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特開2025-19323ゴム組成物を可塑化するための方法及び可塑化剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019323
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】ゴム組成物を可塑化するための方法及び可塑化剤
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20250130BHJP
   C08G 77/38 20060101ALI20250130BHJP
   C08L 83/07 20060101ALI20250130BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
C08L21/00
C08G77/38
C08L83/07
B29C33/02
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024207693
(22)【出願日】2024-11-28
(62)【分割の表示】P 2021576909の分割
【原出願日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】19182809.4
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511025466
【氏名又は名称】シル ウント ザイラッハー “シュトルクトル” ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ベルガー、フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、デルテ
(72)【発明者】
【氏名】クローゼ、テレージア
(72)【発明者】
【氏名】ディトリッヒ、ウーヴェ
(57)【要約】
【課題】加硫化ゴム組成物を長寿命化すること。
【解決手段】前記ゴム組成物へ1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを当該ゴム組成物の可塑化剤として添加する。ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されている。ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム組成物を可塑化する方法であって、
前記方法は、前記ゴム組成物へ1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを当該ゴム組成物の可塑化剤として添加することを含むこと、
ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されていること、
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
は15個までの炭素原子を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
は15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)であること、
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されていること
を特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記炭化水素鎖は、該炭化水素鎖中に少なくとも1つの酸素原子を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記炭化水素鎖は、少なくとも1つの水酸基で置換されていること
を特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の方法において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有すること、
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有すること
を特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の方法において、
ゴムは、ブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチロールの臭素化コポリマ又はこれらの混合物を含むこと、及び、前記ゴム組成物はクロロプレンゴムを架橋助剤として含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の方法において、
前記ゴム組成物に、ポリオルガノシロキサンではない1つ以上の更なる可塑剤を、ゴム(混合物)100質量部当たり0質量部超かつ5質量部未満の量で添加すること
を特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記更なる可塑剤として、ヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂を添加すること
を特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1~7の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物には、可塑化剤として、変性ポリオルガノシロキサンのみを添加すること
を特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項1~10の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物は、タイヤ製造のためのブラダ(Bladder)の製造に適する更なる添加剤及び成分を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項1~11の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物は、タイヤ製造の際のブラダとしての使用のために加硫されること
を特徴とする、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法において、
ゴム組成物は、更なる成分として、充填材、及び樹脂架橋のための触媒を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
ゴム組成物は、均質化剤(Homogenisatoren)を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項1~14の何れかに記載の方法において、
架橋性樹脂はハロゲン化したホルムアルデヒド-アルキルフェノール樹脂であること
を特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
アルキル基はC~C10アルキルであること
を特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項1~16の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物中のポリオルガノシロキサンの量は、ゴム(混合物)100質量部当たり3~8質量部であること
を特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
ゴム組成物は、ゴム(混合物)100質量部当たり2質量部~12質量部の濃度で架橋性樹脂を含むこと
を特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項1~18の何れかに記載の方法において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は10~100であること
を特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は15~70又は20~50であること
を特徴とする、方法。
【請求項21】
請求項1~20の何れかに記載の方法において、
デマチャ(De Mattia)による亀裂成長によって決定されるような、前記ゴム組成物から製造されたタイヤ製造のためのブラダの寿命は、可塑剤としてヒマシ油を(同じ濃度で)用い、その他の点では同じ加硫混合物の組成及び処理によって製造されるタイヤ製造のためのブラダと比べて、1.2倍超だけ延長されること
を特徴とする、方法。
【請求項22】
請求項1~21の何れかに記載の方法において、
以下の物性:Δトルク(Delta Torque)、モジュラス(Modul)、圧縮永久歪み(Druckverformungsrest)の1つ以上は、相応の量のヒマシ油を可塑剤として含むゴム組成物と比べて、不利に変化されないこと
を特徴とする、方法。
【請求項23】
ゴム組成物を可塑化するための可塑化剤であって、
前記可塑化剤は、1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを含むこと、
ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されていること、
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含むこと
を特徴とする、可塑化剤。
【請求項24】
請求項23に記載の可塑化剤において、
は15個までの炭素原子を含むこと
を特徴とする、可塑化剤。
【請求項25】
請求項24に記載の可塑化剤において、
は15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)であること、
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されていること
を特徴とする、可塑化剤。
【請求項26】
請求項25に記載の可塑化剤において、
前記炭化水素鎖は、該炭化水素鎖中に少なくとも1つの酸素原子を含むこと
を特徴とする、可塑化剤。
【請求項27】
請求項26に記載の可塑化剤において、
前記炭化水素鎖は、少なくとも1つの水酸基で置換されていること
を特徴とする、可塑化剤。
【請求項28】
請求項23~27の何れかに記載の可塑化剤において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有すること、
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有すること
を特徴とする、可塑化剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可塑剤(ないし柔軟剤)としてのポリオルガノシロキサンを含むゴム組成物に関する。
【0002】
本発明は、とりわけ、タイヤ製造においてブラダとして使用されるゴム組成物中の可塑剤としての(メタ)アクリレート変性ポリオルガノシロキサンの使用に関する。
【0003】
本発明は、更に、とりわけタイヤの製造のためのブラダの製造及びブラダにおける使用に適するゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
樹脂架橋によって加硫されるゴム組成物は知られており、様々な産業部門において多種多様な用途を有する。これをベースとするゴム製品は、例えば、あらゆる種類のタイヤの製造に使用されるブラダの製造に使用される。
【0005】
タイヤ製造自体において、未架橋のグリーンタイヤ材料(Reifenrohling)は加硫される。加硫のプロセスは、圧力および高温下でのゴム組成物の架橋を表す。その際、ポリマ間に共有結合が形成され、エラストマネットワークが構築される。
【0006】
ゴム混合物の加硫は、さまざまなメカニズムを介して行うことができる。最も頻繁に使用される加硫のタイプは硫黄加硫である。ゴム混合物は、更に、過酸化物、アミンまたは樹脂によって架橋ないし加硫されることも可能である。
【0007】
車両用タイヤの製造のために、グリーンタイヤ材料は、成形のために、タイヤプレスへ導入され、加硫される。ブラダは、グリーンタイヤを加圧下および高温での加硫中にタイヤプレスの内壁に押し付けることにより、タイヤにそのプロファイル(トレッドパターン)を与えるという課題を有する。この目的のために、ブラダは、例えば熱湯又は蒸気のような加圧媒体を取り込む。
【0008】
必要なブラダはゴム組成物から作ることができる。ブラダ用のゴム組成物は、一般的に、ポリマ系、充填材(フィラ)、酸化亜鉛、可塑化オイル(プロセスオイル:Weichmacheroel)、および架橋性樹脂から構成される。更に、通常の更なる処理添加剤はゴム組成物の成分(構成要素)をなす。
【0009】
ポリマは多くの場合ブチルゴムであるが、架橋性樹脂がハロゲン化されていない場合は、場合によりクロロプレンゴムが追加される。充填材としては、カーボンブラックがよく使用される。酸化亜鉛は、樹脂架橋のための触媒として機能し、ないし、熱伝導率の向上に役立つ。既知のブラダでは、以下でより詳細に説明するように、可塑化油としてヒマシ油(Rizinusoel)が使用される。メチロール基を有し、任意的にハロゲン化されたホルムアルデヒド-アルキルフェノール樹脂は、一般的に、架橋性樹脂として使用される。更に、相応の組成物には、例えば均質化剤(Homogenisatoren)のような更なる混和剤(Zuschlagstoffe)が添加されることができる。ブチルゴムもα-メチルスチロールから誘導された単位を有するゴムもポリマ系として含むブラダも記載されている。
【0010】
ブラダは、タイヤの加硫中、充填工程、加圧媒体での膨張、およびその後の減圧、加圧媒体の放出からなるサイクルを経る。それにより、ブラダは機械的に負荷を受ける。尤も、この機械的負荷に加えて、相応の物理的条件も、サイクルの経過中に大幅に変化する。ここでは、圧力及び温度の大幅な変化がとりわけ重要である。
【0011】
ブラダに使用される材料は、とりわけ1つのブラダで可能な限り多数のタイヤを製造可能にするという背景のもとでは、この特別な形の負荷(荷重)を考慮に入れる必要がある。ブラダは、タイヤのサイズや加硫条件のようなさまざまな要因に応じて、異なる多数のサイクルを経過する。
【0012】
それにもかかわらず、ある程度の負荷をかけるとどのブラダにも疲労の兆候が現れ、最終的には例えば亀裂の形成によって損傷が生じ、その結果、ブラダは交換される必要がある。
【0013】
これにより、タイヤの連続的製造プロセスの望ましくない中断をもたらす。更に、交換によって追加費用が発生する。そのため、ブラダに可能な限り長い寿命を与えることに対する関心が常に存在する。なぜなら、寿命の長期化によって、関連するタイヤ生産者に対し大幅な効率向上とコスト削減がもたらされるだけではなく、寧ろ、それによって、一般的に環境により優しいタイヤ製造の保証に大きな貢献ももたらされるからである。
【0014】
想定される使用中の著しい負荷に対抗するために、ゴムベースのブラダに可塑剤成分が存在することが不可欠である。これに関連して、1950年代から既に、とりわけヒマシ油は、たとえばDE 1 283 521に記載されているように、ゴムベースのブラダの可塑剤成分として使用されている。
【0015】
ヒマシ油は、この場合、格別に好適な可塑剤と見なされており、また、高温でも相対的に小さい揮発性を有し、樹脂架橋される混合物の架橋中にいわゆるマーチングモジュラス(Marching Modulus)を示す傾向を低減するために一般的に適するため、過去数十年にわたり認められてきた。これに関連して、ヒマシ油含有ゴム組成物について、WO 2013/052206 A1には、小さなモジュラスと蒸気エージングに対する良好な耐性が記載されている。該文献においては、ヒマシ油に加えて、炭化水素樹脂(炭化水素ポリマ変性剤(HPM:Hydrocarbon Polymer Modifiers))の添加によって、製造されるべきブラダの耐久性を更に向上することが試みられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】DE 1 283 521
【特許文献2】WO 2013/052206 A1
【特許文献3】EP 2 354 154 A1
【特許文献4】EP 2 151 479 A1
【特許文献5】US 2011/0262573 A1
【特許文献6】US 4,710,541
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
問題となるゴム組成物におけるヒマシ油の使用に伴う利点にもかかわらず、対応する組成物から製造されるブラダは、所定回数の加硫サイクル後に損傷する。これまでのところは、ヒマシ油の添加によっても、ブラダの所望の長い寿命の達成は成功していない。
【0018】
EP 2 354 154 A1とEP 2 151 479 A1は、過酸化加硫され、かつ、ポリオルガノシロキサンを保持[含有]するゴム組成物に関する。ここで、ポリオルガノシロキサンは、得られる加硫物の関連する機械的特性を悪化する(例えばモジュラスを低下する)ことなく、処理の際にゴムの粘性を改善するものとされている。このポリオルガノシロキサンは、少なくとも1つの炭素-炭素多重結合と場合により5~50個の炭素原子の鎖長を有する更なる炭化水素部分R2を有する少なくとも1つの有機部分Rを有する。なお、例えば、例えば形状変化能、弾性的性質又は低下された硬度のような可塑剤に属するような所定の望まれる物性に関して、例えば粘性の低下のような、ゴムの処理の際の添加剤の作用から、完成した硫化物を逆推論できないことに留意すべきである。
【0019】
US 2011/0262573 A1は、タイヤ製造のためのブラダ(Heizbalg;英語では“Bladder”)の製造法を記載している。この方法では、ブラダの表面は、(1つの)層の適用によって改質される。この層は、離型剤の機能を引き継ぐ(有する)が、この場合、タイヤの内側を指向するブラダの表面に固定的に結合されている。US 2011/0262573 A1から既知のブラダ(用)ゴム組成物の可塑剤として、ヒマシ油が使用される。
【0020】
US 2011/0262573 A1において表面コーティングのために離型剤の代わりに使用されるポリオルガノシロキサンは、12,000までの高分子量(平均分子量、数平均)を有する。
【0021】
US 4,710,541は、改良されたブラダが使用される、タイヤのようなゴム製品の成形および加硫のための方法を記載している。US 4,710,541に記載されているブラダは、タイヤ材料からのその分離特性を改善するために、例えば適切な表面改質によって、改善されている。従って、US 4,710,541に記載されている発明は、従来の離型剤の代替品を求めている。US 4,710,541に記載されているポリオルガノシロキサンは、とりわけ、例えば7,000のジメチルシロキシ単位のような、1,000を超える重合度を有する高分子ポリオルガノシロキサンである。それは、例えば70質量部ゴムに対し30質量部の大きな量割合で使用される。
【0022】
従って、ゴム組成物の分野における様々な改良にもかかわらず、それ自身がタイヤ製造に使用可能なブラダのために加硫されるのに好適であるだけではなく、寧ろ、タイヤ製造のための加硫サイクルの枠内で発生する材料への大きな負荷を考慮した、より長い寿命を有する改善された新しいゴム組成物に対する大きな要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
第1の視点に応じ、本発明は、ゴム組成物中における可塑剤としての1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンの使用であって、ゴムは、1つ以上の架橋性樹脂(架橋剤)によって加硫されていること、ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含むことを特徴とする、使用に関する。
【0024】
第2の視点に応じ、本発明は、タイヤ製造のためのブラダの製造方法であって、1つ以上の変性ポリオルガノシロキサン、架橋のための1つ以上の架橋性樹脂及び場合により更なる通常の添加剤を含むゴム組成物が、該架橋性樹脂によって加硫されること、該変性ポリオルガノシロキサンと該ゴム組成物は、本書において規定されたものであることを特徴とする、製造方法に関する。
【0025】
最後に(第3の視点に応じ)、本発明は、架橋性樹脂によって加硫可能なゴム組成物を含む、タイヤ製造のためのブラダであって、該ゴム組成物は、変性ポリオルガノシロキサンを含み、かつ、該架橋性樹脂によって加硫されていること、該変性ポリオルガノシロキサンと該ゴム組成物は、本書において規定されたものであることを特徴とする、ブラダに関する。
【0026】
「変性(された)(modifiziert)」は、本発明によるポリオルガノシロキサン中に有機部分Rが存在することを意味する。
【0027】
本発明の或る特徴が1つ以上の異なる実施形態に存在することができる場合、以下において詳細に説明される変形形態は、たとえ複数(の実施形態)で使用されることが明示されていなくても、すべての(異なる)実施形態に適用される。
【0028】
本発明の第1視点により、ゴム組成物を可塑化する方法が提供される。
前記方法は、前記ゴム組成物へ1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを当該ゴム組成物の可塑化剤として添加することを含むこと、
ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されていること、
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含むこと
を特徴とする(形態1)。
本発明の第2視点により、ゴム組成物を可塑化するための可塑化剤が提供される。
前記可塑化剤は、1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを含むこと、
ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されていること、
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含むこと
を特徴とする(形態23)。
本発明の好ましい実施形態は、更なる構成要素が存在することなく(含むことなく)、以下に開示される特徴から構成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】加硫されたゴム組成物1~4についてのデマチャ(De Mattia)耐屈曲試験(Dauerknickversuch)の結果。
図2】加硫されたゴム組成物1~4についての、それらの蒸気エージング(190℃で48時間)後のデマチャ(De Mattia)耐屈曲試験の結果。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここに、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上記本発明の第1視点参照。
(形態2)形態1に記載の方法において、
は15個までの炭素原子を含むことが好ましい。
(形態3)形態2に記載の方法において、
は15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)であること、
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されていることが好ましい。
(形態4)形態3に記載の方法において、
前記炭化水素鎖は、該炭化水素鎖中に少なくとも1つの酸素原子を含むことが好ましい。
(形態5)形態4に記載の方法において、
前記炭化水素鎖は、少なくとも1つの水酸基で置換されていることが好ましい。
(形態6)形態1~5の何れかに記載の方法において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有すること、
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有することが好ましい。
(形態7)形態1~6の何れかに記載の方法において、
ゴムは、ブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチロールの臭素化コポリマ又はこれらの混合物を含むこと、及び、前記ゴム組成物はクロロプレンゴムを架橋助剤として含むことが好ましい。
(形態8)形態1~7の何れかに記載の方法において、
前記ゴム組成物に、ポリオルガノシロキサンではない1つ以上の更なる可塑剤を、ゴム(混合物)100質量部当たり0質量部超かつ5質量部未満の量で添加することが好ましい。
(形態9)形態8に記載の方法において、
前記更なる可塑剤として、ヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂を添加することが好ましい。
(形態10)形態1~7の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物には、可塑化剤として、変性ポリオルガノシロキサンのみを添加することが好ましい。
(形態11)形態1~10の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物は、タイヤ製造のためのブラダ(Bladder)の製造に適する更なる添加剤及び成分を含むことが好ましい。
(形態12)形態1~11の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物は、タイヤ製造の際のブラダとしての使用のために加硫されることが好ましい。
(形態13)形態11又は12に記載の方法において、
ゴム組成物は、更なる成分として、充填材、及び樹脂架橋のための触媒を含むことが好ましい。
(形態14)形態13に記載の方法において、
ゴム組成物は、均質化剤(Homogenisatoren)を含むことが好ましい。
(形態15)形態1~14の何れかに記載の方法において、
架橋性樹脂はハロゲン化したホルムアルデヒド-アルキルフェノール樹脂であることが好ましい。
(形態16)形態15に記載の方法において、
アルキル基はC~C10アルキルであることが好ましい。
(形態17)形態1~16の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物中のポリオルガノシロキサンの量は、ゴム(混合物)100質量部当たり3~8質量部であることが好ましい。
(形態18)形態17に記載の方法において、
ゴム組成物は、ゴム(混合物)100質量部当たり2質量部~12質量部の濃度で架橋性樹脂を含むことが好ましい。
(形態19)形態1~18の何れかに記載の方法において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は10~100であることが好ましい。
(形態20)形態19に記載の方法において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は15~70又は20~50であることが好ましい。
(形態21)形態1~20の何れかに記載の方法において、
デマチャ(De Mattia)による亀裂成長によって決定されるような、前記ゴム組成物から製造されたタイヤ製造のためのブラダの寿命は、可塑剤としてヒマシ油を(同じ濃度で)用い、その他の点では同じ加硫混合物の組成及び処理によって製造されるタイヤ製造のためのブラダと比べて、1.2倍超だけ延長されることが好ましい。
(形態22)形態1~21の何れかに記載の方法において、
以下の物性:Δトルク(Delta Torque)、モジュラス(Modul)、圧縮永久歪み(Druckverformungsrest)の1つ以上は、相応の量のヒマシ油を可塑剤として含むゴム組成物と比べて、不利に変化されないことが好ましい。
(形態23)上記本発明の第2視点参照。
(形態24)形態23に記載の可塑化剤において、
は15個までの炭素原子を含むことが好ましい。
(形態25)形態24に記載の可塑化剤において、
は15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)であること、
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されていることが好ましい。
(形態26)形態25に記載の可塑化剤において、
前記炭化水素鎖は、該炭化水素鎖中に少なくとも1つの酸素原子を含むことが好ましい。
(形態27)形態26に記載の可塑化剤において、
前記炭化水素鎖は、少なくとも1つの水酸基で置換されていることが好ましい。
(形態28)形態23~27の何れかに記載の可塑化剤において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有すること、
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有することが好ましい。
【0031】
本発明者は、驚くべきことに、タイヤ製造のためのブラダにおいて使用可能なゴム組成物における可塑剤としての、官能基を有する所定のポリオルガノシロキサン(「変性ポリオルガノシロキサン」)の使用が、本発明の課題を解決することを見出した。とりわけ基礎をなすゴム組成物において通常使用されるヒマシ油が部分的に又は完全に本発明によるポリオルガノシロキサンによって置換される場合、既知のブラダと比べてより長い寿命を有するタイヤ製造のためのブラダを製造することができる。
【0032】
本発明による可塑剤(ないし柔軟剤:Weichmacher)は、従って、当該可塑剤を含有するゴム組成物の体積中で作用する。ゴム組成物の表面にのみ存在する材料、例えば該表面に一時的又は持続的に結合した層(ないし被膜)は、本発明によれば、可塑剤として適さない。
【0033】
ポリオルガノシロキサン
【0034】
ポリオルガノシロキサン自体は既知の物質である。これは、式(RSiO)に従って構成される(高)分子である。ここで、Rは、通常は、炭化水素基である(大抵は、メチル、稀にエチル、プロピル、フェニル等、例えばRoempp Chemie Lexikon 第9版 1992年 第5巻、4168頁参照)。
【0035】
本発明に従って使用されるポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位を有し、かつ、1つ以上の有機部分R、とりわけ2つ以上の有機部分R、及び好ましくは1つ以上の炭化水素部分Rを有することを特徴とする。
【0036】
本発明によるポリオルガノシロキサンに存在する部分R及びRは、夫々、同じ又は異なるものであり得る。
【0037】
有機部分R
【0038】
本発明に従って使用されるポリオルガノシロキサンは、1つ以上の有機部分Rを有する。ここで、Rは、1つ以上の炭素-炭素多重結合を含み、少なくとも4つの炭素原子を有する。
【0039】
内の炭素-炭素多重結合は、例えば炭素鎖内又は炭素原子の環内における、炭素-炭素二重結合であることが好ましい。好ましい一実施形態では、有機部分Rは一価の基である。
【0040】
本発明の全ての実施形態において、そのRが、例えば少なくとも6つ、とりわけ少なくとも7つの炭素原子のような、少なくとも5つの炭素原子を有するポリオルガノシロキサンは、格別に好ましい。
【0041】
本発明によるポリオルガノシロキサンは、少なくとも2つの炭素-炭素多重結合を有することが好ましい。このことは、基Rがただ1つの炭素-炭素多重結合のみを有する場合、少なくとも2つの基Rが存在しなければならないことを意味する。この実施形態は好ましい。代替的に、基Rが少なくとも2つの炭素-炭素多重結合を有することも可能である。尤も、この実施形態は、対応するポリオルガノシロキサンの製造がより手間がかかるという点で、好ましくはない。
【0042】
としては、例えば、シクロアルケニル、アルケニル、ビニル含有基、アリル含有基、ノルボルニル、(ジ)シクロペンテニル、又は、メタクリレート若しくはアクリレートから誘導される基のような不飽和アシルオキシ基が考慮の対象となる。好ましい一価の基Rは、シクロヘキセン及び(メタ)アクリレートから誘導されるが、とりわけ例えば酸素又は硫黄のような1つ以上のヘテロ原子によって置換可能な及び/又は酸素及び硫黄のような1つ以上のヘテロ原子によって中断(割り込み)可能な炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖(骨格)に結合される(メタ)アクリレート誘導基Rである。
【0043】
好ましい一実施形態によれば、Rは、15個までの炭素原子(炭素原子の総数はあり得る置換基を含む)を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)であり、アシルオキシ基は、末端に(即ち単位R内に)置換又は非置換の二重結合を有し、及び、好ましくは鎖中に少なくとも1つの酸素原子を有しかつ好ましくは少なくとも1つの水酸基で置換されている炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されている。末端の二重結合の炭素原子における置換基は、好ましくは、複数のメチル基、とりわけ1つのメチル基である(例えば、メタクリレート誘導基の場合におけるCH=C(CH)COO-)。
【0044】
の格別に好ましい一例は以下の基である:

【0045】
上記において、ケイ素原子に結合される炭素原子は、夫々、矢印で指し示されている。
【0046】
これらの官能化は、例えば
(A)アリル(メタ)アクリレート、
(B)4-ビニルシクロヘキセン、又は
(C)アリルグリシジルエーテルが(メタ)アクリル酸との反応によりそのエポキシド環が開環したもの
のような、ヒドロシリル化を受け易い二重結合を有する化合物とSiH単位の反応によって達成可能である。
【0047】
格別に好ましいのは、上記の構造(c)が形成される反応(C)である。この一般的なタイプのポリオルガノシロキサンは、例えばEP 0 269 114 A2及びDE 30 44 237 A1から既知である。
【0048】
基Rを担持するケイ素原子と炭素-炭素多重結合との間の炭素原子の個数は、好ましくは1~10、より好ましくは、例えば4のような、2~7である。環状の又は環を有する基の場合、二重結合への最短経路(の炭素原子の個数)が数えられる。
【0049】
好ましい一実施形態では、Rは、本発明によるポリオルガノシロキサンにおいて構造単位Iの部分として存在する:

[R SiO[4-(x+a)]/2] (I)

ここで、xは、1、2又は3、好ましくは1であり、aは、0、1又は2、好ましくは1又は2、とりわけ2であり、Rは、9個までの炭素原子、とりわけ6個までの炭素原子を有する、直鎖若しくは分枝アルキル基、シクロアルキル基又は芳香族基である。Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はフェニルから選択されることが好ましく、Rは格別に好ましくはメチルである。
【0050】
x=1である好ましい構造単位Iは、a=1である二官能性の構造単位I

[RRSiO2/2] (I

と、x=1及びa=2である単官能性の構造単位I

[RSiO1/2] (I

である。
【0051】
本発明による好ましいポリオルガノシロキサンは、15~70個の、好ましくは20~40又は50個の、とりわけ20~30個の、タイプIの構造単位を有するが、これは、ポリオルガノシロキサンの鎖長の尺度をなす。
【0052】
炭化水素部分R
【0053】
本発明によるポリオルガノシロキサンは、場合により、1つ以上のより長いアルキル基Rを有する。ここで、Rは、5~50個の炭素原子からなる鎖長を有する。
【0054】
は、一実施形態に応じ、5~30個の炭素原子を有する分枝又は非分枝アルキル基、とりわけ、n-C~C30アルキル、好ましくはn-C10~C26アルキル、より好ましくは、例えばn-C18アルキルのようなn-C12~C18アルキルのような、5~30個の炭素原子を有する非分枝アルキル基、から選択される。
【0055】
好ましくは、アルキル基Rは、(本発明による)ポリオルガノシロキサンにおいて(構造)単位IIの部分として含まれている:

[R R’SiO[4-(y+b)]/2] (II)

ここで、yは、1、2又は3、好ましくは1であり、bは、0、1又は2、好ましくは1又は2、とりわけ1であり、R’は、上記において構造単位(I)に関しRについて定義されているような、但しRとは独立に(無関係に)選択される、一価の有機残基である。この場合、R’は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はフェニルから選択されることが好ましく、R’は格別に好ましくはメチルである。
【0056】
y=1である好ましい構造単位IIは、b=1である二官能性の構造単位II

[RR’SiO2/2] (II

と、y=1及びb=2である単官能性の構造単位II

[RR’SiO1/2] (II

である。
【0057】
ポリオルガノシロキサンの構造
【0058】
既に説明しかつ好ましいものとして存在する構造単位I及びIIに加えて、本発明によるポリオルガノシロキサンは、好ましくは、二官能性の構造単位IIIも有する:

[R’’SiO2/2] (III

ここで、基R’’(複数)は同じ又は異なるものであり(好ましくは同一である)、直鎖アルキル基、好ましくは、酸素原子を介してポリオルガノシロキサンに結合可能な、アルキル基、シクロアルキル基又は芳香族基から選択され、基R’’は好ましくはメチル、エチル、プロピル及びフェニル、とりわけメチルである。
【0059】
一実施形態では、本発明によるポリオルガノシロキサンには、1つ(又は2つ)の単官能性の構造単位IIIも存在する:

[R’’’SiO1/2] (III

ここで、基R’’’(複数)は同じ又は異なるものであり、酸素原子を介して結合可能な、ヒドロキシ及び直鎖アルキル基、分枝アルキル基、シクロアルキル基又は芳香族基から選択され、基R’’’は好ましくはヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル及びフェニル、とりわけヒドロキシ及びメチルである。格別に好ましい一実施形態では、基R’’’(複数)は同一であり、かつ、メチル基である。
【0060】
本発明によるポリオルガノシロキサンの好ましい一構造は以下のようなものである:

[I[I[II[II[III[III(2-n-p)

ここで、
(i)mとoは互いに独立に(依存することなく)0~40の範囲にあり、nとpは互いに独立に(依存することなく)0、1又は2であり得る、
但し、
- 和(m+n)は少なくとも1であり、好ましくは、和(o+p)は少なくとも1であり、
- 和(n+p)は最大で2であり、
- 和(m+n+o+p)は好ましくは20までの範囲にある、
及び
(ii)qは0~100の範囲にある。
【0061】
ここで、二官能性構造単位I、II及びIIIは、本発明によるポリオルガノシロキサンにおいては、典型的にはかつ好ましくは、ブロックとして配置されるのではなく、ポリシロキサン鎖に沿って統計的に分散(配置)されている。更に、本発明によるポリオルガノシロキサンは製造時に典型的には単一の化合物としては生成されないため、パラメータm、n、o、p及びqは平均値であることは、当業者には明らかである。
【0062】
好ましい一実施形態では、nは1又は2、好ましくは2である、即ち、官能化Rは(本発明による)ポリオルガノシロキサンにおいて(少なくとも)単官能性の(末端の)構造単位Iに(も)含まれている。
【0063】
好ましい更なる一実施形態では、nは2であり、かつ、mはゼロ(0)である、即ち、官能化Rは(本発明による)ポリオルガノシロキサンにおいて単官能性の(末端の)構造単位Iにのみ含まれている。
【0064】
好ましい更なる一実施形態では、nは1又は2、好ましくは2であり、かつ、mはゼロ(0)でない、即ち、官能化Rは(本発明による)ポリオルガノシロキサンにおいて、m=1又は2の場合と同様に、単官能性の(末端の)構造単位Iにも、二官能性の(分岐の(brueckenstaendig))構造単位Iにも含まれる。
【0065】
本発明の全ての実施形態において、部分Rは、部分R(が結合するの)とは異なるケイ素原子に結合することが好ましい。
【0066】
好ましい一実施形態では、本発明によるポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数(m+o+q+2)は、10~100個、好ましくは15~70個、とりわけ、20~30又は40個のような、20~50個である。
【0067】
好ましい更なる一実施形態では、本発明によるポリオルガノシロキサンの官能化された(官能性が付与された)シロキサン単位の総数(m+n+o+p)は、2~15個、好ましくは2~6又は10個である。
【0068】
二官能性シロキサン単位I及びIIにおける官能化R及びRの好ましい割合(即ちm/o)は、10/90~99/1、より好ましくは30/70~98/2、とりわけ、70/30~96/4又は75/25~95/5のような、50/50~97/3である。
【0069】
本発明によるポリオルガノシロキサンにおける非置換二官能性シロキサン単位IIIの個数は、好ましくは5~60個、より好ましくは10~50個、とりわけ、20~30個のような、15~40個である。
【0070】
本発明によるポリオルガノシロキサンは、室温(25℃)の場合、高粘性を有する液状化合物として存在する。とりわけシロキサン鎖の長さ(即ちSiO単位の和、和(m+o+q+2)、凡そ30以上)、場合により炭化水素部分Rの長さ(炭素原子凡そ20個以上)及び炭化水素部分Rのあり得る個数に依存して、本発明によるポリオルガノシロキサンは、室温で固体であり得る。
【0071】
a)1つ以上のゴム、及び
b)1つ以上の本発明によるポリオルガノシロキサン
を含有するマスターバッチとして、本発明によるポリオルガノシロキサンを使用することも可能である。
【0072】
マスターバッチは、ゴム100質量部に対して(phr、ゴム100部当たりの部(parts per hundred parts rubber))、本発明によるポリオルガノシロキサン0.5~30質量部、より好ましくは0.5~20質量部、及びとりわけポリオルガノシロキサン0.5~10質量部を含有する。典型的には、マスターバッチ中のゴムとしては、例えばブチルゴム及びクロロプレンゴムのような、架橋性樹脂によって架橋可能なゴムが使用される。
【0073】
マスターバッチの使用は、本発明によるポリオルガノシロキサンのゴム内への導入を容易にする。
【0074】
更に、
a)(好ましくは(例えばケイ酸のような)無機充填材又は(例えばポリエチレンワックスのような)ワックス状材料から選択される)1つ以上の固体担体材料、及び
b)1つ以上の本発明によるポリオルガノシロキサン
を含有する混合物の形で、本発明によるポリオルガノシロキサンを使用することも可能である。
【0075】
混合物中におけるa)担体材料対b)本発明によるポリオルガノシロキサン[b)に対するa)]の質量比は、好ましくは10/90~90/10、より好ましくは20/80~80/20、とりわけ好ましくは凡そ60/40である。混合物のための好ましい材料は、ケイ酸又は例えば白亜(Kreide)のような他の無機充填材又は例えばポリエチレンワックスのようなワックス状材料である。
【0076】
混合物の使用は、とりわけ、本発明によるポリオルガノシロキサンが室温で液体の場合、その取り扱いを容易にする。
【0077】
本発明によるポリオルガノシロキサンの製造方法
【0078】
本発明によるポリオルガノシロキサンを製造するための好ましい一方法は、
a)2つ以上のSiH基を有するポリオルガノシロキサンと少なくとも1つの基Rを有する化合物を反応させて、少なくとも1つの基Rと任意的に1つ以上の残留SiH基を有するポリオルガノシロキサンを得ること、及び、
b)任意的に、ステップa)で得た少なくとも1つ以上の残留SiH基を有するポリオルガノシロキサンとα-オレフィンを反応させて、本発明によるポリオルガノシロキサンを得ること
を含む。
【0079】
本発明によるポリオルガノシロキサンを製造するための格別に好ましい一方法は、
a)少なくとも2つのSiH基を有するポリオルガノシロキサンと、少なくとも1つのヒドロシリル化可能な基及び、エポキシド、とりわけグリシジルエーテルのような、標準的なヒドロシリル化条件下では不活性な該基とは異なる更なる官能基Rを有する化合物を反応させて、少なくとも1つの基Rを有するポリオルガノシロキサンを得ること、
b)ステップa)で得たポリオルガノシロキサンと、少なくとも1つの基R及び選択的に基Rと結合を形成するために適しRとは異なる更なる官能基Rを有する化合物を反応させて、少なくとも1つの基Rと任意的に1つ以上の残留未反応R基を有するポリオルガノシロキサンを得ること、及び、
c)任意的に、ステップb)で得たポリオルガノシロキサンと、少なくとも1つの基R及び選択的に基Rと結合を形成するために適しRとは異なる更なる官能基Rを有する化合物を反応させて、本発明によるポリオルガノシロキサンを得ること
を含む。
【0080】
本発明によるポリオルガノシロキサンを製造するための代替的一方法は、
a)1つ以上のヒドロシリル化可能な基を有するシランに官能基Rを持たせること、
b)任意的に、1つ以上のヒドロシリル化可能な基を有するシランに官能基Rを持たせること、及び、
c)ステップa)で得た化合物を、任意的にステップb)で得た化合物と、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような、シロキサン主鎖(骨格)を提供する化合物と一緒に塩基性条件下で水中で反応せせること
を含む。
【0081】
使用及び加硫法
【0082】
ポリオルガノシロキサンは、本発明に応じ、ゴム組成物中において可塑剤(ないし柔軟剤)として使用される。換言すれば、本発明によるポリオルガノシロキサンは、ゴム組成物(これが規定された表面を有する成形品として存在する場合)の表面の純粋な改質とは異なり、当該ポリオルガノシロキサンが導入されるゴム組成物の体積中(内部)で作用(機能)する。本発明の一実施形態によれば、ゴム組成物は、その表面がコーティング(被膜)で改質されるものではない。
【0083】
好ましくは、ゴム組成物は、ゴム100質量部に対し(phr、ゴム100部当たりの部)、本発明によるポリオルガノシロキサン0.5~30質量部、より好ましくは0.5~20質量部、格別に好ましくは1~15質量部、及びとりわけポリオルガノシロキサン2~8質量部を含有する。好ましくは、ゴム組成物は、1~10phrの本発明によるポリオルガノシロキサンを含有する。好ましくは、ゴム組成物は、2~7phrの本発明によるポリオルガノシロキサンを含有する。好ましくは、ゴム組成物は2.5~6.5phrの本発明によるポリオルガノシロキサンを含有する。好ましくは、ゴム組成物は、6phrの本発明によるポリオルガノシロキサンを含有する。
【0084】
好ましい一実施形態では、ゴムは、架橋性樹脂によって架橋可能なゴムである。とりわけ、そのような架橋性樹脂によって架橋可能なゴムは、過酸化物架橋剤によっては加硫可能ではない。なぜなら、これらのゴムは相応の反応条件下で分解するからである。本発明に応じ、とりわけ、タイヤの製造に使用可能なブラダの製造に適するゴムが使用される。
【0085】
本発明に応じた使用の枠内で使用可能な好ましいゴムは、例えば、ブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチロールの臭素化コポリマ、及びこれらの混合物である。
【0086】
本発明に応じた使用のための好適な架橋性樹脂としては、とりわけ、タイヤ製造のためのブラダの製造の枠内においてゴム組成物の加硫に使用されるものが考慮の対象となる。好ましくは、3次元ネットワーク構造体を形成可能な架橋性樹脂が使用される。とりわけ、フェノール・ホルムアルデヒド・樹脂は、この場合、好適である。これらの化合物群の架橋能は、熱作用及び水の除去(ないし分離:Abspaltung)下でエキソメチレン基含有α,β-不飽和カルボニル化合物(これは次いでイソプレン系ゴム単位と反応してクロマン環系を形成する)を形成するフェノール・ホルムアルデヒド・樹脂中のフェノールメチロール基の反応性に基づく。使用されるフェノール・ホルムアルデヒド・樹脂は、架橋の目的のために、少なくとも2つのフェノールメチロール基を有する。本発明に応じ、とりわけ、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド・樹脂は架橋のために使用可能であり、ここで、アルキルは、好ましくは、とりわけオクチルのような、C~C10アルキルである。架橋性樹脂は、場合により、アクロケム(Akrochem)社から入手可能な臭素化オクチルフェニル・ホルムアルデヒド・樹脂SP-1055のように、ハロゲン化、例えば臭素化されることができる。アクロケム社から入手可能な臭素化オクチルフェニル・ホルムアルデヒド・樹脂SP-1045のような、ハロゲン化されていない架橋性樹脂を使用する場合、クロロプレンゴムのような、適切なハロゲン含有成分が添加される。酸性物質(例えばSnCl又はFeClのようなルイス酸)も使用可能である。
【0087】
好ましくは、ゴム組成物は、ゴム100質量部に対し(phr、ゴム100部当たりの部)、架橋性樹脂0.5~30質量部、より好ましくは1~20質量部、格別に好ましくは2~15質量部、及びとりわけ架橋性樹脂2~12質量部を含有する。
【0088】
ゴム組成物は、好ましくは、更に、充填材(例えばカーボンブラック、ケイ酸(シリカ)、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、ケイ酸塩)のような混和剤(添加剤)、及び、架橋のために必要な物質(酸化亜鉛、促進剤、酸化マグネシウム、硫黄)、樹脂架橋のための触媒/活性剤(例えばクロロプレンゴム、酸化亜鉛、ステアリン酸ないしこれから生成される塩)、アンチエージング剤、均質化剤を通常の量で含有する。
【0089】
本発明は、更に、タイヤ製造のためのブラダの製造方法に関する。該方法においては、1つ以上の本発明による変性ポリオルガノシロキサン、架橋のための1つ以上の架橋性樹脂及び場合により更なる通常の添加剤を含むゴム組成物が、該架橋性樹脂によって加硫される。この場合、後述する実施例において詳細に開示されるような成分は、適切な装置及び条件によって十分に一様に(innig)混合される。混合プロセス及びこれに適する装置自体は、当業者には既知である。
【0090】
本発明は、更に、架橋性樹脂によって加硫可能なゴム組成物を含む、タイヤ製造のためのブラダに関する。ゴム組成物は、本発明による変性ポリオルガノシロキサンを含み、かつ、架橋性樹脂によって加硫されている。
【0091】
本発明者は、驚くべきことに、ゴム組成物における可塑剤としての本発明によるポリオルガノシロキサンの使用により、このゴム組成物から製造されるタイヤ製造用ブラダの寿命は、可塑剤としてヒマシ油を(同じ濃度で)用い、その他の点では同じ加硫混合物の組成及び処理によって製造されるタイヤ製造用ブラダと比べて、著しく長くなることを見出した。
【0092】
本発明との関連において、ブラダの寿命は、蒸気エージング(190℃で48時間)後のデマチャ(De Mattia)耐屈曲試験(Dauerknickversuch)で試験片を用いて決定される。この場合、複数の異なる化合物の試験片の亀裂成長が相互に比較される。所定回数の応力(負荷)サイクルでの亀裂成長についての値が小さければ小さい程、ブラダの寿命は一層長くなる。
【0093】
ゴム組成物の正確な(厳密な)組成に応じて架橋密度の場合によりあり得る減少が観察されるとすれば、この減少は、ゴム組成物中の架橋性樹脂の濃度の増大によって問題なく補償されることができる。この場合、本発明によるゴム組成物の改善された耐久性(安定性)はブラダにおける関連する使用において著しくは損なわれない。
【0094】
本発明の更なる視点は、以下の項目A~Pに開示されている。
【0095】
A.ゴム組成物における可塑剤としての1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンの使用。ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位、及び、1つ以上の炭素-炭素多重結合と少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rを含む。
【0096】
B.項目Aの使用において、Rが15個までの炭素原子を含み、Rはとりわけ15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)であること、アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖中に好ましくは少なくとも1つの酸素原子を含みかつ好ましくは少なくとも1つの水酸基で置換されている炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素(シリコン)原子に結合されていることを特徴とする。
【0097】
C.項目A又はBの使用において、変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有すること、Rは、5~50個の炭素原子の鎖長を有することを特徴とする。
【0098】
D.項目A又はBの使用において、ゴムは1つ以上の架橋性樹脂(樹脂(性)架橋剤)によって加硫されること、ゴムは、とりわけブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチロールの臭素化コポリマ又はこれらの混合物を含むこと、及び、クロロプレンゴムは、架橋助剤として使用可能であることを特徴とする。
【0099】
E.項目A~Dの何れかの使用において、ポリオルガノシロキサンを含むゴム組成物は、ポリオルガノシロキサンではない1つ以上の更なる可塑剤を、ゴム(混合物)100質量部当たり5質量部未満の量で含むことを特徴とする。
【0100】
F.項目Eの使用において、ポリオルガノシロキサンとは異なる更なる可塑剤は、ヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂を含むこと、好ましくはヒマシ油を含むこと、とりわけヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂であること、好ましくはヒマシ油であることを特徴とする。
【0101】
G.項目A~Cの何れかの使用において、ゴム組成物は、変性ポリオルガノシロキサンの他には、更なる可塑剤を含まないことを特徴とする。
【0102】
H.項目A~Gの何れかの使用において、ゴム組成物は、タイヤ製造のためのブラダ(Heizbaelgen:Bladder)の製造に適する更なる添加剤及び成分を含むことを特徴とする。
【0103】
I.項目A~Hの何れかの使用において、ゴム組成物は、加硫後、タイヤ製造の際のブラダとしての使用に適することを特徴とする。
【0104】
J.項目G又はHの使用において、ゴム組成物は、更なる成分として、充填材、樹脂架橋のための触媒、及び場合により更なる混和剤(Zuschlagstoffe)、とりわけ均質化剤(Homogenisatoren)を含むことを特徴とする。
【0105】
K.項目D~Jの何れかの使用において、架橋性樹脂は場合によりハロゲン化したホルムアルデヒド-アルキルフェノール樹脂であること、アルキル基はとりわけC~C10アルキルであることを特徴とする。
【0106】
L.項目A~Kの何れかの使用において、ゴム組成物中のポリオルガノシロキサンの量は、ゴム(混合物)100質量部当たり3~8質量部であること、とりわけ、ゴム組成物は、ゴム(混合物)100質量部当たり2質量部~12質量部の濃度で架橋性樹脂を含むことを特徴とする。
【0107】
M.項目A~Lの何れかの使用において、デマチャ(De Mattia)による亀裂成長によって決定されるような、前記ゴム組成物から製造されたタイヤ製造のためのブラダの寿命は、可塑剤としてヒマシ油を(同じ濃度で)用い、その他の点では同じ加硫混合物の組成及び処理によって製造されるタイヤ製造のためのブラダと比べて、1.2倍超だけ延長されることを特徴とする。
【0108】
N.項目A~Mの何れかの使用において、以下の物性:Δトルク(Delta Torque)、モジュラス(Modul)、圧縮永久歪み(Druckverformungsrest)の1つ以上は、相応の量のヒマシ油を可塑剤として含むゴム組成物と比べて、不利に変化されないことを特徴とする。
【0109】
O.タイヤ製造のためのブラダの製造方法。該方法において、1つ以上の変性ポリオルガノシロキサン、架橋のための1つ以上の架橋性樹脂及び場合により更なる通常の添加剤を含むゴム組成物が、該架橋性樹脂によって加硫される。該変性ポリオルガノシロキサンと該ゴム組成物は、上記項目A~Nの何れかにおいて規定されたものである。
【0110】
P.架橋性樹脂によって加硫可能なゴム組成物を含む、タイヤ製造のためのブラダ。該ゴム組成物は、変性ポリオルガノシロキサンを含み、かつ、該架橋性樹脂によって加硫されている。該変性ポリオルガノシロキサンと該ゴム組成物は、上記項目A~Nの何れかにおいて規定されたものである。
【0111】
本発明の利点はとりわけ以下の実施例から明らかになる。別段の定めがない限り、量についての記載は全て質量に関する。
【実施例0112】
本発明によるポリオルガノシロキサンの製造
【0113】
以下に、本発明によるポリオルガノシロキサンの合成法を選択された一例(“POS”)を用いて説明する。
【0114】
第1反応工程では、三つ口フラスコにおいて、テトラメチルジシロキサン7.63g(0.057モル)、ポリメチル水素シロキサン14.8g(0.006モル)及びオクタメチルシクロテトラシロキサン76.3g(0.26モル)をカルシウム型ベントナイト触媒(3%)の存在下で反応させてハイドロジェンジメチルポリシロキサン(Hydrogendimethylpolysiloxan)(M 18)を得る[即ち化合物中の全体で(平均で)24個のシロキサン単位のケイ素原子について(平均で)両末端基(M)と4つの側基(D)が夫々水素原子で置換され、後の官能化に利用可能である]。
【0115】
第2反応工程では、64.63g(0.038モル)のハイドロジェンジメチルポリシロキサンが提供され、80℃に加熱される。次いで、触媒(10ppmシュパイア(Speier)触媒)が添加され、8.38g(0.033モル)のα-オレフィン(鎖長C14~C22)がゆっくりと(穏やかに)添加される。反応は90℃で行われる。
【0116】
第3反応工程では、アリルグリシジルエーテル26.89g(0.236モル)が80℃でゆっくりと添加される。反応率は、赤外分光HSi測定によってモニタされる。HSiが最早検出されなくなると、反応は終了しており、余剰の成分の蒸留を行う。
【0117】
第4反応工程では、第3工程で生成した産物83.91g(0.034モル)が、触媒(トリエチルアミン又は1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン0.5%)及び阻害剤(ブチルヒドロキシトルエン0.2%)と共に80℃で加熱され、15.09g(0.175モル)のメタクリル酸がゆっくりと滴下される。その後に行われる反応は95℃で行われ、酸価についてモニタされる。
【0118】
POSは、二末端(基)かつ多側基の官能化された短いポリオルガノシロキサンである。
【0119】
化学物質
【0120】
以下の化学物質を使用した(表1)。
【0121】
表1 化学物質
【0122】
更に、以下のポリオルガノシロキサンが本発明に応じて使用される:
上記のように製造された変性ポリジメチルシロキサンPOS。
【0123】
試験法
【0124】
以下の試験法を使用した。
【0125】
ムーニー粘度:ISO 289-1 剪断ディスク粘度計を使用した加硫していないゴムの測定-パート1:ムーニー粘度の測定。
【0126】
ショアA硬度:DIN ISO 7619-1:2012-02 エラストマ又は熱可塑性エラストマ-押し込み硬度の測定-パート1:デュロメータ法(ショア硬度)。
【0127】
引張強度/応力値/破断伸び:DIN 53504 ゴム及びエラストマの試験-引張試験における引張強度、引張強度、破断伸び及び応力値。
【0128】
引裂抵抗(強度):DIN ISO 34-1 DIN エラストマ又は熱可塑性エラストマ-引裂抵抗の測定-パート1:トラウザ形、アングル形及びクレセント形の試験片。
【0129】
亀裂成長:DIN ISO 132 エラストマ又は熱可塑性エラストマ-亀裂生成及び亀裂成長の測定(デマチャ)。
【0130】
架橋:DIN 53529 パート2-ゴム及びエラストマの試験;加硫経過(特性)の測定及び架橋等温線の反応速度論的評価。
【0131】
ゴム組成物
【0132】
以下の成分を含有する以下のゴム組成物1~4を製造した。量についての記載は全て質量部である(表2)。
【0133】
表2-ゴム組成物の成分の量
【0134】
ゴム組成物1~4は以下に記載するようにして製造した。
【0135】
ゴム組成物1
【0136】
50質量部のカーボンブラック(Luvomaxx BC N-330)、5質量部の酸化亜鉛(Harzsiegel GR)、5質量部のStruktol 40 MS Flakes、6質量部のヒマシ油並びに100質量部のブチルゴム(Butyl RB 301)及び5質量部のクロロプレンゴム(Neoprene WRT)の混合物をラボ用インターナルミキサでアップサイドダウン混合法によって、開始温度80℃、70回転/分で、混合した。
【0137】
30秒後、ラム(Stempel)を持ち上げ、(付着物を)払い落し、180秒後に、混合物を排出した。
【0138】
24時間後、得られた組成物に、(ローラ式)混合機(ミル)(Walzwerk)により100℃で8質量部のオクチルフェノール架橋性樹脂(SP 1045)を導入した。全体で10分間混合した。
【0139】
ゴム組成物2
【0140】
50質量部のカーボンブラック(Luvomaxx BC N-330)、5質量部の酸化亜鉛(Harzsiegel GR)、5質量部のStruktol 40 MS Flakes、3質量部のヒマシ油及び3質量部のPOS並びに100質量部のブチルゴム(Butyl RB 301)及び5質量部のクロロプレンゴム(Neoprene WRT)の混合物をラボ用インターナルミキサでアップサイドダウン混合法によって、開始温度80℃、70回転/分で、混合した。
【0141】
30秒後、ラムを持ち上げ、(付着物を)払い落し、180秒後に、混合物を排出した。
【0142】
24時間後、得られた組成物に、(ローラ式)混合機(ミル)により100℃で8質量部のオクチルフェノール架橋性樹脂(SP 1045)を導入した。全体で10分間混合した。
【0143】
ゴム組成物3
【0144】
50質量部のカーボンブラック(Luvomaxx BC N-330)、5質量部の酸化亜鉛(Harzsiegel GR)、5質量部のStruktol 40 MS Flakes、6質量部のPOS並びに100質量部のブチルゴム(Butyl RB 301)及び5質量部のクロロプレンゴム(Neoprene WRT)の混合物をラボ用インターナルミキサでアップサイドダウン混合法によって、開始温度80℃、70回転/分で、混合した。
【0145】
30秒後、ラムを持ち上げ、(付着物を)払い落し、180秒後に、混合物を排出した。
【0146】
24時間後、得られた組成物に、(ローラ式)混合機(ミル)により100℃で8質量部のオクチルフェノール架橋性樹脂(SP 1045)を導入した。全体で10分間混合した。
【0147】
ゴム組成物4
【0148】
50質量部のカーボンブラック(Luvomaxx BC N-330)、5質量部の酸化亜鉛(Harzsiegel GR)、5質量部のStruktol 40 MS Flakes、6質量部のPOS並びに100質量部のブチルゴム(Butyl RB 301)及び5質量部のクロロプレンゴム(Neoprene WRT)の混合物をラボ用インターナルミキサでアップサイドダウン混合法によって、開始温度80℃、70回転/分で、混合した。
【0149】
30秒後、ラムを持ち上げ、(付着物を)払い落し、180秒後に、混合物を排出した。
【0150】
24時間後、得られた組成物に、(ローラ式)混合機(ミル)により100℃で10質量部のオクチルフェノール架橋性樹脂(SP 1045)を導入した。全体で10分間混合した。
【0151】
ゴム組成物1~4の架橋
【0152】
RPA2000装置を用いて、210℃での等温測定により、ゴム組成物1~4のトルクを架橋の評価基準(尺度)として測定した(表3)。
【0153】
表3-210℃での架橋 RPA2000
【0154】
ゴム組成物1~4の加硫
【0155】
ゴム組成物1~4から、夫々、2mm試験板及び6mm試験片を作製した。加硫のために、2mm試験板は210℃で13分間加硫し、6mm試験片は同じ条件で14分間加硫した。加硫化ゴム組成物1~4の以下の物性を測定した(表4)。
【0156】
表4-加硫化ゴム組成物1~4の物性
【0157】
加硫化ゴム組成物1~4は、更に、デマチャ耐屈曲試験で試験した(表5及び図1)。
【0158】
表5-加硫化ゴム組成物1~4のデマチャ耐屈曲試験
【0159】
加硫化ゴム組成物1~4の蒸気エージング
【0160】
加硫化ゴム組成物1~4について190℃で48時間蒸気エージングを行った。加硫化ゴム組成物1~4以下の物性を蒸気エージングに応じて測定した。更に、以下には、蒸気エージングによって引き起こされた関連物性の変化も示されている(表6)。
【0161】
表6-蒸気エージング(190℃、48時間)後の加硫化ゴム組成物1~4の物性及び蒸気エージングによる物性の対応する変化
【0162】
加硫化ゴム組成物1~4について、更に、蒸気エージング(190℃、48時間)後に、デマチャ耐屈曲試験を行った(表7及び図2)。
【0163】
表7-蒸気エージング(190℃、48時間)後の加硫化ゴム組成物1~4のデマチャ耐屈曲試験[%]
【0164】
測定データの評価
【0165】
ゴム組成物1は、従来技術を表し、対照(コントロール)として使用される。ゴム組成物2の3phrヒマシ油と組み合わせた3phr POS又はゴム組成物3の6phr POSの使用によって、バルカメータ曲線(Vulkameterkurve)は、使用されたPOSの量に応じて減少する。2phrだけより多くの架橋性樹脂SP1045の使用と組み合わせた6phr POSの使用によって、ゴム組成物4についてのバルカメータ曲線は、ゴム組成物1についてのものと同程度のレベルになる。
【0166】
オートクレーブでの蒸気エージング(190℃で48時間)後の結果を考察すると、同様の傾向がみられる。ここでは、加硫化ゴム組成物3の試験片は著しく膨張し、そのため、物性値を測定できなかったことに注意すべきである。その原因は、加硫化ゴム組成物3の架橋が過度に少ないことであり得る。
【0167】
(但し)加硫化ゴム組成物4は、大きくバランスされた物性プロファイルを有する。加硫化ゴム組成物4は、今や、デマチャ亀裂成長試験においてコントロール(ゴム組成物1)から大きく離れており、(従って)著しく改善された亀裂抵抗性を有することは、注目に値する。
【0168】
更に、ゴム組成物1は、加硫物のより不良な柔軟性(フレキシビリティ)を示す。このことは、ショア硬度、引張強度及びモジュラスの著しい増大によって明らかにされている。
【0169】
3phrのヒマシ油と組み合わせた3phrだけのPOSの使用(ゴム組成物2)は、同様に、耐屈曲試験(デマチャ試験)において良好な結果をもたらす。
【0170】
ここに本発明の可能な態様を付記する。
[付記1]ゴム組成物中における可塑剤としての1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンの使用。
ゴムは、1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されている;
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含む。
[付記2]上記の使用において、
は15個までの炭素原子を含む;
はとりわけ15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)である;
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖中に好ましくは少なくとも1つの酸素原子を含みかつ好ましくは少なくとも1つの水酸基で置換されている炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されている。
[付記3]上記の、とりわけ付記1又は2に記載の使用において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有する;
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有する。
[付記4]上記の、とりわけ付記1又は2に記載の使用において、
ゴムは、ブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチロールの臭素化コポリマ又はこれらの混合物を含むこと、及び、クロロプレンゴムは、架橋助剤として使用可能である。
[付記5]上記の、とりわけ付記1~4の何れかに記載の使用において、
ポリオルガノシロキサンを含むゴム組成物は、ポリオルガノシロキサンではない1つ以上の更なる可塑剤を、ゴム(混合物)100質量部当たり5質量部未満の量で含む。
[付記6]上記の、とりわけ付記5に記載の使用において、
ポリオルガノシロキサンとは異なる更なる可塑剤は、ヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂を含むこと、好ましくはヒマシ油を含むこと、とりわけヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂であること、好ましくはヒマシ油である。
[付記7]上記の、とりわけ付記1~3の何れかに記載の使用において、
ゴム組成物は、変性ポリオルガノシロキサンの他には、更なる可塑剤を含まない。
[付記8]上記の、とりわけ付記1~7の何れかに記載の使用において、
ゴム組成物は、タイヤ製造のためのブラダ(Bladder)の製造に適する更なる添加剤及び成分を含む。
[付記9]上記の、とりわけ付記1~8の何れかに記載の使用において、
ゴム組成物は、加硫後、タイヤ製造の際のブラダとしての使用に適する。
[付記10]上記の、とりわけ付記7又は8に記載の使用において、
ゴム組成物は、更なる成分として、充填材、樹脂架橋のための触媒、及び場合により更なる混和剤(Zuschlagstoffe)、とりわけ均質化剤(Homogenisatoren)を含む。
[付記11]上記の、とりわけ付記1~9の何れかに記載の使用において、
架橋性樹脂は場合によりハロゲン化したホルムアルデヒド-アルキルフェノール樹脂である;
アルキル基はとりわけC~C10アルキルである。
[付記12]上記の、とりわけ付記1~11の何れかに記載の使用において、
ゴム組成物中のポリオルガノシロキサンの量は、ゴム(混合物)100質量部当たり3~8質量部である;
とりわけ、ゴム組成物は、ゴム(混合物)100質量部当たり2質量部~12質量部の濃度で架橋性樹脂を含む。
[付記13]上記の、とりわけ付記1~12の何れかに記載の使用において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は10~100、好ましくは15~70、とりわけ20~50である。
[付記14]上記の、とりわけ付記1~13の何れかに記載の使用において、
デマチャ(De Mattia)による亀裂成長によって決定されるような、前記ゴム組成物から製造されたタイヤ製造のためのブラダの寿命は、可塑剤としてヒマシ油を(同じ濃度で)用い、その他の点では同じ加硫混合物の組成及び処理によって製造されるタイヤ製造のためのブラダと比べて、1.2倍超だけ延長される。
[付記15]上記の、とりわけ付記1~14の何れかに記載の使用において、
以下の物性:Δトルク(Delta Torque)、モジュラス(Modul)、圧縮永久歪み(Druckverformungsrest)の1つ以上は、相応の量のヒマシ油を可塑剤として含むゴム組成物と比べて、不利に変化されない。
[付記16]タイヤ製造のためのブラダの製造方法。
1つ以上の変性ポリオルガノシロキサン、架橋のための1つ以上の架橋性樹脂及び場合により更なる通常の添加剤を含むゴム組成物が、該架橋性樹脂によって加硫されること、
該変性ポリオルガノシロキサンと該ゴム組成物は、本発明のもの、とりわけ付記1~14の何れかにおいて規定されたものである。
[付記17]架橋性樹脂によって加硫可能なゴム組成物を含む、タイヤ製造のためのブラダ。
該ゴム組成物は、変性ポリオルガノシロキサンを含み、かつ、該架橋性樹脂によって加硫されている;
該変性ポリオルガノシロキサンと該ゴム組成物は、付記1~14の何れかにおいて規定されたものである。
[付記1’]ゴム組成物を可塑化する方法。
前記方法は、前記ゴム組成物へ1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを当該ゴム組成物の可塑化剤として添加することを含む;
ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されている;
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含む。
[付記2’]付記1’に記載の方法において、
は15個までの炭素原子を含む。
[付記3’]付記2’に記載の方法において、
は15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)である;
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されている。
[付記4’]付記3’に記載の方法において、
前記炭化水素鎖は、該炭化水素鎖中に少なくとも1つの酸素原子を含む。
[付記5’]付記4’に記載の方法において、
前記炭化水素鎖は、少なくとも1つの水酸基で置換されている。
[付記6’]付記1’~5’の何れかに記載の方法において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有する;
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有する。
[付記7’]付記1’~6’の何れかに記載の方法において、
ゴムは、ブチルゴム、イソブチレンとp-メチルスチロールの臭素化コポリマ又はこれらの混合物を含むこと、及び、前記ゴム組成物はクロロプレンゴムを架橋助剤として含む。
[付記8’]付記1’~7’の何れかに記載の方法において、
前記ゴム組成物に、ポリオルガノシロキサンではない1つ以上の更なる可塑剤を、ゴム(混合物)100質量部当たり0質量部超かつ5質量部未満の量で添加する。
[付記9’]付記8’に記載の方法において、
前記更なる可塑剤として、ヒマシ油及び/又は炭化水素樹脂を添加する。
[付記10’]付記1’~7’の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物には、可塑化剤として、変性ポリオルガノシロキサンのみを添加する。
[付記11’]付記1’~10’の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物は、タイヤ製造のためのブラダ(Bladder)の製造に適する更なる添加剤及び成分を含む。
[付記12’]付記1’~11’の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物は、タイヤ製造の際のブラダとしての使用のために加硫される。
[付記13’]付記11’又は12’に記載の方法において、
ゴム組成物は、更なる成分として、充填材、及び樹脂架橋のための触媒を含む。
[付記14’]付記13’に記載の方法において、
ゴム組成物は、均質化剤(Homogenisatoren)を含む。
[付記15’]付記1’~14’の何れかに記載の方法において、
架橋性樹脂はハロゲン化したホルムアルデヒド-アルキルフェノール樹脂である。
[付記16’]付記15’に記載の方法において、
アルキル基はC~C10アルキルである。
[付記17’]付記1’~16’の何れかに記載の方法において、
ゴム組成物中のポリオルガノシロキサンの量は、ゴム(混合物)100質量部当たり3~8質量部である。
[付記18’]付記17’に記載の方法において、
ゴム組成物は、ゴム(混合物)100質量部当たり2質量部~12質量部の濃度で架橋性樹脂を含む。
[付記19’]付記1’~18’の何れかに記載の方法において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は10~100である。
[付記20’]付記19’に記載の方法において、
本発明のポリオルガノシロキサンのシロキサン単位の総数は15~70又は20~50である。
[付記21’]付記1’~20’の何れかに記載の方法において、
デマチャ(De Mattia)による亀裂成長によって決定されるような、前記ゴム組成物から製造されたタイヤ製造のためのブラダの寿命は、可塑剤としてヒマシ油を(同じ濃度で)用い、その他の点では同じ加硫混合物の組成及び処理によって製造されるタイヤ製造のためのブラダと比べて、1.2倍超だけ延長される。
[付記22’]付記1’~21’の何れかに記載の方法において、
以下の物性:Δトルク(Delta Torque)、モジュラス(Modul)、圧縮永久歪み(Druckverformungsrest)の1つ以上は、相応の量のヒマシ油を可塑剤として含むゴム組成物と比べて、不利に変化されない。
[付記23’]ゴム組成物を可塑化するための可塑化剤。
前記可塑化剤は、1つ以上の変性ポリオルガノシロキサンを含む;
ゴムは1つ以上の架橋性樹脂によって加硫されている;
ポリオルガノシロキサンは、3つ以上のシロキサン単位と、1つ以上の炭素-炭素多重結合及び少なくとも4つの炭素原子を有する1つ以上の有機部分Rとを含む。
[付記24’]付記23’に記載の可塑化剤において、
は15個までの炭素原子を含む。
[付記25’]付記24’に記載の可塑化剤において、
は15個までの炭素原子を有する一価の不飽和アシルオキシ基(即ちRCOO-タイプの基)である;
アシル基は、末端において置換又は非置換の二重結合を有し、及び、炭化水素鎖を介してポリオルガノシロキサンの主鎖のケイ素原子に結合されている。
[付記26’]付記25’に記載の可塑化剤において、
前記炭化水素鎖は、該炭化水素鎖中に少なくとも1つの酸素原子を含む。
[付記27’]付記26’に記載の可塑化剤において、
前記炭化水素鎖は、少なくとも1つの水酸基で置換されている。
[付記28’]付記23’~27’の何れかに記載の可塑化剤において、
変性ポリオルガノシロキサンは、2つ以上の有機部分R及び/又は付加的に1つ以上のより長いアルキル基Rを有する;
は、5~50個の炭素原子の鎖長を有する。
図1
図2