(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019212
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】車載標識装置
(51)【国際特許分類】
G09F 21/04 20060101AFI20250130BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20250130BHJP
B60R 13/00 20060101ALI20250130BHJP
G09F 7/18 20060101ALI20250130BHJP
E01F 9/604 20160101ALI20250130BHJP
E01F 9/662 20160101ALI20250130BHJP
【FI】
G09F21/04 G
G08G1/16 C
B60R13/00
G09F7/18 Z
E01F9/604
E01F9/662
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024204309
(22)【出願日】2024-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000208204
【氏名又は名称】大林道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197848
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 良一
(72)【発明者】
【氏名】中森 康裕
(57)【要約】
【課題】従来よりも安全かつ効果的に標識の視認性を向上させるとともに、道路運送車両法施行規則に基づく特殊用途自動車である道路維持作業用自動車以外の自動車のルーフ部に設置可能な、車載標識装置を提供する。
【解決手段】道路維持作業用自動車を除く自動車1のルーフ部11に設置する車載標識装置2であって、ルーフキャリア3に設けられる本体枠23と、前記本体枠23に設けられる標識枠回動固定部材25と、前記標識枠回動固定部材25に回動可能に設けられる標識枠21と、前記標識枠21に設けられるとともに車両前方側及び/又は車両後方側に前記自動車1が少なくとも工事関係車両であることを表示する表示体22と、前記標識枠21の両側に設けられるとともに前記ルーフ部11に対して該標識枠21を起こした状態と倒した状態とに変更可能な標識枠支持部材24と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路維持作業用自動車を除く自動車のルーフ部に設置する車載標識装置であって、
ルーフキャリアに設けられる本体枠と、
前記本体枠に設けられる標識枠回動固定部材と、
前記標識枠回動固定部材に回動可能に設けられる標識枠と、
前記標識枠に設けられるとともに車両前方側及び/又は車両後方側に前記自動車が少なくとも工事関係車両であることを表示する表示体と、
前記標識枠の両側に設けられるとともに前記ルーフ部に対して該標識枠を起こした状態と倒した状態とに変更可能な標識枠支持部材と、を有する
ことを特徴とする車載標識装置。
【請求項2】
前記標識枠支持部材は、
略L字形状を有する側面支持部材を備え、
前記側面支持部材に設けられた係止溝において、前記標識枠の側部を係止して該標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車載標識装置。
【請求項3】
前記標識枠支持部材は、
前記本体枠に設けられる第1係止凸部及び第2係止凸部と、前記標識枠の側部と前記第1係止凸部及び前記第2係止凸部と係止する係止溝を備えた側面支持部とを備え、
前記係止溝に前記標識枠の側部を係止して該標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車載標識装置。
【請求項4】
前記標識枠支持部材は、
前記本体枠に設けられる摺動部材と、前記標識枠の側部と前記摺動部材の摺動溝とを連結する側面支持部とを備え、
前記側面支持部を前記摺動溝で摺動させることで前記標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車載標識装置。
【請求項5】
前記標識枠支持部材は、
前記本体枠を任意の位置で挟持することが可能な本体枠挟持部材と、前記標識枠の側部と前記本体枠挟持部材とを連結する側面支持部とを備え、
前記本体枠挟持部材を前記本体枠の任意の位置で挟持することで前記標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車載標識装置。
【請求項6】
前記本体枠は側面に摺動溝部を有するとともに該摺動溝部を摺動するスライダを有し、
前記標識枠支持部材は、
前記標識枠の側部と前記スライダとを連結する側面支持部を備え、
前記スライダを前記本体枠の任意の位置で固定することで前記標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車載標識装置。
【請求項7】
車両前方側及び/又は車両後方側の前記表示体を照明する照明手段と、該照明手段からの直接光を遮蔽する遮光手段とを備えている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車載標識装置。
【請求項8】
前記標識枠内において前記表示体に隣接して発光する警告灯が設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車載標識装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路運送車両法施行規則に基づく特殊用途自動車である道路維持作業用自動車以外の自動車のルーフ部に設置可能な、車載標識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路運送車両法施行規則に基づく特殊用途自動車である道路維持作業用自動車の車両標識装置として、例えば特許文献1や特許文献2には、黄色や赤色の警告灯を備え、後方を走行する一般車両に対して必要な文字情報等を表示する車載標識装置の発明が開示されている。
【0003】
上記特許文献に開示された車載標識装置を備えた車両は、道路運送車両法施行規則に基づく特殊用途自動車であり、より詳細には道路維持作業用自動車として構造上の基準をクリアする必要がある。これら道路維持作業用自動車を含む特殊用途自動車のナンバープレートには、分類番号として所謂「8ナンバー」が表示され、主に道路を管理する国、自治体、各高速道路株式会社等で使用されている。
【0004】
一方、実際に供用中の道路を規制して工事等が行われる場合には、工事関係者が乗る上記道路維持作業用自動車以外の多くの自動車が規制帯に入って、作業や工事の施工管理業務等を行うこととなる。そして、規制帯内に安全かつ効率的に、工事関係者が乗る自動車と一般通行車両とを区別して誘導員が誘導できるように、従来は
図1及び
図2に示されるような標識幕を車両の前方及び後方に貼り付けていた。なお、これら標識幕は、当該工事と無関係な場所で取り付けることは禁止されており、工事関係エリア外では速やかに取り外さなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6585895号公報
【特許文献2】特許第4100825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
専ら道路維持作業用自動車として使用していない工事関係者が乗る自動車に対しては、標識幕を紐や粘着テープで着脱することになる。しかし、
図1(a)に示されるように、リヤガラスの外面に粘着テープで標識幕を取り付けた場合、バックミラーの視界を塞いでしまう上にリヤワイパーも使用できない。加えて、風雨及び/又はリヤワイパーの誤操作により、粘着テープが剥がれて標識幕が道路上に落下したり、リヤワイパーの損傷につながる危険がある。
【0007】
また、
図1(b)のようにリヤガラスの内側に標識幕を取り付けた場合は、標識幕が道路上に落下する心配はないものの、バックミラーの視界を塞いでしまう上に、リヤガラスがスモークガラスであると、標識幕の視認性が著しく低下し、一般通行車両との区別が付き難いという問題が生じる。また、
図1(c)のようにリヤガラスが大きく傾斜しているような車両にあっては、水平方向から標識幕を見たとき、大きく傾斜して表示内容を読み取ることが困難となる。
【0008】
加えて、車両前方における標識幕の設置形態として、
図2(a)に示されるようにダッシュボード上に置いた場合や、
図2(b)に示されるようにボンネット上に標識幕を貼り付けたような場合には、
図2(a)及び
図2(c)からわかるように、誘導員から標識幕が見え難く、誘導員が走行してきた工事関係車両を正しく規制帯に誘導できない可能性もある。
【0009】
そこで本願発明は、従来よりも安全かつ効果的に車両前方側及び/又は車両後方側からの標識の視認性を向上させるとともに、道路運送車両法施行規則に基づく特殊用途自動車である道路維持作業用自動車以外の自動車のルーフ部に設置可能な、車載標識装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、道路維持作業用自動車を除く自動車のルーフ部に設置する車載標識装置であって、ルーフキャリアに設けられる本体枠と、前記本体枠に設けられる標識枠回動固定部材と、前記標識枠回動固定部材に回動可能に設けられる標識枠と、前記標識枠に設けられるとともに車両前方側及び/又は車両後方側に前記自動車が少なくとも工事関係車両であることを表示する表示体と、前記標識枠の両側に設けられるとともに前記ルーフ部に対して該標識枠を起こした状態と倒した状態とに変更可能な標識枠支持部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
さらにある実施形態では、前記標識枠支持部材は、略L字形状を有する側面支持部材を備え、前記側面支持部材に設けられた係止溝において、前記標識枠の側部を係止して該標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴とする。
【0012】
さらにある実施形態では、前記標識枠支持部材は、前記本体枠に設けられる第1係止凸部及び第2係止凸部と、前記標識枠の側部と前記第1係止凸部及び前記第2係止凸部と係止する係止溝を備えた側面支持部とを備え、前記係止溝に前記標識枠の側部を係止して該標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴とする。
【0013】
さらにある実施形態では、前記標識枠支持部材は、前記本体枠に設けられる摺動部材と、前記標識枠の側部と前記摺動部材の摺動溝とを連結する側面支持部とを備え、前記側面支持部を前記摺動溝で摺動させることで前記標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴とする。
【0014】
さらにある実施形態では、前記標識枠支持部材は、前記本体枠を任意の位置で挟持することが可能な本体枠挟持部材と、前記標識枠の側部と前記本体枠挟持部材とを連結する側面支持部とを備え、前記本体枠挟持部材を前記本体枠の任意の位置で挟持することで前記標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴とする。
【0015】
さらにある実施形態では、前記本体枠は側面に摺動溝部を有するとともに該摺動溝部を摺動するスライダを有し、前記標識枠支持部材は、前記標識枠の側部と前記スライダとを連結する側面支持部を備え、前記スライダを前記本体枠の任意の位置で固定することで前記標識枠を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴とする。
【0016】
さらにある実施形態では、車両前方側及び/又は車両後方側の前記表示体を照明する照明手段と、該照明手段からの直接光を遮蔽する遮光手段とを備えていることを特徴とする。
【0017】
さらにある実施形態では、前記標識枠内において前記表示体に隣接して発光する警告灯が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成によれば、工事関係者が使用する道路維持作業用自動車以外の自動車に対して、車載標識装置を極めて容易に搭載することが可能となる。さらに、従来よりも安全かつ効率的に、誘導員が工事関係車両と一般通行車両とを区別して、規制帯内に工事関係車両を誘導することが可能となる。また、車載標識装置を備えた車両の後方を走行する一般車両に対しても、明瞭に標識を視認させることができるので、一般車両を巻き込んだ事故の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】工事関係者が使用する道路維持作業用自動車以外の自動車において、従来の標識幕の設置態様(車両後方部)を説明する写真である。
【
図2】工事関係者が使用する道路維持作業用自動車以外の自動車において、従来の標識幕の設置態様(車両前方部)を説明する写真である。
【
図3】本発明の車載標識装置の概要を説明する側面図であって、(a)は表示状態、(b)は非表示状態を示した側面図である。
【
図4】本発明の車載標識装置の概要を説明する正面図(a)及び後面図(b)である。
【
図5】本発明の車載標識装置の一実施形態において、標識枠に設けられる表示体の設置態様を説明する図である。
【
図6】本発明の車載標識装置の一実施形態において、標識枠に設けられる表示体の例を示した図である。
【
図7】本発明の車載標識装置の一実施形態において、標識枠及び表示体の配置態様を説明する側断面図である。
【
図8】本発明の車載標識装置の第1実施形態において、非表示状態を示す斜視図(a)と、表示状態を示す斜視図(b)である。
【
図9】本発明の車載標識装置の第1実施形態において、表示状態を示す側面図(c)と、非表示状態を示す側面図(d)である。
【
図10】本発明の車載標識装置の第2実施形態において、非表示状態を示す斜視図(a)と、表示状態を示す斜視図(b)である。
【
図11】本発明の車載標識装置の第2実施形態において、表示状態を示す側面図(c)と、非表示状態を示す側面図(d)である。
【
図12】本発明の車載標識装置の第3実施形態において、非表示状態を示す斜視図(a)と、表示状態を示す斜視図(b)である。
【
図13】本発明の車載標識装置の第3実施形態において、表示状態を示す側面図(c)と、非表示状態を示す側面図(d)である。
【
図14】本発明の車載標識装置の第4実施形態において、非表示状態を示す斜視図(a)と、表示状態を示す斜視図(b)である。
【
図15】本発明の車載標識装置の第4実施形態において、表示状態を示す側面図(c)と、非表示状態を示す側面図(d)である。
【
図16】本発明の車載標識装置の第5実施形態において、非表示状態を示す斜視図(a)と、表示状態を示す斜視図(b)である。
【
図17】本発明の車載標識装置の第5実施形態において、表示状態を示す側面図(c)と、非表示状態を示す側面図(d)である。表示状態に応じた標識枠の非表示状態を示す斜視図(a)と、表示状態を示す斜視図(b)である。
【
図18】本発明の車載標識装置の一実施形態において、照明手段の配置態様を説明する側面図(a)と、上面図(b)である。
【
図19】本発明の車載標識装置の一実施形態において、照明手段を標識枠内に配置した実施形態を説明する車両正面図(a)と、標識枠正面図(b)である。
【
図20】本発明の車載標識装置の一実施形態において、緊急通行車両標章を標識枠内に配置した実施形態を説明する標識枠正面図(a)と、緊急通行車両標章正面図(b)である。
【
図21】本発明の車載標識装置の一実施形態において、標識枠内に配置される補助的な表示物の一例を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の車載標識装置の各実施形態について説明する。
【0021】
図3(a)には車載標識装置2の表示状態における側面図、
図3(b)には非表示状態における側面図が図示されている。また
図4(a)には車載標識装置2の表示状態における正面図、
図4(b)には後面図が図示されている。加えて、
図8(a)には本発明の第1実施形態における非表示状態を示す斜視図が、
図8(b)には表示状態を示す斜視図がそれぞれ示されている。
【0022】
上記各図に示されるように、本発明の車載標識装置2は、道路維持作業用自動車を除く自動車1のルーフ部11に設置する車載標識装置2であって、ルーフキャリア3に設けられる本体枠23と、当該本体枠23に設けられる標識枠回動固定部材25と、当該標識枠回動固定部材25に回動可能に設けられる標識枠21と、当該標識枠21に設けられるとともに車両前方側及び/又は車両後方側に自動車1が少なくとも工事関係車両であることを表示する表示体22と、上記標識枠21の両側に設けられるとともに上記ルーフ部11に対して当該標識枠21を起こした状態と倒した状態とに変更可能な標識枠支持部材24とを少なくとも有することを特徴としている。
【0023】
すなわち、
図3に示されるように、工事関係車両であることを表示する表示体22を設けた標識枠21が、可倒状態で取り付けられており、標識枠21を起こした状態と倒した状態とに変更可能となっているため、必要に応じて表示体22の表示内容を誘導員等に明確に表示することが可能となっている。
【0024】
また、
図4に示されるように、車両前方側及び/又は車両後方側に、自動車1が少なくとも工事関係車両であることを表示する表示体22を設けており、例えば、
図7にも示されるように、車両前方側に「工事用車両」であることを表示した前方表示体221を配置し、車両後方側には「ハザード点灯時減速します」などの一般通行車両に注意を促すような表示をした後方表示体222を配置することも可能である。
【0025】
また、
図5の各図には、本実施形態における標識枠21と、当該標識枠21に取り付けられた大きさの異なる表示体22の正面図が示されている。すなわち、
図6の各図に示されるように、表示体22は工事場所や工事を管轄する事業者等に応じて種々の大きさを有しており、本実施形態における標識枠21は、表示体22の各種サイズに対応して容易に表示体を取り付けることが可能となっている。
【0026】
なお、標識枠21の材質は特に限定されるものではなく、走行時の所定の風速に耐えうる構造であれば金属製など種々の材質を適用可能である。
【0027】
また、本実施形態では、ビニールシートに印字された標識幕を表示体22とし、当該表示体22を紐又はビニールテープ等で標識枠21に取り付けている。しかし、このような形態に限定されるものではなく、表示体22は、表示内容が示された鉄板、アルミニウム板、樹脂板、繊維シートなどであってもよい。
【0028】
さらに、本発明の車載標識装置2が設置される自動車1は、普通自動車、小型自動車及び軽自動車等にも設置することが可能であり、その際、
図4(a)に示されるような地上高さ、車幅に従うことで公道の走行が可能となる。
【0029】
続いて、前述した本発明の標識枠支持部材24について、各実施形態を以下に説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図8(a)には、車載標識装置2の第1実施形態において、非表示状態を示す斜視図が、
図8(b)には、表示状態を示す斜視図が示され、
図9(c)には、車載標識装置2の表示状態を示す側面図が、
図9(d)には、非表示状態を示す側面図がそれぞれ示されている。
【0031】
図示されるように、第1実施形態においては、標識枠支持部材は24、略L字形状を有する側面支持部材241を備え、当該側面支持部材241に設けられた係止溝において、標識枠21の側部を係止して当該標識枠21を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴としている。
【0032】
より詳細に説明すると、当該実施形態では、本体枠23に設けられて標識枠21を回動可能に取り付ける上記側面支持部材241と標識枠回動固定部材25とが一体に構成され、当該側面支持部材241に設けられた係止溝に標識枠21の中間側部を蝶ねじ等で係止することで、表示状態と非表示状態を切り替えることが可能となっている。
【0033】
(第2実施形態)
図10(a)には、車載標識装置2の第2実施形態において、非表示状態を示す斜視図が、
図10(b)には、表示状態を示す斜視図が示され、
図11(c)には、車載標識装置2の表示状態を示す側面図が、
図11(d)には、非表示状態を示す側面図がそれぞれ示されている。
【0034】
図示されるように、第2実施形態においては、標識枠支持部材24は、本体枠23に設けられる第1係止凸部242及び第2係止凸部243と、標識枠21の側部と第1係止凸部242及び前記第2係止凸部243と係止する係止溝を備えた側面支持部241とを備え、上記係止溝に標識枠21の側部を係止して当該標識枠21を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴としている。
【0035】
また、当該実施形態では、本体枠23に設けられる標識枠回動固定部材25において蝶番254で標識枠21が回動可能に取り付けられており、上記側面支持部材241に設けられた係止溝に標識枠21の側部や、上記第1係止凸部242及び第2係止凸部243と蝶ねじ等で係止することで、表示状態と非表示状態を切り替えることが可能となっている。
【0036】
また、
図10(a)、(b)に破線で示されるように、左右の側面支持部241を連結する連結部材246を設けるように構成してもよい。このように連結部材246を設けることで、左右の側面支持部241が連動するので、一人で表示・非表示の切替作業を容易に行うことが可能となる。
【0037】
(第3実施形態)
図12(a)には、車載標識装置2の第3実施形態において、非表示状態を示す斜視図が、
図12(b)には、表示状態を示す斜視図が示され、
図13(c)には、車載標識装置2の表示状態を示す側面図が、
図13(d)には、非表示状態を示す側面図がそれぞれ示されている。
【0038】
図示されるように、第3実施形態においては、標識枠支持部材24は、本体枠23に設けられる摺動部材244と、標識枠21の側部と当該摺動部材244の摺動溝とを連結する側面支持部241とを備え、当該側面支持部241を上記摺動溝で摺動させることで上記標識枠21を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴としている。
【0039】
すなわち、
図13に示されるように、当該実施形態では、本体枠23に設けられる標識枠回動固定部材25において蝶番254で標識枠21が回動可能に取り付けられている。そして、側面支持部241の一方の端部に設けた不図示のスライダが、摺動部材244に形成された摺動溝を摺動することで、標識枠21を回動させることが可能となっており、標識枠21を起こした状態又は倒した状態で蝶ねじ等で固定することが可能となっている。
【0040】
また、
図12(a)、(b)に破線で示されるように、左右の側面支持部241を連結する連結部材246を設けるように構成してもよい。この場合、両端にネジ溝が形成された1本の連結部材246とすることで、左右両端部が前述した摺動溝を摺動するように構成して固定位置にて蝶ねじ等で固定することができる。このように連結部材246を設けることで、左右の側面支持部241が連動するので、一人で表示・非表示の切替作業を容易に行うことが可能となる。
【0041】
(第4実施形態)
図14(a)には、車載標識装置2の第4実施形態において、非表示状態を示す斜視図が、
図14(b)には、表示状態を示す斜視図が示され、
図15(c)には、車載標識装置2の表示状態を示す側面図が、
図15(d)には、非表示状態を示す側面図がそれぞれ示されている。
【0042】
図示されるように、第4実施形態においては、標識枠支持部材24は、本体枠23を任意の位置で挟持することが可能な本体枠挟持部材245と、標識枠21の側部と当該本体枠挟持部材245とを連結する側面支持部241とを備え、上記本体枠挟持部材245を本体枠23の任意の位置で挟持することで上記標識枠21を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴としている。
【0043】
すなわち、当該実施形態では
図15(c)に示されるように、本体枠23に設けられる標識枠回動固定部材25において蝶番254で標識枠21が回動可能に取り付けられている。そして、
図15(c)の特に拡大図に示されるように、側面支持部241の一方の端部に連結された本体枠挟持部材245が、本体枠23の任意の位置を挟持することで、表示体22の表示状態と非表示状態とを切り替えることが可能となっている。
【0044】
また、
図14(a)、(b)に破線で示されるように、左右の側面支持部241を連結する連結部材246を設けるように構成してもよい。このように連結部材246を設けることで、左右の側面支持部241が連動するので、一人で表示・非表示の切替作業を容易に行うことが可能となる。
【0045】
(第5実施形態)
図16(a)には、車載標識装置2の第5実施形態において、非表示状態を示す斜視図が、
図16(b)には、表示状態を示す斜視図が示され、
図17(c)には、車載標識装置2の表示状態を示す側面図が、
図17(d)には、非表示状態を示す側面図がそれぞれ示されている。
【0046】
図示されるように、第5実施形態においては、本体枠23は側面に摺動溝部231を有するとともに当該摺動溝部231を摺動するスライダ232を有し、標識枠支持部材24は、標識枠21の側部と上記スライダ232とを連結する側面支持部241を備え、上記スライダ232を本体枠23の任意の位置で固定することで、上記標識枠21を起こした状態及び倒した状態で固定することが可能であることを特徴としている。
【0047】
すなわち、当該実施形態では
図17(c)に示されるように、本体枠23に設けられる標識枠回動固定部材25において蝶番254で標識枠21が回動可能に取り付けられている。そして、
図17(c)の特に拡大図に示されるように、本実施形態の本体枠23は、所謂C形鋼などからなる一方の面に開口部が形成され部材を利用しており、当該開口部を摺動溝部231とすることで、スライダ232を摺動可能にしている。そして当該スライダを任意の位置で蝶ねじ等で固定することにより、表示体22の表示状態と非表示状態とを切り替えることが可能となっている。
【0048】
また、
図16(a)、(b)に破線で示されるように、左右の側面支持部241を連結する連結部材246を設けるように構成してもよい。このように連結部材246を設けることで、左右の側面支持部241が連動するので、一人で表示・非表示の切替作業を容易に行うことが可能となる。
【0049】
(その他の実施形態)
以上、本発明の第1実施形態から第5実施形態について説明したが、本発明の車載標識装置は前述した実施形態に限定されるものではない。
【0050】
例えば、
図18(a)には、照明手段の配置態様を説明する側面図が、
図18(b)にはその上面図が示されている。すなわち、少なくとも車両後方側の後方表示体222を照明する後方照明手段251Aと、当該後方照明手段251Aから後方への直接光を遮蔽する遮光手段252とを備えることも可能である。
【0051】
より詳細に説明すると、上記後方表示体222を含む表示体22が非反射性のシートなどから成る場合、夕方から夜間、又はトンネル内のような暗い環境下では、表示内容を読み取ることが困難となる。そこで、図示される実施形態では、前方表示体221を照明する前方照明手段251Bと後方表示体222を照明する後方照明手段251Aが配置され、特に夕方から夜間、又はトンネル内において、これら表示体22の視認性を大幅に向上させている。なお、本実施形態では汎用性に優れるLEDを後方照明手段251A及び前方照明手段251Bとして採用しており、より好ましくは防水性に優れたLEDラインテープを好適に利用することができる。
【0052】
また、後方照明手段251Aからの後方への直接光を遮蔽する遮光手段252を設けることにより、後方表示体222に対する視認性をさらに向上できるほか、後方表示体222を照明する後方照明手段251Aに遮蔽手段252を設けることにより、後方への灯火が制限されている道路運送車両の保安基準に合致させることが可能となる。
【0053】
また、本発明の車載標識装置2において、
図18(b)や
図4に示されるように、標識枠21の横に脱着式警告灯256を設置するスペースを設けてもよく、これにより、より確実に誘導員等に工事関係車両であること認識させることが可能となる。
【0054】
また別の実施形態として、
図19(a)、(b)に示されるように、標識枠21内において、表示体22に隣接して警告灯253を設けることも可能である。具体的には、LEDや蛍光灯、電球などの光源を内蔵し、透光性を有する樹脂板などで覆われた警告灯253を設けることができる。光源の種類や外装材の種類は公知のものが利用可能であり、特に限定されるものではない。なお、道路運送車両の保安基準に従って、300カンデラ以下の光度とすることが望ましい。
【0055】
このような光源を内蔵する警告灯253を標識枠21内に設けることで、
図4や
図18(b)に示されるような脱着式警告灯256を別途用意して脱着する手間が省ける。
【0056】
また別の実施形態として、
図20(a)に示されるように、標識枠21内において、表示体22に隣接して緊急通行車両確認標章255を設けることも可能である。
図20(b)に示されるように、緊急通行車両確認標章255は災害対策基本法に基づき緊急通行車両に掲示が義務付けられる標章であり、特に緊急を要する道路工事関係車両には掲示が必須となる。したがって、図示されるように標識枠21内に緊急通行車両確認標章255を設置可能に構成することで、視認性が増し、災害時等においてスムーズな運行が可能となる。
【0057】
さらに別の実施形態として、
図21に示されるような、工事関係車両の所属等を明示する補助的な表示物257を、
図20(a)に示した上記緊急通行車両確認標章255と同様に、標識枠21内において、表示体22に隣接して配置することも可能である。従来、
図21に示した補助的な表示物257は、車内のダッシュボード上に置かれていたが、
図2(a)のように前方からの視認性は非常に悪い。そこで、上記したように標識枠21内に配置することで、大幅に視認性が向上する。
【0058】
また、前述した実施形態の説明では、表示体22に「工事用車両」などの表示がされた例を図示して説明したが、本発明の車載標識装置は必ずしも工事用車両に限定して使用されるものではない。例えば、種々のイベントにおいて使用される広報用車両、宣伝用車両、移動販売用車両のほか、先導(誘導)車両や保安(警戒・監視)車両にも本発明の車載標識装置を利用することが可能である。
【0059】
以上、本発明の各実施形態について図面にもとづいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 自動車
11 ルーフ部
2 車載標識装置
21 標識枠
22 表示体
221 前方表示体
222 後方表示体
23 本体枠
231 摺動溝部
232 スライダ
24 標識枠支持部材
241 側面支持部材
242 第1係止凸部
243 第2係止凸部
244 摺動部材
245 本体枠挟持部材
246 連結部材
25 標識枠回動固定部材
251A 後方照明手段
251B 前方照明手段
252 遮光手段
253 警告灯
254 丁番
255 緊急通行車両確認標章
256 脱着式警告灯
257 補助的な表示物
3 ルーフキャリア