(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019255
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】検索対象を検索するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/903 20190101AFI20250130BHJP
G06Q 50/16 20240101ALI20250130BHJP
【FI】
G06F16/903
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024205603
(22)【出願日】2024-11-26
(62)【分割の表示】P 2023067223の分割
【原出願日】2018-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】503133025
【氏名又は名称】株式会社創建
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】吉村 卓也
(57)【要約】
【課題】検索対象を検索するためのコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータシステムは、検索条件を受信する受信手段と、検索条件に基づいて、少なくとも1つの検索対象を検索結果として特定する特定手段であって、検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象は、検索条件を満たさない検索対象を含む、特定手段と、検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象を提示する提示手段とを備える。
【選択図】
図1E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムまたは方法またはプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索対象を検索するためのコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、不動産物件などを検索対象とした検索サイトが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社リクルート、“SUUMO”、[online]、[平成30年9月26日検索]、インターネット<URL:https://suumo.jp/ikkodate/?vos=op0014adwstw000000000zzz_01x0012421-xb_kwd-488888297472:cr-247701419189:sl-:adg-27251562085:cam-329093485&ipao9700=g&ipao9701=b&ipao9702=%2B%E7%89%A9%E4%BB%B6&ipao9703=c&ipao9704=247701419189&ipao9705=&ipao9721=kwd-488888297472&ipao9722=329093485&ipao9723=27251562085&ipao9724=&ipao9725=1009541&ipao9726=1t2&ipao9727=&ipao9728=&ipao9729=&ipao9730=&ipao9731=&ipao9732=13125849549969645099&ipao9733=&ipao9734=&ipao9735=&ipao9736=&ipao9737=&ipao9738=&ipao9739=&ipao9740=&ipao9741=&gclid=EAIaIQobChMIn93855DY3QIVywgqCh1ftQDrEAAYAiAAEgLZz_D_BwE&gclsrc=aw.ds&dclid=CMCt9-mQ2N0CFQpqvQodTl0FSw>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、検索条件を満たす検索対象を特定するために検索条件を検索サイトに入力する。従来の検索サイトでは、検索対象が検索結果として提示されるためには、その検索対象が検索条件を満たすことが必須であり、その検索対象がその検索条件から少しでも外れてしまうと、その検索対象が検索結果として提示されることはあり得なかった。このように、「検索条件を満たすこと」が検索対象が検索結果として提示されるための絶対条件であることは、検索の技術分野では技術常識であった。
【0005】
本発明は、検索の技術分野での上述した技術常識を覆すものであり、検索条件を満たさない検索対象を検索結果として提示することを可能にするコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、検索対象を検索するためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、検索条件を受信する受信手段と、前記検索条件に基づいて、少なくとも1つの検索対象を検索結果として特定する特定手段であって、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象は、前記検索条件を満たさない検索対象を含む、特定手段と、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象を提示する提示手段とを備える。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記検索条件に基づいて、複数の検索対象のそれぞれの総合点を算出する算出手段をさらに備え、前記特定手段は、前記検索条件に基づいて算出された前記複数の検索対象のそれぞれの総合点に基づいて、前記少なくとも1つの検索対象を特定してもよい。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記検索条件は、検索対象に関連する項目の値が上限値以下であるという条件、または、検索対象に関連する項目の値が下限値以上であるという条件を含み、前記算出手段は、前記検索対象に関連する項目の値が前記上限値よりも大きい場合には、前記検索対象に関連する項目の値と前記上限値との差分を算出し、前記検索対象に関連する項目の値が前記下限値よりも小さい場合には、前記検索対象に関連する項目の値と前記下限値との差分を算出し、前記差分と点数との関係を規定する関数を使用して、前記検索対象に関連する項目に対する点数を決定し、前記検索対象に関連する項目に対する前記点数に少なくとも部分的に基づいて、前記検索対象の総合点を算出してもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記関数は、非二値関数であってもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記検索条件は、複数の検索サブ条件と、前記複数の検索サブ条件のそれぞれの優先順位を示す情報とを含み、前記複数の検索サブ条件は、第1の検索サブ条件と第2の検索サブ条件とを含み、前記第1の検索サブ条件は、検索対象に関連する第1の項目の値が第1の上限値以下であるという条件、または、検索対象に関連する第1の項目の値が第1の下限値以上であるという条件であり、前記第2の検索サブ条件は、検索対象に関連する第2の項目の値が第2の上限値以下であるという条件、または、検索対象に関連する第2の項目の値が第2の下限値以上であるという条件であり、前記算出手段は、前記検索対象に関連する前記第1の項目の値が前記第1の上限値よりも大きい場合には、前記検索対象に関連する前記第1の項目の値と前記第1の上限値との第1の差分を算出し、前記検索対象に関連する前記第1の項目の値が前記第1の下限値よりも小さい場合には、前記検索対象に関連する前記第1の項目の値と前記第1の下限値との第1の差分を算出し、前記検索対象に関連する前記第2の項目の値が前記第2の上限値よりも大きい場合には、前記検索対象に関連する前記第2の項目の値と前記第2の上限値との第2の差分を算出し、前記検索対象に関連する前記第2の項目の値が前記第2の下限値よりも小さい場合には、前記検索対象に関連する前記第2の項目の値と前記第2の下限値との第2の差分を算出し、前記コンピュータシステムは、前記第1の検索サブ条件の優先順位を示す情報に基づいて、複数の関数のうちの第1の関数を選択する第1の選択手段であって、前記第1の関数は、前記第1の差分と点数との関係を規定する、手段と、前記第2の検索サブ条件の優先順位を示す情報に基づいて、前記複数の関数のうちの第2の関数を選択する第2の選択手段であって、前記第2の関数は、前記第2の差分と点数との関係を規定する、手段とをさらに備え、前記算出手段は、前記第1の選択手段によって選択された前記第1の関数を使用して、前記検索対象の前記第1の特性に対する第1の点数を決定し、前記第2の選択手段によって選択された前記第2の関数を使用して、前記検索対象の前記第2の特性に対する第2の点数を決定し、前記検索対象に関連する前記第1の項目に対する前記第1の点数および前記検索対象に関連する前記第2の項目に対する前記第2の点数に少なくとも部分的に基づいて、前記検索対象の総合点を算出してもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記第1の関数および前記第2の関数のそれぞれは、非二値関数であってもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象の中から選択された検索対象を示す入力を受信する受信手段と、前記選択された検索対象を3次元表現で提示するためのウェアラブルデバイスとをさらに備えていてもよい。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの検索対象は、少なくとも1つの不動産物件であってもよい。
【0014】
本発明の1つの局面において、本発明の方法は、検索対象を検索するためのコンピュータシステムにおいて実行される方法であり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記方法は、前記プロセッサ部が、検索条件を受信することと、前記プロセッサ部が、前記検索条件に基づいて、少なくとも1つの検索対象を検索結果として特定することであって、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象は、前記検索条件を満たさない検索対象を含む、ことと、前記プロセッサ部が、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象を提示することとを含む。
【0015】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、検索対象を検索するためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、検索条件を受信することと、前記検索条件に基づいて、少なくとも1つの検索対象を検索結果として特定することであって、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象は、前記検索条件を満たさない検索対象を含む、ことと、前記検索結果として特定された前記少なくとも1つの検索対象を提示することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、検索条件を満たさない検索対象を検索結果として提示することを可能にするコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】ユーザ装置に表示される画面110および画面110’の一例を示す図
【
図1B】ユーザ装置に表示される画面120の一例を示す図
【
図1C】ユーザ装置に表示される画面130の一例を示す図
【
図1D】ユーザ装置に表示される画面140の一例を示す図
【
図1E】ユーザ装置に表示される画面150の一例を示す図
【
図3A】不動産物件データベース部231に格納されている情報の一例を示す図
【
図3B】非二値関数データベース部232に格納されている情報の構成の一例を示す図
【
図4】コンピュータシステム200において実行される処理のフローの一例を示す図
【
図5】コンピュータシステム200において実行される処理のフローの他の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
以下に説明する実施形態では、検索対象が不動産物件である例を説明するが、不動産物件は、検索対象の一例にすぎない。本発明では、検索対象は不動産物件に限定されない。本発明は、検索対象が不動産物件以外の任意のものである場合にも適用することが可能である。
【0020】
1.ユーザ装置に表示される画面
図1Aは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)に表示される画面110および画面110’の一例を示す。
【0021】
画面110は、不動産物件を検索するための検索サイトのトップ画面から遷移した画面であって、ユーザにとって必須の不動産物件の項目を入力または選択するための画面の一例である。
図1Aに示される例では、画面110は、不動産物件のエリア(例えば、地方、都道府県)を選択するためのエリア選択領域111と、ユーザにとって必須の不動産物件の項目を条件として検索するための特徴選択領域112と、選択することによって次の画面に遷移するための遷移選択領域113とを含む。
【0022】
図1Aに示される例では、エリア選択領域111において、「東京」、「大阪」、「愛知」、「福岡」という4つの都道府県を選択することが可能なように構成されている。また、
図1Aに示される例では、画面110は、特徴選択領域112において、「新築一戸建て」、「中古一戸建て」、「新築マンション」、「中古マンション」、「最寄り駅まで10分未満」、「最寄り駅まで10分~20分」、「最寄り駅まで20分~30分」、「物件価格500万円未満」、「物件価格500~2000万円」、「物件価格2000万円以上」、「築年数10年未満」、「築年数20年未満」、「築年数30年未満」、「面積50m
2未満」、「面積50~100m
2」、「面積100m
2以上」という様々な条件を1つまたは複数個選択することが可能なように構成されている。複数個の条件が選択されることにより、選択された複数個の条件に基づいてAND検索を行うことが可能であってもよい。また、例えば、項目「物件価格」が選択されることにより、不動産物件の価格の上限・下限を入力するための画面がモーダル表示されてもよい。
【0023】
なお、エリア選択領域111において選択可能な都道府県は、「東京」、「大阪」、「愛知」、「福岡」に限定されない。エリア選択領域111において他の都道府県(例えば、北海道、沖縄)が選択可能であってもよい。また、エリア選択領域111において選択可能なものは、都道府県に限定されない。エリア選択領域111において、例えば、地域名、市区町村名、州名などが選択可能であってもよい。
【0024】
画面110’は、不動産物件を検索するための検索サイトのトップ画面から遷移した画面であって、ユーザにとって必須の項目を入力または選択するための画面の他の一例である。画面110’において、画面110に示される要素と同一の要素には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0025】
画面110’では、エリア選択領域111において、「関東地方」、「中部地方」、「関西地方」、「九州・四国地方」という4つの地方選択をすることが可能なように構成されており、この4つの地方選択に加えて、
図1Aの画面110を参照して説明した都道府県選択をすることも可能である。また、画面110’では、特徴選択領域112において、「新築一戸建て」、「中古一戸建て」、「新築マンション」、「中古マンション」、「土地」、「物件価格□万~□万」、「駅まで□分」、「面積□m
2~□m
2」、「築年数~□年」、「入居□月」、「間取り」、「過去□年以内に点検済み」、「〇〇をリフォーム済み」という様々な条件を1つまたは複数個選択することが可能なように構成されている。ここで、「物件価格□万~□万」、「駅まで□分」、「面積□m
2~□m
2」、「築年数~□年」、「入居□月」、「過去□年以内に点検済み」の各々の□は、数字を入力することが可能なように構成されている。また、「〇〇をリフォーム済み」の〇〇は、場所を入力または選択することが可能なように構成されている。複数個の条件が選択されることにより、選択された複数個の条件に基づいてAND検索を行うことが可能であってもよい。また、いずれも選択されることなく遷移選択領域113を選択することにより、ユーザにとって必須の項目を検索条件として入力しないようにしてもよい。
【0026】
図1Aに示される画面110、110’において、白抜き文字は、選択された状態の条件を示す。すなわち、
図1Aに示される例では、「大阪」という条件と「物件価格500~2000万円」という条件とが選択されている。
【0027】
図1Bは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)に表示される画面120の一例を示す。
【0028】
画面120は、ユーザにとって必須ではないが強く希望する不動産物件の項目を入力または選択するための画面の一例である。画面120は、例えば、
図1Aに示される遷移選択領域113を選択することによって画面110または画面110’から遷移した画面である。
【0029】
図1Bに示される例では、画面120は、ユーザにとって必須ではないが強く希望する不動産物件の項目を条件として検索するための特徴選択領域121と、遷移選択領域113とを含む。
図1Bに示される例では、特徴選択領域121は、「オール電化」、「床暖房」、「ウォークインクローゼット」、「南向き」、「家具付き」、「家電付き」、「システムキッチン」、「対面式キッチン」、「IH」、「風呂・トイレ別」、「バルコニー付き」、「駐車場付き」という様々な条件を1つまたは複数個選択することが可能なように構成されている。複数個の条件が選択されることにより、選択された複数個の条件に基づいてAND検索を行うことが可能であってもよい。また、いずれも選択されることなく遷移選択領域113を選択することにより、ユーザにとって必須ではないが強く希望する不動産物件の項目を検索条件として入力しないようにしてもよい。
【0030】
図1Bに示される画面120において、白抜き文字は、選択された状態の条件を示す。すなわち、
図1Bに示される例では、「オール電化」という条件と「南向き」という条件と「バルコニー付き」という条件とが選択されている。
【0031】
図1Cは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)に表示される画面130の一例を示す。
【0032】
画面130は、ユーザにとってあれば好ましい不動産物件の項目を入力または選択するための画面の一例である。画面130は、例えば、
図1Bに示される遷移選択領域113を選択することによって画面120から遷移した画面である。
【0033】
図1Cに示される例では、画面130は、ユーザにとってあれば好ましい不動産物件の項目を条件として検索するための特徴選択領域131と、遷移選択領域113とを含む。
図1Cに示される例では、特徴選択領域131は、「星空がキレイ」、「街並みがキレイ」、「レトロな雰囲気」、「海が壮大に見える」、「暮らしやすい」、「子育て世代にやさしい」、「共働き家庭にやさしい」という様々な条件を1つまたは複数個選択することが可能なように構成されている。複数個の条件が選択されることにより、選択された複数個の条件に基づいてAND検索を行うことが可能であってもよい。また、
図1Cに示されるように、いずれも選択されることなく遷移選択領域113を選択することにより、ユーザにとってあれば好ましい不動産物件の項目を検索条件として入力しないようにしてもよい。
【0034】
図1Dは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)に表示される画面140の一例を示す。
【0035】
画面140は、画面110または画面110’、画面120、画面130において検索条件として入力された複数の検索サブ条件のそれぞれに優先順位を入力するための画面の一例である。画面140は、例えば、
図1Cに示される遷移選択領域113を選択することによって画面130から遷移した画面である。
【0036】
図1Dに示される例では、画面140は、
図1Aに示される画面110または画面110’において選択された「物件価格500~2000万円」および「大阪」、
図1Bに示される画面120において選択された「オール電化」および「バルコニー付き」および「南向き」のそれぞれに優先順位の数字を入力するための優先順位領域141と、選択された検索サブ条件に基づいて不動産物件の検索を開始するための検索開始領域142とを含む。
【0037】
例えば、検索サブ条件「物件価格500~2000万円」に対応する優先順位領域141に「1」を入力することにより、検索サブ条件「物件価格500~2000万円」の優先順位を1位にすることができ、例えば、検索サブ条件「南向き」に対応する優先順位領域141に「2」を入力することにより、検索サブ条件「南向き」の優先順位を2位にすることができる。
【0038】
あるいは、優先順位付けは、優先順位領域141への入力に代えて、例えば、ユーザによって選択された順に優先順位1位、優先順位2位、優先順位3位...とすることによって達成されてもよい。このとき、ユーザによって選択された順に「1」、「2」、「3」と表示されることにより、ユーザが付けた優先順位が視認できるようにしてもよい。
【0039】
図1Eは、ユーザ装置(例えば、スマートフォン)に表示される画面150の一例を示す。
【0040】
画面150は、複数の検索サブ条件(「物件価格500~2000万円」、「大阪」、「オール電化」、「バルコニー付き」、「南向き」)を検索条件として検索を実行した結果を表示するための検索結果表示画面である。
【0041】
画面150には、不動産物件情報が検索結果として提示されている。
図1Dに示される例では、「ようこそ我が家へ」というタイトルの第1の不動産物件情報151aと、「田舎のオアシス池付」というタイトルの第2の不動産物件情報151bと、「屋上で絶景風呂!」というタイトルの第3の不動産物件情報151cとが提示されている。各不動産物件情報は選択可能なように構成されており、各不動産物件情報が選択されると、その選択された不動産物件のより詳細な情報を閲覧することが可能である。
【0042】
図1Eに示される例では、第1の不動産物件情報151aに対して95点が付されており、第2の不動産物件情報151bに対して90点が付されており、第3の不動産物件情報151cに対して80点が付されている。これらの点数は、複数の検索サブ条件(「物件価格500~2000万円」、「大阪」、「オール電化」、「バルコニー付き」、「南向き」)に基づいて算出されるものである。これらの点数の具体的な算出方法の一例は、
図3Bを参照して後述される。また、
図1Eに示されるように、各不動産物件情報に対する評価が、グラフまたはチャートを用いて表されてもよい。そのグラフまたはチャートの評価項目は、例えば、「エリア」、「価格」、「広さ」、「間取り」、「項目」、「こだわり」であってもよい。あるいは、そのグラフまたはチャートの評価項目は、例えば、複数の検索サブ条件のそれぞれであってもよい。
【0043】
図1Eに示される例では、第1の不動産物件情報151aに示される不動産物件は、検索サブ条件「物件価格500~2000万円」を満たしていないが、検索結果として提示されている。これは、検索サブ条件「物件価格500~2000万円」以外の検索サブ条件の満足度が高かったため、総合的な判断としてオススメ物件であると特定されたからである。これは、特定の検索サブ条件を満たさなかったとしても(この例では、多少の予算オーバーはあるにしても)総合的にオススメな物件をユーザに提示するという思想に基づいている。また、第2の不動産物件情報151bに示される不動産物件は、検索サブ条件「大阪」を満たしていないが、検索結果として提示されている。これは、検索サブ条件「大阪」以外の検索サブ条件の満足度が高かったため、総合的な判断としてオススメ物件であると特定されたからである。これもまた、特定の検索サブ条件を満たさなかったとしても(この例では、所在地が大阪ではなく近隣の奈良であったとしても)総合的にオススメな物件をユーザに提示するという思想に基づいている。
【0044】
なお、
図1Eに示される実施形態では、各不動産物件情報に対して100点満点の総合点が付されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、各不動産物件情報に対する総合点は、90点満点で算出されて付されてもよいし、65点満点で算出されて付されてもよい。また、各不動産物件情報に対する総合点が90点満点で算出された場合に、各不動産物件情報に対する総合点を100点満点に換算して表示するようにしてもよい。
【0045】
このように、不動産物件が特定の検索サブ条件を満たさない場合であってもその特定の検索サブ条件以外の検索サブ条件の満足度が高い場合には、総合的な判断としてその不動産物件を示す不動産物件情報を検索結果としてユーザに提示することによって、「紋切型でない」、「血の通った」、「気が利いた」態様で、ユーザにとって有用な不動産物件情報をユーザに提示することが可能である。
【0046】
なお、上述した実施形態では、
図1Dに示される画面140において検索サブ条件の優先順位を入力する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画面110、画面110’、画面120、画面130のそれぞれにおいて、優先順位付けを行うことができるようにしてもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、検索サブ条件が3種類の項目(「ユーザにとって必須の不動産物件の項目」(すなわち、「大項目」)、「ユーザにとって必須ではないが強く希望する不動産物件の項目」(すなわち、「中項目」)、「ユーザにとってあれば好ましい不動産物件の項目」(すなわち、「小項目」))に分類されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。検索サブ条件が分類される項目の種類の数は、1以上の任意の数である。また、「大項目」に含まれる項目、「中項目」に含まれる項目、「小項目」に含まれる項目もまた
図1A~
図1Cに示される例には限定されない。それぞれの項目が、任意の項目を含むことが可能である。
【0048】
また、上述した実施形態では、画面110または画面110’から画面120、画面130へ遷移する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、垂直方向へのスクロール操作または水平方向へのスライド操作によって、画面110または画面110’と画面120と画面130とが連続的に表示されるようにしてもよい。
【0049】
2.コンピュータシステムの構成
図2は、コンピュータシステムの構成の一例を示す。
【0050】
コンピュータシステム200は、インターネット210を介して、ユーザによって使用される少なくとも1つのユーザ装置2201~220Nに接続されることが可能なように構成されている。ここで、Nは、1以上の任意の整数である。
【0051】
また、
図2に示される例では、コンピュータシステム200は、インターネット210を介して、検索結果として特定された少なくとも1つの不動産物件の中から選択された不動産物件を3次元表現(例えば、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、複合現実(MR))で提示するためのウェアラブルデバイス240に接続されることが可能なように構成されている。
【0052】
コンピュータシステム200は、ウェブサイトの運営会社が運営するものである。
図2に示される例では、コンピュータシステム200は、インターフェース部201と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部202と、メモリ部203とを含む。コンピュータシステム200のハードウェア構成はその機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0053】
インターフェース部201は、少なくとも1つのユーザ装置2201~220Nとの間の通信を制御する。
【0054】
メモリ部203には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。メモリ部203には、例えば、
図4に示される処理を実行するためのプログラムが格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部203に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部203にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット210などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部203にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部303にインストールされるようにしてもよい。
【0055】
プロセッサ部202は、コンピュータシステム200全体の動作を制御する。プロセッサ部202は、メモリ部203に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム200を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。
【0056】
コンピュータシステム200は、データベース部230に接続されている。
図2に示される例では、データベース部230は、不動産物件データベース部231と、非二値関数データベース部232とを含む。
【0057】
少なくとも1つのユーザ装置2201~220Nのそれぞれは、インターネット210を介してコンピュータシステム200と通信することが可能なように構成されている。例えば、少なくとも1つのユーザ装置2201~220Nのそれぞれは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートグラス、スマートウォッチ端末等の携帯無線端末であってもよいし、デスクトップPC、ラップトップPC、ノートPC等のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0058】
ウェアラブルデバイス240は、インターネット210を介してコンピュータシステム200と通信することが可能なように構成されている。例えば、ウェアラブルデバイスは、ヘルメット型のデバイスであってもよいし、ゴーグル型のデバイスであってもよいし、サングラス型のデバイスであってもよいし、設置型のデバイスであってもよい。
【0059】
なお、
図2に示される実施形態では、少なくとも1つのユーザ装置220
1~220
Nがインターネット210を介してコンピュータシステム200と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット210の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。なお、インターネット210およびその代わりの任意のネットワークを介することなく、少なくとも1つのユーザ装置220
1~220
Nをコンピュータシステム200に電気的に結合した構成もまた本発明の範囲内である。さらに、ユーザ装置220
1の機能およびコンピュータシステム200の機能の両方を一体的に組み込んだシステム(すなわち、スタンドアロン型のシステム)をコンピュータシステム200として構築してもよい。このようなスタンドアロン型のコンピュータシステム200もまた本発明の範囲内である。
【0060】
また、
図2に示される実施形態では、データベース部230は、コンピュータシステム200の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部230をコンピュータシステム200の内部に設けることも可能である。データベース部230の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部230は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部230は、コンピュータシステム200の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。さらに、データベース部230に含まれる各データベース部の構成もまた特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部230に含まれる各データベース部もまた、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。
【0061】
また、
図2に示される実施形態では、不動産物件の過去の売買事例を示す情報が、
図2に示されるシステムの外部のデータベース部(例えば、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するREINS(Real Estate Information Network System))に格納されていることを想定しているため、そのシステムの外部のデータベース部は
図2に示されていない。ただし、不動産物件の過去の売買事例を示す情報は、
図2に示されるシステムの内部のデータベース部(例えば、上述したデータベース部230)に格納されていてもよい。
【0062】
図3Aは、不動産物件データベース部231に格納されている情報の一例を示す。
【0063】
不動産物件データベース部231には、不動産物件に関する情報が格納されている。不動産物件に関する情報は、例えば、不動産物件を識別するための情報(例えば、不動産物件ID)によって識別されることが可能である。
図3Aに示される例では、不動産物件データベース部231には、検索対象として機能するために必要な情報として、「不動産物件に関連する項目」(例えば、仲介会社情報、所在地(住所)、アクセス情報、間取り、建物面積・土地面積、築年月、販売価格、内覧写真、外観写真、設備情報、点検に関する情報、保険に関する情報、管理会社・施工業者、過去の売買情報)がさらに格納されている。アクセス情報は、例えば、最寄り駅から徒歩X分などを含む。販売価格は、例えば、2100万円などを含む。点検に関する情報は、例えば、点検を実施した年月日、点検した場所、過去に点検した回数、定期点検の継続の有無などを含む。設備情報は、例えば、不動産物件の設備の製品名、不動産物件の設備を提供した企業名、不動産物件の設備の型番、不動産物件の設備が設置された年月日、不動産物件のインフラ(例えば、電気、水道、ガス)に関する情報、不動産物件の設備のリフォームに関する情報(例えば、不動産物件の設備のリフォームの有無、不動産物件の設備のリフォームの箇所、不動産物件の設備のリフォームを行った年月日、過去に不動産物件の設備のリフォームを行った回数)などを含む。
【0064】
図3Bは、非二値関数データベース部232に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0065】
非二値関数データベース部232には、検索サブ条件と非二値関数と優先順位との関係を表すデータが格納されている。ここで、本明細書では、「非二値関数」とは、「二値関数」ではない関数をいう。「二値関数」とは、集合Eとその部分集合Aに対して、集合Eの要素xが部分集合Aに属するならば0でない定数を返し、集合Eの要素xが部分集合Aに属さないならば0を返す関数Fをいう。すなわち、「二値関数」Fは、F(x)が0でない定数または0のいずれかである関数である。
【0066】
図3Bに示される例では、検索サブ条件「500~2000万円」について、優先順位付けが無い場合、検索サブ条件「500~2000万円」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(a)が適用され、優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「500~2000万円」が上位に位置する場合、検索サブ条件「500~2000万円」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(b)が適用され、優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「500~2000万円」が下位に位置する場合、検索サブ条件「500~2000万円」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(c)が適用される。また、検索サブ条件「大阪」について、優先順位付けが無い場合、検索サブ条件「大阪」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(d)が適用され、優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「大阪」が上位に位置する場合、検索サブ条件「大阪」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(e)が適用され、優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「大阪」が下位に位置する場合、検索サブ条件「大阪」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(f)が適用される。また、検索サブ条件「南向き」について、優先順位付けが無い場合、検索サブ条件「南向き」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(g)が適用され、優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「南向き」が上位に位置する場合、検索サブ条件「南向き」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(h)が適用され、優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「南向き」が下位に位置する場合、検索サブ条件「南向き」に対応する「不動産物件に関連する項目」の点数の算出に非二値関数(i)が適用される。ここで、「上位」に位置する検索サブ条件とは、例えば、4個の検索サブ条件のうちの優先順位1位の検索サブ条件または優先順位2位の検索サブ条件をいい、例えば、5個の検索サブ条件のうちの優先順位1位の検索サブ条件または優先順位2位の検索サブ条件または優先順位3位の検索サブ条件をいう。また、「下位」に位置する検索サブ条件とは、例えば、4個の検索サブ条件のうちの優先順位3位の検索サブ条件または優先順位4位の検索サブ条件をいい、例えば、5個の検索サブ条件のうちの優先順位4位の検索サブ条件または優先順位5位の検索サブ条件をいう。
【0067】
非二値関数は、不動産物件に関連する項目の値と検索サブ条件の「上限値」または「下限値」との差分と、その不動産物件に関連する項目に対する点数との関係を規定するものである。
図3Bに示される例では、非二値関数のそれぞれは、検索サブ条件の「上限値」または「下限値」と不動産物件に関連する項目との差分(すなわち、差の絶対値)を横軸にとり、点数を縦軸にとる。
【0068】
例えば、検索サブ条件「500~2000万円」の「上限値」は「2000万円」であり、検索サブ条件「500~2000万円」の「下限値」は「500万円」である。例えば、不動産物件に関連する項目が「販売価格2100万円」である場合、検索サブ条件「500~2000万円」の「上限値」の「2000万円」と不動産物件に関連する項目「販売価格2100万円」との差分は、100万円である。この場合、例えば優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「500~2000万円」が下位に位置するとき、非二値関数(c)を使用して、横軸上の差分「100万円」に対応する縦軸上の点数が、不動産物件に関連する項目「販売価格2100万円」に対する点数として決定される。
【0069】
また、例えば、検索サブ条件「大阪」の「上限値」は「大阪府の県境」であり、検索サブ条件「大阪」の「下限値」は存在しない。例えば、不動産物件に関連する項目が(住所から算出されることにより)「大阪府の県境から5km」である場合、検索サブ条件「大阪」の「上限値」の「大阪府の県境」と不動産物件に関連する項目「大阪府の県境から5km」との差分は、5kmである。この場合、例えば優先順位付けが無いとき、非二値関数(d)を使用して、横軸上の差分「5km」に対応する縦軸上の点数が、不動産物件に関連する項目「大阪府の県境から5km」に対する点数として決定される。
【0070】
また、例えば、検索サブ条件「南向き」の「上限値」(あるいは「基準値」)は「真南向き」であり、検索サブ条件「南向き」の「下限値」は存在しない。不動産物件に関連する項目が「真南向き」から東向き、西向き、北向きにそれるほど、差分は増大する。例えば、不動産物件に関連する項目が「南東向き」である場合、検索サブ条件「南向き」の「上限値」の「真南向き」と不動産物件に関連する項目「南東向き」との差分は、45度である。この場合、例えば優先順位付けが有りかつ検索サブ条件「南向き」が上位に位置するとき、非二値関数(h)を使用して、横軸上の差分「45度」に対応する縦軸上の点数が、不動産物件に関連する項目「南東向き」に対する点数として決定される。
【0071】
このような非二値関数を用いて不動産物件に関連する項目に対する点数を決定することにより、検索条件を満たす不動産物件に対してだけでなく、検索条件を満たさない不動産物件に対しても、点数を付すことが可能であり、その結果、検索条件を満たさない不動産物件を検索結果に含めることが可能である。
【0072】
なお、非二値関数は、
図3Bに示される非二値関数(a)~非二値関数(i)に限定されない。非二値関数は、二値関数でない限り、連続的であってもよいし、不連続であってもよいし、任意の曲線によって表されてもよいし、任意の直線によって表されてもよいし、任意の曲線と直線との組み合わせによって表されてもよい。
【0073】
また、
図3Bに示される実施形態では、優先順位付けが有る場合に「上位」および「下位」の2分類に分けた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。優先順位付けが有る場合の分類の数は、3つ(「上位」および「中位」および「下位」)であってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0074】
3.コンピュータシステムの処理
図4は、コンピュータシステム200において実行される処理のフローの一例を示す。
図4に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム200のプロセッサ部202によって実行される。以下、
図4に示される各ステップを説明する。
【0075】
ステップS401:m個の検索サブ条件を含む検索条件が受信される。検索サブ条件は、例えば、「物件価格500~2000万円」、「大阪」、「オール電化」、「バルコニー付き」、「南向き」などである。このステップS401は、
図1A~
図1Dに示される画面においてユーザによって入力された検索条件を受信する処理に対応する。なお、mは、2以上の任意の整数である。
【0076】
ステップS402:kの値が1に設定される。
【0077】
ステップS403:検索対象に関連する第kの項目の値とn個の検索サブ条件のうちの第kの検索サブ条件の上限値または下限値との第kの差分が算出される。n個の検索サブ条件は、例えば、「物件価格500~2000万円」、「大阪」、「南向き」である。ここで、kおよびnは、1≦k≦n<mを満たす任意の整数である。
【0078】
具体的には、ステップS401において受信された検索条件は、検索対象に関連する第kの項目の値が上限値以下であるという条件、および/または、検索対象に関連する第kの項目の値が下限値以上であるという条件を含む。検索対象に関連する第kの項目の値が第kの検索サブ条件の上限値よりも大きい場合には、ステップS403において、検索対象に関連する第kの項目の値と第kの検索サブ条件の上限値との第kの差分が算出され、検索対象に関連する第kの項目の値が第kの検索サブ条件の下限値よりも小さい場合には、ステップS403において、検索対象に関連する第kの項目の値が第kの検索サブ条件の下限値との第kの差分が算出される。
【0079】
なお、検索対象に関連する第kの項目と第kの検索サブ条件とは、相互に対応している。検索対象に関連する第kの項目と第kの検索サブ条件との対応関係は、例えば、検索対象に関連する項目「販売価格2100万円」に対する検索サブ条件「500~2000万円」、検索対象に関連する項目「大阪府の県境から5km」に対する検索サブ条件「大阪」、検索対象に関連する項目「南東向き」に対する検索サブ条件「南向き」であるが、これらに限定されない。
【0080】
ステップS404:第kの検索サブ条件の優先順位を示す情報が検索条件に含まれているか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS405に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS407に進む。
【0081】
ステップS405:第kの検索サブ条件の優先順位を示す情報に基づいて、第kの関数が選択される。第kの関数の選択の仕方は、
図3Bを参照して説明したとおりである。第kの関数は、例えば、非二値関数である。
【0082】
ステップS406:第kの検索サブ条件について、第kの関数を使用して、検索対象に関連する第kの項目に対する第kの点数が決定される。第kの点数の決定の仕方は、
図3Bを参照して説明したとおりである。
【0083】
ステップS407:第kの検索サブ条件について、所定の関数を使用して、検索対象に関連する第kの項目に対する第kの点数が決定される。検索対象に関連する第kの項目に対する第kの点数の決定の仕方は、
図3Bを参照して説明したとおりである。所定の関数は、例えば、非二値関数である。所定の関数は、例えば、
図3Bに示される非二値関数(a)、非二値関数(d)、非二値関数(g)であるが、これらに限定されない。
【0084】
ステップS408:kがnに等しいか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS410進み、判定結果が「No」の場合には、ステップS409において、kの値が1つだけインクリメントされ、その後、処理はステップS403に戻る。
【0085】
ステップS410:m個の検索サブ条件のうち、n個の検索サブ条件以外のm-n個の検索サブ条件のそれぞれについて、予め設定された所定の点数が決定される。n個の検索サブ条件以外のm-n個の検索サブ条件は、例えば、「オール電化」、「バルコニー付き」である。
【0086】
ステップS411:ステップS407において算出された第1の点数ないし第nの点数と、ステップS410において決定されたm-n個の所定の点数とに基づいて、検索対象の総合点が算出される。例えば、第1の点数と・・・第nの点数とm-n個の所定の点数との総和が検索対象の総合点であってもよいが、検索対象の総合点の算出方法はこれに限定されない。例えば、第1の点数と・・・第nの点数とm-n個の所定の点数との総和が検索対象ごとに異なる場合において、第1の点数と・・・第nの点数とm-n個の所定の点数との総和を100点満点に換算したものを検索対象の総合点としてもよい。このように、m個の検索サブ条件が変更されると、検索対象の総合点もまた変更され得る。
【0087】
また、検索対象の総合点は、入力された優先順位に関連付けられた比例定数を第1の点数ないし第nの点数のそれぞれに乗算することにより、優先順位を重み付けとして利用して算出されるようにしてもよい。
【0088】
また、検索対象の総合点は、
図1A~
図1Cを参照して説明された大項目、中項目、小項目に応じて異なる重み付けを利用して算出されるようにしてもよい。例えば、大項目に対応する検索対象に関連する項目に対する点数は、一律で3倍され、中項目に対応する検索対象に関連する項目に対する点数は、一律で2倍され、小項目に対応する検索対象に関連する項目に対する点数は、一律で1倍されるようにしてもよい。
【0089】
ステップS412:ステップS411において算出された検索対象の総合点に基づいて、提示されるべき少なくとも1つの検索対象が検索結果として特定される。例えば、総合点が最も高い検索対象から順に3個の検索対象(すなわち、総合点ベスト3の3個の検索対象)が特定されてもよいし、総合点が最も高い検索対象から順に10個の検索対象(すなわち、総合点ベスト10の10個の検索対象)が特定されてもよい。
【0090】
ステップS413:ステップS412において検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象を提示させる。例えば、検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象は、ユーザ装置2201においてユーザに提示される。あるいは、表示部が、コンピュータシステム200に接続されているかまたはコンピュータシステム200に設けられており、検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象は、その表示部においてユーザに提示されてもよい。従って、ユーザ装置2101または表示部は、検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象を提示する提示手段として機能する。
【0091】
図5は、コンピュータシステム200において実行される処理のフローの他の一例を示す。
図5に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム200のプロセッサ部202によって実行される。以下、
図5に示される各ステップを説明する。
【0092】
ステップS501:検索結果として特定された少なくとも1つの検索対象の中から選択された検索対象を示す入力が受信される。
【0093】
ステップS502:選択された検索対象に関する情報が特定される。選択された検索対象に関する情報は、例えば、選択された検索対象を示す入力に含まれる検索対象を識別するための情報に基づいてデータベース部(例えば、不動産物件データベース部231)内を検索することによって特定される。
【0094】
ステップS503:選択された検索対象に関する情報をウェアラブルデバイスに送信し、選択された検索対象に関する情報を3次元表現でウェアラブルデバイスに提示させる。
【0095】
なお、
図4、
図5に示される実施形態では、プロセッサ部202がメモリ部203に格納されたプログラムを実行することによって、
図4、
図5に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
図4、
図5に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0096】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、検索条件を満たさない検索対象を検索結果として提示することを可能にするコンピュータシステム、そのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0098】
200 コンピュータシステム
210 インターネット
2201~220N ユーザ装置
230 データベース部
240 ウェアラブルデバイス