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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019408
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20250131BHJP
【FI】
B65B51/10 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123009
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000236964
【氏名又は名称】富士インパルス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 和也
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA12
3E094CA07
3E094DA06
3E094EA06
3E094GA01
3E094GA03
3E094GA12
(57)【要約】
【課題】 一対の挟み部で対象物を挟んだ状態を保持することができるシール装置を提供する。
【解決手段】 シール装置は、対象物を上下から挟んでシールする下挟み部及び上挟み部と、下挟み部及び上挟み部を、互いに離れた開位置と、下挟み部を下方へ移動させることにより互いに接近して対象物を挟む閉位置と、に移動させる移動機構と、を備え、移動機構は、下挟み部及び上挟み部を閉位置で保持可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を上下から挟んでシールする下挟み部及び上挟み部と、
前記下挟み部及び前記上挟み部を、互いに離れた開位置と、前記下挟み部を下方へ移動させることにより互いに接近して前記対象物を挟む閉位置と、に移動させる移動機構と、を備え、
前記移動機構は、前記下挟み部及び前記上挟み部を前記閉位置で保持可能である、シール装置。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記下挟み部が前端に固定され、前後方向に延びる第1リンクと、
前記上挟み部が前端に取り付けられ、前後方向に延びる第2リンクと、
前記第2リンクの前端と前記上挟み部の間に配置され、前記上挟み部を前記第2リンクに対して下方へ付勢する第1スプリングと、
前記第1リンク及び前記第2リンクの後端を上下方向に回動可能に固定する固定軸と、
前記第2リンクの中途部に第1回動軸を介して下端が回動可能に連結され、上下方向に延びる第3リンクと、
前記第3リンクの上端に第2回動軸を介して上端が回動可能に連結され、且つ前記第1リンクの中途部に第3回動軸を介して中途部が回動可能に連結され、上下方向に延びる第4リンクと、
前記第4リンクのうち前記第3回動軸より上部に上端が連結され、前記第4リンクを後ろ斜め下方へ向かって付勢する第2スプリングと、を備え、
前記開位置において、前記第1回動軸は、前記第2回動軸と前記第3回動軸を含む平面より前側に位置し、
前記閉位置において、前記第1回動軸は、前記第2回動軸と前記第3回動軸を含む平面上又は当該平面よりも後側に位置する、請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記閉位置において、前記第4リンクの下端が上方に移動することを規制する規制部を備える、請求項2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記移動機構は、前記第2スプリングの下端の固定高さを変更することにより、前記下挟み部及び前記上挟み部を前記閉位置で保持する又は保持しないを切り替える切替機構を備える、請求項2又は3に記載のシール装置。
【請求項5】
前記切替機構は、前記第2スプリングの下端を、第1高さと、前記第1高さよりも高い第2高さとの間で移動させ、且つ前記第1高さ又は前記第2高さに固定する、請求項4に記載のシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物を上下から挟んでシールする一対の押圧接触部(以下、一対の挟み部ともいう)を備えるシール装置が知られている(例えば、下記特許文献1)。
【0003】
特許文献1に係るシール装置は、下側の挟み部に連結されたテーブルを下方に移動することにより、一対の挟み部が対象物を挟み込むとともに、対象物を熱融着することでシールする。
【0004】
しかしながら、一対の挟み部で対象物を挟んだ状態を保持する機構がないため、熱融着が完了するまでテーブルを手で押さえ続ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-99940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一対の挟み部で対象物を挟んだ状態を保持することができるシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシール装置は、対象物を上下から挟んでシールする下挟み部及び上挟み部と、
前記下挟み部及び前記上挟み部を、互いに離れた開位置と、前記下挟み部を下方へ移動させることにより互いに接近して前記対象物を挟む閉位置と、に移動させる移動機構と、を備え、
前記移動機構は、前記下挟み部及び前記上挟み部を前記閉位置で保持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るシール装置の全体構成を示す斜視図
図2】本実施形態に係るシール装置の内部構成を示す斜視図
図3】本実施形態に係るシール装置の縦断面図
図4】本実施形態に係るシール装置の縦断面図
図5】本実施形態に係るシール装置の内部構成を示す側面図
図6】本実施形態に係るシール装置の内部構成を示す斜視図
図7】他の実施形態に係るシール装置の内部構成を示す側面図
図8】他の実施形態に係るシール装置の内部構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、シール装置における一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0010】
図1はシール装置1の全体構成を示す斜視図である。図2はシール装置1の内部構成を示す斜視図である。図3はシール装置1の縦断面図である。
【0011】
シール装置1は、矩形板状の基台1aと、基台1aの上部に設けられる本体1bと、を備えている。本体1bは、カバー1cを備えている。図2はカバー1cを外した状態であり、本体1bは、基台1aの上面に固定される断面U字状のブラケット1dを備えている。
【0012】
本体1bは、対象物を挟んでシールする一対の挟み部2,3を備えている。対象物としては、例えばポリエチレン等の合成樹脂製の包装袋の開口部である。一対の挟み部2,3は、対向する下挟み部2と上挟み部3を備えている。下挟み部2には、対象物が載置されるテーブル2tが連結されている。
【0013】
以下の説明においては、図1図3に示すように、一対の挟み部2,3が対向する方向を上下方向、一対の挟み部2,3が延びる方向を左右方向、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向とする。また、一対の挟み部2,3を基準として、テーブル2tが配置される側を前側、反対側を後側とする。
【0014】
下挟み部2は、図3に示すように、その上部に線状ヒーター2aを内蔵しており、その表面部はフッ素樹脂シートにより被覆されている。なお、シール装置1は、図2に示すように、線状ヒーター2aに対する通電を制御する制御装置1eを備えている。上挟み部3は、例えばシリコンゴムで形成されている。
【0015】
下挟み部2と上挟み部3は、図3に示す互いに離れた開位置と、図4に示す互いに接近して対象物を挟む閉位置との間を移動する。本体1bは、下挟み部2及び上挟み部3を開位置と閉位置とに移動させる移動機構4を備えている。
【0016】
移動機構4は、第1リンク41、第2リンク42、第3リンク43、第4リンク44の4つのリンクからなるリンク機構を備えている。
【0017】
第1リンク41は、前後方向に延びている。第1リンク41は、左右一対のアーム部材41aを備えている。アーム部材41aの後端は、ブラケット1dに設けられた固定軸45に上下方向に回動可能に固定されている。アーム部材41aの前端には、下挟み部2が固定されている。
【0018】
第2リンク42は、前後方向に延びている。第2リンク42は、略T字状に形成されている。第2リンク42の後端は、ブラケット1dに設けられた固定軸45に上下方向に回動可能に固定されている。第2リンク42の前端には、上挟み部3が取り付けられている。
【0019】
上挟み部3は、第2リンク42に対して上下方向にスライド自在に取り付けられている。第2リンク42の前端と上挟み部3との間には、第1スプリング46が配置されており、上挟み部3は、第2リンク42に対して下方向に付勢されている。
【0020】
第3リンク43は、上下方向に延びている。第3リンク43は、左右方向に延びる第1回動軸43aと、左右方向に延びる第2回動軸43bと、第1回動軸43aと第2回動軸43bを連結するボルト43cと、を備えている。第1回動軸43aは、第2リンク42の中途部に回動可能に連結されている。また、第2回動軸43bは、第4リンク44の上端に回動可能に連結されている。
【0021】
第4リンク44は、上下方向に延びている。第4リンク44は、左右一対のくの字状のリンク部材44aと、左右一対のリンク部材44aを連結する第3回動軸44bと、を備えている。第3回動軸44bは、第1リンク41の中途部に回動可能に連結されている。第4リンク44の上端は、第3リンク43の上端に回動可能に連結されている。第4リンク44は、リンク部材44aの下端に回転可能に固定されるローラ44cを備えている。これにより、第4リンク44の下端は、基台1aの上面に沿って前後方向に移動することができる。
【0022】
移動機構4は、第4リンク44に上端が連結され、第4リンク44を後ろ斜め下方へ向かって付勢する第2スプリング47を備えている。第2スプリング47の下端は、ブラケット1dに連結されている。
【0023】
また、移動機構4は、第4リンク44の上端と第2リンク42の後部との間に設けられるエアダンパ48を備えている。エアダンパ48は、開位置と閉位置の間を移動させる際の衝撃を吸収する。
【0024】
また、移動機構4は、閉位置において、第4リンク44の下端が上方に移動することを規制する規制部49を備えている。規制部49は、側面視で略Z字状に形成された部材であり、基台1aの上面に固定されている。規制部49は、ローラ44cの上端に当接してローラ44cが上方へ移動することを規制する。
【0025】
以上のように、移動機構4は、下挟み部2が前端に固定される第1リンク41と、上挟み部3が前端に取り付けられる第2リンク42と、第2リンク42の前端と上挟み部3の間に配置される第1スプリング46と、第1リンク41及び第2リンク42の後端を上下方向に回動可能に固定する固定軸45と、第2リンク42の中途部に第1回動軸43aを介して下端が回動可能に連結される第3リンク43と、第3リンク43の上端に第2回動軸43bを介して上端が回動可能に連結され、且つ第1リンク41の中途部に第3回動軸44bを介して中途部が回動可能に連結される第4リンク44と、第4リンク44のうち第3回動軸44bより上部に上端が連結され、第4リンク44を後ろ斜め下方へ向かって付勢する第2スプリング47と、を備えている。
【0026】
図3に示す開位置において、第1回動軸43aは、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面Pよりも前側に位置している。なお、本明細書において、「第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面P」とは、第2回動軸43bの軸中心と第3回動軸44bの軸中心を含む平面であり、「第1回動軸43aが、平面Pよりも前側(又は後側)に位置する」とは、第1回動軸43aの軸中心が、平面Pよりも前側(又は後側)に位置することを意味する。第1回動軸43aが、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面Pよりも前側に位置するとき、下挟み部2及び上挟み部3は、第2スプリング47によって互いに離れる方向に付勢され、開位置に保持される。
【0027】
開位置から下挟み部2を押し下げていくと、下挟み部2と上挟み部3は、第1~第4リンク41~44からなるリンク機構によって、図4に示す閉位置へ移動する。閉位置において、第1回動軸43aは、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面P上又は平面Pよりも後側に位置する。図4に示す例では、第1回動軸43aは、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面P上に位置している。第1回動軸43aが、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面P上又は平面Pよりも後側に位置するとき、下挟み部2及び上挟み部3は、第2スプリング47の付勢力に抗して、閉位置に保持される。閉位置から下挟み部2を持ち上げていくと、閉位置での保持は解除され、その後、下挟み部2と上挟み部3は、第2スプリング47の付勢力によって、図3に示す開位置へ移動する。
【0028】
移動機構4は、好ましくは、第2スプリング47の下端の固定高さを変更することにより、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持する又は保持しないを切り替える切替機構5を備える。図5は切替機構5を備えるシール装置1の側面図、図6は切替機構5を備えるシール装置1の斜視図である。
【0029】
切替機構5は、つまみ部51と、つまみ部51を案内するガイド穴52と、を備えている。第2スプリング47は、上端が第4リンク44の側面に突設されたねじ44dに係止され、下端がつまみ部51に係止される。
【0030】
ガイド穴52は、ブラケット1dに形成されている。ガイド穴52は、円弧状に形成されている。つまみ部51は、ガイド穴52の幅よりも細くなった首部を有しており、この首部がガイド穴52によって案内される。
【0031】
ガイド穴52の両端部52a,52bは、前側へ向かって切り欠かれている。これにより、つまみ部51は、第2スプリング47の付勢力によって両端部52a,52bに係止される。
【0032】
つまみ部51が、ガイド穴52の第1端部52aに係止されるとき、すなわち、第2スプリング47の下端が、ガイド穴52の第1端部52aの高さに固定されるとき、移動機構4は、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持することができる。
【0033】
一方、つまみ部51が、ガイド穴52の第2端部52bに係止されるとき、すなわち、第2スプリング47の下端が、ガイド穴52の第2端部52bの高さに固定されるとき(第2スプリング47が図5に二点鎖線で示す位置にあるとき)、第2スプリング47が第4リンク44を後方へ向かって付勢する力が大きくなるため、移動機構4は、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持することができない。
【0034】
よって、切替機構5は、第2スプリング47の下端を、第1端部52aの高さ又は第2端部52bの高さに移動させて固定することにより、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持する又は保持しないを切り替えることができる。
【0035】
[1]
以上より、シール装置1は、対象物を上下から挟んでシールする下挟み部2及び上挟み部3と、前記下挟み部2及び前記上挟み部3を、互いに離れた開位置と、前記下挟み部2を下方へ移動させることにより互いに接近して前記対象物を挟む閉位置と、に移動させる移動機構4と、を備え、前記移動機構4は、前記下挟み部2及び前記上挟み部3を前記閉位置で保持可能である。
【0036】
斯かる構成によれば、移動機構4によって下挟み部2及び上挟み部3を互いに接近して対象物を挟む閉位置に保持することができるため、一対の挟み部2,3で対象物を挟んだ状態を保持することができる。
【0037】
[2]
また、上記[1]のシール装置1においては、前記移動機構4は、前記下挟み部2が前端に固定され、前後方向に延びる第1リンク41と、前記上挟み部3が前端に取り付けられ、前後方向に延びる第2リンク42と、前記第2リンク42の前端と前記上挟み部3の間に配置され、前記上挟み部3を前記第2リンク42に対して下方へ付勢する第1スプリング46と、前記第1リンク41及び前記第2リンク42の後端を上下方向に回動可能に固定する固定軸45と、前記第2リンク42の中途部に第1回動軸43aを介して下端が回動可能に連結され、上下方向に延びる第3リンク43と、前記第3リンク43の上端に第2回動軸43bを介して上端が回動可能に連結され、且つ前記第1リンク41の中途部に第3回動軸44bを介して中途部が回動可能に連結され、上下方向に延びる第4リンク44と、前記第4リンク44のうち前記第3回動軸44bより上部に上端が連結され、前記第4リンク44を後ろ斜め下方へ向かって付勢する第2スプリング47と、を備え、前記開位置において、前記第1回動軸43aは、前記第2回動軸43bと前記第3回動軸44bを含む平面Pより前側に位置し、前記閉位置において、前記第1回動軸43aは、前記第2回動軸43bと前記第3回動軸44bを含む平面P上又は当該平面Pよりも後側に位置する、という構成が好ましい。
【0038】
斯かる構成によれば、下挟み部2を押し下げる動作に伴って、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置に容易に保持することができる。
【0039】
[3]
また、上記[2]のシール装置1においては、前記移動機構4は、前記閉位置において、前記第4リンク44の下端(本実施形態においては、ローラ44c)が上方に移動することを規制する規制部49を備える、という構成が好ましい。
【0040】
斯かる構成によれば、閉位置へ移動させる際、第4リンク44の下端が上方へ回動しすぎて、第4リンク44が前方へ倒れ込むことを防止することができる。
【0041】
[4]
また、上記[2]又は[3]のシール装置1においては、前記移動機構4は、前記第2スプリング47の下端の固定高さを変更することにより、前記下挟み部2及び前記上挟み部3を前記閉位置で保持する又は保持しないを切り替える切替機構5を備える、という構成が好ましい。
【0042】
斯かる構成によれば、ユーザは下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持する又は保持しないを選択することができる。
【0043】
[5]
また、上記[4]のシール装置1においては、前記切替機構5は、前記第2スプリング47の下端を、第1高さ(本実施形態においては、ガイド穴52の第1端部52aの高さ)と、前記第1高さよりも高い第2高さ(本実施形態においては、ガイド穴52の第2端部52bの高さ)との間で移動させ、且つ前記第1高さ又は前記第2高さに固定する、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持する又は保持しないを容易に切り替えることができる。
【0045】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0047】
上記実施形態に係るシール装置1においては、移動機構4は、下挟み部2が前端に固定され、前後方向に延びる第1リンク41と、上挟み部3が前端に取り付けられ、前後方向に延びる第2リンク42と、第2リンク42の前端と上挟み部3の間に配置され、上挟み部3を第2リンク42に対して下方へ付勢する第1スプリング46と、第1リンク41及び第2リンク42の後端を上下方向に回動可能に固定する固定軸45と、第2リンク42の中途部に第1回動軸43aを介して下端が回動可能に連結され、上下方向に延びる第3リンク43と、第3リンク43の上端に第2回動軸43bを介して上端が回動可能に連結され、且つ第1リンク41の中途部に第3回動軸44bを介して中途部が回動可能に連結され、上下方向に延びる第4リンク44と、前記第4リンク44のうち第3回動軸44bより上部に上端が連結され、第4リンク44を後ろ斜め下方へ向かって付勢する第2スプリング47と、を備え、開位置において、第1回動軸43aは、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面Pより前側に位置し、閉位置において、第1回動軸43aは、第2回動軸43bと第3回動軸44bを含む平面P上又は当該平面Pよりも後側に位置する、という構成である。すなわち、移動機構4は、4つのリンク41~44からならリンク機構によって下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持している。しかしながら、シール装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、移動機構4は、下挟み部2が前端に固定され、前後方向に延びる第1リンク41と、上挟み部3が前端に取り付けられ、前後方向に延びる第2リンク42と、上挟み部3を第2リンク42に対して下方へ付勢する第1スプリング46と、第2リンク42を上下方向に回動させるモータ(不図示)と、モータを制御する制御装置1eと、を備え、モータが第2リンク42を閉位置となる所定角度で停止させることで、下挟み部2及び上挟み部3を閉位置で保持する、という構成でもよい。また、移動機構4は、第1リンク41が閉位置に移動したことを検知する不図示のセンサと、このセンサの検知信号に基づいて第1リンク41を固定する固定機構と、を備える、という構成でもよい。
【0048】
上記実施形態に係るシール装置1においては、切替機構5は、第2スプリング47の下端が係止されるつまみ部51と、つまみ部51を上下方向に案内するガイド穴52と、を備える、という構成である。しかしながら、シール装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、切替機構5は、第2スプリング47の下端が係止される、上下方向に離れて配置される複数の係止部(例えば、ブラケット1dの側面から突出する係止突起、又はブラケット1dの側面に形成された係止穴等)を備える、という構成でもよい。
【0049】
また、切替機構5は、例えば、図7及び図8に示すように、第2スプリング47の下端が係止されるつまみ部51と、つまみ部51を上下方向に回動させるレバー53と、を備える、という構成でもよい。このとき、ブラケット1dには、上下方向に離れて2つの貫通穴54が形成されており、つまみ部51を回動させて、つまみ部51の先端を何れかの貫通穴54に差し込むことで、第2スプリング47の下端の固定高さを変更することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…シール装置、1a…基台、1b…本体、1c…カバー、1d…ブラケット、1e…制御装置、2…下挟み部、2a…線状ヒーター、2t…テーブル、3…上挟み部、4…移動機構、5…切替機構、41…第1リンク、41a…アーム部材、42…第2リンク、43…第3リンク、43a…第1回動軸、43b…第2回動軸、43c…ボルト、44…第4リンク、44a…リンク部材、44b…第3回動軸、44c…ローラ、44d…ねじ、45…固定軸、46…第1スプリング、47…第2スプリング、48…エアダンパ、49…規制部、51…つまみ部、52…ガイド穴、52a…第1端部、52b…第2端部、53…レバー、54…貫通穴、P…平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8