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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018893
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20250130BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
H04Q9/00 311H
G08C15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010617
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2023121258
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】312003595
【氏名又は名称】タカハタプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162341
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬崎 幸典
(72)【発明者】
【氏名】深澤 国男
(72)【発明者】
【氏名】西浦 雅人
(72)【発明者】
【氏名】平田 吉良
【テーマコード(参考)】
2F073
5K048
【Fターム(参考)】
2F073AA07
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073CD17
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
5K048BA35
5K048DB01
5K048DC01
5K048DC03
5K048EA01
5K048EB10
(57)【要約】
【課題】複数種類の水道メータにおける指針値情報を受信して外部機器へ送信することができる通信装置を提供する。
【解決手段】予め定められた起動電文方式を有する水道メータの種類毎の通信インターフェースを有し、水道メータの指針値情報を有線通信で取得する第1通信部と、第1通信部で受信した指針値情報を、Wi-SUN HAN(Home Area Network 登録商標)又はWi-SUN Enhanced HAN(Home Area Network)規格に準拠した無線通信、又はWi-SUN FAN(Field Area Network)規格に準拠した無線通信、又はWi-Fi(Wireless Fidelity 登録商標)規格に準拠した無線通信を介して外部機器に送信する第2通信部と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた起動電文方式を有する水道メータの指針値情報を有線通信で受信する第1通信部と、
前記第1通信部で受信した前記指針値情報をWi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信又はWi-Fi(Wireless Fidelity 登録商標)規格に準拠した無線通信を介して外部機器に送信する第2通信部と、を備えた、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記第1通信部は、前記水道メータの種類毎の通信インターフェースを有し複数種類の前記水道メータとの間で通信を行い前記指針値情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記起動電文方式は、8ビット電文方式、5ビット電文方式及びパルス信号出力方式を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2通信部は、Wi-SUN HAN(Home Area Network)又はWi-SUN Enhanced HAN(Home Area Network)規格に準拠した無線通信及びWi-SUN FAN(Field Area Network)規格に準拠した無線通信との間で切り替え可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記外部機器は、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格又はWi-Fi(Wireless Fidelity 登録商標)規格に準拠した無線通信機能を有し集中検針装置が検針する際の中継を行う中継伝送装置又は前記水道メータが設置された需要家に設置された負荷機器を制御するEMS(Energy Management System)機器、及びマルチホップメッシュネットワークを形成する電力メータのいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集中検針装置及び複数の通信機能付きメータが接続され、該複数のメータに対して集中検針装置が検針する際の中継を行う中継伝送装置において、複数のメータは、通信速度及び/又はデータ構成が異なる複数種類のメータを含み、当該中継伝送装置は、集中検針装置との間で伝送信号を送受信する集中検針装置通信回路と、メータの種類毎の通信インターフェースを有し複数種類のメータとの間で伝送信号を送受信するメータ通信回路と、集中検針装置通信回路及びメータ通信回路を介した、集中検針装置及びメータのうちいずれか一方に該当する発信元装置から他方に該当する送信先装置への通信を制御する制御部と、を備え、該制御部は、発信元装置から送信された伝送信号を、集中検針装置通信回路及びメータ通信回路のうちの発信元装置側の通信回路で受信して、集中検針装置通信回路及びメータ通信回路のうちの送信先装置側の通信回路で送信先装置へ送信するに際し、通信対象となっている通信インターフェースの種別に基づき、通信速度及び/又はデータ構成の変換が必要か否かを判定する変換判定手段と、該変換判定手段で通信速度の変換が必要であるとの判定がなされた場合、発信元装置から受信した伝送信号の通信速度を、発信元装置側の通信回路から受信した伝送信号に対して波形長を制御することで、送信先装置の通信速度に合わせて変換する通信変換手段と、変換判定手段でデータ構成の変換が必要であるとの判定がなされた場合、発信元装置から受信した伝送信号のデータ構成を、送信先装置のデータ構成に合わせて変換するデータ変換手段と、を有し、 変換判定手段で通信速度及びデータ構成の変換が不要であるとの判定がなされた場合には、発信元装置側の通信回路で受信した伝送信号をそのまま素通りさせて送信先装置側の通信回路で送信側装置へ送信する制御を行う中継伝送装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
電力計測機能及びWi-SUN(登録商標)通信機能を備えたスマートメータと通信を実施する通信モジュールを備えたスマートメータ通信部と、スマートメータと通信して入手した使用電力データを出力するデータ送信部と、外部機器からスマートメータのID及びパスワードを入力するためのWi-Fi通信部と、通信を制御する通信制御部と、Wi-Fi通信部をオフ状態からオン状態へ移行させる通信操作部とを備え、通信制御部は、通信操作部の操作でオン状態に移行したWi-Fi通信部を介して外部機器から送信されたスマートメータのID及びパスワードの情報を受信したら、当該情報を登録してスマートメータとの間でWi-SUN(登録商標)通信を開始するスマートメータ通信装置も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-249893号公報
【特許文献2】特開2019-106599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数種類の水道メータにおける指針値情報を受信して外部機器へ送信する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の通信装置は、
予め定められた起動電文方式を有する水道メータの指針値情報を有線通信で取得する第1通信部と、
前記第1通信部で取得した前記指針値情報をWi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信又はWi-Fi(Wireless Fidelity 登録商標)規格に準拠した無線通信を介して外部機器に送信する第2通信部と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信装置において、
前記第1通信部は、前記水道メータの種類毎の通信インターフェースを有し複数種類の前記水道メータとの間で通信を行い前記指針値情報を取得する、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の通信装置において、
前記起動電文方式は、8ビット電文方式、5ビット電文方式及びパルス信号出力方式を含む、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の通信装置において、
前記第2通信部は、Wi-SUN HAN(Home Area Network)又はWi-SUN Enhanced HAN(Home Area Network)規格に準拠した無線通信及びWi-SUN FAN(Field Area Network)規格に準拠した無線通信との間で切り替え可能である、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記外部機器は、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格又はWi-Fi(Wireless Fidelity 登録商標)規格に準拠した無線通信機能を有し集中検針装置が検針する際の中継を行う中継伝送装置又は前記水道メータが設置された需要家に設置された負荷機器を制御するEMS(Energy Management System)機器、及びマルチホップメッシュネットワークを形成する電力メータのいずれかを含む、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、複数種類の水道メータにおける指針値情報を受信して外部機器へ送信することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、異なる通信方式の水道メータに対応して通信を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、異なる起動電文方式の水道メータに対応して通信を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、Aルート、IoTルート又はBルートの2系統でWi-SUN通信プロファイルを切り替えて送信することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、水道メータにおける指針値情報をAルート、IoTルート又はBルートで外部へ送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る通信装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
図2】本実施形態に係る通信装置における伝送信号の変換判定処理を説明する図である。
図3】(a)は通信装置におけるBルートのWi-SUN HAN、Wi-SUN Enhanced HAN又はWi-SUN FAN通信を説明する図、(b)は通信装置におけるAルート、IoTルートのWi-SUN FAN、Wi-SUN HAN、又はWi-SUN Enhanced HAN通信を説明する図である。
図4】本実施形態に係る通信装置における流量積算データの送信の処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0018】
(1)通信装置の構成
図1は本実施形態に係る通信装置1の全体構成を示す機能ブロック図、図2は本実施形態に係る通信装置1における伝送信号の変換判定処理を説明する図、図3(a)は通信装置1におけるBルートのWi-SUN HAN、Wi-SUN Enhanced HAN又はWi-SUN FAN通信を説明する図、(b)は通信装置1におけるAルート、IoTルートのWi-SUN FAN、Wi-SUN HAN又はWi-SUN Enhanced HAN通信を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る通信装置1の全体構成と動作について説明する。
【0019】
(1.1)通信装置の全体構成
通信装置1は、図1に示すように、水道メータ2と通信する第1通信部11と、外部機器3と通信する第2通信部12と、水道メータ2から受信した水の流量積算データを含む指針値情報(以下、流量積算データと記す)を含む通信装置1の各種処理に利用する情報を記憶する記憶部13と、通信装置1の動作を統括的に制御する制御部14と、を備えている。
【0020】
ここに、水道メータ2としては、水の流量に応じて回転する回転体の回転速度に基づいて水の流量データを積算する電子式水道メータ、水の流路内に励磁コイルにより磁場を発生させ、流路の外周部の対向位置に配設した1対の電極から、水の流量に応じた起電力を発生させて水の流量を算出する電磁式水道メータ、水の流路の上下流部に1対の超音波振動子を位置をずらして配置し、両側の超音波振動子から相互に超音波を送受信して、その超音波の伝搬時間差から水の流量を算出する超音波式水道メータ等のいわゆる水道スマートメータが挙げられる。
【0021】
外部機器3としては、電力メータ、ゲートウェイ装置、EMS(Energy Management System)装置等が挙げられ、通信装置1は、第1通信部11で受信した水の流量積算データをWi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信を介して電力メータとの間で通信するIoTルート又はAルートと、、ゲートウェイ装置又はEMS装置との間で通信するBルートで送信する。
【0022】
また、EMSとしては、管理対象によりHEMS(Home Energy Management System)、MEMS(Mansion Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)、FEMS(Factory Energy Management System)、CEMS(Cluster/Community Energy Management System)が挙げられ、HEMSは住宅向け、MEMSは集合住宅向け、BEMSは商用ビル向け、FEMSは工場向け、CEMSはこれらを含んだ地域全体向けとなる。
【0023】
(1.2)第1通信部
第1通信部11は、水道メータ2との間で伝送信号を送受信する通信回路であり、水道メータ2と通信線4で有線接続され、水道メータ2から所定の起動電文方式で流量積算データを受信する。
第1通信部11は、図2に示すように、接続される水道メータ2が有する起動電文方式(通信I/F)の種類に対応した通信I/Fを有し、水道メータ2の通信速度及びデータ構成に対応して水道メータ2との通信を行う。ここで、起動電文方式としては、8ビット電文方式、5ビット電文方式、パルス信号出力方式が挙げられるが、これに限られない。
【0024】
また、第1通信部11は、必要に応じて通信対象となっている起動電文方式の通信I/Fの種別に基づき、発信元装置の一例としての外部機器3から受信した伝送信号の通信速度及びデータ構成を、水道メータ2の通信速度及びデータ構成に合わせて変換する。
【0025】
ここで、通信I/Fが8ビット電文方式又は5ビット電文方式である場合、ビット構成変換を行なう。また、通信I/Fがパルス信号出力方式である場合、接続された水道メータ2からパルス信号を受信し、受信したパルス信号を不揮発性メモリ等(不図示)に蓄積して求めた流量積算データを、記憶部13に保存する。一方、伝送信号の変換が必要ない場合には、データ構成変換と通信速度変換を行わずに、水道メータ2に伝送信号を出力する。
【0026】
(1.3)第2通信部
第2通信部12は、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信機能を有する通信モジュールを有し、Wi-SUN HAN(Home Area Network)規格に準拠した無線通信12A又はWi-SUN Enhanced HAN(Home Area Network)規格に準拠した無線通信12B及びWi-SUN FAN(Field Area Network)規格に準拠した無線通信12Cとの間で切り替え可能に構成されている。これにより、第2通信部12は、上述したAルート、IoTルート又はBルートを切り替えて、外部機器3としての電力メータ(Aルート、IoTルート)、又はゲートウェイ装置又はEMS機器(Bルート)とWi-SUN通信を実施して水道メータ2から受信した流量積算データを定期送信する。ここで、定期送信とは、定期的な検針情報である流量積算データを一定の送信周期(定期送信周期)で送信するものであり、定期送信周期は、例えば、5分、15分、30分及び1日(24時間)のうちのいずれかであるが、これらに限定されない。また、外部機器3からの送信要求を受けて、水道メータ2から受信した流量積算データを都度送信する。
さらに、第2通信部12は、水道メータ2の各種ステータス情報(流量計測動作に係る異常、電源状態等)を定期又は不定期で外部機器3を介してクラウドへ送信する。
【0027】
具体的には、第2通信部12は、図3(a)に示すように、EMS装置の一例であるHEMS-GW(Home Energy Management System gateway)とWi-SUN HAN、Wi-SUN Enhanced HAN又はWi-SUN FAN規格に準拠した無線通信を行って(Bルート)、記憶部13から呼び出した流量積算データを送信する。
また、第2通信部12は、図3(b)に示すように、マルチホップメッシュネットワークを形成する電力メータとWi-SUN FAN、Wi-SUN HAN又はWi-SUN Enhanced HAN規格に準拠した無線通信を行って(Aルート、IoTルート)、記憶部13から呼び出した流量積算データを送信する。
【0028】
(1.4)記憶部
記憶部13には、水道メータ2から受信した流量積算データが保存される。具体的に、制御部14の制御により定期的に水道メータ2から水の流量の積算量と、計測時刻とを対応付けた計測情報等のデータを受信して保存する。これにより、定期送信する場合、又は外部機器3からの送信要求があった場合、水道メータ2からの返信を待つことなく、記憶部13に保存されている直近の流量積算データを外部機器3に送信することができる。外部機器3に送信されたデータは、その後消去される。
【0029】
(1.5)制御部
制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含むプロセッサを有し、通信装置1を統括的に制御する。
制御部14は、第1通信部11を介して受信した水道メータ2の流量の積算量と時刻情報とを対応付けて記憶部13に記憶させる。
また、制御部14は、例えば、30分毎の流量の積算量を算出し、この流量の積算量と、計測年月日及び計測時刻と対応付けた積算流量情報を記憶部13に記憶させる。また、制御部14は、第2通信部12を介して、上述したAルート、IoTルートによる電力メータとの間の通信を制御するとともに、Bルートによるゲートウェイ装置又はEMS装置との間の通信を制御する。
制御部14は、例えば、計測年月日、計測時刻(時、分、秒の時刻情報)、及び流量の積算量を含むプロパティ値通知の起動電文を、Bルートにより30分毎にゲートウェイ装置又はEMS装置に通知する。
【0030】
(2)通信装置の動作
図4は、通信装置1における流量積算データの送信の処理の流れを示すフローチャート図である。
本実施形態に係る通信装置1は、有線接続された水道メータ2から受信した流量積算データを記憶部13に保存するとともに、定期送信周期で、又は外部機器3からの送信要求を受けて、流量積算データをWi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信を介して外部機器3に送信する。
ここでは水道メータ2の種類として、8ビット電文方式水道メータ2A、5ビット電文方式水道メータ2B、及びパルス信号出力方式水道メータ2Cの3種類を挙げて説明するが、これに限らない。また、第1通信部11に含まれる通信I/Fも同様に、8ビット電文用I/F11A、5ビット電文用I/F11B、及びパルス信号用I/F11Cの3種類を挙げて説明するが、これに限らない。
【0031】
通信装置1は、まず、ステップS101で第2通信部12を介して発信元装置としての外部機器3からの送信要求の有無を確認する(S101)。外部機器3からの送信要求が有った場合(S101:Yes)、ステップS102で起動電文方式の変換判定処理を実行する(S102)。具体的には、外部機器3から送信された伝送信号(8ビット電文方式、5ビット電文方式、パルス信号出力方式)を水道メータ2へ送信するに際し、通信対象となっている通信I/F11A、11B、11Cの種別に合わせて、通信速度及び/又はデータ構成の変換を実行する(S102)。
【0032】
次に、ステップS103で記憶部13に外部機器3へ送信すべき流量積算データが保持されているか判断する(S103)。記憶部13に流量積算データが保持されている場合(S103;Yes)、ステップS104で、第2通信部12を介して、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信で記憶部13から呼び出した流量積算データを外部機器3に送信する(S104)。
【0033】
記憶部13に流量積算データが保持されていない場合(S103;No)、第1通信部11は、水道メータ2に伝送信号を出力する(S105)。そして、第1通信部11が受信した流量積算データを、第2通信部12を介して、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信で外部機器3に送信する(S106)。
【0034】
ここで、ステップS102で、伝送信号の通信速度及び/又はデータ構成の変換を行なっている場合、再度、送信要求のあった外部機器3の起動電文方式に合わせて、通信速度及び/又はデータ構成の変換を行なって送信する。
尚、水道メータ2がパルス信号出力方式の水道メータ2Cである場合は、第1通信部11は、パルス信号を受信し、受信したパルス信号を不揮発性メモリに蓄積して求めた流量積算データを、外部機器3へ送信する。
【0035】
ステップS101で外部機器からの送信要求が無い場合(S101:No)、記憶部13から呼び出した流量積算データを外部機器3に定期送信周期で定期送信する(S107)。
【0036】
以上説明した本実施形態に係る通信装置1は、接続される水道メータ2の種類に対応した通信I/Fを有し、有線接続された水道メータ2との通信を行う。これにより、異なる起動電文方式の水道メータ2に対応して通信を行うことができる。
【0037】
また、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信機能を有する通信モジュールを有し、Wi-SUN HAN又はWi-SUN Enhanced HAN規格に準拠した無線通信及びWi-SUN FAN規格に準拠した無線通信との間で切り替え可能に構成され、外部機器3とWi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)通信を実施して水道メータ2から受信した流量積算データをAルート、IoTルート又はBルートのいずれかで送信することができる。
【0038】
本実施形態では、第2通信部12が、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network 登録商標)規格に準拠した無線通信機能を有する通信モジュールを有し、水道メータ2から受信した流量積算データを定期送信する通信装置1について説明したが、第2通信部12は、920MHzや2.4GHz等の周波数帯域の無線信号を用いた近距離無線通信の規格であって、国際規格であるIEEE802.11の規格に則るWi-Fi(Wireless Fidelity 登録商標)方式に準拠した無線通信が可能なWI-Fiモジュールで構成してもよい。WI-Fi通信により、例えば、EMS装置や電力メータとの見通し距離が最大2.3kmの範囲で、最大3.3Mbpsのデータ転送速度で流量積算データを送信することができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・通信装置
11・・・第1通信部、11A、11B、11C・・・通信I/F
12・・・第2通信部、12A・・・Wi-SUN HAN、12B・・・Wi-SUN Enhanced HAN、12C・・・Wi-SUN FAN
13・・・記憶部
14・・・制御部
2・・・水道メータ、2A・・・8ビット電文方式水道メータ、2B・・・5ビット電文方式水道メータ、2C・・・パルス信号出力方式水道メータ
3・・・外部機器(電力メータ、ゲートウェイ装置、EMS装置)
図1
図2
図3
図4