(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018974
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ソノトロード、ソノトロードを用いた溶接装置、並びに関連する溶接方法及び位置決め方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/08 20060101AFI20250130BHJP
B65D 8/04 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
B29C65/08
B65D8/04 H
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024114498
(22)【出願日】2024-07-18
(31)【優先権主張番号】10 2023 120 065.8
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522238491
【氏名又は名称】ブランソン ウルトラスチャル ニーデルラッスン デル エマーソン テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アンド カンパニー オーエイチジー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【弁理士】
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ダッパーズ
(72)【発明者】
【氏名】ババク サベリ
【テーマコード(参考)】
3E061
4F211
【Fターム(参考)】
3E061AA16
3E061AB09
3E061BA01
3E061BA03
3E061BB12
3E061DB06
4F211AA04
4F211AA11
4F211AD06
4F211AG07
4F211AH55
4F211AH57
4F211AR02
4F211AR07
4F211AR12
4F211TA03
4F211TC08
4F211TN22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】包装、食品、及び薬学の分野で使用される、底部を有する容器の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも部分的に溶接可能な材料、特にプラスチック材料、で作られた少なくとも2つの接合部(1、3)を摩擦溶接するためのソノトロード(10)であって、第1の軸方向端部(14)及び反対側の第2の軸方向端部(16)を有する基体(12)を備え、さらに、第2の軸方向端部(16)に隣接して、作業面(20)が、中心長手方向軸(18)に対して横方向に基体(12)に設けられ、作業面は、動作時に、少なくとも2つの接合部(1、3)のうちの1つに取り付け可能であり、接合エネルギーが、少なくとも2つの接合部(1、3)の間の接合ゾーンに横方向に導入可能であり、形状は、2つの接合部(1、3)のうちの少なくとも1つの外形に適合可能であるか又は適合されるソノトロード。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に溶接可能な材料で作られた少なくとも2つの接合部(1、3)を摩擦溶接するためのソノトロード(10、110)であって、
a)第1の軸方向端部(14、114)及び反対側の第2の軸方向端部(16、116)を有する基体(12、112)であって、前記基体(12、112)は、前記第1の軸方向端部(12、112)及び前記第2の軸方向端部(14、114)を通って延在する中心長手方向軸(18)を有し、それに沿って前記ソノトロード(10、110)が動作中に移動可能である、基体(12、112)
を備える、ソノトロード(10、110)であり、
b)前記第2の軸方向端部(16、116)に隣接して、前記中心長手方向軸(18)に対して横方向に前記基体(12、112)に作業面(20、120)が設けられ、動作時に前記少なくとも2つの接合部(1、3)のうちの一方に取り付け可能であり、それにより、接合エネルギーが前記少なくとも2つの接合部(1、3)の間の接合ゾーンに横方向に導入可能であり、
c)前記作業面(20、120)は、前記基体(12、112)を円周方向に取り囲み、第1の構造体を備え、その形状が、前記2つの接合部(1、3)の少なくとも一方の外形に適合可能である、
ソノトロード(10、110)。
【請求項2】
前記作業面(20、120)が第2の構造体を有する、請求項1に記載のソノトロード(10、110)。
【請求項3】
前記長手方向軸(18)に関する断面において、前記第1の構造体が、以下の形状:円形、楕円形、長円形、多角形、又はそれらの組み合わせのうちの1つを有する、請求項1又は2に記載のソノトロード(10、110)。
【請求項4】
前記基体(112)が、少なくとも1つのチャネル(122)を備え、前記チャネル(122)の一端が前記ソノトロード(110)の基体(112)の第2の軸方向端部(116)に配置され、前記チャネル(122)の他端が負圧源(130)と接続可能であるため、その結果、前記ソノトロード(110)を用いて、前記少なくとも2つの接合部(1、3)のうちの1つが保持可能及び/又は位置決め可能である、請求項1に記載のソノトロード(110)。
【請求項5】
少なくとも部分的に溶接可能な材料からなる少なくとも2つの接合部(1、3)を摩擦溶接するための溶接装置であって、
a)請求項1に記載のソノトロード(10、110)と、
b)基体(42、142)と少なくとも1つの圧力セグメント(50)とを備えるアンボス(40、140)を有する保持装置と、
を備える、溶接装置であり、
c)前記溶接装置の動作中に、前記少なくとも2つの接合部(1、3)は、前記少なくとも1つの圧力セグメント(50)によって前記ソノトロード(10、110)の作業面(20、120)に押し付けることが可能である、
溶接装置。
【請求項6】
前記アンボス(40)の基体(42)が、前記2つの接合部(1、3)の少なくとも一方の外形に適合可能な形状を有する、請求項5に記載の溶接装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの圧力セグメント(50)が、前記少なくとも2つの接合部(1、3)のうちの一方の外形に少なくとも部分的に適合可能な形状を有する、請求項5又は6に記載の溶接装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの圧力セグメント(50)が、構造体を備える、請求項5又は6に記載の溶接装置。
【請求項9】
第1の軸方向端部(14、114)と、反対側の第2の軸方向端部(116)と、基体(112)及び少なくとも1つのチャネルの周りに円周方向に存在する横方向作業面(120)と、を備える前記基体(112)を有する請求項4に記載のソノトロード(110)によって、溶接可能な材料から少なくとも部分的に構成された第1の接合部(1)を位置決めするための位置決め方法であって、前記チャネル(122)の一端が前記ソノトロード(110)の基体(112)の第2の軸方向端部(116)に配置され、前記チャネル(122)の他端が負圧源(130)に接続されており、以下のステップ:
a)前記第1の接合部(1)を提供するステップ(ステップa)と、
b)前記ソノトロード(110)の第2の軸方向端部(116)に隣接して前記第1の接合部(1)を配置するステップ(ステップb)と、
c)前記ソノトロード(110)の第2の軸方向端部(116)に隣接して配置された第1の接合部(1)を負圧によって保持するステップ(ステップc)と、
d)前記第1の接合部(1)を所要の位置に保持した状態で前記ソノトロード(110)を位置決めするステップ(ステップd)と、
を含む、位置決め方法。
【請求項10】
さらなるステップ:
e)前記所要の位置で前記第1の接合部(1)を解放するステップ(ステップe)
をさらに含む、請求項9に記載の位置決め方法。
【請求項11】
請求項5に記載の溶接装置を用いた溶接方法であって、
a)少なくとも部分的に溶接可能な材料で作られた第1の接合部(1)及び第2の接合部(3)を提供するステップ(ステップA)と、
b)前記ソノトロード(10、110)の作業面(20、120)と前記少なくとも1つの圧力セグメント(50)との間に前記第1の接合部(1)及び前記第2の接合部(3)を配置するステップ(ステップB)であって、前記作業面(20、120)は前記ソノトロード(10、110)の振動方向に対して横方向に配置される、ステップBと、
c)前記ソノトロード(10、110)の振動を誘発して、前記第1の接合部(1)と前記第2の接合部(3)との間に溶接接続を確立するために接合エネルギーを接合ゾーンに横方向に導入させるステップ(ステップC)と、
d)前記ソノトロード(10、110)の作業面(20、120)と前記少なくとも1つの圧力セグメント(50)とを離間させ、その結果、互いに溶接された第1及び第2の接合部(1、3)を前記溶接装置から取り出せるようにするステップ(ステップD)と、
を含む、溶接方法。
【請求項12】
前記ソノトロード(10、110)の振動が超音波範囲内で行われる、請求項11に記載の溶接方法。
【請求項13】
請求項9に記載の位置決め方法のステップをさらに含み、請求項9に記載の位置決め方法のステップが、前記提供するステップの過程で実現される、請求項11に記載の溶接方法。
【請求項14】
前記第1の接合部(1)としての底部と、前記第2の接合部(3)としての本体とからなる容器であって、前記第1の接合部(1)及び前記第2の接合部(3)は、少なくとも部分的に溶接可能な材料からなり、請求項11に記載の溶接方法によって接合部分において互いに溶接される、容器。
【請求項15】
断面において、前記接合部分が、以下の形状:円形、楕円形、長円形、多角形、又はこれらの形状の組み合わせのうちの1つを有する、請求項14に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に溶接可能な材料、特にプラスチック材料からなる少なくとも2つの接合部を摩擦溶接するためのソノトロード、対応する溶接装置、第1の接合部を位置決めするための位置決め方法、並びに対応する溶接方法及び関連する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばヨーグルトカップ、使い捨て飲用カップ、又は底部及び/又は中間底部を有する他の容器などの、容器の製造において、まずは、容器の本体が、例えば中空円筒の形状で、提供される。この本体の片側を閉じるために、通常接着剤によって、底部が本体に固定される。これに代えて、本体と底部との間の接続は、例えば熱風又はホットパンチを用いて、接合相手を温度加熱することによって行われてもよいし、また、例えばそれぞれ圧力要素又はローラによって、機械的接続によって行われてもよい。
【0003】
ここで、欠点は、サイクルタイムが短いこと、及び、本体を底部と接続するために接着剤を使用することで労力を要することである。さらに、食品部門並びに医薬品部門のためのそのような容器の製造において、特に使用する接着剤に関して特定の要件を順守しなければならず、これは製造コストが高くなることにつながる。さらには、本体へのアクセス性が必ずしも十分に保証されるとは限らない。
【0004】
したがって、本発明の目的とする技術的目的は、特に包装、食品、及び薬学の分野で使用される、底部を有する容器の代替製造方法を提供することである。ここで、製造方法は主に、容器の本体と底部との間の信頼性の高い接続を提供するべきであり、経済的に最適化されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
上記の目的は、請求項1に記載のソノトロード、請求項5に記載の対応溶接装置、請求項9に記載の位置決め方法、請求項11に記載の溶接方法、及び請求項14に記載の容器によって解決される。有利な実施形態及びさらなる発展は、以下の説明、図面、及び添付の特許請求の範囲から生じる。
【0006】
少なくとも部分的に溶接可能な材料、特にプラスチック材料で作られた少なくとも2つの接合部を摩擦溶接するための本発明のソノトロードは、第1の軸方向端部及び反対側の第2の軸方向端部を有する基体を備え、基体は、第1及び第2の軸方向端部を通って延在する中心長手方向軸を有し、それに沿ってソノトロードが動作中に移動可能であるか、又はそれに沿ってソノトロードの偏位が動作中に起こる場合があり、第2の軸方向端部に隣接して、中心長手方向軸に対して基体横方向に作業面が設けられ、少なくとも2つの接合部の間の接合ゾーンに横方向に接合エネルギーを導入することができるように、少なくとも2つの接合部のうちの1つに動作中に取り付け可能であり、作業面は、好ましくは一切の中断なく基体を取り囲み、第1の構造体を備え、その形状は、2つの接合部のうちの少なくとも1つの外形に適合可能であるか又は適合される。
【0007】
上記の本発明のソノトロードは、対応する摩擦溶接方法中の溶接装置の機能に基づいて、ここでより詳細に説明され、参考例として容器としてのヨーグルトカップ又は使い捨て飲用カップの製造が挙げられている。
【0008】
容器としてのカップは、第1接合部としての底部と、第2接合部としての中空状の本体とを接合部として備える。本体は、例えば、円柱状又は円錐状の外形である。本体は、片方の側が底部で閉じられているものとする。これは、底部が本体の軸方向端部に隣接して固定されることを意味する。このような底部は、閉じ底部とも呼ばれる。あるいは、本体内の別の位置で底部を固定することが好ましい。この場合、底部は中間底部である。したがって、底部という用語は、一般に、本明細書では閉じ底部又は中間底部を含む。
【0009】
使用される溶接方法により、本体の材料は、筐体の材料と溶接可能でなければならない。したがって、本体及び/又は底部は、少なくとも接合部分に溶接可能な材料を含まなければならないか、又は溶接可能な材料で構成されなければならない。そのような溶接可能な材料の例は、例えば、対応してコーティング又はラミネートされた、紙などである。例えば、紙は、特にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)から作られた、プラスチックコーティングを含む。本体及び底部、すなわち第2の接合部及び第1の接合部は、同じ材料か又は異なる材料で構成され得る。同じ材料が特に好ましく、それは特に信頼性の高い溶接接続を達成することができるからである。
【0010】
容器の一例としてのカップに関して、中空本体の材料は、第1の一部分において一端で内側へ半径方向に屈曲し、続く第2の一部分において本体の他端の方向へ半径方向に屈曲する。このようにして、本体内側の一端に円周U字形状が形成される。半径方向外側において、底部は、好ましくは底部の表面法線に平行又はほぼ平行に延在し、後に本体によって形成されるU字形に少なくとも部分的に配置される部分を有する。
【0011】
溶接装置は、本発明のソノトロードと、基体を備えるアンボスと少なくとも1つの圧力セグメントとを有する保持装置と、を備える。一例としてカップに関して、アンボスの基体は、好ましくはカップの本体に対して相補的に形成された形状を有する。しかしながら、これは、代替例に基づいて後述するように、すべての容器に絶対に必要ではない。
【0012】
まず、溶接方法は、少なくとも部分的に溶接可能なプラスチック材料で作られた第1及び第2の接合部を提供するステップを含む。一例としてのカップに関して、第1の接合部、すなわち底部は、アンボスの基体上に配置されることが好ましい。そうすることで、表面法線に平行に延在する底部の一部分は、基体から離れて面する。ここで、第2の接合部、すなわち中空本体は、本体のU字形状が表面法線に平行に延在する底部の一部分を受けるように、アンボスの基体上に配置される。そのようにして、第1の接合部及び第2の接合部は、この部分において重なり、その結果、重なり部分は、接合ゾーン又は接合部分とも呼ばれる。
【0013】
ソノトロード及びアンボスは、ここで、好ましくは1つの軸のみに沿って、互いに相対的に移動され、その結果、ソノトロードの横方向又は半径方向外側の作業面が接合部分に隣接して配置される。接合部の安全な位置決めを達成するために、円筒形本体の場合には例えば半円として形成される、少なくとも1つの圧力セグメント、好ましくは少なくとも2つの圧力セグメントは、接合部がソノトロードの作業面に押し付けられるまで、互いに接続されるべき接合部の方向に移動される。好ましくは、非常に多くの圧力セグメントが存在するので、2つの接合部は、接合部分においてワンステップで互いに溶接され得る。
【0014】
次に、ソノトロードが振動するように誘導され、それにより、接合エネルギーが接合ゾーンに横方向又は半径方向に導入され、第1の接合部と第2の接合部との間の溶接接続が形成される。
【0015】
特に、ソノトロードの振幅、溶接される接合部にかかる圧力、及び接合時間は、溶接方法を設定するためのパラメータとして変化する。したがって、好ましい実施形態では、ソノトロードの振動周波数は変化しない。
【0016】
溶接プロセスが終了した後、ソノトロードの作業面及び少なくとも1つの圧力セグメントが離間され、その結果、互いに溶接された第1及び第2の接合部を溶接装置から取り外すことができる。この目的のために、ソノトロードも、圧力セグメントが離れると同時に、又は離れた後に、アンボスに対して移動される。
【0017】
本発明の利点は、この設計であれば、閉じた輪郭を有する容器の場合に摩擦溶接接続部を製造でき、その結果、別個の接着剤の使用が不要になることである。これは、容器の製造を容易にし、迅速で効率的で費用効果の高い溶接方法により迅速な作業サイクルを提供する。同様に、他の製造方法と比較して、溶接装置のメンテナンス労力及び必要なスペースは少なく、方法を制御するための労力も少ない。
【0018】
ソノトロードの有利な構成では、作業面は、特に複数の隆起形状にある第2の構造体を有する。第2の構造体によって、動作中にソノトロードに押し付けられる接合部は、ソノトロードによって引っ張られ、振動し始める。したがって、ソノトロードの第2の構造体は、引っ張り構造体とも呼ばれ得る。好ましくは、引っ張り構造体は、隣接する接合部が本質的にソノトロードと同じ動きを行うように、隣接する接合部に食い込む。このようにして、摩擦溶接による2つの構成要素間の接続を効果的に実現することができる。
【0019】
さらに、長手方向軸に関する断面において、第1の構造体は、以下の形状:円形、楕円形、長円形、多角形で好ましくは角の丸いもの、又はそれらの組み合わせのうちの1つを有することが好ましい。このようにして、第1の構造体、ひいてはソノトロードの作業面は、互いに接続される接合部、例えば、円筒状、円錐状、角の丸い長方形など、に構成された中空本体に適合され得るか、又は最適に適合され得る。
【0020】
ソノトロードの特に好ましい実施形態では、基体は少なくとも1つのチャネルを備え、チャネルの一端はソノトロードの基体の第2の軸方向端部に配置され、チャネルの他端は負圧源と接続可能であり、その結果、ソノトロードを用いて、第1の接合部は保持可能及び/又は位置決め可能である。この設計の利点は、第1の接合部が、すなわち上記の例に関してカップの底部が、ソノトロードによって保持され得ることである。したがって、ソノトロードは、容器の中空本体内の必要な位置に底部を位置決めし、それをそこに、摩擦溶接によって少なくとも1つの圧力セグメントと組み合わせて固定することができる。そのようにして、容器の本体は、例えば容器の一部の容積が既に製品で充填された後に、中間底部を設けることができる。この場合、アンボスの基体は、例えば、1つの平面から作られ、本体の安定化機能を担う必要がないため、その上に、本体が配置又は定置される。
【0021】
したがって、そのように構成されたソノトロードを用いた対応する位置決め方法は、第1のステップにおいて、第1の接合部を提供することを含む。その後、第1の接合部は、ソノトロードの第2の軸方向端部に隣接して配置され、負圧によってそこに保持される。ここで、保持された第1の接合部を有するソノトロードは、所要の位置、例えば製品で既に充填されている容器内、に配置される。
【0022】
例えばプラスチック材料などの溶接可能な材料から少なくとも部分的に構成される少なくとも2つの接合部を摩擦溶接するための本発明の溶接装置は、本発明のソノトロードと、基体及び少なくとも1つの圧力セグメント、好ましくは少なくとも2つの圧力セグメント、を備えたアンボスを有する保持装置とを備え、溶接装置の動作中、少なくとも2つの接合部は、少なくとも1つの圧力セグメントによってソノトロードの作業面に押し付けられてもよい。動作方法及びそれによって得られる利点に関して、本発明のソノトロードに関する上記の説明を参照されたい。
【0023】
溶接装置の好ましい実施形態では、アンボスの基体は、2つの接合部の少なくとも一方の外形に適合可能な形状又は適合される形状を有する。この設計では、アンボスの基体は、例えば、製造される容器の本体の、安定化及び位置決め機能を担う。
【0024】
好ましくは、少なくとも1つの圧力セグメントは、2つの接合部のうちの少なくとも1つの外形に少なくとも部分的に適合可能な形状又は適合される形状を有する。上述したように、接合部分における溶接接続を保護することが、圧力セグメントの目的である。できるだけ少ないステップで、好ましくはワンステップのみで同じことを実行するために、ソノトロードの作業面に接合部分全部を押し付けることができるいくつかの圧力セグメントが存在する。このため、圧力セグメント(単数又は複数)は、第2の接合部の外形に適合可能であること又は適合されることが好ましい。
【0025】
少なくとも1つの圧力セグメントは、好ましくは圧力面の一部に、特に複数の隆起形状にある構造体を含むことがさらに好ましい。複数の隆起により、それぞれの接合部は、圧力セグメントの圧力面とソノトロードの作業面との間で、特に安全に保持又は固定され得る。特に、圧力セグメントの圧力面は、この第2の構造体によって圧力面に隣接するそれぞれの接合部に食い込む。このようにして、対応する接合部の効果的な緊密な保持を実現することができる。したがって、圧力セグメントの圧力面の構造体は、保持構造体とも呼ばれてもよい。この実施形態は、当接する接合部を引っ張るための第2の構造体を有するソノトロードと組み合わせることが特に好ましい。
【0026】
第1の接合部を位置決めするための本発明の位置決め方法であって、第1の接合部は、第1の軸方向端部と、反対側の第2の軸方向端部と、基体及び少なくとも1つのチャネルの周りに円周方向に存在する横方向作業面と、を備えた基体を有するソノトロードによって溶接可能な材料、特にプラスチック、から少なくとも部分的に構成され、チャネルの一端はソノトロードの基体の第2の軸方向端部に配置され、チャネルの他端は、特に少なくとも1つのチャネルを有する実施形態における本発明のソノトロードによって、負圧源に接続されており、以下のステップ:第1の接合部を提供するステップと、ソノトロードの第2の軸方向端部に隣接して第1の接合部を配置するステップと、負圧によってソノトロードの第2の軸方向端部に隣接して配置された第1の接合部を保持し、第1の接合部がそこに保持された状態でソノトロードを所要の位置に位置決めするステップと、を含む、方法。好ましい実施形態では、位置決め方法は、さらなるステップ:所要の位置で第1の接合部を解放するステップをさらに含む。それから生じる利点に関しては、繰り返しを避けるためにチャネルを有するソノトロードに関する上記の説明を参照されたい。
【0027】
特に本発明の溶接装置を用いた本発明の溶接方法は、少なくとも部分的に溶接可能な材料で作られた第1及び第2の接合部を提供するステップと、ソノトロードの振動方向に対して横方向に配置されたソノトロードの作業面と少なくとも1つの圧力セグメントとの間に第1及び第2の接合部を配置するステップであって、特に第1及び第2の接合部が少なくとも1つの圧力セグメントによってソノトロードの作業面に押し付けられるように配置される、配置するステップと、ソノトロードを振動させて接合エネルギーを接合ゾーンに横方向に導入し、第1の接合部と第2の接合部との間に溶接接続を確立するステップと、ソノトロードの作業面と少なくとも1つの圧力セグメントとを離間させ、その結果、互いに溶接された第1及び第2の接合部を溶接装置から取り出すことができるようにするステップと、を含む。溶接方法の過程において、作業面がソノトロードの振動方向に対して平行に整列するように、ソノトロードの振動を誘導することが有利である。本発明の溶接方法の機能性に関して、本発明のソノトロードに関する上記の説明を参照されたい。生じる利点は、本発明のソノトロードに関連して説明した利点に対応する。
【0028】
溶接方法の好ましい実施形態では、ソノトロードの振動は、超音波範囲、好ましくは15kHz~40kHz、特に好ましくは20kHz~40kHzで起こる。示された周波数範囲により、ソノトロードは超音波範囲で動作し、2つの接合部の互いの迅速で効率的かつ経済的な接続が保証される。
【0029】
溶接方法は、本発明の位置決め方法のステップをさらに含み、本発明の位置決め方法のステップは、提供及び配置のステップの過程で実現されることがさらに好ましい。位置決め方法の好ましい実施形態による解放ステップは、好ましくは、溶接ステップの間又は後に実行される。生じる利点に関して、チャネルを有するソノトロードに関する記述、並びに本発明の位置決め方法を参照されたい。
【0030】
本発明の容器は、第1の接合部としての底部と、第2の接合部としての中空本体とから成り、第1及び第2の接合部は、少なくとも部分的に溶接可能な材料から成り、好ましくは完全に、特に本発明の溶接方法によって、接合部分において互いに溶接される。容器の好ましい実施形態では、接合部の断面は、以下の形状:円形、楕円形、長円形、多角形で好ましくは角の丸いもの、又はこれらの形状の組み合わせのうちの1つを有する。ここでも、繰り返しを避けるために、利点に関して上記の説明を参照されたい。
【0031】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図面において、同じ参照符号は、同じ構成要素及び/又は要素を指す。図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明のソノトロードの第1の実施形態の概略図。
【
図2】第1の容器の製造プロセスの異なる段階における本発明の溶接装置の第1の実施形態の概略図。
【
図3】第1の容器の製造プロセスの異なる段階における本発明の溶接装置の第1の実施形態の概略図。
【
図4】第1の容器の製造プロセスの異なる段階における本発明の溶接装置の第1の実施形態の概略図。
【
図5】第2の容器を製造する異なる段階における本発明の溶接装置の第2の実施形態の概略図。
【
図6】第2の容器を製造する異なる段階における本発明の溶接装置の第2の実施形態の概略図。
【
図7】第2の容器を製造する異なる段階における本発明の溶接装置の第2の実施形態の概略図。
【
図8】本発明の溶接装置の第3の実施形態の概略図。
【
図9】本発明の位置決め方法の一実施形態のフローチャート。
【
図10】本発明の溶接方法の一実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の溶接装置及び本発明のソノトロードの実施形態は、ヨーグルトカップ又は使い捨て飲用カップなどの容器及び中間底部を備えた容器の製造によって説明される。
【0034】
容器としてのカップは、第1の接合部1としての底部と、第2の接合部3としての、例えば円筒又は円錐の形状の中空本体と、を構成要素として備える。本体は、底部によって片側が閉じられるようになっている。したがって、底部は、本体の軸方向端部に隣接して固定される。これに関して、
図2~
図4の図を参照されたい。あるいは、
図1及び
図5~
図8に示すように、本体の別の位置で底部を固定することが好ましい。この場合、底部は中間底部である。
【0035】
使用される溶接方法により、本体の材料は、底部の材料と互いに溶接されなければならない。したがって、本体及び/又は底部は、少なくとも接合部分に溶接可能な材料を含まなければならないか、又は溶接可能な材料から作られなければならない。そのような溶接可能な材料の例は、相応にコーティング又はラミネートされた紙などである。例えば、紙は、特にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)のプラスチックコーティングを有する。本体及び底部、すなわち第2の接合部3及び第1の接合部1は、同じ材料又は異なる材料から構成され得る。同じ材料が特に好ましく、それは特に信頼性の高い溶接接続を達成することができるからである。
【0036】
ここで特に
図1を参照して、第1の接合部1と第2の接合部3とを摩擦溶接するためのソノトロード10の第1の実施形態を説明する。ソノトロード10は、第1の軸方向端部14及び反対側の第2の軸方向端部16を有する基体12を備える。さらに、基体は中心長手方向軸18を備える。これは、第1の軸方向端部14及び第2の軸方向端部16を通って延在する。動作中、ソノトロード10は、可動であるか、又は振動方向についてラベル付けされたSの標識矢印によって
図3及び
図6に見られるように、中心長手方向軸18に沿って移動を実行することができる。
【0037】
第2の軸方向端部16に隣接して、作業面20が、中心長手方向軸18に対して横方向に基体12に設けられている。この作業面20は、動作中に2つの接合部1、3のうちの一方に接合されてもよく、それにより、第1の接合部1と第2の接合部3との間の接合ゾーン又は接合部分に、横方向に接合エネルギーを導入することができる。その際、作業面20は、好ましくは中断することなく基体12を円周方向に取り囲み、第1の構造体を備え、その形状は、少なくとも第2の接合部3の外形に適合可能であるか又は適合される。第1の構造体の形状としては、例えば、ひし形、波線、線、などが挙げられる。
【0038】
例えば、第1の構造体は、長手方向軸18に対して、以下の形状の断面形状:円形、楕円形、長円形、多角形で好ましくは角の丸いもの、又はそれらの組み合わせのうちの1つを有する。そのようにして、ソノトロード10の第1の構造体、ひいては作業面20は、例えば、円筒状、円錐状、角の丸い長方形、などに形成された中空本体へと接続されることになる接合部1、3に最適に適合可能であるか又は適合される。
【0039】
さらに、ソノトロード10の作業面20は、特に複数の隆起形状にある第2の構造体を有する。動作中に第2の構造体によってソノトロードに押し付けられる接合部1、3は、ソノトロード10によって引っ張られて振動する。したがって、ソノトロード10の第2の構造体は、引っ張り構造体とも呼ばれてもよい。好ましくは、引っ張り構造体は、隣接する接合部1、3が本質的にソノトロード10と同じ動きを実行するように、隣接する接合部1、3に食い込む。このようにして、摩擦溶接による2つの構成要素の間又は接合部1、3の間の接続を効果的に実施することができる。
【0040】
上記の本発明のソノトロードは、ここで、対応する摩擦溶接方法中の溶接装置の機能に基づいて、
図2~
図4を参照してより詳細に説明されており、容器としてのヨーグルトカップ又は使い捨て飲用カップの製造が参照例として挙げられている。
【0041】
容器の一例としてカップを参照すると、中空本体は、第1の一部分において一端で内側へ半径方向に屈曲し、続く第2の一部分において本体の他端の方向へ屈曲する。これにより、第2の接合部3として本体の内部の一端には、周状のU字状が形成される。第1の接合部1としての底部は、半径方向外側に一部分を有し、これは、好ましくは底部の表面法線に平行又はほぼ平行に延在し、本体によって形成されるU字形状内に少なくとも部分的に配置される
【0042】
溶接装置は、ソノトロード10と、基体42備えたアンボス40と少なくとも1つの圧力セグメント50とを有する保持装置と、を備える。
図2~
図4を参照すると、アンボス40の基体42は、第2の接合部3として、カップの本体に対して相補的に形成された形状を有する。この構成では、製造される容器の本体の安定化及び位置決め機能を、アンボス40の基体42が担う。しかしながら、これは、
図5~
図7に示す実施形態に関して後に説明するように、すべての容器に対する絶対的な要件ではない。
【0043】
図示の実施形態では、圧力セグメント50、好ましくは少なくとも2つの圧力セグメント50が、矢印によって概略的に示されている。圧力セグメント50は、第2の接合部3の外形に少なくとも部分的に適合可能な形状又は適合される形状を有する。接合領域における溶接接続を保証することは、圧力セグメント50の役割である。いくつかの圧力セグメント50が存在するので、これは可能な限り少ないステップ、好ましくはワンステップのみで行われてもよく、圧力セグメントはソノトロード10の作業面20に接合領域全部を押し付けることができる。このため、圧力セグメント50(単数又は複数)は、第2の接合部3の外形に適合可能であること又は適合されることが好ましい。
【0044】
有利には、圧力セグメント50は、好ましくは圧力面の領域において、特に複数の隆起形状で存在する構造体を有する。複数の隆起により、それぞれの接合部1、3は、圧力セグメント50の圧力面とソノトロード10の作業面20との間で、特に安全に、それぞれ保持又は固定され得る。特に、圧力セグメント50の圧力面は、この構造体によって、それぞれの当接する接合部1、3に食い込む。このようにして、対応する接合部1、3の効果的な保持を実現することができる。したがって、圧力セグメント50の圧力面の構造体は、保持又は保持構造体とも呼ばれ得る。この実施形態は、隣接する接合部1、3を引っ張るための第2の構造体を備えるソノトロード10と組み合わせると、特に好ましい。
【0045】
溶接方法は、最初に、溶接可能なプラスチック材料で少なくとも部分的に構成される第1の接合部1及び第2の接合部3を提供するステップを含む。まず、第1の接合部1、すなわち底部が、アンボス40の基体42上に配置される。ここで、表面法線と平行に延在する底面の一部分は、基体42とは反対側を向いている。第2の接合部3、すなわち中空本体は、本体のU字形が表面法線に平行に延在する底部の一部分を受け入れるように、アンボス40の基体42上に配置される。したがって、第1の接合部1及び第2の接合部3は、この領域又は部分において重なり合うので、重なり合う領域は、接合ゾーン又は接合部分又は領域とも呼ばれる。これを
図2に示す。
【0046】
ここで、ソノトロード10の横方向又は半径方向の外側作業面20が接合部分の隣に配置されるように、ソノトロード10及びアンボス40は、好ましくは一方の軸のみに沿って、互いに相対的に移動される。接合部の確実な位置決めを達成するために、矢印50によって概略的に示され、円筒形本体の場合には例えば半円形に形成される、少なくとも2つの圧力セグメントは、接合部1、3がソノトロード10の作業面20に押し付けられるまで、互いに接続されることになる接合部1、3の方向に移動される。好ましくは、2つの接合部1、3がワンステップで接合部分において互いに溶接され得るように、必要な数の圧力セグメント50が存在する。その結果の配置は、
図3で見ることができる。
【0047】
ここでソノトロード10は、振動するように誘導され、それにより、接合エネルギーが接合ゾーン又は接合部分に横方向又は半径方向に導入され、第1の接合部1と第2の接合部3との間で溶接接続が形成される。
【0048】
特に、ソノトロード10の振幅、溶接される接合部1、3に加えられる圧力、並びに溶接方法を設定するためのパラメータとしての接合時間、が変化する。好ましい実施形態では、ソノトロード10の振動周波数の変化は生じない。
【0049】
溶接プロセスが完了すると、ソノトロード10の作業面20及び少なくとも1つの圧力セグメント50が離間され、その結果、互いに溶接された第1の接合部1及び第2の接合部3を溶接装置から取り外すことができる。この目的のために、ソノトロード10はまた、圧力セグメント50が離されると同時に、又はその後に、アンボス40に対して相対的に移動される。これに関して、
図4を参照されたい。
【0050】
そのようにして製造された容器は、第1の接合部1としての底部と、第2の接合部3としての中空本体と、から構成される。第1の接合部1及び第2の接合部3は、少なくとも部分的に溶接可能な材料で作られ、接合部分において互いに溶接され、好ましくは完全に溶接される。断面において、接合部分は、好ましくは以下の形状:円形、楕円形、長円形、多角形で好ましくは角の丸いもの、又はそれらの組み合わせのうちの1つを有する。
【0051】
したがって、この溶接装置の利点は、閉じた輪郭を有する容器の場合に摩擦溶接接続を確立することができるため、別個の接着剤の使用が不要になることである。これは、容器の製造を容易にし、迅速で効率的かつ低コストの溶接プロセスにより迅速な作業サイクルを提供する。同様に、他の製造方法と比較して、溶接装置のメンテナンス労力及び必要なスペースは、プロセスを制御するための労力と同じように少ない。さらに、例えば熱風又はホットパンチによって接合相手を熱溶融する場合のように、充填される製品を損傷する可能性の危険性が低減される。
【0052】
図5~
図7を参照して、溶接装置の第2の実施形態を説明する。これは、第2の接合部3としての中空本体と、第1の接合部1としての中間底部とを有する容器を製造するために役立つ。この溶接装置は、特に使用されるアンボス140が、基体として、本体を配置又は載置する平面のみで作られているため、第1の実施形態とは異なっている。本体に対して一切の安定化機能を担う必要がないため、本体に対して相補的に形成される基体142の形状は必要ではない。しかしながら、安全な位置決めを可能にするために、基体142が、本体に対する位置決め可能性を有することが有利である。
【0053】
図8は、第1の軸方向端部114と反対側の第2の軸方向端部116とを有する基体112を含む、ソノトロード110のさらなる実施形態を示す。ここで、基体112は、少なくとも1つのチャネル122を有する。チャネル122の一端は、ソノトロード110の基体112の第2の軸方向端部116に配置される。チャネル122の他端は、負圧源130に接続可能である。これは、第1の接合部1がソノトロード110によってしっかりと保持可能及び/又は位置決め可能であることを意味する。この構成の利点は、第1の接合部1、すなわち上記の例を参照するとカップの底部がソノトロード110によってしっかりと保持され得ることである。したがって、ソノトロード110は、容器の中空本体内の所望の位置に底部を配置し、摩擦溶接によって少なくとも1つの圧力セグメント50と組み合わせて、その位置に固定することができる。そのようにして、容器の本体は、例えば容器の一部の容積が製品で充填された後に、中間底部を設けることができる。これに関して、
図5~
図7に示すように、容器の製造を例として参照されたい。
【0054】
そのように構成されたソノトロード100による対応する位置決め方法が、
図9を参照して説明される。まず、第1の接合部1の提供が、第1のステップaで行われる。その後、第1の接合部1は、ソノトロード110の第2の軸方向端部116に隣接して配置され(ステップb)、負圧によってそこに保持される(ステップc)。ここで、ソノトロード110は、そこに保持された第1の接合部1を有し、ステップdにおいて、例えば製品で既に充填されている容器の中間底部として、所要の位置に位置決めされる。その後、ステップeにおいて、所要の位置で、第1の接合部1の解放が行われる。以下に説明する溶接方法を参照すると、これは、第1の接合部1としての中間底部と、第2の接合部3としての本体と、の溶接中又は溶接後に行われてもよい。
【0055】
最後に、
図10を参照して、溶接方法の一実施形態を説明する。第1のステップAでは、少なくとも部分的に溶接可能な材料で作られた第1の接合部1及び第2の接合部3の提供が行われる。このステップは、特にチャネル122を備えたソノトロード110が使用される場合に、上述の位置決め方法を含むことができる。
【0056】
その後、ソノトロード10、110の振動方向に対して横方向に配置されたソノトロード10、110の作業面20、120と、少なくとも1つの圧力セグメント50との間に、第1の接合部1及び第2の接合部3が配置される。これは、特に、第1の接合部1及び第2の接合部3が、少なくとも1つの圧力セグメント50によって、ソノトロード10、110の作業面20、120に押し付けられる方法で行われる。この位置では、ステップCにおいてソノトロード10、110を振動させる誘発が行われ、それによって、接合エネルギーが接合ゾーンに横方向に導入される場合があり、第1の接合部1と第2の接合部3との間で溶接接続が形成される。最後に、ステップDにおいて、ソノトロード10、110の作業面20、120と少なくとも1つの圧力セグメント50が互いに離間され、それによって、互いに溶接された第1の接合部1及び第2の接合部3を溶接装置から取り外すことができる。溶接方法の過程において、ソノトロード10、110を振動させる誘発は、作業面20、120が、ソノトロードの振動方向と平行に配置されるように行われると有利である。さらに、ソノトロード10、110の振動は、好ましくは15kHz~40kHzの間、特に好ましくは20kHz~40kHzの間の超音波範囲で行われると有利である。特に、示された周波数範囲により、ソノトロード10、110は超音波範囲で動作し、2つの接合部1、3の相互による迅速で効率的かつ経済的な接続が保証される。
【符号の説明】
【0057】
1 第1接合部
3 第2接合部
10 ソノトロード
12 基体
14 第1の軸方向端部
16 第2の軸方向端部
18 中心長手方向軸
20 作業面
40 アンボス
42 基体
50 圧力セグメント
110 ソノトロード
112 基体
114 第1の軸方向端部
116 第2の軸方向端部
120 作業面
122 チャネル
130 負圧源
140 アンボス
142 基体
S ソノトロード10、110の振動方向
【外国語明細書】