(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019644
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】水性化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20250131BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20250131BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20250131BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/34
A61K8/86
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123363
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(72)【発明者】
【氏名】森下 彰子
(72)【発明者】
【氏名】岩本 瑞生
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AB032
4C083AB172
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC662
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD152
4C083AD282
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD452
4C083AD532
4C083BB04
4C083BB21
4C083BB36
4C083CC04
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】本発明は、ナイアシンアミドを高配合量で含みながら、塗布時のなじみが良好であり、なおかつ、塗布後のべたつき及び白浮きが抑制された水性化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の水性化粧料は、成分A:ナイアシンアミド、成分B:多価アルコール、成分C:ノニオン性界面活性剤、成分D:エタノール、及び成分E:水を含有し、成分Aの含有量が2.0~8.0質量%、成分Bの含有量が3.0~20.0質量%、成分Cの含有量が0.1~1.0質量%、成分Dの含有量が2.0~30.0質量%、成分Eの含有量が30.0~92.9質量%である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D、及び下記成分Eを含有し、
前記成分Aの含有量が2.0~8.0質量%であり、
前記成分Bの含有量が3.0~20.0質量%であり、
前記成分Cの含有量が0.1~1.0質量%であり、
前記成分Dの含有量が2.0~30.0質量%であり、
前記成分Eの含有量が30.0~92.9質量%である水性化粧料。
成分A:ナイアシンアミド
成分B:多価アルコール
成分C:ノニオン性界面活性剤
成分D:エタノール
成分E:水
【請求項2】
さらに、下記成分Fを含有し、前記成分Fの含有量が0.5~15.0質量%である請求項1に記載の水性化粧料。
成分F:粉体
【請求項3】
さらに、下記成分Gを含有し、前記成分Gの含有量が0.01~2.0質量%である請求項1または2に記載の水性化粧料。
成分G:水溶性高分子
【請求項4】
油性成分を含まないか、又は、油性成分の含有量が2.0質量%以下である請求項1または2に記載の水性化粧料。
【請求項5】
液状又はジェル状である、請求項1または2に記載の水性化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、しわ改善、しみ予防、美白等の目的で、ナイアシンアミドを含有する皮膚化粧料が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記皮膚化粧料の中でも、油性成分が少量配合又は無配合の水性化粧料においては、ナイアシンアミドの配合量を増やすと、化粧料の皮膚への塗布時のなじみが低下したり、化粧料の塗布後(即ち、化粧料が皮膚になじんだ後)にべたつきが感じられたりした。このような皮膚化粧料は、特に、皮膚化粧料の使用経験や使用頻度の少ない使用者に好まれない傾向にあり、課題であった。さらに、塗布後に、化粧料が肌上に白く析出する、所謂「白浮き」が生じやすく、課題であった。
【0005】
本発明の目的は、ナイアシンアミドを高配合量で含みながら、塗布時のなじみが良好であり、なおかつ、塗布後のべたつき及び白浮きが抑制された水性化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、下記成分(D)、及び下記成分(E)を含有し、成分(A)の含有量が2.0~8.0質量%であり、成分(B)の含有量が3.0~20.0質量%であり、成分(C)の含有量が0.1~1.0質量%であり、成分(D)の含有量が2.0~30.0質量%であり、成分(E)の含有量が30.0~92.9質量%である水性化粧料を提供する。
成分(A):ナイアシンアミド
成分(B):多価アルコール
成分(C):ノニオン性界面活性剤
成分(D):エタノール
成分(E):水
【0007】
上記水性化粧料は、さらに、下記成分(F)を含有し、成分(F)の含有量が0.5~15.0質量%であることが好ましい。
成分(F):粉体
【0008】
上記水性化粧料は、さらに、下記成分(G)を含有し、成分(G)の含有量が0.01~2.0質量%であることが好ましい。
成分(G):水溶性高分子
【0009】
上記水性化粧料は、油性成分を含まないか、又は、油性成分の含有量が2.0質量%以下であることが好ましい。
【0010】
上記水性化粧料は、液状又はジェル状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水性化粧料は、ナイアシンアミドを高配合量で含みながら、塗布時のなじみが良好であり、なおかつ、塗布後のべたつき及び白浮きが抑制されている。なお、「塗布時のなじみ」とは、化粧料を肌に塗布している間に、化粧料が肌に浸透して肌上でなくなったように感じられることを意味する。また、「白浮き」とは、化粧料の塗布、乾燥後に、化粧料が肌上に析出し白く見える現象を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の水性化粧料は、ナイアシンアミド、多価アルコール、ノニオン性界面活性剤、エタノール、及び水を少なくとも含む。本発明の水性化粧料は、粉体を含むことが好ましい。本発明の水性化粧料は、水溶性高分子を含むことが好ましい。
【0014】
なお、本明細書においては、上記「ナイアシンアミド」を「成分(A)」;上記「多価アルコール」を「成分(B)」;上記「ノニオン性界面活性剤」を「成分(C)」;上記「エタノール」を「成分(D)」;上記「水」を「成分(E)」;上記「粉体」を「成分(F)」;上記「水溶性高分子」を「成分(G)」とそれぞれ称する場合がある。
【0015】
本発明の水性化粧料は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)を含む。本発明の水性化粧料は、成分(F)を含むことが好ましい。本発明の水性化粧料は、成分(G)を含むことが好ましい。本発明の水性化粧料は、上記成分(A)~成分(G)以外の成分(その他の成分)を含んでもよい。また、本発明の水性化粧料に含まれる成分(例えば、成分(A)~成分(G)やその他の成分)は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0016】
[成分(A):ナイアシンアミド]
成分(A)は、ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)である。成分(A)は、例えば、INCI名で「Niacinamide」と表記される化合物である。成分(A)は、しわ改善、しみ予防、美白等の有効成分である。成分(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0017】
本発明の水性化粧料中の成分(A)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、2.0質量%以上、好ましくは3.0質量%以上であり、8.0質量%以下、好ましくは6.0質量%以下である。上記含有量が2.0質量%以上であることにより、しわ改善、しみ予防、美白の効果を充分に発揮することができる。上記含有量が8.0質量%以下であることにより、塗布時のなじみを良好とでき、なおかつ、塗布後のべたつき及び白浮きを抑制しうる。上記成分(A)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(A)の含有量の合計である。
【0018】
[成分(B):多価アルコール]
成分(B)は、多価アルコールである。成分(B)は、塗布後のべたつき抑制及び白浮き抑制の効果を発揮する。成分(B)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオールなどのグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン類;キシリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール(エリトリトール)、アラビトール、リビトール、ガラクチトール、グルシトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。中でも、塗布後のべたつき及び白浮きをより一層抑制する観点から、成分(B)は、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールからなる群より選ばれる多価アルコール(少なくとも1の多価アルコール)を含むことが好ましい。本明細書では、上記「グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びジプロピレングリコールからなる群より選ばれる多価アルコール」を「成分(B1)」と称する場合がある。すなわち、成分(B)は、成分(B1)を含むことが好ましい。成分(B)及び成分(B1)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0019】
本発明の水性化粧料中の成分(B)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、3.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以上であり、20.0質量%以下、好ましくは15.0質量%以下である。上記含有量が3.0質量%以上であることにより、塗布後のべたつき及び白浮きが十分に抑制される。上記含有量が20.0質量%以下であることにより、塗布後のべたつきが十分に抑制される。上記成分(B)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(B)の含有量の合計である。
【0020】
本発明の水性化粧料中の成分(B1)の含有量は、特に限定されないが、本発明の水性化粧料100質量%に対して、塗布後のべたつき及び白浮きをより一層抑制する観点から、3.0質量%以上が好ましく、より好ましくは5.0質量%以上であり、塗布後のべたつきの抑制の観点から、20.0質量%以下、好ましくは15.0質量%以下である。上記成分(B1)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(B1)の含有量の合計である。
【0021】
[成分(C):ノニオン性界面活性剤]
成分(C)は、ノニオン性界面活性剤である。成分(C)は、塗布後の白浮き抑制の効果を発揮する。成分(C)としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。上記の中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。成分(C)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0022】
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油におけるオキシエチレン(エチレンオキシド:EO)の平均付加モル数は、好ましくは5~120、より好ましくは20~100、さらに好ましくは40~60である。
【0023】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルとしては、例えば、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-6デシルテトラデセス-30等が挙げられる。
【0024】
上記モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0025】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸モノエステル;ジオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸ジエステル;トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸トリエステル;ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸ペンタエステルなどが挙げられる。
【0026】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるポリグリセリンの平均重合度は、乳化安定性を高める観点から、好ましくは2~10である。
【0027】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、乳化安定性を高める観点から、炭素数が8~24の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が10~20の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が12~18の脂肪酸である。
【0028】
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ上記油脂肪酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0029】
上記ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0030】
上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。オキシエチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、乳化安定性を高める観点から、2~100であることが好ましく、より好ましくは4~90である。
【0031】
上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。オキシエチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、乳化安定性を高める観点から、5~50が好ましく、より好ましくは10~30である。
【0032】
本発明の水性化粧料中の成分(C)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、1.0質量%以下、好ましくは0.8質量%以下である。上記含有量が0.1質量%以上であることにより、塗布後の白浮きが抑制される。上記含有量が1.0質量%以下であることにより、成分(C)由来のべたつきを抑制でき、塗布後のべたつきが抑制できる。上記成分(C)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(C)の含有量の合計である。
【0033】
[成分(D):エタノール]
成分(D)はエタノールである。成分(D)は、水性化粧料の塗布時の皮膚へのなじみを向上する効果を発揮する。本発明の水性化粧料中の成分(D)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、2.0質量%以上、好ましくは3.0質量%以上であり、30.0質量%以下、好ましくは25.0質量%以下である。上記含有量が2.0質量%以上であることにより、塗布時のなじみが良好となる。上記含有量が30.0質量%以下であることにより、乾き際の成分(A)由来のべたつき感を抑制できる。上記成分(D)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(D)の含有量の合計である。
【0034】
[成分(E):水]
成分(E)は、水である。成分(E)は、精製水であることが好ましい。成分(E)は、本発明の水性化粧料の媒体である。本発明の水性化粧料中の成分(E)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、30.0質量%以上、好ましくは40.0質量%以上であり、92.9質量%以下、好ましくは80.0質量%以下である。上記成分(E)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(E)の含有量の合計である。
【0035】
[成分(F):粉体]
成分(F)は、粉体である。成分(F)は、べたつき感抑制の効果を発揮する。成分(F)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0036】
成分(F)は、無機粉体であってもよいし、有機粉体であってもよい。成分(F)としては、例えば、シリコーンエラストマー粒子、シリカ(無水ケイ酸)、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩、ナイロン、タルク、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、マイカ、リン酸カルシウム、ポリスチレン、炭、結晶セルロース、セルロース粒子、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0037】
上記シリコーンエラストマー粒子としては、ポリメチルシルセスキオキサン、架橋型メチルポリシロキサン、ジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー-3などが挙げられる。中でも、ポリメチルシルセスキオキサン、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーが好ましい。上記ポリメチルシルセスキオキサンは、メチルシロキサン網状重合体とも称し、INCI名で、POLYMETHYLSILSESQUIOXANEと表記される。上記(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーは、架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体とも称し、INCI名で、Vinyl Dimethicone/Methicone Silsesquioxane Crosspolymerと表記される。
【0038】
上記シリカ(無水ケイ酸)は、親水性シリカであってもよいし、疎水性シリカであってもよい。上記親水性シリカは、疎水化処理が施されていないシリカであり、通常は一般的なシリカである。親水性シリカは、例えば表面がシラノール基とシロキサン基のままであるシリカ(無水ケイ酸)であり、後述のような疎水化処理が施されていないシリカである。上記疎水性シリカは、親水性シリカに疎水化処理が施されたシリカである。疎水化処理に用いられる処理剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、長鎖アルキルトリクロロシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリアルコキシシラン、メタクリルシラン、フルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシランなどの有機シリル化合物;ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーン化合物などが挙げられる。疎水化処理方法は、公知の方法を用いて疎水化処理を施すことができ、例えば、液相法、気相法、オートクレーブ法などが挙げられる。上記疎水性シリカとしては、具体的には、例えば、ジメチルシロキシル化シリカ、トリメチルシロキシル化シリカ、オクチルシロキシル化シリカ、シリコーンオイル処理シリカ、メタクリルシロキシル化シリカ、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカなどが挙げられる。
【0039】
上記オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩としては、オクテニルコハク酸デンプンエステルのアルミニウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄塩などが挙げられる。中でも、アルミニウム塩(オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム)が好ましい。上記オクテニルコハク酸デンプンアルミニウムは、オクテニルコハク酸デンプンAl又はオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウムと表記される場合がある。また、上記オクテニルコハク酸デンプンアルミニウムは、INCI名で、ALUMINUM STARCH OCTENYLSUCCINATEと表記される場合がある。
【0040】
上記ナイロンとしては、特に限定されず、例えば、ナイロン-6(INCI名:NYLON-6)、ナイロン-12(INCI名:NYLON-12)などが挙げられる。上記タルクとしては、特に限定されず、化粧料組成物に一般的に用いられているタルクを使用することができる。上記ポリメタクリル酸メチルは、INCI名で、POLYMETHYL METHAC RYLATEと表記される。上記マイカとしては、例えば、セリサイト、雲母の表面を酸化チタンで被覆した雲母チタンなどが挙げられる。上記リン酸カルシウムとしては、例えば、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸三カルシウムなどが挙げられる。上記炭としては、例えば、活性炭(薬用炭)などが挙げられる。上記活性炭の原料としては、特に限定されず、活性炭の原料として一般的に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ヤシ殻、木材、おが屑、石炭、フェノール樹脂、レーヨン、アクリロニトリル、石炭ピッチ、石油ピッチなどが挙げられる。中でも、ヤシ殻、木材、フェノール樹脂、石炭が好ましい。
【0041】
本発明の水性化粧料中の成分(F)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、べたつき抑制の観点から、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは2.0質量%以上であり、かさつきを抑制し保湿感を維持する観点から、15.0質量%以下が好ましく、より好ましくは10.0質量%以下である。上記成分(F)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(F)の含有量の合計である。
【0042】
[成分(G):水溶性高分子]
成分(G)は、水溶性高分子である。成分(G)は、所謂増粘剤であり、水性化粧料の粘度を調整する効果を発揮し、水性化粧料の製剤安定性を向上する効果を発揮する。さらに、塗布後のべたつき抑制効果を向上する。成分(G)により水性化粧料を増粘することにより、水性化粧料を、例えば、粘性液状、ジェル状の剤型とすることができる。成分(G)としては、例えば、アクリル系水溶性高分子、ゼラチン、キサンタンガム、グアガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、アルギン酸塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。成分(G)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0043】
成分(G)としては、上記の中でも、アクリル系水溶性高分子(水溶性アクリルポリマー)が好ましい。本明細書では、上記「アクリル系水溶性高分子」を「成分(G1)」と称する場合がある。すなわち、成分(G)は、成分(G1)を含むことが好ましい。成分(G1)としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマー、(アクリレーツ/ネオデカン酸ビニル)クロスポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等が挙げられる。成分(G1)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0044】
成分(G1)としては、例えば、下記成分(G11)、下記成分(G12)等が挙げられる。なかでも、化粧料に、みずみずしいジェル状の剤型を付与することができる観点から、下記成分(G12)を含有することが好ましい。成分(G1)は、成分(G12)を含有することが好ましい。
成分(G11):アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマー
成分(G12):(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位と(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルに由来する構成単位とを少なくとも含むポリマー(以後、「ポリマー(G12a)」と称する場合がある)、カルボキシビニルポリマー(以後、「ポリマー(G12b)」と称する場合がある)、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマー(以後、「ポリマー(G12c)」と称する場合がある)からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー
【0045】
成分(G11)は、アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を少なくとも含むポリマーである。上記アクリロイルジメチルタウリン酸塩としては、アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムなどが挙げられる。成分(G11)は、アクリロイルジメチルタウリン酸塩以外のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。アクリロイルジメチルタウリン酸塩以外のモノマー成分としては、例えば、アクリル酸等の(メタ)アクリル酸;アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸塩;アクリル酸ヒドロキシエチル等の水酸基含有アクリルモノマー;アクリル酸アミド等のアミド基含有アクリルモノマーなどが挙げられる。
【0046】
成分(G11)としては、例えば、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸塩とアクリルアミドとアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマーなどが挙げられる。成分(G11)としては、INCI名で「Sodium Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer((アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)」と表記される化合物;INCI名で「Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)」と表記される化合物等が好ましい。上記の中でも、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが好ましい。
【0047】
成分(G11)としては、市販品を用いることができる。上記市販品としては、例えば、商品名「SIMULGEL EG」、商品名「SIMULGEL EG QD」、「SIMULGEL NS」(以上、SEPPIC S.A.社製)などが挙げられる。
【0048】
ポリマー(G12a)は、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステル(モノマー1)に由来する構成単位と、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル(モノマー2)に由来する構成単位とを少なくとも含むポリマーである。モノマー2としては、例えば、メタクリル酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、メタクリル酸ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどが挙げられる。また、モノマー2におけるオキシエチレンの平均付加モル数は15~30が好ましい。モノマー1とモノマー2とは、それぞれ、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が用いられてもよい。ポリマー(G12a)は、モノマー1及びモノマー2以外のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。
【0049】
ポリマー(G12a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸ポリオキシエチレンステアリルエーテルとのコポリマー、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸ポリオキシエチレンベヘニルエーテルとのコポリマーなどが挙げられる。ポリマー(G12a)としては、INCI名で「ACRYLATES/STEARETH-20 METHACRYLATE COPOLYMER((アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー)」と表記される化合物;「ACRYLATES/STEARETH-20 METHACRYLATE CROSSPOLYMER((アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)クロスポリマー)」と表記される化合物;「ACRYLATES/BEHENETH-25 METHACRYLATE COPOLYMER((アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマー)」と表記される化合物などが好ましい。上記の中でも、化粧料の安定性の観点から、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマーが好ましい。
【0050】
ポリマー(G12a)としては、市販品を用いることができる。上記市販品としては、例えば、商品名「アキュリン22」、「アキュリン88」、「アキュリン28」(以上、ダウケミカル社製)などが挙げられる。
【0051】
ポリマー(G12b)は、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)である。ポリマー(G12b)は、例えば、INCI名で「Carbomer(カルボマー)」と表示される。
【0052】
ポリマー(G12b)としては、市販品を用いることができる。上記市販品としては、例えば、商品名「カーボポール940」、「カーボポール941」、「カーボポール934」、「カーボポール980」、「カーボポール981」(以上、ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。
【0053】
ポリマー(G12c)は、上記カルボキシビニルポリマーが有するカルボキシル基の少なくとも一部がエステル化(例えば、炭素数10~30アルキル基エステル化)されたものである。ポリマー(G12c)は、例えば、INCI名で「Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer((アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー)」と表示される。
【0054】
ポリマー(G12c)としては、市販品を用いることができる。上記市販品としては、例えば、商品名「ペムレンTR 1」、「ペムレンTR 2」、「カーボポール1382」、「カーボポール1342」、「カーボポールETD2020」、「カーボポールUltrez20」、「カーボポールUltrez21」(以上、ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。
【0055】
成分(G12)は、塩基性物質で中和されているか、又は塩基性物質で中和して用いられることが好ましい。この場合の塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;アルギニンなどの塩基性アミノ酸などが挙げられる。塩基性物質の添加量は、成分(G12)を中和するのに充分な量であり、成分(G12)及び上記塩基性物質の種類や成分(G12)の使用量に応じて適宜配合すればよい。
【0056】
本発明の水性化粧料中の成分(G)の含有量は、本発明の水性化粧料100質量%に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。上記含有量が0.01質量%以上であることにより、肌への剤のなじみが向上する。上記含有量が2.0質量%以下であることにより、成分(G)由来のべたつきを抑制でき、塗布後のべたつきをより一層抑制できる。また、水性化粧料の肌なじみを向上させることができる。上記成分(G)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(G)の含有量の合計である。
【0057】
本発明の水性化粧料中の成分(G1)の含有量は、特に限定されないが、本発明の水性化粧料100質量%に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、2.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。上記成分(G1)の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての成分(G1)の含有量の合計である。
【0058】
[油性成分]
本発明の水性化粧料は油性成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。上記油性成分としては、炭化水素油、高級アルコール(例えば、炭素数12~24の脂肪族アルコール等)、エステル油、動植物油、シリコーン油、高級脂肪酸等が挙げられる。上記油性成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0059】
上記炭化水素油としては、ワセリン、セレシン、オゾケライト、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン(合成スクワラン、植物性スクワラン)、スクワレン、流動イソパラフィン、流動パラフィン(ミネラルオイル)、(C13-15)アルカン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、軽質イソパラフィン(イソドデカン)、軽質流動イソパラフィン、及び流動イソパラフィン等が挙げられる。
【0060】
上記高級アルコールとしては、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
【0061】
上記動植物油としては、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、モクロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、セラックロウ、及び鯨ロウ等の動植物ロウ;シア脂、カカオ脂、アストロカリウムムルムル種子脂、硬化ヒマシ油、マンゴーバター、パーム油、アボカド油、アルガンオイル、オリーブ油、コメヌカ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ブドウ種子油、ククイナッツ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、クランベアビシニカ種子油、メドウフォーム油、ヒマワリ油等が挙げられる。
【0062】
上記エステル油としては、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、セバシン酸ジエチルヘキシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ヒドロキシステアリン酸水添ヒマシ油、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ステアリン酸エチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等が挙げられる。
【0063】
上記シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ジメチコノール、高重合ジメチコン、高重合ジメチコノール等が挙げられる。
【0064】
一般的に油性成分の含有量が多い場合には白浮きが抑制されやすいが、本発明では成分(B)及び成分(C)の効果により、油性成分の含有量が少ない、又は、油性成分を含有しない場合であっても、十分な白浮き抑制の効果を発揮しうる。本発明の水性化粧料中の油性成分の含有量は、特に限定されないが、みずみずしさを保つの観点から、本発明の水性化粧料100質量%に対して、2.0質量%以下が好ましく、好ましくは1.0質量%以下、0.5質量%以下であってもよく、0質量%であってもよい。即ち、本発明の水性化粧料は、油性成分を含まなくてもよい。本発明の水性化粧料が油性成分を含有する場合、本発明の水性化粧料中の油性成分の含有量は、特に限定されないが、本発明の水性化粧料100質量%に対して、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上である。上記油性成分の含有量は、本発明の水性化粧料中の全ての油性成分の含有量の合計である。
【0065】
[その他の成分]
本発明の水性化粧料は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上記成分以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分しては、特に限定されず、例えば、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分等が挙げられる。具体的には、例えば、メントール、メンチルグリセリルエーテルなどの清涼剤;グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル、アセチルヒドロキシプロリンなどの保湿剤;パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノールなどの防腐・殺菌剤;リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調整剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;香料;色材;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤(キレート剤);ポリビニルピロリドン等の皮膜形成性高分子化合物;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;酸;アルカリ等が挙げられる。
【0066】
[本発明の水性化粧料]
本発明の水性化粧料は、公知乃至慣用の方法により製造することができ、その製造方法は特に限定されない。例えば、上記各成分を混合し、ホモミキサー、ディスパーミキサー、パドルミキサー等で攪拌して製造することができる。
【0067】
本発明の水性化粧料は、水を媒体として含む水性の化粧料である。本発明の水性化粧料の系は、所謂、水系(可溶化系を含む)、水中油型の乳化系などであってもよい。
【0068】
本発明の水性化粧料は、例えば、ディスペンサー容器、チューブ容器、広口ジャー容器などの容易に取り出すことが可能な容器に充填して使用することができる。
【0069】
本発明の水性化粧料は、皮膚に適用する皮膚化粧料であることが好ましい。本発明の水性化粧料は、特に限定されないが、例えば、保湿化粧料、美白化粧料、アクネケア用化粧料、アンチエイジング化粧料(例えば、しわ抑制、たるみ抑制等を目的とする)等のスキンケア化粧料;スカルプケア化粧料(例えば、保湿、皮脂抑制等を目的とする);デオドラント化粧料;日焼け止め化粧料;シェービング化粧料;ボディ用洗浄料(例えば、ボディシャンプー、固形石鹸等)などが挙げられる。中でも、しわ抑制用又はしわ改善用化粧料であることが好ましい。本発明の水性化粧料は、例えば、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨のいずれであってもよい。
【0070】
本発明の水性化粧料の剤型としては、特に限定されないが、例えば、化粧水(ローション)、クリーム、ジェル、乳液、エアゾールスプレー、非エアゾールスプレー、ロールオン、シート(ペーパー)などの種々の剤型が挙げられる。中でも、化粧水、ジェルが好ましい。
【0071】
本発明の水性化粧料の適用部位としては、特に限定されず、例えば、顔(額、目元、目じり、頬、口元など)、身体(腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中など)などが挙げられる。
【実施例0072】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。
【0073】
(評価)
以下のとおり評価を行った。評価は、いずれも専門評価員3名により行った。
【0074】
(試験例1:塗布時のなじみ(肌なじみ))
実施例及び比較例で得られた水性化粧料約0.7gを掌に取り、掌上でのばした後、顔全体に均一に塗布した際の塗布感触より、塗布時のなじみを下記評価基準に従い評価した。
<塗布時のなじみの評価基準>
○(良好):塗布して30秒以内に、水性化粧料が肌上でなくなったと感じられる。
×(不良):塗布して30秒経過しても、水性化粧料が肌上に明らかに残留していると感じられる。
【0075】
(試験例2:塗布後のべたつき)
試験例1で水性化粧料を塗布した後、3分後に肌を掌で触り、べたつきを下記評価基準に従い評価した。
<塗布後のべたつきの評価基準>
○(良好):べたつきがほとんど又は全く感じられない。
×(不良):べたつきが明らかに感じられる。
【0076】
(試験例3:塗布後の白浮き)
試験例1で水性化粧料を塗布した後、3分後に肌を目視観察し、下記評価基準に従い評価した。
<塗布後の白浮きの評価基準>
○(良好):塗布部の肌に析出物による白化が見られない。
×(不良):塗布部の肌が析出物で白くなっている。
【0077】
結果を下記の表に示す。
【0078】