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特開2025-18917試料中の標的分析物を感知するための回折センサ、並びに当該回折センサによって試料中の標的分析物を感知するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018917
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】試料中の標的分析物を感知するための回折センサ、並びに当該回折センサによって試料中の標的分析物を感知するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20250130BHJP
   G01N 21/47 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
G01N33/543 595
G01N21/47 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075587
(22)【出願日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】102023000015759
(32)【優先日】2023-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】520041194
【氏名又は名称】ディージー グループ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ディーノ ラディーチェ
(72)【発明者】
【氏名】ルチア シルヴェストリーニ
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059BB09
2G059EE02
2G059EE09
2G059FF01
2G059GG01
2G059HH02
2G059KK04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試料中のウイルス又は細菌、並びに他の標的分析物の検出を、単純、迅速、確実、かつ再現可能な方法で可能にする、利用可能なデバイスを作製する。
【解決手段】標的分析物を感知するための回折センサ(1)であって、-互いに等しく、5μm~50μmに含まれる最大寸法を有する、複数の表面領域を含む回折層であって、各表面領域は、200nm未満の深さを有する溝が設けられた回折格子を含み、互いに等しい当該表面領域の各々において、回折格子は同一構造を有する、回折層と、-回折層に重なり合い、標的分析物に選択的に結合されるように構成された受容層と、を含む、回折センサに関する。
本発明はまた、当該回折センサによって試料中の標的分析物を検出するためのシステム及び方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的分析物を感知するための回折センサ(1)であって、
-互いに等しく、5μm~50μmに含まれる最大寸法を有する、複数の表面領域(40)を含む回折層(3)であって、各表面領域(40)は、200nm未満の深さを有する溝が設けられた回折格子(30)を含み、互いに等しい前記表面領域(40)の各々において、前記回折格子(30)は同一構造を有する、回折層(3)と、
-前記回折層(3)に重なり合い、前記標的分析物に選択的に結合されるように構成された受容層(5)と、を含む、回折センサ(1)。
【請求項2】
各表面領域(40)の前記回折格子(30)の前記溝は、ランダムな傾向を有するパターンを形成する、請求項1に記載の回折センサ(1)。
【請求項3】
前記表面領域(40)の各々は、30μm~45μmに含まれる最大寸法を有する、請求項1又は2に記載の回折センサ(1)。
【請求項4】
前記表面領域(40)は正方形の形状を有し、前記最大寸法は前記正方形の一辺である、請求項1~3のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項5】
前記表面領域(40)は、隣り合って配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項6】
前記表面領域(40)は部分的に重なり合っている、請求項1~5のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項7】
前記回折層(3)の各表面領域(40)の前記回折格子(30)の前記溝は、30nm~200nmに含まれる、好ましくは100nm~180nmに含まれる深さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項8】
前記回折層(3)は、
-ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンからなる群から選択される、5μm~500μmに含まれる厚さを有するポリマーフィルム、又は
-10μm~500μmに含まれる厚さを有する非晶質材料又は結晶性材料、又は
-ガラス繊維材料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項9】
前記回折層(3)に重なり合い、直接接触する前記回折格子(30)を保護するための保護層(4)を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項10】
前記保護層(4)は、
-硫黄、又は
-酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素からなる群から選択される酸化物、又は
-金、銀、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、銅からなる群から選択される金属で作製される、請求項9に記載の回折センサ(1)。
【請求項11】
前記保護層(4)は、前記回折層(3)の前記回折格子(30)上に堆積したナノ粒子を含む、請求項9又は10に記載の回折センサ(1)。
【請求項12】
前記保護層(4)の前記ナノ粒子は、4~30nmに含まれる、好ましくは20nm未満の寸法を有する、請求項11に記載の回折センサ(1)。
【請求項13】
前記受容層(5)は、前記保護層(4)に重なり合って、直接接触している、請求項9~12のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項14】
前記標的分析物は特異的抗原であり、前記受容層(5)は、前記特異的抗原に結合するように適合された抗体を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項15】
前記抗体は、前記抗体の画分Fab’と、前記抗体の画分Fcの半分と、を含み、ジスルフィド結合-S-S-は、前記保護層(4)に結合されるように適合された還元ジスルフィド結合-SHに還元される、請求項14に記載の回折センサ(1)。
【請求項16】
透明又は半透明の支持層(2)を更に備え、前記回折層(3)は前記支持層(2)に重なり合う、請求項1~15のいずれか一項に記載の回折センサ(1)。
【請求項17】
標的分析物を検出するためのシステムであって、
-請求項1~16のいずれか一項に記載の回折センサ(1)と、
-可視スペクトルに含まれる波長を有するレーザ光ビームの光源(100)であって、前記回折センサ(1)に前記レーザ光ビームが当てられ、回折像を生成するように配置された、光源(100)と、
-前記回折センサ(1)からある距離に配置され、前記回折センサによって生成された前記回折像が投影されるように配置された、スクリーン(200)と、を備える、システム。
【請求項18】
前記レーザ光源(100)は前記回折センサ(1)の背後に配置され、それにより、前記レーザ光ビームは、前記センサに90°で当たり、前記回折像は、前記回折センサ(1)を横断する前記レーザ光ビームによって生成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記レーザ光源(100)は前記センサ(1)の前に配置され、それにより、前記レーザ光ビームは、前記回折センサ(1)に斜めに当たり、前記回折像は、前記回折センサ(1)からの反射によって生成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記スクリーン(200)に投影された前記回折像を検出することができる視覚システム(300)を更に備える、請求項17~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記視覚システム(300)に動作可能に接続されており、前記スクリーン(200)に投影された前記回折像を基準回折像と比較し、検出された前記回折像が前記基準回折像と異なる場合、前記回折センサ(1)の前記受容層(5)上の前記標的分析物の存在を判定するように構成された制御ユニット(400)を更に備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
試料中の標的分析物を検出する方法であって、
-請求項1~17のいずれか一項に記載の回折センサ(1)を提供するステップと、
-前記試料を前記回折センサ(1)の前記受容層(5)に適用するステップと、
-可視スペクトルに含まれる波長を有するレーザ光ビームを前記回折センサ(1)に当て、それにより、前記回折センサ(1)は裸眼に見える回折像を生成するステップと、
-前記回折センサ(1)によって生成された前記回折像を、前記受容層(5)上に前記標的分析物を含まずに等しいレーザ光ビームを前記回折センサ(1)に当てることによって得られた基準回折像と比較するステップと、
-前記回折センサ(1)によって生成された前記回折像が前記基準回折像と異なる場合に、前記試料中の前記標的分析物の存在を判定するステップと、を含む、方法。
【請求項23】
前記受容層(5)に前記試料を適用する前記ステップの後、かつ前記回折センサ(1)にレーザ光ビームを当てる前記ステップの前に、前記標的分析物とは異なる汚染物質又は分子又は作用物質を前記受容層(5)から除去するために前記回折センサ(1)を洗浄するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記回折センサ(1)の前記受容層(5)は、複数の標的分析物に選択的に結合されることが可能であり、前記方法は、
-前記回折センサ(1)によって生成された前記回折像を、各々が前記複数の標的分析物のうちの特定の標的分析物に対応する、複数の記憶された回折像と比較するステップと、
-前記回折センサによって生成された前記回折像が、前記複数の標的分析物のうちの特定の標的分析物の記憶された前記回折像と一致する場合に、当該特定の標的分析物の存在を判定するステップと、を更に含む、請求項22又は23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中の標的分析物を検出するために回折格子による回折の光学現象を利用するセンサに関する。本発明はまた、そのような回折センサを利用する、試料中の標的分析物を感知するための方法及びシステムに関する。
【0002】
用語「標的分析物」は、試料中のその存在が判定されるべき任意の化学種を指す。
【0003】
本発明は、ウイルス若しくは細菌、又はそれらの成分など標的分析物を検出するための特定の用途を有するが、他の種類の標的分析物の検出にも適用することができ、したがって、医療、獣医学、及び診断分野だけでなく、例えば、バイオセーフティ分野又は化学分野、特に微量の汚染物質の検出にも適用することができる。
【背景技術】
【0004】
標的分析物の検出は、分析物自体の性質に依存する多数の基準及び技術に従って行うことができる。
【0005】
例えば、ウイルス感染因子又は細菌感染因子の検出を用いて行われる、感染の確実な診断は、一般に、程度の差はあるが複雑な検査によって行われ、通常、高機能の実験装置を使用することが必要であり、結果が得られる前に、数日程度もの長い時間を要する。代替的に、迅速検査も利用可能であるが、これらは、上述の検査よりもかなり低い感度を有し、したがって、完全に信頼できるわけではなく、臨床的観点から問題のある結果をもたらし得る。
【0006】
したがって、試料中のウイルス又は細菌、並びに他の標的分析物の検出を、単純、迅速、確実、かつ再現可能な方法で可能にする、利用可能なデバイスを作製することが特に必要である。
【0007】
例えば、欧州特許出願公開第3907507(A1)号は、細菌及び/又はウイルスに対して生体応答性である表面プラズモンを生成することができるナノ材料を含む機能層と、ウイルス受容体として機能するタンパク質物質又は抗体を含む受容層と、プラズモン色が生成されるようにエッチングされたナノ構造を含むプラズモンナノ構造化層と、を含む比色センサについて記載している。ウイルス又は細菌を含む個体からの分泌物が機能センサ層と接触して配置されると、機能センサ層の構造の変化がプラズモンエネルギーの変化を引き起こし、したがって知覚される色が変化する。したがって、着色の変化は、分泌物中のウイルス又は細菌の存在を示す。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、細菌又はウイルスなど一般的な標的分析物の検出を単純、迅速、かつ確実に可能にする、既知の技術によるセンサに代わるセンサを提供することである。
【0009】
この目的及び他の目的は、請求項1に記載の標的分析物を感知するための回折センサ、請求項17に記載の標的分析物を感知するためのシステム、及び請求項22に記載の標的分析物を感知するための方法によって実現する。
【0010】
従属請求項は、本発明の可能で有利な実施形態を定義する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明をより良好に理解し、その利点を認識するために、その非限定的な例示的実施形態のいくつかを、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1】本発明の一実施形態による回折センサの概略図である。
図2】可能な隣り合わせの表面領域が強調されている実施形態による回折センサの回折層の拡大図である。
図3】互いに部分的に重なり合う、可能な表面領域が強調されている、更なる実施形態による回折センサの回折層の拡大図である。
図4】一実施形態による回折センサの回折層の可能な表面領域の拡大図である。
図5】一実施形態による、試料中の標的分析物を感知するためのシステムの概略図である。
図6】本発明による回折センサによって生成された、可能な回折像を示す。
図7図7a)及び図7b)は、回折センサ自体に適用された試料中の標的分析物のそれぞれ非存在下及び存在下で、回折センサによって生成された2つの可能な回折像を示す。
図8図8a)~図8d)はそれぞれ、-S-Sジスルフィド結合が還元-SHジスルフィド結合に還元される抗体及びその画分の概略図である。
図9】一実施形態による回折センサの受容層に結合した図8b)に示す抗体画分及び標的抗原の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図1図4を参照すると、一般的な標的分析物(又は、理解されるように、複数の標的分析物)を感知するための回折センサが、総じて1と称される。センサ1は、例えば、ユーザ機器(図示せず)に貼り付けられるラベルの形態で作製され得る。
【0013】
センサ1は、以下で詳細に説明するように、好ましくは、追加の上層を支持する機能を有する支持層2を含む。支持層2は、好ましくは透明又は半透明であり、ポリカーボネート、又はPVC、又はTeslin、又はポリエステルなどで作製され得るが、これらに限定されない。
【0014】
センサ1は、好ましくは支持層2に直接又は間接的に適用された回折層3を含む。
【0015】
回折層3は、以下で詳細に記載するように、ナノ構造化された、すなわち、数十ナノメートルから数百ナノメートル程度の深さを有する回折構造が設けられた回折格子30を含む。
【0016】
回折格子30は、以下のように実現することができる。
-好ましくは5μm~500μmに含まれる厚さを有するポリエステルフィルム(ポリカーボネートPC、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリ塩化ビニルPVC、ポリプロピレンPPなど)などポリマーフィルム上に;
-好ましくは10μm~500μmに含まれる厚さを有する、非晶質(例えば、ガラス)又は高結晶性(例えば、石英)酸化物材料で;
-ガラス繊維材料で。
【0017】
例えば、回折格子30は、以下の技術のうちの1つによって作製され得る。
-アブレーション:この技術は、材料の選択的除去を伴い、例えば、LIPSS(Laser-induced periodic surface structures)技術などパルスレーザ技術、又はLEHCEB(Low Energy High Current Electron Beam)技術を含む;
-堆積:この技術は、表面への薄材の堆積を伴い、例えば、スパッタリング及び光学フォトリソグラフィを含む。
【0018】
回折層3は、互いに等しい、すなわち、回折格子30が同一構造を有する、複数の表面領域40を含む。更に、表面領域40は、同一の形状及び寸法を有する。
【0019】
表面領域40は任意の形状を有し得、可能な実施形態によると、それらは正方形の輪郭を有する。表面領域40は、好ましくは5μm~50μm、更により好ましくは30μm~45μmに含まれる、例えば40μmに等しい最大寸法(輪郭の2点間の最大距離として特定可能であり、正方形の輪郭のセルの場合には正方形の一辺と一致する)を有する。
【0020】
表面領域40は、隣り合って配置され得る(例えば、正方形の表面領域の場合、図2に示すように市松模様配置を有し得る)、及び/又は互いに部分的に重なり合い得る(換言すると、図3に示すように、ある表面領域の頂点が別の表面領域に含まれ得る)。
【0021】
ここで単一の表面領域40(図4)を参照すると、回折格子30は、優先的にランダムパターンを有するが、各表面領域40において等しく繰り返されるパターンを形成する溝を有する。暗い方の部分が回折格子30の溝の谷を表し、明るい方の部分が山を表す図4に見られるように、溝によって形成される、幾何学的に画定されたパターンは識別することができない(この意味で、回折格子30の溝のパターンは「ランダム」パターンを有する)。
【0022】
回折格子30の溝深さ(すなわち、山と谷との間の距離)は、200nm未満であり、好ましくは30nm~200nmに含まれ、更に好ましくは100nm~180nmに含まれる。一実施形態では、回折センサ1は、回折格子30を保護するための保護層4を更に備え、保護層4は、好ましくは1μm~100μmに含まれる厚さを有する。保護層4は、以下からなる群から選択される材料で作製され得る。
-硫化物(硫化亜鉛(ZnS)など)
-酸化物(酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ケイ素(SiO)など);
-金属(金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、及び銅(Cu)など)。
【0023】
保護層4は、回折格子30に上述の材料のナノ粒子を(例えば、真空下で)堆積させることによって作製されることが好ましい。好ましくは、ナノ粒子のサイズは、4~30nmに含まれ、更により好ましくは20nm以下であり、例えば8nmに等しい。
【0024】
上述のように適合された回折層3の回折格子30は、センサ1自身の後方(すなわち、支持層2が位置するセンサの側)に配置されたレーザ源100によって放射され、好ましくは90°で入射する単色偏光(レーザ)のビームがセンサ1を通過する場合、この光ビームは、以下の周知のブラッグの法則に従って、フィルタ又はレンズなど光学手段を(レーザとセンサとの間、並びにセンサとスクリーンとの間に)挿入して像(図5)を増幅する必要なく、スクリーン200上の裸眼で見える回折像に回折されるようになっている。
nλ=2dsinθ
式中、
-nは正又は負の整数(回折次数)であり、
-λはレーザビームの波長であり、
-dは、センサ1と回折像が投影されるスクリーン200との間の距離であり、
-θは次数1の回折角であり、回折格子の構造に依存する。
【0025】
換言すると、ナノメートル回折格子の構造により、回折現象は、巨視的レベルで、すなわち裸眼で見ることができるレベルで起こり、例えば、物質をX線に曝露した後に原子レベルで起こる現象と同様であるが、裸眼では検出できない。
【0026】
一例として、レーザ源100によって放射されるレーザ光は、532nmに等しい波長λを有し得る(緑色光)が、回折像は、センサ1に、可視スペクトル内の任意の他の波長(直説法で390nm~700nmに含まれる)を有するレーザ光を照射することによって生成され得る。
【0027】
スクリーン200上に生成される回折像の例を図6に示す。これは複数のドットを含み、その分布は表面領域40内で繰り返される回折格子30の構造に依存する。この図では、より大きなドットを見ることができ、これは、センサの後方に90°で入射するレーザ光と位置合わせされたドットであり、回折されずにセンサを通過する。
【0028】
回折層30内で等しく繰り返される、表面領域40の周期性を前提とすると、回折像は、センサ1上のどこにレーザ光ビームが向けられても生成されることが観察される。
【0029】
保護層4の構造は、スクリーン200上の回折像におけるドットの輝度に影響を与え得る。例えば、保護層4で亜鉛ナノ粒子を使用すると、金ナノ粒子が使用される場合よりも明るい回折像をもたらすが、回折像におけるドットの分布は依然として同じであることが観察されている。したがって、表面領域40内の回折格子の構造は、センサ1にセンサ1のある種の固有の指紋、すなわち、厳密には回折像を生成させる。回折格子30のランダムパターン構造を変化させることはまた、回折像におけるドットの異なる分布をもたらす。
【0030】
回折層3は、センサによって回折された光が偏光されるように適合されていることが観察される。
【0031】
なお、回折像は、上述したように後側からレーザ光でセンサを横断するだけではなく、レーザ光の反射、すなわち、センサの前面(底部側とは反対側、例えば保護層4が配置され得る側)に対して斜めにレーザ光を向けることによっても得られる。いずれの場合も、上記の特性を有する回折像が得られる。
【0032】
ここで図1に戻ると、回折センサ1は、回折層3に重なり合って直接接触しているか、又は保護層4(存在する場合)に重なり合って直接接触している受容層5を更に含む。
【0033】
受容層5は、検出されるべき標的分析物に選択的に結合することができ、異なる性質の物質には結合できない。標的分析物は、生物学的溶液(例えば、唾液又は血液又は尿試料)などの試料中に含有され得、受容層5上に堆積し得る、例えば塗布され得る、又は擦り付けられ得る。
【0034】
このようにして、標的分析物が試料中に存在しない場合、受容層5は変化せず、回折センサ1は、上述のようにレーザ光ビームに曝露されると、裸眼で見ることができる第1の回折像をスクリーン上に生成する。一方、標的分析物が試料中に存在する場合、標的分析物は受容層5に結合し、その結果、回折センサ1は、第1の回折像とは異なる第2の回折像を生成する。この第2の回折像も裸眼で見ることができ、第1の状態の回折像と同様である。図7は、標的分析物が不在の場合(図7a))と、標的分析物が存在し、受容層5に結合している場合(図7b))に生成された回折像の比較を示す。図から分かるように、第1の場合と第2の場合の回折像において見えるドットの数及び/又は分布及び/又は光強度は異なる。したがって、裸眼でも行うことができる、2つの回折像の単純な視覚的比較から、標的分析物が試料中に存在し、回折センサ1の受容層5に結合しているか否かを判定することが可能である。
【0035】
一般に、回折層3のみによって生成される回折像は、受容層5を適用した結果として生成される回折像とは異なり、受容層5が標的分析物と結合している場合に生成される回折像とも異なる。したがって、保護層4の有無にかかわらず回折層3を備え、受容層5を欠くセンサは、したがって、センサのある種の指紋を構成するナノメートル回折格子に特有の回折像を生成することができる。
【0036】
標的分析物の存在下及び不在下で生成された回折像はまた、着色が互いに異なり得ることが観察されるべきである。しかし、これは回折像の変動に対する二次的な影響である可能性がある。好ましくは、使用されるレーザ光に色が依存する(例えば、波長λ=532nmの場合、色は緑色である)回折像は、グレースケールに変換される。
【0037】
試料中及び/又はセンサが位置する環境に存在する標的分析物以外の任意の汚染物質が回折像を変化させないようにするために、受容層5は、可能な標的分析物の存在が検出される試料の適用に続いて、適切な方法で洗浄されることが好ましい。いくつかの可能な例を以下に示す。このようにして、受容層5(標的分析物にのみ選択的に結合することができる)に結合できない物質又は分子又は汚染物質が除去される。
【0038】
受容層5の性質、具体的にはその化学組成、並びに洗浄の方法(適用可能な場合)は、対象となる標的分析物に依存して異なり得る。一般に、受容層5は、抗体、タンパク質、キーロック作用を有する分子、キレート化合物、又はキレート機能を有する他の化学物質若しくは生体物質を含み得る。
【0039】
非限定的な例として、標的分析物は以下を含み得る。
-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):この場合、受容層5はhCGに特異的なモノクローナル抗体を含み得、センサ1は妊娠検査に好適である。
-破傷風トキソイド:この場合、受容層5は破傷風毒素に特異的なモノクローナル抗体を含み得、センサ1は破傷風毒素を検出することができる。
-SARS-CoV-2のヌクレオカプシド(N)タンパク質:この場合、受容層5は、SARS-CoV-2のヌクレオカプシドタンパク質に特異的なモノクローナル抗体を含み得、センサ1は、生体試料中のSARS-CoV-2ウイルスの存在を検出することができる。
【0040】
したがって、上述の抗体を受容層5に含めることにより、受容層5に適用される試料中のこれらの標的分析物の存在を後者が選択的に検出することが可能になる。一般に、センサによって検出されるべき成分に対する好適な抗体も特異的に産生され得る。
【0041】
一般に、標的分析物が特異的抗原である場合、受容層は、当該抗原に特異的であり、センサ1によって検出されることが意図される標的抗原以外の抗原に非特異的な抗体を含み得る。したがって、確実な検出のためには、抗体が回折層3に強固に結合していることが必要である。有利には、このような強固な結合は、抗体を保護層4のナノ粒子、好ましくは金属ナノ粒子に結合させることによって実現することができる。
【0042】
抗体は、共通の基本構造を有する、モジュール構造のタンパク質複合体であるが、特定抗原に結合することができる特定領域において可変性を示す。一般に、抗体は、中心ステム及び2つの側枝を有するY型立体配座を示す。それらは、-S-Sジスルフィド架橋によって共有結合された4つの鎖を含み、事前に処理されない限り金など金属に結合することができない。
【0043】
保護層4、特にその金属ナノ粒子に結合するための抗体の1つの可能な予備処理は、還元-SHジスルフィド結合に還元することによって抗体の一部の-S-Sジスルフィド結合を切断することを含み、その代わりに金属に結合することができ、具体的には金属と非常に強固なチオール結合を形成することができる。抗体の-S-Sジスルフィド結合が切断される場合、抗体の4つの異なる部分が得られ(図8a)~図8d))、抗体全体の半分のみ(図8b)に示す)、すなわち、単一の側鎖、すなわちFab’フラグメント、及びステムの半分、すなわちFcフラグメントの半分が、一方で保護層4の金属と安定な結合を形成し、他方で標的抗原10への結合能力を維持するのに適している(図9)。次いで、ジスルフィド-S-S結合は、分離した、抗体の2つの重鎖を一緒に保持するヒンジ領域において還元される。
【0044】
ジスルフィド-S-S結合を切断することによって得られる全ての抗体部分のサイズが異なるので、例えば、サイズに従って正確にフィルタリングすることによって所望の抗体部分を選択することが可能である。
【0045】
-S-Sジスルフィド結合の還元-SHジスルフィド結合への還元は、それ自体が既知である分子技術(具体的には、還元剤、ポリアクリルアミドゲル、限外濾過装置の使用など)によって達成され得る。この点に関しては、例えば、参照により本明細書に完全に組み込まれる、以下の論文を参照されたい。
-Rafael Antonio Salinas Dominguez,Miguel Angel Dominguez Jimenez,Abdu Orduna Diaz:「Antibody Immobilization in Zinc Oxide Thin Films as an Easy-Handle Strategy for Escherichia coli Detection」-ACS Omega 2020,5,20473-20480;
-Anke K.Trilling,Jules Beekwildera,Han Zuilhof:「Antibody orientation on biosensor surfaces:a minireview」-Analyst,2013,138,1619;
-Lu Zhang,Yacine Mazouzi,Michele Salmain,Bo Liedberg,Souhir Boujday:「Antibody-Gold Nanoparticle Bioconjugates for Biosensors:Synthesis,Characterization and Selected Applications」-Biosensors and Bioelectronics 165 (2020)112370;
-Asta Makaraviciute,Carolyn D.Jackson,Paul A.Millner,Almira Ramanaviciene:「Considerations in producing preferentially reduced half-antibody fragments」-Journal of Immunological Methods 429(2016)50-56;
-Monalisa Pal,Sanghee Lee,Donghoon Kwon,Jeongin Hwang,Hyeonjeong Lee,Seokyung Hwang,Sangmin Jeon:「Direct immobilization of antibodies on Zn-doped Fe3O4 nanoclusters for detection of pathogenic bacteria」-Analytica Chimica Acta 952(2017)81-87;
-Md. Morsaline Billah,Christopher S.Hodges,Henry C.W.Hays,P.A. Millner:「Directed immobilization of reduced antibody fragments onto a novel SAM on gold for myoglobin impedance immunosensing.」-Bioelectrochemistry 80(2010)49-54;
-Hongcheng Liu & Kimberly May(2012):「Disulfide bond structures of IgG molecules」-mAbs,4:1,17-23;
-Roberto Reverberi,Lorenzo Reverberi:「Factors affecting the antigen-antibody reaction」-Blood Transfus 2007;5:227-240;
-Harsh Sharma,Raj Mutharasan:「Half Antibody Fragments Improve Biosensor Sensitivity without Loss of Selectivity」-Anal. Chem. 2013,85,2472-2477;
-Woochang Lee,Byung-Keun Oh,Won Hong Lee,Jeong-Woo Choi:「Immobilization of antibody fragment for immunosensor application based on surface plasmon resonance.」-Colloids and Surfaces B:Biointerfaces 40(2005)143-148;
-Yuanli Song,Hui Cai,Zhijun Tan,Nesredin Mussa,Zheng-Jian Li:「Mechanistic insights into inter-chain disulfide bond reduction of IgG1 and IgG4 antibodies」-Applied Microbiology and Biotechnology(2022)106:1057-1066;
-Nicholas G.Welch,Judith A.Scoble,Benjamin W.Muir,et al:「Orientation and characterization of immobilized antibodies for improved immunoassays」-Biointerphases 12,02D301(2017);
-Arkady A.Karyakin,Galina V.Presnova,Maya Yu.Rubtsova,Alexey M.Egorov:「Oriented Immobilization of Antibodies onto the Gold Surfaces via Their Native Thiol Groups」-Anal. Chem. 2000,72,3805-3811;
-Nur Mustafaoglu,Tanyel Kiziltepe,Basar Bilgicer:「Site-Specific Conjugation of Antibody on Gold Nanoparticle Surface for One-Step Diagnosis of Prostate Specific Antigen with Dynamic Light Scattering」-Nanoscale.2017 June 29;9(25):8684-8694;
-Harry W Schroeder Jr,Lisa Cavacini:「Structure and Function of Immunoglobulins」-Allergy Clin Immunol.2010 February;125(2 0 2):S41-S52。
【0046】
受容層5が抗体又は他のタンパク質を含む場合、前述の洗浄は、例えば、PBS(リン酸緩衝食塩水)の使用によって、浸漬によって、及び場合によってはそれに続いてのセンサの遠心分離によって行うことができる。
【0047】
1つの可能な実施形態によると、受容層5は、例えば受容層5の異なる領域において、複数の異なる標的分析物に選択的に結合することができ、結合した標的分析物に応じて、生成される回折像が異なるように構成されていることに留意されたい。例えば、受容層5は、受容層5が異なる標的抗原に選択的に結合可能な方法で位置付けられた異なる抗体を含み得る。
【0048】
センサによって生成された回折像は裸眼で見ることができるが、これらの回折像は、自動又は部分自動システムによって有用に検出され得る。一例として、試料中の標的分析物を感知するための可能なシステムを図5に示す。このシステムは、レーザ源100と、スクリーン200(好ましくはサテン)と、センサ1によって生成された回折像を取得することができる視覚システム、例えば、コンピュータ400の制御ユニットに接続されたスクリーン200に向けられたビデオカメラ300と、を備える。後者の制御ユニットは、場合によっては、回折像のグレースケール変換を実行することができる。そのようなシステムは、例えば、オンサイト分析を行うために持ち運び可能であり得る。そのような場合には、上述の機器に電源及び/又は電池が設けられ得る。
【0049】
本発明の更なる態様によると、試料中の標的分析物を感知するための方法は、以下のステップを含む。
-上記の実施形態による回折センサ1を提供するステップ;
-回折センサ1の受容層5に試料を適用するステップ;
-回折センサ1が、例えばスクリーン200上に、裸眼で見ることができる回折像を生成するように、例えば光源100によって放射されたレーザ光のビームを回折センサ1に当てるステップ;
-回折センサ1によって生成された回折像を、受容層5上に標的分析物が不在のときにレーザ光の等しいビームを回折センサに当てることによって得られた基準回折像と比較するステップ(この比較は、裸眼のオペレータによって、又は好ましくは、例えばコンピュータ400の自動制御ユニットによって行われ得る);
-回折センサ1によって生成された回折像が基準回折像と異なる場合に、試料中の標的分析物の存在を判定するステップ。
【0050】
一実施形態では、本方法は、回折像をグレースケールに変換して、レーザ光ビームの波長に依存する着色を除去する。このステップは、例えば、制御ユニットによって実行され得る。
【0051】
受容層が複数の標的分析物に選択的に結合することができる場合、本方法は、センサによって生成された回折像を複数の記憶された回折像(各々が特定の標的分析物に対応する)と比較する追加のステップと、センサによって生成された回折像が当該特定の標的分析物について記憶された回折像と一致する場合、センサによって検出可能な複数の標的分析物から特定の標的分析物の存在を判定する追加のステップと、を更に含み得る。
【0052】
一実施形態では、試料を受容層5に適用するステップの後、かつ回折センサ1にレーザ光ビームを当てるステップの前に、本方法は、回折センサ1を洗浄して、バックグラウンドノイズとしてのみであっても最終回折像に干渉し得る、標的分析物以外の物質又は分子又は汚染物質を受容層5から除去する追加のステップを含む。このような洗浄ステップは、例えば、適切な手順及びタイミングに従って、緩衝溶液(例えば、PBS)、イオン性洗剤若しくは非イオン性洗剤剤を使用することによって、又は低刺激の界面活性剤によって行われ得る。
【0053】
本発明による回折センサ、システム、及び方法は、様々な分野に用途を見出すことができ、そのいくつかの非限定的な例を以下に示す。
-医学的設定又は獣医学的設定における診断:
○細菌(ライム病、ブルセラ症、梅毒など)感染症、ウイルス(HIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎など)感染症、及び真菌(病原性酵母感染症など)感染症の病原体又はその成分の実証による診断;
○ウイルス(コロナウイルス、HIV、肝炎、エボラ、ノロウイルス、インフルエンザ、西ナイル、ジカなど)の検出;
○特定の臨床的に検証されたマーカの実証による、体内の細胞を破壊する自己抗体の免疫系による異常な産生に起因する自己免疫疾患の診断(例えば、I型糖尿病における膵臓内のインスリン産生細胞を破壊する自己抗体);
○ホルモン(例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、テストステロン)の検出及び定量化;
○(例えば、HIVなどのウイルス感染の検出のための)献血のスクリーニング;
○薬物(例えば、アンフェタミン、コカイン)の検出;
○腫瘍マーカの検出(例えば、前立腺癌診断のための前立腺特異抗原(PSA);
○獣医学分野における診断(例えば、アフリカ豚コレラ、鳥類発熱、ウシパルボウィルス、イヌアデノウィルス、コロナウイルス、ウマ伝染性貧血、ネコ白血病などの検出)。
-DNA検索;
-非診断用途:
○バイオセーフティ:
■伝染病の監視;
■生物兵器/バイオテロの検査;
■化粧品での検査(例:金属汚染の検査);
○汚染物質の検出:
■食品中の汚染物質の検出及びスクリーニング(例えば、サルモネラ種、大腸菌、カンピロバクター種、黄色ブドウ球菌);
■環境汚染物質の検出及びスクリーニング(例えば、水中又は土壌中の重金属の検出);
■殺虫剤の検出;
■火薬の検出(例えば、硝酸レダクターゼなど特定の酵素による硝酸塩の検出)。
【0054】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、センサ1の層を指す「重なり合う」という用語は、言及した重なり合う層間での直接接触を意味することを必ずしも意図していないことに留意されたい。したがって、そのような層は、互いに直接接触し得る、あるいは、それらの重なり合いを損なうことなく、それらの間に配置された1つ以上の中間層を有し得る。
【0055】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的のために、別段の指示がある場合を除いて、量、尺度、パーセンテージなどを表す全ての数字は、いかなる場合でも「約」という用語によって修飾されていると見なされるべきであることにも留意されたい。更に、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点の任意の組み合わせを含み、それらの範囲内の任意の中間範囲を含み、それらは具体的に列挙されてもされなくてもよい。
【0056】
本開示は、上記の態様のうちの少なくとも1つに従って、記載の実施形態のうちの1つ以上に従って、任意選択的に互いに組み合わされて実施され得る。
【0057】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的のために、「an」又は「one」という用語は、1つ又は少なくとも1つを含むものとして読まれるべきであり、単数形は、そうでないことが意図されていることが明らかでない限り、複数形を含む。
【0058】
回折センサ並びに試料中の標的分析物を感知するためのシステム及び方法の上記の説明に対して、当業者は、特定の偶発的な必要性を満たすために、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多数の追加、修正、又は機能的に等価な要素による要素の置換を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】