(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018992
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】コイル電子部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20250130BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20250130BHJP
H01F 27/32 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
H01F27/29 120
H01F17/00 B
H01F27/32 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117209
(22)【出願日】2024-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0097959
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン、セウンホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョンウーク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウムセオック
(72)【発明者】
【氏名】リー、サンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジョンスク
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヒュン-キュ
【テーマコード(参考)】
5E044
5E070
【Fターム(参考)】
5E044CA07
5E044CA10
5E070AA01
5E070AB01
5E070CB12
5E070CB18
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】 磁性体の体積損失なく厚さの薄いコイル電子部品を提供する。
【解決手段】 開示されたコイル電子部品は、第1方向に対向する第1面と第2面、第2方向に対向し前記第1面と前記第2面を連結する第3面と第4面、および第3方向に対向し前記第1面と前記第2面を連結する第5面と第6面を有する磁性体;少なくとも一部分が前記磁性体に埋め込まれるコイル;前記磁性体の前記第6面から前記第1面の一部分まで延長して前記コイルに連結される第1外部電極;前記磁性体の前記第6面から前記第2面の一部分まで延長して前記コイルに連結される第2外部電極;前記磁性体の前記第1面上の前記第1外部電極を覆う第1絶縁層;および前記磁性体の前記第2面上の前記第2外部電極を覆う第2絶縁層を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する第1面と第2面、第2方向に対向し前記第1面と前記第2面を連結する第3面と第4面、および第3方向に対向し前記第1面と前記第2面を連結する第5面と第6面を有する磁性体;
少なくとも一部分が前記磁性体に埋め込まれるコイル;
前記磁性体の前記第6面から前記第1面の一部分まで延長して前記コイルに連結される第1外部電極;
前記磁性体の前記第6面から前記第2面の一部分まで延長して前記コイルに連結される第2外部電極;
前記磁性体の前記第1面上の前記第1外部電極を覆う第1絶縁層;および
前記磁性体の前記第2面上の前記第2外部電極を覆う第2絶縁層
を含む、コイル電子部品。
【請求項2】
前記磁性体の前記第1面上の前記第1外部電極の前記第3面、前記第4面および前記第5面の側縁を囲む第3絶縁層、および
前記磁性体の前記第2面上の前記第2外部電極の前記第3面、前記第4面および前記第5面の側縁を囲む第4絶縁層
をさらに含む、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項3】
前記第1絶縁層は前記第3絶縁層の少なくとも一部分を覆い、
前記第2絶縁層は前記第4絶縁層の少なくとも一部分を覆う、請求項2に記載のコイル電子部品。
【請求項4】
前記第1外部電極は、前記磁性体の前記第6面に配置される第1電極パッドおよび前記磁性体の前記第1面に配置される第1連結部を含み、
前記第2外部電極は、前記磁性体の前記第6面に配置される第2電極パッドおよび前記磁性体の前記第2面に配置される第2連結部を含む、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項5】
前記第1電極パッドと前記第1連結部は一体型構造体であり、
前記第2電極パッドと前記第2連結部は一体型構造体である、請求項4に記載のコイル電子部品。
【請求項6】
前記第1連結部は前記磁性体の前記第5面と離隔し、
前記第2連結部は前記磁性体の前記第5面と離隔する、請求項4に記載のコイル電子部品。
【請求項7】
前記第1連結部は前記磁性体の前記第3面および前記第4面とそれぞれ離隔し、
前記第2連結部は前記磁性体の前記第3面および前記第4面とそれぞれ離隔する、請求項6に記載のコイル電子部品。
【請求項8】
前記コイルは巻線型コイルである、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項9】
前記磁性体の内部に配置され、互いに対向する第1支持面と第2支持面を含む支持基板をさらに含み、
前記コイルは前記支持基板の前記第1支持面に配置される第1コイルパターン、前記支持基板の前記第2支持面に配置される第2コイルパターンおよび前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンを連結するビアを含む、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項10】
前記磁性体は複数のシートが積層された積層体であり、
前記コイルは前記複数のシートの各シートに配置され互いに連結された複数のコイルパターンを含む、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項11】
前記磁性体の前記第6面で前記第1外部電極と前記第2外部電極の間に配置される第5絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項12】
前記第5絶縁層は前記磁性体の前記第3面、前記第4面および前記第5面にも配置される、請求項11に記載のコイル電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はコイル電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の機能が多様化することにより消費電力が増加するにつれてモバイル機器内バッテリー使用時間を増やすためにパワー半導体(PMIC、power management integrated circuit)周辺に損失が少なく効率に優れたコイル電子部品が採用されている。一方、製品をスリム(slim)化し部品配置の自由度を高めるために厚さの薄いインダクタ(power inductor)に対する要求が大きくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実施形態の一側面は、磁性体の体積損失なく厚さが薄いコイル電子部品を提供しようとする。
【0004】
しかし、本実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本実施形態に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によるコイル電子部品は、第1方向に対向する第1面と第2面、第2方向に対向し前記第1面と前記第2面を連結する第3面と第4面、および第3方向に対向し前記第1面と前記第2面を連結する第5面と第6面を有する磁性体;少なくとも一部分が前記磁性体に埋め込まれるコイル;前記磁性体の前記第6面から前記第1面の一部分まで延長して前記コイルに連結される第1外部電極;前記磁性体の前記第6面から前記第2面の一部分まで延長して前記コイルに連結される第2外部電極;前記磁性体の前記第1面上の前記第1外部電極を覆う第1絶縁層;および前記磁性体の前記第2面上の前記第2外部電極を覆う第2絶縁層を含むことができる。
【0006】
また、前記コイル電子部品は、前記磁性体の前記第1面上の前記第1外部電極の前記第3面、前記第4面および前記第5面側縁を囲む第3絶縁層、および前記磁性体の前記第2面上の前記第2外部電極の前記第3面、前記第4面および前記第5面側縁を囲む第4絶縁層をさらに含むことができる。
【0007】
また、前記第1絶縁層は前記第3絶縁層の少なくとも一部分を覆い、前記第2絶縁層は前記第4絶縁層の少なくとも一部分を覆うことができる。
【0008】
また、前記第1外部電極は、前記磁性体の前記第6面に配置される第1電極パッドおよび前記磁性体の前記第1面に配置される第1連結部を含み、前記第2外部電極は、前記磁性体の前記第6面に配置される第2電極パッドおよび前記磁性体の前記第2面に配置される第2連結部を含むことができる。
【0009】
また、前記第1電極パッドと前記第1連結部は一体型構造体であり、前記第2電極パッドと前記第2連結部は一体型構造体であってもよい。
【0010】
また、前記第1連結部は前記磁性体の前記第5面と離隔し、前記第2連結部は前記磁性体の前記第5面と離隔していてもよい。
【0011】
また、前記第1連結部は前記磁性体の前記第3面および前記第4面とそれぞれ離隔し、前記第2連結部は前記磁性体の前記第3面および前記第4面とそれぞれ離隔していてもよい。
【0012】
また、前記コイルは巻線型コイルであってもよい。
【0013】
また、前記コイル電子部品は、前記磁性体の内部に配置され、互いに対向する第1支持面と第2支持面を含む支持基板をさらに含み、前記コイルは前記支持基板の前記第1支持面に配置される第1コイルパターン、前記支持基板の前記第2支持面に配置される第2コイルパターンおよび前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンを連結するビアを含むことができる。
【0014】
また、前記磁性体は複数のシートが積層された積層体であり、前記コイルは前記複数のシートの各シートに配置され互いに連結された複数のコイルパターンを含むことができる。
【0015】
また、前記コイル電子部品は、前記磁性体の前記第6面で前記第1外部電極と前記第2外部電極の間に配置される第5絶縁層をさらに含むことができる。
【0016】
また、前記第5絶縁層は前記磁性体の前記第3面、前記第4面および前記第5面にも配置できる。
【発明の効果】
【0017】
実施形態によれば、磁性体の体積損失なく厚さの薄いコイル電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態によるコイル電子部品を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II'線に沿って切断した概略断面図である。
【
図3】
図1のコイル電子部品を概略的に示す側面図である。
【
図4a】
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。
【
図4b】
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。
【
図4c】
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。
【
図4d】
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。
【
図4e】
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。
【
図4f】
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。
【
図5】比較例によるコイル電子部品を概略的に示す断面図である。
【
図6】他の実施形態によるコイル電子部品を概略的に示す斜視図である。
【
図7】
図6のVII-VII'線に沿って切断した概略断面図である。
【
図8】他の実施形態によるコイル電子部品を概略的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付けた。また、添付図面において一部構成要素は誇張されるか省略されるかまたは概略的に示され、各構成要素の大きさは実際大きさを全的に反映するものではない。
【0020】
添付された図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むと理解されるべきである。
【0021】
第1、第2などのように序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。
【0022】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分"の上に"または"上に"あるという時、これは他の部分"の直上に"ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分"の直上に"あるという時は中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分"の上に"または"上に"あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に"の上に"または"上に"位置することを意味するのではない。
【0023】
明細書全体で、"含む"または"有する"などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。したがって、ある部分がある構成要素を"含む"という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0024】
また、明細書全体で、"平面上"という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、"断面上"という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0025】
また、明細書全体で、"連結される"という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能によって異なる名称で称されたが一体であることを意味することができる。
【0026】
図1は一実施形態によるコイル電子部品を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1のII-II'線に沿って切断した概略断面図であり、
図3は
図1のコイル電子部品を概略的に示す側面図である。
【0027】
図1、
図2、および
図3を参照すれば、一実施形態によるコイル電子部品1000は、本体100、コイル200、支持基板300、第1外部電極500、第2外部電極600、第1絶縁層710、第2絶縁層720、第3絶縁層730、第4絶縁層740および第5絶縁層750を含む。
【0028】
本体100は大略直六面体形状に形成できるが、本実施形態がこれに限定されるのではない。焼成(sintering)時、磁性粉末などの収縮によって、本体100は完全な直六面体形状ではないが、実質的に直六面体形状を有することができる。例えば、本体100は大略直六面体形状であるが、角や頂点に該当する部分が丸い形状を有することができる。
【0029】
本実施形態では、説明の便宜のために、長さ方向(L軸方向)に対向する二つの面をそれぞれ第1面S1および第2面S2と定義し、幅方向(W軸方向)に対向する二つの面をそれぞれ第3面S3および第4面S4と定義し、厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの面をそれぞれ第5面S5および第6面S6と定義することにする。
【0030】
コイル電子部品1000の長さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)中央部での長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準にして、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し長さ方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値を意味することができる。または、コイル電子部品1000の長さは、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し長さ方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最小値を意味することができる。または、コイル電子部品1000の長さは、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し長さ方向(L軸方向)と平行な複数の線分のうちの少なくとも2つの線分の長さの算術平均値を意味することができる。
【0031】
コイル電子部品1000の厚さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)中央部での長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準にして、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値を意味することができる。または、コイル電子部品1000の厚さは、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最小値を意味することができる。または、コイル電子部品1000の厚さは、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分のうちの少なくとも2つの線分の長さの算術平均値を意味することができる。
【0032】
コイル電子部品1000の幅は、コイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)中央部での長さ方向(L軸方向)-幅方向(W軸方向)断面(cross-section)に対する光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準にして、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最大値を意味することができる。または、コイル電子部品1000の幅は、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の長さのうちの最小値を意味することができる。または、コイル電子部品1000の幅は、前述の断面写真に示されたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する2つの最外側境界線をそれぞれ連結し幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分のうちの少なくとも2つの線分の長さの算術平均値を意味することができる。
【0033】
一方、コイル電子部品1000の長さ、幅および厚さそれぞれは、マイクロメータ(micrometer)測定法で測定することもできる。マイクロメータ測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメータでゼロ点を設定し、マイクロメータのチップの間に本実施形態によるコイル電子部品1000を挿入し、マイクロメータの測定レバー(lever)を回して測定することができる。一方、マイクロメータ測定法でコイル電子部品1000の長さを測定する時、コイル電子部品1000の長さは1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。これは、コイル電子部品1000の幅および厚さ測定にも同様に適用できる。
【0034】
本体100はコイル電子部品1000の外観を成し、第1外部電極500および第2外部電極600を通じてコイル200に電流が印加される時、コイル200で誘導される磁束(magnetic flux)が通る経路である磁路(magnetic path)が形成される空間である。
【0035】
本体100はコイル200および支持基板300を囲んで封じ合わせ(encapsulation)し、磁性物質を含む。本体100は磁性粒子を含み、磁性粒子の間には絶縁材が介されてもよい。
【0036】
磁性物質は、第1金属磁性粉末、第1金属磁性粉末より粒径が大きい第2金属磁性粉末、および第2金属磁性粉末より粒径が大きい第3金属磁性粉末を含むことができる。第1金属磁性粉末の平均粒径(D50)は0.1μm以上0.2μm以下であってもよく、第2金属磁性粉末の平均粒径(D50)は1μm以上2μm以下であってもよく、第3金属磁性粉末の平均粒径(D50)は25μm以上30μm以下であってもよい。
【0037】
磁性粒子は、磁気特性を示すフェライト(ferrite)粒子や金属磁性粒子であってもよい。
【0038】
フェライト粒子は例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライトおよびLi系フェライトのうちの少なくとも一つ以上であってもよい。
【0039】
金属磁性粒子は組成が異なる2種類以上の粉末から構成でき、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)およびニッケル(Ni)からなる群より選択された1種以上を含むことができる。例えば、金属磁性粒子は、純鉄、Fe-Si系合金、Fe-Si-Al系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Ni-Mo系合金、Fe-Ni-Mo-Cu系合金、Fe-Co系合金、Fe-Ni-Co系合金、Fe-Cr系合金、Fe-Cr-Si系合金、Fe-Si-Cu-Nb系合金、Fe-Ni-Cr系合金、Fe-Cr-Al系合金のうちの少なくとも一つ以上であってもよい。ここで、金属磁性粒子の組成が異なるということは含量が異なる場合を意味することもできる。
【0040】
金属磁性粒子は非晶質または結晶質であってもよい。例えば、金属磁性粒子はFe-Si-B-Cr系非晶質合金であってもよいが、本実施形態がこれに限定されるのではない。金属磁性粒子は平均粒径が約0.1μm~30μmであってもよいが、これに限定されるのではない。本明細書上で、平均粒径はD90またはD50などと表現される粒度分布を意味することができる。粒度分布とは、測定対象となる粒子群の中に、どのような大きさ(粒径)の粒子がどのような割合で含まれているかを示す指標であって、通常の技術者によく知られている。D50(粒度分布の体積累積50%に相当する粒径)は平均粒径を示す。
【0041】
金属磁性粒子は2種類以上の異なる金属磁性粒子であってもよい。ここで、金属磁性粒子の種類が異なるということは、金属磁性粒子が平均粒径、組成、成分比、結晶性および形状のうちの少なくとも一つで互いに区別されることを意味する。
【0042】
絶縁材はエポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独でまたは混合して含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0043】
本体100を形成する方法は特に制限されない。例えば、コイル200の上部および下部に磁性材料からなるシート(sheet)を配置した後、これを圧着および硬化して本体100を形成することができる。
【0044】
支持基板300は本体100内部に配置され、コイル200を支持する。
【0045】
支持基板300は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂または感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材から形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維または無機フィラー(filler)のような補強材が含浸された絶縁資材から形成できる。例えば、支持基板300はプリプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)フィルム、PID(Photo Imagable Dielectric)フィルムなどの絶縁資材から形成できるが、本実施形態がこれに限定されるのではない。
【0046】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク(Talc)、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)およびジルコン酸カルシウム(CaZrO3)から構成された群より選択された少なくとも一つ以上が使用できる。
【0047】
支持基板300の中心には貫通ホール310がある。貫通ホール310は本体100を成す磁性物質で満たされてコアを形成することによってコイル電子部品の性能を向上させることができる。
【0048】
コイル200は本体100の内部に配置されて、コイル電子部品1000の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル電子部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル200に電流が印加されると、エネルギーを磁場形態に貯蔵して出力電圧を維持することによって電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0049】
コイル200は、支持基板300の互いに対向する第1支持面320と第2支持面330に配置できる。コイル200は第1コイルパターン210および第2コイルパターン220を含み、第1コイルパターン210と第2コイルパターン220はビア230を通じて電気的に連結できる。
【0050】
第1コイルパターン210は支持基板300の第1支持面320に配置され第1引出部213を含む。第1引出部213は本体100の第1面S1から露出されて第1外部電極500に電気的に連結される。
【0051】
第2コイルパターン220は支持基板300の第2支持面330に配置され第2引出部223を含む。第2引出部223は本体100の第2面S2から露出されて第2外部電極600に電気的に連結される。
【0052】
一方、第1コイルパターン210、第1引出部213およびビア230を支持基板300の第1支持面320側にメッキで形成する場合、第1コイルパターン210、第1引出部213およびビア230はそれぞれ無電解メッキ層などのシード層と電解メッキ層を含むことができる。ここで、電解メッキ層は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解メッキ層はいずれか一つの電解メッキ層を他の一つの電解メッキ層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されてもよく、いずれか一つの電解メッキ層の一面にのみ他の一つの電解メッキ層が積層された形状に形成されてもよい。第1コイルパターン210のシード層、第1引出部213のシード層およびビア230のシード層は一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、本実施形態がこれに限定されるのではない。第1コイルパターン210の電解メッキ層、第1引出部213の電解メッキ層およびビア230の電解メッキ層は一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、本実施形態がこれに限定されるのではない。以上の説明は第2コイルパターン220、第2引出部223およびビア230にも同様に適用できる。
【0053】
コイル200およびビア230それぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質から形成できるが、本実施形態がこれに限定されるのではない。
【0054】
コイル200と本体100の間には絶縁膜IFが備えられてもよい。絶縁膜IFは、支持基板300およびコイル200の表面に沿って形成できる。支持基板300とコイル200が外部電極500、600に連結される部分には絶縁膜IFが存在しない。絶縁膜IFはコイル200を本体100から絶縁させるためのものであって、パリレン(Parylene)など公知の絶縁物質を含むことができる。絶縁膜IFに含まれる絶縁性物質はいずれのものでも可能であり、特別な制限はない。例えば、絶縁膜IFはポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂であってもよい。絶縁膜IFは気相蒸着などの方法で形成できるが、これに限定されるのではない。例えば、絶縁フィルムを支持基板300の両面に積層することによって絶縁膜IFを形成することもできる。
【0055】
第1外部電極500および第2外部電極600は本体100の外部に備えられコイル200に連結される。即ち、第1外部電極500および第2外部電極600はコイル200の第1引出部213および第2引出部223とそれぞれ連結される。
【0056】
第1外部電極500は、本体100の第6面S6から第1面S1の一部分まで延長してコイル200の第1引出部213と連結される。
【0057】
例えば、第1外部電極500は、第1電極パッド510および第1連結部520を含むことができる。
【0058】
第1電極パッド510は本体100の第6面S6に配置され、第1連結部520は第1電極パッド510から本体100の第1面S1まで延長する。コイル200の第1引出部213は本体100の第1面S1に露出されて第1連結部520に接続される。これによってコイル200が第1外部電極500に電気的に連結される。
【0059】
第1電極パッド510と第1連結部520は一体型構造体であってもよい。一例として、第1電極パッド510と第1連結部520はメッキで形成できる。
【0060】
第2外部電極600は本体100の第6面S6から第2面S2の一部分まで延長してコイル200の第2引出部223と連結される。
【0061】
例えば、第2外部電極600は、第2電極パッド610および第2連結部620を含むことができる。
【0062】
第2電極パッド610は本体100の第6面S6に配置され、第2連結部620は第2電極パッド610から本体100の第2面S2まで延長する。コイル200の第2引出部223は本体100の第2面S2に露出されて第2連結部620に接続される。これによってコイル200が第2外部電極600に電気的に連結される。
【0063】
第2電極パッド610と第2連結部620は一体型構造体であってもよい。一例として、第2電極パッド610と第2連結部620はメッキで形成できる。
【0064】
第1外部電極500は、第1金属層501、第2金属層502、および第3金属層503を含むことができる。
【0065】
第1金属層501は、コイル200の第1引出部213および本体100の外面、即ち、第1面S1および第6面S6に接するメッキ層であって銅(Cu)を含むことができる。第1金属層501は第1外部電極500の第1電極パッド510および第1連結部520を成すことができる。
【0066】
第2金属層502は、第1金属層501を覆うメッキ層であってニッケル(Ni)を含むことができる。第2金属層502は、第1電極パッド510に形成され第1連結部520には形成されなくてもよい。
【0067】
第3金属層503は第2金属層502を覆うメッキ層であってスズ(Sn)を含むことができる。第3金属層503は、第1電極パッド510に形成され第1連結部520には形成されなくてもよい。
【0068】
但し、本実施形態がこのような3層構造に限定されるのではなく、第1金属層501の上に一つのメッキ層のみ追加された2層構造も可能である。
【0069】
第2外部電極600は、第1金属層601、第2金属層602、および第3金属層603を含むことができる。
【0070】
第1金属層601は、コイル200の第2引出部223および本体100の外面、即ち、第2面S2および第6面S6に接するメッキ層であって銅(Cu)を含むことができる。第1金属層601は第2外部電極600の第2電極パッド610および第2連結部620を成すことができる。
【0071】
第2金属層602は、第1金属層601を覆うメッキ層であってニッケル(Ni)を含むことができる。第2金属層602は、第2電極パッド610に形成され第2連結部620には形成されなくてもよい。
【0072】
第3金属層603は、第2金属層602を覆うメッキ層であってスズ(Sn)を含むことができる。第3金属層603は、第2電極パッド610に形成され第2連結部620には形成されなくてもよい。
【0073】
但し、本実施形態がこのような3層構造に限定されるのではなく、第1金属層601の上に一つのメッキ層のみ追加された2層構造も可能である。
【0074】
このように、第1外部電極500および第2外部電極600はニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含むことができ、複数のメッキ層を含むことができる。例えば、第1外部電極500および第2外部電極600は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ニッケル/銅(Ni/Cu)、パラジウム/ニッケル(Pd/Ni)、パラジウム/ニッケル/銅(Pd/Ni/Cu)、銅/ニッケル/銅(Cu/Ni/Cu)形態の組み合わせで形成できる。
【0075】
場合によっては一番外の層をスズ(Sn)から構成することもできる。スズメッキ層は相対的に低い溶融点を有するので、第1外部電極500および第2外部電極600の基板実装容易性を向上させることができる。
【0076】
一般に、スズメッキ層は、スズ(Sn)-銅(Cu)-銀(Ag)合金ペーストを含むソルダ(solder)を通じて基板上の電極パッドに結合できる。即ち、スズメッキ層は、熱処理(reflow)工程時、ソルダと互いに溶融して結合できる。
【0077】
第1絶縁層710は、本体100の第1面S1上の第1外部電極500を覆う。第2絶縁層720は、本体100の第2面S2上の第2外部電極600を覆う。
【0078】
第3絶縁層730は、本体100の第1面S1上の第1外部電極500の第3面S3、第4面S4、および第5面S5側縁を囲む。例えば、第1連結部520と本体100の第3面S3、第4面S4、および第5面S5の間の三つの領域で第3絶縁層730は第1連結部520に接し本体100の第1面S1を覆う。
【0079】
第1絶縁層710が本体100の第1面S1上の第1外部電極500を覆うので、第1絶縁層710は第1連結部520を覆うことができる。第1絶縁層710は第1連結部520の縁を囲む第3絶縁層730も覆うことができる。即ち、第1絶縁層710は第1連結部520および第3絶縁層730を覆うことができる。
【0080】
第4絶縁層740は、本体100の第2面S2上の第2外部電極600の第3面S3、第4面S4、および第5面S5側縁を囲む。例えば、第2連結部620と本体100の第3面S3、第4面S4、および第5面S5の間の三つの領域で第4絶縁層740は第2連結部620に接し本体100の第2面S2を覆う。
【0081】
第2絶縁層720が本体100の第2面S2上の第2外部電極600を覆うので、第2絶縁層720は第2連結部620を覆うことができる。第2絶縁層720は第2連結部620の縁を囲む第3絶縁層730も覆うことができる。即ち、第2絶縁層720は第2連結部620および第3絶縁層730を覆うことができる。
【0082】
第5絶縁層750は、本体100の第6面S6で第1外部電極500と第2外部電極600が配置されていない領域に配置できる。即ち、本体100の第6面S6上の第1電極パッド510と第2電極パッド610を除いた領域に第5絶縁層750が配置できる。第5絶縁層750は、本体100の第3面S3、第4面S4、および第5面S5のうちの少なくとも一部にも配置できる。第5絶縁層750は、他の電子部品と外部電極500、600間の電気的ショートを防止することができる。
【0083】
以上で第1絶縁層710、第2絶縁層720、第3絶縁層730、第4絶縁層740、および第5絶縁層750について説明したが、これらの絶縁層はこの順に形成されなくてもよい。また、これらの絶縁層は同一の材料から形成されてもよく異なる材料から形成されてもよい。
【0084】
図4a、
図4b、
図4c、
図4d、
図4e、および
図4fは、
図1のコイル電子部品に外部電極を形成する一部段階を例示する図である。第1外部電極500と第2外部電極600の構造と材料は互いに対応するので、以下では第1外部電極500を中心に説明する。
【0085】
図4aを参照すれば、本体100の第6面S6の第5絶縁層750の一部を除去して第1パッド領域910と第2パッド領域920を形成する。第5絶縁層750を除去する方法は研磨(grinding)工程を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0086】
第1パッド領域910と第2パッド領域920は長さ方向(L軸方向)で互いに離隔する。即ち、第1パッド領域910と第2パッド領域920の間には第5絶縁層750が残っている。第1パッド領域910には以後第1電極パッド510が配置され、第2パッド領域920には以後第2電極パッド610が配置される。
【0087】
第1連結部520が配置される本体100の第1面S1と第2連結部620が配置される本体100の第2面S2でも第5絶縁層750が除去される。
【0088】
図4bを参照すれば、第1連結部520が配置される本体100の第1面S1上に第3絶縁層730を形成し、第2連結部620が配置される本体100の第2面S2上に第4絶縁層740を形成する。
【0089】
図4cを参照すれば、本体100の第1面S1で第3絶縁層730の一部を除去してコイル200の第1引出部213を露出し、第2面S2で第4絶縁層740の一部を除去してコイル200の第2引出部223を露出する。この場合、レーザ(laser)を用いて本体100の第1面S1で第3絶縁層730をエッチングして第1凹部930を形成し、第2面S2で第4絶縁層740をエッチングして第2凹部940を形成することができる。但し、第3絶縁層を除去する方法がこれに限定されるのではない。第1凹部930は第3絶縁層730の一部分が陥没して本体100の第1面S1を露出する形状であってもよく、第2凹部940は第4絶縁層740の一部分が陥没して本体100の第2面S2を露出する形状であってもよい。言い換えると、第1凹部930は第3絶縁層730が壁のように囲む領域であってもよく、第2凹部940は第4絶縁層740が壁のように囲む領域であってもよい。即ち、長さ方向(L軸方向)を基準にして、第3絶縁層730は第1凹部930より突出し、第4絶縁層740は第2凹部940より突出する。但し、第1凹部930の第6面S6側は開放された形状であり、第2凹部940の第6面S6側は開放された形状であってもよい。
【0090】
図4dを参照すれば、第1パッド領域910と第1凹部930にメッキを行って第1パッド領域910と第1凹部930にわたる第1金属層501を形成し、第2パッド領域920と第2凹部940にメッキを行って第2パッド領域920と第2凹部940にわたる第1金属層601を形成する。
【0091】
本体100の第6面S6側を除くと、第1凹部930は第3絶縁層730によって囲まれている。特に、本体100の第5面S5と第1凹部930の間にも第3絶縁層730が配置されるので、第5面S5までメッキが広がることが防止できる。即ち、長さ方向(L軸方向)を基準にして第5絶縁層750は第1凹部930より突出しているので、第5絶縁層750は本体100の第5面S5に向かったメッキ成長を遮断する壁として機能し得る。結局、本体100の第6面S6側を除くと、第1金属層501は第5絶縁層750によって囲まれた形態となる。
【0092】
図4eを参照すれば、第1金属層501を覆うように第1絶縁層710を形成する。第1絶縁層710は、第1金属層501と第3絶縁層730を全て覆うこともできる。第1パッド領域910の第1金属層501と第2パッド領域920の第1金属層601は第3絶縁層730によって覆われない。
【0093】
図4fを参照すれば、第1パッド領域910の第1金属層501と第2パッド領域920の第1金属層601を覆うように追加メッキを実施する。これにより、前述の第2金属層502、602および第3金属層503、603が形成できる。
【0094】
図5は、比較例によるコイル電子部品を概略的に示す断面図である。
【0095】
図5を参照すれば、比較例によるコイル電子部品は、本体100'の第1面S1'の第5面S5'側縁を部分的に除去して形成されたスリット(slit)110'と、スリット110'に配置された絶縁層700'を含む。この場合、スリット110'に形成された絶縁層700'が本体100'の第1面S1'から突出しないので、第5面S5'に向かったメッキPの広がりを抑制する効果が大きくないことがある。この場合、スリット110'を形成するために本体100'の一部を除去するので、本体100'の体積がそれだけ減少する。結局、コイル電子部品の特性に不利な効果が発生することがある。
【0096】
反面、本実施形態によれば、第3絶縁層730が壁として機能することによって本体100の第5面S5までメッキが広がることを効果的に遮断することができ、メッキの広がりを防止するために本体100を除去しなくてもよいので、コイル電子部品の特性を向上させることができる。
【0097】
図6は他の実施形態によるコイル電子部品を概略的に示す斜視図であり、
図7は
図6のVII-VII'線に沿って切断した概略断面図である。
【0098】
図6および
図7を参照すれば、コイル電子部品2000は、本体1100、コイル1200、第1外部電極500、第2外部電極600、第1絶縁層710、第2絶縁層720、第3絶縁層730、第4絶縁層740、および第5絶縁層750を含む。
【0099】
コイル1200は、導線(conductive wire)の少なくとも一つのターン(turn)を含むことができる。例えば、コイル1200は、表面が絶縁物質で被覆された金属(例えば、銅(Cu)または銀(Ag))線を螺旋形に巻いた形態であってもよい。即ち、コイル1200は巻線型コイルであってもよい。コイル1200は単線に限定されず、撚線や2つ以上の線からなるものであってもよい。
【0100】
コイル1200は円形コイルであってもよいが、これに限定されない。例えば、コイル1200は長方形コイルなど公知の多様なコイルであってもよい。
【0101】
コイル1200の個別線(wire)の断面は四角形、円形、楕円形、三角形など公知の多様な形状を有することができる。
【0102】
コイル1200は複数の層で構成できる。コイル1200は、第1コイル1210と第2コイル1220を含むことができる。第1コイル1210は第2コイル1220と連結され、第2コイル1220の上側、即ち、本体1100の第5面S5側に配置されて層を成すことができる。
【0103】
第1コイル1210のターン数と第2コイル1220のターン数は同一であるか異なってもよい。
【0104】
コイル1200は平面螺旋形に形成されて、複数のターン(turn)を有することができる。例えば、第1コイル1210は、本体1100の長さ方向(L軸方向)の中間地点から第1面S1方向に順次に最内側ターンコイルC1、少なくとも一つの中間ターンコイルC2、および最外側ターンコイルC3を有することができる。第2コイル1220も本体1100の長さ方向(L軸方向)の中間地点から第2面S2方向に順次に最内側ターンコイルC1'、少なくとも一つの中間ターンコイルC2'、および最外側ターンコイルC3'を有することができる。
【0105】
コイル1200の複数のターンそれぞれの表面に沿って絶縁膜IFを備えることができる。絶縁膜IFは第1コイル1210と第2コイル1220の複数のターンを保護し、絶縁させるためのもので、パリレン(Parylene)など公知の絶縁性物質を含むことができる。絶縁膜IFに含まれる絶縁性物質はどんなものでも可能であり、特別な制限はない。例えば、絶縁膜IFは、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂であってもよい。絶縁膜IFは気相蒸着などの方法で形成できるが、これに限定されない。
【0106】
コイル1200は、巻回部1230、第1引出部1213および第2引出部1223を含むことができる。
【0107】
巻回部1230は、金属線(wire)が少なくとも一つのターン(turn)を成す部分である。
【0108】
第1引出部1213は、巻回部1230の一端から延長して本体1100の第1面S1に露出される。第1引出部1213は第1外部電極500に連結される。第2引出部1223は巻回部1230の他端から延長して本体1100の第2面S2に露出される。第2引出部1223は第2外部電極600に連結される。
【0109】
以上を除いた残りの構成要素は
図1に示したコイル電子部品の構成要素と同一なので、それに関する重複する説明は省略する。
【0110】
図8は、他の実施形態によるコイル電子部品を概略的に示す部分断面図である。
【0111】
図8を参照すれば、コイル電子部品3000は、本体2100、コイル2200、第1外部電極500、第2外部電極600、第1絶縁層710、第2絶縁層720、第3絶縁層730、第4絶縁層740、および第5絶縁層750を含む。
【0112】
本体2100は、磁性物質を含む複数のシート(sheet)が厚さ方向(T軸方向)に積層された積層体であってもよい。コイル2200はそれぞれのシートに配置され互いに連結された複数のコイルパターン2210を含むことができる。
【0113】
コイル2200の一端には第1引出部2213が備えられ、他端には第2引出部2223が備えられる。第1引出部2213は本体2100の第1面S1から露出されて第1外部電極500に連結される。第2引出部2223は本体2100の第2面S2から露出されて第2外部電極600に連結される。
【0114】
以上を除いた残りの構成要素は
図1に示したコイル電子部品の構成要素と同一なので、それに関する重複する説明は省略する。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく請求範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0116】
1000、2000、3000:コイル電子部品
100、1100、2100:本体
200、1200、2200:コイル
210:第1コイルパターン
220:第2コイルパターン
230:ビア
213、1213、2213:第1引出部
223、1223、2223:第2引出部
300:支持基板
500:第1外部電極
501、601:第1金属層
502、602:第2金属層
503、603:第3金属層
510:第1電極パッド
520:第1連結部
600:第2外部電極
610:第2電極パッド
620:第2連結部
710:第1絶縁層
720:第2絶縁層
730:第3絶縁層
740:第4絶縁層
750:第5絶縁層
910:第1パッド領域
920:第2パッド領域
930:第1凹部
940:第2凹部
1210:第1コイル
1220:第2コイル
1230:巻回部
2210:コイルパターン
IF:絶縁膜