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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025019665
(43)【公開日】2025-02-07
(54)【発明の名称】インスリン抵抗性改善用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/9066 20060101AFI20250131BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20250131BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20250131BHJP
【FI】
A61K36/9066
A61K31/12
A61P3/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023123395
(22)【出願日】2023-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】306019030
【氏名又は名称】ハウスウェルネスフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内尾 隆正
(72)【発明者】
【氏名】奥田 知夏
【テーマコード(参考)】
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C088AB81
4C088AC13
4C088BA08
4C088BA09
4C088BA32
4C088CA04
4C088CA05
4C088NA14
4C088ZC35
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB13
4C206CB14
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZC35
(57)【要約】
【課題】インスリン抵抗性を改善するための方法及び手段を提供すること。
【解決手段】ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善用組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善用組成物。
【請求項2】
ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物。
【請求項3】
前記組成物が、有効成分としてウコン抽出物のみからなる、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ウコン抽出物が、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ウコン抽出物が、水で抽出して得られたウコン抽出物と超臨界二酸化炭素で抽出して得られたウコン抽出物との混合物を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記ウコン抽出物が、少なくとも、ターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスリン抵抗性の改善用組成物に関する。また本発明は、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリンは、食後に膵臓から血液中に分泌されて、骨格筋細胞や脂肪細胞に働きかけ、これらの細胞がグルコースを取り込み、血糖値を下げる。加齢、過食などの不規則な生活によって、糖代謝異常が起きると、インスリンによる血糖値を下げる作用が弱くなり、その結果として、食後の血糖値の増加が促進したり、上昇した血糖値が元に戻りにくくなることが知られている。このようにインスリンの効きが悪くなった状態をインスリン抵抗性という。この状態を放置し、さらにインスリンの効きが悪くなると、2型糖尿病を発症する。つまり、2型糖尿病の予防のため、食後の血糖値の増加を抑制することが重要である。
【0003】
ウコン抽出物を摂取したヒトにおいて血糖値の改善が報告されている(特許文献1)。一方で、ウコンを摂取したヒトにおいて、食後のインスリン値の増加促進が認められたが、血糖値に変化が認められなかったという報告(非特許文献1)や、食後の血糖値やインスリン値に変化が認められなかったという報告(非特許文献2)があり、またウコンに含まれる一成分であるクルクミンを摂取したヒトにおいて、食後の血糖値に変化が認められなかった報告(非特許文献3)、及び食後の血糖値の増加が抑制された報告がある(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-8434号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Wickenberg, et al., Nutr J. 9:43, 2010年
【非特許文献2】Lee, et al., Asia Pac J Clin Nutr. 23(4):581-91, 2014年
【非特許文献3】Alwi, et al., Acta Med Indones. 40(4):201-10, 2008年
【非特許文献4】Thota, et al., Sci Rep. 8(1):13679, 2018年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インスリン抵抗性は、血糖に関連する疾患以外にも様々な疾患リスクが高まる要因となる可能性がある。そこで本発明は、インスリン抵抗性を改善するための方法及び手段を提供することを目的とする。また本発明は、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を予防、治療又は改善するための方法及び手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、ウコン抽出物の作用について鋭意検討を行う過程で、ウコン抽出物が、インスリンの分泌促進によらずに血糖値の上昇を抑制することから、インスリン抵抗性を改善する作用を有することを見出し、ウコン抽出物によりインスリン抵抗性を改善し、及び/又はインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を改善することができるという知見を得、本発明を完成するに至った。
【0008】
したがって、本発明は、例えば以下を包含する:
[1]ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善用組成物。
[2]ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物。
[3]前記組成物が、有効成分としてウコン抽出物のみからなる、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記ウコン抽出物が、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]前記ウコン抽出物が、水で抽出して得られたウコン抽出物と超臨界二酸化炭素で抽出して得られたウコン抽出物との混合物を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[6]前記ウコン抽出物が、少なくとも、ターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの少なくとも1種を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
【0009】
[7]ウコン抽出物の、インスリン抵抗性の改善用組成物の製造のための使用。
[8]ウコン抽出物の、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物の製造のための使用。
【0010】
[9]ウコン抽出物を、インスリン抵抗性の改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてインスリン抵抗性を改善すること
を含む、対象においてインスリン抵抗性を改善する方法。
[10]ウコン抽出物を、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善すること
を含む、対象においてインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善する方法。
【0011】
[11]インスリン抵抗性の改善に使用するための、ウコン抽出物。
[12]インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善に使用するための、ウコン抽出物。
【発明の効果】
【0012】
本発明の1以上の実施形態によれば、インスリン抵抗性の改善用組成物が提供される。
本発明の別の1以上の実施形態によれば、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を予防、治療又は改善するための組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ウコン抽出物を摂取した対象群及びプラセボ群における、糖負荷前(0分)と糖負荷後30分、60分及び120分における血糖値の変化を示すグラフである。**は、プラセボ群に対してp<0.01の有意差を示す。
図2】ウコン抽出物を摂取した対象群及びプラセボ群における、糖負荷前(0分)と糖負荷後30分、60分及び120分におけるインスリン値の変化を示すグラフである。**は、プラセボ群に対してp<0.01の有意差を示す。
図3】ウコン抽出物を摂取した対象群及びプラセボ群における、OGTT試験の血糖値及びインスリン値から求めたCederholm index(インスリン感受性の指標)を示すグラフである。*は、プラセボ群に対してp<0.05の有意差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ウコン抽出物の投与又は摂取によって、インスリン抵抗性を改善することができるという知見に基づいている。具体的には、ヒトにおいて、ウコン抽出物の摂取により、食後の血糖値の上昇の抑制と共に、インスリン分泌の促進は観察されないが血糖値低下後のインスリン値の低下が観察されたことから、ウコン抽出物の摂取によりインスリンの効きがよくなった(すなわち、インスリン抵抗性が改善された)という実験結果に基づいている。
【0015】
したがって、一態様において、本発明は、ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善用組成物を提供する。
【0016】
インスリン抵抗性とは、血糖値低下作用を有するホルモンであるインスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態を指し、具体的には、膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器(骨格筋、脂肪組織、肝臓)のインスリンに対する感受性が低下し、その作用(骨格筋や脂肪組織でのグルコースの取込み、肝臓での糖新生阻害)が鈍くなっている状態を指す。一方、膵臓のインスリン産生量が低下すると、インスリンの分泌量が少なくなり、インスリン抵抗性と同様に、血糖値が上昇し、糖尿病のリスクが高まるが、このような膵臓からのインスリン産生量が少なくなった状態は、インスリン分泌障害(インスリン分泌低下)といい、インスリン抵抗性とは区別される状態である。
【0017】
インスリン抵抗性は、糖負荷後の血糖値(食後血糖値)とインスリン値を測定することによって評価することができる。糖負荷後は血中のインスリン値が急激に増加するため、糖負荷のない空腹時の血糖値制御(インスリンに加えて、グルカゴン、肝臓などによっても制御されている)と比較してインスリンの影響が大きいことから、インスリン抵抗性の評価指標となり得る。糖負荷後の血中グルコース濃度(血糖値)及びインスリン値を経時的に測定し、血糖値を低下させるためにインスリン分泌が過剰に促進されてインスリン値が正常よりも高い場合や、インスリン値が正常であるにもかかわらず血糖値が高い場合には、インスリン抵抗性であると評価し得る。また、インスリン感受性の指標の1つとして、Cederholm indexが知られており(Cederholm, J. and Wibell, L. Diabetes Res Clin Pract. 10(2):167-75, 1990;Radikova, Z. Endocr Regul. 37(3):189-94, 2003)、このCederholm indexの数値が高いほどインスリン感受性が高く、低い程インスリン感受性が低いことを示す。Cederholm indexの数値が低い場合には、インスリン抵抗性が高いと評価し得る。
【0018】
インスリン抵抗性の改善とは、ウコン抽出物を投与又は摂取していない場合と比較して、インスリンの作用の低下を抑制すること、インスリンの低下した作用を増加する若しくは正常に近づけること、糖負荷後のインスリン値の上昇から低下までの変化が正常となること若しくは正常に近い変化となること、又はCederholm indexの数値を上昇する若しくは正常に近づけることを意味する。
【0019】
<ウコン抽出物を含む組成物>
本発明に係る組成物は、ウコン抽出物を含有する。本発明においてウコン抽出物とは、ショウガ科ウコン属の植物に由来する植物原料の抽出溶媒による抽出物(ウコンエキス)をいう。ウコン抽出物は、抽出溶媒による抽出により得られた溶媒抽出物に限らず、溶媒抽出物を更に、カラムクロマトグラフィ等で分画精製したものをも包含する。本発明で用いるウコン抽出物は、抽出操作(分画精製を行う場合は分画精製操作も含む)の完了した抽出液、抽出液から溶媒を部分的に除去した濃縮物、或いは、抽出液から溶媒を除去した乾燥物の形態であることができる。抽出物からの溶媒の除去は、加熱及び/又は減圧等により溶媒を揮発することにより行うことができる。これらの加熱、減圧の方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法を使用することができる。
【0020】
前記植物原料としては、ショウガ科ウコン属の植物であるCurcuma longa(ウコン)、Curcuma aromatica、Curcuma zedoaria、Curcuma phaeocaulis、Curcuma kwangsiensis、Curcuma wenyujin、及び/又はCurcuma xanthorrhizaの根茎等が挙げられ、特に、Curcuma longaの根茎等が好適である。根茎は土中から採取したものを使用してよく、根茎の適当な部位を原型のまま、あるいは適当な寸法又は形状にカットしたもの、あるいは粉砕物の形態にしたものを使用することができる。これらの植物原料は適宜乾燥されたものであってよい。
【0021】
抽出溶媒としては、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒としては、水、親水性有機溶媒、水と親水性有機溶媒の混合溶媒のいずれであってもよい。親水性有機溶媒は複数種の親水性有機溶媒の混合溶媒であってもよい。「水」とは熱水も包含する。熱水としては例えば95℃以上の熱水が使用できる。親水性有機溶媒としては少なくとも1種のアルコール(複数種のアルコールの混合溶媒であってもよい)が挙げられ、アルコールとしては、特に限定されないが、エタノールが好ましい。抽出溶媒としてアルコールと水との混合溶媒を用いる場合の混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90~90:10の範囲が好ましく、20:80~50:50の範囲がより好ましい。
また、抽出溶媒として、超臨界二酸化炭素を用いることもできる。
【0022】
植物原料からのウコン抽出物の抽出方法は特に限定されるものではなく、当該技術分野で慣用的に使用される抽出方法を採用することができる。
【0023】
本発明では、ウコン抽出物は、1種のウコン抽出物を含むものであってもよいし、抽出溶媒及び/又は抽出方法の異なる2種以上のウコン抽出物を含むものであってもよい。一実施形態では、ウコン抽出物は、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種を抽出溶媒として得られたウコン抽出物と、超臨界二酸化炭素を用いて得られたウコン抽出物との混合物を含み、例えば、水で抽出して得られたウコン抽出物と超臨界二酸化炭素で抽出して得られたウコン抽出物との混合物を含む。混合物におけるそれぞれの抽出物の比率は、特に限定されるものではなく、例えば、1:0.01~1:1の重量比などである。
【0024】
好ましい実施形態では、ウコン抽出物は、水、例えば熱水による抽出物、及び超臨界二酸化炭素による抽出物の少なくとも1つを含む。
【0025】
本発明において使用するウコン抽出物は、少なくとも、ターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの少なくとも1種を含有する。
【0026】
ターメロノールA及びターメロノールBは、それぞれ、以下の平面構造を有する化合物である。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
本発明においてターメロノールA及びターメロノールBはそれぞれ上記の平面構造を有していればよく、いずれの光学異性体であってもよく、複数の光学異性体の混合物であってもよい。
【0030】
ウコン抽出物から分離される天然物において、ターメロノールA及びターメロノールBは、2-メチル-2-ヘプテン-4-オンの部分構造における6位炭素の立体配置がS体であることが公知である。しかし、本発明においてターメロノールA及びターメロノールBは上記の平面構造を有していればよく、前記立体配置がS体であってもよいし、R体であってもよいし、S体とR体との混合物であってもよい。
【0031】
本発明においてビサクロンとは、以下の平面構造を有する化合物である。ビサクロンは平面構造式中*印で示した位置に不斉炭素を有し、複数の光学異性体を含み得るが、本発明においてビサクロンはいずれの光学異性体であってもよく、2種以上の光学異性体の混合物であってもよい。
【0032】
【化3】
【0033】
ウコン抽出物は、常法により、乾燥、粉末化、顆粒化、溶液化等の加工を施したものであってもよい。
【0034】
<本発明の組成物>
本発明の組成物の一態様は、前記ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善用組成物に関する。本態様に係る本発明の組成物を、ヒト等の対象に投与することで、前記対象においてインスリン抵抗性を改善することができる。ここで、前記の有効成分は、インスリン抵抗性の改善のための有効量で摂取又は投与される。投与経路としては経口投与又は経鼻投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。本発明の組成物は、体内で、血糖値上昇を抑制する(特に、インスリン分泌を促進せずに血糖値上昇を抑制する)ことで、インスリン抵抗性を改善することができる。
【0035】
本発明の組成物の別の一態様は、前記ウコン抽出物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物に関する。本態様に係る本発明の組成物を、ヒト等の対象に摂取させる又は投与することで、前記対象においてインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善することができる。ここで、前記の有効成分は、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善するための有効量で摂取又は投与される。投与経路としては経口投与又は経鼻投与が好ましく、経口投与が特に好ましい。
【0036】
インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害とは、インスリン抵抗性に起因して生じる疾患又は障害であり、本発明にしたがってインスリン抵抗性を改善することによって、予防、治療又は改善することが可能な疾患又は障害である。そのような疾患又は障害としては、2型糖尿病、動脈硬化、高血圧、心臓病、肥満、代謝関連脂肪肝疾患、脂肪沈着症、脂肪性肝炎、肝硬変、エネルギー恒常性障害、脳発達障害、アルツハイマー病、がん(乳がん、子宮がん、子宮頸がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、腎臓がん、前立腺がん)、過濾過、慢性腎臓病、多嚢胞性卵巣症候群、月経異常不妊症などが知られている(Li, M. et al. Signal Transduct Target Ther. 6;7(1):216, 2022)。
【0037】
本発明の組成物は、医薬品、飲食品、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等の各形態の組成物であってよく、医薬品又は飲食品であることがより好ましい。飲食品は、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養補給のためのサプリメント等の形態のものも包含する。本発明の組成物は、好ましくは、経口又は経鼻により摂取又は投与される組成物の形態であり、より好ましくは、経口により摂取又は投与される組成物の形態である。
【0038】
本発明の組成物での前記ウコン抽出物の含有量は、本発明の組成物の1日の摂取又は投与量当たり、好ましくはヒト1人、特に成人1人に対する1日の摂取又は投与量当たり、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように含有すること、及び/又はターメロノールAとして17μg以上、好ましくは28μg以上、より好ましくは43μg以上、更に好ましくは57μg以上、最も好ましくは80μg以上、例えば100μgとなるように含有すること、及び/又はターメロノールBとして5μg以上、好ましくは8μg以上、より好ましくは12μg以上、更に好ましくは16μg以上、最も好ましくは20μg以上、例えば100μgとなるように含有すること、及び/又はビサクロンとして80μg以上、好ましくは133μg以上、より好ましくは200μg以上、更に好ましくは267μg以上、最も好ましくは360μg以上、例えば400μgとなるように含有することが、インスリン抵抗性の改善作用、及び、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善作用を効果的に得る点で好ましい。ウコン抽出物又はそれぞれの成分の含有量の上限は特に限定されるものではない。ここで「1日の摂取又は投与量」とは経口又は経鼻による、好ましくは経口による、摂取又は投与の場合に、典型的には、本発明の組成物の量として0.1g~500gである。本発明の組成物は、継続的に摂取又は投与してもよいし、必要時に摂取又は投与して用いてもよい。
【0039】
有効成分として前記ウコン抽出物を含む本発明の組成物は、前記ウコン抽出物自体であってもよいし、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを含む組成物であってもよい。本発明の組成物が、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを含む場合、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを混合した組成物であってもよいし、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを適当な手段で製剤化した組成物であってもよいし、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分との製剤化した組成物を、更に他の成分と混合した組成物であってもよい。一実施形態では、本発明の組成物は、有効成分としてウコン抽出物のみからなる組成物である。「有効成分としてウコン抽出物のみからなる」とは、目的の活性(インスリン抵抗性の改善)を示す有効成分がウコン抽出物のみであり、他に有効成分を含まないことを意味する。ただし、有効成分以外の構成要素、例えば担体、賦形剤などが本発明の組成物に含まれてもよい。
【0040】
本発明の組成物の形状は、特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、半固形状、又は固形状などの何れの形状であってもよい。
【0041】
本発明の組成物が含み得る、少なくとも1種の他の成分としては、特に限定されないが、好ましくは、医薬品、飲食品、栄養補助食品、サプリメント、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等の最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分が例示できる。
【0042】
このような他の成分としては例えば、甘味料、酸味料、ビタミン類、ミネラル類、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、水等が挙げられる。また、必要により、色素、香料、保存料、防腐剤、防かび剤、更なる生理活性物質等を添加してもよい。
【0043】
甘味料としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、パラチノース、トレハロース、キシロース等の単糖や二糖、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合異性化糖等)、糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、ソルビトール、還元水飴等)、はちみつ、高甘味度甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア、アスパルテーム等)等が挙げられる。
【0044】
酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、又はこれらの塩等があり、これらのうちの1種又は2種以上を利用することができる。
【0045】
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、ナイアシン、イノシトール等が挙げられる。
【0046】
ミネラル類としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等が挙げられる。
【0047】
増粘剤としては、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、アラビアガム、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
【0048】
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、植物性ステロール、サポニン等が挙げられる。
【0049】
酸化防止剤としては、ビタミンC、トコフェロール(ビタミンE)、酵素処理ルチン等が挙げられる。
前記他の成分は、それぞれ当業者が飲食品、医薬品等の組成物に通常採用する範囲内の量で適宜配合することができる。
【0050】
本発明の組成物と、少なくとも1種の他の成分とを適当な手段で製剤化した組成物の形態は、粉末、顆粒、カプセル剤、錠剤(糖衣錠等のコーティング錠又は多層錠、口中崩壊剤、チュアブル錠等を含む)等の固形組成物の形態であってもよいし、溶液剤等の液体組成物の形態であってもよい。
【0051】
また、本発明の組成物は、安全性が比較的高く長期間の継続的摂取が容易である。そのため、本発明の組成物は、飲食品、栄養補助剤、サプリメント及び飼料において好ましく使用することができる。本発明の組成物は、上述したような機能又は活性を有するうえ、従来より摂取されているウコン抽出物を含むものであり、安全性が比較的高い。さらに、種々の飲食品に添加して継続的に摂取することができ、目的の機能又は作用の発揮が期待される。
【0052】
本発明の組成物は、継続的に摂取される組成物であることが好ましく、具体的には、1日1回又は2回以上の頻度で、好ましくは4週間以上、より好ましくは8週間以上、最も好ましくは12週間以上にわたり継続して摂取される組成物である。
【0053】
<インスリン抵抗性を改善する方法>
本発明の更なる一態様は、前記ウコン抽出物を、インスリン抵抗性の改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてインスリン抵抗性を改善すること
を含む、インスリン抵抗性を改善する方法に関する。
【0054】
本態様に係る方法で用いる前記ウコン抽出物は、本発明の組成物の上述した形態であることができる。
【0055】
本態様に係る方法での対象としては、典型的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物であってもよい。
【0056】
本態様に係る方法において、投与経路としては経口投与又は経鼻投与が好ましく、経口投与が特に好ましい。
【0057】
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物を対象に投与する投与量は、インスリン抵抗性の改善のための有効量であれば良く特に限定されない。例えば、対象が成人である場合、前記ウコン抽出物を、それに含まれる成分を基準として、成人1人に対し1日あたり、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように投与すること、及び/又はターメロノールAとして17μg以上、好ましくは28μg以上、より好ましくは43μg以上、更に好ましくは57μg以上、最も好ましくは80μg以上、例えば100μgとなるように投与すること、及び/又はターメロノールBとして5μg以上、好ましくは8μg以上、より好ましくは12μg以上、更に好ましくは16μg以上、最も好ましくは20μg以上、例えば100μgとなるように投与すること、及び/又はビサクロンとして80μg以上、好ましくは133μg以上、より好ましくは200μg以上、更に好ましくは267μg以上、最も好ましくは360μg以上、例えば400μgとなるように投与することが好ましい。
【0058】
本発明の組成物の投与又は摂取量は、投与対象の年齢及び体重、投与・摂取経路、投与・摂取回数、投与目的(インスリン抵抗性の改善、インスリン抵抗性に関連する疾患又は症状の予防、治療又は改善等)などにより異なり、目的とする作用を達成できるように当業者の裁量によって広範囲に変更することができる。組成物におけるウコン抽出物の割合は特に限定されず、製造の容易性や好ましい一日投与量等に合わせて適宜調節すればよい。ウコン抽出物は比較的安全性の高いものであるため、摂取量をさらに増やすこともできる。1日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。また、その投与又は摂取の頻度も、特に限定されず、投与・摂取経路、対象の年齢及び体重、目的とする効果の種々の条件に応じて適宜選択することが可能である。
【0059】
<インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善する方法>
本発明の更なる一態様は、前記ウコン抽出物を、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善すること
を含む、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害を治療、予防又は改善する方法に関する。
【0060】
本態様に係る方法で用いる前記ウコン抽出物は、本発明の組成物の上述した形態であることができる。
【0061】
本態様に係る方法での対象としては、典型的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物であってもよい。
【0062】
本態様に係る方法において、投与経路としては経口投与又は経鼻投与が好ましく、経口投与が特に好ましい。
【0063】
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物を対象に投与する投与量は、インスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善のための有効量であれば良く特に限定されない。例えば、対象が成人である場合、前記ウコン抽出物を、それに含まれる成分を基準として、成人1人に対し1日あたり、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように投与すること、及び/又はターメロノールAとして17μg以上、好ましくは28μg以上、より好ましくは43μg以上、更に好ましくは57μg以上、最も好ましくは80μg以上、例えば100μgとなるように投与すること、及び/又はターメロノールBとして5μg以上、好ましくは8μg以上、より好ましくは12μg以上、更に好ましくは16μg以上、最も好ましくは20μg以上、例えば100μgとなるように投与すること、及び/又はビサクロンとして80μg以上、好ましくは133μg以上、より好ましくは200μg以上、更に好ましくは267μg以上、最も好ましくは360μg以上、例えば400μgとなるように投与することが好ましい。
【実施例0064】
[参考例]
(1)ウコン抽出物の作製方法
ウコン抽出物は、水抽出法と超臨界ガス抽出法で調製した。水抽出法では、ウコンの根茎部分を水(熱水も含む)にて抽出し得られた抽出液を減圧熱乾燥して水分を除去することにより調製した。超臨界ガス抽出法では、ウコンの根茎部分に超臨界状態の二酸化炭素を接触させ、抽出した成分を植物油と混合し調製した。以下の実施例ではそれぞれの抽出法で調製したウコン抽出物を8:1の重量比で混合して用いた。
【0065】
(2)ウコン抽出物を含む被験食品
被験食品は、2粒当たり、実施例1で調製したウコン抽出物を、ターメロノールA(TA)として100μg、ターメロノールB(TB)として100μg、ビサクロンとして400μg含有するソフトカプセルである。被験食品は、植物油脂、ゼラチン、グリセリン、乳化剤(大豆由来)、ミツロウを原材料として作製したソフトカプセルである。
プラセボ食品は、上記被験食品のウコン抽出物不含のソフトカプセルである。
【0066】
(3)ウコン抽出物中のターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの量
ウコン抽出物中のターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの量は、以下のようにHPLCを用いて測定した。ウコン抽出物1g当たりのターメロノールAの量は724μg、ターメロノールBの量は578μg、ビサクロンの量は2182μgであることを確認した。
【0067】
ターメロノールA分析
ウコン抽出物を秤量し、水と酢酸エチルを加え、遠心分離して得られた上澄み液から酢酸エチルを減圧留去後、アセトニトリルに溶解した。得られた液を測定試料として、HPLCに供した。HPLCは以下の条件で行なった。
カラム:L-column ODS 5μm(4.6 mm φ×250 mm)
移動相:48%アセトニトリル(20分)⇒100%アセトニトリル(5分)⇒48%アセトニトリル(10分)
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出波長:238nm
【0068】
ターメロノールBの分析
ウコン抽出物を秤量し、水と酢酸エチルを加え、遠心分離して得られた上澄み液から酢酸エチルを減圧留去後、アセトニトリルに溶解した。得られた液を測定試料として、HPLCに供した。HPLCは以下の条件で行なった。
カラム:COSMOSIL 5PYE Packed Column(4.6 mm φ×150 mm)
移動相:57%メタノール(30分)⇒100%メタノール(5分)⇒57%メタノール(15分)
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出波長:238nm
【0069】
ビサクロンの分析
ウコン抽出物を秤量し、水と酢酸エチルを加え、遠心分離して得られた上澄み液から酢酸エチルを減圧留去後、アセトニトリルに溶解した。得られた液を測定試料として、HPLCに供した。HPLCは以下の条件で行なった。
カラム:Wakopak Navi C18-5(4.6 mm φ×250 mm)
移動相:30%アセトニトリル(20分)⇒20%アセトニトリル(5分)⇒80%アセトニトリル(10分)
流量:0.7mL/分
カラム温度:50℃
検出波長:240nm
【0070】
[実施例1]経口ブドウ糖負荷試験(OGTT:oral glucose tolerance test)
40~69歳の男女の被験者を無作為に2群に割付け、二重盲検下で、ウコン抽出物を含有する被験食品又は当該抽出物が不含のプラセボ食品を1日1回、2粒を夕食前に12週間摂取させた(プラセボ群:n=42、ウコン抽出物群:n=39)。被験食品の摂取12週間後にOGTTを実施し、血糖値及びインスリン値を測定した。
【0071】
OGTTの具体的な方法は、以下の通りである。被験者は、検査日の前日夜から絶食を行い、検査当日に糖負荷直前(0分)の採血を行った。その後、被験者にトレーランG液(デンプン部分加水分解物液)75 g を摂取してもらい、30、60、120分後に採血を行い、血糖値とインスリン値を測定した。結果は、糖負荷直前(0分)からの変化量で示した。
【0072】
また、インスリン感受性の指標(Insulin sensitivity index (ISI))であるCederholm indexを算出した。Cederholm indexは、CederholmとWibellによってインスリン感受性の指標として提案されたものであり(Cederholm, J. and Wibell, L. Diabetes Res Clin Pract. 10(2):167-75, 1990;Radikova, Z. Endocr Regul. 37(3):189-94, 2003)、Cederholm indexであるISICederholmは下記の計算式に従って数値を算出する。この数値が高いほどインスリン感受性が高く、低い程インスリン感受性が低いことを示す指標である。
【0073】
【数1】
[式中、
75000は、OGTTでの経口ブドウ糖負荷をmgで表したものであり、
G0は空腹時血糖値(mmol/L)であり、
G120はOGTTの120分における血糖値(mmol/L)であり、
1.15は、全静脈血糖値を血漿値に変換するための係数(血糖値が血漿中で評価されている場合は不要)であり、
180は、血漿血糖値をmmol/Lからmg/Lに変換するための係数であり、
0.19は、体重1kg当たりのグルコースの分布容量であり、
mは、体重(kg)であり、
120は、OGTTの時間(分)であり、
Imeanは、OGTT中の平均血漿インスリン濃度(mU/L)であり、
Gmeanは、OGTT中の平均血漿グルコース濃度(mmol/L)である。]
【0074】
トレーランG液の摂取前(0分)から30、60、120分後の血糖値(mg/dL)とインスリン値(μU/mL)の変化量を図1及び2に示した。図1及び2に示したデータは、ウコン抽出物摂取群n=39又はプラセボ群n=42の平均値±SEMであり、**は、p < 0.01 vs. プラセボ群を示す。図1及び2からわかるように、トレーランG液を摂取すると、血糖値及びインスリン値のいずれも0 min(ベースライン)から急速に数値が上昇した。
【0075】
図1に示したように、プラセボ群と比較して、ウコン抽出物群の血糖値は、糖負荷の60分目、120分目にどちらも有意に低かった。したがって、ウコン抽出物の摂取による食後の血糖値上昇の抑制(若しくは、血糖値の消失促進(=ベースラインに戻る作用の促進))が示唆された。また、図2に示したように、インスリン値は、プラセボ群と比較して、ウコン抽出物群が120分目に有意に低かった。なお、食後にインスリンは血糖値を下げるために膵臓からたくさん分泌されるが、血糖値が低下してくると、インスリンが不要となるため、インスリン値が元に戻る。そのため、図2の結果でも、ウコン摂取群の血糖値がプラセボ群より有意に低くなったため、それに合わせてインスリン値も低下してきたと考えられる。さらに、図3に示したように、ウコン抽出物群のインスリン感受性の指標の1つであるCederholm indexの0週から12週の変化量(ΔCederholm index)もプラセボ群より有意に高く(p < 0.05)、ウコン抽出物によるインスリン感受性の改善が示唆された。
【0076】
食後の血糖値について、制御する機構はグルカゴンや肝臓の糖新生など様々あるが、急速にインスリン値が上昇するため、他の制御因子よりインスリンの影響が非常に大きいのが特徴である。そのため、ウコン抽出物摂取による血糖値の改善は、インスリン分泌促進、若しくはインスリン抵抗性改善の可能性が高い。本試験は、ウコン抽出物群でインスリン値の上昇(インスリン分泌の促進作用)が認められていないにも関わらず、血糖値の改善が認められている(図1及び2)。さらにウコン抽出物群でインスリン感受性の改善も認められている(図3)。そのため、インスリンの効きが良くなった、つまり、インスリン抵抗性が改善されたと解釈することができる。
【0077】
以上の結果から、ウコン抽出物の摂取はインスリン抵抗性を改善させることが明らかとなった。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウコン抽出物を有効成分として含有する、食後のインスリン抵抗性の改善用組成物であって、前記ウコン抽出物が、水で抽出して得られたウコン抽出物と超臨界二酸化炭素で抽出して得られたウコン抽出物との1:0.01~1:1の重量比の混合物を含むことを特徴とする、組成物
【請求項2】
ウコン抽出物を有効成分として含有する、食後のインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物であって、前記ウコン抽出物が、水で抽出して得られたウコン抽出物と超臨界二酸化炭素で抽出して得られたウコン抽出物との1:0.01~1:1の重量比の混合物を含むことを特徴とする、組成物
【請求項3】
前記ウコン抽出物が、少なくとも、ターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ウコン抽出物を有効成分として含有する、食後のインスリン抵抗性に関連する疾患又は障害の治療、予防又は改善用組成物であって、前記ウコン抽出物が、少なくとも、ターメロノールA、ターメロノールB及びビサクロンの少なくとも1種を含有する、組成物。
【請求項5】
1日の摂取又は投与量当たり、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上を含有する、請求項4に記載の組成物。