角錐台状や一方向に引き延ばされた六角錐台状や八角錐台状などである。このGaN層は、アンドープであってもn型であってもよい。
【0014】
絶縁膜の開口の形状は必要に応じて選択され、多角錐台状のGaN層と相似または類似の多角形であっても、多角形以外の形状、例えば円形であってもよい。また、絶縁膜の開口の配列も必要に応じて選択される。絶縁膜は必要に応じて選択されるが、例えば、酸化膜(SiO2 膜など)、窒化膜(Si3 N4 膜など)、酸窒化膜(SiON膜など)、酸化チタン膜(TiO2 膜など)などが用いられる。好適には、n型GaN層の一部は横方向成長により形成され、この絶縁膜の開口はその横方向成長により形成された部分のn型GaN層上に形成される。こうすることで、この絶縁膜の開口の部分のn型GaN層上に設けられる多角錐台状のGaN層の貫通転位密度の大幅な低減を図ることができ、それによってこの多角錐台状のGaN層から発光層に伝播する貫通転位部分における非発光再結合による発光効率の低下や貫通転位によるリーク電流を抑えることができる。
【0015】
例えば、多角錐台状のGaN層の上面の上方のp型GaN層の厚さを多角錐台状のGaN層の側面の上方のp型GaN層の厚さより小さく選択し、主として多角錐台状のGaN層の上面の発光層から光が発せられるようにしてもよいし、それとは逆に、多角錐台状のGaN層の側面の上方のp型GaN層の厚さを多角錐台状のGaN層の上面の上方のp型GaN層の厚さより小さく選択し、主として多角錐台状のGaN層の側面の発光層から光が発せられるようにしてもよい。
【0016】
p側電極は少なくとも一部が透明に構成され、この透明部分を通して発光層からの光が外部に取り出される場合や、Agなどの反射率の高い金属層を含む材料で構成され、発光層からの光が主にn側から外部に取り出される場合が想定される(例えば、実装基板側にp側電極(p型層)が来るフリップチップ型の実装時など)。n側電極は、多角錐台状のGaN層が設けられていない部分のn型GaN層上に設けられるが、典型的には、n型GaN層上に設けられた絶縁膜に設けられた開口を通じてn型GaN層に接触するように設けられる。
【0017】
青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造は、典型的には、InGaN系の発光層を有するが、発光層の成長条件の制御により、青色発光(例えば波長440nm~470nm)、緑色発光(例えば波長515nm~545nm)、赤色発光(例えば波長605nm~655nm)のいずれも可能である。
【0018】
マイクロ発光ダイオードチップのチップサイズは必要に応じて選ばれるが、一般的には20μm×20μm以下、典型的には10μm×10μm以下、最も典型的には5μm×5μm以下に選ばれ、典型的には0.5μm×0.5μm以上である。また、マイクロ発光ダイオードチップの厚さも必要に応じて選ばれるが、典型的には1μm以上6μm以下である。マイクロ発光ダイオードチップは、基板上に発光ダイオード構造を構成する半導体層の結晶成長を行った後、基板を半導体層から分離したものであることが望ましい。マイクロ発光ダイオードチップの全体形状は必要に応じて選ばれ、特に限定されないが、典型的には、正方形あるいは長方形である。マイクロ発光ダイオードチップの側面は、多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って設けられた発光層のうちのこのGaN層の上面の部分がこの側面に露出しないように形成される。こうすることで、基板上に発光ダイオード構造を構成する半導体層の結晶成長を行った後、この半導体層をRIEなどのドライエッチングで分離してチップ化した場合にこのチップ化により形成される側面に欠陥が存在しても、この欠陥は、主として発光が起きる多角錐台状のGaN層の上面の発光層から十分に離れた位置にあるため、発光に及ぼす影響はほとんどない。一つのマイクロ発光ダイオードチップに多角錐台状のGaN層が複数ある場合は、マイクロ発光ダイオードチップの側面は、少なくとも一つ以上の多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って設けられた発光層のうちのこのGaN層の上面の部分がこの側面に露出しないように形成される。
【0019】
このマイクロ発光ダイオードチップにおいては、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数Nb 、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数Ng 、赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数Nr 、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれのp型GaN層の上面に設けられたp側電極の数Np は、Np ×Nb ≧2、Np ×Ng ≧2、Np ×Nr ≧2を満たす限り、どのように選択してもよく、例えば、Np ×Nb ≧3、Np ×Ng ≧3、Np ×Nr ≧3としてもよい。例えば、Np =1である場合にはNb ≧2、Ng ≧2、Nr ≧2であるから、例えばNb 、Ng 、Nr を2、3または4とすることができる。Nb =1、Ng =1、Nr =1の場合は、Np ≧2とすることができる。
【0020】
また、この発明は、
基板上に設けられたn型GaN層上に、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造から選ばれた第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第1の開口を有する第1の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜の上記第1の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層、発光層およびp型GaN層を順次成長させることにより上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する工程と、
上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆うように第2の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造から選ばれた、上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造以外の第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第2の開口を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜の上記第2の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層、発光層およびp型GaN層を順次成長させることにより上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する工程と、
上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆うように第3の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のうちの、上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造以外の第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第3の開口を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜の上記第3の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層、発光層およびp型GaN層を順次成長させることにより上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する工程と、
上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆うように第4の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第2の絶縁膜、上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第3の絶縁膜および上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第4の絶縁膜にそれぞれ第1のコンタクトホール、第2のコンタクトホールおよび第3のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第1のコンタクトホール、上記第2のコンタクトホールおよび上記第3のコンタクトホールを通じてそれぞれ上記p型GaN層に接触するp側電極を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの上記多角錐台状の半導体層以外の部分に第4のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第4のコンタクトホールを通じて上記n型GaN層に接触するn側電極を形成する工程と、
少なくとも一つの上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの上記n側電極を含むチップ領域を画定するように上記基板に達する分離溝を形成する工程と、
上記基板を上記n型GaN層から分離する工程と、
を有するマイクロ発光ダイオードチップの製造方法である。
【0021】
このマイクロ発光ダイオードチップの製造方法により、上述のマイクロ発光ダイオードチップを製造することができる。
【0022】
基板は、AlGaInN系半導体の成長(取り分けC面成長)が可能であれば特に限定されないが、例えば、サファイア基板、Si基板などが挙げられる。第1~第4の絶縁膜としては、上述のマイクロ発光ダイオードチップにおける絶縁膜と同様な絶縁膜を用いることができる。このマイクロ発光ダイオードチップの製造方法の発明においては、上記以外のことは、特にその性質に反しない限り、上述のマイクロ発光ダイオードチップの発明に関連して説明した事項が成立する。
【0023】
また、この発明は、
基板上に設けられたn型GaN層上に、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第4の開口を有する第5の絶縁膜を形成する工程と、
上記第5の絶縁膜の上記第4の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層を成長させる工程と、
上記多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造用の第1の発光層を成長させる工程と、
上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分以外の部分の上記第1の発光層を覆うように第6の絶縁膜を形成する工程と、
上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分の上記第1の発光層上に緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造用の第2の発光層を成長させる工程と、
上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分以外の部分の上記第2の発光層を覆うように第7の絶縁膜を形成する工程と、
上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造用の第3の発光層を成長させる工程と、
上記第3の発光層を覆うように第8の絶縁膜を形成する工程と、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第6の絶縁膜、上記第緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第7の絶縁膜および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第8の絶縁膜にそれぞれ第5のコンタクトホール、第6のコンタクトホールおよび第7のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第5のコンタクトホール、上記第6のコンタクトホールおよび上記第7のコンタクトホールを通じてそれぞれ上記p型GaN層に接触するp側電極を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの上記多角錐台状の半導体層以外の部分に第8のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第8のコンタクトホールを通じて上記n型GaN層に接触するn側電極を形成する工程と、
少なくとも一つの上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの上記n側電極を含むチップ領域を画定するように上記基板に達する分離溝を形成する工程と、
上記基板を上記n型GaN層から分離する工程と、
を有するマイクロ発光ダイオードチップの製造方法である。
【0024】
このマイクロ発光ダイオードチップの製造方法により、上述のマイクロ発光ダイオードチップを製造することができる。
【0025】
基板や第5~第8の絶縁膜に関しては、先に説明したマイクロ発光ダイオードチップの製造方法における基板や第1~第4の絶縁膜と同様である。このマイクロ発光ダイオードチップの製造方法の発明においては、上記以外のことは、特にその性質に反しない限り、上述のマイクロ発光ダイオードチップの発明に関連して説明した事項が成立する。
【0026】
また、この発明は、
基板上に設けられたn型GaN層上に、少なくとも一つの青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を含むチップ領域が二次元アレイ状に配置され、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造は、
上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つの開口を有する絶縁膜と、
上記絶縁膜の上記開口の部分の上記n型GaN層上に設けられた多角錐台状のGaN層と、
上記多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って設けられた発光層と、
上記発光層を覆うように設けられたp型GaN層と、
上記p型GaN層の上面に設けられた一つまたは互いに分離した複数のp側電極と、
上記多角錐台状のGaN層が設けられていない部分の上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つのn側電極とを有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNb 、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNg 、上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNr 、上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれの上記p型GaN層の上面に設けられた上記p側電極の数をNp としたとき、Np ×Nb ≧2、Np ×Ng ≧2、Np ×Nr ≧2であり、
上記チップ領域は上記n型GaN層を分離する分離溝により画定されているマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板である。
【0027】
また、この発明は、
基板上に設けられたn型GaN層上に、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造から選ばれた第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第1の開口を有する第1の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜の上記第1の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層、発光層およびp型GaN層を順次成長させることにより上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する工程と、
上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆うように第2の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造から選ばれた、上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造以外の第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第2の開口を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜の上記第2の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層、発光層およびp型GaN層を順次成長させることにより上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する工程と、
上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆うように第3の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のうちの、上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造以外の第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第3の開口を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜の上記第3の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層、発光層およびp型GaN層を順次成長させることにより上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する工程と、
上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆うように第4の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第2の絶縁膜、上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第3の絶縁膜および上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第4の絶縁膜にそれぞれ第1のコンタクトホール、第2のコンタクトホールおよび第3のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第1のコンタクトホール、上記第2のコンタクトホールおよび上記第3のコンタクトホールを通じてそれぞれ上記p型GaN層に接触するp側電極を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの上記多角錐台状の半導体層以外の部分に第4のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第4のコンタクトホールを通じて上記n型GaN層に接触するn側電極を形成する工程と、
少なくとも一つの上記第1のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記第2のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記第3のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの上記n側電極を含むチップ領域を画定するように上記n型GaN層を分離する分離溝を形成する工程と、
を有するマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板の製造方法である。
【0028】
このマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板の製造方法により、上述のマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板を製造することができる。
【0029】
また、この発明は、
基板上に設けられたn型GaN層上に、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に第4の開口を有する第5の絶縁膜を形成する工程と、
上記第5の絶縁膜の上記第4の開口の部分の上記n型GaN層上に多角錐台状のGaN層を成長させる工程と、
上記多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造用の第1の発光層を成長させる工程と、
上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分以外の部分の上記第1の発光層を覆うように第6の絶縁膜を形成する工程と、
上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分の上記第1の発光層上に緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造用の第2の発光層を成長させる工程と、
上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分以外の部分の上記第2の発光層を覆うように第7の絶縁膜を形成する工程と、
上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を形成する部分に上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造用の第3の発光層を成長させる工程と、
上記第3の発光層を覆うように第8の絶縁膜を形成する工程と、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第6の絶縁膜、上記第緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第7の絶縁膜および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を覆う上記第8の絶縁膜にそれぞれ第5のコンタクトホール、第6のコンタクトホールおよび第7のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第5のコンタクトホール、上記第6のコンタクトホールおよび上記第7のコンタクトホールを通じてそれぞれ上記p型GaN層に接触するp側電極を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜のうちの上記多角錐台状の半導体層以外の部分に第8のコンタクトホールを形成する工程と、
上記第8のコンタクトホールを通じて上記n型GaN層に接触するn側電極を形成する工程と、
少なくとも一つの上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの上記n側電極を含むチップ領域を画定するように上記n型GaN層を分離する分離溝を形成する工程と、
を有するマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板の製造方法である。
【0030】
このマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板の製造方法により、上述のマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板を製造することができる。
【0031】
また、この発明は、
複数のマイクロ発光ダイオードチップが2次元アレイ状に実装されたディスプレイ部と、
互いに独立制御駆動可能な複数の駆動回路が2次元アレイ状に設けられた駆動回路部と、
上記ディスプレイ部と上記駆動回路部とを配線する配線回路とを有し、
上記マイクロ発光ダイオードチップは、
n型GaN層上に、少なくとも一つの青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造は、
上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つの開口を有する絶縁膜と、
上記絶縁膜の上記開口の部分の上記n型GaN層上に設けられた多角錐台状のGaN層と、
上記多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って設けられた発光層と、
上記発光層を覆うように設けられたp型GaN層と、
上記p型GaN層の上面に設けられた一つまたは互いに分離した複数のp側電極と、
上記多角錐台状のGaN層が設けられていない部分の上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つのn側電極とを有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNb 、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNg 、上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNr 、上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれの上記p型GaN層の上面に設けられた上記p側電極の数をNp としたとき、Np ×Nb ≧2、Np ×Ng ≧2、Np ×Nr ≧2であるマイクロ発光ダイオードチップであるマイクロ発光ダイオードディスプレイ。
【0032】
このマイクロ発光ダイオードディスプレイは、マイクロ発光ダイオードチップが赤色、緑色、青色(RGB)の3色の発光が可能であるため、カラーディスプレイとして用いることができる。このマイクロ発光ダイオードディスプレイは、パッシブマトリクス駆動方式、アクティブマトリクス駆動方式、パルス幅変調(PWM)駆動方式などのいずれであってもよい。PWM駆動方式のカラーディスプレイでは、例えば、PWM駆動回路が内蔵されたIC基板上にマイクロ発光ダイオードチップを転写してもよい。このマイクロ発光ダイオードディスプレイにおいては、典型的な一つの例では、p側電極は、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれに対して互いに分離して複数設けられ、n側電極は少なくとも一つ設けられ、それぞれのマイクロ発光ダイオードチップは、上記の配線回路の配線を介して駆動回路部の駆動回路に接続された第1幹線配線から分岐した複数の支線部配線のそれぞれとそれぞれのp側電極とが互いに電気的に接続され、上記の配線回路の配線を介して駆動回路部の駆動回路に接続された第2幹線配線とn側電極とが互いに電気的に接続されている。
【0033】
また、この発明は、
ディスプレイを有し、
上記ディスプレイは、
複数のマイクロ発光ダイオードチップが2次元アレイ状に実装されたディスプレイ部と、
互いに独立制御駆動可能な複数の駆動回路が2次元アレイ状に設けられた駆動回路基板と、
上記ディスプレイ部と上記駆動回路基板とを配線するフレキシブルプリント回路とを有し、
上記マイクロ発光ダイオードチップは、
n型GaN層上に、少なくとも一つの青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、少なくとも一つの緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および少なくとも一つの赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造は、
上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つの開口を有する絶縁膜と、
上記絶縁膜の上記開口の部分の上記n型GaN層上に設けられた多角錐台状のGaN層と、
上記多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って設けられた発光層と、
上記発光層を覆うように設けられたp型GaN層と、
上記p型GaN層の上面に設けられた一つまたは互いに分離した複数のp側電極と、
上記多角錐台状のGaN層が設けられていない部分の上記n型GaN層上に設けられた少なくとも一つのn側電極とを有し、
上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNb 、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNg 、上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造の数をNr 、上記青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれの上記p型GaN層の上面に設けられた上記p側電極の数をNp としたとき、Np ×Nb ≧2、Np ×Ng ≧2、Np ×Nr ≧2であるマイクロ発光ダイオードチップであり、
上記ディスプレイ部は風防部の内側の面に装着され、
上記駆動回路基板はフレームの耳掛け部に装着され、
上記フレキシブルプリント回路はフレームに装着されているXRグラスである。
【0034】
XR(Cross Reality)グラスは、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、SR(Substitutional Reality) などの技術、これらを組み合わせた技術(例えば、VRとARとを融合させた技術)、これらの技術の中間的な技術(例えば、ARとMRとの間に位置付けられる技術)などを用いたグラスの総称であり、現実と仮想の世界とを融合して疑似体験を提供する空間を創り出す映像表示装置である。VRは仮想世界を現実世界のように体験することができる技術、ARは現実空間に仮想世界を重ねて投影して見せる技術、MRは現実空間と仮想空間とを融合させて見せる技術、SRは過去の映像を現実空間に重ね合わせて見せることで、過去にあった出来事があたかも今目の前で行っているかのように見せる技術である。
【0035】
このXRグラスにおいては、典型的な一つの例では、p側電極は、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造のそれぞれに対して互いに分離して複数設けられ、上記n側電極は少なくとも一つ設けられ、それぞれのマイクロ発光ダイオードチップは、上記の配線回路の配線を介して駆動回路部の駆動回路に接続された第1幹線配線から分岐した複数の支線部配線のそれぞれとそれぞれのp側電極とが互いに電気的に接続され、上記の配線回路の配線を介して駆動回路部の駆動回路に接続された第2幹線配線とn側電極とが互いに電気的に接続されている。
【0036】
また、この発明は、
n型Alx Ga1-x N層(0≦x≦1)上に、少なくとも一つの青色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造、少なくとも一つの緑色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造および少なくとも一つの赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造を有し、
上記青色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造、上記緑色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造および上記赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造は、
上記n型Alx Ga1-x N層上に設けられた少なくとも一つの矩形の開口を有する絶縁膜と、
上記絶縁膜の上記開口の部分の上記n型Alx Ga1-x N層上に設けられた多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層(0≦y≦1)と、
上記多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層の上面および側面に沿って設けられた活性層と、
上記活性層を覆うように設けられたp型Alz Ga1-z N層(0≦z≦1)と、
上記p型Alz Ga1-z N層の上面に設けられたp側電極と、
上記多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層が設けられていない部分の上記n型Alx Ga1-x N層上または上記n型Alx Ga1-x N層の裏面に設けられたn側電極とを有するレーザーダイオードチップである。
【0037】
このレーザーダイオードチップは、好適には、活性層の上下が光導波層およびクラッド層に挟まれたダブルヘテロ構造を有し、その場合、n型Aly Ga1-y N層はn型クラッド層およびn型光導波層を含み、p型Alz Ga1-z N層はp型光導波層およびp型クラッド層を含む。青色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造は水平共振器を有するように構成され、水平共振器の一方の端面および他方の端面にはそれぞれ反射防止膜および反射膜が設けられる。このレーザーダイオードチップの発明においては、特にその性質に反しない限り、上記のマイクロ発光ダイオードチップに関連して説明したことが成立する。
【0038】
このレーザーダイオードチップは、例えば、網膜投影型ARグラスの光源に使用したり、GLV(Grating Light Valve)と組み合わせたレーザーディスプレイをXRグラスのディスプレイとして使用することができる。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、マイクロ発光ダイオードチップは、n型GaN層上に、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を有することから、1チップで青色、緑色および赤色の発光が可能であり、しかもそれぞれの発光ダイオード構造においては多角錐台状のGaN層の上面および側面に沿って発光層が設けられるため、マイクロ発光ダイオードチップの側面にドライエッチングなどにより発生した欠陥が存在しても、その影響が発光に及ぶことはほとんどないことから、微細化しても高い発光効率を得ることができ、しかも構造が簡単であるため容易に製造することができる。
【0040】
この発明によれば、各発光波長の結晶成長パラメータ(成長時の圧力、成長速度、温度、流速、原料の供給割合など)をそれぞれ独立して最適化することが可能であり、発光波長毎に最大のパフォーマンス(発光効率)を実現する結晶成長条件での成長が可能である。結晶成長のパラメータは複数存在するため、波長毎にそれぞれ独立して最適化できる本発明の製造方法は、発光効率向上に非常に有利である。
【0041】
そして、この高性能のマイクロ発光ダイオードチップを用いて高性能のマイクロLEDディスプレイを実現することができ、このマイクロLEDディスプレイを用いて高性能のXRグラスを実現することができる。また、各チップ領域にn型GaN層上に、青色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系発光ダイオード構造を有するマイクロ発光ダイオードチップ転写用基板を用いることにより、実装基板に対して例えば数百万~数千万個に及ぶマイクロ発光ダイオードチップを一括して転写することができ、大面積あるいは高集積密度のマイクロLEDディスプレイを容易に製造することができる。
【0042】
この発明によれば、1チップで青色、緑色および赤色の発光が可能であり、しかもそれぞれの発光波長において複数の電極または発光ダイオード構造を有し、それらは独立制御可能な形態であるため、個々のチップの検査(全数検査)を省略して数百万~数千万個に及ぶマイクロ発光ダイオードチップを一括転写して組み立てた場合であっても、配線の断絶により不良部分を切り離すことで画素の修復が可能であるため、マイクロLEDディスプレイの高い製造歩留まりを確保できる。
【0043】
また、この発明によれば、レーザーダイオードチップは、n型Alx Ga1-x N層上に、青色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造、緑色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造および赤色発光のAlGaInN系レーザーダイオード構造を有することから、1チップで青色、緑色および赤色の発光が可能であり、しかもそれぞれのレーザーダイオード構造においては多角錐台状のn型Aly Ga1-y N層の上面および側面に沿って発光層が設けられるため、レーザーダイオードチップの側面にドライエッチングなどにより発生した欠陥が存在しても、その影響が発光に及ぶことはほとんどないことから、微細化しても高い発光効率を得ることができ、しかも構造が簡単であるため容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1A】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップを示す斜視図である。
【
図1B】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップを示す断面図である。
【
図1C】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップを示す断面図である。
【
図2A】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための平面図である。
【
図2B】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図3】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図4】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図5】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図6】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図7】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図8】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図9】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図10A】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図10B】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図11A】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図11B】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図12】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図13】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図14】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の一例を説明するための断面図である。
【
図15A】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための平面図である。
【
図15B】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図16】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図17】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図18】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図19】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図20】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図21】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図22】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図23】この発明の第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法の他の例を説明するための断面図である。
【
図24】この発明の第2の実施の形態によるマイクロLEDチップ転写用基板を示す断面図である。
【
図25A】この発明の第2の実施の形態によるマイクロLEDチップ転写用基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図25B】この発明の第2の実施の形態によるマイクロLEDチップ転写用基板の製造方法を説明するための断面図である。
【
図26A】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップを示す斜視図である。
【
図26B】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップを示す断面図である。
【
図26C】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップを示す断面図である。
【
図27A】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法を説明するための平面図である。
【
図27B】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【
図28A】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法を説明するための平面図である。
【
図28B】この発明の第3の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【
図29】この発明の第4の実施の形態によるマイクロLEDチップ転写用基板を示す断面図である。
【
図30】この発明の第5の実施の形態によるXRグラス示す斜視図である。
【
図31】この発明の第5の実施の形態によるXRグラスのディスプレイ部300、フレキシブルプリント回路400およびプリント回路基板500を示す平面図である。
【
図32A】この発明の第5の実施の形態によるXRグラスのディスプレイ部300を示す平面図である。
【
図32B】この発明の第5の実施の形態によるXRグラスのディスプレイ部300を示す断面図である。
【
図32C】この発明の第5の実施の形態によるXRグラスのディスプレイ部300を示す断面図である。
【
図33】この発明の第6の実施の形態によるXRグラスを示す斜視図である。
【
図34】この発明の第6の実施の形態によるXRグラスのライトエンジン600の展開図である。
【
図35A】この発明の第6の実施の形態によるXRグラスのLEDアレイ部610を示す平面図である。
【
図35B】この発明の第6の実施の形態によるXRグラスのLEDアレイ部610を示す断面図である。
【
図35C】この発明の第6の実施の形態によるXRグラスのLEDアレイ部610を示す断面図である。
【
図36】この発明の第7の実施の形態によるXRグラスのライトエンジン600の構成を示す断面図である。
【
図37A】この発明の第8の実施の形態によるLDチップを示す平面図である。
【
図37B】この発明の第8の実施の形態によるLDチップを示す断面図である。
【
図38A】この発明の第8の実施の形態によるLDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【
図38B】この発明の第8の実施の形態によるLDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【
図38C】この発明の第8の実施の形態によるLDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【
図38D】この発明の第8の実施の形態によるLDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【
図38E】この発明の第8の実施の形態によるLDチップの製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」と言う)について説明する。
【0046】
〈第1の実施の形態〉
[マイクロLEDチップ]
図1A、
図1Bおよび
図1Cは第1の実施の形態によるマイクロLEDチップ10を示し、
図1Aは斜視図、
図1Bは
図1AのB-B線に沿っての断面図、
図1Cは
図1AのC-C線に沿っての断面図である。
図1A、
図1Bおよび
図1Cに示すように、このマイクロLEDチップ10は正方形あるいは長方形の形状を有し、青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rを含む。このマイクロLEDチップ10においては、n型GaN層11上に絶縁膜12が設けられている。絶縁膜12は既に述べたようにSiO
2 膜などである。絶縁膜12の厚さは必要に応じて選択されるが、例えば10~30nmである。n型GaN層11は、一般的にはサファイア基板やSi基板などの上に低温バッファー層を介して成長されたものであるが、通常は非常に多くの貫通転移(10
8 ~10
10個/cm
2 程度)を有する。貫通転移は発光効率の低下や電気的漏洩(リーク) の原因となり得る。そのため、好適には、従来公知のELO(Epitaxial Lateral Overgrowth) 法により横方向成長されたものであり、部分的に低貫通転位密度領域(図示せず)を有する。n型GaN層11のうちの横方向成長させる際のシード(種結晶)に対応する領域と互いに隣接したシードから横方向成長した層同士が会合する領域(会合部)とは高転位密度領域(10
8 ~10
10個/cm
2 程度)であり、両領域の間の横方向成長領域は低転位密度領域(10
6 ~10
7 個/cm
2 程度)となっている。
【0047】
絶縁膜12には、n型GaN層11のうちの低転位密度領域上に互いに同一の平面形状を有する三つの細長い長方形の開口12aが互いに平行にかつ等間隔で設けられている。開口12aの大きさは必要に応じて選択されるが、例えば(100~2000nm)×(1~10μm)である。各開口12aの部分におけるn型GaN層11上に、開口12aの長手方向に細長い全体として島状のGaN層13が絶縁膜12上に互いに分離して延在するように設けられている。この場合、このGaN層13は開口12aの長手方向に延びた八角錐台状の形状を有する。このGaN層13はアンドープであってもn型であってもよい。
図1Aおよび
図1B中、左端の開口12aの部分のGaN層13の上面および側面(斜面)に沿って青色発光用の発光層14が島状に設けられ、中央の開口12aの部分のGaN層13の上面および側面(斜面)に沿って緑色発光用の発光層15が島状に設けられ、右端の開口12aの部分のGaN層13の上面および側面(斜面)に沿って赤色発光用の発光層16が島状に設けられている。発光層14、15、16のそれぞれを覆うようにp型GaN層17が互いに分離して設けられている。p型GaN層17の結晶成長時の温度、成長速度、圧力などの条件を適切に選択することによってp型GaN層17の縦(垂直)方向に対する横(水平)方向の成長を促進させ、GaN層13の上面の上方およびGaN層13の側面(斜面)の上方の一部または全部のp型GaN層17を平坦化している。従って、GaN層13の上面の上方のp型GaN層17の厚さは、GaN層13の側面(斜面)の上方のp型GaN層17の厚さより小さくなっている。なお、発光層14、15、16とp型GaN層17との間にはp型AlGaN層などが挿入されることが多いが、その図示および説明は省略する。
【0048】
発光層14、15、16は、例えば、障壁層としてのInx Ga1-x N層と井戸層としてのIny Ga1-y N層とが交互に積層されたInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N多重量子井戸(MQW)構造(x<y、0≦x<1、0≦y<1)を有する。発光層14を構成するInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N MQW構造のIn組成比x、yは青色発光の発光波長に応じて選ばれ、発光層15を構成するInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N MQW構造のIn組成比x、yは緑色発光の発光波長に応じて選ばれ、発光層16を構成するInx Ga1-x N/Iny Ga1-y N MQW構造のIn組成比x、yは赤色発光の発光波長に応じて選ばれる。これらのIn組成比x、yはInx Ga1-x N層およびIny Ga1-y N層の成長条件などによっても変化する。八角錐台状のGaN層13に倣って八角錐台状に形成された発光層14、15、16のIn組成は、GaN層13の上面にある部分の方がGaN層13の側面にある部分より大きくなる。これは、極性面であるC面上のInGaN成長に比べて、非極性面および半極性面上のInGaN成長では、同一温度においてIn組成が低くなる性質があるためである。従って、発光層14、15、16のうちGaN層13の側面にある部分のバンドギャップはGaN層13の上面にある部分のバンドギャップより大きい。
【0049】
左端の開口12aの部分のn型GaN層11、GaN層13、発光層14およびp型GaN層17により青色発光のAlGaInN系LED構造Bが形成され、中央の開口12aの部分のn型GaN層11、GaN層13、発光層15およびp型GaN層17により緑色発光のAlGaInN系LED構造Gが形成され、右端の開口12aの部分のn型GaN層11、GaN層13、発光層16およびp型GaN層17により赤色発光のAlGaInN系LED構造Rが形成されている。
【0050】
各p型GaN層17を覆うように絶縁膜18が設けられている。絶縁膜18には、各p型GaN層17の長手方向の中心線上に複数(この例では4つ)の円形の開口18aが一列にかつ等間隔で設けられている。開口18aの直径は必要に応じて選択されるが、典型的には開口12aの幅(100~2000nm)程度である。各開口18aを通じてp型GaN層17上に長手方向の中心線上に複数(この例では4つ)のp側電極19が各発光層14、15、16に対応する位置に互いに分離して一列に設けられている。この場合、青色発光のAlGaInN系LED構造B、緑色発光のAlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光のAlGaInN系LED構造RのいずれにおいてもN
p =1であるため、p側電極19の数は、N
p ×N
b ≧2、N
p ×N
g ≧2、N
p ×N
r ≧2より、N
b ≧2、N
g ≧2、N
r ≧2を満たす範囲で選ばれるが、
図1A、
図1Bおよび
図1CではN
b 、N
g 、N
r はいずれも4に選ばれている。p側電極19は、例えば、ITO/Ag/Ti/Au膜などの多重積層膜からなる。ここで、Agは、マイクロLEDチップ10のn型GaN層11側から光を取り出す際に、p側電極19による光の反射率を高めるために使用される。ここで、このp側電極19を構成するITO膜、Ag膜、Ti膜およびAu膜の厚さは例えばそれぞれ50nm、100nm、20nmおよび50nmである。絶縁膜12のうちのGaN層13から離れた部分にGaN層13の延びる方向と直角の方向に一対の細長い長方形のコンタクトホール12bがGaN層13を挟むようにチップの辺に平行に設けられており、このコンタクトホール12bを通じてn型GaN層11とコンタクトした状態で二つの細長い長方形のn側電極20が設けられている。n側電極20は、例えば、Ti/Al/Ti/Ni/Au膜などの多重積層膜からなる。
【0051】
n型GaN層11、発光層14、15、16およびp型GaN層17は典型的にはC面方位を有する。n型GaN層11およびGaN層13の抵抗率は例えば0.01Ωcm程度であるが、これに限定されるものではない。発光層14、15、16の抵抗率は例えば0.1~0.3Ωcm程度であるが、これに限定されるものではない。p型GaN層17の抵抗率は例えば1~3Ωcm程度であるが、これに限定されるものではない。n型GaN層11の厚さは例えば1~5μm、GaN層13の厚さは例えば100~1500nm、発光層14、15、16の厚さは例えば30~100nm、p型GaN層17のGaN層13の上面の上方の部分の厚さは例えば100~200nmであるが、これに限定されるものではない。n型GaN層11、GaN層13、発光層14およびp型GaN層15の合計の厚さは例えば1.2~6.8μmであるが、これに限定されるものではない。
【0052】
[マイクロLEDチップの動作]
このマイクロLEDチップ10において、青色発光AlGaInN系LED構造Bにおけるp側電極19とn側電極20との間に順方向バイアスを印加することにより青色発光を生じさせることができ、緑色発光AlGaInN系LED構造Gにおけるp側電極19とn側電極20との間に順方向バイアスを印加することにより緑色発光を生じさせることができ、赤色発光AlGaInN系LED構造Rにおけるp側電極19とn側電極20との間に順方向バイアスを印加することにより赤色発光を生じさせることができる。この場合、n型GaN層11とp型GaN層17との間は開口12a以外の部分では絶縁膜12により分離されているため、動作時にリーク電流が発生するのを効果的に抑制することができる。また、抵抗率が高いp型GaN層17の厚さはGaN層13の上面の上方の部分の方がGaN層13の側面(斜面)の上方の部分より小さいため、p側電極19とn側電極20との間に流れる電流は、より抵抗が低い、GaN層13の上面の上方の部分のp型GaN層17を主として通り、GaN層13の側面の上方の部分のp型GaN層17を通る電流は少ない。また、発光層14、15、16のMQW構造のIn組成比x、yは、発光層14、15、16のうちGaN層13の上面の上方の部分よりGaN層13の側面の上方の部分の方が小さいため、発光層14、15、16のバンドギャップはGaN層13の上面の上方の部分の方がGaN層13の側面の上方の部分より小さいが、キャリア(電子、ホール)はバンドギャップが小さいGaN層13の上面の上方の部分の発光層14、15、16に集まりやすい。そして、こうしてp側電極19とn側電極20との間に電流が流れることにより発光層14、15、16で発光が起き、主として、GaN層13の上面の上方の部分の発光層14、15、16から光が発せられ、この光がn型GaN層11を通して外部に取り出される。
【0053】
[マイクロLEDチップの製造方法]
以下においては、マイクロLEDチップの製造方法として二つの方法を説明する。
【0054】
まず、マイクロLEDチップの製造方法の一つの例(製造方法1)を説明する。
【0055】
まず、
図2Aおよび
図2Bに示すように、C面方位のサファイア基板30上に例えば有機金属化学気相成長(MOCVD)法によりn型GaN層11を成長させる。ここで、
図2Aは平面図、
図2Bは断面図である。n型GaN層11の成長は例えば次のようにして行うが、これに限定されるものではない。すなわち、まず、サファイア基板30上にMOCVD法によりGaN層をエピタキシャル成長させた後、従来公知の方法によりGaN層をパターニングすることによりシード(図示せず)を形成する。次に、従来公知のMOCVD法によるELO法を用いてシードから横方向成長によりn型GaN層11を成長させる。この際、島状のn型GaN層11が隣接する島状のn型GaN層11と衝突した時点で成長を停止させる。場合によっては、隣接する島状のn型GaN層11同士が衝突後も成長を続けてもよいし、シードの位置や横方向成長距離を適宜設計することでn型GaN層11同士が衝突しない状態で成長を停止させることも可能である。次に、n型GaN層11上に化学気相成長(CVD)法、スパッタリング法、真空蒸着法などによりSiO
2 膜などの絶縁膜12を形成した後、従来公知の方法により絶縁膜12をパターニングすることにより、青色発光AlGaInN系LED構造Bを形成する部分に細長い長方形の開口12aを形成する。開口12aは、n型GaN層11の、貫通転位密度の低い横方向成長した領域に形成される。
【0056】
次に、
図3に示すように、ELO法により、各開口12aの部分にGaN層13を八角錐台の島状に成長させる。この場合、まず、絶縁膜12の開口12aの部分に露出したn型GaN層11の表面にGaNが選択成長し、引き続いて絶縁膜12上に横方向成長することにより絶縁膜12上にGaN層13が成長する。次に、こうして成長させた島状のGaN層13上にIn
x Ga
1-x N/In
y Ga
1-y N MQW構造を有する発光層14をエピタキシャル成長させる。この青色発光の発光層14は従来公知の成長方法によって成長させることができる。通常GaN層13の上面(C面)に成長するInGaN層のIn組成は側面(半極性面)に成長するInGaN層のIn組成より小さくなる。引き続いて、発光層14を覆うようにp型GaN層17をエピタキシャル成長させる。圧力や温度等の成長条件の調節によりGaN層13の上面の上方の部分のp型GaN層17の厚さはGaN層13の側面の上方の部分のp型GaN層17の厚さより小さく形成することが可能である。これらのGaN層13、発光層14およびp型GaN層17の成長はMOCVD炉内で連続的に行われる。
【0057】
次に、
図4に示すように、p型GaN層17を覆うように例えば真空蒸着法などによりSiO
2 膜などの絶縁膜18を形成する。
【0058】
次に、
図5に示すように、従来公知の方法により絶縁膜18をパターニングすることにより、緑色発光AlGaInN系LED構造Gを形成する部分に細長い長方形の開口12aを形成する。
【0059】
次に、
図6に示すように、こうして新たに形成した開口12aの部分に露出したn型GaN層11上に、青色発光AlGaInN系LED構造Bを形成する部分と同様にして、GaN層13、In
x Ga
1-x N/In
y Ga
1-y N MQW構造を有する発光層15およびp型GaN層17を順次成長させる。この緑色発光の発光層15は従来公知の成長方法によって成長させることができる。
【0060】
次に、
図7に示すように、p型GaN層17を覆うように例えば真空蒸着法などによりSiO
2 膜などの絶縁膜18を形成した後、従来公知の方法により絶縁膜18をパターニングすることにより、赤色発光AlGaInN系LED構造Rを形成する部分に細長い長方形の開口12aを形成する。
【0061】
次に、
図8に示すように、こうして新たに形成した開口12aの部分に露出したn型GaN層11上に、青色発光AlGaInN系LED構造Bを形成する部分と同様にして、GaN層13、In
x Ga
1-x N/In
y Ga
1-y N MQW構造を有する発光層16およびp型GaN層17を順次成長させる。この赤色発光の発光層16は従来公知の成長方法によって成長させることができる(例えば、非特許文献2)。引き続いて、p型GaN層17を覆うように例えば真空蒸着法などによりSiO
2 膜などの絶縁膜18を形成する。
【0062】
次に、
図9に示すように、青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rのそれぞれの上の部分の絶縁膜18に円形のコンタクトホール18aを形成し、このコンタクトホール18aの内部にp型GaN層17を露出させる。
【0063】
次に、
図10Aおよび
図10Bに示すように、コンタクトホール18aを通じてp型GaN層17にコンタクトするp側電極19を形成する。ここで、
図10Aは平面図、
図10Bは断面図である。p側電極19は例えば次のように形成することができる。すなわち、基板全面に例えばスパッタリング法や真空蒸着法により、ITO膜、Ag膜、Ti膜およびAu膜を順次形成した後、これらのITO膜、Ag膜、Ti膜およびAu膜をエッチング等によりパターニングする。次に、従来公知の方法により絶縁膜12をパターニングすることにより、青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rの全体を両側から挟むようにn側電極用の細長い長方形のコンタクトホール12bを互いに平行に二つ形成し、これらのコンタクトホール12bの内部にn型GaN層11を露出させる。次に、それぞれのコンタクトホール12bを通じてn型GaN層11にコンタクトするように細長い長方形のn側電極20を形成する。n側電極20は一つ以上あればよく、
図10Aおよび
図10Bに示す例では二つ形成されている。
【0064】
次に、
図11Aおよび
図11Bに示すように、チップ分離用のエッチングマスク(図示せず)を形成した後、このエッチングマスクを用いてサファイア基板30に達するまでRIE法によりサファイア基板30に垂直方向にエッチングする。こうして分離溝31を形成する。
【0065】
次に、
図12に示すように、全てのチップ領域から選択されたチップ領域(全てのチップ領域が選択される場合を含む)のp側電極19およびn側電極20の配列パターンと同じ配列パターンで半田層41が形成された二次基板40を用意し、この二次基板40の半田層41と
図11Aおよび
図11Bに示す、分離溝31まで形成されたサファイア基板30のp側電極19およびn側電極20とが対応するように重ね合わせる。
【0066】
次に、
図13に示すように、サファイア基板30の裏面側から全部または選択された一部のチップ領域にレーザービームを照射することにより、そのチップ領域のn型GaN層11とサファイア基板30との界面で剥離を生じさせてサファイア基板30を分離する(レーザーリフトオフ)と同時に、そのチップ領域に対応する部分にある半田層41をレーザービーム照射時に青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rに発生する熱の伝導により溶かす。その後、半田層41が冷えて固まってから、サファイア基板30を二次基板40から離す。サファイア基板30の裏面側から選択されたチップ領域にのみレーザービームを照射する場合は、選択されたチップ領域に対応する部分のみが開口した所定のマスク(図示せず)を用いてレーザービームを照射する。なお、サファイア基板30は可視光に対して透明であるため、剥離せずそのまま残しておいてもよい。
【0067】
以上のようにして、
図14に示すように、マイクロLEDチップ10が二次基板40の所定位置に転写された状態で製造される。
図14においては、一例として、マイクロLEDチップ10が二つ置きに転写されている場合が示されている。
【0068】
次に、マイクロLEDチップの製造方法の他の例(製造方法2)を説明する。
【0069】
まず、
図15Aおよび
図15Bに示すように、製造方法1と同様にしてC面方位のサファイア基板30上にn型GaN層11を成長させた後、n型GaN層11上に絶縁膜12を形成し、絶縁膜12をパターニングすることにより、青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Gを形成する部分にそれぞれ細長い長方形の開口12aを形成する。ここで、
図15Aは平面図、
図15Bは断面図である。
【0070】
次に、
図16に示すように、製造方法1と同様にして、各開口12aの部分にGaN層13を六角錐台の島状に成長させる。
【0071】
次に、
図17に示すように、各開口12aの部分に成長したGaN層13上にIn
x Ga
1-x N/In
y Ga
1-y N MQW構造を有する発光層14を成長させる。
【0072】
次に、
図18に示すように、青色発光AlGaInN系LED構造Bを形成する部分の発光層14だけを覆うように絶縁膜18を形成する。
【0073】
次に、
図19に示すように、絶縁膜18で覆われていない部分の発光層14上にIn
x Ga
1-x N/In
y Ga
1-y N MQW構造を有する発光層15を成長させる。
【0074】
次に、
図20に示すように、緑色発光AlGaInN系LED構造Gを形成する部分の発光層15だけを覆うように絶縁膜18を形成する。
【0075】
次に、
図21に示すように、絶縁膜18で覆われていない部分の発光層15上にIn
x Ga
1-x N/In
y Ga
1-y N MQW構造を有する発光層16を成長させる。
【0076】
次に、
図22に示すように、赤色発光AlGaInN系LED構造Rを形成する部分の発光層16だけを覆うように絶縁膜18を形成した後、発光層14、15、16上の絶縁膜18にコンタクトホール18aを形成する。
【0077】
次に、
図23に示すように、それぞれのコンタクトホール18aの内部の発光層14、15、16上にp型GaN層17をエピタキシャル成長させた後、それぞれのp型GaN層17上にコンタクトホール18aを通じてp側電極19を形成する。
【0078】
次に、製造方法1と同様に、二次基板40とサファイア基板30との重ね合わせ以降の工程を実行し、マイクロLEDチップ10を二次基板40の所定位置に転写された状態で製造する。
【0079】
ここで、製造方法2では、緑色発光AlGaInN系LED構造Gにおいては、青色発光の発光層14上に緑色発光の発光層15が成長され、赤色発光AlGaInN系LED構造Rにおいては、青色発光の発光層14上に緑色発光の発光層15が成長され、その上に赤色発光の発光層16が成長されている。この場合、緑色発光AlGaInN系LED構造Gにおいては、発光層14が存在しても、ホール注入層であるp型GaN層17に最も近く、バンドギャップがより小さい発光層15における発光が支配的となるため、緑色発光が得られる。同様に、赤色発光AlGaInN系LED構造Rにおいては、発光層14および発光層15が存在しても、p型GaN層17に最も近く、バンドギャップがより小さい発光層16における発光が支配的となるため、赤色発光が得られる。
【0080】
以上のように、この第1の実施の形態によれば、主として発光が行われるGaN層13の上面の発光層14はマイクロLEDチップ10を形成する際のドライエッチング部分と完全に分離されており、エッチングダメージの影響を受けない。そして、p側電極19とn側電極20との間に流れる電流も、p型GaN層17の形状により、GaN層13の上面の発光層14、15、16の部分に集中して流れるため、GaN層13の上面の発光層14、15、16の部分での電子-ホール再結合確率を高く維持することができ、それによって高い発光効率を得ることができる。また、このマイクロLEDチップ10は従来公知の技術を用いて容易かつ低コストで製造することができる。また、このマイクロLEDチップ10は、n型GaN層11上に、青色発光のAlGaInN系LED構造B、緑色発光のAlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光のAlGaInN系LED構造Rを有することから、1チップで青色、緑色および赤色の発光が可能である。そして、この高性能のマイクロ発光LEDチップ10を用いて高性能のマイクロLEDディスプレイを実現することができ、このマイクロLEDディスプレイを用いて高性能のXRグラスを実現することができる。また、このマイクロLEDチップ10は、青色発光のAlGaInN系LED構造B、緑色発光のAlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光のAlGaInN系LED構造Rのいずれもそれぞれ4つのp側電極19を有し、それらは独立制御可能であるため、個々のチップの検査(全数検査)を省略して数百万~数千万個に及ぶマイクロ発光LEDチップを一括転写して組み立てた場合であっても、配線の断絶により不良部分を切り離すことで画素の修復が可能であるため、マイクロLEDディスプレイの高い製造歩留まりを確保することができる。
【0081】
〈第2の実施の形態〉
[マイクロLEDチップ転写用基板]
図24はマイクロLEDチップ転写用基板100を示す断面図である。
図24に示すように、マイクロLEDチップ転写用基板100は、
図11Aおよび
図11Bに示すような、分離溝31により囲まれたチップ領域が二次元アレイ状に多数設けられものである。
【0082】
[マイクロLEDチップ転写用基板の製造方法]
このマイクロLEDチップ転写用基板100は第1の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法1または製造方法2を分離溝31を形成する工程まで実行することにより製造することができる。
【0083】
[マイクロLEDチップ転写用基板の使用方法]
第1の実施の形態の製造方法1と同様にして、
図25Aに示すようにマイクロLEDチップ転写用基板100を二次基板40と貼り合わせた後、レーザービーム照射を行うことにより、
図25Bに示すように、マイクロLEDチップ10を二次基板40の所定位置に転写する。
【0084】
第2の実施の形態によれば、マイクロLEDチップ転写用基板100を用いることにより、第1の実施の形態によるマイクロLEDチップ10を二次基板40に対し多数、一括して転写することができる。
【0085】
〈第3の実施の形態〉
[マイクロLEDチップ]
図26A、
図26Bおよび
図26Cは第3の実施の形態によるマイクロLEDチップ10を示し、
図26Aは斜視図、
図26Bは
図26AのB-B線に沿っての断面図、
図26Cは
図26AのC-C線に沿っての断面図である。
図26A、
図26Bおよび
図26Cに示すように、このマイクロLEDチップ10においては、n型GaN層11上に絶縁膜12が設けられているが、この場合、絶縁膜12には、第1の実施の形態における細長い長方形の形状の開口12aに対応する位置に複数(ここでは一例として4個)の円形の開口12aが等間隔で一列に設けられている。そして、それぞれの開口12aの部分におけるn型GaN層11上に、島状の六角錐台状のGaN層13がSiO
2 膜12上に延在するように設けられている。そして、青色発光のAlGaInN系LED構造Bを形成する部分においては、このGaN層13の上面および側面(斜面)に沿って発光層14が島状に設けられ、この発光層14を覆うようにp型GaN層17が設けられ、このp型GaN層17を覆うように絶縁膜18が設けられ、この絶縁膜18に設けられたコンタクトホール18aを通じてp型GaN層17上にp側電極19が設けられている。同様に、緑色発光のAlGaInN系LED構造Gを形成する部分においては、このGaN層13の上面および側面(斜面)に沿って発光層15が島状に設けられ、この発光層15を覆うようにp型GaN層17が設けられ、このp型GaN層17を覆うように絶縁膜18が設けられ、この絶縁膜18に設けられたコンタクトホール18aを通じてp型GaN層17上にp側電極19が設けられている。また、赤色発光のAlGaInN系LED構造Rを形成する部分においては、このGaN層13の上面および側面(斜面)に沿って発光層16が島状に設けられ、この発光層16を覆うようにp型GaN層17が設けられ、このp型GaN層17を覆うように絶縁膜18が設けられ、この絶縁膜18に設けられたコンタクトホール18aを通じてp型GaN層17上にp側電極19が設けられている。この場合、青色発光のAlGaInN系LED構造BのN
b =4、緑色発光のAlGaInN系LED構造GのN
g =4、赤色発光のAlGaInN系LED構造RのN
r =4であり、p側電極19の数は青色発光のAlGaInN系LED構造B、緑色発光のAlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光のAlGaInN系LED構造RのいずれにおいてもN
p =1であるため、N
p ×N
b ≧2、N
p ×N
g ≧2、N
p ×N
r ≧2が満たされている。このマイクロLEDチップ10においては、上記以外のことは、第1の実施の形態によるマイクロLEDチップ10と同様である。
【0086】
[マイクロLEDチップの製造方法]
まず、
図27Aおよび
図27Bに示すように、第1の実施の形態の製造方法1と同様にして、サファイア基板30上にn型GaN層11を成長させ、その上に絶縁膜12を形成した後、絶縁膜12をパターニングすることにより円形の開口12aを形成する。ここで、
図27Aは平面図、
図27Bは断面図である。次に、
図28Aおよび
図28Bに示すように、製造方法1と同様に工程を進め、絶縁膜12の開口12aの部分におけるn型GaN層11上への島状の六角錐台状のGaN層13の成長を経て、青色発光のAlGaInN系LED構造B、緑色発光のAlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光のAlGaInN系LED構造Rを形成し、最終的に二次基板40への転写を経て目的とするマイクロLEDチップ10を製造する。ここで、
図28Aは平面図、
図28Bは断面図である。
【0087】
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
【0088】
〈第4の実施の形態〉
[マイクロLEDチップ転写用基板]
図29はマイクロLEDチップ転写用基板100を示す断面図である。
図29に示すように、マイクロLEDチップ転写用基板100は、
図28Aおよび
図28Bに示すような、分離溝31により囲まれたチップ領域が二次元アレイ状に多数設けられものである。
【0089】
[マイクロLEDチップ転写用基板の製造方法]
このマイクロLEDチップ転写用基板100は第3の実施の形態によるマイクロLEDチップの製造方法を分離溝31を形成する工程まで実行することにより製造することができる。
【0090】
[マイクロLEDチップ転写用基板の使用方法]
第3の実施の形態の製造方法と同様にして、マイクロLEDチップ転写用基板100を二次基板40と貼り合わせた後、レーザービーム照射を行うことにより、マイクロLEDチップ10を二次基板40の所定位置に転写する。
【0091】
第4の実施の形態によれば、マイクロLEDチップ転写用基板100を用いることにより、第3の実施の形態によるマイクロLEDチップ10を二次基板40に対し多数、一括して転写することができる。
【0092】
〈第5の実施の形態〉
[XRグラス]
図30は第5の実施の形態によるXRグラスを示す。
図30に示すように、このXRグラスにおいては、両目の風防部201、202のうちのユーザーがこのXRグラスを装着したときにユーザーの両目の瞳に対向する部分の内側の面にマイクロLEDチップ10が二次元アレイ状に多数実装されたディスプレイ部300が装着されている。風防部201、202の材質はガラスまたはプラスチックが一般的であるが、場合に応じて近視用または遠視用のレンズとしての度があってもよい。ディスプレイ部300とユーザーがこのXRグラスを装着したときのユーザーの両目の瞳との間の距離は十数mmと短いため、瞳とディスプレイ部300の発光面との間には焦点距離を合わせるためのレンズ(図示せず)が少なくとも一つ装着され、目に負担のない距離で各画素に焦点が合うように調節される。レンズはディスプレイ部300の全体をカバーする凸レンズやフレネルレンズであってもよいし、画素毎にマイクロレンズを設置してもよい。また、レンズは一つのみならず、複数のレンズを組み合わせて光学系を構成してもよい。ディスプレイ部300は風防部201、202に比べて小さく構成されている。ディスプレイ部300は、フレキシブルプリント回路400を介して、プリント回路基板500に実装されたSi-CMOSICからなる駆動回路基板550と接続されている。フレキシブルプリント回路400およびプリント回路基板500はフレーム203上に装着されている。プリント回路基板500はフレーム203の耳掛け部に巻き付けられた状態で装着されている。
図31にディスプレイ部300、フレキシブルプリント回路400およびプリント回路基板500の全体図を示す。
【0093】
駆動回路基板550には、CMOS回路により構成された駆動回路560が二次元アレイ状に設けられている。
図31において駆動回路基板550に一点鎖線で示した互いに隣接する三つの駆動回路560により1画素駆動回路が構成される。駆動回路560の大きさは必要に応じて選択され、特に限定されないが、例えば24μm□程度である。
【0094】
ディスプレイ部300の詳細を
図32Aに示す。
図32Bおよび
図32Cはそれぞれ
図32AのB-B線に沿っての断面図およびC-C線に沿っての断面図である。
図31、
図32A、
図32Bおよび
図32Cに示すように、ディスプレイ部300には、青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rを有するマイクロLEDチップ10が二次元アレイ状に多数、配置されている。フレキシブルプリント回路400を介して駆動回路基板550の駆動回路560に接続されたp側配線711から一つのマイクロLEDチップ10当たり4本分岐した支線部配線712が青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rのそれぞれの4つのp側電極19と接続されている。図示は省略するが、支線部配線712の途中には薄膜ヒューズが設けられており、p側電極19のリーク不良などにより過大な通電があったときに薄膜ヒューズが溶断することにより支線部配線712を切断することができるようになっている。同じくフレキシブルプリント回路400を介して駆動回路基板550の駆動回路560に接続されたn側配線721から分岐した2本の支線部配線722がマイクロLEDチップ10の両端部のn側電極20に接続されている。n側配線721からはマイクロLEDチップ10の両端部のn側電極20を互いに接続するように支線部配線723も分岐している。
図32Aにおいて一点鎖線で囲んだ部分により1画素が構成される。1画素の大きさは、例えば、4.2μm×4.2μmである。これは画素密度6000ppiに相当する。マイクロLEDチップ10のチップサイズを例えば1.6μm×1.6μmとすると、開口率はおおよそ85%となる。ディスプレイ部300および駆動回路基板550の電源(バッテリー)や制御回路などはXRグラスのフレーム203の耳掛け部や風防部201、202などに設けられる。ディスプレイ部300におけるマイクロLEDチップ10の実装は第3のマイクロLEDチップ転写用基板100を用いて容易に行うことができる。
【0095】
第5の実施の形態によれば、次のような利点を得ることができる。すなわち、XRグラス用のディスプレイ部300は、青色発光AlGaInN系LED構造B、緑色発光AlGaInN系LED構造Gおよび赤色発光AlGaInN系LED構造Rを有し、青色発光、緑色発光および赤色発光が可能なマイクロLEDチップ10を二次元アレイ状に配置しているため、ディスプレイ部300の1画素に占めるマイクロLEDチップ10の面積を極めて小さくすることができ、1画素の開口率を大幅に増大させることができる。また、数万PPIの画素密度も容易に実現することができる。さらに、マイクロLEDチップ10の実装はマイクロLEDチップ転写用基板100を用いて迅速かつ容易に行うことができる。また、このXRグラスでは、駆動回路基板550が搭載されたプリント回路基板500とディスプレイ部300とがフレキシブルプリント回路400により互いに接続されているため、駆動回路基板550の駆動回路560のアレイをより低い密度で製作すれば足りる。以上により、高性能のXRグラスを容易に実現することができる。
【0096】
〈第6の実施の形態〉
[XRグラス]
図33は第6の実施の形態によるXRグラスを示す。
図33に示すように、このXRグラスにおいては、フレーム303の耳掛け部に巻き付けられた状態でライトエンジン(Light Engine) 600が設けられている。
図34にライトエンジン600の展開図を示す。
図34に示すように、ライトエンジン600は、マイクロLEDチップ10が二次元アレイ状に多数実装されたLEDアレイ部610とプリント回路基板500に実装されたSi-CMOSICからなる駆動回路基板550とがフレキシブルプリント回路400により接続されている。ライトエンジン600の発光部から、フレーム303の耳掛け部を通って、両目の風防部301、302のうちのユーザーがこのXRグラスを装着したときにユーザーの両目の瞳に対向する部分の内側の面まで光導波路(図示せず)が設けられている。そして、ライトエンジン600のLEDアレイ部610のマイクロLEDチップ10から出射した光がレンズ(図示せず)を介して光導波路の一端部に入射し、光導波路内で全反射を繰り返して光導波路の他端部から外部に光が出射されるようになっており、この光導波路の他端部によりディスプレイ部300が構成されている。LEDアレイ部610では、マイクロLEDチップ10が、縦横に設けられたp側配線711およびn側配線721からなる単純マトリックス配線により接続されている。LEDアレイ部610の詳細を
図35Aに示す。
図35Bおよび
図32Cはそれぞれ
図35AのB-B線に沿っての断面図およびC-C線に沿っての断面図である。LEDアレイ部610のマイクロLEDチップ10はマイクロLEDチップ転写用基板100を用いて容易に実装することができる。
【0097】
第6の実施の形態によれば、ディスプレイ部300に光導波路を使うため開口率を確保する必要はなく、LEDアレイ部610にマイクロLEDチップ10を高密度に配列することによりライトエンジン600をコンパクト化することができるという利点を得ることができる。
【0098】
〈第7の実施の形態〉
[XRグラス]
第7の実施の形態によるXRグラスにおいては、ライトエンジン600の構成が第6の実施の形態によるXRグラスと異なる。
図36にこの第7の実施の形態によるXRグラスにおいて用いるライトエンジン600を示す。
【0099】
第1~第6の実施の形態においては、マイクロLEDチップ10の製造に用いるサファイア基板30を最終的に剥離しているが、サファイア基板30は可視光に対して透明であるため、剥離せずに使うことも可能である。そこで、この第7の実施の形態によるXRグラスにおいては、サファイア基板30上に分離溝31を形成する工程の前の工程まで実行した後、サファイア基板30を裏面から研磨して薄化する。例えば、厚さが400μmのサファイア基板30を用い、このサファイア基板30を100μm以下の厚さ、例えば80μmに薄化する。次に、必要な画素数を含むサイズでサファイア基板30をカットし、
図36に示すように、こうしてカットされた所定サイズのサファイア基板30をプリント回路基板500に実装されたSi-CMOSICからなる駆動回路基板550を二次基板として貼り合わせる。プリント回路基板500と駆動回路基板550との間はワイヤーWでボンディングされている。この場合、LEDアレイ部610が駆動回路基板550に貼り合わせられる。プリント回路基板500は端子501に接続された配線502により電源や制御回路に接続される。第6の実施の形態と同様に、ライトエンジン600のLEDアレイ部610のマイクロLEDチップ10から出射した光はレンズ(図示せず)を介して光導波路の一端部に入射し、光導波路内で全反射を繰り返して光導波路の他端部から外部に光が出射されるようになっており、この光導波路の他端部によりディスプレイ部300が構成されている。
【0100】
第7の実施の形態によれば、第5および第6の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
【0101】
〈第8の実施の形態〉
[レーザダイオードチップ]
図37Aおよび
図37Bは第8の実施の形態によるレーザダイオード(LD)チップ700を示し、
図37Aは平面図、
図37Bは
図37AのB-B線に沿っての断面図である。
図37Aおよび
図37Bに示すように、LDチップ700は全体として長方形の平面形状を有し、n型GaN層701上にそれぞれメサ状の青色発光AlGaInN系LD構造B’、緑色発光AlGaInN系LD構造G’および赤色発光AlGaInN系LD構造R’を有する。LDチップ700の長手方向が共振器長方向である。n型GaN層701上にはn型Al
x Ga
1-x Nクラッド層702(0≦x≦1)が設けられている。n型Al
x Ga
1-x N層702上には細長い長方形の開口703aを有する絶縁膜703が設けられ、この開口703aの部分のn型Al
x Ga
1-x Nクラッド層702上に多角錐台状のn型Al
y Ga
1-y N光導波層704(0≦y≦1)が設けられている。青色発光のAlGaInN系LD構造B’においては、
図37Aおよび
図37B中、左端の開口703aの部分のn型Al
y Ga
1-y N光導波層704の上面および側面(斜面)に沿って青色発光用の活性層705が島状に設けられている。緑色発光のAlGaInN系LD構造G’においては、
図37Aおよび
図37B中、中央の開口703aの部分のn型Al
y Ga
1-y N光導波層704の上面および側面(斜面)に沿って緑色発光用の活性層706が島状に設けられている。赤色発光のAlGaInN系LD構造R’においては、
図37Aおよび
図37B中、右端の開口703aの部分のn型Al
y Ga
1-y N光導波層704の上面および側面(斜面)に沿って赤色発光用の活性層707が島状に設けられている。活性層705、706、707はそれぞれ発光層14、15、16と同様に構成される。活性層705、706、707のそれぞれを覆うようにp型GaN光導波層708が設けられている。それぞれのp型GaN光導波層708上にはp型Al
w Ga
1-w Nクラッド層709(0<w≦1)およびp型GaNコンタクト層710が順次設けられている。そして、それぞれのp型GaNコンタクト層710上にはp側電極711がオーミック接触して設けられている。LDチップ700の共振器長方向に平行な辺の近傍の部分のn型GaN層701は露出しており、この露出したn型GaN層701上にn側電極712がオーミック接触して設けられている。図示は省略するが、LDチップ700の共振器長方向に垂直な両端面には端面コーティングが施されている。すなわち、LDチップ700の一方の端面には高反射率(HR)膜がコーティングされ、他方の端面には反射防止(AR)膜がコーティングされている。なお、n型GaN層701はC面サファイア基板、Si基板、n型GaN基板などの上に設けられていることもある。n型GaN層701が基板上に設けられていない場合またはn型GaN層701がn型GaN基板上に設けられている場合、n側電極712はn型GaN層701の裏面またはn型GaN基板の裏面に設けてもよい。
【0102】
[LDチップの動作]
このLDチップ700において、青色発光AlGaInN系LD構造B’におけるp側電極711とn側電極712との間に順方向バイアスを印加することによりAR膜を通して青色のレーザー光を発光させることができ、緑色発光AlGaInN系LD構造G’におけるp側電極711とn側電極712との間に順方向バイアスを印加することにより緑色のレーザー光を発光させることができ、赤色発光AlGaInN系LD構造R’におけるp側電極711とn側電極712との間に順方向バイアスを印加することにより赤色のレーザー光を発光させることができる。この場合、n型GaN層702とp型GaN光導波層708との間は開口703a以外の部分では絶縁膜703により分離されているため、動作時にリーク電流が発生するのを効果的に抑制することができる。また、抵抗率が高いp型GaN光導波層708の厚さはn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の上面の上方の部分の方がn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の側面(斜面)の上方の部分より小さいため、p側電極711とn側電極712との間に流れる電流は、より抵抗が低い、n型Alx Ga1-x Nクラッド層702の上面の上方の部分のp型GaN光導波層708を主として通り、n型Alx Ga1-x Nクラッド層702の側面の上方の部分のp型GaN光導波層708を通る電流は少ない。また、活性層705、706、707のMQW構造のIn組成比x、yは、活性層705、706、707のうちn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の上面の上方の部分よりn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の側面の上方の部分の方が小さいため、活性層705、706、707のバンドギャップはn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の上面の上方の部分の方がn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の側面の上方の部分より小さいが、キャリア(電子、ホール)はバンドギャップが小さいn型Alx Ga1-x Nクラッド層702の上面の上方の部分の活性層705、706、707に集まりやすい。そして、こうしてp側電極711とn側電極712との間に電流が流れることにより活性層705、706、707で発光が起き、最終的に共振器端面のAR膜を通してレーザー光が外部に取り出される。
【0103】
[LDチップの製造方法]
まず、
図38Aに示すように、第1の実施の形態によるマイクロLEDチップ10の製造方法1と同様にして、基板800上にn型GaN層701およびn型Al
x Ga
1-x Nクラッド層702を順次成長させ、n型Al
x Ga
1-x Nクラッド層702上に絶縁膜703を形成して開口703aを形成し、各開口703aの部分にn型Al
y Ga
1-y N光導波層704を成長させ、その上に活性層705、706、707を成長させ、それぞれの活性層705、706、707を覆うようにp型GaN光導波層708を成長させる。ここで、絶縁膜703の開口703aは、青色発光のAlGaInN系LD構造B’、緑色発光のAlGaInN系LD構造G’および赤色発光のAlGaInN系LD構造R’の一単位の中では互いに等間隔に形成されるが、隣接する一単位との間の間隔はそれよりも大きくなっている。基板800は、例えば、C面サファイア基板、Si基板、n型GaN基板などである。
【0104】
次に、
図38Bに示すように、全面にp型Al
w Ga
1-w Nクラッド層709およびp型GaNコンタクト層710を順次成長させる。必要に応じて、青色発光のAlGaInN系LD構造B’、緑色発光のAlGaInN系LD構造G’および赤色発光のAlGaInN系LD構造R’毎にp型Al
w Ga
1-w Nクラッド層709の屈折率(Al組成)や厚さを変えて、個別にp型Al
w Ga
1-w Nクラッド層709およびp型GaNコンタクト層710を成長させるようにしてもよい。
【0105】
次に、
図38Cに示すように、活性層705、706、707の上方の部分のp型GaNコンタクト層710上にp側電極711を形成する。
【0106】
次に、
図38Dに示すように、所定のマスクを用いて、反応性イオンエッチング(RIE)法などによりn型Al
x Ga
1-x Nクラッド層702に達するまでエッチングを行うことにより、青色発光のAlGaInN系LD構造B’、緑色発光のAlGaInN系LD構造G’および赤色発光のAlGaInN系LD構造R’を互いに分離して形成する。
【0107】
次に、
図38Eに示すように、青色発光のAlGaInN系LD構造B’、緑色発光のAlGaInN系LD構造G’および赤色発光のAlGaInN系LD構造R’の一単位と隣接する一単位との間の部分のn型Al
x Ga
1-x Nクラッド層702およびn型GaN層701の上部をRIE法などによりエッチングした後、露出したn型GaN層701上にn側電極712を形成する。
【0108】
次に、基板800の裏面を研磨して基板800の厚さを~100μm以下まで減少させる。
【0109】
次に、従来公知の方法により、青色発光のAlGaInN系LD構造B’、緑色発光のAlGaInN系LD構造G’および赤色発光のAlGaInN系LD構造R’が形成された基板800を壁開してレーザーバーを形成し、引き続いてレーザーバーの両端面にそれぞれAR膜およびHR膜をコーティングした後、このレーザーバーをチップ化する。
【0110】
以上のようにして、
図37Aおよび
図37Bに示すように、目的とするLDチップ700を製造することができる。
【0111】
この第8の実施の形態によれば、一つのLDチップ700内に青色発光のAlGaInN系LD構造B’、緑色発光のAlGaInN系LD構造G’および赤色発光のAlGaInN系LD構造R’を有することから、1チップで青色、緑色および赤色の発光が可能であり、しかもそれぞれのLD構造においては多角錐台状のn型Aly Ga1-y N光導波層704の上面および側面に沿って発光層が設けられるため、LDチップの側面にドライエッチングなどにより発生した欠陥が存在しても、その影響が発光に及ぶことはほとんどないことから、微細化しても高い発光効率を得ることができ、しかも構造が簡単であるため容易に製造することができる。
【0112】
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0113】
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、構成、形状、材料、方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構成、形状、材料、方法などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10…縦型マイクロLEDチップ、11…n型GaN層、12…絶縁膜、12a…開口、13…GaN層、14、15、16…発光層、17…p型GaN層、18…絶縁膜、18a…コンタクトホール、19…p側電極、20…n側電極、30…C面サファイア基板、40…二次基板、41…半田層、701…n型GaN層、702…n型Alx Ga1-x Nクラッド層、703…絶縁膜、703a…開口、704…n型Aly Ga1-y N光導波層、705、706、707…活性層、708…p型GaN光導波層、709…p型Alw Ga1-w Nクラッド層、710…p型GaNコンタクト層、711…p側電極、712…n側電極、B…青色発光のAlGaInN系LED構造、G…緑色発光のAlGaInN系LED構造、R…赤色発光のAlGaInN系LED構造、B’…青色発光のAlGaInN系LD構造、G’…緑色発光のAlGaInN系LD構造、R’…赤色発光のAlGaInN系LD構造