(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025018996
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】繰出巻取装置の板体規制機構
(51)【国際特許分類】
B65H 75/38 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
B65H75/38 S
B65H75/38 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117712
(22)【出願日】2024-07-23
(31)【優先権主張番号】P 2023122632
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314014025
【氏名又は名称】舟橋 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 達夫
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA01
3F068CA04
3F068DA04
3F068EA02
3F068FA06
3F068GA01
3F068HA03
3F068HA07
3F068HB13
(57)【要約】
【課題】板体の繰り出し巻き取り時に、板体が繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制できる繰出巻取装置の板体規制機構を提供する。
【解決手段】板体規制機構100は、シート状に形成されるとともに付勢部材としてのコイルばね120により付勢され、板体20としての板21が繰出巻取用シャフト80から遠ざかる側に広がることを規制する規制部材110を備える。規制部材110は、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で保持体40において固定され、繰出巻取用シャフト80の軸線方向からみて、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外周面21aに対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配される。板21が、規制部材110の開口部分を通って、繰り出し巻き取りされる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板を、備える板体と、
一対の側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記側壁を連結する連結部、を備えるとともに、一対の前記側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記連結部、又は、前記連結部、と連設され、前記板体が出入り可能であるとともに前記板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部、を備える保持体と、
一対の前記側壁に対して回動可能に配設され前記板体が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフトと、
前記繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段と、
を備え、前記保持体により前記板体が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置に用いられ、
線状、帯状、シート状、のいずれかに形成されるとともに弾性変形可能とされ、又は、線状、帯状、シート状、のいずれかに形成されるとともに付勢部材により付勢され、前記板体が前記繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で前記保持体において固定され、前記繰出巻取用シャフトの軸線方向からみて、前記繰出巻取用シャフトに巻き付けられた前記板体の外周面に対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
前記板体が、前記規制部材の前記開口部分を通って、繰り出し巻き取りされることを特徴とする繰出巻取装置の板体規制機構。
ここで、「直立性」とは、鋼製巻尺(コンベックス)のJIS規格に準じたもので、滑落板の短手方向における幅の所定倍以上の長さの自重で、滑落板が、折れ曲がらないことをいう。
【請求項2】
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板を、備える板体と、
一対の側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記側壁を連結する連結部、を備えるとともに、一対の前記側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記連結部、又は、前記連結部、と連設され、前記板体が出入り可能であるとともに前記板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部、を備える保持体と、
一対の前記側壁に対して回動可能に配設され前記板体が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフトと、
前記繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段と、
を備え、前記保持体により前記板体が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置に用いられ、
少なくとも二本の線状部材と前記線状部材間に架け渡されるシャフトと前記シャフトに対して回動可能かつ前記板体と接触するローラーとを備えるとともに前記線状部材が弾性変形可能とされ、又は、少なくとも二本の前記線状部材と前記線状部材間に架け渡される前記シャフトと前記シャフトに対して回動可能かつ前記板体と接触する前記ローラーとを備えるとともに付勢部材により付勢され、又は、少なくとも二本の線状部材と前記線状部材間に架け渡され前記板体と接触する接触部材とを備えるとともに前記線状部材が弾性変形可能とされ、又は、少なくとも二本の前記線状部材と前記線状部材間に架け渡され前記板体と接触する接触部材とを備えるとともに前記付勢部材により付勢され、前記板体が前記繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で前記保持体において固定され、前記繰出巻取用シャフトの軸線方向からみて、前記繰出巻取用シャフトに巻き付けられた前記板体の外周面に対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
前記板体が、前記規制部材の前記開口部分を通って、繰り出し巻き取りされることを特徴とする繰出巻取装置の板体規制機構。
ここで、「直立性」とは、鋼製巻尺(コンベックス)のJIS規格に準じたもので、滑落板の短手方向における幅の所定倍以上の長さの自重で、滑落板が、折れ曲がらないことをいう。
【請求項3】
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板を、備える板体と、
一対の側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記側壁を連結する連結部、を備えるとともに、一対の前記側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記連結部、又は、前記連結部、と連設され、前記板体が出入り可能であるとともに前記板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部、を備える保持体と、
一対の前記側壁に対して回動可能に配設され前記板体が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフトと、
前記繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段と、
を備え、前記保持体により前記板体が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置に用いられ、
前記板体と接触する接触部を有するとともに弾性変形可能とされ、又は、前記板体と接触する前記接触部を有するとともに付勢部材により付勢され、前記板体が前記繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で前記保持体において固定され、前記繰出巻取用シャフトの軸線方向からみて、前記繰出巻取用シャフトに巻き付けられた前記板体の外周面に対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
前記板体が、前記規制部材の前記開口部分を通って、繰り出し巻き取りされることを特徴とする繰出巻取装置の板体規制機構。
ここで、「直立性」とは、鋼製巻尺(コンベックス)のJIS規格に準じたもので、滑落板の短手方向における幅の所定倍以上の長さの自重で、滑落板が、折れ曲がらないことをいう。
【請求項4】
前記保持体が、
一対の前記側壁と、前記連結部と、前記方向規制部と、を備え、内部と外部とを隔て両端が閉塞した筒状に形成され、前記板体が収納される第一収納部と、
前記第一収納部の外側に配設されるとともに、前記第一収納部と一端側で連通し、他端側が閉塞する第二収納部と、
を備え、
前記第一収納部と、前記第二収納部の一端側と、の境界部分には、前記規制部材の方向を変換する方向変換部が配設され、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が前記第二収納部の他端側において固定され、
前記規制部材の一端側の固定部位と前記方向変換部との間を、前記板体が通過可能とされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の繰出巻取装置の板体規制機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰出巻取用シャフトに巻き付けられる板体を規制可能な繰出巻取装置の板体規制機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の繰出巻取装置として、本出願人が先に出願した特許文献1に記載されるものがあった。これによれば、長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板(滑落板)を備え、繰り出し方向において前記屋根上に積もった雪に進入して、上に乗った雪を前記屋根外に滑落させる板体(滑落体)と、板体が巻き付け可能とされる繰出巻取用シャフトと、繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段(第一モータ)と、を備える構成とされていた(第一実施形態、
図1~
図6、等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記繰出巻取装置では、板体の繰り出し巻き取り時に板体が繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がって、スムーズに繰り出し巻き取りできないおそれがあり、板体を規制することが望まれていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて、板体の繰り出し巻き取り時に、板体が繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制できる繰出巻取装置の板体規制機構を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明の板体規制機構は、
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板を、備える板体と、
一対の側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記側壁を連結する連結部、を備えるとともに、一対の前記側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記連結部、又は、前記連結部、と連設され、前記板体が出入り可能であるとともに前記板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部、を備える保持体と、
一対の前記側壁に対して回動可能に配設され前記板体が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフトと、
前記繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段と、
を備え、前記保持体により前記板体が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置に用いられ、
線状、帯状、シート状、のいずれかに形成されるとともに弾性変形可能とされ、又は、線状、帯状、シート状、のいずれかに形成されるとともに付勢部材により付勢され、前記板体が前記繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で前記保持体において固定され、前記繰出巻取用シャフトの軸線方向からみて、前記繰出巻取用シャフトに巻き付けられた前記板体の外周面に対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
前記板体が、前記規制部材の前記開口部分を通って、繰り出し巻き取りされる。
【0007】
これによれば、板体規制機構は、規制部材と板体とを干渉させることなく、板体を繰り出し巻き取りができるようにしたうえで、板体の繰り出し巻き取り時に、板体が繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制できる。
【0008】
また、板体規制機構は、
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板を、備える板体と、
一対の側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記側壁を連結する連結部、を備えるとともに、一対の前記側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記連結部、又は、前記連結部、と連設され、前記板体が出入り可能であるとともに前記板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部、を備える保持体と、
一対の前記側壁に対して回動可能に配設され前記板体が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフトと、
前記繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段と、
を備え、前記保持体により前記板体が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置に用いられ、
少なくとも二本の線状部材と前記線状部材間に架け渡されるシャフトと前記シャフトに対して回動可能かつ前記板体と接触するローラーとを備えるとともに前記線状部材が弾性変形可能とされ、又は、少なくとも二本の前記線状部材と前記線状部材間に架け渡される前記シャフトと前記シャフトに対して回動可能かつ前記板体と接触する前記ローラーとを備えるとともに付勢部材により付勢され、又は、少なくとも二本の線状部材と前記線状部材間に架け渡され前記板体と接触する接触部材とを備えるとともに前記線状部材が弾性変形可能とされ、又は、少なくとも二本の前記線状部材と前記線状部材間に架け渡され前記板体と接触する接触部材とを備えるとともに前記付勢部材により付勢され、前記板体が前記繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で前記保持体において固定され、前記繰出巻取用シャフトの軸線方向からみて、前記繰出巻取用シャフトに巻き付けられた前記板体の外周面に対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
前記板体が、前記規制部材の前記開口部分を通って、繰り出し巻き取りされる。
【0009】
このような構成としても、板体規制機構は、規制部材と板体とを干渉させることなく、板体を繰り出し巻き取りができるようにしたうえで、板体の繰り出し巻き取り時に、板体が繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制できる。
【0010】
また、板体規制機構は、
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板を、備える板体と、
一対の側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記側壁を連結する連結部、を備えるとともに、一対の前記側壁、又は、一対の前記側壁及び一対の前記連結部、又は、前記連結部、と連設され、前記板体が出入り可能であるとともに前記板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部、を備える保持体と、
一対の前記側壁に対して回動可能に配設され前記板体が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフトと、
前記繰出巻取用シャフトと接続され前記板体を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段と、
を備え、前記保持体により前記板体が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置に用いられ、
前記板体と接触する接触部を有するとともに弾性変形可能とされ、又は、前記板体と接触する前記接触部を有するとともに付勢部材により付勢され、前記板体が前記繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制する規制部材を備え、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で前記保持体において固定され、前記繰出巻取用シャフトの軸線方向からみて、前記繰出巻取用シャフトに巻き付けられた前記板体の外周面に対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
前記板体が、前記規制部材の前記開口部分を通って、繰り出し巻き取りされる。
【0011】
このような構成としても、板体規制機構は、規制部材と板体とを干渉させることなく、板体を繰り出し巻き取りができるようにしたうえで、板体の繰り出し巻き取り時に、板体が繰出巻取用シャフトから遠ざかる側に広がることを規制できる。
【0012】
また、板体規制機構は、
前記保持体が、
一対の前記側壁と、前記連結部と、前記方向規制部と、を備え、内部と外部とを隔て両端が閉塞した筒状に形成され、前記板体が収納される第一収納部と、
前記第一収納部の外側に配設されるとともに、前記第一収納部と一端側で連通し、他端側が閉塞する第二収納部と、
を備え、
前記第一収納部と、前記第二収納部の一端側と、の境界部分には、前記規制部材の方向を変換する方向変換部が配設され、
前記規制部材は、一端側が前記方向規制部、又は、その周辺、において固定され、他端側が前記第二収納部の他端側において固定され、
前記規制部材の一端側の固定部位と前記方向変換部との間を、前記板体が通過可能とされている。
【0013】
これによれば、板体規制機構は、規制部材を方向変換部で折り返して配することが可能となるので、装置をコンパクトにすることができる。
【0014】
ここで、本発明における、「直立性」とは、鋼製巻尺(コンベックス)のJIS規格に準じたもので、板の短手方向における幅の所定倍以上の長さの自重で、板が、折れ曲がらないことをいう。また、直立性の性能の測定方法は、凹面を上にした板を、検査台の一端から所定の長さだけ静かに繰り出し、折れ曲がるか否かを確かめて行う。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態における操出巻取装置の正面図である。
【
図4】板21を最大限繰り出した状態における、
図1のIII-III線矢視断面図である。
【
図5】規制部材の変形例の、(a)はローラーが一列の場合の、(b)はローラーが二列の場合の、斜視図である。
【
図6】規制部材の変形例の配置状態を示す正面からの断面説明図である。
【
図7】規制部材の変形例の配置状態を示す側面からの拡大説明図である。
【
図8】規制部材の他の変形例で、(a)は伸縮しにくい部材の場合の、(b)は弾性変形する部材の場合の、説明図である。
【
図9】規制部材のさらに他の変形例で、(a)は伸縮しにくい部材の場合の、(b)は弾性変形する部材の場合の、説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による繰出巻取装置の板体規制機構の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、各図面に付される矢印は、Fを前、Bを後、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0017】
繰出巻取装置10は、概略的には、
図1~
図4に示すように、板体20と、保持体40と、繰出巻取用シャフト80と、駆動手段としてのモータM1と、を備えている。
【0018】
板体20は、本実施形態では、一つの板21で構成されている。板21は、金属製で、
図1~
図4に示すように、長尺薄板状とされ、短手方向における断面が、上が凹である円弧状に形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有している。板21は、コンベックス(鋼製巻尺)のメジャー部分を転用したものである。また、板21は、柔軟性により、長手方向において屈曲すると短手方向に円弧状から直線状となり、巻き取られるときには密着した渦巻き状になり、コンパクトになる。
【0019】
保持体40は、金属製で、
図1~
図4に示すように、第一収納部50と、第二収納部60と、下部収納部70と、を備えている。
【0020】
第一収納部50は、一対の側壁51、51と、連結部52と、方向規制部53と、を備え、内部と外部とを隔て両端が閉塞した筒状に形成され、板21を収納可能とされている。
【0021】
側壁51は、円盤状に形成され、左右方向において互いに対向するように配置されている。
【0022】
連結部52は、円筒状に形成され、左右の端部で一対の側壁51、51と連結されている。連結部52の下部には、板21が通過可能な幅で開口する開口部52aが配設されている。
【0023】
方向規制部53は、左右方向に長く、上下方向に短い四角筒状に形成され、連結部52の開口部52aと連設され、前後方向に沿って板21が出入り可能であるとともに、板21の繰り出し巻き取り方向を規制可能とされている。
【0024】
本実施形態では、方向規制部53は、下側の壁が、上側の壁よりも後方に延びて形成されるガイド部54を備えている。ガイド部54は、板21と接して、板21を、一対の側壁51、51と、連結部52とで囲まれた領域から、方向規制部53に向けてガイド可能とされている。詳説すれば、ガイド部54は、左右方向からみて、前部から後部に行くにしたがって斜め上側に延び、後端部が斜め下側に延びるように形成され、後端部で後述する第二収納部60の後壁62と連設されている。
【0025】
第二収納部60は、前壁61と、後壁62と、側壁63、63と、を有して、第一収納部50の外側に空間を有して配設されるとともに、下端側(一端側)で第一収納部50と連通し、上端側(他端側)が閉塞するように形成されている。
【0026】
下部収納部70は、後壁71と、下壁72と、側壁73、73と、を有して、第一収納部50の下側、第二収納部60下側及び後側、において、第一収納部50及び第二収納部60との間に空間を有して配設され、内部に、後述するモータM1、チェーン84、図示しない、電源、コントローラユニット等を収納可能とされている。
【0027】
繰出巻取用シャフト80は、
図1~
図4に示すように、シャフト部材81と、ボビン85と、を備えている。
【0028】
シャフト部材81は、金属製で、円柱状に形成されている。ボビン85は、金属製で、円筒状の軸部86と、軸部86の軸線方向における端部からそれぞれ円環状に延設されるフランジ部87、87と、を備えている。
【0029】
本実施形態では、繰出巻取用シャフト80は、シャフト部材81の外側に、ボビン85の軸部86が、嵌め込まれて一体形成されている。
【0030】
繰出巻取用シャフト80は、シャフト部材81の左右の端部を、第一収納部50の側壁51、51にそれぞれ挿通させた状態で、軸受82を介して取り付けられ、一対の側壁51、51に対して、左右方向を回転軸として回転可能とされている。
【0031】
繰出巻取用シャフト80のシャフト部材81の右端部には、従動ギア83が取り付けられている。
【0032】
モータM1は、既存のモータが用いられ、
図1~
図4に示すように、下部収納部70の右後部に配されている。モータM1の回転軸M1aには、駆動ギアM1bが取り付けられている。
【0033】
駆動ギアM1bと、従動ギア83と、にチェーン84が架け渡されて、モータM1の駆動力が、繰出巻取用シャフト80に伝達可能とされている。
【0034】
繰出巻取用シャフト80のボビン85の軸部86に、板21が固定されて繰り出し巻き取り可能に巻き付けられている。板21は、
図3の状態においては、大部分が第一収納部50内に配置され、開口部52a、方向規制部53を挿通させた状態で、先端部分が露出するように配置されている。
【0035】
繰出巻取装置10の制御は、図示しない外部電源から電力を供給され、制御、入力、出力、通信機能、電源接続機能を有する図示しないコントローラユニットにより行われる。図示しないコントローラユニットは、モータM1と接続され、繰出巻取装置10から、板21を繰り出させた後、巻き取らせる。
【0036】
本発明の要部を説明する。
【0037】
繰出巻取装置10には、巻き付けられた板21が繰り出し巻き取り時に、繰出巻取用シャフト80から緩んで繰出巻取用シャフト80から遠ざかる側に広がらないように、規制する板体規制機構100が配されている。
【0038】
板体規制機構100は、本実施形態では、
図1~
図4に示すように、規制部材110と、付勢部材としてのコイルばね120と、方向変換部130と、を備えている。
【0039】
規制部材110は、伸縮しにくい合成樹脂製で、シート状とされ、板21の左右方向の幅より幅が狭く形成されている。
【0040】
コイルばね120は、既存のコイルばねが用いられ、上端部において、第二収納部60の上端部に固定され、下端部において、規制部材110の後述する他端側の端部と連結されている。本実施形態では、コイルばね120は、三つ配設されている。
【0041】
方向変換部130は、金属製で円柱状に形成され、板21が滑りやすくなるように表面に処理が施されて、第一収納部50と、第二収納部60の下側(一端側)と、の境界部分に配設されている。方向変換部130は、左右方向の長さが、ボビン85のフランジ部87、87の内法(うちのり)の長さより短く、フランジ部87、87と接触しないように配されている。方向変換部130は、規制部材110の方向を変換するものである。
【0042】
規制部材110は、一端側が連結部52の方向規制部53の周辺において固定され、他端側がコイルばね120を介して第二収納部60の上端部において固定されている。
【0043】
以上のことより、規制部材110は、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が、他端側が一端側とは異なる部位で、第二収納部60の他端側において固定されているといえる。
【0044】
規制部材110は、方向規制部53の周辺から、左斜め上側に上がるように配され、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外周面21aに対して接するように配される。このとき、規制部材110は、板21の下側の外周面21aとは接しないように配される、そして、方向変換部130の外周面と湾曲しながら接するとともにUターンして上向きに配され、コイルばね120の下端部と連結される。
【0045】
以上のことより、繰出巻取用シャフト80の軸線方向からみて、規制部材110は、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外周面21aに対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、板21が、規制部材110の開口部分を通って、繰り出し巻き取りされるといえる。また、規制部材110の一端側の固定部位と方向変換部130との間を、板21が通過可能とされているともいえる。
【0046】
板体規制機構100の機能作用を説明する。
図1~
図3の状態において、板21は、第一収納部50内に大部分が収納され、一部が露出している。規制部材110は、板21の外周面21aの下側の部分を除いて板21と接し、方向変換部130において上側に折り返されている。
【0047】
この状態においては、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外径が最大で、規制部材110が第二収納部60から引き出され、コイルばね120が伸びた状態となっている。
【0048】
板体規制機構100は、コイルばね120の付勢力(引っ張る力)により、板21が、繰出巻取用シャフト80から緩んで繰出巻取用シャフト80から遠ざかる側に広がらないように規制している。
【0049】
図4は、板21が最大限繰り出された状態で、このとき、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外径が最小で、コイルばね120が縮んだ状態で、規制部材110が第二収納部60の中に引き戻された状態となっている。
【0050】
板体規制機構100では、規制部材110は、板21の外径が大きい状態においては、第二収納部60から引き出され、板21の外径が小さい状態においては、第二収納部60の中に引き戻される。そして、コイルばね120の弾性変形により、規制部材110は、常に、板21の外周面21aを押え付けて、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の繰り出し巻き取りによる外径の変化に対応可能とされている。
【0051】
ここで、上記の板体規制機構100の特許請求の範囲の請求項の記載に対応させた構成と、それによる効果を述べる。
【0052】
板体規制機構100は、
長尺薄板状であって、短手方向における断面の少なくとも一部が、屈曲、又は/及び、湾曲して形成され、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有する板体20としての板21と、
一対の側壁51,51及び一対の側壁51、51を連結する連結部52、を備えるとともに、連結部52、と連設され、板21が出入り可能であるとともに板体の繰り出し巻き取り方向を規制する方向規制部53、を備える保持体40と、
一対の側壁51、51に対して回動可能に配設され板21が固定されて巻き付けられる繰出巻取用シャフト80と、
繰出巻取用シャフト80と接続され板21を繰り出し巻き取り可能とする駆動手段としてのモータM1と、
を備え、保持体40により板21が繰り出し巻き取り可能に保持される繰出巻取装置10に用いられ、
シート状に形成されるとともに付勢部材としてのコイルばね120により付勢され、板21が繰出巻取用シャフト80から遠ざかる側に広がることを規制する規制部材110を備え、
規制部材110は、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が一端側とは異なる部位で保持体40において固定され、繰出巻取用シャフト80の軸線方向からみて、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外周面21aに対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、
板21が、規制部材110の開口部分を通って、繰り出し巻き取りされる。
【0053】
これによれば、板体規制機構100は、規制部材110と板21とを干渉させることなく、板21を繰り出し巻き取りができるようにしたうえで、板21の繰り出し巻き取り時に、板21が繰出巻取用シャフト80から遠ざかる側に広がることを規制できる。
【0054】
また、板体規制機構100は、
保持体40が、
一対の側壁51、51と、連結部52と、方向規制部53と、を備え、内部と外部とを隔て両端が閉塞した筒状に形成され、板21が収納される第一収納部50と、
第一収納部50の外側に配設されるとともに、第一収納部50と一端側で連通し、他端側が閉塞する第二収納部60と、
を備え、
第一収納部50と、第二収納部60の一端側と、の境界部分には、規制部材110の方向を変換する方向変換部130が配設され、
規制部材110は、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が第二収納部60の他端側において固定され、
規制部材110の一端側の固定部位と方向変換部130との間を、板21が通過可能とされている。
【0055】
これによれば、板体規制機構100は、規制部材110を方向変換部130で折り返して配することが可能となるので、装置をコンパクトにすることができる。
【0056】
[変形例について]
本発明の繰出巻取装置の板体規制機構は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、上記実施形態に表わされた発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0057】
例えば、規制部材110は、シート状のものを用いたが、線状、板21のようなコンベックステープ状を含む帯状に形成することも可能である。
【0058】
また、規制部材110は、伸縮しにくい合成樹脂製のものを用いたが、伸縮しにくいゴム、金属等の素材を用いることができる。
【0059】
また、規制部材110は、線状、帯状、シート状、のいずれかに形成されるとともに弾性変形可能とすることができる。この場合、コイルばね120を使用せずに、規制部材110の他端側を、第一収納部50のいずれかの場所に直接固定することが考えられ、第二収納部60を無くすことができる。
【0060】
また、付勢部材としてコイルばね120を用いたが、板21の繰り出し巻き取りによる外径の変化に対応可能であるのならば、コイルばね120以外の部材を用いることができる。
【0061】
また、繰出巻取用シャフト80は、シャフト部材81と、ボビン85と、で構成したが、シャフト部材81のみで構成することができる。
【0062】
また、本発明における、繰出巻取装置10の駆動、制御方式は、上述した方式に限定されない。例えば、手動、又は/及び、モータで駆動させる等、使用態様に応じて適宜変更することができる。
【0063】
また、本発明における、板体20を構成する板21の素材は、直線移動可能な直立性と、繰り出し巻き取り可能な柔軟性と、を有するのであれば、金属以外の素材を用いることができる。
【0064】
また、方向変換部130は、規制部材110の方向を変換できるのであれば、ローラー、滑車等、他の部材を用いることができる。
【0065】
また、方向変換部130が無い構成とすることもできる。
【0066】
また、保持体40は、連結部52が無い構成とすることもできる。
【0067】
また、方向規制部53は、一対の側壁51、51と連設、一対の側壁51、51、及び、連結部52、と連設させることも可能である。
【0068】
また、規制部材110の一端側を、上記実施形態では、方向規制部53の周辺において固定したが、方向規制部53において固定することも可能である。
【0069】
また、板体規制機構100は、本出願人が先に出願した、特願2023-052464号の雪下ろし装置に適用することができる。
【0070】
また、板体規制機構100は、上記特願2023-052464号の雪下ろし装置以外に、他の用途の、板体を繰り出し巻き取りする繰出巻取装置にも適用することができる。
【0071】
また、本出願人が先に出願した、特願2023-052464号の、各実施形態、各変形例、として記載された滑落体は、板体20に流用することができる。
【0072】
また、規制部材の変形例を、
図5(a)、
図6、
図7に基づいて説明する。以下の説明において、上記実施形態と対応する構成については、同一符号を付し、全部又は一部の説明を省略する。
【0073】
規制部材110Aは、二本の金属製の弾性変形可能な線状部材111Aと、金属製のシャフト112Aと、金属製のローラー113Aと、を備えている。
【0074】
二本の線状部材111Aの間にシャフト112Aが架け渡され、ローラー113Aが、シャフト112Aの外側に、シャフト112Aに対して回動可能に取り付けられている。
【0075】
詳説すると、シャフト112Aには、軸線に直交するように孔112Aaが形成され、孔に線状部材111Aが挿通され、孔112Aaの近傍にストッパ114Aが取り付けられて、シャフト112Aが固定されている。
【0076】
規制部材110Aは、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が第一収納部50に直接固定される。本変形例では、第二収納部60を無くすことができる。
【0077】
また、規制部材110Aは、規制部材110と同様に、繰出巻取用シャフト80の軸線方向からみて、繰出巻取用シャフト80に巻き付けられた板21の外周面21aに対して少なくとも一部分を除いて接するとともに、一方において開口している開口部分が形成されるように、他方において閉塞するように、配され、板21が、規制部材110Aの開口部分を通って、繰り出し巻き取りされる。なお、規制部材110Aは、
図6に示すように、板21の左右方向(幅方向)における中央部に配されている。
【0078】
規制部材110Aは、回転可能なローラー113Aが板21の外周面21aに接触することにより、板21の外周面21aとの摩擦抵抗を低減させている。
【0079】
なお、線状部材111Aを伸縮しにくい部材とすることもできる。この場合、
図3、4に参照するように、線状部材111Aの、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が付勢部材としてのコイルばね120に連結され、規制部材110Aが、板21の外周面21a側に付勢される構成となる。
【0080】
また、ストッパ114Aを無くして、シャフト112Aを、線状部材111Aに沿って移動可能とすることもできる。
【0081】
また、ローラー113Aが無い構成として、シャフト112Aの外周面を、板21の外周面21aに接触させることもできる。この場合、シャフト112Aが、板体20に接触する接触部材となる。
【0082】
また、シャフト112Aに孔112Aaを設けずに、線状部材111Aに固定することも可能である。
【0083】
また、規制部材110Aは、
図5(b)に例示するように、三本の線状部材111Aを用いて、線状部材111A間にシャフト112Aを架け渡し、シャフト112Aの外側にローラー113Aを、規制部材110Aの幅方向において、二列取り付けることも可能である。さらに、三本以上の線状部材111Aを用いて、ローラー113Aを、規制部材110Aの幅方向において、二列以上取り付けることも可能である。
【0084】
また、シャフト112A、ローラー113Aを合成樹脂製とすることもできる。
【0085】
また、
図8に示すように、規制部材を網状に形成することも可能である。
【0086】
図8(a)においては、規制部材110Bは、金属製で伸縮しにくい部材で形成され、二本の線状部材111Bと線状部材111B間に架け渡される格子状に形成された網体112Bとを有している。
【0087】
この場合、規制部材110Bは、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が付勢部材としてのコイルばね120に連結され、板21の外周面21a側に付勢される。
【0088】
図8(b)においては、規制部材110C自体が、合成樹脂等で弾性変形可能に形成され、
図8(a)とは異なり、網体112Cのみで、短手方向における両端部の二本の線状部材111Bに相当する部材が無い構成とされている。
【0089】
この場合、規制部材110Cは、一端側を方向規制部53の周辺において固定し、他端側を第一収納部50に直接固定することもできる。
【0090】
なお、網体112B、網体112Cの、幅、格子の数、形状は、使用態様に応じて適宜変更することができる。
【0091】
また、
図9に示すような形状に形成することも可能である。
【0092】
図9(a)においては、規制部材110Dは、金属製で伸縮しにくい部材で形成され、二本の線状部材111Dと線状部材111D間に架け渡される環状に形成された複数の連結体112Dとを有し、一端側が方向規制部53の周辺において固定され、他端側が付勢部材としてのコイルばね120に連結され、板21の外周面21a側に付勢される。
【0093】
図9(b)においては、規制部材110E自体が、合成樹脂等で弾性変形可能に形成され、
図9(a)とは異なり、環状に形成された複数の連結体112Eのみで、短手方向における両端部の二本の線状部材111Dに相当する部材が無い構成とされている。
【0094】
この場合、規制部材110Eは、一端側を方向規制部53の周辺において固定し、他端側を第一収納部50に直接固定することもできる。
【0095】
なお、連結体112D、連結体112Eは、連結体112D、連結体112Dを、連結体112D、連結体112Eの幅方向において、一列だけでなく、二以上の複数列設けることも可能である。
【0096】
また、連結体112D、連結体112Eは、環状以外の、多角形環状、楕円環状等の形状とすることができる。
【0097】
規制部材110A、規制部材110B、規制部材110C、規制部材110D、規制部材110Eのような構成としても、板体20の繰り出し巻き取り時に、板体20が繰出巻取用シャフト80から遠ざかる側に広がることを規制できる。
【0098】
また、規制部材を、梯子形状とすることも可能である。
【0099】
ここで、特許請求の範囲の請求項3における「接触部」とは、規制部材110、規制部材110A、規制部材110B、規制部材110C、規制部材110D、規制部材110E、の板体20と接触する部分をいう。
【符号の説明】
【0100】
10 繰出巻取装置
20 板体
21 板
21a 外周面
40 保持体
50 第一収納部
51 側壁
52 連結部
53 方向規制部
60 第二収納部
80 繰出巻取用シャフト
100 板体規制機構
110 規制部材
110A 規制部材
111A 線状部材
113A ローラー
110B 規制部材
110C 規制部材
110D 規制部材
110E 規制部材
120 コイルばね
130 方向変換部
M1 モータ