(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001931
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】監視カメラ
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20241226BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241226BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G03B17/56 A
G03B15/00 S
H04N5/222 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101729
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】空閑 大
(72)【発明者】
【氏名】田代 祐幸
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA02
2H105AA06
2H105AA26
5C122DA11
5C122EA58
5C122GC86
5C122GD01
5C122GE02
5C122GE03
5C122GE04
5C122GE07
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】ポールスタンドを有する監視カメラにおいて、ケーブルがポール内に入り込まず、脱落を抑制する。
【解決手段】監視カメラは、カメラ本体と、カメラ本体に接続されるケーブルと、ケーブルを収容する断面中空のポールと、を有する。ポールの一端側には、カメラ本体が設けられる。ケーブルは、その両端部に接続部を有する。接続部の外径は、ポールの断面の内径よりも大きい。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ本体と、前記カメラ本体に接続されるケーブルと、前記ケーブルを収容する断面中空のポールと、を有し、
前記ポールの一端側には前記カメラ本体が設けられ、
前記ケーブルはその両端部に接続部を有し、
前記接続部の外径が前記ポールの断面の内径よりも大きい、
監視カメラ。
【請求項2】
前記ポールは、軸線に平行な面で二分割された一対の凹曲板が一体に固定されている、
請求項1に記載の監視カメラ。
【請求項3】
前記ポールと前記カメラ本体とを連結する連結部、を更に有する、
請求項2に記載の監視カメラ。
【請求項4】
前記連結部は、
一端が前記ポールに固定され、前記ポールに交差する方向に延びる第1延出部と、
前記第1延出部の他端から延び、前記カメラ本体に接続される第2延出部と、を有する、
請求項3に記載の監視カメラ。
【請求項5】
前記第1延出部の前記ポールとの対向面は、前記ポールとの第1係止部を有する、
請求項4に記載の監視カメラ。
【請求項6】
前記カメラ本体と前記第2延出部との間に回転部を有する、
請求項4又は5に記載の監視カメラ。
【請求項7】
前記ポールの他端には、前記ポールを支持する支持部が設けられる、
請求項1又は2に記載の監視カメラ。
【請求項8】
前記支持部の前記ポールとの対向面は、前記ポールとの第2係止部を有する、
請求項7に記載の監視カメラ。
【請求項9】
前記ポールの一端と前記カメラ本体との間には間隙が設けられた、
請求項1に記載の監視カメラ。
【請求項10】
前記ケーブル及び前記接続部は、前記ポールの一端から露出し、
前記カメラ本体と前記接続部とが接続される、
請求項9に記載の監視カメラ。
【請求項11】
前記ケーブルは、前記ポール内部を移動可能である、
請求項6に記載の監視カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店や銀行等で監視カメラあるいは照明機器等を天井部より吊り下げる垂直ポールの吊り下げ装置が知られている(特許文献1参照)。この垂直ポールの吊り下げ装置は、天井材を貫通して垂直ポールを天井部に吊り下げる。吊り下げ装置は、天井材の裏面側に一定間隔に取り付けられている多数の天井材取付部材を利用して、互いに隣接して対向する一対の天井取付部材間に水平懸架杆を橋架し、ポール挿入用短管を挟んだUボルトを、水平懸架杆の長手方向適当間隔に貫設された取付孔に係嵌しかつナット止めする。これにより、吊り下げ装置は、ポール挿入用短管を水平懸架杆に取り付け、垂直ポールを天井材を貫通してポール挿入用短管に挿入すると共に、該短管側面よりセットボルトを螺合してその先端部で垂直ポールをポール挿入用短管に押圧固定してなる。吊り下げ装置は、垂直ポールの下端部に監視カメラ等を装着し、垂直ポールの内部を通って天井裏に電線やケーブルを配線する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の垂直ポールの吊り下げ装置は、電線やケーブルを予め垂直ポールの上端部あるいは下端部から垂直ポールに挿入し、垂直ポールの上端開口部から天井裏に取り出している。すなわち、ケーブルをポール内部に通してカメラと接続する構造であるが、天井側のケーブルが外れた場合、ポール内に重力でケーブルが入り込みあるいはそのまま脱落することもあり、再接続が手間になる可能性がある。また、ポール内へのケーブルの入り込みや、脱落をテーピングにより防止し、配線作業終了後にテーピングを取り外すのも、狭小スペースである天井裏では極めて面倒で作業性が悪くかつ危険でもある。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、ポールスタンドを有する監視カメラにおいて、ケーブルがポール内に入り込まず、脱落を抑制する監視カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、カメラ本体と、前記カメラ本体に接続されるケーブルと、前記ケーブルを収容する断面中空のポールと、を有し、前記ポールの一端側には前記カメラ本体が設けられ、前記ケーブルはその両端部に接続部を有し、前記接続部の外径が前記ポールの断面の内径よりも大きい、監視カメラを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ポールスタンドを有する監視カメラにおいて、ケーブルがポール内に入り込まず、脱落を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る監視カメラを具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
図1は、実施の形態1に係る監視カメラ11の外観斜視図である。監視カメラ11は、カメラ本体13と、支持部15と、ポール17と、ケーブル19と、接続部(例えばオス型LANコネクタ21a、21b)と、連結部23と、回転部25(
図7或いは
図10参照)と、を有する。
【0011】
監視カメラ11は、コンパクトなカメラ本体13を、長尺細径なポール17の先端に備え、ポール17の先端とは反対側の基端に固定される支持部15によって天井面に固定されることにより、天井面から垂下し、真下を含む主に俯角方向の撮影を可能とする。但し、回転部25(
図7或いは
図10参照)を回転すれば、水平方向又は仰角方向の撮影も可能となる。
【0012】
図2は、支持部近傍の正面図である。支持部15は、ポール17を相対回転不能にかつポール17の軸線に沿う方向の移動を規制してポール17を固定する。支持部15は、監視カメラ11の荷重を天井に支持するため、軽量かつ強度の高い金属(例えばアルミ合金等)、合成樹脂材(ABS等)が用いられる。
【0013】
なお、本明細書中の方向は、
図2に示したX軸、Y軸、Z軸に付した矢印の方向にしたがう。ここで、X方向は右方向、Y方向は上方向、Z方向は前方向を示す。したがって、図示は省略するが、-X方向は左方向、-Y方向は下向、-Z方向は後方向となる。また、直交軸の交点に付した点を囲む円は矢印を前から見た方向を示す。
【0014】
支持部15は、下方より天井に向かう一対の天井固定ビス27によって天井面に固定される。支持部15は、右支持部29と、左支持部31とからなる。右支持部29と左支持部31とは、ポール17を挟んで前後に設けられて左右方向に挿通される一対の支持部結合ビス33(
図3参照)により一体に締結される。つまり、ポール17の他端(上端)には、ポール17を支持する支持部15が設けられる。
【0015】
ポール17は、Y軸に平行な軸線に平行な面で二分割された一対の凹曲板が一体に固定されてなる。すなわち、ポール17は、右凹曲板35と、左凹曲板37とからなる。右凹曲板35と左凹曲板37とは、右支持部29と左支持部31とが左右方向から支持部結合ビス33により締結されることにより、右支持部29と左支持部31とに挟まれて一体に固定される。一体となった右支持部29と左支持部31は、断面が円形(断面中空)の管となる。右支持部29および左支持部31は、例えばステンレス鋼からなる。
【0016】
ポール17は、その内側に、ケーブル19が挿通される。ポール17は、断面中空の内側にケーブル19を収容する。ポール17の下端から引き出されたケーブル19の端には、接続部であるオス型LANコネクタ21aが取り付けられている。ポール17の上端から引き出されたケーブル19の端には、接続部であるオス型LANコネクタ21bが取り付けられている。ケーブル19は、その両端部にオス型LANコネクタ21a、21bを有している。ケーブル19の下端は、このオス型LANコネクタ21aを介してカメラ本体13に、電気的に接続される。接続部(オス型LANコネクタ21)の外形(外径)は、ポール17の断面の内径よりも大きい。なお、接続部の外径とは、オス型LANコネクタ21の外形に外接する円の直径と同じ長さを有している。
【0017】
オス型LANコネクタ21a、21bは、ロック片39を有し、ロック片39を弾性変形させることにより、相手コネクタとの係止又は係止解除が可能となる。なお、
図2の例ではロック片39は、正面(言い換えると、前面側)を向くが、ポール17内でケーブル19が回転することにより、任意の向きに向けられてよい。
【0018】
図3は、支持部近傍を斜め後方下側より見た斜視図である。ポール17を挟んで前後一対で設けられる支持部結合ビス33は、左右逆向きから締結される。すなわち、右側の支持部結合ビス33は、左支持部31から挿入されて右支持部29に螺合される。左側の支持部結合ビス33は、右支持部29から挿入されて左支持部31に螺合される。支持部15は、平面視で、四つの角が面取りされた略菱形となる。略菱形の2つの対角線は、長さが異なるが、それぞれの中点で直交する。支持部15は、短い対角線の位置で右支持部29と左支持部31とに二分割され、二分割された一対の右凹曲板35と左凹曲板37とを、それぞれの凹曲板側から挟んで一体に固定する。
【0019】
二分割された一対の右凹曲板35と左凹曲板37は、一体に固定されてポール17となる。ポール17は、その上端が支持部15により固定されるとともに、その下端が後述の連結部23により固定される。長尺のポール17は、上端と下端との間が、
図1に示す複数個のC形クランプ41によって適宜固定される。
【0020】
図4は、
図2のA-A矢視図である。なお、A-A線は、
図2に示される正面視においてポール17の軸線よりも右側となる。したがって、
図4には、右支持部29及び右凹曲板35の断面が表れる。
【0021】
天井には、支持部15が固定される位置に、ポール17と同軸のケーブル引き込み穴(不図示)が穿設される。ケーブル引き込み穴は、オス型LANコネクタ21bが挿通可能な大きさを有し、その全体が支持部15により覆うことが可能な大きさである。これにより、ポール17に通されたケーブル19は、ケーブル引き込み穴を覆って天井裏へと隠蔽配線が可能となる。
【0022】
右支持部29と左支持部31とは、ポール17を挟む一方に支持部結合ビス33が挿入される支持部透孔43が設けられ、ポール17を挟む他方に支持部結合ビス33が螺合する支持部固定孔45が設けられる。右支持部29は、
図3のB矢視においてポール17を挟んで右側に支持部透孔43が穿設され、ポール17を挟んで左側に支持部固定孔45が穿設される。左支持部31は、
図3のD矢視においてポール17を挟んで右側に支持部透孔43が穿設され、ポール17を挟んで左側に支持部固定孔45が穿設される。
【0023】
図5は、支持部15を
図3のB方向から見た側面図である。右支持部29は、ポール17を挟んで前側に支持部固定孔45が表れ、ポール17を挟んで後側に支持部透孔43に挿通された支持部結合ビス33が表れる。
図5において、接続部は、略菱形の短い対角線側の側面が表れる。
【0024】
図6は、
図5のC-C矢視図である。支持部15は、ポール17との対向面に、ポール17と係止するための第2係止部47を有する。なお、第1係止部は、説明の都合上後述する。第2係止部47は、右支持部29と、左支持部31とのそれぞれに設けられる。第2係止部47は、例えば係止凸部49と、係止穴51とからなる。支持部15には、ポール17の上端が貫通するポール上端貫通穴53が形成される。
【0025】
ポール上端貫通穴53は、内周面が上述の対向面となる。係止凸部49は、このポール上端貫通穴53の内周面から半径方向内側に突出し、内周方向に断続して設けられる。係止穴51は、ポール17の外周から半径方向内側に形成され、ポール17の周方向に断続して設けられる。係止穴51は、支持部15の内周面から突出した係止凸部49が嵌るように、係止凸部49に応じて配置される。また、支持部15は、右支持部29と左支持部31とのそれぞれに、支持部15を天井に固定する天井固定ビス27を挿通するための天井固定透孔55が穿設される。
【0026】
図7は、監視カメラ11を
図3のD方向から見た側面図である。監視カメラ11は、ポール17とカメラ本体13とを連結する連結部23を有する。連結部23は、第1延出部57と、第2延出部59とを有する。第1延出部57は、一端がポール17に固定され、ポール17に交差する方向に延びる。第2延出部59は、第1延出部57の他端から延び、カメラ本体13に接続される。つまり、連結部23は、ポール17に交差する第1延出部57と、ポール17の延長方向に延びる第2延出部59とで、略L字形に形成される。ここでいう略L字形は、L字形を含む意であり、以下同様である。連結部23は、カメラ本体13の荷重をポール17に支持するため、軽量かつ強度の高い金属(例えばアルミ合金等)、合成樹脂材(ABS等)が用いられる。
【0027】
略L字形の連結部23では、略L字形の右連結板61(
図8参照)と、略L字形の左連結板63(
図8参照)とがポール17の下端を挟んで一体に固定される。左連結板63の第1延出部57と、第2延出部59とには、それぞれ連結部固定ビス65が挿入される連結部透孔(不図示)が穿設される。右連結板61の第1延出部57と、右連結板61の第2延出部59とには、それぞれ連結部固定ビス65が螺合する連結部固定孔67(
図10参照)が穿設される。連結部固定孔67の内側は、雌ねじとなる。第1延出部57がポール17の下端に固定された連結部23は、第2延出部59がカメラ本体13に連結される。つまり、ポール17とカメラ本体13とは、連結部23によって連結される。
【0028】
図8は、
図7のE-E矢視図である。ポール17の下端に連結されたカメラ本体13は、略L字形の連結部23に支持されることで、略菱形となる接続部の長い対角線よりも軸線が後側に偏芯して垂下する。カメラ本体13は、円筒形状に形成されたカメラハウジング69の内部に、カメラ部71(
図11参照)を収容する。カメラハウジング69の先端面(下端面)には、レンズ73を固定するレンズホルダ75が取り付けられる。
【0029】
図9は、
図7のF-F矢視図である。ポール17の下端に、連結部23を介して固定されたカメラ本体13は、
図9に示される正面視において、第1延出部57とカメラ本体13との間に、ケーブル19及びオス型LANコネクタ21aが露出する。すなわち、連結部23には、ケーブル19とオス型LANコネクタ21aとが露出する露出間隙Kが設けられている。露出したケーブル19は、カメラ本体13が真下を向くとき、オス型LANコネクタ21aを介して第2延出部59に沿ってカメラ本体13へ真っ直ぐに接続される。
【0030】
この露出間隙Kにおけるケーブル19は、第2延出部59とカメラ本体13とを連結している回転部25でカメラ本体13が回転することで、屈曲されるとともに、ポール17の下端から引き出され、或いはポール17の下端から天井裏へと押し込まれる。すなわち、ケーブル19はポール17の上端又は下端から露出した部分を有している。また、ケーブル19はポール17に対して上下方向に移動可能になっている。この際、監視カメラ11は、露出間隙Kが設けられることにより、ケーブル19と連結部23とが干渉しにくくなっている。また、オス型LANコネクタ21aのカメラ本体13との接続が外れた場合、オス型LANコネクタ21aが露出しているのでカメラ本体13との再接続が容易である。
【0031】
図10は、
図9に示す連結部近傍のG-G矢視図である。なお、G-G線は、
図9に示される正面視においてポール17の軸線よりも右側となる。したがって、
図10には、右連結板61の断面が表れる。
【0032】
第1延出部57のポール17との対向面は、ポール17との第1係止部77を有する。第1係止部77は、右連結板61と、左連結板63とのそれぞれに設けられる。第1係止部77は、例えば係止突起79と、係止溝81とからなる。係止突起79は、ポール17の外周から半径方向外側に突出し、ポール17の周方向に連続又は断続して設けられる。
【0033】
第1延出部57には、ポール17の下端が貫通するポール下端貫通穴83が形成される。ポール下端貫通穴83は、その内周面が上述の対向面となる。係止溝81は、このポール下端貫通穴83に形成される。係止溝81は、係止突起79が嵌るようにポール下端貫通穴83を半径方向外側に凹ませて、内周方向に連続して設けられている。右連結板61と左凹曲板37との合わせ面には、軽量化を図るための肉抜き部85が設けられていてもよい。監視カメラ11は、カメラ本体13と第2延出部59との間に回転部25を有する。
【0034】
図11は、
図9に示すカメラ本体近傍のG-G矢視図である。回転部25は、第1延出部57の長手方向に直交し、かつ第2延出部59の長手方向に直交する方向が回転中心軸となる。回転部25は、第2延出部59を回転中心軸に沿う方向に貫通する連結固定軸87と、カメラハウジング69の基端面に固定され、連結固定軸87の両端を支持する一対の軸受板89とからなる。
【0035】
連結部23は、これら連結固定軸87と、軸受板89とからなる回転部25によって、ポール17の下端とカメラ本体13とを連結固定軸87の回転中心軸回りに回転自在に連結する。連結固定軸87は、例えば一方の軸受板89に螺合する雄ねじ部を有する。カメラ本体13は、この回転部25により所望の撮像方向にユーザの手動で回転された後、連結固定軸87が一方の軸受板89の雌ねじ部に締結されて所定角度に固定される。
【0036】
カメラハウジング69の基端面には、内部のカメラ部71と電気的に接続されたメス型LANコネクタ91が設けられている。ポール17の下端から引き出されたケーブル19は、先端に取り付けられたオス型LANコネクタ21aが、このメス型LANコネクタ91に結合されてカメラ部71との電気的な接続が完了する。
【0037】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0038】
実施の形態1に係る監視カメラ11は、カメラ本体13と、カメラ本体13に接続されるケーブル19と、ケーブル19を収容する断面中空のポール17と、を有し、ポール17の一端側にはカメラ本体13が設けられ、ケーブル19はその両端部に接続部を有し、接続部の外径がポール17の断面の内径よりも大きい。
【0039】
実施の形態1に係る監視カメラ11では、カメラ本体13に、ケーブル19が接続される。ポール17の一端側には、カメラ本体13が取り付けられる。ここでポール17の一端とは、ポール17の下端である。カメラ本体13は、ポール17の下端に取り付けられ、ポール17の上端が例えば天井に固定されることで、ポール17によって天井から吊り下げられた状態で支持される。つまり、監視カメラ11は、ポール17が、カメラ本体13の荷重を天井に支持する支持管材となる。
【0040】
ポール17は、断面中空であり、内側にケーブル19を収容する。これにより、監視カメラ11は、下端に取り付けたカメラ本体13からのケーブル19がポール17に通され、外部に露出することなく、天井裏へ引き込むことが可能となっている。つまり、監視カメラ11は、カメラ本体13からのケーブル19が、支持管材であるポール17を利用して天井裏まで隠蔽配線される。
【0041】
ケーブル19は、ポール17から引き出される両端部に、接続部が取り付けられる。ポール17の下端から引き出されたケーブル19の端に取り付けられる接続部は、カメラ本体13に接続(コネクタ接続)される。一方、ポール17の上端から引き出されたケーブル19の端に取り付けられる接続部は、天井裏に配線された電線に接続(コネクタ接続)される。
【0042】
接続部の外径は、ポール17の断面の内径よりも大きく設定されている。このため、ポール17に通されたケーブル19は、ポール17が鉛直方向で天井に取り付けられた際、重力により落ちると、ポール17の上端に接続部が引っ掛かり、ポール内に入り込みあるいはそのまま脱落しなくなる。
【0043】
その結果、ポール17にケーブル19を通す再接続が生じず、短時間で配線接続作業を終えることができる。また、ポール内へのケーブル19の入り込みや、脱落を防止するためのテーピングや、その取り外し作業も不要なので、高所において円滑かつ安全に配線作業を終了させることが可能となる。
【0044】
これに加え、ポール17は、断面の内径がケーブル19の挿通可能な小径管なので(つまり、細いので)、デザイン性が良くなる。例えばコンパクトなカメラ本体13を取り付けた際、監視カメラ全体のバランスが悪くなり、デザイン性が低下することを回避できる(デザインの優位性が高められる)。
【0045】
また、ポール17はY軸に平行な軸線に平行な面で二分割された一対の凹曲板が一体に固定された構造となっている。従来の分割されていないポール構造では、接続部よりポールの内径を小さくした場合、ポールにケーブルを挿通した後に、ケーブルの上下に接続部を取り付ける後加工が必要であった。これに対し、本実施の形態例のポール構造では、ポール17が二分割されているので、接続部が取り付けられたケーブル19を二分割されたポール17で挟みこんで取り付けることができる。そのため、ケーブル19に接続部を取り付ける後加工をする事なく組み立てることができる。この構造によって、ポール17の組み立てが容易になり、デザインの優位性が高められ、同時に、接続部の脱落を抑制できた。
【0046】
したがって、実施の形態1に係る監視カメラ11によれば、ポールスタンドを有する監視カメラ11において、ケーブル19がポール内に入り込まず、脱落を抑制できる。
【0047】
また、監視カメラ11において、ポール17は、軸線に平行な面で二分割された一対の凹曲板が一体に固定される。
【0048】
この監視カメラ11では、ポール17が、二分割された一対の凹曲板からなる。一対の凹曲板は、上端の支持部15や下端の連結部23により一体に固定される。これにより、ポール17は、両端部に予め接続部を取り付けたままのケーブル19に被せることで、ケーブル19を通した状態にできる。つまり、接続部を取り付けなければならない作業手順が生じない。例えば、接続相手であるメス型LANコネクタ91(モジュラーソケット等)の接続された電線を天井内に予め配線しておくことで、ポール17の上端から引き出されたケーブル端の接続部であるオス型LANコネクタ21a、21b(モジュラープラグ等)をコネクタ接続するのみで、コネクタの取付作業を不要として、容易に配線接続作業を終えることができる。
【0049】
また、腰の弱い細径・軟質なケーブル19を、長尺なポール17の一端から挿入して他端から引き出す手間の掛かる挿通作業が不要となる。さらに、監視カメラ11の運用開始後のメンテナンス時等に、ケーブル19の交換作業が発生しても、煩雑なケーブル19と接続部との接続作業が発生しない。
【0050】
また、監視カメラ11は、ポール17とカメラ本体13とを連結する連結部23、を更に有する。
【0051】
この監視カメラ11では、ポール17の下端に、カメラ本体13を連結するための連結部23が設けられる。これにより、カメラ本体13は、ポール17と一体的に連結され、ポール17の上端が天井に支持されることで、天井から垂下して落下しない状態で取り付けが可能となる。カメラ本体13は、連結部23を介することで、所定の強度でポール17の下端に支持される。すなわち、ケーブル19のみを介して天井から吊り下げて支持する場合に比べ、高強度でかつ所定の方向への固定が可能となる。また、ケーブル19にはカメラ本体13の荷重が加わらなくなるので、芯線へ張力が作用することによる断線の虞もなくなる。
【0052】
また、監視カメラ11において、連結部23は、一端がポール17に固定され、ポール17に交差する方向に延びる第1延出部57と、第1延出部57の他端から延び、カメラ本体13に接続される第2延出部59とを有する。
【0053】
この監視カメラ11では、連結部23が、一端をポール17に固定して、ポール17に交差する方向に延びる第1延出部57を有する。第1延出部57は、他端から延び、カメラ本体13に接続される第2延出部59を有する。第2延出部59は、ポール17の延長方向に延びる。つまり、連結部23は、ポール17に交差する第1延出部57と、ポール17の延長方向に延びる第2延出部59とで、略L字形に形成される。
【0054】
第1延出部57に固定されたポール17からは、ポール17の内側に通されたケーブル19が引き出される。引き出されたケーブル19は、第2延出部59に沿って延在し、第2延出部59の下端に連結されるカメラ本体13に接続される。つまり、ポール17の下端とカメラ本体13との間では、ケーブル19が露出される。ケーブル19は、この露出間隙Kが設けられることにより、屈曲可能となり、カメラ本体13への接続作業(コネクタ接続)が容易となっている。
【0055】
また、監視カメラ11において、第1延出部57のポール17との対向面は、ポール17との第1係止部77を有する。
【0056】
この監視カメラ11では、第1延出部57のポール17との対向面には、ポール17の下端と第1延出部57とを係止する第1係止部77が設けられる。第1係止部77は、例えば係止突起79と、係止溝81とからなる。
【0057】
係止突起79は、ポール17の外周から半径方向外側に突出し、ポール17の周方向に連続または断続して設けられる。係止溝81は、第1延出部57のポール下端貫通穴83に形成される。係止溝81は、この内周面を係止突起79が嵌るように半径方向外側に凹ませて、内周方向に連続して設けられる。
【0058】
これにより、連結部23は、ポール17の係止突起79に、係止溝81が嵌合することで、ポール17に対する軸線方向の移動が規制されるとともに、ポール回りの回転が可能となって、ポール17の下端にカメラ本体13を支持することができる。
【0059】
また、監視カメラ11は、カメラ本体13と第2延出部59との間に回転部25を有する。
【0060】
この監視カメラ11では、上述のように、連結部23が、ポール17に交差する方向に延び、一端がポール17に固定される第1延出部57を有する。連結部23は、この第1延出部57と、第1延出部57の他端から、直角に曲がってポール17の延長方向に延び、カメラ本体13に接続される第2延出部59とで、略L字形に形成される。第2延出部59は、カメラ本体13との間に、回転部25を有する。回転部25は、第1延出部57の長手方向に直交し、かつ第2延出部59の長手方向に直交する方向が回転中心軸となる。
【0061】
回転部25は、第2延出部59を回転中心軸に沿う方向に貫通する連結固定軸87と、カメラハウジング69に固定され、連結固定軸87の両端を支持する一対の軸受板89とからなる。連結部23は、これら連結固定軸87と、軸受板89とからなる回転部25によって、ポール17の下端とカメラハウジング69とを連結固定軸87の回転中心軸回りに回転自在に連結する。
【0062】
連結部23の第1延出部57に固定されたポール17は、第1延出部57を貫通した下端が末端となって開口する。この開口からはケーブル19が引き出される。引き出されたケーブル19は、第2延出部59の下端で回転部25を介して連結されるカメラハウジング69の基端面に接続される。
【0063】
カメラハウジング69の基端面には、内部のカメラ部71と電気的に接続されたメス型LANコネクタ91が設けられている。ポール17の下端から引き出されたケーブル19は、先端に取り付けられたオス型LANコネクタ21aが、このメス型LANコネクタ91に結合されて電気的な接続が完了する。
【0064】
監視カメラ11では、第1延出部57とカメラハウジング69の基端面との間で、ケーブル19が露出することになる。カメラハウジング69は、連結部23が、回転部25で回転されると、カメラハウジング69の基端面に設けられたメス型LANコネクタ91が、連結固定軸87を中心とした円の円弧上を移動する。
【0065】
第1延出部57を貫通したポール17の開口から引き出されたケーブル19は、このメス型LANコネクタ91の移動に伴って撓みあるいは引っ張られ、接続状態を維持する。つまり、連結部23は、ケーブル19の接続状態を維持しながら、カメラ本体13を回転自在に連結する。なお、ケーブル19は、メス型LANコネクタ91が、ポール17の下端から離間する方向に移動した場合には、ポール内から引き出されることになる。ケーブル19は、この引き出される分の余長が、弛みとして天井裏に確保される。
【0066】
また、監視カメラ11において、ポール17の他端には、ポール17を支持する支持部15が設けられる。
【0067】
この監視カメラ11では、ポール17の他端に、ポール17を支持する支持部15が設けられる。ここで、ポール17の他端とは、ポール17の上端である。ポール17の上端は、支持部15によって例えば天井に支持される。支持部15は、平面視で、四つの角が面取りされた略菱形となる。略菱形の2つの対角線は、長さが異なるが、それぞれの中点で直交する。支持部15は、短い対角線の位置で二分割され、二分割された一対の凹曲板を、それぞれの凹曲板側から挟んで一体に固定する。
【0068】
支持部15は、二分割された半割体が相互に締結されて、ポール17を一体に固定する。監視カメラ11は、ポール17の上端に、天井面と平行な菱形の支持部15が固定される。監視カメラ11は、この支持部15が、天井面に固定されることで、固定されたポール17が天井から垂下した状態で支持される。つまり、支持部15は、二分割された一対の凹曲板を一体に固定する作用と、一体に固定したポール17の上端を天井面に固定する2つの作用を有している。
【0069】
また、監視カメラ11において、支持部15のポール17との対向面は、ポール17との第2係止部47を有する。
【0070】
この監視カメラ11では、支持部15のポール17との対向面には、ポール17の上端と支持部15とを係止する第2係止部47が設けられる。第2係止部47は、例えば係止凸部49と、係止穴51とからなる。支持部15には、ポール17の上端が貫通するポール上端貫通穴53が形成される。ポール上端貫通穴53は、内周面が上述の対向面となる。
【0071】
係止凸部49は、このポール上端貫通穴53の内周面から半径方向内側に突出し、内周方向に断続して設けられる。係止穴51は、ポール17の外周から半径方向内側に形成され、ポール17の周方向に断続して設けられる。
【0072】
係止穴51は、支持部15の内周面から突出した係止凸部49が嵌るように、係止凸部49に応じて配置される。これにより、ポール17の上端は、ポール17の係止穴51に係止凸部49が嵌合することで、軸線方向の移動が規制されるとともに、ポール回りの回転が規制されて、天井面に支持される。
【0073】
また、監視カメラ11において、ポール17の一端とカメラ本体13との間には間隙が設けられている。
【0074】
この監視カメラ11では、ポール17の一端とカメラ本体13との間に間隙(
図9の露出間隙K参照)が設けられている。したがって、ケーブル19がポール17の上端又は下端から露出した部分を有しており、ポール17に対して上下方向に移動可能になっている。この際、ポール17の一端とカメラ本体13との間の間隙が設けられることにより、ケーブル19と連結部23とが干渉しにくくなり、カメラ本体13と接続部(例えばオス型LANコネクタ21a)との接続が容易になる。
【0075】
また、監視カメラ11において、ケーブル19及び接続部は、ポール17の一端から露出している。カメラ本体13と接続部とが接続されている。
【0076】
この監視カメラ11では、ケーブル19及び接続部(例えばオス型LANコネクタ21a)は、ポール17の一端から露出し、カメラ本体13と接続部(例えばオス型LANコネクタ21a)とが接続されている。したがって、オス型LANコネクタ21aとカメラ本体13との接続が外れた場合、オス型LANコネクタ21aが外部に露出しているのでオス型LANコネクタ21aとカメラ本体13との再接続が容易となる。
【0077】
また、監視カメラ11において、ケーブル19は、ポール17の内部を移動可能である。これにより、監視カメラ11が天井から吊り下げられている場合において、カメラ本体13の回転が生じた場合でも、ポール17内部をケーブル19が移動可能となることによりカメラ本体13の回転に追従できて、監視カメラ11の吊り下げ支持が崩れにくい。
また、カメラ本体13の回転時にカメラ本体13と接続部との接続が外れにくい。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示は、ポールスタンドを有する監視カメラにおいて、ケーブルがポール内に入り込まず、脱落を抑制する監視カメラとして有用である。
【符号の説明】
【0080】
11 監視カメラ
13 カメラ本体
15 支持部
17 ポール
19 ケーブル
21 オス型LANコネクタ(接続部)
23 連結部
25 回転部
35 右凹曲板
37 左凹曲板
47 第2係止部
53 ポール上端貫通穴
57 第1延出部
59 第2延出部
77 第1係止部
83 ポール下端貫通穴