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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018898
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031319
(22)【出願日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0096506
(32)【優先日】2023-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 多熙
(72)【発明者】
【氏名】丘 奉完
(72)【発明者】
【氏名】金 智勳
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC05
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
5E316DD22
5E316DD33
5E316EE33
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シリコンインターポーザより安価なコストで製作可能な微細回路を含むプリント回路基板を提供する。
【解決手段】プリント回路基板300Aは、複数のビルドアップ絶縁層111及び複数のビルドアップ絶縁層111上又は複数のビルドアップ絶縁層内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層121を含む第1基板部100Aと、ガラス層211、ガラス層の上側及び下側にそれぞれ配置された第1配線層221及び第2配線層222、ガラス層の上側に配置された絶縁層212並びに絶縁層の上側に配置された第3配線層223を含み、第1基板部上に積層されるか又は第1基板部内に埋め込まれる第2基板部200Aとを含み、第1配線層~第3配線層のそれぞれの回路の平均ピッチは、複数のビルドアップ配線層のそれぞれの回路の平均ピッチより小さい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビルドアップ絶縁層、及び前記複数のビルドアップ絶縁層上又は前記複数のビルドアップ絶縁層内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層を含む第1基板部と、
ガラス層、前記ガラス層の上側及び下側にそれぞれ配置された第1配線層及び第2配線層、前記ガラス層の上側に配置された絶縁層、並びに前記絶縁層の上側に配置された第3配線層を含み、前記第1基板部上に積層されるか又は前記第1基板部内に埋め込まれる第2基板部とを含み、
前記第1配線層~第3配線層のそれぞれの回路の平均ピッチは、前記複数のビルドアップ配線層のそれぞれの回路の平均ピッチより小さい、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1配線層~第3配線層間の隣接する層間の平均絶縁距離は、前記複数のビルドアップ配線層間の隣接する層間の平均絶縁距離より小さい、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記ガラス層及び前記絶縁層のそれぞれの厚さは、前記複数のビルドアップ絶縁層のそれぞれの厚さより薄い、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1基板部は、前記複数のビルドアップ絶縁層の少なくとも1つをそれぞれ貫通する複数のビルドアップビア層をさらに含み、
前記第2基板部は、前記ガラス層を貫通して前記第1配線層及び前記第2配線層を接続する第1ビア層、並びに前記絶縁層を貫通して前記第1配線層及び前記第3配線層を接続する第2ビア層をさらに含み、
前記第1ビア層及び前記第2ビア層のそれぞれは、前記複数のビルドアップビア層のそれぞれと断面上で互いに逆方向にテーパーしている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1ビア層及び前記第2ビア層のそれぞれのビアの断面上での上端部の幅は、前記複数のビルドアップビア層のそれぞれのビアの断面上での下端部の幅より狭い、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1ビア層及び前記第2ビア層のそれぞれの隣接するビア間の平均離隔距離は、前記複数のビルドアップビア層のそれぞれの隣接するビア間の平均離隔距離より小さい、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1配線層及び前記第2配線層、並びに前記第1ビア層は、それぞれ前記ガラス層に直接接触する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記ガラス層は、板ガラス(plate glass)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記絶縁層及び前記複数のビルドアップ絶縁層は、それぞれABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)、又はPID(Photo Imageable Dielectric)を含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第2基板部上に配置され、前記第1配線層~第3配線層を介して互いにインタコネクトされる第1半導体チップ及び第2半導体チップをさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第2基板部は、前記複数のビルドアップ絶縁層のうち最上側に配置されたビルドアップ絶縁層を全体的に覆うように、前記最上側のビルドアップ絶縁層上に積層されている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第2基板部は、上部が前記複数のビルドアップ絶縁層のうち最上側に配置されたビルドアップ絶縁層の上面から露出し、下部と側部がそれぞれ前記複数のビルドアップ絶縁層で覆われるように、前記複数のビルドアップ絶縁層内に埋め込まれている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
複数の前記第2基板部が、それぞれ前記複数のビルドアップ絶縁層内に埋め込まれている、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
複数のビルドアップ絶縁層、及び前記複数のビルドアップ絶縁層上又は前記複数のビルドアップ絶縁層内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層を含む第1基板部と、
ガラス層、前記ガラス層の上面及び下面上にそれぞれ配置された第1配線層及び第2配線層、前記ガラス層の上面上に配置された絶縁層、並びに前記絶縁層の上面上に配置された第3配線層を含み、前記第1基板部上に積層されるか又は前記第1基板部内に埋め込まれる第2基板部とを含み、
前記複数のビルドアップ絶縁層の総厚さは、前記絶縁層の厚さより厚い、プリント回路基板。
【請求項15】
前記複数のビルドアップ絶縁層の総層数は、前記絶縁層の層数より多い、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1配線層~第3配線層のそれぞれは、前記複数のビルドアップ配線層のそれぞれより相対的に高密度の回路を含む、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
ガラス層と、
前記ガラス層の上側に配置された第1絶縁層と、
前記ガラス層の下側に配置された第2絶縁層と、
前記ガラス層と前記第1絶縁層との間に配置された第1配線層と、
前記第2絶縁層の下側に配置された第2配線層と、
前記ガラス層と前記第2絶縁層を一括して貫通し、前記第1配線層及び前記第2配線層を接続する第1ビア層とを含む、プリント回路基板。
【請求項18】
前記第1絶縁層の上側に配置された第3配線層と、
前記第1絶縁層を貫通し、前記第1配線層及び前記第3配線層を接続する第2ビア層とをさらに含み、
前記第1ビア層は、前記第2ビア層より深さがさらに深い、請求項17に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
MCP(Multi Chip Package)などにおいて、異種半導体を広帯域で接続するための微細回路をパッケージ基板内に実現する代わりに、シリコン(Si)ベースの技術を活用したシリコンインターポーザやEMIB(Embedded Multi-Die Interconnect Bridge)などを用いる技術が開発されているが、これはコストが非常に高いという問題があった。
【0003】
一方、パッケージ技術は近年、パッケージレベルでの反り問題を改善するために、伝統的な基板製作方式である有機(organic)材料から脱却してガラス(glass)材料を使用しようとする試みが続けられているが、ガラス(glass)基板は、ハンドリングなどの過程で基板破損のリスクが高いため、収率の低下が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の様々な目的の1つは、シリコンインターポーザより安価なコストで製作可能な微細回路を含むプリント回路基板を提供することにある。
【0005】
本発明の様々な目的の他の1つは、ガラス基板の取り扱い及びハンドリングによる収率問題を改善して量産性を高めることのできるプリント回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により提案される様々な解決手段の1つは、第1デタッチキャリアを用いてガラス層と絶縁層に微細回路を含む配線層を形成して微細回路基板を製造し、その後第2デタッチキャリアを用いて製造した微細回路基板上にビルドアップ工程を行って多層基板を実現することである。
【0007】
例えば、一例によるプリント回路基板は、複数のビルドアップ絶縁層、及び前記複数のビルドアップ絶縁層上又は前記複数のビルドアップ絶縁層内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層を含む第1基板部と、ガラス層、前記ガラス層の上側及び下側にそれぞれ配置された第1及び第2配線層、前記ガラス層の上側に配置された絶縁層、並びに前記絶縁層の上側に配置された第3配線層を含み、前記第1基板部上に積層されるか又は前記第1基板部内に埋め込まれる第2基板部とを含み、前記第1~第3配線層のそれぞれの回路の平均ピッチは、前記複数のビルドアップ配線層のそれぞれの回路の平均ピッチより小さいものであってもよい。
【0008】
例えば、一例によるプリント回路基板は、複数のビルドアップ絶縁層、及び前記複数のビルドアップ絶縁層上又は前記複数のビルドアップ絶縁層内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層を含む第1基板部と、ガラス層、前記ガラス層の上面及び下面上にそれぞれ配置された第1及び第2配線層、前記ガラス層の上面上に配置された絶縁層、並びに前記絶縁層の上面上に配置された第3配線層を含み、前記第1基板部上に積層されるか又は前記第1基板部内に埋め込まれる第2基板部とを含み、前記複数のビルドアップ絶縁層の総厚さは、前記絶縁層の厚さより厚いものであってもよい。
【0009】
例えば、一例によるプリント回路基板は、ガラス層と、前記ガラス層の上側に配置された第1絶縁層と、前記ガラス層の下側に配置された第2絶縁層と、前記ガラス層と前記第1絶縁層との間に配置された第1配線層と、前記第2絶縁層の下側に配置された第2配線層と、前記ガラス層と前記第2絶縁層とを一括して貫通し、前記第1配線層及び前記第2配線層を接続する第1ビア層とを含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の一効果として、シリコンインターポーザより安価なコストで製作可能な微細回路を含むプリント回路基板を提供することができる。
【0011】
本発明の様々な効果の他の一効果として、ガラス基板の取り扱い及びハンドリングによる収率問題を改善して量産性を高めることのできるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】BGAパッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
図4】シリコンインターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
図5】有機インターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
図6】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図7a図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7b図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7c図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7d図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7e図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7f図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7g図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7h図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7i図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7j図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8a図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8b図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8c図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8d図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8e図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図8f図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図9図6のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図10】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図11a図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11b図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11c図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11d図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11e図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11f図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図11g図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図12図10のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図13】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
図14a図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14b図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14c図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14d図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14e図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14f図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14g図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14h図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14i図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図14j図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図15a図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図15b図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図15c図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図15d図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図15e図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図15f図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図16図13のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
図17】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
図18a図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18b図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18c図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18d図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18e図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18f図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図18g図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図19図17のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明について説明する。図面において、要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張又は縮小することがある。
【0014】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0015】
図面を参照すると、電子機器1000は、メインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に接続されている。それらは、後述する他の電子部品とも結合されて様々な信号ライン1090を形成する。
【0016】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップや、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップや、アナログ/デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどを含むが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、それらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージの形態であってもよい。
【0017】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE802.16ファミリなど)、IEEE802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びその後のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルを含むが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の異なる複数の無線又は有線標準やプロトコルのうちの任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と共に互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などを含む。ただし、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の異なる様々な用途のために用いられるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000の種類によって、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に接続されてもよく接続されなくてもよい他の電子部品を含んでもよい。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。それら以外にも、電子機器1000の種類によって様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0020】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。ただし、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0021】
図2は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0022】
図面を参照すると、電子機器は、例えばスマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、そのようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に接続されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に接続されてもよく接続されなくてもよい他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば部品パッケージ1121であってもよいが、それに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は、必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように、他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0023】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップは、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体では半導体完成品としての役割を果たすことができず、外部からの物理的衝撃又は化学的衝撃により損傷する可能性がある。よって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングしてパッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0024】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的な接続という観点から見たとき、半導体チップの回路幅と電子機器のメインボードの回路幅とに差があるためである。具体的には、半導体チップの場合、接続パッドの大きさと接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対して、電子機器に用いられるメインボードの場合、部品実装パッドの大きさと部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールよりもはるかに大きい。よって、そのようなメインボード上に半導体チップを直接装着することが困難であることから、それらの間の回路幅の差を緩衝できるパッケージング技術が要求される。
【0025】
以下、図面を参照して、そのようなパッケージング技術で製造されるインターポーザを含む半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0026】
図3はBGAパッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0027】
半導体チップのうち、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU:Graphics Processing Unit)などの特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)は、1つ1つのチップの価格が非常に高いため、高い収率でパッケージングを行うことが非常に重要である。そのような目的で、半導体チップを実装する前に、数千~数十万個の接続パッドを再配線できるボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)基板2210などを先に準備し、続いてBGA基板2210上にGPU2220などの高価な同じ半導体チップを表面実装技術(SMT:Surface Mounting Technology)などで実装及びパッケージングし、その後最終的にメインボード2110上に実装している。
【0028】
一方、GPU2220の場合、高帯域幅メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などのメモリ(Memory)との信号経路を最小化することが必要であり、そのために、HBM2240などの半導体チップをインターポーザ2230上に実装した後にパッケージングし、それをGPU2220が実装されたパッケージ上にパッケージオンパッケージ(POP:Package on Package)の形態で積層して使用するものが用いられている。ただし、その場合、装置の厚さが過度に厚くなるという問題があり、信号経路を最小化するにも限界があった。
【0029】
図4はシリコンインターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0030】
上述した問題を解決するための方法として、シリコンインターポーザ2250上にGPU2220などの第1半導体チップとHBM2240などの第2半導体チップとを並んで(Side-by-Side)表面実装した後にパッケージングするインターポーザ技術でシリコンインターポーザを含む半導体パッケージ2310を製造することを考慮することができる。その場合、インターポーザ2250を介して数千~数十万個の接続パッドを有するGPU2220とHBM2240とを再配線することができることは言うまでもなく、それらを最小限の経路で電気的に接続することができる。また、そのようなシリコンインターポーザを含む半導体パッケージ2310をさらにBGA基板2210などに実装して再配線すると、最終的にメインボード2110に実装することができる。
【0031】
ただし、シリコンインターポーザ2250の場合、シリコン貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)などの形成が非常に難しいだけでなく、製造コストも相当高いため、大面積化及び低コスト化に不利である。
【0032】
図5は有機インターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0033】
上述した問題を解決するための方法として、シリコンインターポーザ2250の代わりに有機インターポーザ2260を用いることを考慮することができる。例えば、有機インターポーザ2260上にGPU2220などの第1半導体チップとHBM2240などの第2半導体チップとを並んで表面実装した後にパッケージングするインターポーザ技術で有機インターポーザを含む半導体パッケージ2320を製造することを考慮することができる。その場合、インターポーザ2260を介して数千~数十万個の接続パッドを有するGPU2220とHBM2240とを再配線することができることは言うまでもなく、それらを最小限の経路で電気的に接続することができる。また、そのような有機インターポーザを含む半導体パッケージ2320をさらにBGA基板2210などに実装して再配線すると、最終的にメインボード2110に実装することができる。さらに、大面積化及び低コスト化に有利である。
【0034】
ただし、有機インターポーザ2260を用いる場合も、有機インターポーザ2260に半導体チップ2220、2240を実装し、さらにそれをBGA基板2210に実装しなければならないため、工程がやや複雑であり、パッケージング収率が低下するおそれがあった。
【0035】
プリント回路基板
図6はプリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0036】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板300Aは、第1基板部100Aと、第1基板部100A上に積層された第2基板部200Aとを含んでもよい。第1基板部100Aは、複数のビルドアップ絶縁層111と、複数のビルドアップ絶縁層111上又は複数のビルドアップ絶縁層111内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層121と、複数のビルドアップ絶縁層111の少なくとも1つをそれぞれ貫通する複数のビルドアップビア層131とを含んでもよい。第2基板部200Aは、ガラス層211と、ガラス層211の上側及び下側、例えば上面及び下面上にそれぞれ配置された第1及び第2配線層221、222と、ガラス層211の上側、例えば上面上に配置された絶縁層212と、絶縁層212の上側、例えば上面上に配置された第3配線層223と、ガラス層211を貫通して第1及び第2配線層221、222を接続する第1ビア層231と、絶縁層212を貫通して第1及び第3配線層221、223を接続する第2ビア層232とを含んでもよい。第2基板部200Aは、第1基板部100Aの複数のビルドアップ絶縁層111のうち最上側に配置されたビルドアップ絶縁層111を全体的に覆うように、最上側のビルドアップ絶縁層111上に積層されてもよい。第2基板部200Aは、ダイツーダイ接続のための微細回路を含むインタコネクト領域R1と、ダイツー基板接続のための配線領域R2とを含んでもよい。
【0037】
ここで、第2基板部200Aの第1~第3配線層221、222、223のそれぞれは、第1基板部100Aの複数のビルドアップ配線層121のそれぞれより相対的に高密度の回路を含んでもよい。例えば、相対的に高密度の回路を含むとは、相対的に微細な回路を含むことを意味し得る。例えば、第1~第3配線層221、222、223のそれぞれは、厚さ、ライン/スペース、ピッチなどが複数のビルドアップ配線層121のそれぞれより相対的にさらに小さくてもよい。例えば、第1~第3配線層221、222、223のそれぞれの回路の平均ピッチは、複数のビルドアップ配線層121のそれぞれの回路の平均ピッチより小さくてもよい。回路の平均ピッチは、それぞれのトレースパターンに基づいて判断することができる。また、第1~第3配線層221、222、223間の隣接する層間の平均絶縁距離は、複数のビルドアップ配線層121間の隣接する層間の平均絶縁距離より小さくてもよい。さらに、ガラス層211及び絶縁層212のそれぞれの厚さは、複数のビルドアップ絶縁層111のそれぞれの厚さより薄くてもよい。さらに、複数のビルドアップ絶縁層111の総厚さは、絶縁層212の厚さより厚くてもよい。さらに、複数のビルドアップ絶縁層111の総層数は、絶縁層212の層数より多くてもよい。
【0038】
このように、一例によるプリント回路基板300Aは、ガラス層211と絶縁層212に微細回路を含む第1~第3配線層221、222、223を形成することにより、ダイツーダイインタコネクションが可能な微細回路基板として用いることができる第2基板部200Aを形成する。よって、従来のシリコンインターポーザなどを代替することができ、より安価なコストで製造することができる。また、ガラス層211を含むため、一般的な有機基板に比べて低い熱膨張係数と高いモジュラスを有する基板を製造することができ、より薄型化することができる。さらに、ガラス層211を絶縁層212と結合してガラス-有機ハイブリッド基板を実現するため、基板の取り扱い及びハンドリングによる収率問題を改善して量産性を高めることができる。さらに、その反対側には、ビルドアップ工程により、複数のビルドアップ絶縁層111及び複数のビルドアップ配線層121を含む多層基板である第1基板部100Aを形成する。よって、多層パッケージ基板として用いることができる。
【0039】
一方、第1及び第2ビア層231、232のそれぞれは、複数のビルドアップビア層131のそれぞれと断面上で互いに逆方向にテーパーしていてもよい。例えば、後述する工程と同様に、第1デタッチキャリアを用いて第2基板部200Aを形成する際に、ガラス層211を基準として一方向にのみ絶縁層212が積層され、その過程で第1及び第2ビア層231、232が形成されるようにしてもよい。また、第2デタッチキャリアを用いて第2基板部200A上に第1基板部100Aを形成する際に、ガラス層211を基準として絶縁層212が積層された方向と逆方向にのみ複数のビルドアップ絶縁層111が積層され、その過程で複数のビルドアップビア層131が形成されるようにしてもよい。よって、第1及び第2ビア層231、232のそれぞれは、複数のビルドアップビア層131のそれぞれと断面上で互いに逆方向にテーパーすることになる。
【0040】
一方、第1及び第2ビア層231、232のそれぞれのビアの断面上での上端部の幅は、複数のビルドアップビア層131のそれぞれのビアの断面上での下端部の幅より狭くてもよい。また、第1及び第2ビア層231、232のそれぞれの隣接するビア間の平均離隔距離は、複数のビルドアップビア層131のそれぞれの隣接するビア間の平均離隔距離より小さくてもよい。例えば、第1~第3配線層221、222、223が複数のビルドアップ配線層121より相対的に微細に高密度に形成されてもよいため、第1~第3配線層221、222、223に接続される第1及び第2ビア層231、232も、複数のビルドアップ配線層121に接続される複数のビルドアップビア層131より相対的に微細に高密度に形成されてもよい。
【0041】
一方、第1及び第2配線層221、222、並びに第1ビア層231は、ガラス層211に直接接触してもよい。例えば、第1及び第2配線層221、222、並びに第1ビア層231は、ガラス層211に直接形成されてもよく、よって、第1及び第2配線層221、222のそれぞれとガラス層211との間、並びに第1ビア層231とガラス層211との間に別の絶縁材や樹脂材が配置されなくてもよい。第1配線層221と第1ビア層231とは、一体に形成されて接続部位でそれらの境界が区分されないのに対して、第2配線層222と第1ビア層231とは、それぞれ別のめっき工程で形成されて接続部位でそれらの境界が区分されてもよい。
【0042】
以下、図面を参照して、一例によるプリント回路基板300Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0043】
複数のビルドアップ絶縁層111は、それぞれ絶縁材を含んでもよい。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、又はそれらの樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber,Glass Cloth,Glass Fabric)を含む材料を含んでもよい。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の高分子素材が用いられてもよい。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であってもよい。複数のビルドアップ絶縁層111は、互いに実質的に同じ絶縁材を含んでもよく、互いに異なる絶縁材を含んでもよい。
【0044】
複数のビルドアップ配線層121は、それぞれ金属を含んでもよい。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はそれらの合金などを含んでもよい。複数のビルドアップ配線層121は、それぞれ銅(Cu)を含むことが好ましいが、それに限定されるものではない。複数のビルドアップ配線層121は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含んでもよい。それらのパターンは、それぞれトレース、プレーン、パッドなど、様々な形態を有してもよい。複数のビルドアップ配線層121は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。あるいは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。あるいは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて、両方とも含んでもよい。
【0045】
複数のビルドアップビア層131は、それぞれ金属を含んでもよい。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はそれらの合金などを含んでもよい。複数のビルドアップビア層131は、それぞれ銅(Cu)を含むことが好ましいが、それに限定されるものではない。複数のビルドアップビア層131は、それぞれビア孔を充填するフィルドビア(filled VIA)を含んでもよいが、ビア孔の壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含んでもよい。複数のビルドアップビア層131は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含んでもよい。複数のビルドアップビア層131は、断面上で互いに同じ方向のテーパー形状、例えば断面上で下端部の幅が上端部の幅より広いテーパー形状を有してもよい。複数のビルドアップビア層131は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて、両方とも含んでもよい。
【0046】
ガラス層211は、非結晶質固体であるガラスを含んでもよい。ガラスは、例えば純粋な二酸化ケイ素(約100%SiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含んでもよい。ただし、それらに限定されるものではなく、代替的なガラス材料である、例えばフルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなども、材料として用いることができる。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含んでもよい。そのような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモン、並びにそれらの元素及び他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含んでもよい。
【0047】
ガラス層211は、ガラス繊維(Glass Fiber,Glass Cloth,Glass Fabric)などを含む有機絶縁材料、例えばCCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)などとは区別される層であってもよい。例えば、ガラス層211は、板ガラス(plate glass)を含んでもよい。ガラス層211は、コア層であってもよい。例えば、ガラスコアであってもよい。
【0048】
絶縁層212は、絶縁材を含んでもよい。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、又はそれらの樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber,Glass Cloth,Glass Fabric)を含む材料を含んでもよい。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の高分子素材が用いられてもよい。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であってもよい。絶縁層212は、複数のビルドアップ絶縁層111と同じ絶縁材を含んでもよく、異なる絶縁材を含んでもよい。
【0049】
第1~第3配線層221、222、223は、それぞれ金属を含んでもよい。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はそれらの合金などを含んでもよい。第1~第3配線層221、222、223は、それぞれ銅(Cu)を含むことが好ましいが、それに限定されるものではない。第1~第3配線層221、222、223は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含んでもよい。それらのパターンは、それぞれトレース、プレーン、パッドなど、様々な形態を有してもよい。第1~第3配線層221、222、223は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。あるいは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。あるいは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて、両方とも含んでもよい。
【0050】
第1及び第2ビア層231、232は、それぞれ金属を含んでもよい。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はそれらの合金などを含んでもよい。第1及び第2ビア層231、232は、それぞれ銅(Cu)を含むことが好ましいが、それに限定されるものではない。第1及び第2ビア層231、232は、それぞれビア孔を充填するフィルドビア(filled VIA)を含んでもよいが、ビア孔の壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含んでもよい。第1及び第2ビア層231、232は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含んでもよい。第1及び第2ビア層231、232は、断面上で互いに同じ方向のテーパー形状、例えば断面上で上端部の幅が下端部の幅より広いテーパー形状を有してもよい。第1及び第2ビア層231、232は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含んでもよい。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、必要に応じて、両方とも含んでもよい。
【0051】
図7a~図7jは図6の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0052】
図7aを参照すると、第1デタッチキャリア410を準備する。第1デタッチキャリア410は、例えば、コア層、コア層の両面に積層された銅箔、銅箔上に積層された接合層、及び接合層上に積層された金属層を含む多層構造であってもよい。次に、第1デタッチキャリア410上にガラス層211を積層する。
【0053】
図7bを参照すると、ドリルを用いてガラス層211にビア孔vを加工する。このとき、金属層がストッパの役割を果たすことができる。
【0054】
図7cを参照すると、シード層m1を形成する。シード層m1は、ビア孔vの壁面、ガラス層211の表面、及び第1デタッチキャリア410の露出した部分を覆うことができる。シード層m1は、無電解めっき、例えば化学銅で形成することができる。あるいは、スパッタリングで形成することもできる。
【0055】
図7dを参照すると、ドライフィルム420を形成し、その後フォトリソグラフィ工程でドライフィルム420をパターニングする。
【0056】
図7eを参照すると、めっき層m2を形成する。めっき層m2は、電解めっき、例えば電気銅で形成することができる。
【0057】
図7fを参照すると、ドライフィルム420を除去する。ドライフィルム420は、剥離液を用いて除去することができる。
【0058】
図7gを参照すると、めっき層m2が形成された領域以外のその他の領域に形成されたシード層m1をエッチングで除去する。一連の過程により、ガラス層211に第1配線層221と第1ビア層231を形成することができる。
【0059】
図7hを参照すると、ガラス層211上に絶縁層212を形成し、ビア孔加工工程、シード層形成工程及びめっき層形成工程を繰り返して、第3配線層223と第2ビア層232を形成する。絶縁層212は、未硬化フィルム状態の絶縁フィルムを積層した後に硬化するか、又は絶縁層212を形成する物質を塗布した後に硬化して形成することができる。ビア孔は、レーザ加工で形成することができる。
【0060】
図7iを参照すると、第1デタッチキャリア410から積層体を分離する。このとき、銅箔をコア層から分離することができ、分離後に積層体に残っている銅箔と接着層や金属層などは適切な方法で除去することができる。
【0061】
図7jを参照すると、ガラス層211の下面上に第2配線層222を形成する。第2配線層222も、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程で形成することができる。その後、必要に応じて、表面処理を行うことができる。
【0062】
一連の過程により、上述した第2基板部200Aを形成することができる。一方、工程図では、説明の便宜上、パターンの形状をより簡単に示す。このように、第1デタッチキャリア410を用いる工程でガラス層211と絶縁層212に第1~第3配線層221、222、223と第1及び第2ビア層231、232を直接形成することができるため、上述した技術的効果を奏することができる。
【0063】
図8a~図8fは図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0064】
図8aを参照すると、第2デタッチキャリア430の両側に第2基板部200Aを積層する。このとき、第2デタッチキャリア430と第2基板部200Aとの間には、必要に応じて、絶縁材440が配置されてもよい。絶縁材440は、上述した複数のビルドアップ絶縁層111と同じ材料を含んでもよい。
【0065】
図8bを参照すると、第2基板部200A上にビルドアップ絶縁層111を形成する。ビルドアップ絶縁層111は、未硬化フィルム状態の絶縁フィルムを積層した後に硬化するか、又はビルドアップ絶縁層111を形成する物質を塗布した後に硬化して形成することができる。
【0066】
図8cを参照すると、ビルドアップ絶縁層111にビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131を形成する。例えば、ビルドアップ絶縁層111にレーザ加工でビア孔を形成し、その後SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程でビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131を形成することができる。
【0067】
図8dを参照すると、図8b及び図8cの工程を繰り返して、例えばビルドアップ工程を行うことにより、複数のビルドアップ絶縁層111、複数のビルドアップ配線層121及び複数のビルドアップビア層131を含む第1基板部100Aを形成する。
【0068】
図8eを参照すると、第2デタッチキャリア430から第1及び第2基板部100A、200Aの積層体を分離する。絶縁材440が共に分離された場合、絶縁材440は剥離工程などで除去することができる。
【0069】
図8fを参照すると、表面処理、電気検査、ソーイングなどを行うことにより、上述した一例によるプリント回路基板300Aを製造することができる。
【0070】
図9図6のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0071】
図面を参照すると、変形例によるプリント回路基板300Bは、上述した一例によるプリント回路基板300Aにおいて、第2基板部200Bがダイツーダイ接続のためのインタコネクト領域R1を複数含んでもよい。また、第2基板部200B上に複数の第1~第3接続部材261、262、263を介してそれぞれ実装され、第2基板部200Bの複数のインタコネクト領域R1を介して互いに電気的に接続される第1~第3半導体チップ251、252、253をさらに含んでもよい。また、第1基板部100Bの下側に積層されたレジスト層271をさらに含んでもよい。また、レジスト層271の複数の開口h上にそれぞれ配置された複数の電気接続金属281をさらに含んでもよい。例えば、上述した一例によるプリント回路基板300Aは、変形例によるプリント回路基板300Bにおいて、パッケージ基板に適用してもよく、変形例によるプリント回路基板300Bは、半導体パッケージ形態の構造を有してもよい。
【0072】
第1~第3半導体チップ251、252、253は、それぞれ数百~数百万個以上の素子が1つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)を含んでもよい。ここで、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ/デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであってもよいが、それらに限定されるものではなく、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ、又はPMIC(Power Management IC)などの他の種類であってもよいことは言うまでもない。例えば、第1半導体チップ251は、GPUなどのロジックチップを含んでもよく、第2及び第3半導体チップ252、253は、HBMなどのメモリチップを含んでもよい。
【0073】
第1~第3半導体チップ251、252、253は、それぞれアクティブウエハに基づいて形成されたものであってもよく、その場合、それぞれの本体を形成する母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられてもよい。本体には、様々な回路が形成されてもよい。それぞれの本体には、接続パッドが形成されてもよく、接続パッドは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含んでもよい。第1~第3半導体チップ251、252、253は、それぞれベアダイ(bare die)であってもよく、その場合、接続パッド上には、金属バンプが配置されてもよい。第1~第3半導体チップ251、252、253は、それぞれパッケージダイ(packaged die)であってもよく、その場合、接続パッド上に再配線層がさらに形成され、再配線層上に金属バンプが配置されてもよい。
【0074】
第1~第3半導体チップ251、252、253は、複数の第1~第3接続部材261、262、263を介して第2基板部200Bに実装されてもよい。複数の第1~第3接続部材261、262、263は、それぞれ低融点金属、例えばスズ(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などの半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれらに限定されるものではない。複数の第1~第3接続部材261、262、263は、それぞれボールなどであってもよい。複数の第1~第3接続部材261、262、263は、それぞれ多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合は、銅柱及び半田を含んでもよく、単一層で形成される場合は、スズ-銀半田や銅を含んでもよいが、やはりそれに限定されるものではない。
【0075】
レジスト層271は、プリント回路基板300Bの内部構成要素を保護することができる。レジスト層271の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられてもよいが、ここで、絶縁物質としては、半田レジスト(Solder Resist)が用いられてもよい。ただし、それらに限定されるものではなく、ABFなどが用いられてもよい。レジスト層271は、複数のビルドアップ配線層121のうち最下側に配置されたビルドアップ配線層121のそれぞれの少なくとも一部を露出する複数の開口hを有してもよい。複数の開口hから露出するパターン上には、表面処理層が形成されてもよく、必要に応じて、アンダーバンプ金属がさらに形成されてもよい。
【0076】
複数の電気接続金属281は、プリント回路基板300Bを電子機器のメインボードや他の基板などに接続するための構成である。複数の電気接続金属281は、基板300Bの最下層の配線層の少なくとも一部にそれぞれ接続されてもよい。必要に応じて、複数の電気接続金属281は、複数のアンダーバンプ金属を介してそれぞれ配置されてもよい。複数の電気接続金属281は、導電性物質、例えば半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれらに限定されるものではない。複数の電気接続金属281は、それぞれボール、ピンなどであってもよい。複数の電気接続金属281は、それぞれ多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合は、銅柱及び半田を含んでもよく、単一層で形成される場合は、スズ-銀半田や銅を含んでもよいが、やはりそれに限定されるものではない。
【0077】
その他の内容、例えば、変形例によるプリント回路基板300Bの第1及び第2基板部100B、200Bの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300Aなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0078】
図10はプリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0079】
図面を参照すると、他の例によるプリント回路基板300Cは、第1基板部100Cと、第1基板部100C内に埋め込まれる第2基板部200Cとを含んでもよい。第2基板部200Cは、上述した一例によるプリント回路基板の第2基板部200Aにおける、インタコネクト領域R1のみを含んでもよく、例えばダイツーダイインタコネクト用ブリッジの形態を有してもよい。第2基板部200Cは、上部が第1基板部100Cの複数のビルドアップ絶縁層111のうち最上側に配置されたビルドアップ絶縁層111の上面から露出し、下部と側部がそれぞれ第1基板部100Cの複数のビルドアップ絶縁層111で覆われるように、複数のビルドアップ絶縁層111内に埋め込まれてもよい。第1基板部100Aは、第2基板部200Cの側部と下部を取り囲んでもよい。例えば、第1基板部100Aがダイツー基板接続のための配線領域R2を含んでもよい。
【0080】
その他の内容、例えば、他の例によるプリント回路基板300Cの第1及び第2基板部100C、200Cの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300A、上述した変形例によるプリント回路基板300Bなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0081】
図11a~図11gは図10のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0082】
図11aを参照すると、第2デタッチキャリア430を準備する。
【0083】
図11bを参照すると、第2デタッチキャリア430の両側に絶縁材440を形成する。必要に応じて、絶縁材440上にバリア層441、例えばニッケル(Ni)層を形成してもよい。
【0084】
図11cを参照すると、バリア層441上に第2基板部200Cを取り付ける。第2基板部200Cは、上述した図7a~図7jの工程を参照して製造することができ、ブリッジの形態で製造するためにソーイング工程を追加することができる。
【0085】
図11dを参照すると、バリア層441上にビルドアップ配線層121を形成する。また、バリア層441上にビルドアップ絶縁層111を形成し、ビルドアップ絶縁層111上にビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131をさらに形成する。ビルドアップ配線層121は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程で形成することができる。ビルドアップ絶縁層111は、未硬化フィルム状態の絶縁フィルムを積層した後に硬化するか、又はビルドアップ絶縁層111を形成する物質を塗布した後に硬化して形成することができる。ビルドアップ絶縁層111上にさらに形成されたビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131は、ビルドアップ絶縁層111にレーザ加工でビア孔を形成し、その後SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程を行うことにより形成することができる。
【0086】
図11eを参照すると、図11dの工程を繰り返して、例えばビルドアップ工程を行うことにより、複数のビルドアップ絶縁層111、複数のビルドアップ配線層121及び複数のビルドアップビア層131を含む第1基板部100Cを形成する。
【0087】
図11fを参照すると、第2デタッチキャリア430から第1及び第2基板部100C、200Cの積層体を分離する。絶縁材440、バリア層441などが共に分離された場合、絶縁材440は剥離工程で、バリア層441はエッチングなどで除去することができる。
【0088】
図11gを参照すると、表面処理、電気検査、ソーイングなどを行うことにより、上述した他の一例によるプリント回路基板300Cを製造することができる。
【0089】
図12図10のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0090】
図面を参照すると、変形例によるプリント回路基板300Dは、上述した他の一例によるプリント回路基板300Cにおいて、複数の第2基板部200Dが第1基板部100Dの複数のビルドアップ絶縁層111内にそれぞれ埋め込まれてもよい。また、第2基板部200D上に複数の第1~第3接続部材261、262、263を介してそれぞれ実装され、第2基板部200Dを介して互いに電気的に接続される第1~第3半導体チップ251、252、253をさらに含んでもよい。また、第1基板部100Dの下側に積層されたレジスト層271をさらに含んでもよい。また、レジスト層271の複数の開口h上にそれぞれ配置された複数の電気接続金属281をさらに含んでもよい。例えば、上述した他の一例によるプリント回路基板300Cは、変形例によるプリント回路基板300Dにおいて、パッケージ基板に適用してもよく、変形例によるプリント回路基板300Dは、半導体パッケージ形態の構造を有してもよい。
【0091】
その他の内容、例えば、変形例によるプリント回路基板300Dの第1及び第2基板部100D、200Dの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300A、上述した変形例によるプリント回路基板300B、上述した他の一例によるプリント回路基板300Cなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0092】
図13はプリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0093】
図面を参照すると、さらに他の例によるプリント回路基板300Eは、上述した一例によるプリント回路基板300Aにおいて、第2基板部200Eが第2絶縁層213をさらに含んでもよい。例えば、第2基板部200Eは、ガラス層211と、ガラス層211の上側に配置された第1絶縁層212と、ガラス層211の下側に配置された第2絶縁層213と、ガラス層211と第1絶縁層212との間に配置された第1配線層221と、第2絶縁層213の下側に配置された第2配線層222と、ガラス層211と第2絶縁層213を一括して貫通して第1及び第2配線層221、222を接続する第1ビア層231と、第1絶縁層212の上側に配置された第3配線層223と、第1絶縁層212を貫通して第1及び第3配線層221、223を接続する第2ビア層232とを含んでもよい。
【0094】
一方、第1ビア層231は、第2ビア層232より深さがさらに深くてもよい。例えば、第1ビア層231は、ガラス層211と第2絶縁層213を一括して貫通してもよいのに対して、第2ビア層232は、第1絶縁層212のみを貫通してもよいため、第1ビア層231を形成するためのビア孔の深さが第2ビア層232を形成するためのビア孔の深さよりさらに深くてもよい。
【0095】
一方、第2絶縁層213は、絶縁材を含んでもよい。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、又はそれらの樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber,Glass Cloth,Glass Fabric)を含む材料を含んでもよい。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、それらに限定されるものではなく、それら以外にも、その他の高分子素材が用いられてもよい。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であってもよい。第2絶縁層213は、第1絶縁層212と同じ絶縁材を含んでもよく、異なる絶縁材を含んでもよい。
【0096】
その他の内容、例えば、さらに他の例によるプリント回路基板300Eの第1及び第2基板部100E、200Eの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300A、上述した変形例によるプリント回路基板300B、上述した他の一例によるプリント回路基板300C、上述した変形例によるプリント回路基板300Dなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0097】
図14a~図14jは図13の第2基板部の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0098】
図14aを参照すると、第1デタッチキャリア410を準備する。第1デタッチキャリア410は、例えば、コア層、及びコア層の両面に積層された銅箔を含む多層構造であってもよい。次に、第1デタッチキャリア410上に第2絶縁層213を接着層として用いてガラス層211を積層する。
【0099】
図14bを参照すると、ドリルを用いてガラス層211と第2絶縁層213にビア孔vを加工する。このとき、銅箔がストッパの役割を果たすことができる。
【0100】
図14cを参照すると、シード層m1を形成する。シード層m1は、ビア孔vの壁面、ガラス層211の表面、及び第1デタッチキャリア410の露出した部分を覆うことができる。シード層m1は、無電解めっき、例えば化学銅で形成することができる。あるいは、スパッタリングで形成することもできる。
【0101】
図14dを参照すると、ドライフィルム420を形成し、その後フォトリソグラフィ工程でドライフィルム420をパターニングする。
【0102】
図14eを参照すると、めっき層m2を形成する。めっき層m2は、電解めっき、例えば電気銅で形成することができる。
【0103】
図14fを参照すると、ドライフィルム420を除去する。ドライフィルム420は、剥離液を用いて除去することができる。
【0104】
図14gを参照すると、めっき層m2が形成された領域以外のその他の領域に形成されたシード層m1をエッチングで除去する。一連の過程により、ガラス層211及び第2絶縁層213に第1配線層221と第1ビア層231を形成することができる。
【0105】
図14hを参照すると、ガラス層211上に第1絶縁層212を形成し、ビア孔加工工程、シード層形成工程及びめっき層形成工程を繰り返して、第3配線層223と第2ビア層232を形成する。第1絶縁層212は、未硬化フィルム状態の絶縁フィルムを積層した後に硬化するか、又は第1絶縁層212を形成する物質を塗布した後に硬化して形成することができる。ビア孔は、レーザ加工で形成することができる。
【0106】
図14iを参照すると、第1デタッチキャリア410から積層体を分離する。このとき、銅箔をコア層から分離することができ、分離後に積層体に残っている銅箔はエッチングなどの適切な方法で除去することができる。
【0107】
図14jを参照すると、第2絶縁層213の下面上に第2配線層222を形成する。第2配線層222も、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程で形成することができる。その後、必要に応じて、表面処理を行うことができる。
【0108】
一連の過程により、上述した第2基板部200Eを形成することができる。一方、工程図では、説明の便宜上、パターンの形状をより簡単に示す。このように、第1デタッチキャリア410を用いる工程でガラス層211と第1及び第2絶縁層212、213に第1~第3配線層221、222、223と第1及び第2ビア層231、232を直接形成することができるため、上述した技術的効果を奏することができる。
【0109】
図15a~図15fは図13のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0110】
図15aを参照すると、第2デタッチキャリア430の両側に第2基板部200Eを積層する。このとき、第2デタッチキャリア430と第2基板部200Eとの間には、必要に応じて、絶縁材440が配置されてもよい。絶縁材440は、上述した複数のビルドアップ絶縁層111と同じ材料を含んでもよい。
【0111】
図15bを参照すると、第2基板部200E上にビルドアップ絶縁層111を形成する。ビルドアップ絶縁層111は、未硬化フィルム状態の絶縁フィルムを積層した後に硬化するか、又はビルドアップ絶縁層111を形成する物質を塗布した後に硬化して形成することができる。
【0112】
図15cを参照すると、ビルドアップ絶縁層111にビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131を形成する。例えば、ビルドアップ絶縁層111にレーザ加工でビア孔を形成し、その後SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程でビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131を形成することができる。
【0113】
図15dを参照すると、図15b及び図15cの工程を繰り返して、例えばビルドアップ工程を行うことにより、複数のビルドアップ絶縁層111、複数のビルドアップ配線層121及び複数のビルドアップビア層131を含む第1基板部100Eを形成する。
【0114】
図15eを参照すると、第2デタッチキャリア430から第1及び第2基板部100E、200Eの積層体を分離する。絶縁材440が共に分離された場合、絶縁材440は剥離工程などで除去することができる。
【0115】
図15fを参照すると、表面処理、電気検査、ソーイングなどを行うことにより、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Eを製造することができる。
【0116】
図16図13のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0117】
図面を参照すると、変形例によるプリント回路基板300Fは、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Eにおいて、第2基板部200Fがダイツーダイ接続のためのインタコネクト領域R1を複数含んでもよい。また、第2基板部200F上に複数の第1~第3接続部材261、262、263を介してそれぞれ実装され、第2基板部200Fの複数のインタコネクト領域R1を介して互いに電気的に接続される第1~第3半導体チップ251、252、253をさらに含んでもよい。また、第1基板部100Fの下側に積層されたレジスト層271をさらに含んでもよい。また、レジスト層271の複数の開口h上にそれぞれ配置された複数の電気接続金属281をさらに含んでもよい。例えば、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Eは、変形例によるプリント回路基板300Fにおいて、パッケージ基板に適用してもよく、変形例によるプリント回路基板300Fは、半導体パッケージ形態の構造を有してもよい。
【0118】
その他の内容、例えば、変形例によるプリント回路基板300Fの第1及び第2基板部100F、200Fの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300A、上述した変形例によるプリント回路基板300B、上述した他の一例によるプリント回路基板300C、上述した変形例によるプリント回路基板300D、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Eなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0119】
図17はプリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0120】
図面を参照すると、さらに他の例によるプリント回路基板300Gは、上述した他の一例によるプリント回路基板300Cにおいて、第2基板部200Gが第2絶縁層213をさらに含んでもよい。例えば、第2基板部200Gは、ガラス層211と、ガラス層211の上側に配置された第1絶縁層212と、ガラス層211の下側に配置された第2絶縁層213と、ガラス層211と第1絶縁層212との間に配置された第1配線層221と、第2絶縁層213の下側に配置された第2配線層222と、ガラス層211と第2絶縁層213を一括して貫通して第1及び第2配線層221、222を接続する第1ビア層231と、第1絶縁層212の上側に配置された第3配線層223と、第1絶縁層212を貫通して第1及び第3配線層221、223を接続する第2ビア層232とを含んでもよい。
【0121】
その他の内容、例えば、さらに他の例によるプリント回路基板300Gの第1及び第2基板部100G、200Gの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300A、上述した変形例によるプリント回路基板300B、上述した他の一例によるプリント回路基板300C、上述した変形例によるプリント回路基板300D、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300E、上述した変形例によるプリント回路基板300Fなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0122】
図18a~図18gは図17のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0123】
図18aを参照すると、第2デタッチキャリア430を準備する。
【0124】
図18bを参照すると、第2デタッチキャリア430の両側に絶縁材440を形成する。必要に応じて、絶縁材440上にバリア層441、例えばニッケル(Ni)層を形成してもよい。
【0125】
図18cを参照すると、バリア層441上に第2基板部200Gを取り付ける。第2基板部200Gは、上述した図14a~図14jの工程を参照して製造することができ、ブリッジの形態で製造するためにソーイング工程を追加することができる。
【0126】
図18dを参照すると、バリア層441上にビルドアップ配線層121を形成する。また、バリア層441上にビルドアップ絶縁層111を形成し、ビルドアップ絶縁層111上にビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131をさらに形成する。ビルドアップ配線層121は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程で形成することができる。ビルドアップ絶縁層111は、未硬化フィルム状態の絶縁フィルムを積層した後に硬化するか、又はビルドアップ絶縁層111を形成する物質を塗布した後に硬化して形成することができる。ビルドアップ絶縁層111上にさらに形成されたビルドアップ配線層121とビルドアップビア層131は、ビルドアップ絶縁層111にレーザ加工でビア孔を形成し、その後SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などを用いるめっき工程を行うことにより形成することができる。
【0127】
図18eを参照すると、図18dの工程を繰り返して、例えばビルドアップ工程を行うことにより、複数のビルドアップ絶縁層111、複数のビルドアップ配線層121及び複数のビルドアップビア層131を含む第1基板部100Gを形成する。
【0128】
図18fを参照すると、第2デタッチキャリア430から第1及び第2基板部100G、200Gの積層体を分離する。絶縁材440、バリア層441などが共に分離された場合、絶縁材440は剥離工程で、バリア層441はエッチングなどで除去することができる。
【0129】
図18gを参照すると、表面処理、電気検査、ソーイングなどを行うことにより、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Gを製造することができる。
【0130】
図19図17のプリント回路基板の変形例を概略的に示す断面図である。
【0131】
図面を参照すると、変形例によるプリント回路基板300Hは、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Gにおいて、複数の第2基板部200Hが第1基板部100Hの複数のビルドアップ絶縁層111内にそれぞれ埋め込まれてもよい。また、第2基板部200H上に複数の第1~第3接続部材261、262、263を介してそれぞれ実装され、第2基板部200Hを介して互いに電気的に接続される第1~第3半導体チップ251、252、253をさらに含んでもよい。また、第1基板部100Hの下側に積層されたレジスト層271をさらに含んでもよい。また、レジスト層271の複数の開口h上にそれぞれ配置された複数の電気接続金属281をさらに含んでもよい。例えば、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Gは、変形例によるプリント回路基板300Hにおいて、パッケージ基板に適用してもよく、変形例によるプリント回路基板300Hは、半導体パッケージ形態の構造を有してもよい。
【0132】
その他の内容、例えば、変形例によるプリント回路基板300Hの第1及び第2基板部100H、200Hの構成についての説明は、上述した一例によるプリント回路基板300A、上述した変形例によるプリント回路基板300B、上述した他の一例によるプリント回路基板300C、上述した変形例によるプリント回路基板300D、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300E、上述した変形例によるプリント回路基板300F、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板300Gなどで説明した内容と実質的に同一であり、よって、重複する説明は省略する。
【0133】
本発明において、厚さ、幅、長さ、ピッチ、深さなどは、それぞれプリント回路基板を研磨又は切断した断面を基準として走査顕微鏡や光学顕微鏡などで測定することができる。切断断面は、垂直断面又は水平断面であってもよく、必要な切断断面を基準としてそれぞれの数値を測定することができる。数値が一定でない場合は、任意の5地点で測定した値の平均値を数値として決定することができる。ビアの上端部及び/又は下端部の幅は、基板の厚さ方向にビアの中心軸を切断した断面上で測定することができる。ビアの深さとしては、基板の厚さ方向にビアの中心軸を切断した断面上でビアの上端部から下端部までの距離を測定することができる。
【0134】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、かつ、直接覆う場合だけでなく、間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、ほぼ充填する場合を含むことができ、例えば一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0135】
本発明において、「実質的に」は、製造工程で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、線幅、間隔、厚さ、高さなどが「実質的に同一である」とは、数値が完全に同一である場合だけでなく、ほぼ同程度の数値を有することを含むことができる。また、「実質的にコプラナーである」とは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面に存在する場合を含むことができる。
【0136】
本発明において、「同じ絶縁材」とは、完全に同じ絶縁材である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材を含む意味であり得る。よって、絶縁材の組成は、実質的に同一であるが、それらの具体的な組成比は少しずつ異なり得る。
【0137】
本発明において、「断面上で」とは、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味し得る。また、「平面上で」とは、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビューもしくはボトムビューで見たときの平面形状を意味し得る。
【0138】
本発明において、「下側」、「下部」、「下面」などは、便宜上、図面の断面を基準として下方を意味するものとして用い、「上側」、「上部」、「上面」などは、その反対方向を意味するものとして用いた。また、「側部」、「側面」などは、上面及び下面に垂直な方向を意味するものとして用いた。ただし、それらは説明の便宜のために方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がそのような方向に関する記載に特に限定されるものではないことは言うまでもなく、上下の概念はいつでも変わり得る。
【0139】
本発明において、「接続される」は、直接接続されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に接続されることを含む概念である。また、「電気的に接続される」は、物理的に接続されている場合と接続されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1」、「第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために用いられるものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定するものではない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲で、第1構成要素を第2構成要素と命名してもよく、同様に、第2構成要素を第1構成要素と命名してもよい。
【0140】
本発明において用いられた「一例」という表現は、同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせられて実現されることを排除するものではない。例えば、特定の一例に説明されている事項が他の一例に説明されていないとしても、他の一例にその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関する説明と理解され得る。
【0141】
本発明において用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図ではない。ここで、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0142】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリ
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300H プリント回路基板
100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H 第1基板部
200A、200B、200C、200D、200E、200F、200G、200H 第2基板部
111 ビルドアップ絶縁層
121 ビルドアップ配線層
131 ビルドアップビア層
211 ガラス層
212、213 絶縁層
221、222、223 配線層
231、232 ビア層
251、252、253 半導体チップ
261、262、263 接続部材
271 レジスト層
281 電気接続金属
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図7h
図7i
図7j
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図11f
図11g
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図14f
図14g
図14h
図14i
図14j
図15a
図15b
図15c
図15d
図15e
図15f
図16
図17
図18a
図18b
図18c
図18d
図18e
図18f
図18g
図19